特許第6266645号(P6266645)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6266645乾燥フィルム保護用のレナシルおよびDCOITまたはOITの1つの相乗的組合せ物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266645
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】乾燥フィルム保護用のレナシルおよびDCOITまたはOITの1つの相乗的組合せ物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/54 20060101AFI20180115BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20180115BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20180115BHJP
   A01N 25/34 20060101ALI20180115BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20180115BHJP
   C09D 5/14 20060101ALI20180115BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   A01N43/54 G
   A01N25/04
   A01P13/00
   A01N25/34 A
   A01N43/80 102
   C09D5/14
   C09D201/00
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-545474(P2015-545474)
(86)(22)【出願日】2013年11月29日
(65)【公表番号】特表2016-506384(P2016-506384A)
(43)【公表日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】US2013072455
(87)【国際公開番号】WO2014085738
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年11月14日
(31)【優先権主張番号】61/731,665
(32)【優先日】2012年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケニス・エム・ドネリー
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・マリー・アラン・ルノワール
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス・トーマス・ヨハネス・ヴィリガー
【審査官】 斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−102079(JP,A)
【文献】 特開2012−131771(JP,A)
【文献】 特開2001−213710(JP,A)
【文献】 特開平03−184904(JP,A)
【文献】 特表2016−502541(JP,A)
【文献】 特表2016−502542(JP,A)
【文献】 特表2016−507481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/00−65/48
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(a)および成分(b):
(a)レナシル
(b)4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンから選択される1つ
の両方を含む、相乗的防藻組成物。
【請求項2】
前記相乗的防藻組成物が、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含み、レナシルに対する該4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの重量比が1:5〜5:1である、請求項1記載の相乗的防藻組成物。
【請求項3】
レナシルならびに4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含む、相乗的防藻組成物であって、レナシルに対する該4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの重量比が1:10〜10:1である相乗的防藻組成物。
【請求項4】
建築材料における藻類の増殖を阻止する方法または藻類の増殖を抑制する方法であって、該方法が請求項2記載の相乗的防藻組成物を該建築材料に添加する工程を含む方法。
【請求項5】
請求項1記載の相乗的防藻組成物を含むコーティング組成物。
【請求項6】
請求項2記載の相乗的防藻組成物を含むコーティング組成物。
【請求項7】
下記工程(i)および(ii):
(i)請求項6記載のコーティング組成物の層を基材へ塗布すること、
(ii)該コーティング組成物を乾燥させること
を含む方法により作製される乾燥フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗菌化合物の組合せ物および乾燥フィルム保護用途でのその使用に関し、この組合せ物は、個々の抗菌化合物の両方の使用で予想される活性よりも予想外に高い活性を有する。
