【実施例】
【0024】
例A(比較例)及び例1(実施例)において、Badger 5574ケイ砂を、1.25パーセントBOSのCHEM−REZ(登録商標)995フランバインダー(Ashland Inc.より市販されている)、20パーセントBOB(バインダーを基準とする)のCHEM−REZ FC521触媒(Ashland Inc.より市販されている)、及び表1に示す量(砂の重量を基準として、BOS)の砂添加剤と混合し、混合物を約235℃に維持されているコアボックス(corebox)へ吹き込むことにより、ウォームボックス法によって試験コア(直径2”×高さ2”の円筒形コア)を製造した。
【0025】
例B(比較例)及び例2〜4(実施例)において、Wedron 540ケイ砂を表1の1.0パーセントのISOCURE(登録商標)TKW 10/20フェノールウレタンバインダー(Ashland Inc.より市販されている2液系フェノールウレタンバインダー、I液対II液の比は1:1)と混合し、この混合物を直径2”×高さ2”の円筒形キャビティを有するコアボックス中に吹き込み、コアをTEA触媒によって硬化させることにより、コールドボックス法によって試験コアを調製した。
【0026】
試験コアがモールドアセンブリの中に接着されている「差込み(penetration)」試験用の鋳物を用いて、試験コアのベイニング特性を測定した。次いで、温度がおよそ1450℃である溶融したClass 30のねずみ鋳鉄を、試験コアの入ったモールドアセンブリへ注ぐ。ベイニングに関する差込み試験及び機械的差込み(mechanical penetration)は、Tordoff及びTenagliaによりAFS Transactions、149〜158頁(AFS 84th Annual meeting、St. Louis、Mo.、4月21〜25日、1980年)に記載されている。表面の欠陥を目視観察によって測定し、鋳物の評価を経験及び試験用鋳物の写真に基づいて行った。
【0027】
鋳物を冷却してサンドブラストによって洗浄し、コアによって作られたキャビティの内表面を評価し、ベイニングについて目視で比較し、1〜5のスケールで評価する。ここで5は最も悪い状態のベイニングを表し、1はベイニングがないことを示す。結果を以下の表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表1のデータは明らかに、1.0重量パーセントBOSもの低いレベルであっても、クエン酸塩、酢酸塩、及び酒石酸塩などの有機酸塩を含有する鋳造混合物を用いて調製した試験コアが試験用鋳物のベイニングを低減することを示す。
【0030】
開示及び実施例は様々な組合せ、修正、及び特許請求の範囲内にあるパラメーターへの調節が可能であり、したがって特許請求の範囲は代替実施形態を含むと解釈されるべきである。
【0031】
(付記1)
鋳造混合物であって、
(a)鋳造用骨材と、
(b)前記鋳造混合物によって調製される金属鋳物のベイニングを低減するのに有効な量の有機酸塩と
を含む、鋳造混合物。
(付記2)
赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及びそれらの混合物からなる群から選択される酸化鉄をさらに含む、付記1に記載の鋳造混合物。
(付記3)
酸化鉄が赤色酸化鉄である、付記2に記載の鋳造混合物。
(付記4)
鋳造用骨材がケイ砂を含む、付記3に記載の鋳造混合物。
(付記5)
有機酸塩が、クエン酸塩、酢酸塩、酒石酸塩及びそれらの混合物からなる群から選択される、付記4に記載の鋳造混合物。
(付記6)
塩がクエン酸ナトリウムである、付記5に記載の鋳造混合物。
(付記7)
有機酸塩対赤色酸化鉄の重量比が1:1〜4:1である、付記4又は5に記載の鋳造混合物。
(付記8)
有機酸塩対赤色酸化鉄の重量比が1:1〜2:1である、付記7に記載の鋳造混合物。
(付記9)
鋳造混合物が有機バインダーを含有する、付記9に記載の鋳造混合物。
(付記10)
バインダーがフェノールウレタンバインダー又はエポキシアクリレートバインダーである、付記9に記載の鋳造混合物。
(付記11)
鋳造混合物が触媒を含有する、付記10に記載の鋳造混合物。
(付記12)
鋳造混合物中の有機酸塩の量が、鋳造用骨材の重量を基準として0.5重量パーセント〜4.0重量パーセントである、付記9に記載の鋳造混合物。
(付記13)
鋳造混合物中の有機酸塩の量が、鋳造用骨材の重量を基準として0.5重量パーセント〜4.0重量パーセントである、付記11に記載の鋳造混合物。
(付記14)
鋳造混合物中の有機酸塩の量が、鋳造用骨材の重量を基準として0.5重量パーセント〜2.5重量パーセントである、付記12に記載の鋳造混合物。
(付記15)
鋳造混合物中の有機酸塩の量が、鋳造用骨材の重量を基準として0.5重量パーセント〜2.5重量パーセントである、付記13に記載の鋳造混合物。
(付記16)
(a)付記9に記載の鋳造混合物を型に導入して鋳型を形成するステップと、
(b)(A)の鋳型を、鋳型を硬化させることができる蒸気硬化触媒と接触させるステップと、
(c)(B)から得られる前記鋳型を、前記鋳型が取り扱い可能になるまで硬化させるステップと、
(d)前記鋳型を型からはずすステップと
を含む、鋳型を調製するためのコールドボックス法。
(付記17)
(a)付記16に記載の方法によって調製された鋳型をモールドアセンブリにはめ込むステップと、
(b)金属を液体状態のうちに前記モールドアセンブリへ注ぐステップと、
(c)前記金属を冷却及び固体化させるステップと、
(d)次いで、鋳造した金属部品をモールドアセンブリから引離すステップと
を含む、金属部品の鋳造方法。
(付記18)
付記17に従って調製した金属部品。
(付記19)
(a)付記11に記載の鋳造混合物を型に導入して鋳型を形成するステップと、
(b)(A)の前記鋳型を、前記鋳型が取り扱い可能になるまで硬化させるステップと、
(c)前記鋳型を型からはずすステップと
を含む、鋳型を調製するためのノーベーク法。
(付記20)
(a)付記19に記載の方法によって調製された鋳型をモールドアセンブリにはめ込むステップと、
(b)金属を液体状態のうちに前記モールドアセンブリへ注ぐステップと、
(c)前記金属を冷却及び固体化させるステップと、
(d)次いで、鋳造した金属部品をモールドアセンブリから引離すステップと
を含む、金属部品の鋳造方法。
(付記21)
付記20に従って調製した金属部品。
(付記22)
(a)付記11に記載の鋳造混合物を型に導入して鋳型を形成するステップと、
(b)前記鋳型を150℃〜260℃の温度に加熱するステップと、
(c)(A)の前記鋳型を、前記鋳型が取り扱い可能になるまで硬化させるステップと、
(d)前記鋳型を型からはずすステップと
を含む、鋳型を調製するためのウォームボックス法。
(付記23)
(a)付記22に記載の方法によって調製された鋳型をモールドアセンブリにはめ込むステップと、
(b)金属を液体状態のうちに前記モールドアセンブリへ注ぐステップと、
(c)前記金属を冷却及び固体化させるステップと、
(d)次いで、鋳造した金属部品をモールドアセンブリから引離すステップと
を含む、金属部品の鋳造方法。
(付記24)
付記23に従って調製した金属部品。