(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る光学装置10を示す平面図である。
図2は
図1のA−A断面を示す断面図であり、
図3は
図1のB−B断面を示す断面図である。
また、
図4および5は、
図1に示す光学装置10の一部を示す図である。
図4では、とくに第1導電膜110と、第2導電膜130との位置関係が示されている。また、
図5では、とくに絶縁層120の構成が示されている。
図6および7は、本実施形態における第1導電膜110と、第2導電膜130と、により構成される接合構造200の一例を示す図である。本実施形態において、光学装置10は、例えば照明装置やディスプレイなどの発光装置である。以下、光学装置10を発光装置10として説明を行う。
【0013】
接合構造200は、透明導電材料により構成される第1導電膜110と、金属材料により構成される第2導電膜130と、が互いに接合してなる。また、第1導電膜110と第2導電膜130との間には、透明導電材料と金属材料とが混在する遷移領域が存在する。
【0014】
また、本実施形態に係る発光装置10は、接合構造200を有している。発光装置10は、有機EL素子20と、第1配線114と、引出配線134と、を備えている。有機EL素子20は、第1電極112と、第2電極152と、第1電極112と第2電極152との間に配置された有機層140と、を有している。第1配線114は、第1電極112と電気的に接続し、かつ第1導電膜110により構成されている。引出配線134は、第1配線114と接合し、かつ第2導電膜130により構成されている。
【0015】
以下、本実施形態に係る接合構造200の構成の一例、発光装置10の構成の一例、および発光装置10の製造方法の一例につき、詳細に説明する。
【0016】
まず、本実施形態に係る接合構造200の構成の一例について説明する。
接合構造200は、第1導電膜110と、第2導電膜130と、が互いに接合してなる接合構造である。なお、本明細書において、第1導電膜110と第2導電膜130が接合するとは、第1導電膜110と第2導電膜130との間に他の構成が介在する場合を含む。
本実施形態において、接合構造200は、たとえば基板100上に形成される。この場合、第1導電膜110および第2導電膜130は、基板100上に形成されることとなる。
【0017】
接合構造200は、たとえば有機EL素子を含む発光装置を構成する。発光装置は、たとえば有機EL素子と、有機EL素子を構成する電極に電気的に接続する第1配線と、第1配線に電気的に接続する引出配線と、を備える。このとき、引出配線および第1配線を介して有機EL素子を構成する電極に外部から発光/非発光を制御するための電気信号が供給される。
本実施形態において、接合構造200のうち第1導電膜110は、たとえば有機EL素子を構成する電極に接続する第1配線を構成する。また、接合構造200のうち第2導電膜130は、たとえば引出配線を構成する。この場合、第1配線と引出配線との間において、接合構造200が形成されることとなる。
【0018】
第1導電膜110は、実質的に導電材料を含んで構成される。第1導電膜110を構成する導電材料としては、たとえば透明導電材料、または銀等のペースト状の導電材料が挙げられる。この中でも、透明導電材料がとくに好ましい。第1導電膜110が透明導電材料により構成される場合、透明性を有する導電膜となる。本実施形態において、第1導電膜110は、たとえば基板100平面に平行な一方向に延在する形状を有する。
【0019】
透明導電材料は、たとえばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の無機材料、または導電性高分子を含んでなる。
透明導電材料が導電性高分子を含む場合、第1導電膜110は塗布法を用いて形成することができる。この場合、第1導電膜110を形成する工程において、基板100等の他の構成へ熱負荷がかかってしまうことを抑制することが可能となる。
また、透明導電材料として無機材料を含む場合には、第1導電膜110は、この無機材料を有機溶剤中に分散させた溶液を塗布することにより形成される塗布型導電膜であることが好ましい。このような場合においても、第1導電膜110を、塗布法を用いて形成することができる。
【0020】
本実施形態において、第1導電膜110を構成する透明導電材料に含まれる導電性高分子は、たとえばπ共役系導電性高分子とポリアニオンを含んでなる導電性高分子である。この場合、とくに導電性や耐熱性、フレキシブル性に優れた第1導電膜110を形成することが可能となる。
π共役系導電性高分子としては、特に限定されないが、たとえばポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、またはポリチアジル類の鎖状導電性ポリマーを用いることができる。導電性、透明性、安定性等の観点からは、ポリチオフェン類またはポリアニリン類であることが好ましく、ポリエチレンジオキシチオフェンであることがとくに好ましい。
ポリアニオンとしては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、またはポリアクリル酸を用いることができる。本実施形態において用いられるポリアニオンは、これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
【0021】
第1導電膜110を構成する透明導電材料として導電性高分子を含む場合、透明導電材料は、架橋剤、レベリング剤、または消泡剤等をさらに含んでいてもよい。
【0022】
第2導電膜130は、金属材料を含んで構成される。ここで、第2導電膜130に含まれる金属材料としては、たとえば第1導電膜110を構成する透明導電材料よりも電気抵抗率が低い金属材料が使用される。この場合、第1導電膜110と第2導電膜130は、互いに異なる材料により構成されることとなる。
第2導電膜130に含まれる金属材料としては、たとえばAg、Al、Cr、Mo、Ni、Nb、Ti、W、Au、Pt、Cu、およびPdが挙げられる。なお、第2導電膜130は、たとえば金属粒子が焼結されてなる焼結体である。
【0023】
第1導電膜110と第2導電膜130との間には、第1導電膜110を構成する透明導電材料と、第2導電膜130を構成する金属材料とが混在する遷移領域が存在している。
