特許第6266708号(P6266708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266708
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】抗炎症剤としてのホウ素含有小分子
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/69 20060101AFI20180115BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20180115BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20180115BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20180115BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   A61K31/69
   A61P29/00
   A61P17/10
   A61P17/02
   A61P43/00 111
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】101
(21)【出願番号】特願2016-139202(P2016-139202)
(22)【出願日】2016年7月14日
(62)【分割の表示】特願2015-82026(P2015-82026)の分割
【原出願日】2007年2月16日
(65)【公開番号】特開2016-190865(P2016-190865A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2016年8月10日
(31)【優先権主張番号】60/774,532
(32)【優先日】2006年2月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/823,888
(32)【優先日】2006年8月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505465841
【氏名又は名称】アナコール ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,スティーブン,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】サンダース,バージニア
(72)【発明者】
【氏名】赤間 勉
(72)【発明者】
【氏名】べリンガー−カワハラ,キャロリン
(72)【発明者】
【氏名】フロインド,イボンヌ
(72)【発明者】
【氏名】メイプルス,カーク,アール.
(72)【発明者】
【氏名】プラットナー,ジェイコブ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ヨン−カン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,フチェン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルナンデス,ビンセント,エス
【審査官】 高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第03/033002(WO,A1)
【文献】 特表2003−517447(JP,A)
【文献】 特表2003−533514(JP,A)
【文献】 特表2008−535781(JP,A)
【文献】 特表2009−526751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/69
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール又はその薬学的に許容可能な塩を含み、ヒト又は動物における、狼瘡(lupus)又はざ瘡(acne)である炎症関連疾患を治療又は予防するための医薬組成物。
【請求項2】
前記疾患が、狼瘡(lupus)である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記疾患が、ざ瘡(acne)である、請求項1に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年8月29日出願の米国仮特許出願第60/823,888号明細書、及び2006年2月16日出願の同第60/774,532号明細書に対する優先権を主張するものであり、これらはあらゆる目的のために全体として参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
不規則な炎症は、広範なヒト疾患における主要素である。変性障害の罹患者は、その血液中に過剰なレベルの炎症誘発性調節因子をしばしば呈する。そのような炎症誘発性調節因子の1つのタイプは、IL−1α、β、IL−2、IL−3、IL−6、IL−7、IL−9、IL−12、IL−17、IL−18、IL−23、TNF−α、LT、LIF、オンコスタチン、及びIFNc1α、β、γを含むサイトカインである。
【0003】
炎症性サイトカインにより直接引き起こされる一般的な医学上の問題を非限定的な列記には、炎症性サイトカインが滑膜における病変並びに関節軟骨及び骨の破壊をもたらし得る関節炎、炎症性サイトカインが血液循環を制限し、ネフロンに損傷を与える腎不全、炎症性サイトカインが免疫複合体の沈着を悪化させて損傷を与える狼瘡、炎症性サイトカインが気道を狭める喘息、炎症性サイトカインが皮膚炎を誘発する乾癬、炎症性サイトカインが膵細胞傷害を誘発する膵炎、炎症性サイトカインが血管透過性及びうっ血を誘発するアレルギー、炎症性サイトカインが外傷組織を攻撃する線維症、炎症性サイトカインが治癒を妨げる手術合併症、炎症性サイトカインがエリスロポエチン産生を攻撃する貧血、及び炎症性サイトカインが線維筋痛症患者において上昇する線維筋痛症が含まれる。
【0004】
慢性炎症に関連する他の疾患には、癌、慢性炎症が冠動脈硬化症の原因となる心発作、慢性炎症が脳細胞を破壊するアルツハイマー病、慢性炎症が心筋萎縮を引き起こすうっ血性心不全、慢性炎症が血栓塞栓事象を促進する脳卒中、及び慢性炎症が心臓弁に損傷を与える大動脈弁狭窄が含まれる。動脈硬化、骨粗鬆症、パーキンソン病、感染症、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、並びに多発性硬化症(典型的な自己免疫性炎症関連疾患)も炎症に関連する(Bebo, B. F., Jr., J Neurosci Res, 45: 340-348,(1996);Mennicken, F., Trends Pharmacol Sci, 20: 73-78,(1999);Watanabe, T, Int J Cardiol, 66 Suppl 1: S45-53;discussion S55,(1998);Sullivan, G. W., J Leukoc Biol, 67: 591-602,(2000);Franceschi, C., Ann N Y Acad Sci, 908: 244-254,(2000);Rogers, J, Ann N Y Acad Sci, 924: 132-135,(2000);Li, Y. J., Hum Mol Genet, 12: 3259-3267,(2003);Maccarrone, M., Curr Drug Targets Inflamm Allergy, 1: 53-63,(2002);Lindsberg, P. J., Stroke, 34: 2518-2532,(2003);DeGraba, T. J., Adv Neurol, 92: 29-42,(2003);. Ito, H., Curr Drug Targets Inflamm Allergy, 2: 125-130,(2003);von der Thusen, J. H., Pharmacol Rev, 55: 133-166,(2003);Schmidt, M. I.,. Clin Chem Lab Med, 41: 1120-1130,(2003);Virdis, A., Curr Opin Nephrol Hypertens, 12: 181-187,(2003);Tracy, R. P., Int J Clin Pract, Suppl 10-17,(2003);Haugeberg, G., Curr Opin Rheumatol, 15: 469-475,(2003);Tanaka, Y., J Bone Miner Metab, 21: 61-66,(2003);Williams, J. D., Clin Exp Dermatol, 27: 585-590,(2002))。かなり進行した段階の疾患のなかには、生命にかかわるものもあり得る。いくつかの方法論がそのような炎症性疾患の治療に利用できるが、効力が不足していること及び付随する薬物関連副作用から明らかな通り、結果は概して不十分なものである。
【0005】
炎症性腸疾患
炎症性腸疾患(IBD)には、クローン病(CD)及び潰瘍性大腸炎(UC)が含まれ、これらは両者とも、世界各地で発生頻度が高まっている特発性慢性疾患である。米国内では、毎年600,000人超が罹患している。IBDは、小腸、大腸、又はその両方に関与することができる。CDは胃腸管の任意の部分を冒し得るが、遠位の小腸及び結腸を冒す頻度が最も高い。CDでは、直腸は免れるか、あるいは直腸周囲でドレナージを伴って炎症又は感染症が引き起こされるかのいずれかである。UCは通常、しばしば直腸を始端とする大腸下部に潰瘍を引き起こす。症状は様々だが、下痢、発熱、及び疼痛を含むことができる。持続性UC患者は結腸癌に罹るリスクが高い。感染及び免疫の作用機序は提言されているがIBDの原因はいまだ分かっていないため、現在のところ満足のいく治療はない。IBD治療は、従来ではコルチコステロイド、アミノサリチル酸塩、及び標準的な免疫抑制剤、例えばアザチオプリン(6−メルカプトプリン)、メトトレキサート、及びシクロスポリンなどを用いて炎症症状を調節することを目的とする。これらのなかで、唯一の疾患を軽減させる治療薬は、免疫抑制剤のアザチオプリン及びメトトレキサートであるが、これらは両方とも作用の発現が遅く、中等度の効力しかない。長期の治療により、肝障害(線維症又は硬変)及び骨髄抑制が引き起こされ得る。患者はしばしば、そのような治療に不応性となる。他の治療法は単に症状に対処するに過ぎない(Rutgeerts, P. A, J Gastroenterol Hepatol, 17 Suppl: S176-185(2002);Rutgeerts, P., Aliment Pharmacol Ther, 17: 185-192(2003))。
【0006】
乾癬
乾癬は、最も一般的な免疫仲介慢性皮膚疾患の1つであり、異なる状態及び様々な重症度レベルで生じ、米国では人口の約2%すなわち450万人超が罹患しており、そのうち150万人がこの疾患の中程度から重度の状態であると見られる。10〜30%の乾癬患者は、関節周囲の骨及び結合組織に損傷を与える関節炎−乾癬性関節炎の状態にも罹る。乾癬は、鱗状の白色形成物で覆われた斑状の盛り上がった赤い皮膚として現れる。乾癬は、吹き出物のような(膿疱性乾癬)、又は真っ赤になった(紅皮症)外見も有し得る。乾癬は、激しいかゆみ及び灼熱感も引き起こし得る。患者は、身体的に加え精神的にも苦しむ。現在、局所治療、光線療法、及び全身的な適用を含むいくつかの手法が、乾癬の治療に利用できる。しかしながら、これらは概して疾患の抑制及び疾患の軽減に過ぎないと考えられ、いずれも治癒的ではない。さらに、多くの治療は、美容的に望ましくないか、長期使用に不都合であるか、あるいは重大な毒性が付随するかのいずれかである。
【0007】
過去20年間にわたる乾癬の生物学的特性に関する理解の深まりに伴い、この疾患の炎症性の性質の原因であるTリンパ球及びサイトカインの活性を標的とする生物学的療法が利用できるようになった。現在、乾癬に処方される薬物には、関節リウマチ(RA)治療に当初使用されたTNF−α阻害剤であるENBREL(登録商標)(エタネルセプト)、REMICADE(登録商標)(インフリキシマブ)及びHUMIRA(登録商標)(アダリムマブ)、2002年に承認されたBiogen社のT細胞阻害剤AMEVIVE(登録商標)(アレファセプト)、及び2003年に承認されたGenentech/Xoma社のRAPTIVA(登録商標)(エファリズマブ)が含まれる(Weinberg, J. M., J Drugs Dermatol, 1: 303-310,(2002))。AMEVIVE ALEFACEPT(登録商標)は、ヒトIgG(1)のヒンジであるC(H)2及びC(H)3ドメインに融合するヒトLFA−3の最初の細胞外ドメインからなる免疫グロブリン融合タンパク質である。これはNK細胞を介してT細胞増殖を阻害する(Cooper, J. C., Eur J Immunol, 33: 666-675,(2003))。RAPTIVA(登録商標)は、T細胞接着分子の白血球機能関連抗原1(LFA−1)を標的とするヒト化モノクローナル抗体である抗CD11aとしても知られる。LFA−1とそのリガンド(ICAM−1、細胞間接着分子1)との結合を妨げるとリンパ球の活性化及び移動が阻害され、結果としてリンパ球浸潤が減少するため、最終的に乾癬の徴候及び症状につながる事象の連鎖が抑制される(Cather, J. C., Expert Opin Biol Ther, 3: 361-370,(2003))。しかしながら、現在用いられている先行技術のTNF−α阻害剤の潜在的な副作用は重度であり、該副作用には、リンパ腫の発症(Brown, S. L., Arthritis Rheum, 46: 3151-3158,(2002))、うっ血性心不全の悪化と、その結果生じる重篤な感染症及び敗血症、及び多発性硬化症及び中枢神経系問題の悪化が含まれる(Weisman, M. H.,. J Rheumatol Suppl, 65: 33-38,(2002);Antoni, C., Clin Exp Rheumatol, 20: S152-157,(2002))。T細胞阻害剤であるAMEVIVE(登録商標)/RAPTIVA(登録商標)の副作用は乾癬治療ではより耐容できるものであり得るが、RAPTIVA(登録商標)は免疫抑制剤である。免疫抑制剤は、感染症のリスクが高まったり、潜伏している慢性感染が再活性化したり、あるいは癌発症のリスクが高まったりする可能性がある。
【0008】
乾癬の生物学的特性についての理解は、過去20年間にわたり大きな進展を遂げており、上記のとおり従来にはない乾癬治療が利用できるようになっているが、乾癬が生み出す苦痛の多くはいまだ十分には対処されていない。National Psoriasis Foundationにより1998年に実施された40,000人超の米国乾癬患者の調査では、若年患者の79%が、これらの治療に効果がないことに不満を抱いていることが示された。重症患者のうち32%は、これらの治療が十分に積極的なものではないと感じていた(Mendonca, C. O., Pharmacol Ther, 99: 133-147,(2003);Schon, M. P., J Invest Dermatol, 112: 405-410,(1999))。
【0009】
関節リウマチ
関節リウマチ(RA)は、別の厄介な炎症性障害の例を示している。これは、関節及び/又は他の内臓器官の内膜(滑膜)における慢性的な炎症を特徴とする典型的な慢性炎症関連疾患である。炎症細胞は浸潤して、骨及び軟骨に損傷をも与え得る。冒された関節はその形状及び配列を喪失し、結果として動きを失う。RA患者は、関節における疼痛、こわばり感、温熱感、発赤及び腫脹、並びに発熱、疲労感、及び貧血といった他の全身症状を有する。米国では現在、人口の約1%すなわち210万人が罹患しており、そのうち女性(150万人)が男性(60万人)より多い。RAの病理は完全には解明されていないが、作用機序としては不適切な免疫反応の連鎖が想定されている。従来の治療は残念なことに、RAに対し効果がない(Bessis, N., J Gene Med, 4: 581-591,(2002))(29)。この疾患は、1950年代から使用されるコルチコステロイド及び非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を含む対症薬物療法には完全には応答しない。また、これらの薬物療法は、重篤な有害作用のリスクを伴う。メトトレキサート(MTX)などの疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)の治療効果はしばしば一貫性がなく、一時的なものである。
【0010】
最近になって、サイトカインであるTNF−α及びIL−1の炎症過程における役割についての理解に基づき、RA治療用に新しいクラスの生物学的DMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬)が開発された。FDAはいくつかのそのようなDMARDを、1998年のImmunex/Amgen Inc.のENBREL(登録商標)(エタネルセプト)、2002年のCentocor/Johnson & JohnsonのREMICADE(登録商標)(インフリキシマブ)、Abbott Laboratories Inc.のHUMIRA(登録商標)(アダリムマブ)、及び2001年のAmgenのKINERET(登録商標)(アナキンラ)を含め、承認している。ENBREL(登録商標)は、可溶性TNF受容体(TNFR)組換えタンパク質である。REMICADE(登録商標)は、ヒト化マウス(キメラ)抗TNF−αモノクローナル抗体である。HUMIRA(登録商標)は、ヒト由来重鎖及び軽鎖可変領域及びヒトIgG1:k定常領域を有する抗体をもたらす、ファージディスプレイ技術を使用して作成される完全ヒト抗TNFモノクローナル抗体である。これらの3種のタンパク質ベース薬物の全てがTNF−αを標的としてそれと結合することで、TNF−αの作用を遮断する。KINERET(登録商標)は、そのアミノ末端における単一のメチオニン残基の付加を除いて天然ヒトIL−1Raと類似している、組換えIL−1受容体拮抗薬である。KINERET(登録商標)は、IL−1のIL−1I型受容体(IL−1RI)との結合を競合的に阻害して、結果としてIL−1の炎症誘発作用を低減することにより、IL−1の生物活性を遮断する。
【0011】
これらの生物学的DMARDによる治療は症状を軽減し、構造上の損傷の進行を阻害し、中等度から重度の活性のRA患者において身体機能を改善する。これらの3つの市販TNF−α遮断薬は、広く使用されているDMARDであるMTXと併用される場合に、RA患者の治療において同様の効力を有する(Hochberg, M. C., Ann Rheum Dis, 62 Suppl 2: ii13-16,(2003))。これらの生物学的治療は短中期的には多くのRA患者において顕著な効力及び良好な全体的安全性プロファイルを提供するが、肝臓などにおいて深刻な問題及び長期にわたる副作用が生じることがあり、なお評価が必要である。ENBREL(登録商標)又はREMICADE(登録商標)の両方の使用とリンパ腫の発症との間には、懸念される関連性があるとされている(S. L., Arthritis Rheum, 46: 3151-3158,(2002))。上記のとおり、数件の報告によれば、ENBREL(登録商標)又はREMICADE(登録商標)で治療された患者は、そのうっ血性心不全が悪化し、重篤な感染症及び敗血症を発症するうえ、多発性硬化症及び他の中枢神経系問題の悪化が増加することが示されている(Antoni, C., Clin Exp Rheumatol, 20: S152-157,(2002);Mendonca, C. O., Pharmacol Ther, 99: 133-147,(2003))。
【0012】
多発性硬化症
多発性硬化症(MS)は、米国で350,000〜500,000人が診断を受けている自己免疫疾患である。複数の領域にわたる炎症並びに脳及び脊髄におけるミエリンの喪失が、この疾患を示す。MS患者は、ミエリン喪失の部位及び範囲に応じて様々な程度の神経機能障害を呈する。MSの一般的な症状には、疲労感、脱力感、痙縮、平衡障害、膀胱及び腸の問題、しびれ感、視力喪失、振戦及び鬱が含まれる。現行のMSの治療は症状を緩和するか、あるいは障害の進行を遅延させるのみであり、いくつかの新しいMS治療は、幹細胞移植及び遺伝子治療を含め現状維持的なものである(Fassas, A., Blood Rev, 17: 233-240,(2003);Furlan, R., Curr Pharm Des, 9: 2002-2008,(2003))。抗TNF抗体は実験的な自己免疫性脳脊髄炎(EAE)では保護効果を示すが、MS患者においては疾患を緩和し、これはTNF−α単独での阻害が十分ではないことを示唆する(Ghezzi, P., Neuroimmunomodulation, 9: 178-182,(2001))。
【0013】
神経変性障害
アルツハイマー病(AD)及びパーキンソン病(PK)は、最も一般的な2つの神経変性障害である。ADは、人の日常的な活動を行う能力に深刻な影響を及ぼす。ADは、思考、記憶、及び言語を司る脳の各部を冒す。通常は60歳を過ぎた4百万人のアメリカ人がADに罹患していると推定される。
【0014】
PKは、米国で150万人超が罹患している中枢神経系の進行性障害である。臨床的に、この疾患は、自発運動の減少、歩行困難、姿勢の不安定性、硬直、及び振せんを特徴とする。PKは、脳の黒質における色素性ニューロンが変性によって引き起こされ、結果としてドーパミンの利用能が低下する。これらの神経変性障害の原因は分かっておらず、現在のところこれらの疾患に対する治療法はない。
【0015】
従って、上記及び他の炎症関連疾患を治療するための新規の手法が必要とされている。炎症関連疾患の作用機序はいまだ明らかにされておらず、しばしばそれらの作用機序は互いに異なるものの、サイトカインの調節解除(deregulation)により引き起こされる免疫系の機能不全が、炎症の惹起及び進行に重要な役割を果たしていることが実証されている(Schon, M. P., J Invest Dermatol, 112: 405-410, (1999); Andreakos, E. T., Cytokine Growth Factor Rev, 13: 299-313, (2002);Najarian, D. J., J Am Acad Dermatol, 48: 805-821, (2003))。
【0016】
サイトカインは一般に、次の3つの型、すなわち炎症誘発性(IL−1α、β、IL−2、IL−3、IL−6、IL−7、IL−9、IL−12、IL−17、IL−18、IL−23、TNF−α、LT、LIF、オンコスタチン、及びIFNc1α、β、γ)、抗炎症性(IL−4、IL−10、IL−11、W−13及びTGF−β)、及びケモカイン(IL−8、Gro−α、MIP−1、MCP−1、ENA−78、及びRANTES)に分類できる。
【0017】
多くの炎症病態においては、炎症誘発性サイトカイン、特にTNF−α、IL−1β、及びIL−6、及び抗炎症性サイトカインIL−10が様々な炎症関連疾患の発病において重要な役割を果たしていると見られ、従って可能性のある治療標的として役立つことができる。例えば、高いレベルのいくつかの炎症誘発性サイトカイン(TNF−α、IFNγ、IL−1、IL−2、IL−6及びIL−12)及びケモカイン(IL−8、MCP−1及びRANTES)が、CD、乾癬、RA、グレーブス病、及び橋本甲状腺炎などのいくつかの炎症関連疾患において観察されており(Andreakos, E. T., Cytokine Growth Factor Rev, 13: 299-313, (2002))、これは可溶性TNF受容体、IL−1受容体アンタゴニスト、及び抗炎症性サイトカインIL−10の増加と平行している(Noguchi, M., Gut, 43: 203-209, (1998);Autschbach, F., Am J Pathol, 153: 121-130, (1998))。IL−10は、インビトロでのLPMC培養物中及びインビボでの患者体内の両方において炎症誘発性サイトカイン産生の上昇を抑制することが示されている(Schreiber, S., Gastroenterology, 108: 1434-1444, (1995))。IL−10で治療したCD患者の陽性応答によっても、CDにおける炎症誘発性サイトカインの産生と抗炎症性サイトカインの産生との間に不均衡があったことが示されている。
【0018】
要約すれば、炎症関連疾患の治療手法は近年、ある部分ではこれらの疾患の重症度への関心の高まり受けて、及びある部分ではそれらの免疫病原性におけるサイトカインの重要な役割についての理解の大幅な進歩に起因して、発展的な変化を遂げてきた。取り組みの大半は、TNF−α及びIL−1を標的とすることに傾注されており(Baugh, J. A., Curr Opin Drug Discov Devel, 4: 635-650, (2001))、いくつかの生成物(TNF−α阻害剤:インフリキシマブ、モノクローナル抗TNF−α抗体;及びエタネルセプト、p75TNF−α受容体)が、上述されるとおり、RA、乾癬、及びIBDの治療向けに現在市販されているか、あるいは臨床試験中である。IL−1(Gabay, C., Curr Opin Investig Drugs, 4: 593-597, (2003))、IL−6、又はIL−10を標的とするいくつかの他の薬物候補又は戦略が開発中である(Gabay, C., Curr Opin Investig Drugs, 4: 593-597, (2003);Palladino, M. A., Nat Rev Drug Discov, 2: 736-746, (2003); Girolomoni, G., Curr Opin Investig Drugs, 3: 1590-1595, (2002))。これらの生物学的治療は、短中期的には多くのRA患者において有意な効力を提供する(Elliott, M. J., Lancet, 344: 1125-1127, (1994); Moreland, L. W., N Engl J Med, 3377: 141-147, (1997); Campion, G. V., Arthritis Rheum, 39: 1092-1101, (1996); Feldmann, M., Nat Immunol, 2: 771-773, (2001))。これらの薬物は十分な寛容性であり、良好な全体的安全性プロファイルを有するが、当該技術分野においては依然として、炎症誘発性サイトカインを阻害するかあるいは抗炎症性サイトカインを刺激することができる別の薬物の必要性が残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
これらの理解に基づき、本発明者らは数種類の小分子を検証して複数のサイトカインの調節能力を試験し、様々な炎症関連疾患の治療のための潜在的な臨床適用の可能性を探求した。
【課題を解決するための手段】
【0020】
発明の概要
第1の態様において、本発明は、治療上有効量の本明細書に記載される化合物をヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物における炎症関連疾患を治療又は予防する方法を提供する。例示的実施形態において、本化合物はC1〜C100から選択されるメンバーである。例示的実施形態において、本化合物は、式Iによる構造を有する:
【化1】

(式中、Bはホウ素である。R1aは、負電荷、塩の対イオン、H、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。Mは、酸素、硫黄及びNR2aから選択されるメンバーである。R2aは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。Jは、(CR3a4an1及びCR5aから選択されるメンバーである。R3a、R4a、及びR5aは、H、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。添字n1は、0〜2から選択される整数である。Wは、C=O(カルボニル)、(CR6a7am1、及びCR8aから選択されるメンバーである。R6a、R7a、及びR8aは、H、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。添字m1は、0及び1から選択される整数である。Aは、CR9a及びNから選択されるメンバーである。Dは、CR10a及びNから選択されるメンバーである。Eは、CR11a及びNから選択されるメンバーである。Gは、CR12a及びNから選択されるメンバーである。R9a、R10a、R11a、及びR12aは、H、OR、NR**、SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)NR**、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR**、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。各R及びR**は、H、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。窒素の組み合わせ(A+D+E+G)は、0〜3から選択される整数である。R3a、R4a、及びR5aから選択されるメンバーとR6a、R7a、及びR8aから選択されるメンバーとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R3aとR4aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R6aとR7aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R9aとR10aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R10aとR11aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R11aとR12aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する)。
【0021】
第2の態様において、本発明は、治療上有効量の式IIによる構造を有する化合物をヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物における炎症関連疾患を治療又は予防する方法を提供する:
【化2】

