(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266651
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】異種のセルラーネットワークにおける非アクティブ化された小規模カバレッジノードのアクティブ化
(51)【国際特許分類】
H04W 16/32 20090101AFI20180115BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20180115BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20180115BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20180115BHJP
H04W 48/10 20090101ALI20180115BHJP
【FI】
H04W16/32
H04W48/16
H04W72/04 132
H04W52/02
H04W48/10
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-549999(P2015-549999)
(86)(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公表番号】特表2016-506173(P2016-506173A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】EP2012077076
(87)【国際公開番号】WO2014101958
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2015年11月12日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503148270
【氏名又は名称】テレコム・イタリア・エッセ・ピー・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】カレッティ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】デラエラ,ジャン・ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】フォドリニ,マウリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】メリス,ブルーノ
【審査官】
米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−87300(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0252073(US,A1)
【文献】
国際公開第2011/100653(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/037476(WO,A1)
【文献】
特開2008−92249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエリアカバレッジで、かつ第1の送信帯域幅の周波数のサブセットで、第1の信号を送信するための第1のトランシーバ局(105)と、
選択的に、第2の信号の送信を可能としそれによってワイヤレス通信ネットワーク容量を増加させるようにアクティブ化するか、または、前記第2の信号の送信をやめるように非アクティブ化することが可能な第2のトランシーバ局(115i)と
を含むワイヤレス通信ネットワーク(100)において、
前記第2のトランシーバ局が、非アクティブ化されているときに、前記第2のトランシーバ局を識別するビーコン信号(Bsi)をブロードキャストするように動作可能であり、前記ビーコン信号が、前記第1の送信帯域幅の周波数の前記サブセットの外側のビーコン周波数(fi)を有すること、
前記ビーコン信号(Bsi)が、前記第2のトランシーバ局の存在を推測するために、ユーザ機器(110)によって検出可能であること、
前記第1のトランシーバ局が、検出された前記ビーコン信号に基づいて、ユーザ機器からの応答信号を受信し、受信された前記応答信号に基づいて、前記第2のトランシーバ局のアクティブ化をスケジュールするように構成されていること、および
前記ビーコン周波数が、前記第1の送信帯域幅に関連付けられたガード帯域内の周波数であること
を特徴とするワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記ワイヤレス通信ネットワークが、LTE/LTEアドバンスト、WiMAX、またはWiFi技術に基づいたセルラーネットワークなどの、OFDMAアクセス方式を利用するセルラーネットワークである、ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項3】
請求項2に記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記ビーコン信号が、OFDMシンボルとサブキャリアとのあらかじめ定義された組合せを含むリソース要素パターンにマップされ、前記リソース要素パターンが、前記第1のトランシーバ局を通してサービスプロバイダによって静的に構成可能であるか、または自己組織化ネットワークアルゴリズムを用いて動的に割り当て可能である、ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項4】
請求項3に記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記リソース要素パターンが、前記ユーザ機器からの検出精度を向上させるために、複数の送信時間インターバルで反復される、ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項5】
請求項3または4に記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記応答信号が、前記リソース要素パターンを使用することによってミラーリングされる検出された前記ビーコン信号を含む、ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項6】
