特許第6266720号(P6266720)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266720
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】生体吸収性多孔質インプラント
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/20 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
   A61L27/20
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-169568(P2016-169568)
(22)【出願日】2016年8月31日
(62)【分割の表示】特願2015-42758(P2015-42758)の分割
【原出願日】2009年9月22日
(65)【公開番号】特開2017-47208(P2017-47208A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2016年9月28日
(31)【優先権主張番号】12/586,449
(32)【優先日】2009年9月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/192,896
(32)【優先日】2008年9月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510285997
【氏名又は名称】セノアールエックス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アミット・ゴビル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エル.・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ルボック
【審査官】 幸田 俊希
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−337674(JP,A)
【文献】 特表2007−508109(JP,A)
【文献】 特表2006−527026(JP,A)
【文献】 特開2005−312941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 15/00−33/18
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織が除去された空洞(cavity)に適したインプラントの形成方法であって、a.可溶性のアルギネートと放射線不透過性造影剤を、水とともに混合し;b.ガスまたは孔形成剤をアルギネート−水混合物中に組み込み;
c.アルギネート−水混合物中を、ガスまたは孔形成剤とともに鋳型中に移し、当該混合物を所望の形状の固体物本体に成形し;
d.前記本体から水を除去し;
e.可溶性のアルギネートの少なくとも一部を、可溶性がより低いアルギネートに変える、
上記工程を含み、
更に当該インプラントの外縁から内側に離れている方位合わせマーカーを当該本体に組み込むことを含む方法。
【請求項2】
複数の放射線不透過性要素(element)を、平面内にある(lying in a plane)方位で組み込むことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
凍結乾燥または空気乾燥により当該混合物から水を除去する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
可溶性アルギネートがアルギン酸ナトリウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
可溶性がより低いアルギネートがアルギン酸カルシウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
空洞の中に収まり、多孔性インプラントの周囲の空洞をライニングしている組織に沿うような、多孔性インプラントの大きさ付けとおよび形状付けを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、生体組織検査または乳腺腫瘤摘出処置の後の軟組織、例えば胸部組織における空洞(cavities)のための生体吸収性多孔質インプラントを対象とする。本発明の特徴を具現するインプラントは、特に、そのような空洞を支持するのに適しており、画像化可能であり、三次元原体照射を促進する。
【背景技術】
【0002】
軟組織における生体組織検査および他の組織除去措置は、組織が除去された空洞内にプロテーゼまたはインプラントが配置されない限り、往々にして、陥凹形成および外観が損なわれた他の状態(disfigurement)につながる可能性がある。例えば米国特許第6,214,045号、同第6,638,308号および同第6,881,226号(Corbitt et al.)を参照されたい。さらに、癌を含む組織除去措置、例えば乳腺腫瘤摘出の後、空洞のライニング(cavity lining)に照射して、残っている可能性のある、あらゆる腫瘍細胞の効果的な治療を確実にすることが往々にして望ましい。
