特許第6266709号(P6266709)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266709
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】ズームレンズ及びそれを備えた撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20180115BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   G02B15/20
   G02B13/18
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-139541(P2016-139541)
(22)【出願日】2016年7月14日
(62)【分割の表示】特願2012-141272(P2012-141272)の分割
【原出願日】2012年6月22日
(65)【公開番号】特開2016-197257(P2016-197257A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2016年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100082821
【弁理士】
【氏名又は名称】村社 厚夫
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 嘉人
【審査官】 堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−006355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00−17/08
G02B 21/02−21/04
G02B 25/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ系中に、少なくとも、負の屈折力を有する第1負レンズ群と、前記第1負レンズ群より像側に配置されかつ負の屈折力を有する第2負レンズ群と、前記第2負レンズ群の像側に隣接して配置されたレンズ群Aとを有し、前記第2負レンズ群のみを像側に移動することで、無限遠から近接物体への合焦を行い、
前記第1負レンズ群より物体側に正の屈折力を有する第1正レンズ群が配置されており、前記レンズ群Aが負の屈折力を有し、さらに前記第1正レンズ群が変倍時に物体側に移動し、
以下の条件を満足するズームレンズ。
1.151 ≦ β2nmax/β2nmin < 1.4 ・・・・・・・・・(1)
-1.0 < frt/ft < -0.15 ・・・・・・・・・(5)
但し、
β2nmax : ズーミング中に於ける第2負レンズ群の横倍率の最大値
β2nmin : ズーミング中に於ける第2負レンズ群の横倍率の最小値
frt :第2負レンズ群より像側に配置されるレンズ群の望遠端に於ける合成焦点距離
ft : 望遠端に於ける前記ズームレンズの焦点距離
【請求項2】
前記レンズ群Aが以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
1.05 < β3t/β3w < 2.00 ・・・・・・・・・・・(3)
但し、
β3t : レンズ群Aの望遠端に於ける横倍率
β3w : レンズ群Aの広角端に於ける横倍率
【請求項3】
前記第1負レンズ群が以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
3.5 < β1nt/β1nw < 8 ・・・・・・・・・・(4)
但し、
β1nt :第1負レンズ群の望遠端に於ける横倍率
β1nw :第1負レンズ群の広角端に於ける横倍率
【請求項4】
物体側から順に、前記第1正レンズ群と、前記第1負レンズ群と、正の屈折力を有する第2正レンズ群と、前記第2負レンズ群と、前記レンズ群Aとが配置されていることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項5】
請求項1から4のうちの一項に記載の前記ズームレンズと、前記ズームレンズの像側に、前記ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズ及びそれを備えた撮像装置、さらに詳しくは、小型軽量で高速合焦可能なズームレンズ及びそれを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等のデジタル入出力機器のための撮影光学系として、小型軽量で近接物体への合焦可能なズームレンズが所望され、さらに近接物体への合焦が高速なフォーカス機能を有するズームレンズを備えた撮像装置が所望されている。
【0003】
近年、デジタルスチルカメラの等の固体撮像素子を用いた撮像装置が普及している。特に、交換レンズシステムにおいては、従来より位相差センサーが出力する距離情報を用いてフォーカスを行う一眼レフが普及している。しかし、近年は、撮像素子にて結像のコントラストを測定し、コントラストに基づく合焦情報により合焦する新しいタイプの交換レンズシステムが急速に普及してきている。
【0004】
小型のデジタルスチルカメラや新しい交換レンズシステムで用いられている撮像素子によって検出した結像のコントラスト情報に基づいて合焦を行うシステムにおいては、一般的に光学系によって結像された像のコントラストのピーク位置をフォーカスレンズ群を移動させて検出している。そのためコントラストが最も高くなる位置を一旦乗り越えることによってピーク位置を検出する。従って、フォーカスレンズ群は再度ピーク位置まで戻るような、フォーカスレンズ群の移動が必要となる。
【0005】
このフォーカスレンズ群の移動は、フォーカスレンズ群が光軸方向に往復移動すなわち振動するような移動である。従って、高速な自動合焦を行うためには、フォーカスレンズ群を高速に移動させることが必要である。
【0006】
一方、フォーカスレンズ群が光軸上を移動することによって画角変動すなわち結像倍率の変化が起きると、合焦作動中に像が揺れているように見え、映像の品位が損なわれ、撮像者が映像に不快感をもつことになる。
【0007】