(式中、Bはホウ素である。R20、R21、及びR22は、負電荷、塩の対イオン、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。Aは、CR9a及びNから選択されるメンバーである。Dは、CR10a及びNから選択されるメンバーである。Eは、CR11a及びNから選択されるメンバーである。Gは、CR12a及びNから選択されるメンバーである。R9a、R10a、R11a、及びR12aは、H、OR、NR**、SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)NR**、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR**、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。各R及びR**は、H、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。窒素の組み合わせ(A+D+E+G)は、0〜3から選択される整数である。R3a、R4a、及びR5aから選択されるメンバーとR6a、R7a及びR8aから選択されるメンバーとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R3aとR4aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R6aとR7aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R9aとR10aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R10aとR11aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R11aとR12aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する)。
【0022】
本発明は、本化合物のさらなる使用方法及び本明細書に記載される化合物の医薬製剤も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面の簡単な説明
図1】本発明の化合物が4種のサイトカイン:TNF−α、IL−1β、IFN−γ、及びIL−4の各々を阻害した程度を記載する。
図2】本発明の例示的化合物を示す。
図3】本発明の例示的化合物を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
発明の詳細な説明
I.定義及び略称
本明細書で使用される略称は、概してその化学及び生物学分野内での慣用的な意味を有する。
【0025】
本明細書で使用される「本発明の化合物」は、本発明で議論される化合物、該化合物の薬学的に許容可能な塩及びプロドラッグを指す。
【0026】
「阻害する」及び「遮断する」は、本明細書では互換的に使用され、本発明の方法による炎症誘発性サイトカインの発現の部分的又は完全な遮断を指し、被験者又は患者におけるサイトカイン量の低下をもたらす。
【0027】
置換基が左から右に表記される慣用的な化学式により特定される場合、それらは同様に、構造を右から左に表記することにより得られる化学的に同一の置換基も包含し、例えば−CHO−は、−OCH−を列挙することも意図される。
【0028】
本明細書で使用される「多(poly)」との用語は、少なくとも2つを意味する。例えば、多価金属イオンは、価数が少なくとも2つの金属イオンである。
【0029】
「部分」は、別の部分に結合している分子のラジカルを指す。
【0030】
記号
【化3】

は、結合として利用されるかあるいは結合と垂直に表示されるかにかかわらず、表示部分が分子の残部に結合している点を示す。
【0031】
「アルキル」との用語は、単独であるいは別の置換基の一部として、特に言及しない限り、直鎖又は分枝鎖、又は環状炭化水素ラジカル、又はそれらの組み合わせを意味し、これらは完全飽和か、一価不飽和あるいは多価不飽和であってもよく、言及した数の炭素原子を有する(すなわちC−C10は1〜10個の炭素を意味する)二価及び多価ラジカルを含むことができる。飽和炭化水素ラジカルの例には、限定するものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチルなどの基、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどの相同体及び異性体が含まれる。不飽和アルキル基は、1つ以上の二重結合又は三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例には、限定するものではないが、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、及びより高級な相同体及び異性体が含まれる。「アルキル」との用語は、特に注記されない限り、「ヘテロアルキル」などの以下でより詳細に定義されるようなアルキルの誘導体を含むことをも意味する。炭化水素基に限定されるアルキル基は、「ホモアルキル」と称される。
【0032】
「アルキレン」との用語は、単独であるいは別の置換基の一部として、限定するものではないが−CHCHCHCH−に例示されるようなアルカンから誘導される二価ラジカルを意味し、さらには以下に「ヘテロアルキレン」として記載されるような基を含む。典型的には、アルキル(又はアルキレン)基は1〜24個の炭素原子を有し、10個以下の炭素原子を有するそれらの基が本発明においては好ましい。「低級アルキル」又は「低級アルキレン」は、一般的に8個以下の炭素原子を有するより短鎖のアルキル又はアルキレン基である。
【0033】
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、及び「アルキルチオ」(又はチオアルコキシ)との用語は、その慣用的な意味で使用され、それぞれ酸素原子、アミノ基、又は硫黄原子を介して分子の残部に結合しているアルキル基を指す。
【0034】
「ヘテロアルキル」との用語は、単独であるいは別の用語との組み合わせで、特に言及しない限り、言及した数の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子からなる安定な直鎖又は分枝鎖、又は環状炭化水素ラジカル、又はそれらの組み合わせを意味する。例示的実施形態において、ヘテロ原子は、B、O、N及びSからなる群から選択でき、ここで窒素原子及び硫黄原子は任意選択により酸化することができ、窒素ヘテロ原子は任意選択により四級化することができる。ヘテロ原子B、O、N及びSは、ヘテロアルキル基内部の任意の位置に配置することができ、アルキル基が分子の残部に結合している位置に配置することができる。例には、限定するものではないが、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH、−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH=CH−O−CH、−CH−CH=N−OCH、及び−CH=CH−N(CH)−CHが含まれる。例えば−CH−NH−OCHなど、最大2個までのヘテロ原子が連続してもよい。同様に、「ヘテロアルキレン」との用語は、単独であるいは別の置換基の一部として、限定するものではないが−CH−CH−S−CH−CH−及び−CH−S−CH−CH−NH−CH−に例示されるようなヘテロアルキルから誘導される二価ラジカルを意味する。ヘテロアルキレン基では、ヘテロ原子は、鎖の一端又は両端を占めることもできる(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらになお、アルキレンとヘテロアルキレンとの連結基(linking group)において、連結基の式が表記されている方向により、連結基の方向性を意味するものではない。例えば、式−C(O)R’−は、−C(O)R’−及び−R’C(O)−の両方を表す。
【0035】
「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」との用語は、単独であるいは他の用語との組み合わせで、特に言及しない限り、それぞれ「アルキル」及び「ヘテロアルキル」の環型を表す。さらに、ヘテロシクロアルキルでは、複素環が分子の残部に結合している位置をヘテロ原子が占めることができる。シクロアルキルの例には、限定するものではないが、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどが含まれる。ヘテロシクロアルキルの例には、限定するものではないが、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどが含まれる。
【0036】
「ハロ」又は「ハロゲン」との用語は、単独であるいは別の置換基の一部として、特に言及しない限り、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、「ハロ(C−C)アルキル」との用語は、限定するものではないが、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどを含むことを意味する。
【0037】
「アリール」との用語は、特に言及しない限り、単環又は共に縮合しているか共有結合している多環(好ましくは1〜3個の環)であることができる多価不飽和の芳香族置換基を意味する。「ヘテロアリール」との用語は、1〜4個のヘテロ原子を含むアリール基(又は環)を指す。例示的実施形態において、ヘテロ原子は、B、N、O、及びSから選択され、ここで窒素原子及び硫黄原子は任意選択により酸化され、窒素原子は任意選択により四級化されている。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に結合できる。アリール基及びヘテロアリール基の非限定的な例には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、及び6−キノリルが含まれる。上記のアリール環系及びヘテロアリール環系の各々についての置換基は、以下に記載される許容可能な置換基からなる群より選択される。
【0038】
簡略には、「アリール」との用語は、他の用語と組み合わせて使用されるとき(例えば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)、上記に定義されるアリール環及びヘテロアリール環の両方を含む。従って、「アリールアルキル」との用語は、炭素原子(例えば、メチレン基)が例えば酸素原子に置換されているアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピルなど)を含むアルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)に、アリール基が結合しているラジカルを含むことを意味する。
【0039】
上記の各用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」、及び「ヘテロアリール」)は、置換形態及び非置換形態の両方のラジカルを含むことを意味する。各タイプのラジカルに好ましい置換基を以下に提供する。
【0040】
アルキルラジカル及びヘテロアルキルラジカル(しばしば、アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、及びヘテロシクロアルケニルと称される基を含む)の置換基は、一般的に「アルキル基置換基」と称され、それらは、限定するものではないが、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−CN及び−NOから0〜(2m’+1)の範囲の数(ここで、m’はそのようなラジカル中の炭素原子の総数である)で選択される様々な群の1つ以上であることができる。R’、R’’、R’’’及びR’’’’は各々、好ましくは独立して、水素、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、例えば、1〜3個のハロゲンで置換されたアリール、置換又は非置換アルキル、アルコキシ基又はチオアルコキシ基、又はアリールアルキル基を指す。例えば本発明の化合物が2個以上のR基を含む場合、2個以上のR’、R’’、R’’’及びR’’’’基が存在する場合のこれらの各基と同様に、R基の各々は独立して選択される。R’及びR’’が同じ窒素原子に結合しているとき、それらは窒素原子と合わさって5員環、6員環、又は7員環を形成できる。例えば、−NR’R’’は、限定するものではないが、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルを含むことを意味する。上記の置換基についての考察から、当業者は、「アルキル」との用語が、水素基以外の基に結合した炭素原子、例えばハロアルキル(例えば、−CF及び−CHCF)及びアシル(例えば、−C(O)CH、−C(O)CF、−C(O)CHOCHなど)を含む基を含むことを意味することを理解するであろう。
【0041】
アルキルラジカルについて記載される置換基と同様に、アリール基及びヘテロアリール基についての置換基は、一般的に「アリール基置換基」と称される。置換基は、例えば、ハロゲン、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−CN及び−NO、−R’、−N、−CH(Ph)、フルオロ(C−C)アルコキシ、及びフルオロ(C−C)アルキル(ここで、R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、好ましくは、水素、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択される)からゼロから芳香環系上の開放されている価数(open valences)まで変わる数で選択される。例えば、本発明の化合物が2個以上のR基を含む場合、R基の各々は、2個以上のR’、R’’、R’’’及びR’’’’基が存在する場合のこれらの各基と同様に、独立して選択される。
【0042】
アリール又はヘテロアリール環に隣接する原子の置換基のうち2個は、任意選択により式−T−C(O)−(CRR’)−U−の置換基に換えられてもよく、ここでT及びUは、独立して、−NR−、−O−、−CRR’−又は単結合であり、及びqは0〜3の整数である。あるいは、アリール又はヘテロアリール環に隣接する原子の置換基のうち2個は、任意選択により式−A−(CH−B−の置換基に換えられてもよく、ここでA及びBは独立に、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−、又は単結合であり、rは1〜4の整数である。このように形成された新しい環の単結合の1つは、任意選択により二重結合に換えられてもよい。あるいは、アリール又はヘテロアリール環に隣接する原子の置換基のうち2個は、任意選択により、式−(CRR’)−X−(CR’’R’’’)−の置換基に換えられてもよく、ここでs及びdは独立に0〜3の整数であり、Xは、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、又は−S(O)NR’−である。置換基R、R’、R’’及びR’’’は、好ましくは、水素又は置換又は非置換(C−C)アルキルから独立して選択される。
【0043】
本明細書で使用される「環」は、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、又は置換又は非置換ヘテロアリールを意味する。環は、縮合環部分を含む。環中の原子数は、典型的には、環員数により定義される。例えば、「5〜7員環」は、環構成中に5〜7個の原子があることを意味する。環は、任意選択によりヘテロ原子を含む。従って、「5〜7員環」との用語は、例えばピリジニル及びピペリジニルを含む。「環」との用語は、2個以上の「環」を含む環系(ここで、各「環」は、上記のとおり、独立して定義される)をさらに含む。
【0044】
本明細書で使用される「ヘテロ原子」との用語は、炭素(C)及び水素(H)以外の原子を含む。例には、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)及びホウ素(B)が含まれる。
【0045】
「R」の記号は、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換シクロアルキル、及び置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基から選択される置換基を表す一般的な略称である。
【0046】
「有効な」量の薬物、製剤、又は透過剤とは、所望の局所的又は全身的効果を提供するのに十分な量の活性剤を意味する。「局所的に有効な」、「美容的に有効な」、「薬学的に有効な」、又は「治療上有効な」量は、所望の治療効果をもたらすために必要とされる薬物の量を指す。
【0047】
「局所的に有効」は、皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄に適用されると、適用箇所において局所的に、又は物質中の活性成分が経皮的に通過する結果として全身的に、所望の薬理効果を生み出す物質を指す。
【0048】
「美容的に有効」は、皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄に適用されると、物質中の活性成分の適用箇所において局所的に所望の美容的な結果を生み出す物質を指す。
【0049】
「薬学的に許容可能な塩」との用語は、本明細書に記載される化合物に見出される特定の置換基に応じて比較的非毒性の酸又は塩基で調製される本発明の化合物の塩を含むことを意味する。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含む場合、中性形態のそのような化合物を、そのまま(in neat)又は好適な不活性溶媒中で十分な量の所望の塩基と接触させることにより、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容可能な塩基付加塩の例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、マグネシウムの塩、又は類似の塩が含まれる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含む場合、中性形態のそのような化合物をそのまま又は好適な不活性溶媒中で十分な量の所望の酸と接触させることにより、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容可能な酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸(monohydrogencarbonic acid)、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸(monohydrogensulfuric acid)、ヨウ化水素酸、又は亜リン酸などの無機酸から誘導されるもの、並びに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの比較的非毒性の有機酸から誘導される塩が含まれる。アルギニン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸などの有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al., "Pharmaceutical Salts", Journal of Pharmaceutical Science 66: 1-19 (1977)を参照)。本発明の一定の特定化合物は、化合物を塩基付加塩又は酸付加塩のいずれにも変換できる塩基性及び酸性の両方の官能基を含む。
【0050】
化合物の中性形態は、好ましくは、塩を塩基又は酸と接触させて親化合物を慣用的な様式で単離することにより再生される。化合物の親形態は、極性溶媒中での溶解度などの特定の物理的特性の点において様々な塩形態と異なる。
【0051】
塩形態に加え、本発明はプロドラッグ形態の化合物を提供する。本明細書に記載される化合物又は複合体のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を受けて本発明の化合物を提供する。さらに、プロドラッグは、生体外環境で化学的又は生化学的方法により本発明の化合物に変換することができる。
【0052】
本発明の一定の化合物は、非溶媒和形態及び水和物形態を含む溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と等価であり、本発明の範囲内に包含される。本発明の一定の化合物は、多結晶形態又は非結晶形態で存在することができる。概して、すべての物理的形態は、本発明により企図される使用に対して同等であり、本発明の範囲内であることが意図される。
【0053】
本発明の一定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有し、ラセミ化合物、ジアステレオマー、幾何異性体、及び個別の異性体が本発明の範囲内に包含される。
【0054】
本発明の化合物は、そのような化合物を構成する原子の1つ以上において、天然にはない割合の原子同位体を含むことができる。例えば、本化合物は、放射性同位体、例えばトリチウム(H)、ヨウ素125(125I)又は炭素14(14C)などで放射性標識されていてもよい。本発明の化合物のすべての同位体上の変形例は、放射性であるか否かに関わらず、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0055】
「薬学的に許容可能な担体」又は「薬学的に許容可能な媒体」との用語は、本明細書に定義される有効量の活性剤の適切な送達を提供し、活性剤の生物活性の有効性を妨害せず、宿主又は患者にとって十分に非毒性である、任意の製剤又は担体媒質を指す。代表的な担体には、水、植物油及び鉱油の両方の油、クリーム基剤、ローション基剤、軟膏基剤などが含まれる。これらの基剤には、懸濁化剤、増粘剤、浸透促進剤などが含まれる。それらの製剤は、化粧品及び局所用医薬品分野の当業者に周知である。担体に関するさらなる情報は、参照により本明細書に援用されるRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott, Williams & Wilkins (2005)に見ることができる。
【0056】
「薬学的に許容可能な局所用担体」及び等価用語は、上記の通り、局所適用に好適な薬学的に許容可能な担体を指す。活性剤の懸濁化又は溶解することができて、皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄に適用されるときに非毒性及び非炎症性の特性を有する不活性な液体又はクリーム媒体が、薬学的に許容可能な局所用担体の例である。この用語は、具体的には、局所用化粧品における使用のために承認された担体物質も同様に包含することが意図される。
【0057】
「薬学的に許容可能な添加剤」との用語は、活性剤の生物活性の有効性を過度に妨げず、宿主又は患者に十分に非毒性である、製薬分野で既知であるか使用されている保存剤、抗酸化剤、芳香剤、乳化剤、染色剤(dyes)、及び賦形剤を指す。局所製剤用の添加剤は当該技術分野において既知であり、それらが薬学的に許容可能であって上皮細胞又はその機能にとって有害でない限り、局所用組成物に添加することができる。さらに、添加剤は、組成物の安定性の低下を引き起こすものであってはならない。例えば、不活性な充填剤、抗刺激剤、粘着付与剤、賦形剤、芳香剤、乳白剤、抗酸化剤、ゲル化剤、安定化剤、界面活性剤、皮膚軟化剤(emollient)、着色剤、保存剤、緩衝剤、他の透過促進剤、及び他の慣用的な局所又は経皮送達製剤の成分が、当該技術分野において既知である。
【0058】
「促進」、「浸透促進」、又は「透過促進」との用語は、薬物の皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄を介した透過率が増加するように皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄の薬物に対する透過性が増加することに関する。そのような促進剤の使用によりもたらされる透過性の向上は、例えば、動物又はヒトの皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄を通じた薬物の拡散率を拡散セル装置を用いて計測することにより観察できる。拡散セルについては、Merritt et al. Diffusion Apparatus for Skin Penetraion, J of Controlled Release, 1 (1984) pp. 161-162に記載されている。「透過促進剤」又は「浸透促進剤」との用語は、単独又は併用で、皮膚、爪、毛髪又は蹄の薬物に対する透過性を増加させるよう作用する薬剤又は薬剤の混合物を意図する。
【0059】
「賦形剤」との用語は、所望の使用に有効な薬物組成物の調合に使用される担体、希釈剤及び/又は媒体を意味するものとして慣用的に既知である。
【0060】
「局所投与」との用語は、薬剤が皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄の外表面を介して下層の組織に進入するように、医薬品の皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄の外表面へ適用することを指す。局所投与は、無傷の皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄に対する、あるいは皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄の損傷した未治療の傷又は開放創に対する組成物の適用を含む。医薬品の局所投与により、薬剤の皮膚及び周囲組織への分布を限定的にすることができ、あるいは血流によって薬剤が治療範囲から取り除かれるときには薬剤を全身に分布させることができる。
【0061】
「経皮送達」との用語は、組成物の局所投与又は他の適用から得られる皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄の障壁を通り抜ける薬剤の拡散を指す。角質層は障壁として作用し、無傷の皮膚を浸透できる医薬品は少ない。対照的に、表皮及び真皮は多くの溶質に対し透過性であり、従って、擦りむいてあるいは角質層が剥がれて表皮が露出した皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄を介した薬物の吸収はより容易に行われる。経皮送達には、皮膚、爪、毛髪、鉤爪、若しくは蹄又は粘膜の任意の部分を介した注入(injection)又は他の送達、及び残部を介した吸収又は透過が含まれる。無傷の皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄を介した吸収は、皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄への適用前に、活性剤を適切な薬学的に許容可能な媒体中に入れることにより向上させることができる。受動的局所投与は、皮膚軟化剤又は浸透促進剤と併用して活性剤を治療部位に直接適用することから構成されてもよい。本明細書で使用される経皮送達は、外皮、すなわち皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄を介したあるいは通る透過による送達を含むことが意図される。
【0062】
II.序論
本発明は、炎症誘発性サイトカイン発現及び/又は抗炎症発現の低減に関連する炎症関連疾患の治療方法に関する。本発明の方法は、そのような治療を必要とするヒト又は動物に1種以上の本発明の化合物を単独であるいは医薬製剤の一部として投与することを伴う。好ましい実施形態において、投与される化合物は、炎症誘発性サイトカイン発現を阻害するか、及び/又は抗炎症性サイトカインを刺激することにより炎症関連疾患を治療するのに十分であるが、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)を実質的に阻害するには不十分な量である。
【0063】
III.本発明で使用される化合物
第1の態様において、本発明は、ここに記載される化合物を提供する。例示的実施形態において、本化合物は、式Iによる構造を有する:
【化4】