【0003】
組織除去処置、例えば乳腺腫瘤摘出の後に体の空洞をふさぐための多くのインプラントが提案されているが、際立った商業的成功を遂げたものはほとんどない。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、一般に、体の空洞のためのインプラントを対象とし、これは2週間以上20週間以下、好ましくは3週間以上10週間以下のインビボ寿命を有する、生体吸収性材料からなる多孔質体を含む。インプラントは、多孔性を有するかまたは多孔性を生じさせることができ、組織を除去した体の空洞内に一時的な足場を形成して、インプラントの有意な生体吸収の前における空洞内への組織の内方成長(in-growth)を確実にする。インプラントは、放射線不透過性造影剤を具備し、照射量プログラムを構築するために、少なくとも外縁(exterior margin)が、例えばCTスキャンによって画像化可能であることを確実にする。さらに、インプラントは、内部方位合わせ(orientation)マーカー、例えば、少なくとも2つ、好ましくは3つの放射線不透過性要素(element)をインプラント本体内に含み、空洞と、例えば、残存癌細胞を含む可能性の高い、空洞をライニングしている組織の原体照射のための線形加速装置などの外部放射線源との方位合わせを容易にする。外部からエネルギー供給される(externally energized)方位合わせマーカー、例えばRFIDもまた適切である。例えば、引用によりここに組み込まれる米国特許第7,535,363号を参照されたい。
【0005】
インプラントの生体吸収性材料の少なくとも一部は、生体吸収性のキトサンまたはアルギネートである。本体は、デキストラン、デンプン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびこれらのコポリマー、ならびにゼラチン、好ましくは架橋ゼラチンからなる群より選択される生体吸収性材料を含んでいてもよい。放射線不透過性造影剤は、硫酸バリウム、炭酸バリウム、塩化銀、ヨウ化銀、硝酸銀、炭酸カルシウム、酸化亜鉛および放射線不透過性金属粉末または微粒子の群から選択されてもよい。放射線不透過性造影剤は、粒状、好ましくは粉末形態であり、これにより、特にインプラントの外縁の画像化を促進する。インプラント本体の中に配置される、方位合わせのための複数のマーカー要素は、金、チタン、白金、イリジウム、タンタル、タングステン、銀、レニウムおよび非磁性のステンレス鋼から選択されてよい。これらの金属マーカーはインプラントに組み込まれ、線(2つのマーカー要素(element)により規定される)および好ましくは面(3つのマーカー要素により規定される)を示し、これは、空洞をライニングしている組織に効果的に照射するべく、線形加速装置などの外部放射線源と空洞とを整列させることを可能にする。
【0006】
インプラントは、体の空洞に丁度収まり、インプラントの周囲の空洞をライニングしている組織に沿うような大きさおよび形状に形成されている。他の形状を採用してもよいが、一般にインプラントは球状または楕円形であろう。インプラントは、空洞内に配置された後、いくらか膨張して、例えばインプラント材料が水性液体、例えば空洞部位に位置する可能性のある体液および他の液体などと接触する際に(水を取り込むかまたは水和することにより)膨潤して、空洞をライニングしている組織がインプラントの外面に沿うことを確実にすることが好ましい。この沿った組織ライニングの最終的な形状は、当初のインプラントと同じである必要はないが、組織ライニングの沿った形状は単純化されており、これは、放射線量の決定を容易にし、照射パターンを単純化する。例えば女性の胸部における、乳腺腫瘤摘出処置に由来する体の空洞は、約0.5〜約8cmであり、典型的には最大寸法で約3〜約6cmであり、従って、インプラントは、組織が沿うのを確実にするために、ほぼ同じサイズであるべきであり、好ましくはわずかに大きい。
【0007】
インプラントは多孔質であり、胸部組織を支持するために十分な圧縮強度を有する。多孔性は、体内の空洞内に配置されたときに組織の内方成長(ingrowth)を促進するのに十分であるべきである。多孔性は、約10〜600マイクロメーターの細孔を有し得る。表面の細孔は、典型的には約20〜80マイクロメーターであり、内部の細孔は約50〜200マイクロメーターである。インプラントの多孔性は、好ましくは、インプラントの寸法および形状を制御するべく、体の空洞内への配置前のインプラントにおいて生じさせることが好ましい。多孔性は、固化させた本体からその形成後に流体を除去するかもしくは可溶性の材料を溶かすか、またはインプラントがその形状に固まる前に、インプラントを形成する混合物中に気体もしくは気体発生剤を組み込むことによって形成されてよい。好ましくは、別の例は、キトサンまたはアルギネートの水溶液を鋳型の中で凍結させて、本体を形成し、次に当該凍結した本体を(好ましくは鋳型の外で)凍結乾燥させて、凍結した水性流体を除去する。