請求項3から5のいずれかに記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記第2のトランシーバ局に関連付けられた前記リソース要素パターンが、周波数領域および時間領域の両方においてオーバーラップすることを避けるために、前記第1のエリアカバレッジ内の任意の他の第2のトランシーバ局の前記リソース要素パターンに対して直交する、ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項7】
請求項3から5のいずれかに記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記ビーコン信号が、第2のトランシーバ局識別のための情報をエンコードするビットのシーケンスを含み、同じリソース要素パターンが、前記第2のトランシーバ局と、前記第1のエリアカバレッジ内の任意の他の第2のトランシーバ局とに関連付けられ、前記第2のトランシーバ局が、前記第2のトランシーバ局の中での干渉を最小限にし、ビーコン信号衝突の場合に各ユーザ機器が各第2のトランシーバ局を別々に検出するのを可能にするために、スクランブルコードおよび拡散コードの一方または双方を適用するようにさらに構成された、ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項8】
請求項7に記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記応答信号が、前記ビットのシーケンス、および前記応答信号を送信している前記ユーザ機器を識別する追加的なビットのシーケンスを含む、ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記第2のトランシーバ局が、第2の送信電力で、かつ前記第1の送信帯域幅とは異なる第2の送信帯域幅で、前記第2の信号を送信するように構成され、前記ビーコン信号が、前記第2の送信電力とは異なるビーコン送信電力で送信され、前記ビーコン信号と前記第2の信号の間のチャネル減衰アンバランスを補償する、ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項10】
請求項9に記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記第2のトランシーバ局の第2のエリアカバレッジに入る前に、前記ユーザ機器が前記第2のトランシーバ局の存在を推測するのを可能にするために、前記ビーコン送信電力が、前記第2の送信電力よりも高い、ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項11】
請求項10に記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記第2のエリアカバレッジが、少なくとも部分的に前記第1のエリアカバレッジ内にあり、前記第1のエリアカバレッジよりも小さい、ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項12】
請求項1から8のいずれかに記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記第2のトランシーバ局が、第2の送信帯域幅の周波数のサブセットで前記第2の信号を送信するように構成され、前記ビーコン周波数が、
前記第2の送信帯域幅が前記第1の送信帯域幅よりも広い場合に、前記第2の送信帯域幅内かつ前記第2の送信帯域幅の周波数の前記サブセットの外側かつ前記第1の送信帯域幅の外側の無変調のサブキャリア周波数間にある周波数であるか、または、
前記第2の送信帯域幅が前記第1の送信帯域幅よりも狭い場合に、前記第1の送信帯域幅内かつ前記第1の送信帯域幅の周波数の前記サブセットの外側かつ前記第2の送信帯域幅の外側の無変調のサブキャリア周波数間にある周波数である、
ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項13】
請求項2から12のいずれかに記載のワイヤレス通信ネットワーク(100)であって、前記第1のトランシーバ局が、専用のインターフェース、たとえばX2インターフェース上で、前記第2のトランシーバ局のアクティブ化を通信するように構成された、ワイヤレス通信ネットワーク(100)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載のワイヤレス通信ネットワークにおいて使用するためのユーザ機器(110)であって、
前記第2のトランシーバ局の存在を推測するために前記ビーコン信号を選択的に検出し、
検出された前記ビーコン信号に基づいて、前記応答信号を送信する
ように構成されたユーザ機器(110)。
【請求項15】
第1の送信帯域幅の周波数のサブセットで第1の信号を送信するための第1のトランシーバ局(105)と、選択的に、第2の信号の送信を可能としそれによってワイヤレス通信ネットワーク容量を増加させるようにアクティブ化するか、または、前記第2の信号の送信をやめるように非アクティブ化することが可能な第2のトランシーバ局(115i)とを含むワイヤレス通信ネットワーク(100)を動作させるための方法において、
前記第2のトランシーバ局において、非アクティブ化されているときに、前記第2のトランシーバ局を識別するビーコン信号(Bsi)をブロードキャストするステップであって、前記ビーコン信号が前記第1の送信帯域幅の周波数の前記サブセットの外側のビーコン周波数(fi)を有する、ブロードキャストするステップと、
ユーザ機器(110)において、前記第2のトランシーバ局の存在を推測するために前記ビーコン信号を検出するステップと、
前記第1のトランシーバ局において、検出された前記ビーコン信号に基づいて、前記ユーザ機器からの応答信号を受信するステップ、および受信された前記応答信号に基づいて、前記第2のトランシーバ局のアクティブ化をスケジュールするステップと