(式中、Bはホウ素である。R1aは、負電荷、塩の対イオン、H、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。Mは、酸素、硫黄、及びNR2aから選択されるメンバーである。R2aは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。Jは、(CR3a4an1及びCR5aから選択されるメンバーである。R3a、R4a、及びR5aは、H、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。添字n1は、0〜2から選択される整数である。Wは、C=O(カルボニル)、(CR6a7am1、及びCR8aから選択されるメンバーである。R6a、R7a、及びR8aは、H、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。添字m1は、0及び1から選択される整数である。Aは、CR9a及びNから選択されるメンバーである。Dは、CR10a及びNから選択されるメンバーである。Eは、CR11a及びNから選択されるメンバーである。Gは、CR12a及びNから選択されるメンバーである。R9a、R10a、R11a及びR12aは、H、OR、NR**、SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)NR**、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR**、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。各R及びR**は、H、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。窒素の組み合わせ(A+D+E+G)は、0〜3から選択される整数である。R3a、R4a及びR5aから選択されるメンバーとR6a、R7a及びR8aから選択されるメンバーとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R3aとR4aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R6aとR7aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R9aとR10aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R10aとR11aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R11aとR12aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。)。
【0064】
例示的実施形態において、本化合物は、式(Ia)による構造を有する。
【化5】
【0065】
別の例示的実施形態において、各R3a及びR4aは、H、シアノ、置換又は非置換メチル、置換又は非置換エチル、トリフルオロメチル、置換又は非置換ヒドロキシメチル、置換又は非置換ヒドロキシアルキル、置換又は非置換ベンジル、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換メルカプトメチル、置換又は非置換メルカプトアルキル、置換又は非置換アミノメチル、置換又は非置換アルキルアミノメチル、置換又は非置換ジアルキルアミノメチル、置換又は非置換アリールアミノメチル、置換又は非置換インドリル、及び置換又は非置換アミドから独立して選択されるメンバーである。別の例示的実施形態において、各R3a及びR4aは、シアノ、置換又は非置換メチル、置換又は非置換エチル、トリフルオロメチル、置換又は非置換ヒドロキシメチル、置換又は非置換ヒドロキシアルキル、置換又は非置換ベンジル、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換メルカプトメチル、置換又は非置換メルカプトアルキル、置換又は非置換アミノメチル、置換又は非置換アルキルアミノメチル、置換又は非置換ジアルキルアミノメチル、置換又は非置換アリールアミノメチル、置換又は非置換インドリル、置換又は非置換アミドから独立して選択されるメンバーである。
【0066】
別の例示的実施形態において、各R3a及びR4aは、H、置換又は非置換メチル、置換又は非置換エチル、置換又は非置換プロピル、置換又は非置換イソプロピル、置換又は非置換ブチル、置換又は非置換t−ブチル、置換又は非置換フェニル、及び置換又は非置換ベンジルから選択されるメンバーである。別の例示的実施形態において、R3a及びR4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、フェニル及びベンジルから選択されるメンバーである。別の例示的実施形態において、R3aはHであり、R4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、フェニル及びベンジルから選択されるメンバーである。別の例示的実施形態において、R3aはHであり、R4aはHである。
【0067】
別の例示的実施形態において、各R9a、R10a、R11a、及びR12aは、H、OR、NR**、SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)NR**、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR**、ハロゲン、シアノ、ニトロ、置換又は非置換メトキシ、置換又は非置換メチル、置換又は非置換エトキシ、置換又は非置換エチル、トリフルオロメチル、置換又は非置換ヒドロキシメチル、置換又は非置換ヒドロキシアルキル、置換又は非置換ベンジル、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換フェニルオキシ、置換又は非置換フェニルメトキシ、置換又は非置換チオフェニルオキシ、置換又は非置換ピリジニルオキシ、置換又は非置換ピリミジニルオキシ、置換又は非置換ベンジルフラン、置換又は非置換メチルチオ、置換又は非置換メルカプトメチル、置換又は非置換メルカプトアルキル、置換又は非置換フェニルチオ、置換又は非置換チオフェニルチオ、置換又は非置換フェニルメチルチオ、置換又は非置換ピリジニルチオ、置換又は非置換ピリミジニルチオ、置換又は非置換ベンジルチオフラニル、置換又は非置換フェニルスルホニル、置換又は非置換ベンジルスルホニル、置換又は非置換フェニルメチルスルホニル、置換又は非置換チオフェニルスルホニル、置換又は非置換ピリジニルスルホニル、置換又は非置換ピリミジニルスルホニル、置換又は非置換スルホンアミジル、置換又は非置換フェニルスルフィニル、置換又は非置換ベンジルスルフィニル、置換又は非置換フェニルメチルスルフィニル、置換又は非置換チオフェニルスルフィニル、置換又は非置換ピリジニルスルフィニル、置換又は非置換ピリミジニルスルフィニル、置換又は非置換アミノ、置換又は非置換アルキルアミノ、置換又は非置換ジアルキルアミノ、置換又は非置換トリフルオロメチルアミノ、置換又は非置換アミノメチル、置換又は非置換アルキルアミノメチル、置換又は非置換ジアルキルアミノメチル、置換又は非置換アリールアミノメチル、置換又は非置換ベンジルアミノ、置換又は非置換フェニルアミノ、置換又は非置換チオフェニルアミノ、置換又は非置換ピリジニルアミノ、置換又は非置換ピリミジニルアミノ、置換又は非置換インドリル、置換又は非置換モルホリノ、置換又は非置換アルキルアミド、置換又は非置換アリールアミド、置換又は非置換ウレイド、置換又は非置換カルバモイル、及び置換又は非置換ピペリジニルから独立して選択されるメンバーである。例示的実施形態において、R9a、R10a、R11a、及びR12aは、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR**を除く前出のリストの置換基から選択される。
【0068】
別の例示的実施形態において、R9a、R10a、R11a、及びR12aは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、シアノ、アミノ、メチル、ヒドロキシルメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エチル、ジエチルカルバモイル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジニル、ピペリジノ、ピペリジニル、ピペリジノカルボニル、ピペリジニルカルボニル、カルボキシル、1−テトラゾリル、1−エトキシカルボニルメトキシ、カルボキシメトキシ、チオフェニル、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシ、1H−テトラゾル−5−イル、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−、1−エトキシカルボニルメチル−、1−エトキシカルボニル−、カルボキシメトキシ−、チオフェン−2−イル、チオフェン−2−イルチオ−、チオフェン−3−イル、チオフェン−3−イルチオ、4−フルオロフェニルチオ、ブチルカルボニルフェニルメトキシ、ブチルカルボニルフェニルメチル、ブチルカルボニルメチル、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチル、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシ、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシ、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシ、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシ、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチル、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチル、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル、1H−インドル−1−イル、モルホリノ−、モルホリニル、モルホリノカルボニル、モルホリニルカルボニル、フェニルウレイド、フェニルカルバモイル、アセトアミド、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル、ベンジルアミノ、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))、5−クロロ−1H−インドル−1−イル、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))、ジベンジルアミノ、ベンジルアミノ、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシ、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニル、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオ、2−シアノフェノキシ、3−シアノフェノキシ、4−シアノフェノキシ、2−シアノフェニルチオ、3−シアノフェニルチオ、4−シアノフェニルチオ、2−クロロフェノキシ、3−クロロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、2−フルオロフェノキシ、3−フルオロフェノキシ、4−フルオロフェノキシ、2−シアノベンジルオキシ、3−シアノベンジルオキシ、4−シアノベンジルオキシ、2−クロロベンジルオキシ、3−クロロベンジルオキシ、4−クロロベンジルオキシ、2−フルオロベンジルオキシ、3−フルオロベンジルオキシ、4−フルオロベンジルオキシ、非置換フェニル、非置換ベンジルから独立して選択されるメンバーである。例示的実施形態において、R9aはHであり、R12aはHである。
【0069】
例示的実施形態において、式(I)又は式(Ia)による化合物は、
【化6】

から選択されるメンバーである。例示的実施形態において、本化合物は、R9a、R10a、R11a、及びR12aのための置換基の選択にはHを除く段落66に記載される全ての候補が含まれる式I〜Ioの1つによる構造を有する。例示的実施形態において、本化合物は、R9a、R10a、R11a、及びR12aのための置換基の選択にはHを除く段落69に記載される全ての候補が含まれる式Ib〜Ioの1つによる構造を有する。
【0070】
例示的実施形態において、本化合物は、式(Ib)〜(Ie)による式を有し、式中、R1aは、H、負電荷、及び塩の対イオンから選択されるメンバーであり、残りのR基(IbにおけるR9a、IcにおけるR10a、IdにおけるR11a、及びIeにおけるR12a)は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、シアノ、アミノ、メチル、ヒドロキシルメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エチル、ジエチルカルバモイル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジニル、ピペリジノ、ピペリジニル、ピペリジノカルボニル、ピペリジニルカルボニル、カルボキシル、1−テトラゾリル、1−エトキシカルボニルメトキシ、カルボキシメトキシ、チオフェニル、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシ、1H−テトラゾル−5−イル、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−、1−エトキシカルボニルメチル−、1−エトキシカルボニル−、カルボキシメトキシ−、チオフェン−2−イル、チオフェン−2−イルチオ−、チオフェン−3−イル、チオフェン−3−イルチオ、4−フルオロフェニルチオ、ブチルカルボニルフェニルメトキシ、ブチルカルボニルフェニルメチル、ブチルカルボニルメチル、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチル、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシ、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシ、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシ、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシ、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチル、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチル、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル、1H−インドル−1−イル、モルホリノ−、モルホリニル、モルホリノカルボニル、モルホリニルカルボニル、フェニルウレイド、フェニルカルバモイル、アセトアミド、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル、ベンジルアミノ、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))、5−クロロ−1H−インドル−1−イル、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))、ジベンジルアミノ、ベンジルアミノ、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシ、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニル、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオ、2−シアノフェノキシ、3−シアノフェノキシ、4−シアノフェノキシ、2−シアノフェニルチオ、3−シアノフェニルチオ、4−シアノフェニルチオ、2−クロロフェノキシ、3−クロロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、2−フルオロフェノキシ、3−フルオロフェノキシ、4−フルオロフェノキシ、2−シアノベンジルオキシ、3−シアノベンジルオキシ、4−シアノベンジルオキシ、2−クロロベンジルオキシ、3−クロロベンジルオキシ、4−クロロベンジルオキシ、2−フルオロベンジルオキシ、3−フルオロベンジルオキシ、及び4−フルオロベンジルオキシから選択されるメンバーである。
【0071】
例示的実施形態において、本化合物は式(If)〜(Ik)による式を有し、式中、R1aは、H、負電荷、及び塩の対イオンから選択されるメンバーであり、残りの2個のR基(IfにおけるR9a及びR10a、IgにおけるR9a及びR11a、IhにおけるR9a及びR12a、IiにおけるR10a及びR11a、IjにおけるR10a及びR12a、IkにおけるR11a及びR12a)の各々は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、シアノ、アミノ、メチル、ヒドロキシルメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エチル、ジエチルカルバモイル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジニル、ピペリジノ、ピペリジニル、ピペリジノカルボニル、ピペリジニルカルボニル、カルボキシル、1−テトラゾリル、1−エトキシカルボニルメトキシ、カルボキシメトキシ、チオフェニル、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシ、1H−テトラゾル−5−イル、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−、1−エトキシカルボニルメチル−、1−エトキシカルボニル−、カルボキシメトキシ−、チオフェン−2−イル、チオフェン−2−イルチオ−、チオフェン−3−イル、チオフェン−3−イルチオ、4−フルオロフェニルチオ、ブチルカルボニルフェニルメトキシ、ブチルカルボニルフェニルメチル、ブチルカルボニルメチル、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチル、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシ、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシ、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシ、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシ、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチル、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチル、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル、1H−インドル−1−イル、モルホリノ−、モルホリニル、モルホリノカルボニル、モルホリニルカルボニル、フェニルウレイド、フェニルカルバモイル、アセトアミド、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル、ベンジルアミノ、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))、5−クロロ−1H−インドル−1−イル、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))、ジベンジルアミノ、ベンジルアミノ、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシ、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニル、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオ、2−シアノフェノキシ、3−シアノフェノキシ、4−シアノフェノキシ、2−シアノフェニルチオ、3−シアノフェニルチオ、4−シアノフェニルチオ、2−クロロフェノキシ、3−クロロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、2−フルオロフェノキシ、3−フルオロフェノキシ、4−フルオロフェノキシ、2−シアノベンジルオキシ、3−シアノベンジルオキシ、4−シアノベンジルオキシ、2−クロロベンジルオキシ、3−クロロベンジルオキシ、4−クロロベンジルオキシ、2−フルオロベンジルオキシ、3−フルオロベンジルオキシ、及び4−フルオロベンジルオキシから独立して選択されるメンバーである。
【0072】
例示的実施形態において、本化合物は式(Il)〜(Io)による式を有し、式中、R1aは、H、負電荷、及び塩の対イオンから選択されるメンバーであり、残りの3個のR基((Il)におけるR9a、R10a、R11a、(Im)におけるR9a、R10a、R12a、(In)におけるR9a、R11a、R12a、(Io)におけるR10a、R11a、R12a)の各々は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、シアノ、アミノ、メチル、ヒドロキシルメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エチル、ジエチルカルバモイル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジニル、ピペリジノ、ピペリジニル、ピペリジノカルボニル、ピペリジニルカルボニル、カルボキシル、1−テトラゾリル、1−エトキシカルボニルメトキシ、カルボキシメトキシ、チオフェニル、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシ、1H−テトラゾル−5−イル、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−、1−エトキシカルボニルメチル−、1−エトキシカルボニル−、カルボキシメトキシ−、チオフェン−2−イル、チオフェン−2−イルチオ−、チオフェン−3−イル、チオフェン−3−イルチオ、4−フルオロフェニルチオ、ブチルカルボニルフェニルメトキシ、ブチルカルボニルフェニルメチル、ブチルカルボニルメチル、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチル、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシ、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシ、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシ、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシ、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチル、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチル、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル、1H−インドル−1−イル、モルホリノ−、モルホリニル、モルホリノカルボニル、モルホリニルカルボニル、フェニルウレイド、フェニルカルバモイル、アセトアミド、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル、ベンジルアミノ、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))、5−クロロ−1H−インドル−1−イル、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))、ジベンジルアミノ、ベンジルアミノ、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシ、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニル、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオ、2−シアノフェノキシ、3−シアノフェノキシ、4−シアノフェノキシ、2−シアノフェニルチオ、3−シアノフェニルチオ、4−シアノフェニルチオ、2−クロロフェノキシ、3−クロロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、2−フルオロフェノキシ、3−フルオロフェノキシ、4−フルオロフェノキシ、2−シアノベンジルオキシ、3−シアノベンジルオキシ、4−シアノベンジルオキシ、2−クロロベンジルオキシ、3−クロロベンジルオキシ、4−クロロベンジルオキシ、2−フルオロベンジルオキシ、3−フルオロベンジルオキシ、及び4−フルオロベンジルオキシから独立して選択されるメンバーである。
【0073】
例示的実施形態において、本発明の化合物は、
【化7】

から選択されるメンバーである構造を有する(式中、qは0〜1の数である。Rはハロゲンである。R、R、R、R、及びRは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーから独立して選択されるメンバーである。)。例示的実施形態において、本化合物は、
【化8】

から選択されるメンバーではないという条件が付く。
【0074】
例示的実施形態において、本化合物は、
【化9】

から選択されるメンバーである構造を有する。
【0075】
例示的実施形態において、R、R、及びRは、
【化10】

から独立して選択される各メンバーである。
【0076】
例示的実施形態において、R及びRは、H、メチル、
【化11】

から独立して選択されるメンバーである。
【0077】
別の例示的実施形態において、RはHであり、Rは、
H、メチル、
【化12】

から選択されるメンバーである。別の例示的実施形態において、RとRとは、それらが結合している窒素と共に、任意選択により連結して、
【化13】

から選択されるメンバーを形成する。
【0078】
例示的実施形態において、Rは、
【化14】

から選択されるメンバーである。
【0079】
例示的実施形態において、Rは、
【化15】

から選択されるメンバーである。
【0080】
例示的実施形態において、Rは、
【化16】

から選択されるメンバーである。
【0081】
例示的実施形態において、本化合物は、
【化17】

【化18】

から選択されるメンバーである。
【0082】
例示的実施形態において、本化合物は図2に記載される構造を有する。例示的実施形態において、本化合物は図3に記載される構造を有する。
【0083】
例示的実施形態において、本化合物は、式I(b)、I(c)、I(d)、及びI(e)から選択されるメンバーによる構造を有し、式中、前記残りのR基(I(b)についてはR9a、I(c)についてはR10a、I(d)についてはR11a及びI(e)についてはR12a)はカルボキシメトキシである。
【0084】
例示的実施形態において、本化合物は、式(If)〜(Ik)から選択されるメンバーである構造を有し、式中、式(If)についてはR9a又はR10aのいずれか、式(Ig)についてはR9a又はR11aのいずれか、式(Ih)についてはR9a又はR12aのいずれか、式(Ii)についてはR10a又はR11aのいずれか、式(Ij)についてはR10a又はR12aのいずれか、式(Ik)についてはR11a又はR12aのいずれかがハロゲンであり、対の他方の置換基(例えば、式(If)中R9aがFである場合にはR10aが以下に列挙される置換基から選択される)は、NH、N(CH)H、及びN(CHから選択されるメンバーである。
【0085】
別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化19】

から選択されるメンバーである構造を有し、式中、R及びR**は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから選択されるメンバーである。例示的実施形態において、本化合物は、
【化20】

から選択されるメンバーである(式中、R1aは、負電荷、H、及び塩の対イオンから選択されるメンバーである。)。
【0086】
別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化21】

から選択されるメンバーである構造を有し、式中、qは1であり、Rは、フルオロ、クロロ及びブロモから選択されるメンバーである。
【0087】
別の例示的実施形態において、上記の式(I)〜(Io)における化合物及び実施形態は、水との水和物、アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール)との溶媒和物、アミノ化合物(例えばアンモニア、メチルアミン、エチルアミン)との付加物、酸(例えばギ酸、酢酸)との付加物、エタノールアミン、キノリン、アミノ酸などとの複合体を形成することができる。
【0088】
別の例示的実施形態において、本化合物は、式(Ip)
【化22】

による構造を有する(式中、Rx2は、置換又は非置換C−Cアルキル及び置換又は非置換C−Cヘテロアルキルから選択されるメンバーである。Ry2及びRz2は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。)。
【0089】
別の例示的実施形態において、本化合物は、式(Iq)
【化23】

による構造を有する(式中、Bはホウ素である。Rx2は、置換又は非置換C−Cアルキル及び置換又は非置換C−Cヘテロアルキルから選択されるメンバーである。Ry2及びRz2は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。別の例示的実施形態において、R3a、R4a、R5a、R6a、R7a、R8a、R9a、R10a、R11a及びR12aから選択される少なくとも1つのメンバーは、ニトロ、シアノ及びハロゲンから選択されるメンバーである。)。
【0090】
別の例示的実施形態において、本化合物は、以下の式
【化24】

から選択されるメンバーである構造を有する。別の例示的実施形態において、本化合物は式(Ib)〜(Ie)による式を有し、式中、R3a、R4a、R5a、R6a、R7a、R8a、R9a、R10a、R11a、及びR12aから選択される少なくとも1つのメンバーは、ニトロ、シアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ及びシアノフェノキシから選択されるメンバーである。別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化25】

から選択されるメンバーである。
【0091】
別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化26】

から選択されるメンバーである。
【0092】
別の例示的実施形態において、本発明は、多価(polyvalent)又は多価(mutlivalent)種の本発明の化合物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書に記載される化合物の二量体を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書に記載される化合物の二量体を提供する。例示的実施形態において、本発明は、C1〜C100から選択されるメンバーである化合物の二量体を提供する。例示的実施形態において二量体は、
【化27】

から選択されるメンバーである。
【0093】
例示的実施形態において、本発明は、本明細書に記載される化合物の無水物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書に記載される化合物の無水物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、C1〜C100から選択されるメンバーである化合物の無水物を提供する。例示的実施形態において、無水物は、
【化28】

から選択されるメンバーである。
【0094】
例示的実施形態において、本発明は、本明細書に記載される化合物の三量体を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書に記載される化合物の三量体を提供する。例示的実施形態において、本発明は、C1〜C100から選択されるメンバーである化合物の三量体を提供する。例示的実施形態において、三量体は、
【化29】

から選択されるメンバーである。
【0095】
別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化30】

から選択されるメンバーである構造を有する。
【0096】
別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化31】

である。
【0097】
別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化32】

から選択されるメンバーである。
【0098】
別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化33】

から選択されるメンバーである。
【0099】
別の例示的実施形態において、R1aはHである。別の例示的実施形態において、R10a及びR11aはHである。別の例示的実施形態において、R10a及びR11aから選択されるメンバーの一方はHであり、R10a及びR11aから選択されるメンバーの他方は、ハロゲン、メチル、シアノ、メトキシ、ヒドロキシメチル、及びp−シアノフェニルオキシから選択されるメンバーである。別の例示的実施形態において、R10a及びR11aは、フルオロ、クロロ、メチル、シアノ、メトキシ、ヒドロキシメチル、及びp−シアノフェニルから独立して選択されるメンバーである。
【0100】
本発明の方法において有用なさらなる化合物が、2005年2月16日出願の米国仮特許出願第60/654,060号明細書(代理人整理番号064507−5014PR)、2006年2月16日出願の米国特許出願第11/357,687号明細書(代理人整理番号064507−5014US)、2006年8月16日出願の米国特許出願第11/505,591号明細書(代理人整理番号064507−5014US01)に開示され、これらはあらゆる目的のため、全体として参照により本明細書に援用される。本発明の化合物の生成方法も、これらの特許出願に記載されている。
【0101】
IIIa.対象組成物
本発明は、対象の新規組成物も提供する。例示的実施形態において、対象の組成物は本明細書に記載される。別の例示的実施形態において、対象の組成物は、式IIによる構造を有する:
【化34】

(式中、Bはホウ素である。R20、R21、及びR22は、負電荷、塩の対イオン、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。Aは、CR9a及びNから選択されるメンバーである。Dは、CR10a及びNから選択されるメンバーである。Eは、CR11a及びNから選択されるメンバーである。Gは、CR12a及びNから選択されるメンバーである。R9a、R10a、R11a、及びR12aは、H、OR、NR**、SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)NR**、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR**、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。各R及びR**は、H、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択されるメンバーである。窒素の組み合わせ(A+D+E+G)は、0〜3から選択される整数である。R9aとR10aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R10aとR11aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。R11aとR12aとは、それらが結合している原子と共に、任意選択により連結して4〜7員環を形成する。)。
【0102】
別の例示的実施形態において、本化合物は、式(IIa)による構造を有する。
【化35】
【0103】
別の例示的実施形態において、本化合物は、以下の式による構造を有する:
【化36】

(式中、R10zは、置換又は非置換シアノフェノキシ及び置換又は非置換シアノフェニルチオから選択されるメンバーであり、R22は、H、置換又は非置換メチル、置換又は非置換エチル、及び置換又は非置換プロピルから選択されるメンバーである。例示的実施形態において、R10zは、パラシアノフェノキシ及びパラシアノフェニルチオから選択されるメンバーである。例示的実施形態において、R20及びR21は、負電荷、塩の対イオン、及びHから独立して選択されるメンバーである。)。
【0104】
別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化37】

から選択されるメンバーである構造を有する(式中、R22は、H、置換又は非置換メチル、置換又は非置換エチル及び置換又は非置換プロピルから選択されるメンバーである。)。例示的実施形態において、R20及びR21は、負電荷、塩の対イオン、及びHから独立して選択されるメンバーである。
【0105】
別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化38】

【化39】

【化40】

から選択されるメンバーである構造を有する。例示的実施形態において、R22はHである。例示的実施形態において、R22は置換又は非置換メチルである。例示的実施形態において、R22はメチルである。例示的実施形態において、R20及びR21は、負電荷、塩の対イオン、及びHから独立して選択されるメンバーである。
【0106】
別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化41】

【化42】

【化43】

から選択されるメンバーである構造を有する。例示的実施形態において、R22はHである。例示的実施形態において、R22は置換又は非置換メチルである。例示的実施形態において、R22はメチルである。
【0107】
別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化44】

から選択されるメンバーである。
【0108】
本明細書に記載される化合物は、本明細書に記載されるオキサボロール(2)の合成に使用されるものと同様の経路により合成できる。しかしながら、フェニルボロン酸及び臭化フェニル前駆体の合成は、(1)に存在する保護オルトヒドロキシメチル基がないことにより単純化される。従って、多くの場合に、類似した範囲のオルト置換、メタ置換、及びパラ置換ボロン酸(4)を合成することができる。
【化45】
【0109】
これらのボロン酸の生成例は、実施例の節で提供される。さらに、フェニルオキシ誘導体プロトコルを使用し、フェノール反応物をそのチオフェノール類似体と置換することにより、フェニルチオ誘導体を合成できる。例えば、4−(4−シアノフェニルチオ)フェニルボロン酸は、本明細書に記載される4−(4−シアノフェノキシ)フェニルボロン酸用のプロトコルを使用し、4−ブロモフェノールを4−ブロモチオフェノールに置換することにより合成できる。
【0110】
別の例示的実施形態において、本明細書に記載される対象組成物は、本明細書に記載される本発明の方法で使用できる。別の例示的実施形態において、本発明は、治療上有効量の本明細書の第IIIa節に記載される化合物をヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物における炎症関連疾患を治療又は予防する方法を提供する。別の例示的実施形態において、本化合物は、式II又は式IIaによる構造を有する。別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化46】

