特許第6266781号(P6266781)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266781
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】移動端末及びその液体金属の放熱方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20180115BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   H04M1/02 C
   H05K7/20 M
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-535302(P2016-535302)
(86)(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公表番号】特表2016-530816(P2016-530816A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】CN2013086270
(87)【国際公開番号】WO2014166238
(87)【国際公開日】20141016
【審査請求日】2016年2月19日
(31)【優先権主張番号】201310368801.9
(32)【優先日】2013年8月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100101063
【弁理士】
【氏名又は名称】松丸 秀和
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ビン
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第102377847(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0160752(US,A1)
【文献】 特開2009−064810(JP,A)
【文献】 特開2003−332505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/29
23/34−23/36
23/373−23/427
23/44
23/467−23/473
H04M 1/00− 1/82
99/00
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末の内部又は外表面の温度が設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、前記設定温度を超えた高温領域に流れるように前記移動端末内に予め置かれた液体金属を制御し、放熱操作を行うために、前記設定温度より低い非高温領域に流れるように吸熱した後の液体金属を制御することを含み、
前記移動端末の内部又は外表面の温度が設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、前記設定温度を超えた高温領域に流れるように前記移動端末内に予め置かれた液体金属を制御することは、
前記移動端末の内部及び外表面の各領域の温度をリアルタイムに検出し、1つ又は複数の領域の温度が第一設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、前記移動端末内の初期領域から前記第一設定温度を超えた高温領域に流れるように前記液体金属を制御することを含み、
前記液体金属がフィルム又はシートの形で前記移動端末の初期領域にパッケージングされる移動端末の液体金属の放熱方法。
【請求項2】
前記移動端末の内部及び外表面の温度がいずれも前記設定温度より低くなるまで、前記吸熱操作及び前記放熱操作を繰り返して行うことを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記放熱操作を行うために、前記設定温度より低い非高温領域に流れるように吸熱した後の液体金属を制御することは、
吸熱した後の液体金属の温度が第二設定温度に高くなった場合、放熱操作を行うために、高温領域から前記第一設定温度より低い非高温領域に流れるように前記液体金属を制御することを含む請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記吸熱操作及び前記放熱操作を繰り返して行うことは、
確定された非高温領域に流れるように液体金属を制御して前記放熱操作を行った後、放熱した後の液体金属の温度が第三設定温度に低下した場合、前記第一設定温度を超えた高温領域に流れるように前記液体金属を制御することで、新たな一巡の吸熱操作、放熱操作を行うことを含む請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記液体金属は質量百分率75%のガリウムと質量百分率25%のインジウムとのガリウムインジウム合金を採用する請求項に記載の方法。