【背景技術】
【0002】
2つ以上の抗菌化合物の組合せ物の使用により、潜在的な市場を広げ、使用濃度およびコストを減少させ、且つ廃棄物を減少させることができる。いくつかの場合においては、市販の抗菌化合物は、例えばいくつかの抗菌化合物に耐性のある微生物等の特定の種類の微生物に対する弱い活性により、高い使用濃度であっても微生物を効果的に抑制することができない。時には、異なる抗菌化合物の組合せ物は、特に最終使用環境において微生物の全体的な抑制を提供するのに使用される。例えばWO1998/121962は、ブチルカルバミン酸3−ヨード−2−プロピニルおよびピリチオンの組合せ物を開示しているが、この参照物は本明細書において請求する組合せ物をいずれも提案していない。さらに、健康および/または環境に及ぼす影響が比較的低い、さらなる抗菌化合物の組合せ物への必要性がある。本発明によって取り組む問題は、このようなさらなる抗菌化合物の組合せ物を提供することである。
【0003】
時に、抗菌化合物は液体コーティング組成物中に含まれ、基材に塗布されて乾燥フィルムになる。このような乾燥フィルムが表面菌類および藻類を抑制することが望ましく、且つこのような乾燥フィルムが健康および環境に対して及ぼす悪影響が、可能な限りほとんどないことも望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明においては、レナシルおよび4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの1つを含む、相乗的抗菌組成物を提供する。
【0005】
本発明は、建築材料における微生物の増殖を阻止する方法または微生物の増殖を抑制する方法をさらに提供する。この方法は、レナシルおよび4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの1つを含む相乗的抗菌組成物を添加する工程を含む。ここでレナシルに対する4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの重量比は1:5〜5:1である。
【0006】
本発明は、レナシルおよび4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの1つを含む相乗的抗菌組成物を含むコーティング組成物をさらに含む。本発明のコーティング組成物は、レナシルおよび4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの1つを含む相乗的抗菌組成物も含んでよく、ここでレナシルに対する4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの重量比は1:5〜5:1である。
【0007】
最後に、本発明は、レナシルおよび4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンもしくは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの1つを含む相乗的抗菌組成物を含むコーティング組成物の層を基材へ塗布すること、ならびにこのコーティング組成物を乾燥すること、またはこのコーティング組成物を乾燥させることを含む方法により作製される乾燥フィルムを提供する。ここでレナシルに対する4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの重量比は1:5〜5:1である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下は、本発明の詳細な記載である。
【0009】
本明細書において使用される場合、文脈上明らかに他のものを示さない限り、以下の用語は指定の規定を有する。
【0010】
「抗菌化合物」という用語は、使用する投与レベル、系条件および所望の菌抑制レベルに依存して、微生物の増殖を阻止するかまたは微生物の増殖を抑制することができる化合物を指す。抗菌化合物には殺菌剤、静菌剤、殺真菌剤、静真菌剤、殺藻剤および静藻剤が含まれる。本明細書において使用される場合、この「抗菌化合物」という用語は「殺生物剤」という用語と同義である。
【0011】
「微生物」という用語には、例えば真菌(酵母およびカビ等)、バクテリア、ならびに藻類が含まれる。
【0012】
以下の略語を、本明細書を通して使用する。ppm=重量百万分率(重量/重量)、mL=ミリリットル、ATCC=アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関、SAG=Goettingen Universityにおける藻類微生物株保存機関、CCAP=藻類および原虫類微生物株保存機関、およびMIC=最小阻止濃度。
【0013】
他に明記されない限り、温度は摂氏度(℃)であり、パーセントの言及は重量による(wt%)。本発明の組成物における抗菌化合物のパーセントは、組成物中の活性成分の全重量に基づき、すなわち、溶媒、担体、分散剤、安定剤および存在してもよい他の物質のいずれの量も除外した抗菌化合物自体に基づく。
【0014】
本明細書において使用される場合、「DCOIT」は4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CAS登録番号64359−81−5)であり、「OIT」は2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CAS登録番号26530−20−1)であり、「IT」は4−イソチアゾリン−3−オンである。
