【実施例】
【0024】
図1Aは、内燃機関2の最初の実施例の要部を例示する。他の実施例は
図1A及び1Bとの関連で説明するものとは異なるが、異なる実施例が、態様が特徴的なものとして具体的に特定されていない同様の構造及び機能性を有することができることは理解されたい。内燃機関2は、2つの燃焼室、つまり第1燃焼室4及び第2燃焼室6(不図示)を備えることができる。第2燃焼室6は、第1燃焼室4の反対側に対称に配置できる。機関2は、第1主要部材8及び第2主要部材10を有することができる。第1主要部材8及び第2主要部材10は対称となるように配置できる。第1主要部材8は、一端に第1ピストン12を、他端に第3ピストン16を備えることができる。第2主要部材10は、一端に第2ピストン14を、他端に第4ピストン18を備えることができる。ピストン16及び18は図面では例示していないが、ピストン12及び14と同一のものとすることができる。
【0025】
ピストン12〜18は、トロイド形状を有することができ、主要部材8及び10の一体の部分とすることができる。ピストンが別体の部分として設けられた主要部材の代替の実施例を以下に説明する。
【0026】
第1燃焼室4は、ピストン12及び14によってだけではなく、第1壁部20によっても区切ることができる。第1壁部20は、機関のハウジングによって設けることができる。同様に、第2燃焼室6は、第2壁部22によって区切ることができる。壁部20及び22は、トロイドの一部分の形状を有することができ、これら一部分の端部が、ピストン12〜18が配置された主要部材8及び10の端部を案内できる。
【0027】
主要部材8は、ピボットアーム24を有することができる。ピボットアーム24は、機関2の中心に向かって径方向に延在することができる。主要部材10は、対応するピボットアーム26を有することができる。ピボットアーム24及び26は、共通のピボット軸線28周りに回動できる。ピボット軸線28は、図面の平面に対して垂直な方向に延在しうる。
【0028】
主要部材8のピボットアーム24は、クランクシャフト42上を転動する軸受30で保持できる。同様に、主要部材10のピボットアーム26は、クランクシャフト42上を転動する軸受32で保持できる(
図1B及びそれに伴う以下の議論によって更なる詳細を提供する)。
【0029】
主要部材8及び10が矢印34で例示するように共通のピボット軸線28周りに回動すると、それらが燃焼室4内に含まれたガスを圧縮するように移動できる。主要部材8及び10は、矢印36で例示するように反対方向にも回動できる。主要部材8及び10が方向34及び36に沿って前後に回動する際、それらは、
図1Bに示すように、対応する平面38及び40内を移動できる。
【0030】
クランクシャフト42は、これらの平面38及び40に対して垂直な方向に延在させることができ、ピボット軸線28と同軸としうる回転軸線44周りに回転できる。
【0031】
クランクシャフト42は、平面38及び40間に介在させることができる平面48内に配置できるローブ46を備えることができる。
【0032】
主要部材8のピボットアーム24は、主要部材10に対向しうるピボットアーム24の端部に配置できるボルト状係合部材52を備えることができる。同様に、主要部材10のピボットアーム26は、主要部材8に対向するピボットアーム26の端部に配置できるボルト状係合部材50を担持することができる。係合部材50及び52の中心軸線を、それぞれ54及び56で示す。これらの中心軸線は、係合部材50及び52がそれぞれピボットアーム24及び26に回転可能に配置された場合、回動軸線とすることができる。
【0033】
様々な実施例において、係合部材50は、主要部材8側に、例えば、中心軸線56に配置することもできる。同様に、係合部材52は、主要部材10側に、例えば、中心軸線54に配置することもできる。
【0034】
図1A及び1Bに関して、機関2は、フレーム形状を有する中間部材58を備えることができる。このフレームは平面48内に配置できる。中間部材58は、開口した受け領域60を有することができ、この受け領域60内にクランクシャフト42の係合部材50及び52並びにローブ46を配置できる。代替の実施例において、以下においてより詳細に説明するように、中間部材は、本明細書に記載の軌道周回プラネタリギアリングシステムを含むことができる。
【0035】
機関2は、2つ以上の平行なコラムを含むことができる案内手段62を備えることができる。これらは、
図1Bに例示するように、中間部材58の側端部に一体化できる軸受部64内に受容することができる。中間部材58は、案内手段62が延在する方向と平行な軸線66に沿って移動できる。従って、中間部材58は、軸線66に沿って上方向68又は下方向70に移動できる。
【0036】