【請求項6】
液体金属及び制御ユニットを備え、
前記液体金属は移動端末内に予め置かれ、
前記制御ユニットは、該移動端末の内部又は外表面の温度が設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、前記設定温度を超えた高温領域に流れるように前記液体金属を制御し、放熱操作を行うために、前記設定温度より低い非高温領域に流れるように吸熱した後の液体金属を制御するように設定され
該移動端末の内部又は外表面の温度が設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、前記設定温度を超えた高温領域に流れるように前記液体金属を制御することは、
前記移動端末の内部及び外表面の各領域の温度をリアルタイムに検出し、1つ又は複数の領域の温度が第一設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、前記移動端末内の初期領域から前記第一設定温度を超えた高温領域に流れるように前記液体金属を制御することを含み、
前記液体金属がフィルム又はシートの形で前記移動端末の初期領域にパッケージングされる移動端末。
【請求項7】
前記制御ユニットは更に、該移動端末の内部及び外表面の温度がいずれも前記設定温度より低くなるまで、前記吸熱操作及び前記放熱操作を繰り返して行うように前記液体金属を制御するように設定される請求項に記載の移動端末。
【請求項8】
前記液体金属は質量百分率75%のガリウムと質量百分率25%のインジウムとのガリウムインジウム合金を採用する請求項に記載の移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動通信分野に関し、特に移動端末及びその液体金属の放熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術が急速に発展している今、移動端末装置は人々の連絡に対して必須の通信ツールになり、データカード、フィーチャーフォンひいてはスマートフォン等が挙げられる。スマートフォンを例として、現在のスマートフォンのクロック周波数がますます高くなり、機能構成がますます複雑になり、消費電力もますます高くなり、従って携帯電話の発熱も大きくなり、例えば、電池発熱は最も一般的な現象であり、電池発熱によって、電池が膨らみ、電池の耐用年数を縮め、他の携帯電話部品を発熱させ、システムが正常に動作できなく又は再起動する等の故障をもたらし、ひいては、深刻な電池発熱が電池爆発による人身被害等の事件を及ぼし、これは人々に警告を与える。携帯電話で通話する時、及び大量の無線データサービスを処理する時、携帯電話の無線周波数部品の動作電力が大きく、熱量も非常に大きく、その大量の熱が携帯電話の他の箇所に伝達され、システムの異常をもたらし、クロック周波数が高いシングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサは、サービス、例えばマルチメディアサービスを大量処理する時、大量の熱を放ち、その影響も上記危害と同じであり、システム異常をもたらし、ひいては装置の破損をもたらす。
【0003】
従来、放熱問題に対して、電子業界では研究して応用することがあるが、ノートパソコンは放熱ファン及び放熱板を採用して処理し、しかしながら、移動端末装置はその小型化、ポータブル化、及び軽薄化の特徴を有するため、ノートパソコン上の放熱手段を採用して施すことができず、高性能を持つとともに放熱の悩みを取り除く移動端末は人々の理想的な製品であり、このように、ユーザ体験を大幅に向上させ、高性能移動端末の普及及びキ「展を促進する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、関連技術での放熱効率が低く、高性能移動端末の高温領域をタイムリーで迅速かつ効率的に降温することができないという問題を解決するための移動端末及びその液体金属の放熱方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例は移動端末の液体金属の放熱方法を提供しており、該方法は、
移動端末の内部又は外表面の温度が設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、設定温度を超えた高温領域に流れるように前記移動端末内に予め置かれた液体金属を制御し、放熱操作を行うために、設定温度より低い非高温領域に流れるように吸熱した後の液体金属を制御することを含む。
【0006】
選択的に、上記方法は、前記移動端末の内部及び外表面の温度がいずれも設定温度より低くなるまで、前記吸熱操作及び放熱操作を繰り返して行うことを更に含む。