【0008】
種々の治療薬または診断薬がインプラントに組み込まれていてもよく、これは、例えば、体内の部位に血栓を形成する止血剤、疼痛を制御する麻酔剤、残存する腫瘍性組織を治療する化学療法剤、またはその後の当該部位の視覚的位置決めを容易にするための着色剤を含む。抗生剤、抗真菌剤および抗ウイルス剤が線維性マーカー(fibrous marker)に組み込まれてもよい。
【0009】
インプラントは、約0.5〜4%(重量)のキトサンを、後のインプラントの遠隔画像化を容易にする約0.5〜5%(重量)の粉末化した放射線不透過性造影剤、例えば硫酸バリウムと共に、酸性水溶液(1〜25%重量の酢酸)に混合することによって形成されてよい。10%までのキトサンが用いられてもよいが、キトサンの最大溶解度は約4.5%(重量)である。混合物は、より高いキトサン量で、相当な粘性になる。混合物は、所望の形状を示す適当な鋳型に配置され、混合物を約6〜12時間、−1〜−196℃で凍結させる。凍結した本体を鋳型から取り出し、次に凍結乾燥器内に(約3日)置き、水を除去し、多孔質の本体を形成する。凍結乾燥器中で凍結乾燥した後、キトサンを含有する本体を、塩基または緩衝液、例えば水酸化アンモニウム(5〜20重量%)を用いて中和させ、塩基または緩衝液がなくなるまで脱イオン水ですすぎ、次いで乾燥させる。多孔質インプラントは、胸部組織のコンシステンシー(consistency)を有する。
【0010】
アルギネートの場合、アルギン酸ナトリウムなどの可溶性のアルギネートを上記放射線不透過性物質とともに水溶液に混合する。アルギネート−放射線不透過剤の混合物を適切な鋳型に注ぎ、次に凍結乾燥または空気乾燥させ、多孔質の本体を形成する。多孔質の本体を鋳型から取り出し、多孔質の本体を、アルギン酸ナトリウムを可溶性がより低いアルギン酸カルシウムに変える塩化カルシウム溶液中に置き、これによって可溶性のアルギネートを可溶性がより低いアルギネートに変える。混合の間、気泡をアルギン酸ナトリウム溶液に取り込ませ、多孔性を付与してもよい。
【0011】
溶液が鋳型中で凝固するとき、または本体が形成された後のいずれかにおいて、複数の放射線不透過性マーカー要素を、インプラント中に、その形成の間に取り込ませてもよい。複数のマーカー要素を、インプラントの外縁よりも内側に配置すべきである。多孔質の本体には、放射線不透過性方位合わせ要素にとって望ましい位置まで通路を形成してもよい。
【0012】
キトサンは好ましくは、純度が高く且つ分子量が大きい。脱アセチル化の程度は約60〜100%であり、好ましくは70〜100%である。
【0013】
本発明のこれらの利点および他の利点は、添付の代表的な図面とともに理解される場合、以下の実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の特徴を具現するインプラントの形成方法を概略的に示すフローチャートである。
図2図2は、成分を混合して本発明の特徴を具現するインプラントを製造するためのシステムの概略的な正面断面図である。
図3図3は、鋳型に混合物を注いで、インプラントを形成することを説明する、概略的な正面断面図である。
図4図4は、乾燥した多孔質の本体をCaCl溶液中に配置して、可溶性のアルギネートを可溶性がより低いアルギネートへと変えることを説明する、概略的な正面断面図である。
図5図5は、CaCl溶液中で処理した後のインプラントの横断面図である。
図6図6は、3つの放射線不透過性要素を有する方位合わせマーカーを有する、本発明の特徴を具現化したインプラントの横断面図である。
図7図7は、インプラントの表面付近で撮影した、本発明の特徴を具現したインプラントの断面の走査電子顕微鏡写真(30X)である。
図8図8は、インプラントの内部で撮影した、本発明の特徴を具現化したインプラントの断面の走査電子顕微鏡写真(30X)である。
【発明の詳細な説明】
【0015】
図1は、本発明の特徴を具現するインプラントの形成方法を概略的に説明するフローチャートである。具体的には、第1の工程10では、生体吸収性材料(キトサンまたは可溶性アルギネート)を、粉末または粒状の放射線不透過性造影剤、例えば硫酸バリウムとともに水と混合する。孔形成剤、例えば気体を混合物に組み込んでもよい。第2工程11では、混合物は、ある程度までゲル化しており、これを鋳型に注ぐ。鋳型は、混合物を所望の形状にする成形面を有しており、そこで、それは、成形された形状で自立する(self-supporting)まで凝固または硬化する。説明したケースでは、形状は球状である。第3工程12では、成形された本体を鋳型から取り出し、工程13において、好ましくは凍結乾燥または空気乾燥により、水を本体から除去し、多孔質の本体を形成する。多孔質の本体がキトサンで形成されている場合、第4工程14aにおいて、本体に残存する酸を適切な塩基、例えば水酸化アンモニウムなどにより中和し、すすぎ、乾燥させる。多孔質本体がアルギネートで形成されている場合、第4工程14bにおいて、多孔質本体をCaCl溶液に浸漬させ、アルギン酸ナトリウムの少なくとも一部を、より可溶性の低いアルギン酸カルシウムに変換する。方位合わせマーカーをカニューレ(cannula)により多孔質の本体に挿入するか、または1以上の通路を多孔質の本体に付与し、方位合わせマーカーを本体内の所望の位置に押し込んでもよい。
