【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、独立請求項において、医療装置、医療装置の動作方法、及びコンピュータプログラムプロダクトを提供する。実施形態は、従属請求項において与えられる。
【0006】
当業者には理解されるように、本発明の態様は、装置、方法又はコンピュータプログラムプロダクトとして具体化され得る。従って、本発明の態様は、全面的にハードウェア実施形態、全面的にソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)又は本明細書において全て一般的に、「回路」、「モジュール」若しくは「システム」と称され得るソフトウェア及びハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形態をとり得る。更に、本発明の態様は、それ上で具体化されたコンピュータ実行可能コードを有する1つ又は複数のコンピュータ可読媒体において具体化されたコンピュータプログラムプロダクトの形態をとり得る。
【0007】
1つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読ストレージ媒体でもよい。本明細書で使用される「コンピュータ可読ストレージ媒体」は、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行可能な命令を保存することができる任意の有形ストレージ媒体を包含する。コンピュータ可読ストレージ媒体は、コンピュータ可読非一時的ストレージ媒体と称される場合もある。コンピュータ可読ストレージ媒体は、また、有形コンピュータ可読媒体と称される場合もある。一部の実施形態では、コンピュータ可読ストレージ媒体は、また、コンピューティングデバイスのプロセッサによってアクセスされることが可能なデータを保存可能であってもよい。コンピュータ可読ストレージ媒体の例は、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ハードディスクドライブ、半導体ハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、光ディスク、磁気光学ディスク、及びプロセッサのレジスタファイルを含むが、これらに限定されない。光ディスクの例は、例えば、CD−ROM、CD−RW、CD−R、DVD−ROM、DVD−RW、又はDVD−Rディスクといったコンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)を含む。コンピュータ可読ストレージ媒体という用語は、ネットワーク又は通信リンクを介してコンピュータデバイスによってアクセスされることが可能な様々な種類の記録媒体も指す。例えば、データは、モデムによって、インターネットによって、又はローカルエリアネットワークによって読み出されてもよい。コンピュータ可読媒体上で具体化されたコンピュータ実行可能コードは、限定されることはないが、無線、有線、光ファイバケーブル、RF等を含む任意の適切な媒体、又は上記の任意の適切な組み合わせを用いて送信されてもよい。
【0008】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドにおいて又は搬送波の一部として内部で具体化されたコンピュータ実行可能コードを備えた伝搬データ信号を含んでもよい。このような伝搬信号は、限定されることはないが、電磁気、光学的、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含む様々な形態の何れかをとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではない及び命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって又はそれと関連して使用するためのプログラムを通信、伝搬、又は輸送できる任意のコンピュータ可読媒体でもよい。
【0009】
「コンピュータメモリ」又は「メモリ」は、コンピュータ可読ストレージ媒体の一例である。コンピュータメモリは、プロセッサに直接アクセス可能な任意のメモリである。「コンピュータストレージ」又は「ストレージ」は、コンピュータ可読ストレージ媒体の更なる一例である。コンピュータストレージは、任意の不揮発性コンピュータ可読ストレージ媒体である。一部の実施形態では、コンピュータストレージは、コンピュータメモリであってもよい又はその逆でもよい。
【0010】