ここで、透明導電材料と金属材料が混在しているとは、第2導電膜130を構成する金属材料が第1導電膜110の内部へ分散する態様を含む。このとき、金属材料が第1導電膜110へ分散するとは、第2導電膜130から互いに連なって第1導電膜110側へ延びる金属材料の連続体が形成される場合、第2導電膜130から離間した金属材料が第1導電膜110の内部へ分散する場合、の双方を含む。
また、透明導電材料と金属材料が混在している場合において、第1導電膜110を構成する透明導電材料が第2導電膜130の内部へ分散していてもよい。このとき、透明導電材料が第2導電膜130へ分散するとは、第1導電膜110から互いに連なって第2導電膜130側へ延びる透明導電材料の連続体が形成される場合、第1導電膜110から離間した透明導電材料が第2導電膜130の内部へ分散する場合、の双方を含む。
【0024】
遷移領域は、第1導電膜110と第2導電膜130との間に位置する一定の空間を占める領域をさす。本実施形態における遷移領域の一例を構成する空間では、第1導電膜110の延在方向に延びる法線を有する全ての断面と、基板100平面と平行な全ての平面と、のいずれにおいても、透明導電材料および金属材料が存在する。
【0025】
本実施形態によれば、第1導電膜110と第2導電膜130との間において、第1導電膜110を構成する透明導電材料と、第2導電膜130を構成する金属材料とが混在する遷移領域が存在している。このため、第1導電膜110と第2導電膜130との間の接触面積を増大させ、これらの間の接触抵抗を低減することができる。これにより、第1導電膜110と第2導電膜130との間における接続信頼性を向上させることができる。
【0026】
第1導電膜110の一部は、たとえば平面視で第2導電膜130と重なる。このとき、たとえば第1導電膜110と第2導電膜130とが互いに積層する積層領域において、透明導電材料と金属材料が混在した遷移領域が形成される。そして、第1導電膜110と第2導電膜130が互いに接合してなる接合構造200は、この積層領域を含むこととなる。
本実施形態においては、第1導電膜110の一端が第2導電膜130の一部上に重なるように第1導電膜110が形成され、上記積層領域が形成されることとなる。この場合、第1導電膜110は、たとえば第2導電膜130のうちの上面と、側面と、のそれぞれの一部を覆うように形成される。
【0027】
図6および
図7では、とくに第1導電膜110と第2導電膜130とが互いに積層する積層領域の構成が示されている。
図6に示す例では、第2導電膜130のうちの上記積層領域に位置する部分を構成する金属材料の一部のみが、第1導電膜110内部へ分散している例が示されている。このとき、第1導電膜110のうちの上記積層領域に位置する部分を構成する透明導電材料の一部のみが、第2導電膜130内部へ分散している。上記積層領域において、第1導電膜110および第2導電膜130は、いずれも膜としての形状を維持している。
【0028】
図7では、上記積層領域における金属材料の第1導電膜110内部への拡散の程度が、
図6に示す例より大きい例が示されている。この場合、上記積層領域における透明導電材料の第2導電膜130内部への分散の程度についても、
図6に示す例より大きくなる。このとき、上記積層領域における第2導電膜130の膜厚は、たとえば
図6に示す場合と比較して薄くなる。また、上記積層領域における第1導電膜110の膜厚についても、たとえば
図6に示す場合と比較して薄くなる。
【0029】
図6および
図7に示す例において、第2導電膜130には、第2導電膜130から第1導電膜110内部へ分散した金属粒子が粒成長して互いに連結した連鎖体が形成される場合がある。これにより、第2導電膜130表面には、この連鎖体からなる突起が形成される。また、上記連鎖体は、たとえば樹枝状の形状を有していてもよい。第1導電膜110内部には、たとえば第2導電膜130から第1導電膜110内部へ分散し、かつ第2導電膜130から離間した金属粒子が存在する。
なお、遷移領域における透明導電材料および金属材料の分散の程度は、特に限定されない。
図6および
図7に示すように、第1導電膜110の少なくとも一部および第2導電膜130の少なくとも一部が膜としての形状を維持する程度に、透明導電材料および金属材料が分散していてもよい。また、第1導電膜110および第2導電膜130が膜としての形状を失う程度に、透明導電材料および金属材料が分散していてもよい。
【0030】
本実施形態においては、たとえば次のようにして第1導電膜110および第2導電膜130が互いに接合してなる接合構造200が形成される。
まず、基板100上に第2導電膜130を形成する。第2導電膜130は、たとえば金属粒子を含有した塗布液を、塗布法を用いて基板100上に塗布することにより形成される。当該工程において使用される塗布法としては、特に限定されないが、たとえばインクジェット法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、またはディスペンサー塗布法が挙げられる。また、第2導電膜130を形成する当該工程において用いられる塗布液は、たとえばバインダ樹脂および有機溶剤を含む。バインダ樹脂としては、たとえばセルロース系樹脂、エポキシ系樹脂、またはアクリル系樹脂を用いることができる。有機溶剤としては、たとえば炭化水素系溶剤、またはアルコール系溶剤を用いることができる。また、塗布液中に含有される金属粒子は、たとえばAg、Al、Cr、Mo、Ni、Nb、Ti、W、Au、Pt、CuまたはPdである。
【0031】
次に、基板100上に、第1導電膜110を形成する。第1導電膜110は、たとえば透明導電材料含有塗布液を基板100上に塗布し、これを乾燥することにより形成される。第1導電膜110は、たとえば第2導電膜130の一部を覆うように形成される。
透明導電材料含有塗布液は、特に限定されないが、たとえばインクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法、ダイコート、スピンコート、またはスプレーを用いて基板100上に塗布される。第1導電膜110を形成する当該工程において用いられる透明導電材料含有塗布液は、たとえば上述した透明導電材料に加え、有機溶剤や水等を含む。有機溶剤としては、たとえばアルコール系溶剤を用いることができる。