を含み、前記ビーコン周波数が、前記第1の送信帯域幅に関連付けられたガード帯域内の周波数であることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、セルラーネットワークなどのワイヤレス通信ネットワークに関する。より詳細には、本発明は、OFDMアクセス方式(LTE/LTEアドバンスト技術、WiMAX、WiFiおよびそれらの進化型など)、またはCDMAアクセス方式に基づいたセルラーネットワーク、ならびに、そのようなセルラーネットワーク内の(たとえば小規模な)ノードのアクティブ化および非アクティブ化を効率的かつ動的に管理するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーネットワークの進化は、普及およびパフォーマンスの点から著しい成長を試みており、最近では、3GPP LTE(「第3世代パートナーシッププロジェクト・ロングタームエボリューション」)/LTEアドバンスト標準へと導いている。
【0003】
3GPP LTE/LTEアドバンスト標準は、それぞれのランドエリア(セル)上で電波を放射する固定位置トランシーバ基地局またはノード(たとえば、eNodeB)と、セル内のユーザ機器(たとえば、セルラーフォンなどのユーザ端末)との間で、データが高速で伝達されるのを可能にするために考えられている。
【0004】
(特に、不ぞろいなユーザ機器またはデータトラフィック分散のための)セルラーネットワークパフォーマンスを最適化するために、3GPP LTE/LTEアドバンスト標準化活動は、異種のシナリオ、すなわち、全体のカバレッジおよび容量を高めるために、いわゆるマクロセルを識別する、比較的高電力および広範囲のカバレッジノード(すなわち、マクロノード)と、マクロセル内の小規模セルを識別する、いくつかのより低電力でより小規模なカバレッジノード(すなわち、小規模ノード、たとえば、マイクロノード、ピコノード、フェムトノード)との両方を含み、それにより、マクロセル内のユーザ機器と、関係するマクロノードとの間の通信を促進する、異種のシナリオを取り扱ってきている。
【0005】
しかしながら、モバイルネットワークユーザの増大する数、ならびに(マルチメディアおよびリアルタイムサービスなどの)非常に高いデータトラフィックおよび非常に限定した「サービス品質」を要求するサービスへの増大する需要のために、複数の小規模ノードは、通常、室内および野外の場所において、ならびに高容量が必要とされるどこでも、各マクロセル内に配置される。
【0006】
それゆえ、同等の電力およびカバレッジのマクロノードに基づいた従来の同種のセルラーネットワークと比較して、異種のセルラーネットワークにおいては、高密度小規模ノードがまた、十分に計画されずに、またはすっかり調整を欠いたやり方でさえ、配置されることがある。
【0007】
これは、干渉管理および電力消費の問題を鮮明にし得る。
【0008】
干渉は、マクロセルと小規模セルとの間にだけではなく、小規模セル同士の間にも生じることがある。
【0009】
ネットワーク容量およびパフォーマンスをよりよく管理して、干渉を削減し、電力消費を最適化するために、科学的研究(たとえば、3GPPのような標準化団体)は、トラフィック負荷(たとえば、対応する小規模セル内の、データトラフィックの量およびユーザ機器の数)に従って、各小規模ノードのアクティブ化および非アクティブ化を管理することを考えている。
【0010】
大まかに言えば、小規模ノードは、追加的な容量を提供するためにアクティブ化され、そのような追加的な容量がもはや必要ないときに非アクティブ化されてよく、したがって、マクロノードによって、または小規模ノードそれ自体によってスケジュールされ得る、そのようなアクティブ化および/または非アクティブ化により、電力消費を削減する。
【0011】
最新の技術において、ソリューションは、小規模ノードのアクティブ化および非アクティブ化を制御することを目指していることが知られている。
【0012】
EP2512171は、セルラーネットワーク内のマイクロノードの状態を管理するための方法を開示する。セルラーネットワークは、マイクロセル(各セルはマイクロノードに関連付けられている)をカバーするトラッキングエリアを収容するマクロノードを含む。方法は、トラッキングエリア内のマイクロノードをアクティブ化するステップと、トラッキングエリア内でアイドルモードにあるユーザ機器の数を判定するステップと、アイドルモードにあるユーザ機器の数が所定の値よりも少ないときに、トラッキングエリア内の1つまたは複数のマイクロノードを非アクティブ化するステップとを含む。方法は、マクロセルの現在の負荷が別の所定の値を超える場合に、トラッキングエリア内のすべてのマイクロノードをアクティブ化するステップをさらに含む。
【0013】
WO2012/055984は、マクロノードおよび小規模ノードを含むセルラーネットワーク、ならびに小規模ノードをアクティブ化するための方法を開示する。方法は、小規模ノードの現在の動作モードを判定するステップと、あらかじめ定義された基準(たとえば、ユーザ機器と小規模ノードとの間の距離)が実現すると、小規模ノードをインアクティブからよりアクティブな動作モードに切り替えるステップと、その現在の動作モードに従って、対応する切り替え信号をマクロノードから小規模ノードへと送信するステップとを含む。
【0014】
WO2012/110075は、異種のネットワークにおけるノードのウェイクアップ制御を開示する。ノードごとに、平均アップリンク干渉、ノードと近傍ノードとの間のパスロス、および近傍ノードのウェイクアップ閾値干渉が、ウェイクアップ条件を評価するために取り出される。ウェイクアップ条件が満たされると、ノードは、インアクティブな状態(送信機スイッチオフ)から、アクティブな状態(送信機スイッチオン)へと切り替えられる。
【0015】
出願人は、3GPP LTE/LTEアドバンスト標準において現在定義されているソリューションも、引用した先行技術のソリューションも、満足のいくものではないことを認識した。
【0016】
実際、トラフィック負荷検出/監視/測定に実質的に基づいたそのようなソリューションは、過度な処理時間を要し、それゆえ、それらは、中/高データトラフィック速度シナリオに使用されるようになされてはいない。
【0017】
さらに、小規模ノードのアクティブ化はマクロノードによって広告されるので、トラフィック負荷に基づいたオフロードのみが考えられ、一方、サービスおよび加入者プロファイルに基づいたオフロードは管理され得ない。
【0018】