から選択されるメンバーである構造を有する。別の例示的実施形態において、本方法はさらに、前記化合物を医薬製剤の一部として投与することを含み、前記製剤は薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。別の例示的実施形態において、第IIIa節に記載される化合物は、炎症誘発性サイトカイン発現を阻害するか、あるいは抗炎症性サイトカイン発現を刺激することにより炎症関連疾患を治療するのに十分な量であるが、該量はサイクリン依存性キナーゼを実質的に阻害するには不十分である。別の例示的実施形態において、疾患は、関節炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、乾癬、多発性硬化症、神経変性障害、うっ血性心不全、脳卒中、大動脈弁狭窄、腎不全、狼瘡、膵炎、アレルギー、線維症、貧血、アテローム性動脈硬化症、代謝疾患、骨疾患、心血管疾患、化学療法/放射線関連合併症、I型糖尿病、II型糖尿病、肝疾患、胃腸障害、眼疾患、アレルギー性結膜炎、糖尿病性網膜症、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、肺障害、腎疾患、皮膚炎、HIV関連悪液質、脳性マラリア、強直性脊椎炎、らい病、貧血、及び線維筋痛症から選択されるメンバーである。別の例示的実施形態において、疾患は日光角化症である。別の例示的実施形態において、疾患はアトピー性皮膚炎である。別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化47】

から選択されるメンバーである構造を有する。
【0111】
別の例示的実施形態において、神経変性障害はアルツハイマー病及びパーキンソン病から選択されるメンバーであり、炎症性腸疾患はクローン病又は潰瘍性大腸炎から選択されるメンバーであり、胃腸合併症は下痢であり、肝疾患は、自己免疫性肝炎、C型肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、及び劇症肝不全から選択されるメンバーであり、胃腸障害はセリアック病及び非特異性大腸炎から選択されるメンバーであり、肺障害は、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、慢性肉芽腫性炎症、嚢胞性線維症、及びサルコイドーシスから選択されるメンバーであり、心血管疾患は、アテローム硬化性心疾患、うっ血性心不全及び再狭窄から選択されるメンバーであり、腎疾患は、糸球体腎炎及び血管炎から選択されるメンバーである。別の例示的実施形態において、本化合物は、IL−1α、β、IL−2、IL−3、IL−6、IL−7、IL−9、IL−12、IL−17、IL−18、IL−23、TNF−α、LT、LIF、オンコスタチン、及びIFNc1α、β、γから選択されるメンバーであるサイトカインを阻害するのに十分な濃度で投与される。別の例示的実施形態において、本化合物は、IL−4、IL−10、IL−11、W−13及びTGF−βから選択されるメンバーであるサイトカインの発現を刺激するのに十分な濃度で投与される。別の例示的実施形態において、本発明は、サイトカイン発現レベルに関連する炎症関連疾患の治療方法を提供し、該方法はそのような治療を必要とするヒト又は動物に第IIIa節に記載される化合物を投与することを含む。例示的実施形態において、本化合物は、炎症誘発性サイトカイン発現を阻害するか、あるいは抗炎症性サイトカイン発現を刺激することにより炎症関連疾患を治療するのに十分な量であるが、該量はサイクリン依存性キナーゼを実質的に阻害するには不十分である。例示的実施形態において、動物はヒトである。別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化48】

から選択されるメンバーである構造を有する。別の例示的実施形態において、本発明は、炎症性サイトカインタンパク質を産生することができる細胞による炎症性サイトカインタンパク質の産生を阻害するための方法を提供し、前記方法は、前記細胞を治療量の第IIIa節の化合物と合わせることを含み、それにより前記細胞による前記炎症性サイトカインの産生が阻害される。別の例示的実施形態において、治療量は、前記炎症性サイトカインタンパク質の産生を約50%〜約99%で阻害するのに十分である。別の例示的実施形態において、本発明は、ヒト又は動物の炎症反応を阻害するための方法を提供し、前記方法は、前記ヒト又は動物を治療量の第IIIa節の化合物と接触させることを含み、これにより前記炎症反応が阻害される。別の例示的実施形態において、本化合物は、
【化49】