【0032】
本実施形態において、第1導電膜110を形成する当該工程は、たとえば第2導電膜130が焼結されていない未焼結状態において行われる。この際、第2導電膜130と第1導電膜110とが互いに接触する部分において、未焼結状態の第2導電膜130から第1導電膜110内部へ金属粒子が分散する。また、このとき、第2導電膜130と第1導電膜110とが互いに接触する部分において、第1導電膜110から第2導電膜130内部へ透明導電材料が分散する。これにより、第1導電膜110と第2導電膜130との間に、透明導電材料と金属材料が混在する遷移領域が形成されることとなる。
【0033】
次に、第1導電膜110および第2導電膜130に対し熱処理を施す。これにより、第2導電膜130を焼結するとともに、第1導電膜110を乾燥させる。透明導電材料が導電性高分子を含む場合には、第1導電膜110を乾燥させることにより導電性高分子の凝集力が高まり、第1導電膜110を強固な膜とすることができる。また、第1導電膜110に対し熱処理を施すことにより、第1導電膜110の硬化が行われる。この熱処理は、たとえば120〜250℃、2〜60分の条件下において行われる。また、第1導電膜110を構成する透明導電材料が感光性材料を含む場合には、UV照射により第1導電膜110を硬化してもよい。
本実施形態においては、未焼結状態の第2導電膜130から第1導電膜110内部へ金属粒子が分散した状態において熱処理が施される。第1導電膜110内部に分散した金属粒子は、当該熱処理により粒成長して互いに連結した連鎖体となる場合もある。この場合、第2導電膜130には、金属粒子が粒成長して互いに連結した連鎖体が形成されることとなる。
【0034】
次に、発光装置10の構成の一例について説明する。
図1においては、発光装置10がディスプレイである場合が例示される。
なお、発光装置10は、照明装置であってもよい。発光装置10が照明装置である場合、発光装置10は、たとえば互いに発光色が異なるライン状の有機層140を複数繰り返し並べた構成を有する。これにより、演色性に優れた照明装置が実現される。また、照明装置である発光装置10は、面状の有機層140を有していてもよい。
【0035】
基板100は、たとえば透明基板である。本実施形態において、基板100は、ガラス基板とすることができる。これにより、耐熱性等に優れた発光装置10を安価に製造することが可能となる。
【0036】
基板100は、樹脂材料により構成されるフィルム状の基板であってもよい。この場合、特にフレキシブル性の高いディスプレイを実現することが可能となる。フィルム状の基板を構成する樹脂材料としては、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリカーボネートが挙げられる。また、基板100は、ガラスと樹脂材料を組み合わせたものでもよい。本実施形態によれば、光学装置(発光装置10)が可撓性を有していても、第1導電膜110及び第2導電膜130により構成される接合構造200における接続信頼性は高いため、消費電力低減の効果は高い。
【0037】
ディスプレイである発光装置10は、たとえばアレイ状に配列された複数の有機EL素子20を基板100上に有する。有機EL素子20は、基板100上に設けられた第1電極112と、第1電極112上に設けられた有機層140と、有機層140上に設けられた第2電極152と、を有している。このとき、有機層140は、第1電極112と第2電極152により狭持されることとなる。
【0038】
本実施形態では、たとえば図中Y方向に延びる複数の第1電極112と、図中X方向に延びる複数の第2電極152と、が基板100上に設けられる。そして、第1電極112と第2電極152が平面視で互いに重なる各部分において、有機EL素子20が形成される。これにより、基板100上には、アレイ状に配列された複数の有機EL素子20が形成されることとなる。
【0039】
第1電極112は、たとえば有機EL素子の陽極となる。この場合、第1電極112は、たとえば後述する有機層140のうちの発光層144から発光される光の波長に対して透明または半透明である透明電極となる。また、第1電極112は、たとえば基板100上であって、かつ画素領域300内において、図中Y方向に直線状に延在するように設けられる。また、基板100上には、たとえば互いに離間する複数の第1電極112が、第1電極112の延在方向と垂直な方向(図中X方向)に配列される。このとき、複数の第1電極112は、たとえば互いに離間する。なお、画素領域300は、複数の有機EL素子20を含む領域である。
図4に示す例では、一点鎖線により囲まれた領域が画素領域300に該当する。
【0040】
本実施形態において、第1電極112は、たとえば透明導電材料により構成される。第1電極112を構成する透明導電材料としては、たとえば第1導電膜110を構成する透明導電材料と同様のものを用いることができる。このため、第1電極112は透明性を有することができる。
【0041】
基板100上には、たとえば第1配線114が設けられている。本実施形態では、第1配線114が、第1電極112と電気的に接続する場合が例示される。このとき、基板100上には、それぞれ異なる第1電極112へ接続する複数の第1配線114が設けられる。このため、本実施形態における複数の第1電極112は、それぞれ第1配線114を介して引出配線134へ接続されることとなる。
【0042】
本実施形態において、第1配線114は、透明導電材料により構成される第1導電膜110により構成される。このため、第1配線114は透明性を有することができる。
【0043】
本実施形態において、第1電極112および第1配線114は、たとえば基板100上に一体として設けられる。この場合、第1配線114および第1電極112は、たとえば第1導電膜110により構成されることとなる。このとき、第1導電膜110のうち、複数の有機EL素子20を含む画素領域300内に位置する部分が、第1電極112となる。また、第1導電膜110のうち、画素領域300外に位置する部分が、第1配線114となる。第1電極112は、第1配線114を介して引出配線134に接続する。