最後になったが大事なことに、そのようなソリューションは、準静的なシナリオにおいてはむしろ許容できる(たとえば、長い処理時間によって引き起こされる)レイテンシのために、高密度な小規模ノードおよび移動しているユーザによって引き起こされる極めて動的な条件を管理するようになされてはいない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記を考慮して、出願人は、異種のセルラーネットワーク内の複数の(たとえば小規模な)ノードのアクティブ化および非アクティブ化を効率的かつ動的に管理する(および電力消費を削減する)問題に取り組み、かつそれを達成するために、簡単で迅速な小規模ノードの検出および識別を目指したソリューションを考案した。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の個別の実施形態によるソリューションの1つまたは複数の態様は、独立請求項の中で述べられ、従属請求項の中で指摘される同じソリューションの有利な特徴を伴い、それらの表現は、参照により、文字通りに本明細書に収められる(いかなる有利な特徴も、必要に応じ変更を加えて任意の他の態様に適用される、本発明の一実施形態によるソリューションの個別の態様を参照して提供される)。
【0021】
より具体的には、本発明の1つまたは複数の実施形態によるソリューションの1つの態様は、第1のエリアカバレッジで、かつ第1の送信帯域幅で、第1の信号を送信するための第1のトランシーバ局と、選択的にアクティブ化可能な/非アクティブ化可能な第2のトランシーバ局とを含むワイヤレス通信ネットワークに関する。第2のトランシーバ局は、非アクティブ化されているときに、第2のトランシーバ局を識別するビーコン信号をブロードキャストするように動作可能であり、ビーコン信号は、第1の送信帯域幅のエッジにおけるビーコン周波数を有する。ビーコン信号は、第2のトランシーバ局の存在を推測するために、ユーザ機器によって検出可能である。第1のトランシーバ局は、検出されたビーコン信号に基づいて、ユーザ機器からの応答信号を受信し、受信された応答信号に基づいて、第2のトランシーバ局のアクティブ化をスケジュールするように構成されている。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、ワイヤレス通信ネットワークは、LTE/LTEアドバンスト、WiMAX、またはWiFi技術に基づいたセルラーネットワークなどの、OFDMAアクセス方式を利用するセルラーネットワークである。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、ビーコン信号は、OFDMシンボルとサブキャリアとのあらかじめ定義された組合せを含むリソース要素パターンにマップされ、リソース要素パターンは、第1のトランシーバ局を通してサービスプロバイダによって静的に構成可能である、または自己組織化ネットワークアルゴリズムを用いて動的に割り当て可能である。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、リソース要素パターンは、ユーザ機器からの検出精度を向上させるために、複数の送信時間インターバルで反復される。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、応答信号は、前記リソース要素パターンを使用することによってミラーリングされる検出されたビーコン信号を含む。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、第2のトランシーバ局に関連付けられたリソース要素パターンは、周波数領域および時間領域の両方においてオーバーラップすることを避けるために、第1のエリアカバレッジ内の任意の他の第2のトランシーバ局のリソース要素パターンに対して直交している。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、ビーコン信号は、第2のトランシーバ局識別のための情報をエンコードするビットのシーケンスを含み、同じリソース要素パターンが、その第2のトランシーバ局と、第1のエリアカバレッジ内の任意の他の第2のトランシーバ局とに関連付けられ、第2のトランシーバ局は、第2のトランシーバ局の中での干渉を最小限にし、ビーコン信号衝突の場合に備えて、各ユーザ機器が各第2のトランシーバ局を別々に検出するのを可能にするために、スクランブルコードおよび/または拡散コードを適用するようにさらに構成されている。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、応答信号は、前記ビットのシーケンス、および応答信号を送信しているユーザ機器を識別する追加的なビットのシーケンスを含む。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、第2のトランシーバ局は、第2の送信電力で、かつ第1の送信帯域幅とは異なる第2の送信帯域幅で、第2の信号を送信するように構成されており、ビーコン信号が、第2の送信電力とは異なるビーコン送信電力で送信されて、そのようにビーコン信号と第2の信号とのチャネル減衰アンバランスを補償する。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、第2のトランシーバ局の第2のエリアカバレッジに入る前に、ユーザ機器が前記第2のトランシーバ局の存在を推測するのを可能にするために、ビーコン送信電力は、第2の送信電力よりも高い。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、第2のエリアカバレッジは、少なくとも部分的に第1のエリアカバレッジ内にあり、第1のエリアカバレッジよりも小さい。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、ビーコン周波数は、第1の送信帯域幅に関連付けられたガードインターバル内の無変調のサブキャリア周波数間にある周波数を含む。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、第2のトランシーバ局は、第1の送信帯域幅の少なくとも一部を含む第2の送信帯域幅で第2の信号を送信するように構成されており、ビーコン周波数は、第1の送信帯域幅の外側の第2の送信帯域幅のエッジにおける、無変調のサブキャリア周波数間にある周波数である。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、第1のトランシーバ局は、専用の、たとえばX2インターフェース上で、第2のトランシーバ局のアクティブ化を通信するように構成されている。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、ワイヤレス通信ネットワークは、UMTSおよびCDMA2000技術に基づいたセルラーネットワークなどの、CDMAアクセス方式を利用するセルラーネットワークであり、ビーコン信号は、OFDMA信号であり、ビーコン周波数は、第1の送信帯域幅に関連付けられた遷移帯域幅内にある。