本明細書で使用される「プロセッサ」は、プログラム、機械実行可能命令、又はコンピュータ実行可能コードを実行可能な電子コンポーネントを包含する。「プロセッサ」を含むコンピューティングデバイスへの言及は、場合により、2つ以上のプロセッサ又は処理コアを含むと解釈されるべきである。プロセッサは、例えばマルチコアプロセッサでもよい。プロセッサは、単一のコンピュータシステム内の又は複数のコンピュータシステム間で分配された一群のプロセッサも指し得る。コンピューティングデバイスという用語は、場合により、各々が1つ又は複数のプロセッサを含むコンピューティングデバイスの一群又はネットワークを指すとも解釈されるべきである。コンピュータ実行可能コードは、同じコンピューティングデバイス内に存在し得る又は複数のコンピューティングデバイスに分配され得る複数のプロセッサによって実行されてもよい。
【0011】
コンピュータ実行可能コードは、本発明の態様をプロセッサに行わせる機械実行可能命令又はプログラムを含んでもよい。本発明の態様に関する動作を実施するためのコンピュータ実行可能コードは、Java(登録商標)、Smalltalk、又はC++等のオブジェクト指向プログラミング言語及び「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語等の従来の手続きプログラミング言語を含む1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい並びに機械実行可能命令にコンパイルされてもよい。場合によっては、コンピュータ実行可能コードは、高水準言語の形態又は事前コンパイル形態でもよい及び臨機応変に機械実行可能命令を生成するインタプリタと共に使用されてもよい。
【0012】
コンピュータ実行可能コードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアローンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で及び部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行することができる。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを通してユーザのコンピュータに接続されてもよい、又はこの接続は外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用したインターネットを通して)行われてもよい。
【0013】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータプログラムプロダクトのフローチャート、図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート、図、及び/又はブロック図の各ブロック又は複数のブロックの一部は、適用できる場合、コンピュータ実行可能コードの形態のコンピュータプログラム命令によって実施され得ることが理解されるだろう。相互排他的でなければ、異なるフローチャート、図、及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせが組み合わせられてもよいことが更に理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令がフローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/行ためを実施するための手段を生じさせるように機械を作るために、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサへ提供されてもよい。
【0014】
これらのコンピュータプログラム命令は、また、コンピュータ可読媒体に保存された命令がフローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/行ためを実施する命令を含む製品を作るように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイスにある特定の方法で機能するように命令することができるコンピュータ可読媒体に保存されてもよい。
【0015】
コンピュータプログラム命令は、また、コンピュータ又は他のプログラム可能装置上で実行する命令がフローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/行ためを実施するためのプロセスを提供するようにコンピュータ実施プロセスを生じさせるために、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能装置又は他のデバイス上で行わせるために、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイス上にロードされてもよい。本明細書で使用される「ユーザインタフェース」は、ユーザ又はオペレータがコンピュータ又はコンピュータシステムとインタラクトすることを可能にするインタフェースである。