【0016】
図2は、生体吸収性キトサンまたはアルギン酸ナトリウムおよび硫酸バリウム粉末を、適切な容器21に収容された水20からなる本体に添加することを説明する。回転軸23に取り付けた混合エレメント(element)またはプロペラ22によって水20を混合する。かき回して気泡を生じさせることによりかたまり(mass)にするか、または他の孔形成剤を水20からなる本体に導入してもよい。さらに、水溶性材料を添加し、それらを、本体が乾燥した後に溶解によって除去してもよい。図3に示す通り、次に、液体またはゲルからなる本体を、固定金具27および28により相互連結した上半分25および下半分36を有する球状の鋳型24に注ぐ。本体を設置した後、例えば凍結乾燥によって水を除去し、それによって球形の多孔質の本体29を形成する。本体がキトサンを含んでいる場合、本体を塩基で処理し、残存している酸を中和する。本体がアルギン酸ナトリウムを含んでいる場合、図4に示す通り、球形の多孔質の本体29を、容器31中のCaCl水溶液30に入れ、ここで、アルギン酸ナトリウムの少なくとも一部を、迅速に析出するアルギン酸カルシウムに変える。最終的なインプラント32の横断面を、図5に概略的に示す。
【0017】
図6は、インプラント33の横断面であり、これは、インプラントの内部に外側表面から内部に距離をあけて位置する画像化可能な放射線不透過性要素34(例えば、金の粒子)を有する。3つの放射線不透過性要素(例えば、画像化可能な金の粒子)は正三角形の頂点を示し、これらは、患者の胸部と線形加速装置との間の相対的な位置決定のためのガイドとして用いられてもよく、患者の胸部における乳腺腫瘤摘出の空洞を取り囲んだ組織の効果的な照射を提供する。最少でも、線を規定する2つの放射線不透過性要素、好ましくは面を規定する3つが存在すべきである。しかしながら、それより多くの要素があってもよく、それらは同じ面にあるべきである。インプラント中の放射線不透過性造影剤(硫酸バリウム)は、CTスキャンにおいてインプラントの外縁を画像化することができ、このことは線形加速装置が適切な放射線照射量の計画を決定することを容易にし、乳腺腫瘤摘出後の空洞のライニングに残存するあらゆる腫瘍細胞の効果的な治療を確実にする。
【0018】
例1
4重量%のキトサンおよび2重量%の硫酸バリウムを含む酸性水溶液(12.5%酢酸)を調製した。溶液を球形の鋳型に配置し、次に、鋳型内で、−30℃で16時間凍結させた。凍結した本体を鋳型から取り出し、3日間凍結乾燥させて水を除去した。凍結乾燥した本体を、10%水酸化アンモニウム溶液中で1時間中和させ、次に、水酸化アンモニウムがなくなるまで脱イオン水によってすすいだ。本体を16時間真空乾燥させた。本体は胸部組織に近い海綿状のコンシステンシーを有し、乳腺腫瘤摘出の空洞の周囲の胸部組織を支持するのに十分な圧縮強度を有していた。それは、67%のキトサンおよび33%の硫酸バリウムを含んでいた。表面の多孔性のSEM写真(30X)を図6に、中心部の多孔性のSEM写真(30X)を図7に示す。インプラントは胸部組織とほぼ等しい海綿状のコンシステンシーを有していた。キトサンの量を増加させることにより、インプラントをより硬くすることができた。
【0019】
例2
一定量のアルギン酸ナトリウム(0.5〜4%(重量))を水に溶解させ、ペースト状の粘性の液体もしくはゲルを形成し、空気または他の生体適合性の気体を混合物に導入する。混合物を所望のインプラント形状の鋳型に配置し、次に所望の形状で凍結乾燥または空気乾燥させる。アルギン酸ナトリウムからなる成形インプラント構造を塩化カルシウム溶液(0.5〜約4%(重量))に入れ、ここで、アルギン酸ナトリウムの少なくとも一部を、アルギン酸カルシウムに変え、これが析出する。析出した多孔質構造のインプラントを、組織を除去した体の空洞に導入する。インプラントは、十分な期間、当該部位に残り、体の空洞内の組織の内方成長(in-growth)を促進する足場として機能する。デンプン、例えば微細に分割された微粒子形態のトウモロコシデンプンを、アルギン酸ナトリウム−水の混合物に組み込み、アルギン酸カルシウムが形成されたときに、それをデンプン粒子の周囲に析出させて、アルギン酸ナトリウムがアルギン酸カルシウムに変換する間の収縮を最小化することができる。デンプンは、体液の存在下、体の空洞内で迅速に分解する。インプラントの表面上のアルギネートは、分解して、取り込まれているデンプン粒子を、進展性の多孔性を提供する分解に対して開放する。デンプン対アルギネートの重量比は約15:1〜約1:1である。