図4に示す例において、基板100上には、図中Y方向に延在する第1導電膜110が複数設けられている。これら複数の第1導電膜110は、互いに離間するよう図中X方向に配列されている。そして、第1導電膜110のうち、一点鎖線で示される画素領域300よりも引出配線134と接続する端部側に位置する部分が、第1配線114となる。
【0044】
基板100上には、引出配線134が設けられている。
本実施形態では、引出配線134が第1配線114に接続する場合が例示される。基板100上には、互いに離間するよう図中X方向に配列された複数の引出配線134が設けられている。各引出配線134は、それぞれ第1配線114に接続される。このため、複数の第1配線114は、それぞれ引出配線134を介して外部へ接続されることとなる。有機EL素子20には、第1配線114および引出配線134を介して発光/非発光の信号が供給される。
【0045】
本実施形態において、引出配線134は、金属材料により構成される第2導電膜130により構成される。このため、引出配線134が第1配線114に接続される場合、第1導電膜110により構成される第1配線114と、第2導電膜130により構成される引出配線134と、が互いに接合して接合構造200が形成されることとなる。
図4に示す例では、破線により囲まれた部分において接合構造200が形成される。
【0046】
第1配線114は、一の端部において引出配線134と接続している。このとき、第1配線114は、たとえば上記一の端部において引出配線134と接合し、接合構造200を形成することとなる。第1配線114は、引出配線134からみて第1方向に延びている。なお、本実施形態において第1方向とは、たとえば図中Y方向をさす。
【0047】
本実施形態において、第1配線114の一部は、たとえば平面視で引出配線134と重なっている。このとき、たとえば第1導電膜110により構成される第1配線114と第2導電膜130により構成される引出配線134とが互いに積層する積層領域において、透明導電材料と金属材料が混在した遷移領域が形成される。そして、第1導電膜110と第2導電膜130が互いに接合してなる接合構造200は、この積層領域を含む。本実施形態では、第1配線114の一端が引出配線134の一部上に重なるように第1配線114が形成され、上記積層領域が形成される。この場合、第1配線114は、たとえば引出配線134のうちの上面と、側面と、のそれぞれの一部を覆うように形成される。
図4では、引出配線134のうち画素領域300側に位置する端部のみが、平面視で第1配線114と重なる場合が例示される。この場合、引出配線134のうち画素領域300側に位置する端部は第1配線114により覆われ、他の部分は第1配線114により覆われずに露出することとなる。本実施形態においては、引出配線134は、たとえば上面の一部、画素領域300に面する端面、および当該端面に隣接する二つの側面の一部において第1配線114により覆われる。
【0048】
基板100上には、たとえば第1電極112を覆うように絶縁層120が設けられている。本実施形態においては、たとえば第1電極112と、第1配線114および後述する引出配線164それぞれの一部と、を覆うように絶縁層120が設けられる。
絶縁層120は、ポリイミド系樹脂等の感光性の樹脂であり、露光および現像されることによって所望のパターンに形成される。絶縁層120は、ポリイミド系樹脂以外の樹脂材料により構成されてもよく、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂であってもよい。
【0049】
絶縁層120には、たとえば複数の第1開口122が設けられている。
図5に示すように、第1開口122は、たとえばマトリクスを構成するように形成される。
本実施形態においては、複数の第1開口122は、第1電極112上に位置するように形成される。図中Y方向に延在する各第1電極112の上には、たとえば複数の第1開口122が所定の間隔を空けて図中Y方向に配列される。また、これらの複数の第1開口122は、たとえば第1電極112と直交する方向(図中X方向)に延在する第2電極152と重なる位置に設けられる。このため、複数の第1開口122は、マトリクスを構成するように配置されることとなる。
【0050】
絶縁層120には、たとえば複数の第2開口124が設けられている。
図5に示すように、第2開口124は、たとえば引出配線164上に位置するように設けられる。複数の第2開口124は、第1開口122が構成するマトリクスの一辺に沿って配置されている。この一辺に沿う方向(たとえば図中Y方向)でみた場合、第2開口124は、第1開口122と同じ間隔で配置されている。
【0051】
絶縁層120上には、たとえば隔壁170が設けられている。
図1に示すように、隔壁170は、図中X方向に延在するように設けられる。すなわち、隔壁170は、第2電極152の延在方向に沿って形成されることとなる。また、隔壁170は、図中Y方向に配列されるよう複数設けられる。
隔壁170は、たとえばポリイミド系樹脂等の感光性の樹脂であり、露光および現像されることによって所望のパターンに形成される。なお、隔壁170は、ポリイミド系樹脂以外の樹脂材料により構成されてもよく、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂であってもよい。
【0052】
隔壁170は、たとえば断面が台形の上下を逆にした形状(逆台形)を有している。すなわち、隔壁170の上面の幅は、たとえば隔壁170の底面の幅よりも大きい。この場合、複数の第2電極152をスパッタリング法や蒸着法等により一括して形成する場合であっても、隣接する隔壁170間にそれぞれ位置する複数の第2電極152を互いに分断させることが可能となる。したがって、第2電極152を容易に形成することができる。
なお、隔壁170の平面形状は、
図1に示すものに限られない。このため、隔壁170の平面形状を変更することにより、隔壁170により互いに分断される複数の第2電極152の平面パターンを自由に変更することが可能となる。
【0053】
図2に示すように、第1開口122の中には、たとえば有機層140が形成されている。