【0015】
本明細書において比が「X:1以上」である場合、この比はY:1であって、YがX以上であることを意味する。本明細書において比が「X:1以下」である場合、この比はZ:1であって、ZがX以下であることを意味する。「1:X以上」および「1:X以下」である比に対して、同様の論理である。
【0016】
レナシルは、ウラシル除草剤、3−シクロヘキシル−1,5,6,7−テトラヒドロシクロペンタピリミジン−2,4(3H)−ジオン(C1318)(CAS登録番号2164−08−1)の分類に属する。レナシルは多くの法域において、ビートおよび他の作物における草および広葉雑草の抑制用の土壌作用除草剤として承認されている公知除草剤である。
【0017】
レナシルは水中で比較的低い溶解度を有する。乾燥したコーティングおよび建築材料は水に曝され、この水は乾燥したコーティングおよび建築材料から高溶解度化合物を除去する傾向があり得るため、この水中での比較的低い溶解度は、コーティング組成物または他の建築材料に含まれてもよい抗菌物質にとって好ましい。
【0018】
本発明は、レナシルおよび4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの1つの両方を含有する組成物を含む。驚いたことに、このような組成物が殺生物剤として相乗的に有効であることが見出されている。特に驚いたことに、レナシルおよびDCOITまたはOITの1つの両方を含有する組成物が殺生物剤として相乗的に有効であることが見出されている。
【0019】
DCOITが存在する場合、レナシル化合物に対するDCOITの重量比は、好ましくは1:5〜5:1である。OITが存在する場合、レナシル化合物に対するOITの重量比は、好ましくは1:5〜5:1である。
【0020】
調合物がDCOITおよびOITの両方を含有する場合、列挙したIT化合物全部の重量の合計(すなわち、DCOITの重量とOITの重量を足した合計)を考慮することが有用である。レナシル化合物の重量に対する、列挙したIT化合物全部の重量の合計の好ましい比は1:10〜10:1である。
【0021】
レナシルおよびDCOITまたはOITの1つの混合物は、コーティング組成物中に含まれてもよい。レナシルおよびDCOITもしくはOITの1つを別々にコーティング組成物に添加してもよく、または混合物として添加してもよく、またはそれらの任意の組合せであってもよい。好ましいコーティング組成物は液体である。コーティング組成物は水性または非水性であってもよい。水性コーティング組成物は一般的に、コーティング組成物の重量に基づき、混合物の重量で30%以上の水を含有する。
【0022】
レナシルおよびDCOITまたはOITの1つがペンキまたは他のコーティング組成物に含まれる実施形態では、好ましいコーティング組成物は液体組成物であり、特に水性媒体中にポリマーの分散を含有する組成物である。
【0023】
船舶用汚損防止剤等のペンキおよび他のコーティング組成物に加えて、本発明の抗菌化合物組合せ物は、例えば接着剤、コーキング、接合化合物、シーラント、壁板等、ポリマー、プラスチック、合成および天然ゴム、紙製品、ガラスファイバーシート、絶縁材、外部絶縁仕上げ系、屋根用および床用フェルト、建築プラスター、煉瓦、モルタル、石膏ボード、木製品ならびに木−プラスチック複合体等の建築材料の保護において特に有用である。本発明の抗菌化合物組合せ物が建築材料中に存在する場合、いくつかのまたは全ての抗菌化合物組合せ物が建築材料の表面に存在するか、または建築材料の表面の十分近くに存在して、表面での微生物の増殖を阻止することが好ましい。
【0024】
いくつかの実施形態においては、本明細書において開示される抗菌化合物組合せ物を含有するラテックスペンキまたは他の液体コーティング組成物を使用する。
【0025】
コーティング組成物の層を容易に基材に塗布することができ、その後乾燥するかまたは乾燥させて乾燥フィルムを形成することができるように、コーティング組成物を設計する。コーティング組成物は結合剤を含有する。結合剤は以下のものを1つ以上含有する:1つ以上のポリマー、1つ以上のオリゴマー、および/または1つ以上のモノマー。結合剤中のオリゴマーおよびモノマーを、乾燥フィルムの形成中または形成後に重合および/または架橋するよう設計する。結合剤中のポリマーを、乾燥フィルムの形成中または形成後に架橋するよう設計してもしなくてもよい。
【0026】
コーティング組成物は、任意に1つ以上の顔料を含有する。顔料は小さい固体粒子形態の無機物または有機物質である。顔料は乾燥フィルムに、全体的または部分的な不透明度を提供する。
【0027】
抗菌化合物組合せ物は乾燥フィルムコーティングの保護に有用であり、これはペンキまたは他の液体コーティング組成物の塗布後に結果として生じる。好ましくは、抗菌組成物は本明細書において開示される抗菌化合物組合せ物を1つ以上含む水性ラテックスペンキである。水性ラテックスペンキは、結合剤がラテックスの形態の(すなわち、水全体に分散したポリマー粒子の形態の)ポリマーである水性液体コーティング組成物である。結合剤が1つ以上のアクリルポリマーを含有する水性ラテックスペンキがより好ましい。
【0028】
