特許第6266721号(P6266721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266721
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
   G02B7/04 E
   G02B7/04 D
【請求項の数】8
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-170412(P2016-170412)
(22)【出願日】2016年9月1日
(65)【公開番号】特開2017-120374(P2017-120374A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2016年9月1日
(31)【優先権主張番号】201521128326.9
(32)【優先日】2015年12月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515342457
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC TECHNOLOGIES PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(74)【代理人】
【識別番号】100194146
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100194283
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 大勇
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(72)【発明者】
【氏名】シュドン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】王 晶
【審査官】 井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−099322(JP,A)
【文献】 特開2004−154835(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/024890(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ駆動装置であって、収容空間を有する筐体、筐体内に収容された鏡筒、鏡筒に巻き付けられたコイル及び筐体に固定されたマグネットを備え、前記コイルに通電した後、ローレンツ力の作用により、鏡筒が移動するように駆動され、前記レンズ駆動装置は、少なくとも一部が非晶質合金材料であるバネ片をさらに備え、前記鏡筒は前記バネ片に支持され、軸方向に沿って往復移動し、
前記非晶質合金材料は、Zr−Al−Ni−Cu−Y非晶質合金又はZr−Al−Ni−Cu−Be非晶質合金である
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記非晶質合金材料は、非晶質コーティング層又は物理蒸着層である
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記バネ片は、非晶質合金材料の上バネ片及び下バネ片を含み、前記上バネ片は、前記鏡筒の上端を前記鏡筒内に固定支持し、前記下バネ片は、前記鏡筒の下端を前記鏡筒内に固定支持している
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記上バネ片は、内固定アーム、外固定アーム及び複数の弾性アームを含み、前記内固定アームは前記鏡筒の上端に固定され、前記外固定アームは前記筐体に固定され、それぞれの前記弾性アームは前記内固定アームと前記外固定アームに同時に接続されている
ことを特徴とする請求項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記弾性アームは、4つであり、且つ等間隔で設けられている
ことを特徴とする請求項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記弾性アームは波状をなしている
ことを特徴とする請求項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記下バネ片は非晶質合金材料の弾性片である
ことを特徴とする請求項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記下バネ片は、第1の下バネ片及び第2の下バネ片を含み、前記第1の下バネ片と前記第2の下バネ片は同一の平面に位置するとともに、互いに絶縁である
ことを特徴とする請求項に記載のレンズ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関し、特にカメラ内に応用されるレンズ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル製品の機能の多様化に伴い、ビデオカメラ又はカメラが配置されたデジタル機器、例えば、携帯電話、マルチメディアプレイヤーなどは、急速に発展し、広く応用されている。