本実施形態において、有機層140は、たとえば正孔注入層142、発光層144および電子注入層146を順に積層した積層体により構成される。このとき、正孔注入層142は第1電極112に接し、電子注入層146は第2電極152に接する。このため、有機層140は、第1電極112と第2電極152との間に狭持されることとなる。
なお、正孔注入層142と発光層144の間には正孔輸送層が形成されてもよいし、発光層144と電子注入層146の間には電子輸送層が形成されてもよい。また、有機層140は、正孔注入層142を有していなくともよい。
【0054】
本実施形態において、絶縁層120上には、たとえば隔壁170が設けられている。この場合、
図2に示すように、隣接する隔壁170間に挟まれる複数の領域それぞれに設けられた有機層140は、図中Y方向において互いに分断される。なお、隔壁170上には、たとえば有機層140と同一材料からなる積層膜が形成される。
一方で、
図3に示すように、有機層140を構成する各層は、隔壁170が延在する図中X方向において、隣り合う第1開口122の間において連続するように設けられる。
【0055】
有機層140上には、第2電極152が設けられている。
本実施形態において、第2電極152は、たとえば有機EL素子の陰極となる。第2電極152は、たとえば図中X方向に直線状に延在するように設けられる。また、基板100上には、たとえば互いに離間する複数の第2電極152が、第2電極152の延在方向と垂直な方向(図中Y方向)に配列される。
【0056】
第2電極152は、たとえば錫、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、もしくは銀、またはこれらの合金等の金属材料により構成される。これらの材料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上の任意の組み合わせを用いてもよい。なお、第2電極152が陰極である場合、第2電極152は、陽極である第1電極112よりも仕事関数が小さい導電性材料により構成されることが好ましい。
【0057】
基板100上には、第2配線154が設けられている。
第2配線154は、第1電極112または第2電極152のうち第1配線114と接続していない一方に接続している。これにより、第1電極112および第2電極152のうち第2配線154と接続されるいずれか一方は、第2配線154を介して外部へ接続されることとなる。
本実施形態においては、第2配線154が有機層140上に設けられ、第2電極152に接続される場合が例示される。このとき、有機層140上には、それぞれ異なる第2電極152へ接続する複数の第2配線154が設けられる。このため、本実施形態における複数の第2電極152は、それぞれ第2配線154を介して外部へ接続されることとなる。なお、第2配線154は、たとえば一部が第2開口124内に埋め込まれ、当該一部において後述する引出配線164に接続される。
【0058】
第2配線154は、たとえば金属材料により構成される。第2配線154を構成する金属材料としては、たとえば第2電極152と同様のものを用いることができる。
【0059】
本実施形態において、第2電極152および第2配線154は、たとえば有機層140上に一体として設けられ、導電膜150を構成する。この場合、導電膜150のうち、複数の有機EL素子20を含む画素領域300内に位置する部分が、第2電極152となる。また、導電膜150のうち、画素領域300外に位置する部分が、第2配線154となる。第2電極152は、たとえば第2配線154を介して引出配線164に接続する。なお、
図1に示す例では、一点鎖線で囲まれた領域が画素領域300に該当する。
図1に示す例において、有機層140上には、図中X方向に延在する導電膜150が複数設けられている。また、これらの複数の導電膜150は、互いに離間するよう図中Y方向に配列されている。そして、導電膜150のうち、画素領域300よりも引出配線164と接続する端部側に位置する部分が、第2配線154となる。
【0060】
複数の導電膜150は、たとえばスパッタリング法または蒸着法等を用いて有機層140上に一括で形成される。このような場合であっても、本実施形態においては絶縁層120上に隔壁170が形成されているため、隣接する隔壁170間に挟まれる複数の領域それぞれに設けられた導電膜150は図中Y方向において互いに分断されることとなる。
これにより、互いに離間するよう図中Y方向に配列され、かつ図中X方向に延在する複数の導電膜150を形成することが可能となる。このとき、隔壁170上には、導電膜150と同一材料からなる膜が形成されることとなる。
【0061】
基板100上には、たとえば引出配線164が設けられている。第2配線154は、引出配線164を介して外部に接続する。このため、第2電極152は、第2配線154および引出配線164を介して外部に接続され、信号が供給されることとなる。
【0062】
引出配線164は、たとえば金属材料により構成される。引出配線164を構成する金属材料としては、たとえば引出配線134と同様のものを用いることができる。この場合、引出配線164は、引出配線134と同時に形成することが可能となる。このため、発光装置10の製造工程数が増大することを抑制することができる。一般的に、引出配線(134、164)の端部は発光装置10の端子部を形成することになる。この端子部が外部回路と電気的に接続する。この端子部と外部との接続では、ACF(異方性導電膜)やボンディングワイヤを利用する。特に、ボンディングワイヤを利用した光学装置(発光装置10)では、光学装置を長方形の装置形状だけではなく、異形や円形などの装置形状のものにおいても、第1導電膜110及び第2導電膜130により構成される接合構造200における接続信頼性は高いため、消費電力低減の効果は高い。
【0063】
次に、発光装置10の製造方法の一例について説明する。
まず、基板100上に引出配線134を形成する。引出配線134は、たとえば金属粒子を含有した塗布液を、塗布法を用いて基板100上に塗布することにより形成される。なお、本実施形態において、引出配線134は、第2導電膜130により構成される。このため、引出配線134は、たとえば上述した第2導電膜130を形成する方法および第2導電膜130を構成する材料を用いて形成される。
【0064】