通常、微生物の増殖を抑制する本発明の抗菌化合物組合せ物の量は、100ppm〜10,000ppmの活性成分である。例えば、本発明においては、レナシルとOITおよび/またはDCOITの和は、100ppm〜10,000ppmの量で存在する。組成物の抗菌組合せ物は、100ppm以上且つ8,000ppm以下、好ましくは6,000ppm以下、好ましくは5,000ppm以下、好ましくは4,000ppm以下、好ましくは3,000ppm以下、好ましくは2,500ppm以下、好ましくは2,000ppm以下の量で存在する。上述の濃度は、抗菌化合物組合せ物を含有するペンキ等の液体コーティング組成物においてであり、乾燥フィルム中の抗菌化合物組合せ物レベルはもっと高いであろう。
【0029】
本発明は、請求する抗菌化合物組合せ物のいずれかを材料に組み入れることにより、建築材料、特に乾燥フィルムコーティングにおける微生物の増殖を防止する方法も包含する。
【0030】
通常、この抗菌組成物を使用して藻類および/または真菌類の増殖を阻止する。
【0031】
本発明の組成物はレナシルおよびDCOITまたはOITの1つを含有する。いくつかの実施形態は1つ以上のさらなる抗菌化合物を含有してもよいと考えられる。
【実施例】
【0032】
以下は、本発明の実施例である。
【0033】
抗菌試験用の試料調製は以下の通り行った。
【0034】
33%の抗菌活性成分(レナシル)を含有するスラリーを、殺生物剤を含まない白色のアクリル/シリコーン系屋外ペンキに後添加し、それぞれ10000および1000ppmの全活性成分濃度にした。KATHON(商標)893T(100% OIT)およびROCIMA(商標)200(20% DCOIT)を、殺生物剤を含まない白色のアクリル/シリコーン系屋外ペンキに後添加し、それぞれ10000および1000ppmの全活性成分濃度にした。次にこれらのペンキを、抗菌剤を含まないアクリル/シリコーン系ペンキで希釈し、混合して、目的の濃度の試験用抗菌化合物を調製した。試験した全殺生物剤濃度は、125、250、500、1000、2000および5000ppmであった。殺生物剤添加後または希釈後、馬力振とう機(AXEL 75M3372/ Agitateur SO-10MI)を用いて、均一になるまでペンキを90秒混合した。所望の比の抗菌化合物を得るため、異なる抗菌化合物を同一レベルで含有するペンキを混合した。1日後、ペンキを280μmの湿った膜厚でSchleicher & Schuell濾紙に塗布し、直射日光を避けて室温で3日間乾燥した。各パネルから正方形のディスク(1.6cm×1.6cm)を切り出し、藻類有効性試験用基材として使用した。この試料サイズは試料ディスクを試験プレートのウェルに設置する際の寒天境界を考慮した。
【0035】
藻類の有効性試験
【0036】
藻類汚損に対する様々なコーティング(ペンキを含む)の耐性を測定する標準加速試験法である改変ASTM5589に従って、藻類有効性を試験した。ハイスループットスクリーニングに適応させるため、ペトリ皿から6−ウェルプレートへこの方法を小型化した。ボールド改変基礎淡水栄養液を増殖培地として使用した。1回コーティングした濾紙片を、塗布した表面を上向きにして、無菌ピンセットで藻類プラグの中心(上部)に設置した。同じ濃度(1×10cfu/ml)および同じ量の指数関数的に増殖している藻類培養液を混合することにより、藻類種菌を調製した。
【0037】
藻類種菌:
【0038】
【表1】
【0039】
全表面(塗布したフィルムおよびそれを取り囲む寒天)が均等に覆われるように注意しながら、試験した小片を含有する各ウェルを1750μLの藻類懸濁液(1×10cfu/ml)で播種した。周期的に明期および暗期に曝露しながら、3週間、プレートを室温(21℃〜25℃)でインキュベートした。
【0040】
3週間のインキュベーションの最後に、盲検試料(0%阻止)と比較して、目視可能な藻類増殖に関して、試料のパーセント阻止を評点した。
【0041】
相乗作用指数計算を以下の通り行った。
【0042】
F. C. Kullらの方法(Applied Microbiology, Vol. 9 (1961))に基づき、SIを計算する。この試験においては、試験した各微生物に対して個々の抗菌剤により示されたパーセント阻止に基づき選択した最小阻止濃度を有する以下の式に基づきSIを計算した。
SI=Qa/QA+Qb/QB
Qa=ブレンド中の抗菌剤Aの濃度
QA=唯一の殺生物剤としての抗菌剤Aの濃度
Qb=ブレンド中の抗菌剤Bの濃度
QB=唯一の抗菌剤としての抗菌剤Bの濃度
【0043】
この式において1未満のSI値は、ブレンドした殺生物剤の相乗作用が存在することを示す。
【0044】
注記:試験した最大濃度を有する活性物のいずれかがいくつかの阻止を示さなかった場合、この最大濃度を使用して見積りのSIを計算し、未満の記号(<)が含まれて目的の阻止を達成するのにより高い濃度の活性物(レナシル)が必要であることを考慮する。最小目的阻止を75%に設定し、これは75%以上の藻類増殖阻止を有する小片を合格と見なしたことを意味する。
【0045】
レナシルおよびOITまたはDCOITの1つの両方を含有する以下に挙げる組成物は、本発明の実施例である。
【0046】
レナシルを有するOITの、3週での試験結果は以下の通りであった。
【0047】
合格レベル≧75%阻止
【0048】
【表2】
【0049】
1:5〜5:1の比でのOIT+レナシルは、相乗作用を示した。
【0050】
レナシルを有するDCOITの、3週での試験結果は以下の通りであった。
【0051】
合格レベル≧75%阻止
【0052】
【表3】
【0053】
1:5〜5:1の比でのDCOIT+レナシルは、相乗作用を示した。