【0036】
本発明の1つまたは複数の実施形態によるソリューションの別の態様は、そのようなワイヤレス通信ネットワークにおいて使用するためのユーザ機器に関する。ユーザ機器は、第2のトランシーバ局の存在を推測するためのビーコン信号を選択的に検出し、検出されたビーコン信号に基づいて、応答信号を送信するように構成されている。
【0037】
本発明の1つまたは複数の実施形態によるソリューションのさらなる態様は、第1の送信帯域幅で第1の信号を送信するための第1のトランシーバ局と、選択的にアクティブ化可能な/非アクティブ化可能な第2のトランシーバ局とを含むワイヤレス通信ネットワークを動作させるための方法に関する。方法は、
第2のトランシーバ局において、非アクティブ化されているときに、第2のトランシーバ局を識別するビーコン信号をブロードキャストするステップであって、ビーコン信号が第1の送信帯域幅のエッジにおけるビーコン周波数を有する、ブロードキャストするステップと、
ユーザ機器において、第2のトランシーバ局の存在を推測するためのビーコン信号を検出するステップと、
第1のトランシーバ局において、検出されたビーコン信号に基づいて、ユーザ機器からの応答信号を受信するステップ、および受信された応答信号に基づいて、第2のトランシーバ局のアクティブ化をスケジュールするステップと
を含む。
【0038】
提案されるソリューションは、マクロセル内の(潜在的にユーザ機器にサービスすることができる)小規模セルを、ユーザ機器が迅速かつ簡単に検出し、識別するのを可能にする。提案されるソリューションは、低処理時間しか要さないので、中/高データトラフィック速度シナリオおよび非常に高い小規模セル密度を有する、極めて動的な異種のシナリオにおいて使用されるようになされている。
【0039】
さらに、提案されるソリューションは、要求されるサービスおよび加入者プロファイルなどのパラメータを考慮に入れることによって、一定の小規模ノードのアクティブ化をスケジュールすることを可能にする。
【0040】
本発明のこれらのおよび他の特徴、ならびに利点は、本発明のいくつかの例示的であって限定的ではない実施形態の以下の説明によって明らかにされるであろう。そのよりよい明瞭性のために、以下の説明は、添付の図面を参照して読まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の一実施形態による異種のセルラーネットワークを概略的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、小規模ノード、ユーザ機器、およびマクロノード側から
図1のセルラーネットワークの動作のシーケンスを示す、スイムレーン・フローチャートを概略的に示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、マクロノードダウンリンクOFDM信号スペクトルおよび小規模ノードビーコン信号スペクトルを、周波数領域において示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図面を参照すると、本発明の一実施形態によるセルラーネットワーク100が、
図1に概略的に示されている。(たとえば、3GPP LTE/LTEアドバンスト標準に準拠した)セルラーネットワーク100は、複数の(図では1つのみが図示される)比較的高電力および広範囲のカバレッジトランシーバ局(またはマクロノード)105を含む。各マクロノード105は、マクロセル105
Cとも呼ばれる比較的広範囲な地理的エリア上で、マクロセル105
C内のユーザ機器(UE:User Equipment)110(たとえば、モバイルフォン)が、データトラフィック(たとえば、ウェブブラウジング、電子メールやり取り、音声、またはマルチメディアのデータトラフィック)を交換するのを可能にするために、無線カバレッジを提供するように構成されている。
【0043】
図で見て分かるように、セルラーネットワーク100はまた、ある数Nのより低電力でより小規模なカバレッジノード(たとえば、ピコノード、マイクロノード、および/またはフェムトノード)、すなわち小規模ノード115
i(i=1、2、...Nであり、問題のこの例ではN=3である)を含み、各ノードは、セルラーネットワーク容量を増加させるために、それぞれの小規模セル115
Ciを識別する。各小規模セル115
Ciは、例として完全にマクロセル105
C内に示されているが、これは限定的に解釈されるべきではない。実際、本発明の原理は、部分的にマクロセル105
C内にある1つまたは複数(際限の場合として全部)の小規模セル115
Ci(たとえば、2つ以上の隣接するマクロセルの間に複数のマクロノードを含むセルラーネットワークの場合)、または、マクロセル105
Cの完全に外側にある1つまたは複数の小規模セル115
Ciすら(たとえば、図示されていない1つまたは複数の追加的なマクロノードの供給により、マクロセル105
Cを元々あったものよりも小さくする場合)特徴とするシナリオにもまた適用される。そのような理由のために、マクロセル105
C内に含まれるように示される小規模セル115
Ciは、マクロノード105に関係する(すなわち、それによって対処される)小規模ノード115
iとして理解されるべきである。
【0044】
完全を期すため、当業者によってよく知られているように、マクロノード105などのマクロノード、および小規模ノード115
iなどの小規模ノードは、無線アクセスネットワークを形成する。次いで、無線アクセスネットワークは、一般に、1つまたは複数のコアネットワーク(図示せず)に通信可能に結合され、1つまたは複数のコアネットワークは、インターネットおよび/または公衆交換電話網(図示せず)などの他のネットワークに結合されてよい。
【0045】