最初の実施例において、主要部材8及び10の運動は、以下のようにクランクシャフト42に伝達できる(軌道周回プラネタリギアリングシステムの実施例の運動については、以下において、より詳細に議論する)。主要部材8及び10が回動方向34に移動する(従って、燃焼室4の大きさが減少し、反対側の燃焼室6の大きさが増大する)と、係合部材50及び52が円形状軌跡に沿って略上方向に移動する。係合部材50及び52の変位を、破線(原点位置)及び一点鎖線(方向36の回動移動後)を用いて
図1に例示する。係合部材50及び52は、中間部材58の受け領域60と係合することによって、中間部材58を上方向68に駆動する。それに対応した中間部材58の変位を、破線及び一点鎖線を用いて
図1に例示する。
【0037】
その受け領域60を有する中間部材58は、クランクシャフト42のローブ46にも接触している。従って、中間部材58が上方向68に移動すると、それに伴いローブ46が変位する。これを一点鎖線で例示する。ローブ46の変位によって、クランクシャフト42の回転移動72を生じさせることができる。
【0038】
本革新的技術の更なる実施例は、軌道周回プラネタリギアリングシステムと共に、そのような軌道周回プラネタリギアリングシステムを中間部材内に用いてクランクシャフトを駆動する内燃機関を備える。様々な実施例において、軌道周回プラネタリギアリングシステム及び/又は組み合わせられる中間部材は、本明細書に記載のような機関との関連又は他の文脈のいずれにおいても使用できる。そのような軌道周回プラネタリギアリングシステムを採用する実施例は、本明細書で議論した従来の機関及び実施例に対して複数の利点を提供する。そのような利点としては、これらに限定はされないが、構造的一体性の改良、製造コストの低減及び組み立てコストの低減等が挙げられる。1つ以上のそのような実施例をいかにおいて議論する。
【0039】
上述の実施例は、中間部材組立体(案内手段62、中間部材58等を含む)を備え、その中間部材組立体のホールタ(halter)(例えば、中間部材58)は、一方の端部位置から、他方の端部位置(中間位置)、中間部材組立体上の移動の各中間位置(上死点(TDC)及び下死点(BDC))へと摺動する。しかしながら、中間部材組立体でのホールタのこの方向的移行(directional translation)は、高い摩擦値や中間部材組立体全体の傾斜(tilting)及び傾動(tipping)等に繋がりうる。
【0040】
中間部材組立体の傾動によって、高い応力が様々な部品に誘発されうる。そのような部品としては、幾つかの実施例においてセラミック部品(例えば、軸受等)を備えることができるものが挙げられる。
【0041】
しかしながら、軌道周回プラネタリギアリングシステムを採用する実施例は、その中間部材組立体内に前述のホールタのような部品を有さない。そのような実施例の利点の一つは、本明細書に開示した他の実施例と比べて、中間部材組立体の「傾斜」を低減できることである。前述の力を低減させるために、様々な実施例が軌道周回プラネタリギアリングシステムを採用できる。
【0042】
これまで議論し詳細に説明したように、様々な実施例が、主要部材の振動運動を生じさせるために、ギアリング、より詳細には軌道周回プラネタリギアセットを採用できる。プラネタリギアセットは、クランクスパーギアと呼ばれるサンギヤを有することができる。クランクスパーギアは、例えば雄・雌スプライン対を用いて、クランクシャフトのクランクピンに硬く固定させることができる。クランクピンの軸線は、クランクシャフト対の全体回転軸線(global rotational axis)(例えば、一般的な内燃機関の形態)に対してオフセットさせて位置付けることもできることは注意されたい。クランクシャフトは、雄及び雌クランクシャフト(例えば、本明細書で説明する第1及び第2クランクシャフト等)からなり、これらのクランクシャフトは、スプライン対によって互いに連結できる。
【0043】
クランクピンは、2つのクランクスパーギアに堅く連結できるだけではなく、プラネットキャリアの軌道周回運動を規定できる。プラネットキャリアは、軸受を介してクランクピン上を転動できる。クランクピン上のプラネットキャリアの位置は、クランクスパーギアがプラネットキャリアのいずれかの側に位置付けられるため、クランクスパーギアの位置によって規定できる。
【0044】
プラネットキャリアは、その回転軸線をクランクピンのオフセット軸線と一致させることによって、その周囲を自由に回転させることができる。しかしながら、プラネットキャリアの回転運動は規制できる。RZにおける回転は、ロッド(例えば、スライダーロッド等)を含めることによって規制できる。これらのレールは、中間部材組立体の水平軸線に対する平行運動において、水平軸線のプラネットキャリアをロックできる。この結果、プラネットキャリアの運動を中間部材組立体の全体座標系に対するx及びy方向の移行に限定する抑制セット(constraint set)が得られる。