から選択されるメンバーである構造を有する。
【0112】
IV.本発明の化合物の治療適応症
本方法は、限定するものではないが、本発明の化合物で炎症関連疾患を治療することを含むことが理解されなければならない。
【0113】
別の態様において、本発明は、サイトカインによって仲介される疾患を予防又は治療する方法を提供し、該方法はそのような治療を必要とする対象者に治療上有効量の本発明の化合物を投与することを含む。例示的実施形態において、本化合物はC1〜C100から選択されるメンバーである。例示的実施形態において、本化合物は、5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロールである。そのようなサイトカイン仲介疾患には、歯周炎、ドライアイ疾患、関節リウマチ、変形性関節症、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬性関節炎、外傷性関節炎、風疹性関節炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、移植片対宿主病、全身性エリテマトーデス、毒素性ショック症候群、過敏性腸症候群、筋肉変性、同種移植片拒絶、膵炎、インスリン炎(insulinitis)、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎線維症、慢性腎不全、痛風、らい病、急性滑膜炎、ライター症候群、痛風関節炎、ベーチェット病、脊椎炎、子宮内膜症、非関節性炎症病態、例えば椎間板症候群病態、滑液包炎、腱炎、腱鞘炎、又は線維筋痛症候群、及び限定するものではないが、神経性疼痛、神経障害、多発神経障害、糖尿病関連多発神経障害、外傷、片頭痛、緊張性及び群発性頭痛、ホートン病、静脈瘤性潰瘍、神経痛、筋骨格痛、骨外傷性疼痛、骨折、疼痛ジストロフィ、脊椎関節炎、線維筋痛症、幻肢痛、背痛、脊椎痛、術後疼痛、椎間板ヘルニア誘発性坐骨神経痛、癌関連疼痛、血管痛、内臓痛、分娩、又はHIV関連疼痛を含む急性又は慢性疼痛が含まれる。他のサイトカイン仲介疾患には、アレルギー、代謝疾患、化学療法/放射線関連合併症;I型糖尿病;II型糖尿病;肝疾患;胃腸障害;眼疾患;アレルギー性結膜炎;糖尿病性網膜症;シェーグレン症候群;ブドウ膜炎;肺障害、腎疾患;皮膚炎;HIV関連悪液質;脳性マラリア;強直性脊椎炎;らい病;貧血;線維筋痛症、腎不全、脳卒中、慢性心不全、内毒素血症、再灌流傷害、虚血再灌流傷害、心筋虚血、再狭窄、血栓症、血管新生、冠動脈心疾患、冠動脈疾患、急性冠症候群、高安動脈炎、心臓の不全、例えば心不全、大動脈弁狭窄、心筋症、心筋炎、血管炎、血管再狭窄、弁膜症又は冠動脈バイパス;高コレステロール血症、血液凝固又は線維素溶解に関連する疾患又は病態、例えば、急性静脈血栓症、肺塞栓症、妊娠中の血栓症、出血性皮膚壊死、急性又は慢性播種性血管内凝固症候群(DIC)、手術、長期臥床、又は長期間の固定化による血栓形成、静脈血栓症、劇症髄膜炎菌血症、急性血栓性脳卒中、急性冠閉塞、急性末梢動脈閉塞、広範性肺塞栓症、腋窩静脈血栓症、広範性腸骨大腿静脈血栓症、動脈又は静脈カニューレの閉塞、心筋症、肝静脈閉塞性疾患、低血圧症、心拍出量の低下、血管抵抗の低下、肺高血圧症、肺コンプライアンスの減少、白血球減少症、又は血小板減少症;又はアテローム性動脈硬化症がある。さらに他には、アレルギー性結膜炎、ブドウ膜炎、緑内障、視神経炎、網膜虚血、糖尿病性網膜症、レーザー誘発性眼傷害、又は手術若しくは外傷誘発性増殖性硝子体網膜症がある。サイトカイン仲介疾患には、さらに、アレルギー性鼻炎、喘息、成人呼吸窮迫症候群、慢性肺炎症、慢性閉塞性肺疾患、気腫、気管支炎、粘液分泌過多、珪肺症、SARS感染症及び気道炎症が含まれる。乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、又はざ瘡も含まれる。さらに他のサイトカイン仲介疾患には、ギラン・バレー症候群、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症及び他の脱髄性疾患、ウイルス性及び細菌性髄膜炎、CNS外傷、脊髄損傷、発作、痙攣、オリーブ橋小脳萎縮症、エイズ認知症複合、MERRF及びMELAS症候群、レーバー病、ウェルニッケ脳症、レット症候群、ホモシスチン尿症、高プロリン血症、高ホモシステイン血症、非ケトン性高グリシン血症、ヒドロキシ酪酸アミノ酸尿症、亜硫酸酸化酵素欠損症、脊髄索状変性、鉛脳症、ツレット症候群、肝性脳症、薬物中毒、薬物耐性、薬物依存症、鬱病、不安、及び統合失調症、動脈瘤、又は癲癇がある。本発明の別の態様において、サイトカイン仲介疾患には、骨吸収疾患、大理石骨病、骨粗鬆症、又は変形性関節症が含まれる。糖尿病、全身性悪液質、感染症又は悪性腫瘍の二次的な悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)の二次的な悪液質、肥満、食欲不振症又は神経性過食症も含まれる。さらに、サイトカイン仲介疾患には、敗血症、HIV、HCV、マラリア、感染性関節炎、リーシュマニア症、ライム病、限定するものではないが、乳癌、結腸癌、肺癌、前立腺癌、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、非ホジキンリンパ腫、又は濾胞性リンパ腫を含む癌、キャッスルマン病、又は薬剤耐性があり得る。
【0114】
別の態様において、本発明は、好中球仲介疾患の治療方法を提供し、該方法はそのような治療を必要とする対象者に対し治療上有効量の本発明の化合物を投与することを含み、該好中球仲介疾患は、気管支喘息、鼻炎、インフルエンザ、脳卒中、心筋梗塞、熱傷、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、外傷の二次的な多臓器損傷、急性糸球体腎炎、急性炎症性成分による皮膚病、急性化膿性髄膜炎、血液透析、白血球フェレーシス、顆粒球輸血関連症候群、又は壊死性腸炎である。
【0115】
好ましくは、神経変性障害はアルツハイマー病及びパーキンソン病からなる群より選択され、炎症性腸疾患はクローン病又は潰瘍性大腸炎からなる群より選択され、胃腸合併症は下痢であり、肝疾患は、自己免疫性肝炎、C型肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、又は劇症肝不全からなる群より選択され、胃腸障害はセリアック病及び非特異性大腸炎からなる群より選択され、骨疾患は骨粗鬆症であり、肺障害はアレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、慢性肉芽腫性炎症、嚢胞性線維症、及びサルコイドーシスからなる群より選択され、心血管疾患はアテローム硬化性心疾患、うっ血性心不全、及び再狭窄からなる群より選択され、腎疾患は糸球体腎炎及び血管炎からなる群より選択される。
【0116】
好ましい実施形態において、疾患は、具体的にはクローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患(IBD)である。別の好ましい実施形態において、治療される疾患は、関節炎、関節リウマチ、乾癬、アルツハイマー病、又はパーキンソン病である。さらに別の好ましい実施形態において、疾患は、放射線治療後の関連疾患又はアテローム性動脈硬化症である。さらに別の好ましい実施形態において、疾患は、アトピー性皮膚炎である。さらに別の好ましい実施形態において、疾患は、日光角化症である。
【0117】
好ましくは、本化合物は、炎症誘発性サイトカイン発現を阻害するか、及び/又は抗炎症性サイトカイン発現を刺激する量である。例示的実施形態において、本化合物は、C1〜C100から選択されるメンバーである。例示的実施形態において、本化合物は、5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロールである。一実施形態において、本化合物は、好ましくは、IL−1α、β、IL−2、IL−3、IL−6、IL−7、IL−9、IL−12、IL−17、IL−18、IL−23、TNF−α、LT、LIF、オンコスタチン、及びIFNc1α、β、γからなる群より選択される1種以上の炎症誘発性サイトカインの発現の少なくとも30〜100%を阻害する量である。例示的実施形態において、本化合物は、1種以上の炎症誘発性サイトカインの発現の少なくとも40〜100%を阻害する量である。例示的実施形態において、本化合物は、1種以上の炎症誘発性サイトカインの発現の少なくとも50〜100%を阻害する量である。例示的実施形態において、本化合物は、少なくとも60〜100%を阻害する量である。例示的実施形態において、本化合物は、少なくとも70〜100%を阻害する量である。例示的実施形態において、本化合物は、1種以上の炎症誘発性サイトカインの発現の少なくとも30〜70%を阻害する量である。例示的実施形態において、本化合物は、1種以上の炎症誘発性サイトカインの発現の少なくとも40〜90%を阻害する量である。例示的実施形態において、本化合物は、炎症誘発性サイトカインの1種以上の発現の少なくとも45〜80%を阻害する量である。例示的実施形態において、本化合物は、1種以上の炎症誘発性サイトカインの発現の少なくとも55〜75%を阻害する量である。例示的実施形態において、本化合物は、炎症誘発性サイトカインの1種以上の発現の少なくとも75〜98%を阻害する量である。例示的実施形態において、本化合物は、1種以上の炎症誘発性サイトカインの発現の約50%〜約99%を阻害する量である。別の実施形態において、本化合物は好ましくは、抗炎症性サイトカイン発現を刺激する量である。本実施形態において、本化合物は好ましくは、サイトカインIL−4、IL−10、IL−11、W−13又はTGF−βからなる群より選択される抗炎症性サイトカインを、少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、及び最も好ましくは少なくとも75%増加させる量である。
【0118】
本発明は、ヒト又は動物における様々な炎症関連疾患を治療するためのホウ素含有小分子のクラスの使用方法を提供する。例示的実施形態において、小分子は本明細書に記載される化合物である。例示的実施形態において、本化合物はC1〜C100から選択されるメンバーである。例示的実施形態において、本化合物は、5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロールである。これらの炎症関連疾患には、限定するものではないが、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬、関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、神経変性障害、心血管疾患(CVD)、アテローム性動脈硬化症、及び代謝疾患(メタボリックシンドローム及び糖尿病)、並びに感染症関連炎症が含まれる。
【0119】
本発明は、サイトカイン発現レベルに関連する炎症関連疾患の治療方法も提供し、該方法は、そのような治療を必要とするヒト又は動物に本発明の化合物を投与することを含む。
【0120】
本発明は、治療される動物が、ヒト、ウマ、雌ウシ、及びブタから選択されるメンバーである方法も提供する。例示的実施形態において、動物はヒトである。
【0121】
例示的実施形態において、本発明は、IL−1β、IL−4、TNF−α、及びIFNγから選択されるメンバーであるサイトカインの阻害方法を提供する。この方法において、サイトカインは本発明の化合物と接触させる。例示的実施形態において、本化合物はC1〜C100から選択されるメンバーである。例示的実施形態において、本化合物は、5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロールである。腫瘍壊死因子α(TNF−α)及びインターロイキン1(IL−1)は、感染病原体及び他の細胞ストレスに関連する炎症反応を仲介する炎症誘発性サイトカインである。IL−1及びTNF−αなどのサイトカインの過剰産生は、関節リウマチ(RA)、クローン病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、内毒素性ショック、骨粗鬆症、アルツハイマー病、うっ血性心不全、及び乾癬を含む、多くの炎症性疾患の進行を生じさせると考えられる(Dinarello, C. A. et al., Rev. Infect. Diseases 1984, 6:51; Salituro et al., Curr. Med. Chem. 1999, 6:807-823; Henry et al., Drugs Fut. 1999, 24:1345-1354)。これらの病態における潜在的な薬物介入のための容認されている治療手法は、炎症誘発性サイトカイン、例えばTNF−α(TNFaとも称される)及びインターロイキン−1β(IL−1b)の低減である。
【0122】
炎症性腸疾患(IBD):IBDは、免疫系の調節異常により引き起こされる2つの重複する胃腸管の慢性炎症関連疾患であるクローン病(CD)及び潰瘍性大腸炎(UC)を含む(Rutgeerts, P., Aliment Pharmacol Ther, 17: 185-192 (2003))。IBD患者は腸上皮の障壁機能に欠陥があり、細菌の上皮へのコロニー形成を許してしまう。結果として、細菌産物及び炎症誘発性サイトカイン(TNF−α、IL−1及びIL−6)が持続性の炎症刺激を引き起こす。細菌抗原は、粘膜樹状細胞及びマクロファージ(macrophase)により免疫系に取り入れられる。それに応えて、腸内の食細胞(主に単球及び好中球)が増殖し、炎症誘発性サイトカインの発現及び分泌が増加する。
【0123】
乾癬:サイトカインは、皮膚炎症の発症及び持続において重要な役割を有する細胞間の伝達物質である。数多くのサイトカインが、炎症性皮膚障害の発病において極めて重大な役割を果たすことが報告されている。IL−1、TNF−α、及びIFN−γは、ICAM−1及び主要組織適合性複合体(MHC)クラスIIの発現を誘発する(Dustin, M. L., J Immunol, 137: 245-254, (1986); Strange, P., J Invest Dermatol, 102: 150-154, (1994))。IL−1、TNF−α、及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子は、樹状細胞の活性化、成熟化、及び遊走を誘発することができ、IL−1は肥満細胞を活性化する(50)。IL−6及びTGF−αは、ケラチノサイト増殖を亢進する。IL−1、TNF−α、TGF−α、及びVEGFは、血管新生を誘発し、炎症細胞を誘引する(Grossman, R. M., Proc Natl Acad Sci USA, 86: 6367-6371, (1989); Schreiber, A. B., Science, 232: 1250-1253, (1986); Detmar, M., J Exp Med, 180: 1141-1146, (1994))。サイトカインは、皮膚の免疫応答を引き出すうえでのその優位性により、新規の生物学的反応修飾物のための非常に魅力的な標的となる(Williams, J. D., Clin Exp Dermatol, 27: 585-590, (2002))。
【0124】
関節リウマチ(RA):RAでの炎症及び関節破壊の仲介におけるサイトカインネットワークの役割は、近年、広範囲に調査されている。TNF−αに加え、IL−1はRAの発病及び臨床症状において中心的な役割を果たす(54)。炎症及び関節びらんを誘導し、組織修復過程を阻害するIL−1の能力はインビトロ系及び動物モデルにおいて明確に確立されており、RA患者における炎症症状の軽減がIL−1の遮断により実現されている(Bresnihan, B., Arthritis Rheum, 41: 2196-2204, (1998))。IL−6は、免疫応答、造血、急性期反応、及び炎症を調節する多機能性サイトカインである。IL−6産生の調節解除が、RAを含むいくつかの疾患の病理に関与している。IL−6シグナルを遮断するための治療手法は、他の疾患のなかでもとりわけRAについては、ヒト化抗IL−6R抗体を使用することにより行われている(Ito, H., Curr Drug Targets Inflamm Allergy, 2: 125-130, (2003); Ishihara, K Cytokine Growth Factor Rev, 13: 357-368, (2002))。IL−10は、抗炎症性サイトカインである。IL−10の発現は、関節炎を予防するあるいは疾患を改善させることが動物モデルにおいて示されている(57、58)。TNF−α、IL−1、IL−6、及びIL−10などのサイトカインは独立した役割を有することは明らかだが、これらはRAにおける特定の病態生理学的なプロセスを仲介するうえでは合わせて作用する。これらの異なるサイトカインを調節することができる本発明に記載される分子のクラスの発見は、RAの治療において劇的な治療の進歩をもたらすこととなるであろう。
【0125】
多発性硬化症(MS):MSは、自己免疫性炎症性障害である。MS患者において体が自身のミエリンを攻撃する原因はいまだ不明であるものの、明らかにこの疾患のプロセスには調節解除されたサイトカインが関与している。自己免疫学的、病理組織学的、遺伝学的、及び臨床的な類似性に基づくMS研究に広く使用されるモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を使用して、活動初期には、EAE及びMSの両方ともCNSに散在する血管周囲の炎症性カフ状物の存在によって特徴付けられ、その過程において化学誘引物質サイトカイン(ケモカイン)が重要な役割を果たすことが示されている。CNS自己免疫性炎症におけるケモカイン(IL−8ファミリーメンバー)の発現が、いくつかの炎症誘発性サイトカイン、例えばTNFにより調節されることの証拠がある(Glabinski, A. R., Scand J Immunol, 58: 81-88, (2003))。IL−1β、IL−6、及びIL−10などの他の炎症誘発性/抗炎症性サイトカインの役割も、EAE動物モデル(Diab, A., J Neuropathol Exp Neurol, 56: 641-650, (1997); Samoilova, E. B., J Immunol, 161: 6480-6486, (1998); Robertson, J., J Cell Biol, 155: 217-226, (2001))並びにヒト(de Jong, B. A., J Neuroimmunol, 126: 172-179, (2002))において確認された。IL−1βはMS病変に存在する。IL−1受容体アンタゴニスト(IL−1Ra)は、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の誘発を加減する。IL−1が高い(IL−1Raに対する産生比が3及びTNFのIL−10に対する産生比が高い)人ではMSのリスクが増加することが見られる(de Jong, B. A., J Neuroimmunol, 126: 172-179, (2002))。
【0126】
神経変性障害:アルツハイマー病(AD)及びパーキンソン病(PK)は、神経炎症に関する2つの最も一般的な神経変性障害である。神経炎症は、いくつかの神経変性障害における病理学的に冒された組織の特徴である。これらの変化は、特に、AD症例の罹患した脳領域で観察される(McGeer, E. G., Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry, 27: 741-749, (2003))。サイトカインの役割はADの発病に関与するものとされているが、サイトカインが発病の原因となる作用機序は完全には解明されていない。ADにおいては、ミクログリア、特にアミロイド沈着に関連するものが、クラスIIの主要組織適合抗原及び炎症性サイトカインのIL−1β及びTNF−αに対する抗体による免疫活性を含む活性化の状態と一致する表現型を有する(Dickson, D. W., Glia, 7: 75-83, (1993))。ADの主な神経病理学的特徴の1つは、Aβ含有前駆体タンパク質(AβPP)のファミリーから生成される毒性アミロイドβ−ペプチド(Aβ)から主に構成される老人斑の脳沈着である。サイトカインは、AβPPの転写の遺伝子発現を刺激することが示されている。AD及びPKの発症年齢を調節する遺伝子座の遺伝子連鎖解析から、ADとグルタチオンS−トランスフェラーゼのω−1及び2(GSTO1、GSTO2)遺伝子とが強く関連することが明らかにされた。GSTO1の機能は、炎症誘発性サイトカインIL−1βの翻訳後プロセシングに関連するようである(Laliberte, R. E., J Biol Chem, 278: 16567-16578, (2003))。
【0127】
放射線治療後の関連炎症:直腸及びS状結腸の放射線傷害関連炎症性疾患は、頸部癌、子宮癌、前立腺癌、膀胱癌、及び精巣癌を含む、骨盤部における癌の放射線療法に伴う最も一般的な合併症である。放射線直腸S状結腸炎は、発症率が5%〜20%と、骨盤照射後の結腸傷害の最も一般的で臨床的に顕著な形態である。患者は典型的には、テネスムス、出血、少量の下痢、及び直腸痛の症状を呈する。まれに、軽度の閉塞症又は隣接器官への瘻管を発症し得る。
【0128】
放射線療法の作用機序は、活発に増殖する細胞内のDNAに対するその傷害を介する。腸/結腸に対する局所放射線療法後の病理学的な傷害は、急性期と慢性期とに分けることができる。初期の病理学的な変化には、固有層中のリンパ球の喪失及び粘膜上皮細胞及び血管内皮細胞に対する微小な傷害が含まれる。これらの変化は絨毛の鈍化及び腺窩新生細胞の減少として顕在化し、続いて血管透過性の上昇を伴う粘膜下浮腫が顕著となる。
【0129】
進行性動脈内膜炎の主要な作用機序は、慢性的な作用を生じさせ、これが後期に進行性線維症として顕在化して粘膜萎縮症、狭窄形成、及び血栓症をもたらし、二次的な虚血性傷害を引き起こすものと見られる。慢性期の放射線大腸炎は、非常に著しい腺窩の歪み、血管の毛細血管拡張症、及び固有層の線維化を示す。興味深いことに、これらの病理学的変化のいくつかは、長期にわたるIBDにも現れる(Haboubi, N. Y., J Clin Pathol, 45: 272, (1992)。
【0130】
従って、サイトカインは、炎症が重要な役目を呈する様々な胃腸疾患のなかで鍵となる役割を果たし得る。最近の研究は、サイトカインの慢性IBDにおける極めて重大な役割が焦点となっている(Brynskov, J., Gut, 33: 55-58, (1992); Matsuura, T., Gastroenterology, 104: 448-458, (1993); Beagley, K. W., Gastroenterol Clin North Am, 21: 347-366, (1992); MacDermott, R. P., Med Clin North Am, 78: 1207-1231, (1994); Isaacs, K. L., Gastroenterology, 103: 1587-1595, (1992); Indaram, A. V., World J Gastroenterol, 6: 49-52, (2000))。サイトカインの放射線直腸炎における役割を解明するため、Indaramら(Indaram, A. V., Am J Gastroenterol, 95: 1221-1225, (2000))は、放射線直腸炎患者における結腸粘膜サイトカインレベルを調査し、それらの値を正常対照及びIBD患者から得られた値と比較した。彼らは、放射線直腸炎群における罹患した粘膜(5.62±0.13、1.60±0.31、21.45±4.03pg/mg)及び正常と見られる粘膜(3.83±0.78、1.36±0.34、13.45±3.18pg/mg)の両方において、正常対照の粘膜(1.74±0.23、0.67±0.05、4.99±1.39pg/mg)と比較して、粘膜のIL−2、IL−6、及びIL−8レベルが有意に高く、統計的に有意である(p<0.05)ことを見出した。
【0131】
従って、これらの所見は、放射線直腸炎患者及びIBD患者においてサイトカインの活性化が類似していることを実証している。放射線直腸炎患者においては、正常対照と比較して粘膜中のIL−2、IL−6、及びIL−8レベルが有意に高いことが実証された。これに対し、IBD(UC及びCD)患者は、正常対照と比較して、IL−1、IL−2、IL−6、及びIL−8を含むサイトカインのレベルが有意に高いことが実証された。
【0132】
これらの2つの疾患における粘膜サイトカイン発現の類似性は、これらの疾患の激しい炎症性の性質に直接関連するものと思われる。これらの2つの疾患におけるこのサイトカイン活性化の類似性は、慢性IBD及び放射線直腸炎に見られる類似した病理学的変化をもたらし得ることが仮定されている。この仮説は、放射線直腸炎の医学的管理が、やや不十分ではあるものの、経口的又は局所的に付与される様々なアミノサリチル酸誘導体及びコルチコステロイドによる治療を含むという事実により支持される。これらの治療の選択肢は、IBDの管理と同じである。
【0133】
他のサイトカイン調節解除関連疾患:心血管疾患(CVD)、アテローム性動脈硬化症、及び代謝疾患(メタボリックシンドローム)も、炎症誘発性/抗炎症性サイトカインの不適当な分泌/発現に関係するものとされている(DeGraba, T. J., Adv Neurol, 92: 29-42, (2003); von der Thusen, J. H., Pharmacol Rev, 55: 133-166, (2003); Schmidt, M. I.,. Clin Chem Lab Med, 41: 1120-1130, (2003); Virdis, A., Curr Opin Nephrol Hypertens, 12: 181-187, (2003); Ito, T., Curr Drug Targets Inflamm Allergy, 2: 257-265, (2003))。
【0134】
糖尿病:II型糖尿病の基本となる欠陥はインスリン抵抗性であり、これによりインスリンは肝臓からのグルコース産生を抑制できないとともに末梢組織による消費を促進できず、結果として高血糖となる。膵β細胞は、インスリンをより多く分泌することにより過剰な血漿グルコースに応答し、インスリン抵抗性の作用に打ち勝つ。インスリン抵抗性が進行してP細胞がインスリン分泌量の増加に対する要求を満たせなくなると、血漿グルコースレベルが上昇し、II型糖尿病が発症する。
【0135】
多くの要因がII型糖尿病の発症の原因となり得る。II型糖尿病患者の80%は肥満であり、肥満は常にインスリン抵抗性と関連していることから、肥満をインスリン抵抗性と関連付ける分子メディエーターが熱心に研究されている。様々な要因が肥満及び肥満関連II型糖尿病におけるインスリン抵抗性の寄与原因として同定されており、注目すべきものは脂肪組織により産生され、FFA(遊離脂肪酸)、TNF−α、IL−6、レプチン、アディポネクチン、及びレジスチンといったものである。TNF−αのmRNA及びタンパク質の両方のレベルが、肥満動物(Hotamisligil, G. S., Science, 259: 87-91, (1993))及びヒト被験者(Hotamisligil, G. S., J Clin Invest, 95: 2409-2415, (1995))の脂肪組織中で大きく上昇する。脂肪組織中の異なるタイプの細胞の全てが、サイトカインを産生することができる。脂肪細胞はTNF−α受容体を発現するとともにTNF−αの主要な供給源でもあり、これは主に脂肪組織において自己分泌/パラクリン様式で機能すると考えられる。
【0136】
培養細胞(Hotamisligil, G. S., Proc Natl Acad Sci USA, 91. 4854-4858, (1994))又は動物(Lang, C. H., Endocrinology, 130: 43-52, (1992))のTNF−αに対する長期曝露がインスリン抵抗性を誘発する一方、TNF−αの中和はII型糖尿病動物モデルにおけるインスリン感受性を増加させ、高血糖を低減する(Hotamisligil, G. S., Diabetes, 43: 1271-1278, (1994))。遺伝子ノックアウトによりTNF−α又はTNF−α受容体がなくなると、肥満動物モデルにおけるインスリン感受性は有意に向上する(Uysal, K. T., Nature, 389: 610-614, (1997))。
【0137】
脂肪細胞における及び全身的なTNF−α誘発性インスリン抵抗性についての作用機序が提唱されている(Ruan, H., Cytokine Growth Factor Rev, 14: 447-455, (2003))。TNF−αは、阻害物質kBキナーゼβ(IKK−β)を介してインスリン受容体及びインスリン受容体基質1(IRS−1)のリン酸化を阻害する。TNF−αによるNF−kB活性化は、脂肪細胞機能に不可欠な脂肪細胞に富む遺伝子の抑制に必須であり、PPAR−γ仲介遺伝子転写を阻害するにも十分である。TNF−αは、脂肪組織における脂肪分解及び他のサイトカイン発現も刺激し、FFA放出も引き起こす。事実、インスリン抵抗性の一部の動物モデルにおいては顕性高血糖症前に血漿FFVレベルが増加する(Ruan, H., Cytokine Growth Factor Rev, 14: 447-455, (2003))。過剰な血漿FFAが全身のインスリン抵抗性の誘発及び進行に関与する証拠は広範にある。肝実質細胞中では、FFAはグルコース及びVLDLの過剰産生の原因である。筋細胞では、高レベルのFFAによりインスリンシグナル伝達が低下し、FFA酸化が促進されることで、グルコース酸化の大幅な減少につながる。
【0138】
現在入手可能なPPAR−γアゴニストに属するインスリン感作薬は、NF−kB経路を介してTNF−α誘発性脂肪細胞遺伝子発現プロファイルを阻害する(Ruan, H., J Biol Chem, 278: 28181-28192, (2003)。脂肪細胞由来TNF−αは自己分泌又はパラクリン因子として機能するため、TNF−α抗体の全身送達は脂肪組織中で局所発現するTNF−αの生物活性の遮断においては有効でない可能性がある(Ofei, F., Diabetes, 45: 881-885, (1996))。従って、単純な拡散を通じて分布する新しい型の小分子TNF−α阻害剤を代表するNATURAが、局所発現するTNF−αの機能の遮断に効果的な薬剤であり得るとともに、2型糖尿病の治療に有用である可能性がある。
【0139】
I型真性糖尿病は、ランゲルハンス島における単核細胞の浸潤及びインスリン産生β細胞の選択的破壊を特徴とする自己免疫疾患である。CD8+T細胞が重要な誘発因子であり得る一方、CD4+T細胞(Suri, A., Immunol Rev, 169: 55-65, (1999))及びマクロファージ(Jun, H. S., Diabetes, 48: 34-42, (1999); Yoon, J. W., Autoimmunity, 27: 109-122, (1998))はβ細胞死をもたらす免疫過程の主要な細胞作用因子である。活性化されたマクロファージは、IL−1β、IL−6、IL−12、TNF−αを直接分泌し、活性化T細胞からのINF−γ産生を間接的に引き起こす。1型糖尿病の発病におけるサイトカイン様TNF−α、INF−γ、IL−β、IL−6及びIL−10の関与は、サイトカイン発現及びI型糖尿病の発症についての相関研究、サイトカイン増大研究、及びサイトカイン欠乏研究を通じて十分に明らかにされている。(Rabinovitch, A., Rev Endocr Metab Disord, 4: 291-299, (2003))。サイトカイン中和抗体及び可溶性サイトカイン受容体に加え、抗炎症性化合物も、動物モデルにおいて1型糖尿病の発症を遅延させるか、あるいは予防する効果を示す。
【0140】
要約すれば、サイトカインの調節異常は、炎症関連疾患及び通常は炎症関連疾患とは見なされない疾患を含む様々な疾患に関与する。炎症誘発性サイトカイン及び抗炎症性サイトカインの両方の調節することができる分子は、最小限の副作用でこれらの炎症性要素の機能不全に関するあらゆるタイプの疾患に対し治療利益を提供するはずである。
【0141】
V.医薬製剤
本発明の医薬製剤は、選択された投与経路に適合する様々な形態をとることができる。当業者は、本明細書に記載される化合物を組み込む非毒性医薬製剤を調製するために用いることができる様々な合成方法を認識している。当業者は、本発明の化合物の溶媒和物を調製するために使用することができる多種多様な非毒性の薬学的に許容可能な溶媒、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、鉱油、植物油、及びジメチルスルホキシド(DMSO)などを認識している。
【0142】
本発明の組成物は、経口的に、局所的に、非経口的に、吸入若しくは噴霧により、又は経直腸的に、慣用的な非毒性の薬学的に許容可能な担体、アジュバント、及び媒体を含有する投薬量単位製剤として投与することができる。さらに、最良の投与方法は、方法の併用であることができると理解される。丸薬、カプセル、エリキシル剤、シロップ剤、ロゼンジ、トローチなどの形態での経口投与が特に好ましい。本明細書で使用される非経口という用語は、皮下注射、皮内、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、脊髄内、髄腔内注射又は同様の注射若しくは注入技術を含む。
【0143】
本発明の化合物を含有する医薬製剤は、好ましくは、経口使用に好適な形態、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性若しくは油性懸濁液、分散性粉末若しくは顆粒、乳剤、硬カプセル若しくは軟カプセル、又はシロップ剤若しくはエリキシル剤である。
【0144】
経口使用を意図する組成物は、医薬製剤の製造技術分野において既知の任意の方法に従い調製することができ、そのような組成物は、医薬品として洗練され、かつ味の良い製剤を提供するため、甘味剤、香味剤、着色剤、及び保存剤からなる群より選択される1種以上の薬剤を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に好適な非毒性の薬学的に許容可能な賦形剤との混合物として活性成分を含有することができる。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム;造粒剤及び崩壊剤、例えば、コーンスターチ、又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、又はアカシア;及び潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクであることができる。錠剤はコーティング無しにすることができ、あるいは胃腸管における崩壊及び吸収を遅延させるように既知の技術によりコーティングすることで長期間にわたる持続性作用を提供することができる。例えば、時間遅延性物質、例えばグリセリルモノステアレート又はグリセリルジステアレートを用いることができる。
【0145】
経口用製剤は、活性成分が不活性固形希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンとともに混合される硬ゼラチンカプセルとして提供することもでき、あるいは活性成分が水又は油媒質、例えばピーナッツ油、流動パラフィン、又はオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセルとして提供することができる。
【0146】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合で活性物質を含有する。そのような賦形剤は、懸濁化剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、及びアカシアゴム、及び分散剤又は湿潤剤であり、該分散剤又は湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えばレシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。水性懸濁液は、1種以上の保存剤、例えばエチル、又はp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、1種以上の着色剤、1種以上の香味剤、及び1種以上の甘味剤、例えばスクロース又はサッカリンを含有することができる。
【0147】
油性懸濁液は、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、又はヤシ油、又は流動パラフィンなどの鉱油中に活性成分を懸濁することにより製剤化することできる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールを含有してもよい。上記のもののような甘味剤、及び香味剤を添加して、味の良い経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することにより保存することができる。
【0148】
水の添加による水性懸濁液の調製に好適な分散性粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤及び1種以上の保存剤との混合で活性成分を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、上述のものによって例示されている。さらなる賦形剤、例えば甘味剤、香味剤及び着色剤も存在することができる。
【0149】
本発明の医薬製剤は、水中油乳剤及び油中水乳剤の形態であることができる。油相は、植物油、例えばオリーブ油又はラッカセイ油、又は鉱油、例えば流動パラフィン又はこれらの混合物であることができる。好適な乳化剤は、天然に存在するゴム、例えばアカシアゴム又はトラガカントゴム;天然に存在するホスファチド、例えば大豆、レシチン、及び脂肪酸及びヘキシトールから誘導されるエステル又は部分エステル;無水物、例えばソルビタンモノオレエート;及び前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。乳剤は、甘味剤及び香味剤を含有することもできる。
【0150】
シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースを用いて製剤化することができる。そのような製剤は、粘滑剤(demulcent)、保存剤、香味剤、及び着色剤を含有することができる。医薬製剤は、無菌の注射用水性又は油性懸濁液の形態であることができる。この懸濁液は、上述した好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて、既知の技術に従って製剤化することができる。注射用無菌製剤は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒中の注射用無菌溶液又は懸濁液であることができる。用いることができる許容可能な媒体及び溶媒には、水、リンゲル液、及び塩化ナトリウム等張溶液がある。さらに、無菌の固定油が、溶媒又は懸濁媒質として慣用的に用いられている。この目的のため、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の無菌の固定油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸では、注射用製剤における使用が見出される。
【0151】
本発明の組成物は、例えば薬物の直腸投与のために坐薬の形態で投与することができる。これらの組成物は、薬物を、常温では固形であるが直腸温度では液体であるため直腸内で溶けて薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と混合することにより調製できる。このような物質は、カカオバター及びポリエチレングリコールである。
【0152】
あるいは、本組成物は、無菌媒質で非経口的に投与することができる。薬物は、使用される媒体及び濃度に依存して、媒体中に懸濁又は溶解することができる。有利には、局所麻酔剤、保存剤、及び緩衝剤などのアジュバントを媒体中に溶解することができる。
【0153】
非ヒト動物に対する投与のために、治療化合物を含有する組成物を動物の飼料又は飲用水に添加することができる。さらに、動物が適切な量の化合物をその食餌中で摂取するように動物飼料及び飲用水製品を製剤化することが好都合である。さらには、組成物中の化合物を飼料又は飲用水への添加用に予め混合したものとして存在させることが好都合である。本組成物は、ヒト用の食品又は飲料補助剤として添加することもできる。
【0154】
1日体重1キログラム当たり約5mg〜約250mg、より好ましくは1日体重1キログラム当たり約25mg〜約150mgの投薬量レベルが、上記の病態の治療には有用である。単一の剤形を生成するために担体物質と組み合わすることができる活性成分の量は、治療される病態及び特定の投与様式に応じて変わる。投薬量単位剤形は概して約1mg〜約500mgの活性成分を含有する。
【0155】
投薬頻度も、使用される化合物及び特定の治療疾患に応じて変わってもよい。しかしながら、ほとんどの障害の治療について、1日4回以下の投薬計画が好ましい。しかしながら、任意の特定患者のための特定の用量レベルは、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路及び排出速度、併用薬物及び治療中の特定の疾患の重症度を含む様々な要因に依存すると理解される。
【0156】
本発明の好ましい化合物は、限定するものではないが、経口バイオアベイラビリティ、低毒性、低い血清タンパク質結合性、及び所望のインビトロ及びインビボ半減期を含む所望の薬理学的特性を有する。CNS障害の治療に使用される化合物は血液脳関門を浸透する必要がある一方、末梢障害の治療に使用される化合物の脳内レベルは低いことがしばしば好ましい。
【0157】
アッセイを用いて、これらの所望の薬理学的特性を予測することができる。バイオアベイラビリティの予測に使用されるアッセイは、Caco−2細胞単層を含むヒト腸の細胞単層を通る輸送を伴う。培養した肝細胞に対する毒性を使用して、化合物の毒性を予測することができる。ヒトにおける化合物の血液脳関門の浸透は、化合物を静脈内に与えた実験動物の脳内レベルから予測することができる。
【0158】
血清タンパク質結合は、アルブミン結合アッセイから予測することができる。このようなアッセイは、Oravcovaらによるレビュー(Journal of Chromatography B (1996) 第677巻, 1-27頁)に記載されている。
【0159】
化合物の半減期は、化合物の投薬頻度に反比例する。化合物のインビトロ半減期は、Kuhnz及びGieschen(Drug Metabolism and Disposition, (1998) 第26巻, 1120-1127頁)により記載されるように、ミクロソーム半減期のアッセイから予測することができる。
【0160】
治療に使用される組成物の所要量は、選択された特定の化合物のみならず、投与経路、治療される病態の性質、及び患者の年齢及び状態によっても変わり、最終的には担当医又は臨床医の判断によるものとなる。
【0161】
V.a)局所製剤
好ましい実施形態において、本発明の方法は、本明細書に記載される化合物の局所適用を通じて用いられることで使用することができる。
【0162】
本発明の組成物は、ポリマー、増粘剤、緩衝液、中和剤、キレート剤、保存剤、界面活性剤又は乳化剤、抗酸化剤、蝋又は油、皮膚軟化剤、日焼け防止剤、及び溶媒又は混合溶媒系を含むことができるが限定するものではない、流動性又は半固形媒体を含む。溶媒又は混合溶媒系は、これが薬物の溶解を主にもたらすゆえ、形成にとって重要である。最良の溶媒又は混合溶媒系は、製剤への貧溶媒の添加に関わらず、臨床的に適切なレベルの薬物を溶液中に維持することも可能である。本発明において有用な局所用組成物は、多種多様な製品タイプとして製造できる。これらには、限定するものではないが、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、スティック剤、噴霧剤、軟膏、ペースト剤、発泡剤(foams)、ムース剤、及び洗浄剤が含まれる。これらの製品タイプは、限定するものではないが、粒子、ナノ粒子、及びリポソームを含むいくつかのタイプの担体系を含むことができる。所望する場合、架橋ポリビニルピロリドン、寒天若しくはアルギン酸又はその塩(アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤を添加することができる。製剤化及び投与技術は、上記のRemington: The Science and Practice of Pharmacyに見出すことができる。製剤化は、体内の所望の標的部位への送達を最大化するよう選択することができる。
【0163】
ローション剤は、皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄の表面に摩擦なく適用するための製剤であり、典型的には、微粉固体、蝋体、又は液体が分散された液体又は半液体製剤である。ローション剤は、典型的には、より良好な分散性をもたらす懸濁化剤、及び皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄と接触した状態で活性剤を局在化させて保持するのに有用な化合物、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチル−セルロースナトリウムなどをを含有する。
【0164】
本発明による送達用活性剤を含有するクリーム剤は、水中油又は油中水のいずれかの粘稠液又は半固形乳剤である。クリーム基剤は、水洗いでき(water-washable)、油相、乳化剤、及び水相を含有する。油相は、一般的に、ペトロラタム又は脂肪アルコール、例えば、セチルアルコール又はステアリルアルコールからなり、水相は、通常、必ずしもではないが油相の体積がより多く、一般的に保湿剤を含有する。クリーム製剤中の乳化剤は、上記のRemington: The Science and Practice of Pharmacyに説明されるとおり、一般的に非イオン性、アニオン性、カチオン性、又は両性の界面活性剤である。
【0165】
ゲル製剤も本発明に関連して使用できる。局所製薬分野の従事者には理解されるとおり、ゲル剤は半固体である。単相ゲルは、典型的には水性であるが溶媒又は溶媒ブレンドであることができる担体液の全体にわたり実質的に一様に分布する有機高分子を含有する。
【0166】
軟膏は半固形製剤であり、典型的にはペトロラタム又は他の石油誘導体を基礎とする。当業者に理解されるとおり、使用される特定の軟膏基剤は、所与の製剤のために選択された活性剤に最適な送達を提供し、他の所望の特性、例えば皮膚軟化なども提供することが好ましい。他の担体又は媒体と同様に、軟膏基剤は、不活性で、安定していて、非刺激性で、且つ非感作性でなければならない。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed.(Easton, Pa.: Mack Publishing Co., 1995)の1399〜1404頁に説明されるとおり、軟膏基剤は4つのクラス、すなわち、油性基剤、乳化性基剤、乳剤性基剤、及び水溶性基剤に分類することができる。油性軟膏基剤には、例えば、植物油、動物由来の脂肪、及び石油由来の半固体炭化水素が含まれる。乳化性軟膏基剤は、吸収性軟膏基剤としても知られ、水をほとんど又は全く含有せず、例えば、硫酸ヒドロキシステアリン、無水ラノリン、及び親水ペトロラタムが含まれる。乳剤性軟膏基剤は、油中水(W/O)乳剤又は水中油(O/W)乳剤のいずれかであり、例えば、セチルアルコール、グリセリルモノステアレート、ラノリン、及びステアリン酸が含まれる。好ましい水溶性軟膏基剤は様々な分子量のポリエチレングリコールから調製され、ここで再び、さらなる情報について上記のRemington: The Science and Practice of Pharmacyが参照することができる。
【0167】
本発明の有用な製剤には噴霧剤も含まれる。噴霧剤は、一般的に、皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄に吹き付けて送達することができる水性及び/又はアルコール性溶液中の活性剤を提供する。そのような噴霧剤は、活性剤溶液が送達後に投与部位で濃縮するよう製剤化されるものを含み、例えば、噴霧剤溶液は、主に、アルコール又は薬物又は活性剤が溶解することができる又は他の同様の揮発性液体から成ることができる。皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄に送達された際、担体は消散し、濃縮された活性剤は投与部位に残る。
【0168】
局所用医薬組成物は、好適な固形又はゲル相担体を含むことができる。そのような担体の例には、限定するものではないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれる。
【0169】
局所用医薬組成物好適な乳化剤を含むことができ、好適な乳化剤とは水中油又は油中水の混合及び懸濁を亢進又は促進する薬剤を指す。本明細書で使用される乳化剤は単一の乳化剤からなってもよく、あるいは非イオン性、アニオン性、カチオン性、又は両性の界面活性剤又は2種以上のそのような界面活性剤のブレンドであってもよく、非イオン性又はアニオン性乳化剤が本明細書の使用に好ましい。そのような界面活性剤は、“McCutcheon's Detergent and Emulsifiers,” North American Edition, 1980 Annual 発刊元the McCutcheon Division, MC Publishing Company, 175 Rock Road, Glen Rock, N.J. 07452, USAに記載される。
【0170】
本明細書の使用に好ましいのは、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、乳化蝋、グリセリルモノステアレートなどの高分子量アルコールである。他の例は、エチレングリコールジステアレート、ソルビタントリステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート(SPAN 60)、ジエチレングリコールモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、スクロースジオレエート、スクロースステアレート(CRODESTA F-160)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(BRIJ 30)、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(BRIJ 72)、ポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテル(BRIJ 721)、ポリオキシエチレンモノステアレート(Myrj 45)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(TWEEN 60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN 80)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(TWEEN 20)、及びオレイン酸ナトリウムである。コレステロール及びコレステロール誘導体も外用乳剤において用いることができ、w/o乳剤を促進することができる。
【0171】
特に好適な非イオン性乳化剤は、親水性−親油性バランス(HLB)が、Paul L. Lindnerの「Emulsions and Emulsion」、Kenneth Lissant編、Dekker, New York刊、N.Y., 1974, 188-190頁に記載される方法により測定したとき、w/o系では約3〜6及びo/w系では8〜18のものである。本明細書の使用により好ましいのは、HLBが約8〜約18である系をもたらす1種以上の非イオン性界面活性剤である。
【0172】