【0003】
上記ビデオカメラ又はカメラは、通常、焦点距離が調節可能なレンズ又はオートフォーカス式のレンズが用いられ、調節過程でレンズの位置を変え、レンズが移動するように駆動するためには、通常、モータが用いられ、モータはブラケットによりレンズの位置を調節し、モータにおけるコイルに通電したり通電を停止したりする時、磁界の作用により、コイルは力を受けて移動し、これにより、鏡筒が移動するように駆動され、つまり、レンズが移動するように駆動される。
【0004】
益々多くのユーザーはデジタル製品の小型化を求めており、これは、デジタル製品内部における素子に対してもこの傾向にしたがって、小型化の設計を行う必要があると意味する。関連技術におけるレンズ駆動装置は、筐体、前記筐体内に収容された鏡筒、バネ片及びコイルを備え、前記コイルと外部電源との接続方式としては、前記バネ片が外部電源に電気的に接続され、前記コイルが前記バネ片に電気的に接続されている。しかしながら、コイルに通電した後、磁界が生じ、バネ片が、径方向に引っ張られるように駆動され、バネ片が薄く、強度が低く、且つその材料が溶接性に劣るため、前記バネ片が破断しやすく、又はコイルと前記バネ片が接触不良になり、これによって、前記レンズ駆動装置の信頼性を低下させてしまう。
【0005】
従って、上記問題を解決するために、新規なレンズ駆動装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術課題は、性能が良く、信頼性が高いレンズ駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術課題を解決するために、本発明は、収容空間を有する筐体、筐体内に収容された鏡筒、鏡筒に巻き付けられたコイル及び筐体に固定されたマグネットを備えるレンズ駆動装置を提供し、前記コイルに通電した後、ローレンツ力の作用により、鏡筒が移動するように駆動され、前記レンズ駆動装置は、少なくとも一部が非晶質合金材料であるバネ片をさらに備え、前記鏡筒が前記バネ片に支持され、軸方向に沿って往復移動し、前記非晶質合金材料は、Zr−Al−Ni−Cu−Y非晶質合金又はZr−Al−Ni−Cu−Be非晶質合金であることを特徴とするレンズ駆動装置を提供する。
【0009】
好ましくは、前記非晶質合金材料は、非晶質コーティング層又は物理蒸着層である。
【0010】
好ましくは、前記バネ片は、非晶質合金材料の上バネ片及び下バネ片を含み、前記上バネ片は、前記鏡筒の上端を前記鏡筒内に固定支持し、前記下バネ片は、前記鏡筒の下端を前記鏡筒内に固定支持している。
【0011】
好ましくは、前記上バネ片は、内固定アーム、外固定アーム及び複数の弾性アームを含み、前記内固定アームは前記鏡筒の上端に固定され、前記外固定アームは前記筐体に固定され、それぞれの前記弾性アームは前記内固定アームと前記外固定アームに同時に接続されている。
【0012】
好ましくは、前記弾性アームは、4つであり、且つ等間隔で設けられている。
【0013】
好ましくは、前記弾性アームは波状をなしている。
【0014】
好ましくは、前記下バネ片は、非晶質合金材料により加工成形された弾性片である。
【0015】
好ましくは、前記下バネ片は、第1の下バネ片及び第2の下バネ片を含み、前記第1の下バネ片と前記第2の下バネ片は同一の平面に位置するとともに、互いに絶縁である。
【発明の効果】
【0016】
関連技術に比べ、本発明のレンズ駆動装置は、そのバネ片として、非晶質合金材料が採用され、前記バネ片の厚さを変えることなく、その弾性強度と溶接性能を大幅に向上させ、前記バネ片が振幅が大きすぎることによって破断することやコイルの溶接の接触不良を招くことを回避し、前記レンズ駆動装置の信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るレンズ駆動装置を示す分解模式図である。
図2】本発明に係るレンズ駆動装置のバネ片を示す斜視構造図である
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面と実施形態を参照しながら、本発明についてさらに説明する。
【0019】
図1を参照し、図1は本発明に係るレンズ駆動装置を示す分解模式図である。前記レンズ駆動装置10は、筐体11、鏡筒12、バネ片13、マグネット14及びコイル15を備える。前記鏡筒12は前記筐体11に収容され、前記バネ片13は、前記鏡筒12を前記筐体11内に固定支持し、前記マグネット14とコイル15は、それぞれ前記筐体11と鏡筒12に固定され、本実施形態において、マグネット14は筐体11に固定され、コイル15は鏡筒12に巻き付けられている。前記コイル15は前記バネ片13と電気的に接続され、回路を形成し、前記コイル15に通電したり通電を停止したりする時、前記マグネット14が生じた磁界の作用を受け、前記コイル15はローレンツ力の作用により、力を受け、移動し、これにより、前記鏡筒12が移動するように駆動される。前記鏡筒12の移動ストロークを増加させるために、本発明に係るレンズ駆動装置10における前記バネ片13は、少なくとも一部が非晶質合金材料である弾性片であり、これにより、前記バネ片13の弾性強度を向上させる。
【0020】