【0045】
プラネットキャリアは、組み立てたときに第1クランクシャフトのクランクピンのオフセット軸線と一致する1本の全体回転軸線に加えて、その主要な全体回転軸線の周囲の円状外周上に位置させることができる複数(例えば図示のように6本、又は、それよりも大きい若しくは小さい数、例えば3以上)の他の回転軸線を有することができる。これらの軸線は、円筒状押出形状部(cylindrical extrude features)の位置を規定する。円筒形状の押出形状は、他の回転軸線毎に2つ(図示の例示的実施例では12個)あり、プラネットキャリアの一方側に半分(この例では6つ)、他方側に別の半分(この例では6つ)あることになる。プラネットキャリアは、対称に設計でき、図示の実施例では、その全体形状がシリンダに類似している。
【0046】
プラネットキャリアは、プラネットギアを用いてクランクスパーギアに直接接続することができる。プラネットギアは、プラネットキャリアの円筒状押出形状部(図示の例では12本)によって案内することができる。これにより、クランクシャフトが回転すると、クランクピンが軌道を周回できる。この軌道周回運動は、クランクスパーギアの軌道周回運動と共に、クランクシャフトからクランクスパーギアへ、そしてプラネットギアへのトルク伝達を可能にできる。プラネットギアが、クランクシャフトの回転方向の反対方向に回転することは注意されたい。
【0047】
プラネットギアは、インターナルギアセットを有する(すなわち、リングの内側にギア歯を有する)リングギアに更に接続できる。プラネットギアを有するインターナルギア対とすることで、リングギアの回転方向は、プラネットギアのものと同じ、且つ、クランクシャフトの回転方向の反対となる。
【0048】
リングギアは、大きい押出部の原点に対してオフセットした位置に他の円筒状押出部を有する円筒状の全体形状を有することができ、中間部材組立体のための「傍心(excenter)」として働く。ここで、各軸は、互いに対してオフセットしており、同軸ではない。第2の円筒状押出部は、インターナルギアリングを有するリングギアとして働く。適切な動作を容易にするために、第2の押出部の前述のオフセットは、クランクピンのオフセット値と密に一致させるべきである。
【0049】
本明細書に記載の軌道周回プラネタリギアリングシステムを採用した実施例の動作例として、第1クランクシャフトがccw(反時計回り)に回転する場合、クランクスパーギアも、その第1クランクシャフトのクランクピンに接続されているため、同様に反時計回りに回転する。プラネットキャリアは、回転しないがx及びy方向に移行し、クランクピンの軌道周回運動はオフセットしている。プラネットギア(図示の例では12個)は、プラネットキャリア上の各押出形状部においてcw(時計回り)に回転し、プラネットギアは、リングギアを、同じくcwに回転させる。
【0050】
そのような実施例において、階層順に、以下の部品を互いに支持させることができる。プラネットキャリアは、クランクピン上をx及びy方向に移動できる。リングギアは、プラネットキャリアと共にx及びy方向に移動できるとともにプラネットキャリア上で回転できる。リングギアは、中間部材の円筒状押出切欠形状部(cylindrical extrude cut feature)によって、中間部材に直接接続できる。リングギアは、中間部材組立体を、上死点(TDC)の位置と下死点(BDC)の位置とに回転させることができる。
【0051】
様々な実施例において、中間部材の運動をy軸方向への移行(上下運動)のみに規制することができる。この規制は、外側レール及び内側レールを含めることによって得られる。これらのレールは、機関のハウジング(プレート及びシリンダライナ)と直接接続できる。中間副組立体における他の摺動運動(上述のホールタの実施例で起こりうるもの等)を排除するために、中間部材は、振動部材(本明細書に記載しているもの等の主要部材)のための円筒状接続手段を収容できる。これらの円筒状接続手段は、合計で2つあり(リングギアの押出切欠部の各側に1つずつ)、中間部材ローラ(又は、IMローラ)と称される。IMローラは、以下に説明する例のように、その中心軸線に対してオフセットした位置に円筒状押出切欠部を有する円筒状のシリンダとすることができる。円筒状押出切欠部によって、IMローラをピン接続により主要部材に連結させることが可能となる。IMローラは、中間部材の中心軸線(x軸)に対してオフセットした位置に位置付けることができる。これによって、IMローラの押出切欠部を回転させて、主要部材のピン接続のx及びy方向の移行に対応させることが可能となる。様々な実施例において、IMローラは、その円筒状切欠部のオフセットに関して設計して、主要部材がBDCからTDCへと移動している間、中間部材内でほんの少し回転するようにして、ピン接続が、各IMローラのデカルト座標系における1つの象限内でのみ移動するようにできる。