「ユーザインタフェース」は、「ヒューマンインタフェースデバイス」と称される場合もある。ユーザインタフェースは、情報若しくはデータをオペレータに提供することができる及び/又は情報若しくはデータをオペレータから受信することができる。ユーザインタフェースは、オペレータからの入力がコンピュータによって受信されることを可能にしてもよい及びコンピュータからユーザへ出力を提供してもよい。つまり、ユーザインタフェースは、オペレータがコンピュータを制御する又は操作することを可能にすることができ、ユーザインタフェースは、コンピュータがオペレータの制御又は操作の結果を示すことを可能にすることができる。ディスプレイ又はグラフィカルユーザインタフェース上のデータ又は情報の表示は、情報をオペレータに提供する一例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィックスタブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカメラ、ヘッドセット、ギアスティック、ハンドル、ペダル、ワイヤードグローブ、ダンスパッド、リモートコントロール、及び加速度計によるデータの受信は、全てオペレータからの情報又はデータの受信を可能にするユーザインタフェースコンポーネントの例である。
【0016】
本明細書で使用される「ハードウェアインタフェース」は、コンピュータシステムのプロセッサが外部コンピューティングデバイス及び/又は装置とインタラクトする及び/又はそれを制御することを可能にするインタフェースを包含する。ハードウェアインタフェースは、プロセッサが外部コンピューティングデバイス及び/又は装置へ制御信号又は命令を送ることを可能にしてもよい。ハードウェアインタフェースは、また、プロセッサが外部コンピューティングデバイス及び/又は装置とデータを交換することを可能にしてもよい。ハードウェアインタフェースの例は、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS−232ポート、IEEE488ポート、ブルートゥース接続、無線LAN接続、TCP/IP接続、イーサネット(登録商標)接続、制御電圧インタフェース、MIDIインタフェース、アナログ入力インタフェース、及びデジタル入力インタフェースを含むが、これらに限定されない。
【0017】
本明細書で使用される「ディスプレイ」又は「ディスプレイデバイス」は、画像又はデータを表示するために構成された出力デバイス又はユーザインタフェースを包含する。ディスプレイは、視覚、音声、及び/又は触覚データを出力してもよい。ディスプレイの例は、コンピュータモニタ、テレビスクリーン、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字スクリーン、陰極線管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクターディスプレイ、平面パネルディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネッセントディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、及びヘッドマウントディスプレイを含むが、これらに限定されない。
【0018】
磁気共鳴(MR)データは、本明細書においては、磁気共鳴イメージングスキャン中に磁気共鳴装置のアンテナによって原子スピンにより発せられた無線周波信号の記録された測定として定義される。磁気共鳴イメージング(MRI)画像は、本明細書においては、磁気共鳴イメージングデータ内に含まれる解剖学的データの
再構成された2次元又は3次元可視化として定義される。この可視化は、コンピュータを使用して行うことができる。
【0019】
本明細書で使用される「パルスシーケンス」は、ある特定のイメージングプロトコルを行うために磁気共鳴イメージングシステムを制御するために使用される1組のシーケンシャルコマンドを包含する。音響放射力イメージングパルスシーケンスは、超音波パルスによって引き起こされる変位のマップを作成するために使用することができる磁気共鳴データを磁気共鳴イメージングシステムが取得することを可能にするパルスシーケンスである。
【0020】
本明細書で使用される「容量性微細加工超音波トランスデューサ」(CMUT)は、微細加工技術を使用して製造された容量性超音波トランスデューサを包含する。微細加工技術は、薄膜製造技術であり、一般的にそれらは、集積回路の製造に使用されるものと同一又は類似したプロセスを使用して行われる。
【0021】