従来、高変倍ズームレンズにおいて、正の屈折力を有する第1レンズ群を最も物体側に配置し、その像側に負の屈折力を有する第2レンズ群を配置する構成が一般的である。このタイプのレンズ系では、最も物体側に配置されている第1レンズ群が、最も径が大きくなり、第1レンズ群の集光作用により第1レンズ群より像側に配置されたレンズ群は比較的径が小さくなる。第2群レンズは、変倍作用の多くを担う群であるため、強い屈折力を有する必要がある。そのため、収差補正上複数のレンズにて構成することとなり、重量が重くなる傾向にある。
【0008】
そこで、従来より、フォーカス群をできるだけ軽量にするため、物体側の径の大きなレンズでのフォーカスではなく、光束が集光された後のレンズ群でフォーカスを行う、いわゆるインナーフォーカスタイプの光学系が提案されている。
このようなインナーフォーカスタイプの光学系として、負の屈折力を有する第4レンズ群でフォーカスを行うものが提案されている。すなわち、長い共役側より順に、正の屈折力の第1レンズ群と、負の屈折力の第2レンズ群と、複数または1つのレンズ群によって構成される全体として正の後続群とを有し、広角端から望遠端への変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔は大となり、前記第2レンズ群と前記後続群との間隔は小となるズームレンズであって、前記第2レンズ群は、負の屈折力の第2a群と該第2a群より短い共役側に配置された負の屈折力の第2b群とを有し、該第2b群によってフォーカシングを行うと共に、広角端の焦点距離をfw 、望遠端の焦点距離をft 、前記第2a群の焦点距離をf2aとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズである(例えば、特許文献1参照)。
0.3 < |f2a| / (fw × ft)1/2 < 0.9
【0009】
他のインナーフォーカスタイプの光学系としては、物体側より順に、正の第1レンズ群、負の第2レンズ群、正の第3レンズ群、負の第4レンズ群、正の第5レンズ群、負の第6レンズ群とを含み、上記レンズ群の間隔を変化させて変倍を行い、無限遠撮影時の広角端における第iレンズ群と第jレンズ群との間の群間隔をDW(i-j)、無限遠撮影時の望遠端における第iレンズ群と第jレンズ群との間の群間隔DT(i-j)としたとき、条件式
(1)DW(1-2) <DT(1-2)
(2)DW(2-3) >DT(2-3)
(3)DW(3-4) >DT(3-4)
(4)DW(4-5) <DT(4-5)
(5)DW(5-6) <DT(5-6)
を満足し、かつ、上記第4レンズ群が光軸方向に移動することによってフォーカシングが行われるズームレンズ系が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−28923号公報
【特許文献2】特開2006−251462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1及び2に開示されているズームレンズは、インナーフォーカスであるから、合焦レンズの軽量化は達成されているが、フォーカス時の画角変動量が十分に小さくなっていない。
【0012】
(発明の目的)
本発明は、従来のズームレンズの上述した問題点に鑑みてなされたものであって、交換レンズ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の固体撮像装置を用いた撮像装置に好適であり、ズームレンズの小型化、高倍率化、及びフォーカス時の画角変動が小さいズームレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(第1発明)
第1発明は、レンズ系中に、少なくとも、負の屈折力を有する第1負レンズ群と、前記第1負レンズ群より像側に配置されかつ負の屈折力を有する第2負レンズ群と、前記第2負レンズ群の像側に隣接して配置されたレンズ群Aとを有し、前記第2負レンズ群のみを像側に移動することで、無限遠から近接物体への合焦を行い、
前記第1負レンズ群より物体側に正の屈折力を有する第1正レンズ群が配置されており、前記レンズ群Aが負の屈折力を有し、さらに前記第1正レンズ群が変倍時に物体側に移動し、
以下の条件を満足するズームレンズ。
1.151 ≦β2nmax/β2nmin < 1.4 ・・・・・・・・・(1)
-1.0 < frt/ft < -0.15 ・・・・・・・・・(5)
但し、
β2nmax : ズーミング中に於ける第2負レンズ群の横倍率の最大値
β2nmin : ズーミング中に於ける第2負レンズ群の横倍率の最小値
frt :第2負レンズ群より像側に配置されるレンズ群の望遠端に於ける合成焦点距離
ft : 望遠端に於ける前記ズームレンズの焦点距離
である。
【0014】
第1発明のズームレンズによれば、ズーム時のフォーカスレンズ群の横倍率の変化を少なくすることでフォーカスレンズ群の変倍作用の縮小化を図ると共に、テレフォトタイプを強くし、光学全長の小型化が図られる。
【0015】
ここで、フォーカスレンズ群の変倍作用とは、フォーカス群の移動中における画角変動のことである。
【0016】
高変倍ズームレンズにおいて、正の屈折力を有する第1レンズ群を最も物体側に配置し、その像側に負の屈折力を有する第2レンズ群を配置する構成が一般的である。このような光学系においては、第2レンズ群は変倍作用の多くを担うレンズ群であるため、第2レンズ群でフォーカスを行うと、フォーカス時の変倍作用を小さくすることが困難となる。
【0017】
また、第2レンズ群は、大きな変倍作用のため、強い屈折力を有する必要がある。そのため、収差補正上複数のレンズにて構成することとなり、重量が重くなる傾向にあり、軽量化にとっても不利なレンズ群である。
【0018】
このような状況から、本発明ではレンズ系に含まれる物体側に配置される第1負レンズ群に変倍作用を持たせ、前記第1負レンズ群より像側に負の屈折力を有する第2負レンズ群を配置し、第2負レンズ群の変倍作用を小さくすることで、フォーカス時の画角変動すなわちフォーカス時の変倍を小さくすることができる効果を有する。
【0019】
(第2発明)