また、本実施形態においては、たとえば引出配線134を形成する工程と同時に、基板100上に引出配線164が形成される。この場合、引出配線164は、たとえば引出配線134と同様の方法および材料により形成される。
【0065】
次に、基板100上に、第1配線114を形成する。第1配線114は、たとえば透明導電材料含有塗布液を基板100上に塗布し、これを乾燥することにより形成される。なお、本実施形態において、第1配線114は、第1導電膜110である。このため、第1配線114は、たとえば上述した第1導電膜110を形成する方法および第1導電膜110を構成する材料を用いて形成される。
本実施形態において、第1配線114を形成する当該工程は、たとえば引出配線134が焼結されていない未焼結状態において行われる。この際、引出配線134と第1配線114とが互いに接触する部分において、未焼結状態の引出配線134から第1配線114内部へ金属粒子が分散する。また、引出配線134と第1配線114とが互いに接触する部分において、第1配線114から引出配線134内部へ透明導電材料が分散する。これにより、第1配線114を構成する第1導電膜110と、引出配線134を構成する第2導電膜130と、の間に透明導電材料と金属材料が混在する遷移領域が形成される。
【0066】
第1配線114を形成する上記工程においては、たとえば第1配線114とともに、第1配線114に接続する第1電極112が形成される。この場合、第1電極112は、たとえば第1配線114と一体として第1導電膜110により形成される。
【0067】
次に、第1配線114および引出配線134に対し熱処理を施す。これにより、引出配線134を焼結するとともに、第1配線114を乾燥させる。この熱処理は、たとえば120〜250℃、2〜60分の条件下において行われる。
本実施形態においては、未焼結状態の引出配線134から第1配線114内部へ金属粒子が分散した状態において熱処理が施される。このとき、第1配線114内部に分散した金属粒子は、当該熱処理により粒成長して互いに連結した連鎖体となり得る。また、第1配線114内部に分散した金属粒子は、連鎖体を構成せずに、第2導電膜130から離間して存在することもある。この段階において得られる構造が、
図4に示されるものである。
【0068】
次に、基板100上、第1電極112上、第1配線114上および引出配線164上に絶縁層120を形成する。絶縁層120は、ドライエッチングまたはウェットエッチング等を用いて所定の形状にパターニングされる。これにより、絶縁層120に、複数の第1開口122および複数の第2開口124が形成される。このとき、複数の第1開口122は、たとえば各第1開口122から第1電極112の一部が露出するように形成される。
【0069】
次に、絶縁層120上に隔壁170を形成する。隔壁170は、絶縁層120上に設けられた絶縁膜をドライエッチングまたはウェットエッチング等を用いて所定の形状にパターニングすることにより得られる。隔壁170が感光性樹脂により形成される場合、露光および現像時の条件を調節することにより、隔壁170の断面形状を逆台形にすることができる。この段階において得られる構造が、
図5に示されるものである。
【0070】
次に、第1開口122内に、正孔注入層142、発光層144および電子注入層146を順に形成する。これらは、たとえば塗布法または蒸着法を用いて形成される。
これにより、有機層140が形成される。
【0071】
次に、有機層140上に、第2電極152および第2配線154を構成する導電膜150を形成する。このとき、たとえば導電膜150の一部が第2開口124内に位置するように、導電膜150が形成される。導電膜150は、たとえば蒸着法またはスパッタリング法を用いて形成される。
これにより、第1電極112と、第2電極152と、これらに狭持された有機層140と、により構成される有機EL素子20が、基板100上に形成されることとなる。
本実施形態においては、たとえばこのようにして発光装置10が形成される。
【0072】
以上、本実施形態によれば、第1導電膜110と第2導電膜130との間において、第1導電膜110を構成する透明導電材料と、第2導電膜130を構成する金属材料とが混在する遷移領域が存在している。このため、第1導電膜110と第2導電膜130との間の接触面積を増大させ、これらの間の接触抵抗を低減することができる。これにより、第1導電膜110と第2導電膜130との間における接続信頼性を向上させることができる。
また、有機EL素子20を構成する第1電極112に接続され、かつ第1導電膜110により構成される第1配線114と、第2導電膜130により構成される引出配線134と、を備える発光装置10を実現することができる。これにより、第1電極112と引出配線134との間における接続信頼性を向上させることができる。また、発光装置10の動作信頼性を向上させることも可能となる。
【0073】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係る発光装置12を示す平面図であり、第1の実施形態に係る
図1に対応している。
図9は、
図8のC−C断面を示す断面図であり、
図10は
図8のD−D断面を示す断面図である。
図11は、
図8に示す発光装置12の一部を示す図である。
図11では、とくに第1導電膜110と第2導電膜130との位置関係が示されている。
【0074】
本実施形態において、接合構造200のうち第1導電膜110は、たとえば有機EL素子を構成する電極を構成する。接合構造200のうち第2導電膜130は、たとえば有機EL素子を構成する電極と電気的に接続する引出配線を構成する。この場合、有機EL素子を構成する電極と、引出配線と、の間において、接合構造200が形成される。このとき、有機EL素子を構成する電極と、引出配線と、の間において、透明導電材料と金属材料が混在する遷移領域が形成されることとなる。
【0075】
本実施形態に係る発光装置12は、第1電極112、および引出配線134の構成を除いて第1の実施形態に係る発光装置10と同様の構成を有する。
発光装置12は、接合構造200を有している。発光装置12は、有機EL素子20と、引出配線134と、を備えている。有機EL素子20は、第1導電膜110により構成される第1電極112と、第2電極152と、第1電極112と第2電極152との間に配置された有機層140と、を有している。引出配線134は、第1電極112と接合し、かつ第2導電膜130により構成されている。