最近の発展は、医療超音波トランスデューサを半導体プロセスによって製造することができるという見通しをもたらした。これらのプロセスは、CMOSプロセス等の超音波プローブによって必要とされる回路網を作るために使用されるものと同じでもよい。これらの発展は、微細加工超音波トランスデューサ又はMUTを作り出した。MUTは、2つの設計手法、1つは圧電特性を有する半導体層を使用したもの(PMUT)及びもう1つは容量効果を示す電極板を備えたダイヤフラム及び基板を使用したもの(CMUT)で製造されている。CMUTトランスデューサは、受信した超音波信号の音振動を変調静電容量に変換する電極を備えた極めて小さなダイヤフラム状デバイスである。送信のために、電極に印加される容量電荷が変調されて、デバイスのダイヤフラムを振動させ、それによって音波を送信する。
【0022】
これらのデバイスは、半導体プロセスによって製造されるので、デバイスは、一般に、10〜200ミクロン範囲の寸法を有するが、300〜500ミクロンのデバイス直径にまで及び得る。多くのこのような個々のCMUTは、共に接続され単一のトランスデューサ素子として調和して動作することができる。例えば、4〜16のCMUTが共に連結されて、単一のトランスデューサ素子として調和して機能することができる。一般的な2次元トランスデューサアレイは、現在、2000〜3000の圧電トランスデューサ素子を有し得る。CMUTアレイとして製造される場合、100万を超えるCMUTセルが使用され得る。意外にも、初期の結果は、半導体製造工場からのこのサイズのCMUTアレイの歩留まりが、数千のトランスデューサ素子のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)アレイの歩留まりよりも著しく改善されるはずであることを示している。
【0023】
ある態様では、本発明は、被検者から磁気共鳴データを取得する磁気共鳴イメージングシステムを含む医療装置を提供する。医療装置は、超音波アレイを備えたカテーテルに接続するよう動作可能である超音波システムを更に含む。超音波システムは、超音波アレイを駆動するよう動作可能である。本明細書で使用される超音波アレイの駆動は、超音波アレイが超音波を生成できるように、それに電力を供給することを包含する。医療装置は、機械実行可能命令を保存するためのメモリを更に含む。医療装置は、医療装置を制御するためのプロセッサを更に含む。機械実行可能命令の実行は、プロセッサに、ターゲットゾーンの位置において超音波システムによって少なくとも1つの音響放射インパルスを生成するように超音波システムを制御させる。生成された超音波は、所定のレベルを下回る。所定のレベルは、生成された超音波エネルギーが被検者内で局所的に損傷を生じさせないように選択することができる。
【0024】
例えば、所定のレベルは、ターゲットゾーンにおける又はターゲットゾーンの周囲付近の被検者の加熱が組織の壊死を生じさせないように設定されてもよい。機械実行可能命令の実行は、更に、少なくとも部分的な少なくとも1つの音響放射インパルスの生成中に、パルスシーケンスを用いて磁気共鳴イメージングシステムを制御することによって磁気共鳴データをプロセッサに取得させる。パルスシーケンスは、音響放射力イメージングパルスシーケンスである。機械実行可能命令の実行は、更に、磁気共鳴データを使用して少なくとも1つの音響放射力パルス画像をプロセッサに
再構成させる。機械実行可能命令の実行は、更に、少なくとも部分的に少なくとも1つの音響放射力パルス画像を用いてカテーテルのエネルギー堆積ゾーンをプロセッサに決定させる。
【0025】
この実施形態は、音響放射力イメージング(又は音響放射力インパルスイメージングとしても知られる)を用いてエネルギー堆積がカテーテルによって何処で行われるかの決定を非常に迅速に及び非常に効率的に行うことができるという利点を有することができる。
【0026】
音響放射力インパルスイメージングは、超音波を焦点に指向させるトランスデューサアレイを用いた集束超音波パルスを使用して適用される。音響放射力イメージングから作成された画像は、一般的に、剛性加重がなされていて局所機械組織特性に関する情報を提供するために使用される。この実施形態では、類似の技術が使用されるが、高密度焦点式超音波システムを用いたものではなく、カテーテルの使用を用いたものである。その性質上、カテーテルは、必ずしも超音波を焦点に指向させない。この課題は、超音波療法にカテーテルを使用することである。音響放射力イメージングを使用して、超音波エネルギーが何処に行くかの全体的な分布を正確に予測することができる。カテーテルが使用される場合、超音波エネルギーは、最大又は焦点にだけではなく、被検者全体に分布され得る。音響放射力イメージングは、カテーテルからの基本的に非焦点の超音波が被検者内でより正確にターゲットにされる又は指向されることを可能にすることができる。磁気共鳴温度計測等の技術は、超音波をターゲットにするためにも使用され得るが、組織は、測定可能量加熱される必要がある。音響放射力イメージングは、それがより高速な結果を与えて最小限の加熱だけが生じる点で、磁気共鳴温度計測に勝る利点を有する。