第2発明は、上述した第1発明のズームレンズと、該ズームレンズの像側に、前記ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置である。
【0020】
第2発明の撮像装置によれば、上述した第1発明のズームレンズの特性を有効に利用して、小型軽量で高速合焦可能なズームレンズ及びそれを備えた撮像装置を構成できる効果を得ることができる。
【0021】
(本発明の第1実施態様)
第1発明において、前記レンズ群Aが以下の条件式を満足することを特徴とする。
1.05 < β3t/β3w < 2.00 ・・・・・・・・・・・(3)
但し、
β3t : レンズ群Aの望遠端に於ける横倍率
β3w : レンズ群Aの広角端に於ける横倍率
である。
【0022】
(本発明の第2実施態様)
第1発明において、前記第1負レンズ群が以下の条件式を満足することを特徴とする。
3.5 < β1nt/β1nw < 8 ・・・・・・・・・・(4)
但し、
β1nt : 第1負レンズ群の望遠端に於ける横倍率
β1nw : 第1負レンズ群の広角端に於ける横倍率
【0023】
(本発明の第3実施態様)
第1発明において、物体側から順に、前記第1正レンズ群と、前記第1負レンズ群と、正の屈折力を有する第2X正レンズ群と、前記第2負レンズ群と、前記レンズ群Aとが配置されていることを特徴とする。
【0024】
条件式(1)は、フォーカスレンズ群である第2負レンズ群における変倍作用の大きさを規定するための条件式である。
1.151 ≦ β2nmax/β2nmin < 1.4 ・・・・・・・・・(1)
但し、
β2nmax : ズーミング中における第2負レンズ群の横倍率の最大値
β2nmin : ズーミング中における第2負レンズ群の横倍率の最小値
条件式(1)を満足することで、フォーカス群の変倍作用を小さくすることができ、フォーカス時の変倍が小さな光学系が構成される。
【0025】
条件式(3)は、レンズ群Aの変倍比を規定するための条件式である。
1.05 < β3t/β3w < 2.00 ・・・・・・・・・(3)
但し、
β3t : レンズ群Aの望遠端における横倍率
β3w : レンズ群Aの広角端における横倍率
第2負レンズ群(フォーカス群)の像側に隣接して配置されるレンズ群の変倍比を条件式の範囲に大きくすることで、前記第2負レンズ群(フォーカス群)の変倍作用を小さくすることができる。
【0026】
条件式(4)は、第1負レンズ群の変倍比を規定するための条件式である。
3.5 < β1nt/β1nw < 8 ・・・・・・・・(4)
但し、
β1nt : 第1負レンズ群の望遠端における横倍率
β1nw : 第1負レンズ群の広角端における横倍率
第1負レンズ群の変倍比を適切にすることで、高倍率と小型化を両立することができる。
条件式(4)の下限を越えると、すなわち第1負レンズ群の変倍比が小さい場合には、レンズ系を高倍率にすることが難しくなる。条件式(4)の上限を超えると、すなわち第1負レンズ群の変倍比が大きい場合には、収差補正上複数のレンズにて構成することとなり、小型化の妨げとなる。
【0027】
条件式(5)は、第2負レンズ群より像側に配置されるレンズ群の望遠端に於ける合成焦点距離を規定するための条件式である。
-1.0 < frt/ft < -0.15 ・・・・・・・(5)
但し、
frt: 第2負レンズ群より像側に配置されるレンズ群の望遠端に於ける合成焦点距離
ft : 望遠端に於ける前記ズームレンズの焦点距離
第2負レンズ群より像側に配置されるレンズ群の望遠端に於ける合成焦点距離を規定することで、テレフォトタイプを強くすることができ、望遠端での光学全長を小さくすることができる。
条件式(5)の下限を越えると、すなわち第2負レンズ群より像側に配置されるレンズ群の合成焦点距離が大きくなり、テレフォトタイプが弱くなってしまい、望遠端状態での光学全長が大きくなってしまう。条件式(5)の上限を超えると、すなわち第2負レンズ群より像側に配置されるレンズ群の合成焦点距離が小さくなり、テレフォトタイプが強くなりすぎ、少ないレンズ枚数で構成することが困難となり、小型化への妨げとなる。
【0028】
また、上述の発明において、条件式(2)を満たすことがさらによい。これにより、フォーカスレンズ群の横倍率とフォーカスレンズ群より像側に位置するレンズ群の合成横倍率を適正化することによりピント敏感度の拡大化が図られる。
【0029】
ピント敏感度とは、フォーカスレンズ群の移動距離に対する像面の移動距離の度合である。従って、ピント敏感度の高いレンズ系においては、フォーカスレンズ群の合焦移動量を小さくすることができる。
【0030】
条件式(2)は、フォーカスレンズ群である第2負レンズ群によるピント敏感度を規定するための条件式である。
(1-β2nt2)×βrt2 < -6.0 ・・・・・・・・(2)
但し、
β2nt : 第2負レンズ群の望遠端に於ける横倍率
βrt : 第2負レンズ群より像側に配置されるレンズ群の望遠端に於ける合成横倍率
条件式(2)を満足することで、合焦レンズ群のピント敏感度を高くすることができる。すなわち、フォーカスレンズ群のフォーカス移動量を小さくすることができる。これにより、小型化が達成されるとともに、高速な自動合焦駆動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1実施形態に係るレンズ構成の広角端での光学断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るレンズの広角端状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るレンズの中間焦点距離状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るレンズの望遠端状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図5】本発明の第2実施形態に係るレンズ構成の広角端での光学断面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るレンズの広角端状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るレンズの中間焦点距離状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るレンズの望遠端状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図9】本発明の第3実施形態に係るレンズ構成の広角端での光学断面図である。