【0052】
そのような特徴を実施できる特定の例示的な実施例に目を向けると、
図2は、本革新的技術の態様に係る軌道周回プラネタリギアリングシステムを採用する内燃機関100の実施例の分解図を例示する。内燃機関100との関連で複数の部品及び特徴を説明するが、これらの詳細が本革新的技術の概念及び特徴を例示する目的のために含まれており、本革新的技術が本明細書で提供するその特定の例示的な実施例に限定されないということは理解されたい。従って、この例示的な実施例には特定の詳細及び部品が設けられて本革新的技術の幾つかの特定の実施例の詳細な例示を提供しているが、内燃機関100の例との関連で開示された特定の部品や特徴の多くは任意であり、他の実施例において、そのような部品や特徴は存在しなかったり、あるいは他の部品や特徴と置き換えられたりしてもよい。
【0053】
幾つかの実施例において、内燃機関100は、クランク副組立体200と、中間副組立体300と、主要部材副組立体400と、底部プレート副組立体500と、上部プレート副組立体600と、前端副組立体700と、後端副組立体800と、内側レール902と、外側レール904とを備えることができる。これらの組立体又は部品のそれぞれについて本明細書でより詳細に説明する。内燃機関2の場合と同様に、内燃機関100は2つの燃焼室、つまり第1(又は上側)燃焼室及び第2(又は下側)燃焼室を備えることができる。第1燃焼室及び第2燃焼室は、主要部材副組立体400のピストン並びに底部プレート副組立体500及び上部プレート副組立体600のシリンダライナによって区切ることができる。主要部材副組立体400の主要部材は中間副組立体300に連結させることができ、主要部材の回転によって中間副組立体300を内側レール902及び外側レール904に沿って運動させることができる。この運動によって、クランク副組立体200の回転を駆動するとともに前端組立体700及び後端組立体800のプーリ並びに前端組立体700のフライホイールを駆動して、内燃機関の略全ての用途(例えば、車両の移動や、車両の補機の運転、固定用途等)に使用可能な機械的エネルギーを発生させる。
【0054】
図3は、本革新的技術の態様に係る内燃機関100の実施例の斜視図及び側面図を例示する。内燃機関100又はその副組立体の少なくとも一方に含めることができる複数の部品が
図3から分かる。第1クランクシャフト202及び第2クランクシャフト204は、中間副組立体300(
図3では不図示)の運動に連結させることができる。底部プレート副組立体500に含めることができる複数の部品を
図3に例示する。これらの部品には、燃焼室を部分的に画成できる底部シリンダライナ502と、側部プレート504と、(例えば、エンジンオイル等を貯蓄するための)流体リザーバ506と、第1底部プレート508と、第2底部プレート510と、燃料を燃焼室内に噴射できる噴射アダプタ512と、底部プレートカバー514とが含まれる。上部プレート副組立体600に含めることができる
図3で確認できる部品は、燃焼室を部分的に画成できる上部シリンダライナ602と、吸気マニホールド604と、排気マニホールド606とである。
図3で確認できる、前端副組立体700に含めることができる部品は、前端副組立体700又はその部品の運動をクランク副組立体200の運動に連結できる前端連結プレート702と、前端プーリ704と、フライホイール706と、リングギア708とである。
図3で確認できる後端副組立体に含めることができる部品は、後端副組立体800又はその部品の運動をクランク副組立体200の運動に連結できる後端連結プレート802と、後端プーリ804とを含む。
図4は、本革新的技術の態様に係る内燃機関100の例示的な実施例の前面図及び後面図を例示する。また、
図4では、第1底部プレート508に対する第2底部プレート510の調整及び取り付けを容易にするために底部プレート副組立体500に含めることができる調整ロッド516及び調整ロッドナット518が確認できる。
【0055】