【0027】
エネルギー堆積ゾーンの決定は、例えば、超音波によって生成された最大放射力が何処にあるかに注目することによって決定することができる。これは、例えば、テストパルスを行うよりも、より迅速及び正確な情報を生成することができる。この実施形態では、エネルギーは、例えばテストパルスによって検出されるために必要とされるよりもずっと低くなり得る。テストパルスを行う際には、減少させたエネルギーが使用され、温度の増加が注目され得る。本実施形態では、組織変位が、ずっと小さい超音波インパルスによって引き起こされ得る。これは、カテーテルのエネルギー堆積ゾーンの位置のより迅速又はより頻繁なテストを可能にし得る。これは、従来のテストパルスプロトコルを用いた場合よりも、カテーテルを使用してより正確なターゲティングを可能にし得る。
【0028】
別の実施形態では、カテーテルは複数の超音波素子を含む。複数の超音波素子の各々は、複数の周波数で超音波を生成するよう動作可能である。超音波システムは、複数の周波数で超音波を生成するように超音波素子の各々を制御するよう動作可能である。少なくとも1つの音響放射インパルスは、複数の周波数の少なくとも幾つかを使用して生成された超音波を有する複数のパルス又はインパルスを含む。命令の実行は、更に、少なくとも部分的な複数のパルス中に取得された磁気共鳴データを使用して複数の音響放射力パルス画像をプロセッサに
再構成させる。
【0029】
機械実行可能命令の実行は、更に、被検者内のターゲットゾーンを説明する治療計画をプロセッサに受信させる。エネルギー堆積ゾーンは、超音波素子によって生成される超音波周波数の関数として決定されてもよい。命令の実行は、更に、この周波数依存エネルギー堆積ゾーンを使用して超音波素子の各々に関する超音波処理周波数をプロセッサに決定させてもよい。
【0030】
カテーテルの構造に応じて、複数の超音波素子は、それが超音波を生成可能な幾つかの又はある範囲の周波数を有し得る。例えば、圧電素子が使用される場合、使用が実用的な控えめな数の周波数が存在し得る。所謂CMUT容量性微細加工超音波トランスデューサが使用される場合、周波数は、CMUTトランスデューサの構造によって決定される範囲内で自由に選択可能となり得る。この実施形態では、複数の周波数を使用して手順が繰り返され、その後、超音波がターゲットゾーンに指向されるように様々な超音波素子に対して周波数が選択される。
【0031】
この実施形態は、音響放射力イメージングを用いてエネルギー堆積ゾーンの決定を異なる周波数及び超音波素子の個々又はグループに対して行うことができるので、特に有利となり得る。多数のこのような画像は、非常に迅速に及び事実上組織を非常に加熱すること無く構築することができる。これは、例えば従来のテストパルスがサーマルイメージングと共に使用された場合に可能となるよりも、より精密なターゲットゾーンのターゲティングを可能にし得る。
【0032】
別の実施形態では、複数の超音波素子は、少なくとも1つの容量性微細加工超音波トランスデューサアレイを含む。アレイは、様々な方法で動作することができる。例えば、アレイは、容量性微細加工超音波トランスデューサの全てが同じ周波数で稼働される一部の実施形態において、単一の超音波素子として稼働されてもよい。他の実施形態では、周波数は、1つのCMUTアレイに亘って変えられてもよい。他の実施形態では、個々の容量性微細加工超音波トランスデューサによって生成される位相も制御され得る。これは、カテーテルを使用した、より正確又はより精密なターゲティングを可能にし得る。
【0033】
別の実施形態では、超音波システムは、少なくとも1つの容量性微細加工超音波トランスデューサの容量性素子に供給される電力の位相を制御することによって、少なくとも1つの容量性微細加工超音波トランスデューサアレイの焦点を調節するよう動作可能である。機械実行可能命令の実行は、エネルギー堆積ゾーンの位置を制御するように少なくとも1つの容量性微細加工超音波トランスデューサの容量性素子に供給される電力の位相をプロセッサに制御させる。この実施形態では、電力の位相及び周波数の制御も行われる。これは、ターゲットゾーンのターゲティングの形態を可能にし、カテーテルが操作される必要がある量を減少させることができる。
【0034】
別の実施形態では、複数の超音波素子は、圧電トランスデューサを含む。
【0035】
別の実施形態では、命令の実行は、更に、エネルギー堆積ゾーンにおいて所定の閾値を超える超音波を生成するように、超音波システムをプロセッサに制御させる。例えば、一旦エネルギー堆積ゾーンの位置が正確に分かると、組織を切除するため又は局所的に被検者の一部を加熱するためにカテーテルを使用することができる。
【0036】