【0076】
以下、発光装置12の構成の一例について説明する。
【0077】
本実施形態において、第1電極112は、たとえば基板100上であって、画素領域300内にマトリクス状に配置される。マトリクス状に配置された複数の第1電極112は、互いに離間する。なお、画素領域300は、複数の有機EL素子20を含む領域である。
図8に示す例では、一点鎖線により囲まれた領域が画素領域300に該当する。
第1電極112は、透明導電材料により構成される第1導電膜110により構成される。このため、第1電極112は透明性を有することができる。
【0078】
本実施形態に係る発光装置12においては、第1の実施形態に係る発光装置10を構成する第1配線114が設けられていない。
【0079】
本実施形態では、引出配線134が第1電極112に接続される場合が例示される。引出配線134は、図中Y方向に延在している。また、基板100上には、互いに離間するよう図中X方向に配列された複数の引出配線134が設けられている。各引出配線134は、それぞれY方向に配列された複数の第1電極112に接続される。このため、複数の第1電極112は、それぞれ引出配線134を介して外部へ接続されることとなる。有機EL素子20には、引出配線134を介して発光/非発光の信号が供給される。
本実施形態において、引出配線134は、金属材料により構成される第2導電膜130により構成される。このため、第1導電膜110により構成される第1電極112と、第2導電膜130により構成される引出配線134と、が互いに接合して接合構造200が形成されることとなる。
図11に示す例では、破線により囲まれた部分において接合構造200が形成される。
【0080】
第1電極112は、一の端部において引出配線134と接続している。このとき、第1電極112は、たとえば上記一の端部において引出配線134と接合し、接合構造200を形成することとなる。
図10に示すように、引出配線134のうち第1電極112と接合する部分は、たとえば平面視で有機EL素子20を形成する領域内に位置する。
第1電極112は、引出配線134からみて第2方向に延びている。なお、本実施形態において第2方向とは、たとえば図中X方向をさす。第1電極112の形状は、特に限定されず有機EL素子20の設計に併せて適宜選択可能であるが、たとえば矩形である。
【0081】
引出配線134は、少なくとも一部が第1電極112と重なるように設けられている。このとき、たとえば第1導電膜110により構成される第1電極112と第2導電膜130により構成される引出配線134とが互いに積層する積層領域において、透明導電材料と金属材料が混在した遷移領域が形成される。そして、第1導電膜110と第2導電膜130が互いに接合してなる接合構造200は、この積層領域を含む。
図11に示す例においては、第1電極112の一端が引出配線134の一部上に重なるように第1電極112が形成され、上記積層領域が形成される。この場合、第1電極112は、たとえば引出配線134のうちの、上面と、側面と、のそれぞれの一部を覆うように形成されることとなる。
【0082】
絶縁層120は、たとえば引出配線134を覆うように形成される。本実施形態においては、たとえば引出配線134と引出配線164のそれぞれの一部を覆うように絶縁層120が設けられる。また、
図11に示すように、絶縁層120には、複数の第1開口122が、たとえばマトリクスを構成するように形成される。
本実施形態においては、第1電極112は、第1開口122内に形成される。これにより、基板100上にマトリクス状に配置された複数の第1電極112が形成される。また、
図9および10に示すように、複数の第1電極112は、絶縁層120によって互いに離間されることとなる。第1開口122は、たとえば引出配線134の一部と平面視で重なるように形成される。この場合、引出配線134のうちの第1開口122と平面視で重なる一部が、第1開口122に形成された第1電極112と接続することとなる。
絶縁層120は、たとえば第1の実施形態と同様の材料により構成される。
【0083】
本実施形態における隔壁170、有機層140、第2電極152、第2配線154、および引出配線164は、たとえば第1の実施形態と同様の構成を有する。
【0084】
以上、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第1導電膜110と第2導電膜130との間における接続信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、第1導電膜110により構成される第1電極112と、第2導電膜130により構成される引出配線134と、を備える発光装置12を実現することができる。これにより、第1電極112と引出配線134との間における接続信頼性を向上させることができる。また、発光装置12の動作信頼性を向上させることも可能となる。
【0085】
(第3の実施形態)
図12は、第3の実施形態に係る発光装置10の構成を示す平面図である。本実施形態において、発光装置10は例えば照明装置などの光源として使用される。このため、発光装置10は、第1電極112に接続する端子(引出配線134の端部)及び第2電極152に接続する端子(引出配線166の端部)を、一つずつ有している。そして、発光装置10が有する有機EL素子20は一つの場合もあれば、複数の場合もある。後者の場合、複数の有機EL素子20は、同時に電流が流されるため、同時に制御される。なお、いずれの場合においても、絶縁層120(本図においては図示せず)は、有機EL素子20を囲むことにより、有機EL素子20となる領域を画定している。
【0086】
引出配線134と第1配線114との接続部は、第1の実施形態に示した接合構造200となっている。また、引出配線166は引出配線134と同様の構成を有している。引出配線134,166は、複数の導電層を積層した構成を有している。この場合、引出配線134,166は、例えば、Mo又はMo合金で形成された第1層、Al又はAl合金で形成された第2層、及びMo又はMo合金で形成された第3層を、この順に積層した構成を有している。
【0087】