【0007】
選択的に、移動端末の内部又は外表面の温度が設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、設定温度を超えた高温領域に流れるように前記移動端末内に予め置かれた液体金属を制御することは、
前記移動端末の内部及び外表面の各領域の温度をリアルタイムに検出し、1つ又は複数の領域の温度が第一設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、前記移動端末内の初期領域から第一設定温度を超えた高温領域に流れるように液体金属を制御することを含む。
【0008】
選択的に、放熱操作を行うために、設定温度より低い非高温領域に流れるように吸熱した後の液体金属を制御することは、
吸熱した後の液体金属の温度が第二設定温度に高くなった場合、放熱操作を行うために、高温領域から第一設定温度より低い非高温領域に流れるように前記液体金属を制御することを含む。
【0009】
選択的に、前記吸熱操作及び放熱操作を繰り返して行うことは、
確定された非高温領域に流れるように液体金属を制御して放熱操作を行った後、放熱した後の液体金属の温度が第三設定温度に低下した場合、第一設定温度を超えた高温領域に流れるように液体金属を制御することで、新たな一巡の吸熱操作、放熱操作を行うこと、を含む。
【0010】
選択的に、前記液体金属はフィルム又はシートの形で前記移動端末の初期領域にパッケージングされる。
【0011】
選択的に、前記液体金属は質量百分率75%のガリウムと質量百分率25%のインジウムとのガリウムインジウム合金を採用する。
【0012】
本発明の実施例は液体金属及び制御ユニットを備える移動端末を更に提供しており、
前記液体金属は移動端末内に予め置かれ、
前記制御ユニットは、該移動端末の内部又は外表面の温度が設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、設定温度を超えた高温領域に流れるように前記液体金属を制御し、放熱操作を行うために、設定温度より低い非高温領域に流れるように吸熱した後の液体金属を制御するように設定される。
【0013】
選択的に、前記制御ユニットは更に、該移動端末の内部及び外表面の温度がいずれも設定温度より低くなるまで、前記吸熱操作及び放熱操作を繰り返して行うように前記液体金属を制御するように設定される。
【0014】
選択的に、前記液体金属はフィルム又はシートの形で該移動端末の初期領域にパッケージングされる。
【0015】
選択的に、前記液体金属は質量百分率75%のガリウムと質量百分率25%のインジウムとのガリウムインジウム合金を採用する。
【発明の効果】
【0016】
本願の技術的解決手段では、高性能の移動端末装置の電池、チップ等の部品が発生した熱の放熱問題を効果的に解決する。本願の技術的解決手段によれば、移動端末の発展に新たな方向性やアイデアを提示する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の実施例1に係る移動端末の液体金属の放熱方法のフローチャートである。
図2図2は本発明の実施例2に係る移動端末の構造図である。
図3a図3aは本発明の実施例に係る液体金属放熱を端末(携帯電話を例とする)のマザーボード及び電池収納領域のレイアウトに適用する模式図である。
図3b図3bは本発明の実施例に係る液体金属放熱を端末(携帯電話を例とする)のマザーボード及び電池収納領域のレイアウトに適用する模式図である。
図4図4は本発明の実施例に係る液体金属放熱を端末(携帯電話を例とする)の裏面のリアカバー領域に適用する模式図である。
図5図5は本発明の実施例に係る基板とマイクロセルユニットの模式図である。
図6図6は本発明の実施例に係る液体金属が流れる模式図である。
図7図7は本発明の応用実例に提案された移動端末装置の液体金属放熱作動のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例の技術的解決手段を詳細に説明する。なお、衝突がない場合、本願における実施例及び実施例における特徴は互いに任意に組み合せることができる。
【0019】
<実施例1>
本実施例は移動端末の液体金属の放熱方法を提供しており、図1に示すように、該方法はステップ101〜ステップ102を含む。
【0020】
ステップ101:移動端末の内部又は外表面の温度が設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、設定温度を超えた高温領域に流れるように前記移動端末内に予め置かれた液体金属を制御し、放熱操作を行うために、設定温度より低い非高温領域に流れるように吸熱した後の液体金属を制御する。
【0021】