図10】本発明の第3実施形態に係るレンズの広角端状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図11】本発明の第3実施形態に係るレンズの中間焦点距離状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図12】本発明の第3実施形態に係るレンズの望遠端状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図13】本発明の第4実施形態に係るレンズ構成の広角端での光学断面図である。
図14】本発明の第4実施形態に係るレンズの広角端状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図15】本発明の第4実施形態に係るレンズの中間焦点距離状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図16】本発明の第4実施形態に係るレンズの望遠端状態に於ける無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に示す実施形態において、諸元光学データにおける面番号NSは物体側から数えたレンズ面の順番、Rはレンズ面の曲率半径(mm)、Dはレンズ面の光軸上の間隔(mm)、Ndはd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、νdはd線(波長λ=587.6nm)に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、面番号の後側にSTOPを付したものは、絞りを示す。面番号の後側にASPHを付したものは、非球面を示し、その曲率半径Rの欄には該非球面の近軸曲率半径(mm)を示している。
【0033】
(第1実施形態)
第1実施形態のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1正レンズ群G1と、負の屈折力を有する第1負レンズ群G2と、正の屈折力を有する第2正レンズ群G3と、負の屈折力を有する第2負レンズ群G4と、負の屈折力を有するレンズ群AG5と、正の屈折力を有するレンズ群BG6とで構成されている。
【0034】
第1正レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL1と、正の屈折力を有するレンズL2との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL3とで、構成される。
第2負レンズ群G2は、物体側から順に、物体側の面に非球面を有し、像側の面が強い凹面で負の屈折力を有するメニスカスレンズL4と、両凹レンズL5と、両凸レンズL6と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL7とで、構成される。
第2正レンズ群G3は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL8と、両凹レンズL9と、両凸レンズL10とで、構成される。
第2負レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL14と像側の面に非球面を有する両凹レンズL11との接合レンズで、構成される。
レンズ群AG5は、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL12で、構成される。
レンズ群BG6は、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL13で、構成される。
【0035】
このような構成である第1実施形態のズームレンズは、広角から望遠へのズーム作動において、第1正レンズ群G1が物体側に移動し、第1負レンズ群G2が像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第2正レンズ群G3が物体側に移動し、第2負レンズ群G4が第2正レンズ群G3に対して像側に凸の軌跡を描きながら移動し、レンズ群AG5が物体側に移動し、レンズ群BG6は像面に対し固定である。
近接物体への合焦には、第2負レンズ群G4を像側に移動させて行う。
【0036】
第1実施形態のズームレンズの諸元光学データは、以下の通りである。
NS R D Nd νd
1 63.6829 1.3000 1.91048 31.31
2 36.5043 0.0100 1.57046 42.84
3 36.5043 5.9600 1.49845 81.61
4 -852.9715 0.2000
5 34.2606 4.0000 1.62032 63.39
6 151.8569 D( 6)
7 ASPH 54.3406 0.2000 1.51700 49.96
8 54.6285 0.8000 1.91695 35.25
9 8.9090 4.0317
10 -30.8661 0.6500 1.91695 35.25
11 23.5188 0.4000
12 17.7113 2.9807 1.93323 20.88
13 -28.4855 0.7683
14 -16.2247 0.6000 1.77621 49.62
15 -51.4542 D(15)
16 STOP 0.0000 1.2000
17 ASPH 9.1792 2.8596 1.58547 59.46
18 ASPH -21.2748 0.3952
19 -469.2779 0.5000 1.89461 30.74
20 11.3473 1.6070
21 27.4927 3.2402 1.59489 68.62
22 -9.5668 D(22)
23 48.0920 1.2000 1.81263 25.46