図5は、本革新的技術の態様に係る例示的なクランク副組立体200の分解図を例示する。例示的なクランク副組立体200は、第1クランクシャフト202及び第2クランクシャフト204を含むことができる。第1クランクシャフト202及び第2クランクシャフト204は、第1クランクシャフト202の内側(すなわち、第2クランクシャフト204に対向する側)に確認できるスプラインを含むことができるスプライン接合を介して互いに連結できる。第1クランクシャフト202と第2クランクシャフト204との間において、スプライン接合は、クランクスパーギア206、クランクワッシャ208、クランク軸受レース210及びクランクスペーサ212の1つ以上と連結できる。主要部材副組立体400の主要部材は、主要部材軸受214(例えば、セラミック等から作られて潤滑等がない状態で摩擦を低減するために設けられる)間において第1クランクシャフト202及び第2クランクシャフト204の円状内側面の周囲を回転できる。第1及び第2クランクシャフト202及び204の外側に確認できる円筒状押出部は、底部プレート副組立体500及び上部プレート副組立体600に含めることができるころ軸受に連結できる。振動を低減するために、第1及び第2クランクシャフト202及び204にはカウンタウェイト216を含めることができる。
【0056】
図6〜13は、本革新的技術の態様に係るクランク副組立体200に含めることができる又は組み合わせることができる様々な部品を示す。
図6は、本革新的技術の態様に係る例示的なクランク副組立体200の側面図及び上面図を提示する。
図7は、本革新的技術の態様に係る例示的な第2クランクシャフト204の上面図及び斜視図を例示し、第1クランクシャフト202と連結するために第2クランクシャフト204に含めることのできるスプラインを示す。
図8は、本革新的技術の態様に係る例示的な第1クランクシャフト202の上面図及び斜視図を例示する。
図9は、本革新的技術の態様に係る例示的な主要部材軸受214の斜視図を例示する。様々な態様において、内燃機関2又は100のこれらの軸受及び他の部品は、セラミックとすることができ、これにより摩擦の低減が得られる。
図10は、本革新的技術の態様に係る例示的なカウンタウェイト216の斜視図、側面図及び底面図を例示する。
図11は、本革新的技術の態様に係る例示的なクランクスパーギア206の側面図及び斜視図を例示する。
図12は、本革新的技術の態様に係る例示的なクランクワッシャ208の斜視図及び側面図を例示する。
図13は、本革新的技術の態様に係る例示的なクランク軸受レース210及びクランクスペーサ214の斜視図を例示する。
【0057】
図14に目を向けると、本革新的技術の態様に係る例示的な中間副組立体300の分解図が例示される。中間部材302は、中央開口内でリングギア304が回転できるように、その中央開口内に一対のリングギア304及び組み合わせられるリングギア軸受306(例えば摩擦を低減するため等)を収容できる。プラネットキャリア308は、リングギア304内に位置付けることができ、複数のピン又は円筒状押出形状部をその各側に有することができる。複数のピン又は円筒状押出形状部のそれぞれは、プラネットキャリアキャップ312間に維持することができるプラネットギア310と連結可能である。プラネットキャリア308、プラネットギア310(点線の領域内に含まれる)及びプラネットキャリアキャップ312は、プラネットギア310の歯が、クランクスパーギア206(例えば、サンギヤ等として機能できる)の歯及びリングギア304の歯と連結するように、中間部材302の中央開口内に設置できる。そのようにして、リングギア304及びプラネットギア310の回転が、クランクスパーギア206を介してクランク副組立体200の回転と連結される。プラネットギア310は、プラネットキャリア308のピン又は円筒状押出形状部周りを回転できる。しかしながら、プラネットキャリア308は、回転する必要はないが、その代わり、水平方向及び鉛直方向(参照し易さのために、本明細書で使用されるように「水平」及び「鉛直」は一対の任意の互いに対して直交する方向を指し、重力に関連させて使用されるものではない)に移行でき、プラネットキャリア軸受332が、リングギア304とプラネットキャリア308との間に配置されて摩擦の低減が得られる。プラネットキャリア308の回転は、スライダーロッド314及びプラネットキャリアロッド316を含めることによって抑制できる。スライダーロッド314及びプラネットキャリアロッド316は、スライダーロッド314に沿ってプラネットキャリア308が鉛直方向に摺動することで、プラネットキャリア308及び組み合わせられる部品の鉛直運動を可能とする。スライダーロッド314及びプラネットキャリアロッド316は、スライダ318に連結させることができ、スライダ318は、スライダ軸受320に沿って水平方向に移動でき、プラネットキャリア308及び組み合わせられる部品の水平方向の運動を可能とする。これらの部品、つまり、リングギア304、プラネットキャリア308及びプラネットギア310は、他の組み合わせられる部品の有無に係らず、本革新的技術の態様に係る軌道周回プラネタリギアリングシステムとして機能できる。これにより、中間副組立体300の直線運動(鉛直方向)が、プラネットキャリア308の移行(水平方向又は鉛直方向)運動、及び、クランクスパーギア206に連結されたプラネットギア310に連結されたリングギア304の回転運動を介して、クランク副組立体200の回転運動を駆動できる。