そのうち、移動端末内に予め置かれた液体金属は、熱伝達性能が高く、表面張力が低く、常温で液体である等の特性を有し、フィルム又はシートの形で移動端末の初期領域にパッケージングされることができる。液体金属はガリウムインジウム合金(質量百分率75%のガリウム及び質量百分率25%のインジウム)を採用してもよい。
【0022】
ステップ102:移動端末の内部及び外表面の温度がいずれも設定温度より低くなるまで、上記吸熱操作及び放熱操作を行う。
【0023】
この場合、該過程は、
移動端末の内部及び外表面の各領域の温度をリアルタイムに検出すること、
1つ又は複数の領域の温度が第一設定温度を超えた場合、移動端末の高温領域及び非高温領域を確定すること、
初期領域から確定された高温領域に流れるように液体金属を制御して吸熱を行い、高温領域の液体金属の温度が高くなってから、確定された非高温領域に流れるように前記液体金属を更に制御して放熱を行い、且つ、移動端末のすべての領域の温度がいずれも第一設定値以下まで低下したまで、吸熱、放熱操作を繰り返して行い、初期領域に流れるように前記液体金属を制御すること、という操作を含む。
【0024】
そのうち、液体金属が高温領域で吸熱を行った後、液体金属の温度が第二設定温度まで高くなる場合、確定された非高温領域に流れるように液体金属を制御して放熱操作を行うことができる。
【0025】
放熱した後の液体金属の温度が第三設定温度に低下した場合、高温領域に流れるように液体金属を再び制御して、次の一巡の吸熱、放熱操作を行うことができる。
【0026】
なお、移動端末の内部及び外表面の各領域の温度をリアルタイムに検出した後、移動端末の非高温領域では低温領域を確定することができ、このように、放熱操作を行う時、放熱効率を向上させるために、確定された低温領域に流れるように液体金属を制御することができる。
【0027】
<実施例2>
本実施例は移動端末を提供しており、図2に示すように、該移動端末は少なくとも液体金属21及び制御ユニット22を備える。以下、各部分の作動原理を説明する。
【0028】
液体金属21は移動端末内に予め置かれ、
なお、選択された液体金属は、熱伝達性能が高く、表面張力が低く、常温で液体である等の特性を有し、液体金属はガリウムインジウム合金(質量百分率75%のガリウム及び質量百分率25%のインジウム)を採用してもよい。
【0029】
制御ユニット22は、該移動端末の内部又は外表面の温度が設定温度を超えた場合、吸熱操作を行うために、設定温度を超えた高温領域に流れるように上記液体金属を制御し、放熱操作を行うために、設定温度より低い非高温領域に流れるように吸熱した後の液体金属を制御することに用いられる。
【0030】
そのうち、上記制御ユニット22は、該移動端末の内部及び外表面の温度がいずれも設定温度より低くなるまで、吸熱及び放熱操作を繰り返して行うように液体金属21を制御することができる。
【0031】
上記移動端末の構造によれば、好適な実施例は温度検出ユニットが追加された移動端末を提案する。
【0032】
温度検出ユニットは、移動端末のマザーボード又は機械構成要素及びシールドの表面又は内部にレイアウトされてもよく、端末装置の内部及び外表面の各領域の温度を検出しやすくするように、複数の温度センサを主な高温検出領域及び他の非高温領域にレイアウトし、
液体金属はフィルムの形又はシートの形(液体金属のパッケージング方式は複数種であってよく、移動端末の造形形態に係り、これに限定されない)でパッケージングされた後、且つ制御ユニットと協働し、液体金属放熱フィン(フィルム)は移動端末のシステムメインボード、機械構成要素等に被覆され、発熱領域(すなわち、液体金属が移動端末での初期領域にある)に近接し、
制御ユニットは、端末のある領域又はいくつの領域の発熱温度が高すぎ(移動端末の実際の状況に応じて赤線温度値を設定してもよい)、設定された赤線温度(すなわち、第一設定温度)を超えたと検出した場合、温度検出システムは警報を発し、起動して作動するように制御ユニットに通知し、高温領域及び非高温領域の座標範囲を通報し、このように制御ユニットは温度の高い領域(すなわち、高温領域)に流れるように液体金属を制御し、高温領域の液体金属の温度が高くなってから、低温領域に流れて温度を低減させて放熱するように液体金属を更に制御する。そのうち、低温領域は高温領域以外の非高温領域から選択されたものであり、このように、温度を低減させて放熱する必要がある液体金属にとって、低温領域の温度が他の領域の温度より低く、より降温に適する。
【0033】
金属は熱伝達性能が高く、且つ流動性を有するため、迅速に降温の目的に達することができ、温度が正常になるまで、以上のことを繰り返して操作し、制御ユニットが作動を停止する。明らかに、最適な解決手段は温度検出機能を持ち、制御ユニットと協働してアダプティブインテリジェントにホットスポット領域に向け降温する機能を実現する。
【0034】
<応用実例>