24 -93.4000 0.0100 1.57046 42.84
25 -93.4000 0.6000 1.80558 45.45
26 ASPH 13.0486 D(26)
27 -12.9322 0.6300 1.81263 25.46
28 -18.8160 D(28)
29 -147.0832 1.9501 1.73234 54.67
30 -35.3238 9.8000
31 0.0000 2.8000 1.51872 64.20
32 0.0000 1.0000
【0037】
上表において、面番号の後側にASPHを付した非球面は、次式で表わされる。
X(y)=(y2/R)/〔1+(1−ε・y2/R21/2〕+A4・y4+A6・y6+A8・y8+A10・y10
ここで、X(y)は光軸から垂直方向の高さyにおける各非球面の頂点から光軸方向に沿った距離(サグ量)、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)、εは円錐係数、A4,A6,A8,A10は非球面係数である。
【0038】
非球面の諸元光学データは、以下の通りである。
ASPH ε A4 A6 A8 A10
7 1.0000 1.91163e-005 -4.04139e-007 3.49343e-009 -1.49337e-011
17 1.0000 -1.14585e-004 4.99824e-006 -1.46840e-007 -1.08200e-009
18 1.0000 4.60442e-004 5.38067e-006 -2.32614e-007 0.00000e+000
26 1.0000 -6.79774e-006 -5.35988e-008 4.43501e-009 -9.66065e-011
【0039】
以下に、ズーム作動における面間隔の変化、すなわち広角端状態(f=10.30mm)、中間焦点距離状態(f=30.47mm)及び望遠端状態(f=97.97mm)の面間隔を、焦点距離fmm、FナンバーFno、画角ω、と共に示す。
f 10.30 30.47 97.97
Fno 3.6490 5.0069 5.7049
ω 40.281 11.231 4.671
D( 6) 0.9300 15.4076 32.7201
D(15) 20.1523 7.8284 1.9719
D(22) 1.2330 2.6313 1.5000
D(26) 7.2929 5.8946 7.0259
D(28) 0.4190 11.1985 17.2290
【0040】
以下に、広角端状態(f=10.30)、中間焦点距離状態(f=30.47)及び望遠端状態(f=97.97)での近接物体合焦時の面間隔を、無限物体合焦時の焦点距離f(mm)、第1レンズ面から物体までの距離D(0)(mm)、と共に示す。
f 10.30 30.47 97.97
D( 0) 920.28 903.19 889.86
D(22) 1.2704 3.3008 2.9038
D(26) 7.2555 5.2251 5.6221
【0041】
(第2実施形態)
第2実施形態のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1正レンズ群G1と、負の屈折力を有する第1負レンズ群G2と、正の屈折力を有する第2正レンズ群G3と、負の屈折力を有する第2負レンズ群G4と、負の屈折力を有するレンズ群AG5と、正の屈折力を有するレンズ群BG6とで構成されている。
【0042】
第1正レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL1と、正の屈折力を有するレンズL2との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL3とで、構成される。
【0043】
第1負レンズ群G2は、物体側から順に、物体側の面に非球面を有し、像側の面が強い凹面で負の屈折力を有するメニスカスレンズL4と、両凹レンズL5と、両凸レンズL6と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL7とで、構成される。
【0044】
第2正レンズ群G3は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL8と、像側に凹面を向けた負レンズL9と、物体側に非球面を有する両凸レンズL10と物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL11との接合レンズと、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL12と両凸レンズL13との接合レンズとで、構成される。
【0045】
第2負レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL14と両凹レンズL15との接合レンズで、構成される。
【0046】
レンズ群AG5は、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL16で、構成される。
【0047】
レンズ群BG6は、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL17で、構成される。
【0048】
このような構成である第2実施形態のズームレンズは、広角端から望遠端への変倍において、第1正レンズ群G1が物体側に移動し、第1負レンズ群G2が像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第2正レンズ群G3が物体側に移動し、第2負レンズ群G4が第2正レンズ群G3に対して像側に凸の軌跡を描きながら移動し、レンズ群AG5が物体側に移動し、レンズ群BG6は像面に対し固定である。
近接物体への合焦には、第2負レンズ群G4を像側に移動させることで行う。
【0049】
第2実施形態のズームレンズの諸元光学データは、以下の通りである。
NS R D Nd νd
1 71.8184 1.3000 1.91048 31.31
2 38.1169 0.0100 1.57046 42.84