【0058】
中間副組立体300は、内側レール902及び外側レール904に沿って鉛直方向に移動できる。外側レール軸受322及び内側レール軸受324は、内側レール軸受キャップ326を介して定位置に保持できる。本明細書に記載の他の軸受と同様に、幾つかの実施例において、軸受322及び324は、摩擦の低減が得られるセラミック又は他の材料から作ることができる。
【0059】
中間副組立体300の運動は、中間部材ローラ(本明細書において、IMローラとも称する)328を介して、主要部材副組立体400の主要部材の運動に連結できる。中間部材ローラ328は、組み合わせられるIMころ軸受330及びIMローラキャップ334と共に中間部材302の側部開口内に設置できる。IMローラ328が主要部材とオフセットして連結されているため、中間副組立体300の鉛直方向運動を、主要部材の円弧に沿った運動と連結させることができる。
【0060】
図15〜24は、本革新的技術の態様に係る中間副組立体300に含めることができる又は組み合わせることができる様々な部品を示す。
図15は、本革新的技術の態様に係る中間副組立体300の上面図及び前面図並びに中間部材302の前面図及び斜視図を例示する。
図16は、本革新的技術の態様に係る例示的なプラネットキャリア308の上面図、斜視図及び前面図を例示する。
図17は、本革新的技術の態様に係る例示的なプラネットキャリアキャップ312の斜視図及び前面図を例示する。
図18は、本革新的技術の態様に係るプラネットキャリア軸受332及びIMころ軸受330の斜視図を例示する。
図19は、本革新的技術の態様に係るIMローラ328の側面図及び斜視図を例示する。主要部材副組立体400の主要部材に連結するためのオフセット開口が斜視図において確認できる。
図20は、本革新的技術の態様に係るスライダ318の上面図、斜視図及び側面図を例示する。
図21は、本革新的技術の態様に係るプラネットキャリアロッド316、スライダーロッド314及びスライダ軸受320の斜視図を例示する。
図22は、本革新的技術の態様に係るプラネットギア310の前面図及び斜視図を例示する。
図23は、本革新的技術の態様に係るリングギア304の斜視図及び前面図を例示する。
図24は、本革新的技術の態様に係るIMローラキャップ334の前面図並びに外側レールレール軸受322及び内側レール軸受キャップ326の斜視図を例示する。
【0061】
図25に目を向けると、本革新的技術の態様に係る例示的な主要部材副組立体400の分解図に例示されるように、主要部材副組立体400は、一対の第1主要部材部品402及び一対の第2主要部材部品404を含めることができる。各第1主要部材部品402は、第2主要部材部品404に連結でき、連結された又は組み立てられた対(例えば、内燃機関2との関連で上述したものと同様の主要部材を形成する)は、組み合わせられる主要部材ワッシャ406を含めることができる。ピストンエクステンション408は、第1主要部材部品402及び第2主要部材部品404の連結対の各端部に取り付けることができる。第1ピストン410又は第2ピストン412は、連結された第1主要部材部品402及び第2主要部材部品404の端部に取り付けることができる(第1主要部材部品402及び第2主要部材部品404の連結対は、内燃機関2との関連で説明した主要部材8又は主要部材10の一つに対応し、様々な実施例において、第1主要部材部品402及び第2主要部材部品404の対の代替として、単一の主用部材を採用できる)。第1ピストン410又は第2ピストン412を連結された第1及び第2主要部材部品402及び404に固定するためにピストンインサート414を含めることができ、そのピストンインサート414を覆うキャップとしてピストンインサートキャップ416を含めることができる(
図25では、1つのピストンインサート414及び1つのピストンインサートキャップ416にのみ符号が付されているが、
図25において、他の部品と重なり合っているものの、それぞれ4つずつ確認できる)。幾つかの実施例において、本革新的技術のピストン(例えば、第1ピストン410、第2ピストン412等)は、摩擦の低減が得られるセラミック又は他の材料から作ることができる。以下に論じるシリンダライナと共に、第1ピストン410及び第2ピストン412は、内燃機関100の燃焼室を画成する。IMローラシャフト418及びIMローラシャフト軸受420を含めて、各対の第1主要部材部品402及び第2主要部材部品404をIMローラ328に連結することによって、(取り付けられたピストン410及び412によって部分的に画成される燃焼室内の燃料の燃焼に少なくとも部分的に基づき移動可能な)主要部材部品402及び404の運動を中間部材副組立体300の運動に(ひいてはクランク副組立体200に)連結できる。