そのような非イオン性乳化剤の例には、限定するものではないが、HLBが4.9のポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルの商標名「BRIJ 72」、HLBが15.5のポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテルの商標名「BRIJ 721」、HLBが9.7のポリオキシエチレンラウリルエーテルの商標名「Brij 30」、HLBが8.0の乳化蝋の商標名「Polawax」、HLBが4.7のソルビタンモノステアレートの商標名「Span 60」、HLBが14.5のスクロースステアレートの商標名「Crodesta F-160」が含まれる。これらの物質は全て、Ruger Chemicals Inc.、Croda、ICI Americas, Inc.、Spectrum Chemicals、及びBASFから入手できる。本発明の局所製剤が少なくとも1種の乳化剤を含有する場合、各乳化剤は、約0.5〜約2.5wt%、好ましくは0.5〜2.0%、より好ましくは1.0%又は1.8%の量で存在する。好ましくは、乳化剤は、ステアレス21(約1.8%で)及びステアレス2(約1.0%で)の混合物を含む。
【0173】
局所用医薬組成物、好適な皮膚軟化剤も含む。皮膚軟化剤は、乾燥の予防又は軽減及び皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄の保護に使用される物質である。有用な皮膚軟化剤には、限定するものではないが、セチルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリルアルコールなどが含まれる。多種多様な好適な皮膚軟化剤が既知であり、本明細書に使用できる。例えば、両方とも全体として参照により本明細書に援用される、Sagarin, Cosmetics, Science and Technology, 2nd Edition, Vol. 1, pp. 32-43 (1972)、及びDecknerらの1990年4月24日出願の米国特許第4,919,934号明細書を参照されたい。これらの物質は、Ruger Chemical Co, (Irvington, NJ)から入手できる。
【0174】
本発明の局所製剤が少なくとも1種の皮膚軟化剤を含有する場合、各皮膚軟化剤は、約0.1〜15%、好ましくは0.1〜約3.0、より好ましくは0.5、1.0、又は2.5wt%の量で存在する。好ましくは、皮膚軟化剤は、セチルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、及びステアリルアルコールの1/5/2の比での混合物である。皮膚軟化剤、セチルアルコール及びステアリルアルコールの1/2の比での混合物であることができる。
【0175】
局所用医薬組成物、酸化を阻害することが知られる好適な物質の抗酸化剤を含むこともできる。本発明による使用に好適な抗酸化剤には、限定するものではないが、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、エリソルビン酸、グアヤク脂、没食子酸プロピル、チオジプロピオン酸、チオジプロピオン酸ジラウリル、tert−ブチルヒドロキノン、及びビタミンEなどのトコフェロールなどが、これらの化合物の薬学的に許容可能な塩及びエステルを含めて含まれる。好ましくは、抗酸化剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、これらの薬学的に許容可能な塩又はエステル、又はこれらの混合物である。最も好ましくは、抗酸化剤はブチル化ヒドロキシトルエンである。これらの物質は、Ruger Chemical Co, (Irvington, NJ)から入手できる。
【0176】
本発明の局所製剤が少なくとも1種の抗酸化剤を含有する場合、存在する抗酸化剤の総量は、約0.001〜0.5wt%、好ましくは0.05〜約0.5wt%、より好ましくは0.1%である。
【0177】
局所用医薬組成物、好適な保存剤を含むこともできる。保存剤は、医薬製剤に添加されて抗菌剤として作用する化合物である。非経口製剤で有効かつ許容可能なものとして当該技術分野で既知である保存剤には、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロロヘキシジン、フェノール、m−クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、o−クレゾール、p−クレゾール、クロロクレゾール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、安息香酸、及びこれらの様々な混合物がある。例えば、Wallhausser, K.-H., Develop. Biol. Standard, 24:9-28 (1974) (S. Krager, Basel)を参照されたい。好ましくは、保存剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びこれらの混合物から選択される。これらの物質は、Inolex Chemical Co (Philadelphia, PA)又はSpectrum Chemicalsから入手できる。
【0178】
本発明の局所製剤が少なくとも1種の保存剤を含有する場合、存在する保存剤の総量は、約0.01〜約0.5wt%、好ましくは約0.1〜0.5%、より好ましくは約0.03〜約0.15である。好ましくは、保存剤は、メチルパラベン及びプロピルパラベンの5/1の比での混合物である。アルコールが保存剤として使用される場合、その量は通常15〜20%である。
【0179】
局所用医薬組成物、脂質二重層を通過しない金属カチオンとの複合体を形成するための好適なキレート剤を含むこともできる。好適なキレート剤の例には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)及び8−アミノ−2−[(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)メチル]−6−メトキシキノリン−N,N,N’,N’−四酢酸、四カリウム塩(QUIN-2)が含まれる。好ましくは、キレート剤は、EDTA及びクエン酸である。これらの物質は、Spectrum Chemicalsから入手できる。
【0180】
本発明の局所製剤が少なくとも1種のキレート剤を含有する場合、存在するキレート剤の総量は、約0.005重量%〜2.0重量%、好ましくは約0.05%〜約0.5wt%、より好ましくは約0.1重量%である。
【0181】
局所用医薬組成物、製剤のpHを薬学的に許容可能な範囲内に調整するために使用される好適な中和剤を含むこともできる。中和剤の例には、限定するものではないが、トロラミン、トロメタミン、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び酢酸が含まれる。そのような物質は、Spectrum Chemicals (Gardena, CA)から入手できる。
【0182】
本発明の局所製剤が少なくとも1種の中和剤を含有する場合、存在する中和剤の総量は、約0.1wt〜約10wt%、好ましくは0.1wt%〜約5.0wt%、より好ましくは約1.0wt%である。中和剤は、一般的に、製剤に所望のpHの形成をもたらすために必要とされるいかなる量でも添加される。
【0183】
局所用医薬組成物、好適な粘度増強剤を含むこともできる。これらの成分は、薬剤のポリマーとの相互作用を通じてポリマー含有溶液の粘度を増加させることができる拡散性化合物である。CARBOPOL ULTREZ 10は粘度増強剤として使用することができる。これらの物質は、Noveon Chemicals, Cleveland, OHから入手できる。
【0184】
本発明の局所製剤が少なくとも1種の粘度増強剤を含有する場合、存在する粘度増強剤の総量は、約0.25重量%〜約5.0重量%、好ましくは約0.25%〜約1.0wt%、及びより好ましくは約0.4重量%〜約0.6重量%である。
【0185】
局所用医薬組成物、好適な爪浸透促進剤を含むこともできる。爪浸透促進剤の例には、メルカプタン化合物、亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩、角質溶解剤、並びに界面活性剤が含まれる。本発明の使用に好適な爪浸透促進剤は、全体として参照により本明細書に援用されるMalhotra et al., J. Pharm. Sci., 91:2, 312-323 (2002)でさらに詳細に記載されている。
【0186】
局所用医薬組成物、1種以上の好適な溶媒を含むこともできる。任意の固体物質(溶質)を任意の液体物質(溶媒)に溶解させる能力は、溶質及び溶媒の物理的特性に依存する。溶質及び溶媒が類似した物理的特性を有するとき、溶質の溶媒中における溶解度は最大となる。これは「同類は同類を溶解する」という従来からの理解を想起させる。溶媒は、一端では非極性の親油性油として、他端では極性の親水性溶媒として特徴づけることができる。油性溶媒はファンデルワールス(Van der Wals)相互作用により他の非極性物質を溶解する一方、水及び他の親水性溶媒はイオン−双極子又は水素結合相互作用により極性物質を溶解する。全ての溶媒は、最小極性の溶媒すなわちデカンなどの炭化水素から最大極性の溶媒である水まで一連に列挙できる。溶質は、極性が等しい溶媒中で最大の溶解度を有する。従って、水中での溶解度が最小の薬物では、極性の低い溶媒により、溶質とほぼ等しい極性を有する溶媒での溶解度の向上がもたらされ、最大溶解度が提供される。ほとんどの薬物は、中程度の極性を有し、従ってプロピレングリコール又はエタノールなどの水より大幅に極性が低い溶媒中で最大溶解度となる。薬物の溶解度が水(例えば0.1%(w/w))よりプロピレングリコール(例えば8%(w/w))中で高い場合、プロピレングリコール中に水を添加すると、溶媒混合物に対する最大薬物溶解度は純プロピレングリコールと比較して低下するはずである。優れた溶媒に弱い溶媒を添加すると、ブレンドに対する最大溶解度は、優れた溶媒中の最大溶解度と比較して低下することになる。
【0187】
化合物が局所製剤中に導入されるとき、製剤中の活性成分の濃度は、選択された溶媒及び/又は担体中での活性成分の溶解度によって制限され得る。非親油性薬物は、典型的には、薬学的に許容可能な溶媒及び/又は担体中で極めて低い溶解度を呈する。例えば、本発明の一部の化合物の水中での溶解度は、0.00025%wt/wt未満である。同じ本発明の化合物の溶解度は、プロピレングリコール中又はミリスチン酸イソプロピル中で約2%wt/wt未満であることができる。本発明の一実施形態において、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)は本明細書に記載される化合物を溶解させるために使用される溶媒である。本発明の一実施形態において、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)は本明細書に記載される化合物、例えば式(I)又は式(II)の化合物を溶解させるために使用される溶媒である。製剤に有用な本発明における化合物は、DGME中での溶解度が約10%wt/wt〜約25%wt/wtであると考えられる。別の実施形態において、DGME−水共溶媒系が本明細書に記載される化合物を溶解するために使用される。別の実施形態において、DGME−水共溶媒系が本明細書に記載される化合物、例えば式(I)又は式(II)の化合物を溶解するために使用される。DGMEの溶媒能力は水が添加したとき低下するが、DGME/水共溶媒系は、約0.1%〜約5%wt/wtの活性成分の所望の濃度を維持するよう設計できる。好ましくは、活性成分は、適用時の局所製剤中において、約0.5%〜約3%wt/wt、より好ましくは約1%wt/wtで存在する。DGMEは水より揮発しにくいため、適用時に局所製剤が蒸発するにつれて、活性剤のクリーム製剤中での可溶性はより高くなる。この溶解度の増大により、皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄の表面上への薬物沈殿によって引き起こされるバイオアベイラビリティの低減の可能性が低下する。
【0188】
局所投与に好適な又は化粧用途に好適なローション剤などの液体形態には、緩衝液、懸濁化剤及び分散助剤、増粘剤、浸透促進剤などを伴う好適な水性又は非水性媒体を含むことができる。クリーム剤又はペースト剤などの固体形態には、例えば、以下の成分、すなわち、界面活性剤を伴う基質としての水、油、アルコール又はグリース、ポリエチレングリコールなどのポリマー、増粘剤、固形物などのいずれをも含むことができる。液状又は固形製剤には、リポソーム、ミクロソーム、ミクロスポンジなどの送達促進技術を含むことができる。
【0189】
さらに、本化合物は、治療剤を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリクスなどの徐放系を使用して送達できる。様々な徐放性マトリクスが確立されており、当業者には既知である。
【0190】
本発明の実施による局所治療計画は、組成物を直接、皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄の適用部位に対し、1日1回から数回適用することを含む。
【0191】
本発明の製剤は、細菌感染、ざ瘡、炎症などに関連する病態又は症状を、治療し、改善し、又は予防するために使用することができる。
【0192】
例示的実施形態において、医薬製剤には単純な溶液が含まれる。例示的実施形態において、単純な溶液にはポリエーテルが含まれる。例示的実施形態において、ポリエーテルはポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールである。例示的実施形態において、単純な溶液にはアルコールが含まれる。例示的実施形態において、アルコールはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール又はブタノールである。例示的実施形態において、単純な溶液にはポリエーテル及びアルコールが含まれる。別の例示的実施形態において、単純な溶液にはポリプロピレングリコール及びエタノールが含まれる。別の例示的実施形態において、単純な溶液は、約10%のポリプロピレングリコール及び約90%のエタノール、約20%のポリプロピレングリコール及び約80%のエタノール、約30%のポリプロピレングリコール及び約70%のエタノール、約40%のポリプロピレングリコール及び約60%のエタノール、約50%のポリプロピレングリコール及び約50%のエタノール、約60%のポリプロピレングリコール及び約40%のエタノール、約70%のポリプロピレングリコール及び約30%のエタノール、約80%のポリプロピレングリコール及び約20%のエタノール、約90%のポリプロピレングリコール及び約10%のエタノールから選択されるメンバーである。
【0193】
例示的実施形態において、医薬製剤はラッカー剤である。
【0194】
V.b)追加的な活性剤
以下は、本発明の局所医薬製剤に添加することができる化粧品及び医薬品の例である。以下の薬剤は既知の化合物であり、市販品として容易に入手できる。
【0195】
抗炎症剤には、限定するものではないが、ビサボロール、メンソレータム、ダプソーン、アロエ、ヒドロコルチゾンなどが含まれる。
【0196】
ビタミンには、限定するものではないが、ビタミンB、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンDなど、及びビタミン誘導体、例えばタザロテン、カルシポトリエン、トレチノイン、アダパレンなどが含まれる。
【0197】
抗老化剤には、限定するものではないが、ナイアシンアミド、レチノール及びレチノイド誘導体、AHA、アスコルビン酸、リポ酸、補酵素Q10、βヒドロキシ酸、サリチル酸、銅結合ペプチド、ジメチルアミノエチル(DAEA)などが含まれる。
【0198】
日焼け防止剤及び/又は日焼け緩和剤には、限定するものではないが、PABA、ホホバ、アロエ、パディメート−O、メトキシ桂皮酸塩、プロキサミンHCl、リドカインなどが含まれる。サンレスタンニング剤には、限定するものではないが、ジヒドロキシアセトン(DHA)が含まれる。
【0199】
乾癬治療剤及び/又はざ瘡治療剤には、限定するものではないが、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、コールタール、硫化セレン、酸化亜鉛、ピリチオン(亜鉛及び/又はナトリウム)、タザロテン、カルシポトリエン、トレチノイン、アダパレンなどが含まれる。
【0200】
角質化を調節又は改変するのに有効な薬剤には、限定するものではないが、トレチノイン、タザロテン、及びアダパレンが含まれる。
【0201】
例えば式(I)又は式(II)などの本明細書に記載される化合物/活性剤を含む組成物及び任意選択により少なくとも1種のこれらの追加的な薬剤は、局所的に投与される。主な適用において、これにより、本発明の化合物及び任意の他の活性剤による皮膚、爪、毛髪、鉤爪、又は蹄上での作用及び治療がもたらされる。あるいは、局所的に適用される活性剤のいずれか1つを経皮的な経路により全身に送達することができる。
【0202】
そのような組成物において、例えば、抗炎症剤、ビタミン、抗老化剤、日焼け防止剤、及び/又はざ瘡治療剤などのさらなる美容的又は薬学的に有効な薬剤は、通常、微量成分であり(約0.001重量%〜約20重量%又は好ましくは約0.01%重量〜約10重量%)、残りは所望の剤形の形成に役立つ様々な媒体又は担体及び加工助剤である。
【0203】
V.c)試験
本局所製剤における使用に好ましい化合物は、一定の薬理学的特性を有する。そのような特性には、限定するものではないが、低毒性、低い血清タンパク質結合性、及び所望のインビトロ及びインビボ半減期が含まれる。アッセイを使用してこれらの所望の薬理学的特性を予測することができる。バイオアベイラビリティを予測するために使用されるアッセイは、Caco−2細胞単層を含むヒト腸の細胞単層を横断する輸送を伴う。血清タンパク質結合性は、アルブミン結合アッセイから予測することができる。そのようなアッセイは、Oravcovaら(1996, J. Chromat. B677: 1-27)によるレビューに記載されている。化合物の半減期は、化合物の投薬頻度に反比例する。化合物のインビトロ半減期は、Kuhnz及びGleschen(Drug Metabolism and Disposition, (1998) 第26巻, 1120-1127頁)により記載されるようなクロソーム半減期のアッセイから予測することができる。
【0204】
そのような化合物の毒性及び治療効力は、例えばLD50(集団の50%に対する致死量)及びED50(集団の50%において治療上有効な用量)を測定するための標準的な薬学的手順により、細胞培養物又は実験動物において測定できる。毒性作用と治療作用との用量比が治療指数であり、これはLD50とED50との比で表すことができる。高い治療指数を呈する化合物が好ましい。これらの細胞培養物アッセイ及び動物試験から得られるデータを使用して、ヒトでの使用のための投薬量範囲を処方できる。そのような化合物の投薬量は、好ましくは、毒性がほとんどないか全くないED50を含む血中濃度の範囲内である。投薬量は、用いられる剤形及び利用される経路投与に応じて、この範囲内で変動ことができる。正確な製剤、投与経路、及び投薬量は、個々の医師により患者の状態を考慮して選択することができる。(例えば、Fingl et al., 1975、“The Pharmacological Basis of Therapeutics”, Ch. 1, p. 1を参照)。
【0205】
V.d)投与
本発明の方法で使用される任意の化合物について、治療上有効な用量は、本明細書に記載されるとおり、最初は細胞培養物アッセイから推定できる。例えば、動物モデルにおいて、細胞培養物中で測定されるときのEC50(50%の上昇に有効な用量)を含む血中濃度範囲、すなわち、細菌細胞成長の最高値の半分の阻害を達成する試験化合物濃度を実現するような用量が処方することができる。そのような情報を使用して、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定することができる。
【0206】
概して、本明細書に記載される、本方法により、及び中間物から調製される化合物は、類似の効用を供する薬剤について許容される投与様式のいずれかにより、治療的又は美容的に有効量で投与されるであろう。しかしながら、任意の特定の患者に特異的な用量レベルは、用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、及び排出速度、併用薬物、治療中の特定の疾患の重症度及び処方する医師の判断を含む様々な要因に依存することができることは理解されるであろう。薬物は、1日1回若しくは2回、又は最高3回若しくは4回まで投与することができる。
【0207】
投薬量及び投薬間隔は、細菌細胞成長の阻害効果を維持するのに十分な活性部分の血漿濃度を提供するよう個別に調整することができる。全身投与についての患者の常用量は、0.1〜1000mg/日、好ましくは、1〜500mg/日、より好ましくは10〜200mg/日、さらにより好ましくは100〜200mg/日の範囲である。患者の体表面積に関して言えば、常用量は50〜91mg/m/日の範囲である。
【0208】
製剤中の化合物の量は、当業者により用いられる全範囲にわたり変動することができる。典型的には、製剤は、重量パーセント(wt%)ベースで、総製剤に基づき約0.01〜10wt%の薬物を含有することができ、残りは1種以上の好適な医薬賦形剤である。好ましくは、本化合物は、約0.1〜3.0wt%、より好ましくは約1.0wt%のレベルで存在する。
【0209】
本発明は、以下の実施例によりさらに説明される。実施例は、本発明の範囲を定義又は制限することを意図するものではない。
【実施例】
【0210】
実施例
プロトンNMRをVarian AS 300分光計で記録し、化学シフトをテトラメチルシランから低磁場側へのδ(ppm)として報告する。質量スペクトルはMicromass Quattro IIで測定される。
【0211】
実施例1
1からの3の調製
1.1 カルボン酸の還元
窒素下の無水THF(70mL)中の1(23.3mmol)の溶液にBHTHF溶液(1.0M、55mL、55mmol)を0℃で滴下しながら添加し、反応混合物を一晩室温で攪拌した。次に混合物を氷浴で再冷却し、MeOH(20mL)を滴下しながら添加して過剰なBHを分解した。得られた混合物を気泡が放出されなくなるまで攪拌し、次に10%のNaOH(10mL)を添加した。混合物を濃縮して残渣を水(200mL)と混合し、EtOAcで抽出した。回転蒸発の残渣をシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製すると、20.7mmolの3が得られた。
【0212】
1.2 結果
上記の方法により調製された例示的構造化合物3を以下に提供する。
【0213】
1.2.a 2−ブロモ−5−クロロベンジルアルコール
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.57(d,J=8.7Hz,1H),7.50〜7.49(m,1H),7.28〜7.24(m,1H),5.59(t,J=6.0Hz,1H)及び4.46(d,J=6.0Hz,2H)ppm。
【0214】
1.2.b 2−ブロモ−5−メトキシベンジルアルコール
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.42(d,J=8.7Hz,1H),7.09(d,J=2.4Hz,1H),6.77(dd,J=3Hz,J=3Hz,1H),5.43(t,J=5.7Hz,1H),4.44(d,J=5.1Hz,2H),3.76(s,3H)。
【0215】
実施例2
2からの3の調製
2.1.アルデヒドの還元
メタノール(30mL)中の2(Z=H、10.7mmol)の溶液に水素化ホウ素ナトリウム(5.40mol)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去すると、9.9mmolの3が得られた。
【0216】
2.2 結果
上記の方法により調製された例示的構造化合物3を以下に提供する。
【0217】
2.2.a 2−ブロモ−5−(4−シアノフェノキシ)ベンジルアルコール
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)2.00(br s,1H),4.75(s,2H),6.88(dd,J=8.5,2.9Hz,1H),7.02(d,J=8.8Hz,1H),7.26(d,J=2.6Hz,1H),7.56(d,J=8.5Hz,1H),7.62(d,J=8.8Hz,2H)。
【0218】
2.2.b 2−ブロモ−4−(4−シアノフェノキシ)ベンジルアルコール
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.83(d,2H),7.58(d,1H),7.39(d,1H),7.18(dd,1H),7.11(d,2H),5.48(t,1H)及び4.50(d,2H)ppm。
【0219】
2.2.c 5−(4−シアノフェノキシ)−1−インダノール
融点50〜53℃。MS(ESI+):m/z=252(M+1)。HPLC:254nmで99.7%純度及び220nmで99.0%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.80(d,2H),7.37(d,1H),7.04(d,2H),6.98〜6.93(m,2H),5.27(d,1H),5.03(q,1H),2.95〜2.85(m,1H),2.75〜2.64(m,1H),2.39〜2.29(m,1H)及び1.85〜1.74(m,1H)ppm。
【0220】
2.2.d 2−ブロモ−5−(tert−ブチルジメチルシロキシ)ベンジルアルコール
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)0.20(s,6H),0.98(s,9H),4.67(br s,1H),6.65(dd,J=8.2,2.6Hz,1H),6.98(d,J=2.9Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H)。
【0221】
本方法により生成することができる化合物のさらなる例には、2−ブロモ−4−(3−シアノフェノキシ)ベンジルアルコール、2−ブロモ−4−(4−クロロフェノキシ)ベンジルアルコール、2−ブロモ−4−フェノキシベンジルアルコール、2−ブロモ−5−(3,4−ジシアノフェノキシ)ベンジルアルコール、2−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)エチルアルコール、2−ブロモ−5−フルオロベンジルアルコール、及び1−ブロモ−2−ナフタレンメタノールが含まれる。
【0222】
実施例3
3からの4の調製
3.1 保護アルキル化
化合物3(20.7mmol)をCHCl(150mL)中に溶解し、氷浴で0℃に冷却した。窒素下のこの溶液にN,N−ジ−イソプロピルエチルアミン(5.4mL、31.02mmol、1.5当量)及びクロロメチルメチルエーテル(2mL、25.85mmol、1.25当量)を順に添加した。反応混合物を一晩室温で攪拌し、NaHCO飽和水、次にNaCl飽和水で洗浄した。回転蒸発後の残渣をシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製すると、17.6mmolの4が得られた。
【0223】
3.2 結果
上記の方法により調製された例示的構造化合物4を以下に提供する。
【0224】
3.2.a 2−ブロモ−5−クロロ−l−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.63(d,J=8.7Hz,1H),7.50(dd,J=2.4&0.6Hz,1H),7.32(dd,J=8.4&2.4Hz,1H),4.71(s,2H),4.53(s,2H)及び3.30(s,3H)ppm。
【0225】
3.2.b 2−ブロモ−5−フルオロ−1−[1−(メトキシメトキシ)エチル]ベンゼン
H−NMR(300.058MHz,CDCl)δppm 1.43(d,J=6.5Hz,3H),3.38(s,3H),4.55(d,J=6.5Hz,1H),4.63(d,J=6.5Hz,1H),5.07(q,J=6.5Hz,1H),6.85(m,1H),7.25(dd,J=9.7,2.6Hz,1H),7.46(dd,J=8.8,5.3Hz,1H)。
【0226】
3.2.c 2−ブロモ−5−フルオロ−1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ベンゼン
H−NMR(300.058MHz,CDCl)δppm 3.04(t,J=6.7Hz,2H),3.31(s,3H),3.77(t,J=6.7Hz,2H),4.62(s,2H),6.82(td,J=8.2,3.2Hz,1H),7.04(dd,J=9.4,2.9Hz,1H),7.48(dd,J=8.8,5.3Hz,1H)。
【0227】
3.2.d 2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300.058MHz,CDCl)δppm 3.42(s,3H),4.57(d,J=1.2Hz,2H),4.76(s,2H),7.3〜7.5(m,2H)。
【0228】
3.2.e 2−ブロモ−5−シアノ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300.058MHz,CDCl)δppm 3.43(s,3H),4.65(s,2H),4.80(s,2H),7.43(dd,J=8.2,4.1Hz,1H),7.66(d,J=8.2Hz,1H),7.82(d,J=4.1Hz,1H)。
【0229】
3.2.f 2−ブロモ−5−メトキシ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.48(dd,J=1.2Hz,J2=1.2Hz,1H),7.05(d,J=2.7Hz,1H),6.83(dd,J=3Hz,J=3Hz,1H),4.69(d,J=1.2Hz,2H),4.5(s,2H),3.74(d,J=1.5Hz,3H),3.32(d,J=2.1Hz,3H)ppm。
【0230】
3.2.g 1−ベンジル−1−(2−ブロモフェニル)−1−(メトキシメトキシ)エタン
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.70〜7.67(m,1H),7.25〜7.09(m,6H),6.96〜6.93(m,2H),4.61(d,1H),4.48(d,1H),3.36〜3.26(m,2H),3.22(s,3H)及び1.63(s,3H)ppm。
【0231】
3.2.h 2−ブロモ−6−フルオロ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)3.43(s,3H),4.74(s,2H),4.76(d,J=2.1Hz,2H),7.05(t,J=9.1Hz,1H),7.18(td,J=8.2,5.9Hz,1H),7.40(d,J=8.2Hz,1H)。
【0232】
3.2.i 2−ブロモ−4−(4−シアノフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.84(d,2H),7.56(d,1H),7.44(d,1H),7.19〜7.12(m,3H),4.69(s,2H),4.56(s,2H)及び3.31(s,3H)ppm。
【0233】
3.2.j 2−ブロモ−5−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)0.19(s,6H),0.98(s,9H),3.43(s,3H),4.59(s,2H),4.75(s,2H),6.64(dd,J=8.5,2.9Hz,1H),6.98(d,J=2.9Hz,1H),7.36(d,J=8.5Hz,1H)。
【0234】
3.2.k 2−ブロモ−5−(2−シアノフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)3.41(s,3H),4.64(s,2H),4.76(s,2H),6.8〜6.9(m,2H),7.16(td,J=7.6,0.9Hz,1H),7.28(d,J=2.9Hz,1H),7.49(ddd,J=8.8,7.6,1.8Hz,1H),7.56(d,J=8.5Hz,1H),7.67(dd,J=7.9,1.8Hz,1H)。
【0235】
3.2.l 2−ブロモ−5−フェノキシ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)3.40(s,3H),4.62(s,2H),4.74(s,2H),6.80(dd,J=8.8,2.9hz,1H),7.01(d,J=8.5Hz,2H),7.12(t,J=7.9Hz,1H),7.19(d,J=2.9hz,1H),7.35(t,J=7.6Hz,2H),7.48(d,J=8.5Hz,1H)。
【0236】
本方法により生成することができる化合物のさらなる例には、2−ブロモ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−5−メチル−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−5−(メトキシメトキシメチル)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−5−フルオロ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、1−ブロモ−2−(メトキシメトキシメチル)ナフタレン、2−ブロモ−4−フルオロ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−フェニル−1−(2−ブロモフェニル)−1−(メトキシメトキシ)エタン、2−ブロモ−5−(4−シアノフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−4−(3−シアノフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−4−(4−クロロフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−4−フェノキシ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−5−(3,4−ジシアノフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼンが含まれる。
【0237】
実施例4
5を介した4からのIの調製
4.1 メタル化及びボロニル化(boronylation)
−78℃、窒素下で無水THF(80mL)中の4(17.3mmol)の溶液にtert−BuLi又はn−BuLi(11.7mL)を滴下しながら添加すると、溶液は褐色となった。次に、B(OMe)(1.93mL、17.3mmol)を一度に注入し、冷浴を取り外した。混合物は30分間攪拌しながら徐々に温めた後、水浴中で2時間攪拌した。6NのHCl(6mL)の添加後、混合物を一晩室温で攪拌したところ、約50%の加水分解が生じたことがTLC分析により示された。溶液を回転蒸発させ、残渣をMeOH(50mL)及び6NのHCl(4mL)中に溶解させた。この溶液を1時間還流すると、加水分解の完了がTLC分析により示された。回転蒸発により生じた残渣をEtOAc中に溶解させ、水で洗浄して乾燥させた後、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製すると、80%純度の固形物が得られた。固形物をヘキサンで洗浄してさらに精製すると、7.2mmolのIが得られた。
【0238】
4.2 結果
例示的構造化合物Iについての分析データを以下に提供する。
【0239】
4.2.a 5−クロロ−1,3−ジヒドロ−l−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C1)
融点142〜150℃。MS(ESI):m/z=169(M+1,ポジティブ)及び167(M−1,ネガティブ)。HPLC(220nm):99%純度。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.30(s,1H),7.71(d,J=7.8Hz,1H),7.49(s,1H),7.38(d,J=7.8Hz,1H)及び4.96(s,2H)ppm。
【0240】
4.2.b 1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C2)
融点83〜86℃。MS(ESI):m/z=135(M+1,ポジティブ)及び133(M−1,ネガティブ)。HPLC(220nm):95.4%純度。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.14(s,1H),7.71(d,J=7.2Hz,1H),7.45(t,J=7.5Hz,1H),7.38(d,J=7.5Hz,1H),7.32(t,J=7.1Hz,1H)及び4.97(s,2H)ppm。
【0241】
4.2.c 5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−3−メチル−2,1−ベンゾオキサボロール(C3)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm 1.37(d,J=6.4Hz,3H),5.17(q,J=6.4Hz,1H),7.14(m,1H),7.25(dd,J=9.7,2.3Hz,1H),7.70(dd,J=8.2,5.9Hz,1H),9.14(s,1H)。
【0242】
4.2.d 6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2,1−ベンゾオキサボリン(C4)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm 2.86(t,J=5.9Hz,2H),4.04(t,J=5.9Hz,2H),7.0〜7.1(m,2H),7.69(dd,J=8.2,7.2Hz,1H),8.47(s,1H)。
【0243】
4.2.e 5,6−ジフルオロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C5)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm 4.94(s,2H),7.50(dd,J=10.7,6.8Hz,1H),7.62(dd,J=9.7,8.2Hz,1H),9.34(s,1H)。
【0244】
4.2.f 5−シアノ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C6)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm 5.03(s,2H),7.76(d,J=8.2Hz,1H),7.89(d,J=8.2Hz,1H),7.90(s,1H),9.53(s,1H)。
【0245】
4.2.g 1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−5−メトキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C7)
融点102〜104℃。MS ESI:m/z=165.3(M+1)及び162.9(M−1)。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ8.95(s,1H),7.60(d,J=8.1Hz,1H),6.94(s,1H),6.88(d,J=8.1Hz,1H),4.91(s,2H),3.77(s,3H)ppm。
【0246】
4.2.h 1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−5−メチル−2,1−ベンゾオキサボロール(C8)
融点124〜128℃。MS ESI:m/z=148.9(M+1)及び146.9(M−1)。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.05(s,1H),7.58(d,J=7.2Hz,1H),7.18(s,1H),7.13(d,J=7.2Hz,2H),4.91(s,2H),2.33(s,3H)ppm。
【0247】
4.2.i 1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2,1−ベンゾオキサボロール(C9)
MS:m/z=163(M−1、ESI−)。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.08(s,1H),7.64(d,1H),7.33(s,1H),7.27(d,1H),5.23(t,1H),4.96(s,2H),4.53(d,2H)ppm。
【0248】
4.2.j 1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C10)
融点110〜114℃。MS ESI:m/z=150.9(M−1)。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.20(s,1H),7.73(dd,J=6Hz,J=6Hz,1H),7.21(m,1H),7.14(m,1H),4.95(s,2H)ppm。
【0249】
4.2.k 1,3−ジヒドロ−2−オキサ−1−シクロペンタ[α]ナフタレン(C11)
融点139〜143℃。MS ESI:m/z=184.9(M+1)。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.21(s,1H),8.28(dd,J=6.9Hz,J2=0.6Hz,1H),7.99(d,J=8.1Hz,1H),7.95(d,J=7.5Hz,1H),7.59〜7.47(m,3H),5.09(s,2H)ppm。
【0250】
4.2.l 7−ヒドロキシ−2,1−オキサボロラノ(oxaborolano)[5,4−c]ピリジン(C12)
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δppm 5.00(s,2H),7.45(d,J=5.0Hz,1H),8.57(d,J=5.3Hz,1H),8.91(s,1H),9.57(s,1H)。ESI−MS m/z 134(M−H),CBNO=135。
【0251】
4.2.m 1,3−ジヒドロ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C13)
融点110〜117.5℃。MS(ESI):m/z=151(M−1,ネガティブ)。HPLC(220nm):100%純度。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.29(s,1H),7.46〜7.41(m,2H),7.29(td,1H)及び4.95(s,2H)ppm。
【0252】
4.2.n 3−ベンジル−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−3−メチル−2,1−ベンゾオキサボロール(C14)
MS(ESI):m/z=239(M+1,ポジティブ)。HPLC:220nmで99.5%純度及び254nmで95.9%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ8.89(s,1H),7.49〜7.40(m,3H),7.25〜7.19(m,1H),7.09〜7.05(m,3H),6.96〜6.94(m,2H),3.10(d,1H),3.00(d,1H)及び1.44(s,3H)ppm。
【0253】
4.2.o 3−ベンジル−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C15)
MS(ESI+):m/z=225(M+1)。HPLC:220nmで93.4%純度。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.08(s,1H),7.63(dd,1H),7.43(t,1H),7.35〜7.14(m,7H),5.38(dd,1H),3.21(dd,1H)及び2.77(dd,1H)ppm。
【0254】
4.2.p 1,3−ジヒドロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C16)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)5.06(s,2H),7.26(ddd,J=9.7,7.9,0.6Hz,1H),7.40(td,J=8.2,4.7Hz,1H),7.55(d,J=7.0Hz,1H),9.41(s,1H)。
【0255】
4.2.q 5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C17)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm 4.95(s,2H),7.08(dd,J=7.9,2.1Hz,1H),7.14(d,J=8.8Hz,1H),7.15(d,J=2.1Hz,1H),7.78(d,J=7.9Hz,1H),7.85(d,J=9.1Hz,2H),9.22(s,1H)。
【0256】
4.2.r 6−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C18)
融点148〜151℃。MS:m/z=252(M+1)(ESI+)及びm/z=250(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで100%純度及び220nmで98.7%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.26(s,1H),7.82(d,2H),7.50(d,1H),7.39(d,1H),7.26(dd,1H),7.08(d,2H)及び4.99(s,2H)ppm。
【0257】
4.2.s 6−(3−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C19)
融点146〜149℃。MS:m/z=252(M+1)(ESI+)及びm/z=250(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで100%純度及び220nmで97.9%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.21(s,1H),7.60〜7.54(m,2H),7.50〜7.45(m,2H),7.34〜7.30(m,2H),7.23(dd,1H)及び4.98(s,2H)ppm。
【0258】
4.2.t 6−(4−クロロフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C20)
融点119〜130℃。MS:m/z=261(M+1)(ESI+)及びm/z=259(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで100%純度及び220nmで98.9%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.18(s,1H),7.45〜7.41(m,3H),7.29(d,1H),7.19(dd,1H),7.01(d,2H)及び4.96(s,2H)ppm。
【0259】
4.2.u 6−フェノキシ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C21)
融点95〜99℃。MS:m/z=227(M+1)(ESI+)及びm/z=225(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで100%純度及び220nmで98.4%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.17(s,1H),7.43〜7.35(m,3H),7.28(s,1H),7.19〜7.09(m,2H),6.99(d,2H)及び4.96(s,2H)ppm。
【0260】
4.2.v 5−(4−シアノベンジルオキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C22)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.90(s,2H),5.25(s,2H),6.98(dd,J=7.9,2.1Hz,1H),7.03(d,J=1.8Hz,1H),7.62(d,J=7.9Hz,1H),7.64(d,J=8.5Hz,2H),7.86(d,J=8.5Hz,1H),9.01(s,1H)。
【0261】
4.2.w 5−(2−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C23)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.95(s,2H),7.0〜7.2(m,3H),7.32(td,J=7.6,1.2Hz,1H),7.68(ddd,J=9.1,7.6,1.8Hz,1H),7.77(d,J=7.9Hz,1H),7.91(dd,J=7.9,1.8Hz,1H)。
【0262】
4.2.x 5−フェノキシ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C24)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.91(s,2H),6.94(s,1H),6.96(d,J=8.8Hz,1H),7.05(d,J=7.6Hz,2H),7.17(t,J=7.3Hz,1H),7.41(t,J=7.3Hz,2H),7.70(d,J=8.5Hz,1H),9.11(s,1H)。
【0263】
4.2.y 5−[4−(N,N−ジエチルカルバモイル)フェノキシ]−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C25)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)1.08(br s,6H),3.1〜3.5(m,4H),4.93(s,2H),7.0〜7.1(m,4H),7.37(d,J=8.5Hz,2H),7.73(d,J=7.9Hz,1H),9.15(s,1H)。
【0264】
4.2.z 1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−5−[4−(モルホリノカルボニル)フェノキシ]−2,1−ベンゾオキサボロール(C26)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)3.3〜3.7(m,8H),4.93(s,2H),7.0〜7.1(m,4H),7.44(d,J=8.8Hz,2H),7.73(d,J=7.9Hz,1H),9.16(s,1H)。
【0265】
4.2.aa 5−(3,4−ジシアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C27)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.97(s,2H),7.13(dd,J=7.9,2.1Hz,1H),7.21(d,J=1.5Hz,1H),7.43(dd,J=8.8,2.6Hz,1H),7.81(d,J=7.9Hz,1H),7.82(d,J=2.6Hz,1H),8.11(d,J=8.5Hz,1H),9.26(s,1H)。
【0266】
4.2.ab 6−フェニルチオ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C28)
【化50】