3 38.1169 4.5000 1.49845 81.61
4 -271.5053 0.2000
5 34.2543 3.5128 1.62032 63.39
6 144.7606 D( 6)
7 ASPH 51.0704 0.2000 1.51700 49.96
8 43.5620 0.7600 1.91695 35.25
9 9.1890 3.7360
10 -21.5757 0.6040 1.91695 35.25
11 29.1538 0.4000
12 20.4299 2.7524 1.93323 20.88
13 -21.6790 0.7155
14 -12.4871 0.5960 1.77621 49.62
15 -39.8843 D(15)
16 STOP 0.0000 1.2000
17 ASPH 10.5362 2.8018 1.58547 59.46
18 ASPH -22.5427 0.2000
19 158.7690 0.5000 1.83945 42.72
20 12.7924 1.5947
21 ASPH 43.3184 2.3000 1.58547 59.46
22 -12.8698 0.0100 1.57046 42.84
23 -12.8698 0.4670 1.91048 31.31
24 -21.0076 0.8760
25 64.1680 0.4670 1.91695 35.25
26 15.3783 0.0100 1.57046 42.84
27 15.3783 3.0765 1.62032 63.39
28 -13.0505 D(28)
29 41.5408 1.3000 1.81263 25.46
30 -58.6162 0.0100 1.57046 42.84
31 -58.6162 0.4830 1.80831 46.50
32 12.0837 D(32)
33 -15.2307 0.6300 1.81263 25.46
34 -87.2068 1.9569 1.73234 54.67
36 -27.2049 9.8000
37 0.0000 2.8000 1.51872 64.20
38 0.0000 1.0000
【0050】
非球面の諸元光学データは、以下の通りである。
ASPH ε A4 A6 A8 A10
7 1.0000 2.99229e-005 -2.77911e-007 4.08113e-009 -6.45590e-012
17 1.0000 -9.24021e-005 -2.03212e-006 1.09833e-007 -3.07901e-009
18 1.0000 2.42296e-004 -3.20842e-006 1.17483e-007 -3.05003e-009
21 1.0000 -1.20912e-005 -1.01954e-006 2.87946e-008 -2.68033e-010
【0051】
以下に、ズーム作動における面間隔の変化、すなわち広角端状態(f=11.22mm)、中間焦点距離状態(f=63.64mm)及び望遠端状態(f=145.52mm)の面間隔を、焦点距離fmm、FナンバーFno、画角ω、と共に示す。
f 11.22 63.64 145.52
Fno 3.6414 5.3644 5.7509
ω 37.997 9.208 3.170
D( 6) 0.9300 21.8749 36.7527
D(15) 18.6221 4.8769 1.4250
D(28) 1.1900 4.2490 1.0100
D(32) 8.8421 5.7832 9.0221
D(34) 0.8860 15.9875 20.1532
【0052】
以下に、広角端状態(f=11.22mm)、中間焦点距離状態(f=63.64mm)及び望遠端状態(f=145.52mm)での近接物体合焦時の面間隔を、無限物体合焦時の焦点距離f(mm)、第1レンズ面から物体までの距離D(0)(mm)、と共に示す。
f 11.22 63.64 145.52
D( 0) 918.76 896.55 880.86
D(28) 1.2267 4.6723 3.4247
D(32) 8.8054 5.3598 6.6074
【0053】
(実施形態3)
第3実施形態のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1正レンズ群G1と、負の屈折力を有する第1負レンズ群G2と、正の屈折力を有する第2正レンズ群G3と、負の屈折力を有する第2負レンズ群G4と、負の屈折力を有するレンズ群AG5と、正の屈折力を有するレンズ群BG6とで構成されている。
【0054】
第1正レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL1l、正の屈折力を有するレンズL2との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL3とで、構成される。
【0055】
第1負レンズ群G2は、物体側から順に、物体側の面に非球面を有し、像側の面が強い凹面で負の屈折力を有するメニスカスレンズL4と、両凹レンズL5と、両凸レンズL6と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL7とで、構成される。
【0056】
第2正レンズ群G3は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL8と、像側に凹面を向けた負レンズL9と、物体側に非球面を有する両凸レンズL10と物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL11との接合レンズと、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL12と両凸レンズL13との接合レンズとで、構成される。
【0057】
第2負レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL14と両凹レンズL15との接合レンズで、構成される。
【0058】
レンズ群AG5は、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL16で、構成される。