【0062】
図26〜31は、本革新的技術の態様に係る主要部材副組立体400に含めることができる又は組み合わせることができる様々な部品を示す。
図26は、本革新的技術の態様に係る第1主要部材部品402の斜視図、上面図及び背面図を例示する。
図27は、本革新的技術の態様に係る第2主要部材部品404の斜視図、上面図及び前面図を例示する。
図28は、本革新的技術の態様に係る第1ピストン410の斜視図及び第2ピストン412の側面図を例示する。態様において、本革新的技術のピストンは、摩擦の低減が得られるセラミック等の材料から作ることができる。加えて、
図2に示すように(
図25又は28の図には確認できないが)、第1ピストン410及び第2ピストン412の端部は、燃焼室内に渦流を作り出すことができる輪郭又は形状を含むことができる。それらは、燃料及び空気の混合を向上させることによって燃料のより効率的な燃焼が得られるように燃焼室を部分的に画成するものである。
図29は、本革新的技術の態様に係るピストンインサート414及び中間部材ローラシャフト418の斜視図を例示する。
図30は、本革新的技術の態様に係るピストンインサートキャップ416の側面図及び斜視図を例示する。
図31は、本革新的技術の態様に係るIMローラシャフト軸受420及び主要部材ワッシャ406の斜視図を例示する。
【0063】
図32に目を向けると、本革新的技術の態様に係る例示的な底部プレート副組立体500の分解図が例示される。底部プレート副組立体500は、内燃機関100の燃焼室を部分的に画成できる底部シリンダライナ502と、側部プレート504と、内燃機関100との関連で使用されるオイルを貯留できる流体リザーバ506とを含むことができる。各底部シリンダライナ502は、第1シリンダライナインサート534及び第2シリンダライナインサート536と組み合わせられ、第1底部プレート508に連結させることができる。第1底部プレート508は、第2底部プレート510に接続でき、底部プレートカバー514、調整ロッド516及び調整ロッドナット518を介して連結できる。噴射アダプタ512が、燃焼室に対して燃料を供給でき、封止のためのインジェクタガスケット524と共にインジェクタインサート520及びインジェクタプレート522を介して接続できる。底部プレート副組立体500はまた、燃焼室内に固定要素として配設できるピストンシール526を含むことができ、ピストンシール526は、ピストンエクステンション408がピストンシール526を越えて摺動する際、ピストンエクステンション408と協働してオイルの制御を容易にできる。加えて、底部プレート副組立体500は、第1底部プレートシール528と、第2底部プレートシール530と、ワッシャ532とを含むことができる。クランク副組立体200の第1クランクシャフト202は、本明細書の記載のように、第1底部プレート508の開口を通過して、後端副組立体800と連結することができる。
図33は、本革新的技術の態様に係る例示的な底部プレート副組立体500の上面図である。
図34は、本革新的技術の態様に係る例示的な底部プレート副組立体500の背面図である。
【0064】
図35〜43は、本革新的技術の態様に係る底部プレート副組立体500に含めることができる又は組み合わせることができる様々な部品を示す。
図35は、本革新的技術の態様に係る底部シリンダライナ502の背面図、斜視図及び側面図を示す。背面図において分かるように、幾つかの実施例において、底部シリンダライナ502(及び上部シリンダライナ602)は、表面積の増加及び様々な実施例における流れる流体(例えば、空気、オイル、水等)への熱伝導によるより効率的な冷却が得られる輪郭(例えば、冷却流路、隆起形状等)を含むことができる。そのような形状は、他の部品(例えば、上部プレート等)においても確認できる。これにより、底部シリンダライナ502(及び上部シリンダライナ602)によって部分的に画成される燃焼室から熱をより効率的に伝達させることができる。
図36は、本革新的技術の態様に係る側部プレート504の側面図、背面斜視図及び前面斜視図を示す。
図37は、本革新的技術の態様に係る流体リザーバ506の側面図及び斜視図を例示する。
図38は、本革新的技術の態様に係る第1底部プレート508の斜視図及び前面図を例示する。
図39は、本革新的技術の態様に係る第1シリンダライナインサート及び第2シリンダライナインサートの斜視図及び側面図を例示する。
図40は、本革新的技術の態様に係る第2底部プレート510の前面図及び斜視図、並びに、組み合わせられる調整ロッド516及び調整ロッドナット518の斜視図を例示する。