次に、本実施形態に係る発光装置10の製造方法を説明する。まず、基板100に、引出配線134,166を形成する。引出配線134,166は、スパッタリング法または蒸着法を用いて形成される。次いで、第1導電膜110を形成する。第1導電膜110の形成方法は、第1の実施形態と同様である。このとき、接合構造200も形成される。次いで、絶縁層120、有機層140、及び導電膜150を形成する。
【0088】
なお、導電膜150は、第1の実施形態と同様の方法で形成されていても良いし、第1導電膜110と同様の方法によって形成されていても良い。後者の場合、導電膜150と引出配線166との接続部も、接合構造200となる。この場合、導電膜150が第1導電膜に相当し、引出配線166が第2導電膜に相当する。
【0089】
本実施形態によっても、引出配線134と第1配線114の間には接合構造200が形成されているため、これらの間の接続信頼性は向上する。また、導電膜150を第1導電膜110と同様の方法で形成した場合、導電膜150と引出配線166との接続部も接合構造200となるため、これらの間の接続信頼性も向上する。
【0090】
(第4の実施形態)
図13は、第4の実施形態に係る光学装置11の構成を示す断面図である。本実施形態に係る光学装置11は液晶装置であり、基板402と基板404の間に液晶材料420を挟んだ構成を有している。
【0091】
詳細には、基板402のうち基板404に対向する面には第1電極412が形成されており、基板404のうち基板402に対向する面には第2電極414が形成されている。第1電極412及び第2電極414は、何れも透明導電材料によって形成されている。そして、基板402と基板404の間には、液晶材料420が充填される空間を取り囲むように、シール部材406が設けられている。言い換えると、基板402と基板404はシール部材406によって互いに固定されている。そして、基板402,404、及びシール部材406によって囲まれた空間内に、液晶材料420が充填されている。
【0092】
図14は、光学装置11の平面図である。
図14において、説明のため基板404及び第2電極414の図示を省略している。
【0093】
図14に示すように、基板402の上には複数の第1電極412が互いに平行に延在している。複数の第1電極412の端部は、いずれもシール部材406の外側に位置しており、互いに異なる端子432に接続している。第1電極412と端子432の接続部は、接合構造200となっている。
【0094】
なお、基板404には、複数の第2電極414が第1電極412と交わる方向(例えば直交する方向)に延在している。そして基板404には、第2電極414に接続する端子が形成されている。この端子と第2電極414との接続部も、接合構造200となっている。
【0095】
本実施形態によっても、第1電極412と端子432の間、及び第2電極414とこれに接続する端子の間には接合構造200が形成されているため、これらの間の接続信頼性は向上する。
【0096】
以下、本実施形態を、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
【0097】
(実施例1)
まず、ガラス基板上に、銀粒子含有インキをインクジェット法によりライン状に塗布し、第2導電膜を形成した。次いで、透明導電材料含有塗布液をライン状に塗布し、乾燥させて、第1導電膜を形成した。このとき、第1導電膜が第2導電膜の一部を覆うように透明導電材料含有塗布液を塗布した。透明導電材料含有塗布液としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(PEDOT−PSS、CLEVIOS PH510(Heraeus社製))を溶剤中へ分散して得られる溶液を使用した。次いで、200℃、2分の条件で、第1導電膜および第2導電膜に対し熱処理を施し、第2導電膜を焼結するとともに、第1導電膜を乾燥させた。これにより、第1導電膜と第2導電膜と、からなる構造体を作製した。
このようにして得られた構造体を、第1の実施形態に係る発光装置に適用した。
【0098】
実施例1において、第1導電膜と第2導電膜との間には、透明導電材料と金属材料とが混在する遷移領域が形成されていた。このとき、第2導電膜の表面には、樹枝状に延びた金属粒子の連鎖体が観察された。また、第1導電膜内部には、第2導電膜から離間して分散する金属材料が観察された。
実施例1では、第1導電膜と第2導電膜との間に長時間電流を流した際における、第1導電膜と第2導電膜との間の接続信頼性に優れていた。
【0099】
(比較例1)
まず、ガラス基板上に、ITOからなる透明導電膜を、スパッタリング法により形成した。次いで、この透明導電膜をドライエッチングによりライン状にパターニングし、第1導電膜を形成した。次いで、銀からなる金属膜を、スパッタリング法を用いて第1導電膜上に形成した。次いで、この金属膜をドライエッチングによりライン状にパターニングし、第1導電膜上に第2導電膜を形成した。これにより、第1導電膜と第2導電膜と、からなる構造体を作製した。
【0100】
比較例1では、第1導電膜と第2導電膜との間には、透明導電材料と金属材料とが混在する遷移領域が形成されていなかった。比較例1は、実施例1と比較して、第1導電膜と第2導電膜との間に長時間電流を流した際の、第1導電膜と第2導電膜との間の接続信頼性に劣っていた。
【0101】
(実施例2)
実施例2では、基板として二軸延伸PET(Polyethylene Terephthalate)フィルムからなるフィルム状基板を用いる点を除いて、実施例1と同様に第1導電膜と第2導電膜と、からなる構造体を得ることができる。また、得られた構造体を、第1の実施形態に係る発光装置に適用することができる。
実施例2においても、第1導電膜と第2導電膜との間には、透明導電材料と金属材料とが混在する遷移領域が形成される。このため、実施例2は、第1導電膜と第2導電膜との間の接続信頼性に優れることがわかる。
【0102】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0103】
この出願は、2013年4月1日に出願された日本出願特願2013−75996を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。