融点121〜124℃。MS:m/z=243(M+1)(ESI+)及びm/z=241(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで99.6%純度及び220nmで99.6%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.25(s,1H),7.72(dd,1H),7.48(dd,1H),7.43(dd,1H),7.37〜7.31(m,2H),7.29〜7.23(m,3H)及び4.98(s,2H)ppm。
【0267】
4.2.ac 6−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C29)
【化51】

融点97〜101℃。MS:m/z=311(M+1)(ESI+)及びm/z=309(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで100%純度及び220nmで100%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.20(s,1H),7.45(d,1H),7.37(d,2H),7.33(d,1H),7.21(dd,1H),7.08(d,2H)及び4.97(s,2H)ppm。
【0268】
4.2.ad 5−(N−メチル−N−フェニルスルホニルアミノ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C30)
【化52】

融点85〜95℃。MS:m/z=304(M+1)(ESI+)及びm/z=302(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで96.6%純度及び220nmで89.8%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.23(s,1H),7.72〜7.63(m,2H),7.56(t,2H),7.50(d,2H),7.16(s,1H),7.03(d,1H),4.91(s,2H)及び3.14(s,3H)ppm。
【0269】
4.2.ae 6−(4−メトキシフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C31)
【化53】

融点126〜129℃。MS:m/z=257(M+1)(ESI+)及びm/z=255(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで98.4%純度及び220nmで98.4%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.14(s,1H),7.36(d,1H),7.19(s,1H),7.12(d,1H),6.98(d,2H),6.95(d,2H),4.93(s,2H)及び3.73(s,3H)ppm。
【0270】
4.2.af 6−(4−メトキシフェニルチオ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C32)
【化54】

融点95〜100℃。MS:m/z=272(M+)、273(M+1)(ESI+)及びm/z=271(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで100%純度及び220nmで99.2%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.20(s,1H),7.51(d,1H),7.39〜7.28(m,4H),6.98(d,2H),4.93(s,2H)及び3.76(s,3H)ppm。
【0271】
4.2.ag 6−(4−メトキシフェニルスルホニル)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C33)
【化55】

融点180〜192℃。MS:m/z=305(M+1)(ESI+)及びm/z=303(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで96.8%純度及び220nmで95.5%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.46(s,1H),8.28(s,1H),7.99(d,1H),7.85(d,2H),7.61(d,1H),7.11(d,2H),5.02(s,2H)及び3.80(s,3H)ppm。
【0272】
4.2.ah 6−(4−メトキシフェニルスルフィニル)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C34)
【化56】

H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.37(s,1H),8.02(d,1H),7.71(dd,1H),7.59(d,2H),7.53(d,1H),7.07(d,2H),5.00(s,2H)及び3.76(s,3H)ppm。
【0273】
4.2.ai 5−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C35)
【化57】