【0059】
レンズ群BG6は、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL17で、構成される。
【0060】
このような構成である第3実施形態のズームレンズは、広角端から望遠端への変倍において、第1正レンズ群G1が物体側に移動し、第1負レンズ群G2が像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第2正レンズ群G3が物体側に移動し、第2負レンズ群G4が第2正レンズ群G3に対して像側に凸の軌跡を描きながら移動し、レンズ群AG5が物体側に移動し、レンズ群BG6は像面に対し固定である。
近接物体への合焦には、第2負レンズ群G4を像側に移動させて行う。
【0061】
第3実施形態のズームレンズの諸元光学データは、以下の通りである。
NS R D Nd νd
1 109.0553 1.5000 1.90366 31.31
2 52.5697 0.0100 1.56732 42.84
3 52.5697 5.5700 1.49700 81.61
4 -146.2327 0.2000
5 39.5728 3.9700 1.61800 63.39
6 112.3407 D( 6)
7 ASPH 79.0234 0.2000 1.51460 49.96
8 65.0676 0.9000 1.91082 35.25
9 12.3717 4.1854
10 -23.8730 0.7500 1.91082 35.25
11 42.3962 0.4930
12 28.5426 3.3730 1.92286 20.88
13 -24.6589 1.0150
14 -14.8587 0.7500 1.77250 49.62
15 -49.5781 D(15)
16 STOP 0.0000 1.5000
17 ASPH 13.2954 3.2480 1.58313 59.46
18 ASPH -32.0948 0.2000
19 62.5251 0.6200 1.86188 42.08
20 15.8491 2.0200
21 ASPH 61.7390 2.8500 1.58313 59.46
22 -15.2253 0.0100 1.56732 42.84
23 -15.2253 0.6000 1.90766 33.41
24 -25.8791 1.0200
25 109.2068 0.5800 1.91082 35.25
26 20.0859 0.0100 1.56732 42.84
27 20.0859 3.7247 1.61882 64.32
28 -16.2282 D(28)
29 51.3428 1.6830 1.80518 25.46
30 -75.7267 0.0100 1.56732 42.84
31 -75.7267 0.6000 1.80420 46.50
32 15.6073 D(32)
33 -18.5559 0.9000 1.80518 25.46
34 -28.5021 D(34)
35 -152.2485 2.3543 1.72916 54.67
36 -38.5471 11.0000
37 0.0000 4.2000 1.51680 64.20
38 0.0000 1.0000
【0062】
非球面の諸元光学データは、以下の通りである。
ASPH ε A4 A6 A8 A10
7 1.0000 1.19556e-005 -5.12224e-008 4.21707e-010 2.89639e-012
17 1.0000 -4.81203e-005 -6.04617e-007 2.40398e-008 -4.15344e-010
18 1.0000 1.17843e-004 -9.32847e-007 2.61092e-008 -4.24829e-010
21 1.0000 -5.75515e-006 -1.80638e-007 2.44731e-009 -5.43340e-012
【0063】
以下に、ズーム作動における面間隔の変化、すなわち広角端状態(f=14.43mm)、中間焦点距離状態(f=57.85mm)及び望遠端状態(f=145.40mm)の面間隔を、焦点距離f(mm)、FナンバーFno、画角ω、と共に示す。
f 14.43 57.85 145.40
Fno 3.6708 5.4085 5.9148
ω 37.102 10.651 3.671
D( 6) 1.1330 24.2823 41.7003
D(15) 21.7353 5.4909 1.7000
D(28) 1.4374 6.0872 3.6419
D(32) 12.1029 7.4531 9.8984
D(34) 1.0300 19.1189 24.8250
【0064】
以下に、広角端状態(f=14.43mm)、中間焦点距離状態(f=57.85mm)及び望遠端状態(f=145.40mm)での近接物体合焦時の面間隔を、無限物体合焦時の焦点距離f(mm)、第1レンズ面から物体までの距離D(0)(mm)、と共に示す。
f 14.43 57.85 145.40
D( 0) 901.52 876.67 857.15
D(28) 1.5087 6.7510 6.5503
D(32) 12.0316 6.7893 6.9900
【0065】
(実施形態4)
第4実施形態のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1正レンズ群G1と、負の屈折力を有する第1負レンズ群G2と、正の屈折力を有する第2正レンズ群G3と、負の屈折力を有する第2負レンズ群G4と、負の屈折力を有するレンズ群AG5とで構成されている。
【0066】
第1正レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL2と、正の屈折力を有するレンズL2との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL3とで、構成される。
【0067】
第1負レンズ群G2は、物体側から順に、物体側の面に非球面を有し、像側の面が強い凹面で負の屈折力を有するメニスカスレンズL4と、両凹レンズL5と、両凸レンズL6と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL7とで、構成される。