実際の応用において、上記移動端末における液体金属は、フレキシブル基板とともに液体金属放熱フィン(フィルム)を構成する必要がある。そのうち、フレキシブル基板は伸縮性、柔軟性、及び可変形性などの特徴を有する必要もあり(ポリジメチルシロキサン基板を選択してもよい)、携帯電話の機械構成要素とともに共形体に作製しやすく、図3aと図3b及び図4に示すように、液体アンテナが移動端末(携帯電話を例とする説明する)のマザーボード表面及び裏面リアカバー領域にそれぞれ適用される。
【0035】
そのうち、長方形のポリジメチルシロキサン基板のマイクロセルユニットは、図5に示すように、その内部ではM*N個のマイクロセルユニットがエッチングされ、各セルユニットの間にマイクロ孔を介して互いに接続され、M行、N列のマイクロ流体通路が形成される。液体金属のガリウムインジウム合金はマイクロ流体通路で自在に流れてもよく、制御装置の制御に応じて流れてもよく、対応するセルユニットを充填することによりランダム又は固定の形状を形成する。図6に示すように、液体金属は所定の規則に従って基板内のマイクロセルユニットを充填し、特定又は非特定形状の液体放熱有効領域を形成する。
【0036】
【0037】
【0038】
高温領域にしばらく滞在した後、液体金属は温度が高くなり、温度検出システムは高温領域を検出するとともに低温領域を与え、温度が高くなった液体金属は低温領域に流れ、このように循環し、放熱降温の作用に達する。
【0039】
アダプティブインテリジェント液体金属の放熱作動のフローチャートは図7に示される。該プロセスは、
移動端末を起動するステップ701、
温度検出ユニットと液体金属の制御ユニットを起動するステップ702、
温度検出ユニットが温度検出を行い、赤線温度を超えた領域があるかどうかを検出し、あると、ステップ703に移行し、ないと、ステップ712に移行するステップ703、
赤線温度を超えるステップ704、
温度検出システムが高温ホットスポット領域の座標範囲を検出するステップ705、
温度検出システムが低温領域を検出するステップ706、
ターゲット領域に流れるように液体金属を制御するように制御ユニットに通知するステップ707、
液体金属が高温領域でしばらく滞在した後、温度が高くなり、低温領域に流れて温度を低減させ、このように循環するステップ708、
他の領域の温度が異常であることを発見したと、ステップ707に戻るステップ709、
温度検出ユニットは温度が正常であると検出したステップ710、
制御ユニットが作動を停止するステップ711、
赤線温度を超えていないステップ712、
温度検出ユニットが続いて温度検出を行い、この時、制御ユニットが作動しないステップ713、
温度検出の循環状態を保持するステップ714、を含む。
【0040】
上記実施例から分かるように、本願の技術的解決手段は従来の採用した方法に比べて、以下の利点を有する。
【0041】
本願の技術的解決手段で採用した流動液体金属放熱は、熱を温度の低い領域に迅速に移すことができ、従来の既存の、例えばグラファイト粉末の固定伝導放熱等の方式に比べて、放熱効率が数倍向上し、効果がファン放熱に匹敵することができ、
本願の技術的解決手段ではアダプティブインテリジェント消防式放熱を行うことができ、マザーボード又は付属機械構成要素及びシールドでの温度検出システムにより、温度最高値を検出した後、命令を出すように液体金属制御システムに通知し、液体金属をホットスポットに流して吸熱させる。
【0042】
当業者は、上記方法における全部又は一部のステップをプログラムによって関連ハードウェアに命令を出して完成させることができ、前記プログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えば読取り専用メモリ、ディスク又は光ディスク等に記憶してもよいと理解することができる。選択肢として、上記実施例の全部又は一部のステップが1つ又は複数のICにより実現されてもよい。それに対応して、上記実施例における各モジュール/ユニットはハードウェアの形式で実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現されてもよい。本願の実施例はいかなる特定形式のハードウェアとソフトウェアの組合せに限らない。
【0043】
以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。本発明の実施例の趣旨及び原則内に行ったいかなる変更、等価置換、改良等は、いずれも本発明の特許請求の範囲内に属すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の実施例の技術的解決手段では、高性能の移動端末装置の電池、チップ等の部品が発生した熱の放熱問題を効果的に解決するとともに、移動端末の発展に新たな方向性やアイデアを提示する。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7