知られているように、3GPP LTE/LTEアドバンスト標準におけるダウンリンク送信は、直交周波数分割多元接続(OFDMA)方式に基づいており、ここで、無線リソースは、時間領域/周波数領域において配分される。時間領域において、各々が1ms継続して0.5msの2つのタイムスロットを含む送信時間インターバル(TTI:Transmission Time Interval)ごとに、無線リソースが配布され、一方、周波数領域において、全帯域幅が、複数の180−kHzサブチャネル(各サブチャネルは12の隣接する等間隔のサブキャリアに対応する)に分割される。時間領域における1つのタイムスロットにまたがる一定の数(たとえば7)のOFDMシンボルと、周波数領域における12の隣接するサブキャリアとを含む無線リソースは、PRB(「Physical Resource Block」物理リソースブロック)と呼ばれ、データ送信のためにUEに配分され得る最も小規模な無線リソースに対応する。各PRBは、1つのOFDMシンボル上で15kHz分ずつの周波数で離間された12のサブキャリア(各サブキャリアは、リソース要素、すなわちREと呼ばれる)を含み、したがって、サブキャリアの総数は、PRBごとに、12×7=84REである。
【0046】
大まかに言えば、セルラーネットワーク100(すなわち、マクロノード105、UE110、および小規模ノード115
i)は、小規模ノード115
i(のうちの1つまたは複数)によって潜在的にサービスされ得る各UE110による簡単で迅速な小規模ノード115
iの(およびしたがって、小規模セル115
Ciの)検出、小規模ノード115
iの(まだアクティブ化されていない場合の)アクティブ化、および適切なデータトラフィック交換を可能にするための小規模ノード115
i/UE110の関連付けを可能にするように構成される。これ以降、本発明の一実施形態による、小規模ノード115
i、UE110、およびマクロノード105側からセルラーネットワーク100の動作を示す、スイムレーン・フローチャート200を概略的に示す
図2への参照がまたなされることになる。
【0047】
ステップ205で、各小規模ノード115
iは、小規模ノード115
iを一意的に識別する低電力無線信号、これ以降ビーコン信号Bs
iを、繰り返し(ダウンリンクにおいて)送信するように構成されている。ビーコン信号Bs
iの生成および送信は、低電力機器またはモジュール120
i(これ以降、ビーコンモジュール)120
iを用いて有利に達成され、ビーコンモジュール120
iは、小規模ノード115
iダウンリンクOFDM信号を生成し、送信する(およびマクロノード105ダウンリンクOFDM信号と適切に同期される)ために使用されるものとは、異なっていてもよい。これは、概念的に
図1に示され、ここで、(ビーコン信号Bs
1、Bs
2、Bs
3を提供する)ビーコンモジュール120
1、120
2、120
3は、小規模ノード115
1、115
2、115
3とは別々に示されている。ビーコンモジュール120
iの構造的な独立性のために、既に存在するセルラーネットワークにおいて本発明を実装するために、小規模ノード115
iへの実質的な変更は要求されない。
【0048】
ビーコンモジュール120
iは、小規模ノード115
iから独立して電力供給され(およびしたがって、動作され)、その結果、対応するビーコン信号Bs
iが、小規模ノード115
iの現在の(アクティブまたはインアクティブな)ステータスとは関係なく、ブロードキャストされる。
【0049】
特定の有利な実施形態によれば、小規模ノード115
iは、通常はインアクティブであり、要求されるときにのみアクティブ化される。それゆえ、セルラーネットワーク100は、低電力消費を特徴とする(実際、ビーコンモジュール120
iの電力消費は実質的には無視できるほどであり、セルラーネットワーク100の全体の電力消費量に大幅には影響しない)。
【0050】
上で論じられたように、ビーコン信号Bs
iは、小規模ノード115
i(のうちの1つまたは複数)によって潜在的にサービスされ得る各UE110による、簡単で迅速な小規模ノード115
iの(およびしたがって、小規模セル115
Ciの)検出を可能にするように主に意図されている。しかしながら、ビーコン信号Bs
iはまた、(たとえば、好適な受信装置を備えた)他の小規模ノード115
iによって受信されてもよい。小規模ノード115
iによるビーコン信号Bs
iの受信は、小規模ノード115
iの同期、構成、および/または自動構成の目的のために、ならびに複数の小規模ノード115
iの中での相互作用に関与する任意の他の手続きのために使用されてよい。たとえば、ビーコン信号Bs
iを検出すると、各小規模ノード115
iは、検出されたビーコン信号Bs
iに関連した小規模ノード115
iを直接アクティブ化することができる。代替として、アクティブ化は、マクロノード105を通して実施されてもよい(その場合において、ビーコン信号Bs
iを検出する小規模ノード115
iは、同じビーコン信号Bs
iを検出するUE110と同じステップを実施することができ、それについては以下で説明される)。
【0051】
本発明の一実施形態による、マクロノード105ダウンリンクOFDM信号スペクトルおよびビーコン信号Bs
iスペクトルを(周波数領域において)示す
図3から見て分かるように、各ビーコン信号Bs
iは、それぞれの周波数(これ以降、ビーコン周波数)f
i上で送信される。各ビーコン周波数f
iは、(3GPP LTE/LTEアドバンスト標準において)隣接するキャリアで引き起こされる干渉に対するガード帯域GBを識別する、マクロノード105の送信帯域幅のエッジにおける無変調の(未使用の)サブキャリアの周波数(サブセット)である。
【0052】
帯域外発射でのビーコン信号Bs
iの影響(通例、隣接チャネル漏洩電力比の点から表現され、通常は、送信機における変調プロセスおよび非線形性から生じる)を制限するために、ビーコン信号Bs
iの時間長は、好ましくは短く保たれる。
【0053】
各ビーコン信号Bs
iは、OFDMシンボルとサブキャリアとのあらかじめ定義された組合せ(REパターン)にマップされ、そのようなREパターンは、(たとえば、マクロノード105もしくはセルラーネットワーク100の任意の他の好適なエンティティからのシグナリングもしくはO&M機能を通して)サービスプロバイダによって静的に構成され得る、または(たとえば、非常に高密度の小規模ノード115