別の実施形態では、超音波システムは、超音波アレイに供給される電力の位相を制御するよう動作可能である。機械実行可能命令の実行は、更に、ターゲットゾーンと一致するようにエネルギー堆積ゾーンの位置を変更するように複数の超音波トランスデューサ素子の位相をプロセッサに調節させる。
【0037】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行は、更に、少なくとも1つの音響放射力パルス画像を用いて、プロセッサにビーム路評価を行わせる。本明細書で使用されるビーム路は、トランスデューサとエネルギー堆積ゾーンとの間で超音波がとる経路を包含する。この実施形態は、音響放射力イメージングを用いてトランスデューサとエネルギー堆積ゾーンとの間で生成される超音波の強度を生成される変位によって正確に推定することができるので有益となり得る。これは、近接場加熱又は近接場における高強度超音波による被検者の表面の燃焼といった影響を回避するのに役立ち得る。
【0038】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行は、更に、被検者におけるエネルギー堆積ゾーンと所定のボリュームとの間の距離をプロセッサに決定させる。これは、例えば、システムを使用してテストショットを行うことと同等であると見なすことができる。エネルギー堆積ゾーンは、超音波処理中のエネルギーが行く可能性が高い場所であり、所定のボリュームは、被検者内でターゲットにされることが望まれるボリュームでもよい。これら2つの間の距離の決定は、医師又は他のオペレータがカテーテルを再配置することができる、又はエネルギー堆積ゾーンと所定のボリュームとの間の距離を減少させるためにカテーテル内で電気ターゲティングを変更することができるので、役立ち得る。
【0039】
別の実施形態では、医療装置は、カテーテルを含む。
【0040】
別の実施形態では、カテーテルは、経尿道カテーテルである。
【0041】
別の実施形態では、カテーテルは、間質カテーテルである。
【0042】
別の実施形態では、カテーテルは、食道カテーテルである。
【0043】
別の態様では、本発明は、医療装置の動作方法を提供する。医療装置は、被検者から磁気共鳴データを取得するための磁気共鳴イメージングシステムを含む。医療装置は、超音波アレイを備えたカテーテルに接続するよう動作可能な超音波システムを更に含む。超音波システムは、超音波アレイを駆動するよう動作可能である。この方法は、超音波システムによって少なくとも1つの音響放射インパルスを生成するように超音波システムを制御するステップを含む。生成された超音波エネルギーは、所定のレベルを下回る。
【0044】
この方法は、少なくとも部分的な少なくとも1つの音響放射インパルスの生成中に、パルスシーケンスを用いて磁気共鳴イメージングシステムを制御することによって磁気共鳴データを取得するステップを更に含む。パルスシーケンスは、音響放射力イメージングパルスシーケンスである。この方法は、磁気共鳴データを使用して少なくとも1つの音響放射力パルス画像を
再構成するステップを更に含む。この方法は、少なくとも部分的に少なくとも1つの音響放射力パルス画像を用いてカテーテルのエネルギー堆積ゾーンを決定することを更に含む。
【0045】
別の実施形態では、この方法は、被検者におけるエネルギー堆積ゾーンと所定のボリュームとの間の距離を決定するステップを更に含む。
【0046】
別の態様では、本発明は、医療装置を制御するプロセッサによる実行のための機械実行可能命令を含むコンピュータプログラムプロダクトを提供する。医療装置は、被検者から磁気共鳴データを取得するための磁気共鳴イメージングシステムを含む。医療装置は、超音波アレイを備えたカテーテルに接続するよう動作可能な超音波システムを更に含む。超音波システムは、超音波アレイを駆動するよう動作可能である。機械実行可能命令の実行は、超音波システムによって少なくとも1つの音響放射インパルスを生成するように超音波システムをプロセッサに制御させる。生成された超音波エネルギーは、所定のレベルを下回る。
【0047】
機械実行可能命令の実行は、更に、少なくとも部分的な少なくとも1つの音響放射インパルスの生成中に、パルスシーケンスを用いて磁気共鳴イメージングシステムを制御することによって磁気共鳴データをプロセッサに取得させる。パルスシーケンスは、音響放射力イメージングパルスシーケンスである。機械実行可能命令の実行は、更に、磁気共鳴データを使用して少なくとも1つの音響放射力パルス画像をプロセッサに
再構成させる。機械実行可能命令の実行は、更に、少なくとも部分的に少なくとも1つの音響放射力パルス画像を用いてカテーテルのエネルギー堆積ゾーンをプロセッサに決定させる。
【0048】
本発明の上記の実施形態の1つ又は複数は、組み合わせられた実施形態が相互排他的でない限り組み合わせられてもよいことが理解される。
【0049】
以下では、本発明の好適な実施形態が、単なる例として、図面を参照して説明される。