融点113〜118℃。MS:m/z=203(M+1)(ESI+)及びm/z=201(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで100%純度及び220nmで100%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.48(s,1H),7.92(d,1H),7.78(s,1H),7.67(d,1H)及び5.06(s,2H)ppm。
【0274】
4.2.aj 4−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C36)
出発物質2を得るための4−フルオロベンゾニトリルと置換フェノールとの間のカップリング反応については、Igarashi, S.; et al. Chemical & Pharmaceutical Bulletin (2000), 48(11), 1689-1697を参照のこと。
【化58】
【0275】
H−NMR(300MHz,DMSO−d)(ppm)4.84(s,2H),7.08(d,J=8.2Hz,2H),7.18(d,J=7.9Hz,1H),7.45(t,J=7.3Hz,1H),7.63(d,J=7.3Hz,1H),7.82(d,J=8.5Hz,2H)。
【0276】
7−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C100)
出発物質2を得るための4−フルオロベンゾニトリルと置換フェノールとの間のカップリング反応については、Igarashi, S.; et al. Chemical & Pharmaceutical Bulletin (2000), 48(11), 1689-1697を参照のこと。
【化59】
【0277】
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)5.02(s,2H),6.97(d,J=7.9Hz,1H),7.01(d,J=8.5Hz,2H),7.30(d,J=7.3Hz,1H),7.56(t,J=7.6Hz,1H),7.77(d,J=8.5Hz,2H)。
【0278】
4.2.ak 5−(3−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C37)
出発物質2を得るための3−フルオロベンゾニトリルと置換フェノールとの間のカップリングについては、Li, F. et al., Organic Letters (2003), 5(12), 2169-2171にある。
【化60】
【0279】
H−NMR(300MHz,DMSO−d)(ppm)4.93(s,2H),7.0〜7.1(m,2H),7.3〜7.4(m,1H),7.5〜7.7(m,3H),7.75(d,J=8.2Hz,1H)。
【0280】
4.2.al 5−(4−カルボキシフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C38)
エタノール(10mL)中のC17(430mg、1.71mmol)で得られた5−(4−シアノフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロールの溶液に6mol/Lの水酸化ナトリウム(2mL)を添加し、混合物を3時間還流した。塩酸(6mol/L、3mL)を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)による精製後にジイソプロピルエーテルを用いて粉砕すると、標的化合物(37mg、8%)が得られた。
【0281】
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.94(s,2H),7.0〜7.1(m,4H),7.76(d,J=7.9Hz,1H),7.94(d,J=8.8Hz,2H),9.19(s,1H),12.8(br s,1H)。
【0282】
4.2.am 1−ヒドロキシ−5−[4−(テトラゾール−1−イル)フェノキシ]−2,1−ベンゾオキサボロール(C39)
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の5−(4−シアノフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(200mg、0.797mmol)、ナトリウムアジド(103mg、1.59mmol)、及び塩化アンモニウム(85mg、1.6mmol)の混合物を80℃で2日間攪拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)による精製後に酢酸エチルを用いて粉砕すると、標的化合物(55mg、23%)が得られた。
【0283】
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.95(s,2H),7.0〜7.1(m,2H),7.23(d,J=8.8Hz,2H),7.76(d,J=7.9Hz,1H),8.05(d,J=8.5Hz,2H),9.18(br s,1H)。
【0284】
実施例5
6を介した2からのIの調製
5.1 触媒的ボロニル化、還元、及び環化
1,4−ジオキサン(40mL)中の2(10.0mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(2.79g、11.0mmol)、PdCl(dppf)(250mg、3 mol%)、及び酢酸カリウム(2.94g、30.0mmol)の混合物を80℃で一晩攪拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をテトラヒドロフラン(80mL)中に溶解させた後、過ヨウ素酸ナトリウム(5.56g、26.0mmol)を添加した。室温で30分間攪拌後、2NのHCl(10mL)を添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をエーテルで処理すると6.3mmolの対応するボロン酸が得られた。メタノール(5mL)中の得られたボロン酸(0.595mmol)の溶液に水素化ホウ素ナトリウム(11mg、0.30mmol)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、0.217mmolのIが得られた。
【0285】
5.2 結果
例示的構造化合物Iについての分析データを以下に提供する。
【0286】
5.2.a 1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C10)
この化合物についての分析データは、4.2.jに含まれる。
【0287】
実施例6
3からのIの調製
6.1 ワンポットボロニル化及び環化
テトラヒドロフラン(10mL)中の3(4.88mmol)及びホウ酸トリイソプロピル(1.35mL、5.86mmol)の溶液にn−ブチルリチウム(ヘキサン(6.7mL、10.7mmol)中1.6mol/L)を−78℃での窒素雰囲気下で15分間にわたり滴下しながら添加し、混合物を室温に暖めながら2時間攪拌した。反応物を2NのHClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製してペンタンで処理すると、0.41mmolのIが得られた。
【0288】
6.2 結果
例示的構造化合物Iの分析データを以下に提供する。
【0289】
6.2.a 1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C10)
この化合物についての分析データは、4.2.jに含まれる。
【0290】
実施例7
3からのIの調製
7.1 蒸留を伴うワンポットボロニル化及び環化
トルエン(20mL)中の3(4.88mmol)の溶液にホウ酸トリイソプロピル(2.2mL、9.8mmol)を添加し、混合物を1時間、還流加熱した。溶媒、得られたイソプロピルアルコール、及び過剰なホウ酸トリイソプロピルを減圧下で除去した。残渣をテトラヒドロフラン(10mL)中に溶解させ、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(3.2mL、5.1mmol)を10分間にわたり滴下しながら添加し、混合物を室温に暖めながら1時間攪拌した。反応物を2NのHClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1.54mmolのIが得られた。
【0291】
7.2 結果
例示的構造化合物Iの分析データを以下に提供する。
【0292】
7.2.a 1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(C10)
この化合物についての分析データは、4.2.jに含まれる。
【0293】
実施例8
7からの8の調製
8.1 臭素化
四塩化炭素(200mL)中の7(49.5mmol)の溶液にN−ブロモコハク酸イミド(8.81g、49.5mmol)及びN,N−アゾイソブチロニトリル(414mg、5mol%)を添加し、混合物を3時間、還流加熱した。水を添加し、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去すると、粗生成のメチル基臭素化中間体8が得られた。
【0294】
実施例9
8からの3の調製
9.1 ヒドロキシル化
粗生成の8(49.5mmol)に対し、ジメチルホルムアミド(150mL)及び酢酸ナトリウム(20.5g、250mmol)を添加し、混合物を80℃で一晩攪拌した。水を添加し、混合物をエーテルで抽出した。有機層を水及び塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣にメタノール(150mL)及び1Nの水酸化ナトリウム(50mL)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下でおよそ3分の1の体積になるまで濃縮した。水及び塩酸を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後にジクロロメタンを用いて粉砕すると、21.8mmolの3が得られた。
【0295】
9.2 結果
上記の方法により調製された例示的構造化合物3を以下に提供する。
【0296】
9.2.a 2−ブロモ−5−シアノベンジルアルコール
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm 4.51(d,J=5.9Hz,2H),5.67(t,J=5.6Hz,1H),7.67(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),7.80(s,J=8.2Hz,1H),7.83(d,J=2.0Hz,1H)。
【0297】
本方法により生成することができる化合物のさらなる例には、2−ブロモ−5−(4−シアノフェノキシ)ベンジルアルコールが含まれる。
【0298】
実施例10
2からの9の調製
10.1 反応
N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中の2(20.0mmol)、(メトキシメチル)塩化トリフェニルホスホニウム(8.49g、24.0mmol)、及びカリウムtert−ブトキシド(2.83g、24.0mol)の混合物を室温で一晩攪拌した。反応物を6NのHClでクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水(×2)及び塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣にテトラヒドロフラン(60mL)及び6NのHClを添加し、混合物を8時間、還流加熱した。水を添加し、混合物をエーテルで抽出した。有機層を塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去すると、16.6mmolの9が得られた。
【0299】
実施例11
工程13の調製方法
11.1 反応
適切なアルコール溶媒(R−OH)中のIの溶液を窒素雰囲気下で還流した後、蒸留によりアルコールを除去すると、対応するエステルが得られた。
【0300】
実施例12
IaからのIbの調製
12.1 反応
トルエン中のIaの溶液にアミノアルコールを添加して関連固形物を回収すると、Ibが得られた。
【0301】
12.2 結果
(500mg、3.3mmol)をトルエン(37mL)中に80℃で溶解し、エタノールアミン(0.20mL、3.3mmol)を添加した。混合物を室温に冷却後、氷浴してろ過すると、C38が白色粉末として得られた(600.5mg、94%)。
【0302】
12.2a (C38)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)2.88(t,J=6.2Hz,2H),3.75(t,J=6.3Hz,2H),4.66(s,2H),5.77(br,2H),6.85〜6.91(m,2H),7.31(td,J=7.2,1.2Hz,1H)。
【0303】
実施例13
5−(4−カルボキシフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール
【化61】

エタノール(10mL)中のC17(430mg、1.71mmol)で得られた5−(4−シアノフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロールの溶液に、6mol/Lの水酸化ナトリウム(2mL)を添加し、混合物を3時間還流した。塩酸(6mol/L、3mL)を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)による精製後、ジイソプロピルエーテルを用いて粉砕すると、標的化合物(37mg、8%)が得られた。
【0304】
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.94(s,2H),7.0〜7.1(m,4H),7.76(d,J=7.9Hz,1H),7.94(d,J=8.8Hz,2H),9.19(s,1H),12.8(br s,1H)。
【0305】
実施例14
1−ヒドロキシ−5−[4−(テトラゾール−1−イル)フェノキシ]−2,1−ベンゾオキサボロール
【化62】

N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の5−(4−シアノフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(200mg、0.797mmol)、ナトリウムアジド(103mg、1.59mmol)、及び塩化アンモニウム(85mg、1.6mmol)の混合物を、80℃で2日間攪拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)による精製後、酢酸エチルを用いて粉砕すると、標的化合物(55mg、23%)が得られた。
【0306】
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.95(s,2H),7.0〜7.1(m,2H),7.23(d,J=8.8Hz,2H),7.76(d,J=7.9Hz,1H),8.05(d,J=8.5Hz,2H),9.18(br s,1H)。
【0307】
実施例15
4−(4−シアノフェノキシ)フェニルボロン酸(C97)
【化63】

(a)(4−シアノフェニル)(4−ブロモフェニル)エーテル。窒素下、DMF(100mL)中の4−フルオロベンゾニトリル(7.35g、60.68mmol)、4−ブロモフェノール(10g、57.8mmol)及び炭酸カリウム(12g、1.5当量)の混合物を100℃で16時間攪拌した後、ろ過した。回転蒸発後、残渣を酢酸エチル中に溶解させ、1NのNaOH溶液で洗浄することにより反応しなかったフェノールを除去した。有機溶液を乾燥させ、短いシリカゲルカラムに通すことにより色がある微量のフェノール不純物を除去した。溶液の蒸発により、(4−シアノフェニル)(4−ブロモフェニル)エーテル(13.82g、収率87.2%)が白色固体として得られた。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.83(d,2H),7.63(d,2H),7.13(d,2H)及び7.10(d,2H)ppm。
【0308】
(b)4−(4−シアノフェノキシ)フェニルボロン酸。実施例2dに記載される手順を用い、(4−シアノフェニル)(4−ブロモフェニル)エーテルを出発物質として使用して4−(4−シアノフェノキシ)フェニルボロン酸を合成した。表題化合物が白色個体として得られた。融点194〜198℃。MS:m/z=239(M+)、240(M+1)(ESI+)及びm/z=238(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで95.3%純度及び220nmで92.1%。H NMR(300MHz,DMSO−d+DO):δ7.83〜7.76(m,4H),7.07(d,2H)及び7.04(d,2H)ppm。
【0309】
実施例16
3−(4−シアノフェノキシ)フェニルボロン酸(C98)
【化64】

C21の合成について記載される手順に従い、3−ブロモフェノール及び4−フルオロベンゾニトリルを出発物質として使用して調製された(4−シアノフェニル)(3−ブロモフェニル)エーテルから表題化合物を得た。生成物は白色固体として得られた。融点153〜162℃。MS:m/z=239(M+)、240(M+1)(ESI+)及びm/z=238(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで98.5%純度及び220nmで97.5%。H NMR(300MHz,DMSO−d+DO):δ7.78(d,2H),7.64(d,1H),7.45〜7.40(m,2H),7.18〜7.14(dd,1H)及び7.03(d,2H)ppm。
【0310】
実施例17
4−(4−シアノフェノキシ)−2−メチルフェニルボロン酸(C99)
【化65】

C21の合成について記載される手順に従い、4−ブロモ−3−メチルフェノール及び4−フルオロベンゾニトリルを出発物質として使用して調製された(4−シアノフェニル)(4−ブロモ−3−メチルフェニル)エーテルから表題化合物を得た。生成物はクリーム状固形物として得られた。融点161〜165℃。MS:m/z=253(M+)、254(M+1)(ESI+)及びm/z=252(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで97.1%純度及び220nmで95.1%。H NMR(300MHz,DMSO−d+DO):δ7.95(d,2H),7.81(d,1H),7.09(d,2H),6.92〜6.88(m,2H)及び2.65(s,3H)ppm。
【0311】
実施例18
抗炎症試験
本発明の化合物について炎症誘発性サイトカインの阻害能力を試験した。凍結したヒト末梢血単核球(PBMC)中のIL−1β、IL−4、TNFα、及びIFNγサイトカイン放出プロファイルに対する本化合物の影響を調べた。PBMC細胞を10μM濃度の各試料に曝露させた後、20μg/mLのフィトヘマグルチニン(PHA)で刺激した。サイトカイン放出プロファイルをLuminex 4-plexアッセイを使用して分析した。(IL−1β、IFNγ、IL−4、TNF−α)。試験の結果を図1に提供する。
【0312】
方法:
試験物質及び投薬パターン
凍結ヒトPBMCを解凍及び遠心する。凍結した保存培地を細胞ペレットから吸引し、この細胞を新鮮な培地に再懸濁した。PBMC用の培地(CM)は、RPMI1640、10%FBS、1%P/S、2mMのL−グルタミンとした。細胞を37℃、5%COでインキュベートした。式(I)又は式(II)によるものなどの本明細書に記載される化合物の乾燥固体をDMSOに溶解させて、20mMの試料(DMSO、100%)を形成した。20mM試料を200μM(10×)までCM(DMSO、1%)中に希釈した。10μLの希釈試料を190μLのCM+細胞(n=3)に添加し、最終試料濃度を10μMとした(最終DMSOは0.05%)。試料は細胞とともに37℃で15〜30分間インキュベートした後、誘導剤(PHA、20μg/mL)を添加した。誘導剤と媒体(PHA+0.05%DMSO)を本実験の対照として使用した。誘導剤を含まない媒体を陰性対照として使用した。デキサメタゾン(50nM、n=3)を陽性対照に使用した。上清を24時間及び48時間で抽出し、−80℃で保存した。上清を解凍し、試料の細胞毒性についてAlamar Blueで分析した。次に、Luminex 4-plexアッセイを使用してIL−1β、IL−4、TNF−α及びIFNγについて上清を分析した。
【0313】
結果:
サイトカイン分泌のデキサメタゾン阻害は予測された範囲内であったことから、アッセイは妥当であったと確認された。本発明の様々な化合物についてのIL−1β、IL−4、TNF−α及びIFNγ阻害%を図1に提供する。
【0314】
実施例19
局所・ホルボールエステルマウス耳アッセイ
方法:
試験物質及び投薬パターン
5−(4−シアノフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ジヒドロベンゾオキサボロール及びベタメタゾンはAnacor Pharmaceuticals, Inc.から提供された。ベタメタゾンは、そう痒、発赤、乾燥、痂皮、鱗屑、炎症、及び様々な皮膚病態の不快感の治療に使用される。
【0315】
試験物質は各々、試験動物の右耳に対し、ホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)の適用の30分前及び15分後に局所的に適用された。投薬量は、溶媒媒体については20μl/耳、又はクリーム製剤については20mg/耳であった。
【0316】
動物
体重24±2gのCD−1(Crl.)系雄性マウスは、BioLasco Taiwan(Charles River Laboratoriesの技術許諾下)から提供された。10匹の動物に対する空間割当ては、29×18×13cmであった。マウスはAPEC(商標登録)ケージに入れられた。全ての動物は使用に先立ち、制御された温度(22℃〜23℃)及び湿度(70%〜80%)の環境において12時間の明暗サイクルで少なくとも1週間、MDS Pharma Services-Taiwan Laboratoryで管理された。標準的なマウス実験用餌(Lab Diet, Rodent Diet, PMI Nutrition International, USA)及び水道水は自由に摂取できるよう与えられた。動物の飼育、実験、及び処分を含め、この作業はあらゆる側面において、概してGuide for the Care and Use of Laboratory Animals(National Academy Press, Washington, D. C., 1996)に従って実施された。
【0317】
化学物質
アセトン(Wako、日本国)、エタノールアブソリュート(Merck、独国)、デキサメタゾン(Sigma、米国)、及びホルボール12−ミリステート13−アセテート(Sigma、米国)。
【0318】
器具
動物ケージ(Allentown、米国)、Dyerモデルマイクロメータゲージ(Peacock、日本国)及びPipetman(Gilson、仏国)。
【0319】
炎症アッセイ:局所、ホルボールエステル
体重24±2gの5匹のCD−1(Crl.)系雄性マウス群が使用された。PMA(20μlのアセトン中4pg)を各動物の右耳の前表面及び後表面に対し局所的に適用した。媒体(エタノール:アセトン/1:1、20μL/耳、又はクリーム、20mg/耳)及び5−(4−シアノフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ジヒドロベンゾオキサボロール及びベタメタゾンを含む試験物質を、各々、PMA適用の30分前及び15分後に適用した。陽性対照としてのデキサメタゾン(アセトン:エタノール/1:1の20μL/耳中3mg、3mg/耳)も同様に同じタイミングで適用した。次に、耳の腫脹を炎症の指標としてPMA適用後6時間においてDyerモデルマイクロメータゲージにより計測した。阻害パーセントを式([Ic−It]/Ic)×100%(式中、Ic及びItは、それぞれ対照マウス及び治療マウスにおける耳の厚さの増加分(mm)を指す)に従い計算した。30パーセント以上(≧30%)の阻害を有意な抗炎症活性と見なす。
【0320】
結論
それぞれの媒体(エタノール:アセトン/1:1)又はクリーム状プラセボ対照群と比較すると、5−(4−シアノフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール(1mg/耳×2)、ベタメタゾン(0.2mg/耳×2)は、PMA誘発性耳腫脹の有意な阻害をもたらした。
【0321】
同時に、デキサメタゾン(3mg/耳)も、媒体(エタノール:アセトン/1:1)治療群と比べて耳腫脹の有意な減少(72%)をもたらした。
【0322】
結論として、1mg/耳×2での5−(4−シアノフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ジヒドロベンゾオキサボロール及び0.2mg/耳×2でのベタメタゾンは有意な(≧30%阻害)抗炎症活性を呈示した一方、0.2mg/耳×2での5−(4−シアノフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ジヒドロベンゾオキサボロールはマウスでの局所ホルボールエステルにより誘発された耳腫脹の中等度(22%)であるが有意な阻害をもたらした。
【0323】
実施例20
環状ボロン酸エステル
本明細書に記載される方法によりさらなる化合物が生成することができる。1又は3などの適切な出発物質を選択することにより、本明細書に記載される方法を使用して以下の化合物を調製できる。入手可能な場合、これらの化合物について融点特性を提供する。
【0324】
20.結果
例示的構造化合物Iの分析データを以下に提供する。
【0325】
20a エチル2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−5−イルオキシ)アセテート(C41)
【化66】

融点134〜137℃。例示的出発物質:エチル2−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)アセテート。
【0326】
20b 2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−5−イルオキシ)酢酸(C42)
【化67】

融点163〜166℃。例示的出発物質:エチル2−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)アセテート。対応するエステルの鹸化後、表題化合物が得られる。
【0327】
20c 6−(チオフェン−2−イルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C43)
【化68】

融点99〜104℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(チオフェン−2−イルチオ)フェニル)メタノール。
【0328】
20d 6−(4−フルオロフェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C44)
【化69】

融点135〜138℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(4−フルオロフェニルチオ)フェニル)メタノール。
【0329】
20e 1−(3−((1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−5−イルオキシ)メチル)フェニル)ペンタン−1−オン(C45)
【化70】

融点96〜98℃。例示的出発物質:1−(3−((4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)メチル)フェニル)ペンタン−1−オン。
【0330】
20f 2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−5−イルオキシ)−1−(ピペリジン−1−イル)エタノン(C46)
【化71】

融点158〜163℃。例示的出発物質:2−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)−1−(ピペリジン−1−イル)エタノン。
【0331】
20g 2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−5−イルオキシ)−1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン(C47)
【化72】

融点190〜195℃。例示的出発物質:2−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)−1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン。
【0332】
20h 6−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C48)
【化73】

融点135〜138℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)フェニル)メタノール。
【0333】
20i 6−ニトロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C49)
【化74】

融点163〜171℃。例示的出発物質:ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。調製についてはJACS 82, 2172, 1960を参照のこと。
【0334】
20j 6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C50)
【化75】

融点145〜148℃。例示的出発物質:6−ニトロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0335】
20k 6−(ジメチルアミノ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C51)
【化76】

融点120〜123℃。例示的出発物質:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0336】
20l N−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)ベンズアミド(C52)
【化77】

融点186〜193℃。例示的出発物質:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0337】
20m 6−(4−フェニルピペラジン−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C53)
【化78】

融点159〜161℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(4−フェニルピペラジン−1−イル)フェニル)メタノール。
【0338】
20n 6−(1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C55)
【化79】

融点135〜140℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
【0339】
20o 6−モルホリノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C56)
【化80】

融点128〜132℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−モルホリノフェニル)メタノール。
【0340】
20p 6−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−5−イルオキシ)ニコチノニトリル(C57)
【化81】

融点193〜198℃。例示的出発物質:6−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)ニコチノニトリル。
【0341】
20q 5−フルオロ−6−ニトロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C58)
【化82】

融点162〜167℃。例示的出発物質:5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0342】
20r 5−ブロモ−6−(ヒドロキシメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C59)
【化83】

融点>257℃。例示的出発物質:(2,5−ジブロモ−4−(メトキシメチル)フェニル)メタノール。
【0343】
20s 3,7−ジヒドロ−1,5−ジヒドロキシ−1H,3H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2]オキサボロール(C60)
【化84】

融点>250℃。例示的出発物質:(2,5−ジブロモ−1,4−フェニレン)ジメタノール。
【0344】
20t 1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−3−フェニル尿素(C61)
【化85】

融点213〜215℃。例示的出発物質:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0345】
20u N−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)ベンゼンスルホンアミド(C62)
【化86】

融点175〜184℃。例示的出発物質:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0346】
20v N−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)アセトアミド(C63)
【化87】

融点176〜185℃。例示的出発物質:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0347】
20w 7−(ヒドロキシメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C64)
【化88】

融点241〜250℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−1,3−フェニレン)ジメタノール。
【0348】
20x 7−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C65)
【化89】

融点107〜111℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−3−メチルフェニル)メタノール。
【0349】
20y 6−(3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C66)
【化90】

融点159〜163℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
【0350】
20z 3−(1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル(C67)
【化91】

融点135〜141℃。例示的出発物質:3−(1−(3−ブロモ−4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル。
【0351】
20aa 6−(5−メトキシ−1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C68)
【化92】

融点120〜124℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(5−メトキシ−1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
【0352】
20bb 5,6−メチレンジオキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。(C69)
【化93】

融点185〜189℃。例示的出発物質:(6−ブロモベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)メタノール。
【0353】
20cc 6−アミノ−5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C70)
【化94】

融点142〜145℃。例示的出発物質:6−ニトロ−5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0354】
20dd 6−(ベンジルアミノ)−5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C71)
【化95】

融点159〜164℃。例示的出発物質:6−アミノ−5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0355】
20ee 6−(5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C72)
【化96】

融点135〜141℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
【0356】
20ff 3−(1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−5−メトキシ−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル(C73)
【化97】

融点149〜154℃。例示的出発物質:3−(1−(3−ブロモ−4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−5−メトキシ−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル。
【0357】
20gg 4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)ベンゾニトリル(C74)
【化98】

融点148〜153℃。例示的出発物質:4−(2−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)ベンゾニトリル。
【0358】
20hh 6−(5−クロロ−1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C75)
【化99】

融点149〜154℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(5−クロロ−1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
【0359】
20ii 3−(5−クロロ−1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル(C76)
【化100】

融点>225℃。例示的出発物質:3−(1−(3−ブロモ−4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−5−クロロ−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル。
【0360】
20jj 6−(ベンジルアミノ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C77)
【化101】

融点126〜133℃。例示的出発物質:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0361】
20kk 6−(ジベンジルアミノ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C78)
【化102】

融点115〜123℃。例示的出発物質:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0362】
20ll 7−(4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C79)
【化103】

融点、215℃での分解。例示的出発物質:4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)ベンゾニトリル。
【0363】
20mm 6−(5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C80)
【化104】

融点145〜151℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
【0364】
20nn 6−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C82)
【化105】

融点、NA℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)フェニル)メタノール。
【0365】
20oo 7−(ベンジルオキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C83)
【化106】

融点、NA℃。例示的出発物質:(3−(ベンジルオキシ)−2−ブロモフェニル)メタノール。
【0366】
20pp 4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルチオ)ピリジニウムクロリド(C84)
【化107】

融点、NA℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(ピリジン−4−イルチオ)フェニル)メタノール。
【0367】
20qq 6−(ピリジン−2−イルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C85)
【化108】

融点、NA℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(ピリジン−2−イルチオ)フェニル)メタノール。
【0368】
20rr 7−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C86)
【化109】

融点120〜124℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−3−フルオロフェニル)メタノール。
【0369】
20ss 6−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C87)
【化110】

融点98〜105℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)フェニル)メタノール。
【0370】
20tt 6−(4−クロロフェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C88)
【化111】

融点157〜161℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(4−クロロフェニルチオ)フェニル)メタノール。
【0371】
20uu 6−(4−クロロフェニルスルフィニル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C89)
【化112】

融点154〜161℃。例示的出発物質:6−(4−クロロフェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0372】
20vv 6−(4−クロロフェニルスルホニル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C90)
【化113】

融点157〜163℃。例示的出発物質:6−(4−クロロフェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0373】
20ww N−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−5−イル)−N−(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド(C91)
【化114】

融点142〜152℃。例示的出発物質:N−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−N−(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド。
【0374】
20xx 6−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C92)
【化115】

融点111〜113℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)メタノール。
【0375】
20yy 6−(4−(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C93)
【化116】

融点79〜88℃。例示的出発物質:6−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール。
【0376】
20zz 6−(4−(メチルチオ)フェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C94)
【化117】

融点117〜120℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(4−(メチルチオ)フェニルチオ)フェニル)メタノール。
【0377】
20aaa 6−(p−トリルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(C95)
【化118】

融点139〜144℃。例示的出発物質:(2−ブロモ−4−(p−トリルチオ)フェニル)メタノール。
【0378】
20bbb 3−((1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−5−イルオキシ)メチル)ベンゾニトリル(C96)
【化119】

融点147〜150℃。例示的出発物質:3−((4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)メチル)ベンゾニトリル。
【0379】
本明細書に記載される例及び実施形態は例示目的に過ぎず、それらに照らして様々な修正又は変更が当業者に示唆され、且つ本出願の意図及び範囲並びに添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが理解される。本明細書に引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あらゆる目的のために全体として参照により本明細書に援用される。

図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H