本実施形態において、前記非晶質合金材料は、Zr−Al−Ni−Cu−Y非晶質合金又はZr−Al−Ni−Cu−Be非晶質合金から選ばれる1種であり、当然ながら、他の非晶質合金材料も使用可能であり、その目的は、いずれも前記バネ片13の弾性強度と溶接性を向上させることである。
【0021】
前記バネ片13は多種の方式で成形することができ、例えば、非晶質コーティング法で非晶質コーティング層を形成し、又は物理気相成長法で物理蒸着層を形成する。具体的には、本実施形態において、物理気相成長法、例えばマグネトロンスパッタリング、プラズマスパッタリング又は蒸着のうちのいずれかにより成形されたバネ片が選択的に用いられている。当然ながら、他の方法で成形されたバネ片であってもよく、バネ片の少なくとも一部に非晶質合金を有させ、バネ片の弾性強度を向上させることができれば、実施することが可能である。
【0022】
同時に図2を参照し、図2は本発明に係るレンズ駆動装置のバネ片を示す斜視構造図である。本発明に係るレンズ駆動装置10において、前記バネ片13は上バネ片131及び下バネ片132を含む。前記上バネ片131は、前記鏡筒12の上端を前記筐体11内に固定支持し、前記下バネ片132は、前記鏡筒12の下端を前記筐体11内に固定支持している。前記上バネ片131と前記下バネ片132は協同して前記鏡筒12に支持力と復元力を提供することで、前記鏡筒12が軸方向に沿って往復移動するようにする。
【0023】
本発明に係るレンズ駆動装置10において、前記上バネ片131又は前記下バネ片132を非晶質合金材料で加工成形された弾性片とすることができ、前記上バネ片131と下バネ片132をいずれも非晶質合金材料で加工成形された弾性片とすることもできる。前記レンズ駆動装置10の性能指標に対する要求に応じて、選択的に設計することができる。本実施形態において、前記上バネ片131と前記下バネ片132をいずれも非晶質合金材料で加工成形された弾性片としている。
【0024】
前記上バネ片131は、内固定アーム1311、外固定アーム1312及び複数の弾性アーム1313を有し、前記内固定アーム1311は前記鏡筒12の上端に固定され、前記外固定アーム1312は前記筐体11に固定され、それぞれの前記弾性アーム1313は、いずれも前記内固定アーム1311と前記外固定アーム1312に同時に接続されている。具体的には、前記弾性アーム1313は、4つであり、且つ等間隔で前記内固定アーム1311と外固定アーム1312との間に設けられている。前記弾性アーム1313は波状をなしており、この構造設計により、上バネ片131の弾性力をさらに増加させる。また、前記上バネ片131が非晶質合金材料で加工成形されたものであるため、前記上バネ片131の弾性強度をさらに向上させ、これにより、前記レンズ駆動装置10の性能を向上させる。撮影レンズ(図示せず)が前記レンズ駆動装置10に装着されている場合、前記レンズの焦点距離の調節範囲を拡大させることができ、即ち、その光学性能を向上させる。
【0025】
前記下バネ片132は、第1の下バネ片1321及び第2の下バネ片1322を含み、前記第1の下バネ片1321と前記第2の下バネ片1322は、同一の平面に位置するとともに、互いに絶縁である。前記コイル15の両端はそれぞれ前記第1の下バネ片1321と第2の下バネ片1322に固定され、即ち、前記コイル15の正極、負極は電気回路を形成する。前記下バネ片132も非晶質合金材料で加工成形されたものであるため、その弾性強度と溶接性能を向上させ、即ち、前記コイル15が前記下バネ片132に溶接されている場合、溶接の安定性をさらに向上させる。これにより、前記下バネ片132の振幅が大きすぎることにより、前記コイル15の接触不良を招くことを回避することができる。
【0026】
当然ながら、前記上バネ片131と下バネ片132は、一部の構造のみに非晶質合金材料が用いられた弾性片であってもよく、例えば、上バネ片131の弾性アーム1313と下バネ片132は、非晶質合金材料が用いられ、これらはいずれも実施可能であり、所望の性能と価格・コストに応じて総合的に考慮することができる。
【0027】
関連技術に比べ、本発明に係るレンズ駆動装置10は、そのバネ片13として少なくとも一部が非晶質合金材料である弾性片が用いられ、前記バネ片13の厚さを変えることなく、その弾性強度と溶接性能を向上させ、前記バネ片13の振幅が大きすぎることによって、破断すること又はコイル15の溶接の接触不良を招くことを回避し、前記レンズ駆動装置10の信頼性を向上させる。
【0028】
上述したのは本発明の実施例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、本発明の明細書及び図面内容に基づき、変更を行って得られた等価構造又は等価のフロー変換、又は他の関連する技術分野への直接又は間接運用は、いずれも同じ理由で本発明の特許保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
10 レンズ駆動装置
11 筐体
12 鏡筒
13 バネ片
14 マグネット
15 コイル
131 上バネ片
1311 内固定アーム
1312 外固定アーム
1313 弾性アーム
132 下バネ片
1321 第1の下バネ片
1322 第2の下バネ片
図1
図2