iによるシナリオでは)SON(「Self Organizing Network」自己組織化ネットワーク)アルゴリズムを用いて動的に割り当て得る。加えて、UE110からの検出精度を向上させるために、各ビーコン信号は、(たとえば、UE110からの検出精度を向上させるために)複数のTTIで反復され得る。それゆえ、時間パターンの選択およびビーコン信号持続時間は、帯域外発射の限度と、UE110からの検出精度の限度との間の妥協点として見られてよい。
【0054】
ビーコン信号Bs
iは、単純なオン/オフ信号、または情報担持信号であってよく、たとえば、後者は、小規模ノード115
i識別のための情報(たとえば、小規模ノード115
iID)をエンコードするビットのシーケンスを含む。第1の場合において、同じマクロセル105
C内の異なる小規模ノード115
iに関連付けられたREパターンは、(周波数領域および時間領域の両方でオーバーラップするのを避け、小規模ノード115
i識別を可能にするために)相互に直交すべきである。第2の場合において、代わりに同じREパターンが異なる小規模ノード115
iに割り当てられてもよく、かつ、小規模ノード115
iの中での干渉を最小限にする(それにより、ビーコン信号Bs
i衝突の場合に備えて、各UE110が各小規模ノード115
iを別々に検出するのを可能にする)ために、(たとえば、Wlash−HadamardシーケンスまたはZadoff−Chuシーケンスに基づいた)スクランブルコードおよび/または拡散コードが使用されるべきである。
【0055】
ステップ210で、マクロセル105
C内を移動するUE110が(考え得る)小規模セル115
Ci内に入る、または小規模セル115
Ciに接近するとき、UE110は、(たとえば、図示されない対応する受信機モジュールを通して)対応するビーコン信号Bs
iを検出する。オン/オフビーコン信号Bs
iの場合、検出は、好ましくは、UE110における受信機モジュールを電力閾値に応答させることによって達成される。
【0056】
マクロノード105に既に接続しているUE110のスループットを押し上げるためだけに小規模ノード115
iが使用されるシナリオでは、UE110のバッテリ消費を削減するために、ビーコン信号検出のスイッチオンおよびスイッチオフが適切に(たとえば、自動的に)対処されてよい。例として、UE110がアイドルモードにある(たとえば、交換されることになる、または交換中のデータトラフィックがない)とき、(不必要な)ビーコン信号Bs
i検出は、スイッチオフされる。他方で、UE110が接続モードにある(たとえば、データトラフィックが交換されることになる、または交換中である)とき、ビーコン信号Bs
i検出は、マクロノード105によって現在提供されているスループットよりも高いスループットをUE110が必要とする場合にのみ、スイッチオンされてよい。
【0057】
UE110が、事前に(すなわち、UE110が小規模セル115
Ciに近づいてはいるが、まだそのカバレッジ内には入っていないときに)小規模ノード115
iの存在を検出するのを可能にするために、ビーコンモジュール120
iは、適切に校正された電力で(たとえば、小規模ノード115
iダウンリンクOFDM信号よりもわずかに高くても)、ビーコン信号Bs
iを送信すべきである。
【0058】
ビーコン信号Bs
i電力校正はまた、カバレッジ問題のために必要であることがある。たとえば、マクロノード105および小規模ノード115
iが異なる周波数帯域(たとえば、それぞれ、800MHzおよび2600MHz)に配置される場合、非常に異なるチャネル減衰量のために、(マクロノード110帯域幅内のビーコン周波数f
iで送信された)ビーコン信号Bs
iと、アクティブな小規模ノード115
iのダウンリンクOFDM信号との間で、高いカバレッジ不安定が生じることがある。そのような理由のために、それぞれの小規模ノード115
iのダウンリンクOFDM信号に対して同等のカバレッジを取得するための、ビーコン信号Bs
i電力校正が予想されるべきである。
【0059】
そのような電力校正は、同一チャネルシナリオの場合には、またはマクロノード105および小規模ノード115
iが同じ周波数帯域に配置されるときには、むしろ必要ない。同一チャネルシナリオは、特に、小規模ノード115
i帯域幅がマクロノード105帯域幅よりも大きいときに、むしろ干渉の点からクリティカルであると実証することができる。そのような条件において、マクロノード105帯域幅のエッジにおける無変調の(未使用の)サブキャリア上で送信されたビーコン信号Bs
iと、アクティブな小規模ノード115
iダウンリンクOFDM信号(同じ、または近いサブキャリアを使用する)との間に生じる同一チャネル干渉を避けるために、小規模ノード115
iダウンリンクOFDM信号の未使用のサブキャリア上でビーコン信号Bs
i送信を配分することが可能であり、言い換えれば、マクロノード105帯域幅と小規模ノード115帯域幅とがオーバーラップするとき、ビーコン信号Bs
iは、より大きい(および帯域幅の外側がより小さい)帯域幅のエッジにおける無変調の(未使用の)サブキャリア上で送信されてよい。そのような場合において、マクロノード105は、そのような構成をUE110に信号で伝えるべきであり(ステップは図示せず)、その結果、UE110は、拡張されたサイズを有するFFTウィンドウ(たとえば、小規模ノード115
iによって使用されるFFTウィンドウサイズに少なくとも等しい)を使用することができ、そのようにして、マクロノード105ダウンリンクOFDM信号の復調と一緒に、ビーコン信号Bs
i検出を可能にする。
【0060】
ビーコン信号Bs
iを検出すると、各UE110は、REパターン、および(情報ビーコン信号Bs
iが考えられるときなどに提供される場合)関連付けられた情報コンテンツを含む対応する応答信号を、マクロノード105に送信し(ステップ215)、ステップ220で、マクロノード105は、そのような応答信号を受信する。
【0061】
応答信号の送信は、標準における複雑性と影響との間のトレードオフ仕様を考慮に入れることによって、達成されてよい。
【0062】
例として、応答信号は、ダウンリンクの同じREパターンを使用することにより、受信されたビーコン信号Bs
iを(アップリンクにおいて)ミラーリングすることによって送信されてよい。
【0063】
オン/オフビーコン信号Bs
iの場合、マクロノード105は、同じ小規模ノード105