【0068】
第2正レンズ群G3は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL8と、の屈折力を有するメニスカスレンズL9と、両凸レンズL10とで、構成される。
【0069】
第2負レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL11と像側の面に非球面を有する両凹レンズL12との接合レンズで、構成される。
【0070】
レンズ群AG5は、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、両凸レンズL14で、構成される。
【0071】
このような構成である第3実施形態のズームレンズは、広角端から望遠端への変倍において、第1正レンズ群G1が物体側に移動し、第2負レンズ群G2が像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第2正レンズ群G3が物体側に移動し、第2負レンズ群G4が第2正レンズ群G3に対して像側に凸の軌跡を描きながら移動し、レンズ群AG5が物体側に移動する。
近接物体への合焦には、第2負レンズ群G4を像側に移動させて行う。
【0072】
第4実施形態のズームレンズの諸元光学データは、以下の通りである。
NS R D Nd νd
1 65.0172 1.3000 1.91048 31.31
2 36.2100 0.0100 1.57046 42.84
3 36.2100 6.0000 1.49845 81.61
4 -2179.5150 0.2000
5 35.2814 4.0027 1.62032 63.39
6 183.6531 D( 6)
7 ASPH 42.2125 0.2000 1.51700 49.96
8 42.6979 0.8000 1.91695 35.25
9 8.4806 4.0102
10 -40.2053 0.6500 1.91695 35.25
11 19.8739 0.4000
12 15.7705 2.9108 1.93323 20.88
13 -39.4484 0.7583
14 -17.4656 0.6000 1.77621 49.62
15 -52.0671 D(15)
16 STOP 0.0000 1.2000
17 ASPH 8.5883 3.0750 1.58547 59.46
18 ASPH -25.0697 0.4400
19 171.5901 0.5000 1.91048 31.31
20 10.4093 1.6207
21 25.6522 3.1313 1.59489 68.62
22 -9.9776 D(22)
23 46.2354 1.2000 1.81263 25.46
24 -53.2640 0.0100 1.57046 42.84
25 -53.2640 0.6000 1.80558 45.45
26 ASPH 13.2084 D(26)
27 -11.9913 0.6300 1.81263 25.46
28 -21.7212 0.2000
29 57.2469 2.1490 1.48914 70.44
30 -29.7248 D(30)
31 0.0000 2.8000 1.51872 64.20
32 0.0000 1.0000
【0073】
非球面の諸元光学データは、以下の通りである。
ASPH ε A4 A6 A8 A10
7 1.0000 8.18698e-006 -2.73054e-007 1.74363e-009 -8.23298e-012
17 1.0000 -1.01823e-004 2.84220e-006 -6.99155e-008 -7.96183e-010
18 1.0000 4.60590e-004 3.18830e-006 -1.41926e-007 0.00000e+000
26 1.0000 -1.47382e-005 -1.68264e-006 1.30906e-007 -2.85225e-009
【0074】
以下に、ズーム作動における面間隔の変化、すなわち広角端状態(f=10.30mm)、中間焦点距離状態(f=38.91mm)及び望遠端状態(f=100.21mm)の面間隔を、焦点距離f(mm)、FナンバーFno、画角ω、と共に示す。
f 10.30 38.91 100.21
Fno 3.6579 5.0177 5.8760
ω 40.250 11.571 4.601
D( 6) 0.9300 21.0041 33.8012
D(15) 19.9939 5.7856 1.5907
D(22) 1.3754 2.5090 0.5000
D(26) 6.4996 5.3660 7.3750
D(30) 9.8000 20.7392 28.8212
【0075】
以下に、広角端状態(f=10.30mm)、中間焦点距離状態(f=38.91mm)及び望遠端状態(f=100.21mm)での近接物体合焦時の面間隔を、無限物体合焦時の焦点距離f(mm)、第1レンズ面から物体までの距離D(0)(mm)、と共に示す。
f 10.30 38.91 100.21
D( 0) 921.00 904.28 887.50
D(22) 1.4164 2.8590 1.9547
D(26) 6.4586 5.0160 5.9203
【0076】
各実施形態における条件式に係る値は、以下の通りである。
第1実施形態 第2実施形態 第3実施形態 第4実施形態
β2nmax/β2nmin 1.170 1.194 1.151 1.370
(1-β2nt2)×βrt2 -6.693 -8.267 -7.217 -6.808
β3t/β3w 1.234 1.259 1.262 1.056
β1nt/β1nw 4.540 6.759 4.488 4.314
frt/ft -0.391 -0.460 -0.503 -0.225
【符号の説明】
【0077】
STOP 絞り
G1 第1正レンズ群
G2 第1負レンズ群
G3 第2正レンズ群
G4 第2負レンズ群
G5 レンズ群A
G6 レンズ群B
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