【0020】
例3
この例は、30gの塩(NaCl)顆粒を約30mlの3%(重量)アルギン酸ナトリウム水溶液と混合したことを除いて、例2と同様である。次いで、球形の鋳型に配置した溶液を4時間凍結させた。凍結したインプラントを鋳型から取り出し、2%(重量)の塩化カルシウム溶液中に配置し、これにより、アルギン酸カルシウムのゲルを形成し、取り込まれた塩の顆粒の少なくともいくらかを溶解させて多孔質構造を形成した。インプラントは、胸部組織とほぼ等しい海綿状のコンシステンシーを有していた。溶液中のアルギン酸ナトリウムの量を増加させるか、塩の量を低下させるか、または塩の顆粒のサイズを低下させることにより、インプラントをより硬くすることができた。
【0021】
インプラント、特に乳腺腫瘤摘出後の使用のための胸部インプラントの意味において、本発明の1以上の特定の形態がここにおいて記載および説明され、本発明の特徴を有するインプラントが、組織を除去した種々の場所および種々の用途において用いられることを見出し得ることが明らかであろう。さらに、種々の変更が、本発明の意図(spirit)および範囲内で行われうる。したがって、本発明が、説明した特定の実施形態に限定されることは意図しない。よって、必要ならば、添付の特許請求の範囲により規定される本発明は、先行技術が許容する限り、明細書に鑑みて広範に解釈されるものとする。さらに、当業者は、一実施形態に示される特徴が他の実施形態において利用されてもよいことを理解するであろう。
【0022】
「要素」、「部材」、「装置」、「部分(section)」、「部分(portion)」、「工程」、「手段」などの語および同様の意味の語は、以下の特許請求の範囲で用いられる場合、以下の特許請求の範囲が、用語「手段」を、特定の構造なしに、特定の機能を伴って明示的に使用しているか、または、用語「工程」を、特定の動作なしに、特定の機能を伴って明示的に使用している場合を除き、35USC112条(6)の規定を発動するものと解されるべきではない。上記全ての特許および特許出願は、その全体が引用によりここに組み込まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
体の空洞(body cavity)のためのインプラントであって、当該インプラントの有意な生体吸収の前における組織の内方成長(in-growth)を確実にするのに十分な多孔性を有する生体吸収性材料から形成される本体と、当該インプラントの外縁の画像化を容易にする放射線不透過性造影剤と、当該インプラントの外縁から内側に離れており、当該インプラントと放射線源との間の相対的な方位合わせを容易にする内部方位合わせマーカーとを含むインプラント。
[2]
当該方位合わせマーカーが複数の放射線不透過性要素(element)を含む、[1]に記載のインプラント。
[3]
当該生体吸収性材料がキトサンまたはアルギネートである、[1]に記載のインプラント。
[4]
当該生体吸収性材料が、2週間以上約20週間以下のインビボ寿命を有する、[3]に記載のインプラント。
[5]
当該生体吸収性材料が、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸とのコポリマー、架橋ゼラチン、ならびにデキストランおよびデンプンからなる群より選択される1以上の多糖類からなる群より選択される材料を含む、[3]に記載のインプラント。
[6]
当該放射線不透過性造影剤が、硫酸バリウム、炭酸バリウム、塩化銀、ヨウ化銀、硝酸銀、炭酸カルシウム、および酸化亜鉛からなる群より選択される、[1]に記載のインプラント。
[7]
当該複数の放射線不透過性要素が、チタン、白金、金、イリジウム、タンタル、タングステン、銀、レニウム、および非磁性ステンレス鋼からなる群より選択される金属材料を含む、[1]に記載のインプラント。
[8]
最大横断寸法が約0.5〜約8cmである、[1]に記載のインプラント。
[9]
最大横断寸法が約2〜約6cmである、[1]に記載のインプラント。
[10]
当該複数の放射線不透過性要素が当該インプラントの内部に平面を形成している、[1]に記載のインプラント。
[11]
当該インプラントが、正三角形の頂点に位置する3つの放射線不透過性要素を有する、[1]に記載のインプラント。
[12]
細孔径が約10〜約600マイクロメーターである、[1]に記載のインプラント。
[13]
当該外縁が約20〜約80マイクロメーターの細孔径を有する、[1]に記載のインプラント。
[14]
当該インプラントの内部が約50〜約200マイクロメーターの細孔径を有する、[1]に記載のインプラント。
[15]
当該生体吸収性材料がアルギン酸カルシウムである、[3]に記載のインプラント。
[16]
当該方位合わせマーカーが、外部からエネルギー供給され得る(externally energizable)RFIDである、[1]に記載のインプラント。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8