iのカバレッジ下で、異なるUE110によって送信された応答信号の合計を受信することになる。ミラーリングのおかげで、マクロノード105は、UE110ごとに応答信号の電力レベルが適切に設定される(かつマクロノード105によって知られる)ことを想定しながら、同じ小規模ノード105
iのカバレッジ下にあるUE110の数を知ることを可能にされる。この点においては、UE110ごとに設定された応答信号の電力レベルを知ることによって、受信された応答信号の全体の電力からUE110の数が推定され得るように、マクロノード105それ自体が、UE110ごとに応答信号の電力レベルを設定することができる。
【0064】
各々がそれぞれのビットのシーケンスを含む情報ビーコン信号Bs
iが代わりに考えられる場合、各UE110は、アップリンクにおける衝突の場合に備えて、マクロノード105が(同じ小規模ノード115
iに関連付けられたシーケンスを送信している)UE110を区別する、および/またはUE110を計数するのに役立つ追加的なシーケンスでエンコードされた、同じシーケンスを送信すべきである。以下で論じられるように、同じ小規模セル115
Ci内にあるUE110の数が活用されて、小規模ノード115
iのアクティブ化が有利であるか否かをスケジュールすることができる。
【0065】
代替として、応答信号は、マクロノード105のアップリンクチャネル上(たとえば、3GPP LTE/LTEアドバンスト標準のためのPUSCH/PUCCH)に既に存在するフィードバックシグナリングを拡張することによって、送信されてもよい。
【0066】
応答信号を受信すると、マクロノード105は、いくつの小規模ノード115
i、およびどの小規模ノード115
iがアクティブ化されるべきかをスケジュールする(ステップ225)。そのようなスケジューリングは、同じ小規模ノード115
iを検出するUE110の数、加入者プロファイル、UE110によって要求されるサービス、その他などの、(本発明のために限定しない)異なる基準によって実施されてよい。
【0067】
そのようにして、ステップ230で、マクロノード105は、(インアクティブである場合に)スケジュールされた小規模ノード115
iをアクティブ化し、ステップ235で、小規模ノード115
iを、それぞれのUE110に関連付ける。
【0068】
マクロノード105と小規模ノード115
iとの間のアクティブ化および関連付け通信は、マイクロ波リンク、(たとえば、既存のX2インターフェースを拡張する、もしくは専用の新しいインターフェースを定義することによる)ケーブルインターフェース、または(たとえば、無線中継のために既に開発されているメッセージおよびプロトコルを拡張して)LTE無線インターフェース上で送られてよく、一方で、ビーコン信号Bs
iの場所および構成についてのマクロノード105とUE110との間の通信は、RRCシグナリングによって、またはPBCHのような個別のダウンリンク制御チャネルを使用して、サポートされてよい。
【0069】
当然ながら、ローカルの、かつ個別の要件を満たすために、当業者は、上で説明されたソリューションに、多くの論理的および/または物理的な修正ならびに改変を適用することができる。より具体的には、本発明は、一定程度の特殊性で、その好ましい実施形態を参照して説明されてきたが、形態および詳細におけるさまざまな省略、置換、および変更、ならびに他の実施形態が可能であることが理解されるべきである。とりわけ、本発明の異なる実施形態は、そのより徹底した理解を提供するために前出の説明で述べられた個別の詳細なしにさえ実践されてもよく、それどころか、不必要な詳細で説明を邪魔しないように、よく知られた特徴が省略、または簡略化されていることもある。さらに、本発明の任意の開示された実施形態に関連して説明された個別の要素および/または方法ステップは、一般的な設計選択肢の問題として、任意の他の実施形態に組み込まれてもよいことが明白に意図される。
【0070】
より具体的には、本発明の一実施形態によるソリューションは、(同様のステップを使用する、必須でないいくつかのステップを取り除く、またはさらなるオプションのステップを追加することによって)等価の方法を通して実装されることに適しており、さらに、ステップは、異なる順序で、同時に、または(少なくとも部分的に)交互的なやり方で実施されてもよい。
【0071】
加えて、ワイヤレス通信ネットワークが異なる構造を有する、または等価のコンポーネントを含む、または他の動作特徴を有する場合には、類似の考察が適用される。いずれの場合においても、その任意のコンポーネントは、いくつかの要素に分けられてもよいし、または2つ以上のコンポーネントが単一の要素に組み合わされてもよい。加えて、各コンポーネントは、対応する動作の並行した実行をサポートするために複製されてもよい。異なるコンポーネント間の任意の相互作用は(そうでないと指摘されていない限り)一般に連続的である必要はなく、相互作用は、直接的、および1つまたは複数の媒介物を通した間接的の両方であり得ることにもまた留意されたい。
【0072】
さらに、LTE/LTEアドバンスト標準に基づいたワイヤレス通信ネットワークへの明示的な参照がなされてきたが、任意の特定のワイヤレス通信システムのアーキテクチャまたはプロトコルの実装形態に限定されることは、出願人の意図にはないことが理解されるべきである。この点において、好適で単純な修正により、小規模セルの動的なアクティブ化のために提案された方法が、OFDMA(たとえば、WiMAXおよびWiFi)またはCDMA(たとえば、UMTSおよびCDMA2000)などの、一般的なアクセス方式に基づいた任意の他のワイヤレス通信ネットワークに適用されてもよいと規定することもまた可能である。CDMAベースのシステムの場合、重畳されたOFDMA信号を、CDMA送信された信号に送信することが必要である。ビーコン信号を搬送するOFDMA信号は、CDMA信号の遷移帯域幅、すなわち、割り当てられたチャネルのエッジにおける帯域幅の部分に位置するサブキャリアのみを変調することによって生成され、ここでは、送信フィルタの作用のために、電力スペクトル密度が、最大値から非常に低い値(たとえば、最大値より下40÷50dB)にまで減少して、隣接するチャネル上の干渉を制限する。
【0073】
このようにして、ビーコン信号を搬送するOFDMA信号と、ユーザデータを搬送するCDMA信号との間の、相互干渉が最小限にされる。