図41は、本革新的技術の態様に係るインジェクタインサート520、インジェクタガスケット524、噴射アダプタ512及びインジェクタプレート522の斜視図を例示する。
図42は、本革新的技術の態様に係る底部プレートカバー514の斜視図及び前面図を例示する。
図43は、本革新的技術の態様に係る第1及び第2底部プレートシール528及び530並びにピストンシール526の斜視図を例示する。
【0065】
図44は、本革新的技術の態様に係る例示的な上部プレート副組立体600の分解図を例示する。上部プレート副組立体は、上部シリンダライナを含むことができる。上部シリンダライナは、燃焼室へ空気を供給することができる吸気マニホールド604及び燃焼室から排気を収集することができる排気マニホールド606と組み合わせることができる。上部シリンダライナ602は、第1シリンダライナインサート534及び第2シリンダライナインサート536と同様のものとすることができる第3シリンダライナインサート608及び第4シリンダライナインサート610と組み合わせることができる。トッププレート612は、上部シリンダライナ602を収容することができ、底部プレート副組立体500との関連で上述したものと実質的に同様の第1底部プレートシール528、第2底部プレートシール530及びワッシャ532と組み合わせることができる。軸受ケージ614は、前端副組立体を係合するための一対のころ軸受を収容できる。
図45は、本革新的技術の態様に係る上部プレート副組立体の斜視図及び側面図並びにトッププレートの斜視図を例示する。
図46は、本革新的技術の態様に係るトッププレート及びトッププレート副組立体の前面図を例示する。
【0066】
図47〜49は、本革新的技術の態様に係る上部プレート副組立体600に含めることができる又は組み合わせることができる様々な部品を例示する。
図47は、本革新的技術の態様に係る上部シリンダライナ602の前面図、背面図及び斜視図を例示する。
図48は、本革新的技術の態様に係る排気マニホールド606の側面図及び吸気マニホールド604の斜視図を例示する。
図49は、本革新的技術の態様に係る第3及び第4シリンダライナインサート608及び610の斜視図及び側面図を例示する。
【0067】
図50は、本革新的技術の態様に係る例示的な前端副組立体700の前面図及び分解図を例示する。例示的な前端副組立体700は、内燃機関100を始動するためのリングギア708と、フライホイール706(例えば、熱を内燃機関100から伝達する冷却インペラ等を含むことができる)と、前端プーリ704と、前端プーリカバー710と、第2クランクシャフト204(又は、同様のスプラインを有する第1クランクシャフト202)の外側エクステンション上のスプラインと連結できる前端連結プレート702と、ワッシャ712とを含むことができる。
【0068】
図51〜53は、本革新的技術の態様に係る前端副組立体700に含めることができる又は組み合わせることができる様々な部品を例示する。
図51は、本革新的技術の態様に係るフライホイール(及び冷却インペラ)706及びリングギア708の斜視図を例示する。
図52は、本革新的技術の態様に係る前端プーリカバー710及び前端プーリ704の斜視図を例示する。
図53は、本革新的技術の態様に係る連結プレート及びワッシャの斜視図を例示する。
【0069】
図54は、本革新的技術の態様に係る例示的な後端副組立体800の側面図及び分解図を例示する。例示的な後端副組立体800は、後端プーリ804と、後端プーリカバー806と、第1クランクシャフト202(又は、同様のスプラインを有する第2クランクシャフト204)の外側エクステンション上のスプラインに連結できる後端連結プレート802と、ワッシャ808とを備えることができる。
図55は、本革新的技術の態様に係る後端プーリ804の斜視図及び側面図を例示する。
【0070】
図56は、本革新的技術の態様に係る内側レール902の斜視図を例示する。
図57は、本革新的技術の態様に係る外側レール904の斜視図及び背面図を例示する。
【0071】
ここまで説明してきたものは、本革新的技術の例を含む。本革新的技術を説明する目的のために部品又は方法の全ての考えうる組み合わせを説明することはもちろん不可能であるが、当業者であれば、本革新的技術の多くの更なる組み合わせ及び変形が可能であることは理解されよう。従って、本革新的技術は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲に該当する全てのそのような変更、変形及び変化を包含することを意図している。更に、詳細な説明又は特許請求の範囲のいずれかで「含む」という用語が使用される範囲に関して、そのような用語は、「備える」という用語が請求項内で移行句として採用されたときのその「備える」の解釈のされ方と同様に他の要素も含みうることを意図している。