特許第6266783号(P6266783)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266783
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】パーソナル衛生用具
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/28 20060101AFI20180115BHJP
   A61C 17/36 20060101ALI20180115BHJP
   A61C 17/22 20060101ALI20180115BHJP
   A61C 17/26 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   A61C17/28
   A61C17/36 A
   A61C17/22
   A61C17/26
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-536947(P2016-536947)
(86)(22)【出願日】2014年12月8日
(65)【公表番号】特表2016-539708(P2016-539708A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(86)【国際出願番号】IB2014066701
(87)【国際公開番号】WO2015097579
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2016年6月6日
(31)【優先権主張番号】61/920,476
(32)【優先日】2013年12月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】スベン、アレクサンダー、フランク
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー、フランツ、ドール
(72)【発明者】
【氏名】ローベルト、フロリアン、シュッツ
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−534209(JP,A)
【文献】 米国特許第06622333(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0308994(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/22−40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナル衛生用具(10、1010)であって、
(a)第1の縦軸(L1)に沿って延在する心棒(100、1100)と、
(b)可動機能性要素(200、1200)であって、
(i)第1の側面(212)と、対向する第2の側面(214)とを、備えるベース(210)と、
(ii)前記ベース(210)の前記第1の側面(212)から延在する第1の柱(220)であって、排出用貫通孔(224)と流体連通しているピストンチャンバ(222、1222)を備える、第1の柱(220)と、
(iii)前記ベース(210)の前記第2の側面(214)から延在する少なくとも1つの清浄化要素(240)と、
を含む、可動機能性要素と、
(c)前記第1の縦軸(L1)に直交して延在するピストン(310、1310)を含む固定要素(300、1300)と、
を備え、
前記可動機能性要素(200、1200)は、前記心棒(100、1100)の周りに回転可能に揺動することが可能であり、前記ピストンチャンバ(222、1222)は、前記ピストン(310、1310)に係合してポンプを形成する、パーソナル衛生用具。
【請求項2】
前記清浄化要素が、ブラシ毛束、エラストマー要素、可動に取付けられたプラスチック要素、舌清浄化構造体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)。
【請求項3】
前記可動機能性要素(200、1200)が、前記ベース(210)の前記第1の側面(212)から突出する第2の柱(250)であって、ブリッジ(260)を介して前記第1の柱(220)に接続し、前記可動機能性要素(200、1200)の内部の開口部(270)を画定する、第2の柱を更に具備し、
前記固定要素(300、1300)が、前記開口部(270)を貫通して少なくとも部分的に延在し、前記心棒(100、1100)が第1の端(110)と対向する第2の端(120)とを有し、前記心棒(100、1100)が前記可動機能性要素(200、1200)を貫通して延在し、前記心棒(100、1100)の前記第1の端(110)が前記第1の側面(212)に固定されており、前記心棒(100、1100)の前記第2の端(120)が前記ブリッジ(260)に固定されている、請求項1又は2に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)。
【請求項4】
ヘッド空洞(415)を有するヘッドセクション(410)を備えたハウジング(400、1400)を更に具備し、前記ヘッド空洞(415)の内側に前記固定要素(300、1300)が固定されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)。
【請求項5】
前記ハウジング(400、1400)が、前記ヘッドセクション(410)に接続しているネックセクション(420)を更に具備し、前記ネックセクション(420)がネック空洞(425、1425)を含み、
前記固定要素(1300)が、前記ピストンチャンバ(1222)と流体連通している出口端(1352)と、前記ネック空洞(1425)内に収容されたリザーバ(1600)と流体連通している入口端(1354)と、を有する導管(1350)を含む、請求項4に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)。
【請求項6】
前記ハウジング(400、1400)が、前記ヘッドセクション(410)に接続しているネックセクション(420)を更に具備し、前記ネックセクション(420)がネック空洞(425、1425)を含み、
前記パーソナル衛生用具(10、1010)が、前記ネック空洞(425、1425)を貫通して前記ヘッド空洞(415)内へと延在するシャフト要素(500、1500)を更に具備し、
前記可動機能性要素(200、1200)が、前記シャフト要素(500、1500)を受容するシャフト空洞(252)を有し、前記シャフト空洞(252)が前記ブリッジ(260)又は第2の柱(250)のうちの少なくとも一部分に延在し、また、運用中に前記シャフト要素(500、1500)が駆動ユニットに係合して前記可動機能性要素(200、1200)を前記心棒(100、1100)の周りに回転可能に揺動させる、請求項4に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)。
【請求項7】
前記ピストンチャンバ(222、1222)と流体連通して配設されたフィルタ(234)を更に具備し、
入口(232)が、前記第2の側面(214)に設けられ、かつ前記ピストンチャンバ(222、1222)と流体連通しており、しかも前記フィルタ(234)が前記入口(232)の上流に配設されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)。
【請求項8】
前記ピストンチャンバ(222、1222)と流体連通して配設された金属材料を更に具備し、前記金属材料が、銀、銅、金、ロジウム、白金、パラジウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)。
【請求項9】
前記ピストンチャンバ(222、1222)の体積が1mm3〜30mm3である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)。
【請求項10】
出口(230)が、前記ベース(210)の前記第2の側面(214)に設けてあり、かつ0.1mm2〜4mm2の断面積を有し、しかも前記ピストンチャンバ(222)が前記排出用貫通孔(224)経由で前記出口(230)に流体連通している、請求項1〜9のいずれか一項に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)。
【請求項11】
少なくとも1つの清浄化要素(240)が中空チューブ(242)を具備し、前記出口(230)が前記中空チューブ(242)に通じている、請求項1〜10のいずれか一項に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)。
【請求項12】
前記可動機能性要素(200、1200)が前記心棒(100、1100)の周りに10度〜60度の回転自由度を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)。
【請求項13】
パーソナル衛生用具であって、
(a)第1の縦軸に沿って延在する心棒と、
(b)可動機能性要素であって、
(i)第1の側面と対向する第2の側面とを備えるベースと、
(ii)前記ベースの前記第1の側面から延在する第1の柱であって前記第1の縦軸に直交して延在するピストンを備える、第1の柱と、
(iii)前記ベースの前記第2の側面から延在する少なくとも1つの清浄化要素と、
を含む、可動機能性要素と、
(c)排出用貫通孔と流体連通しているピストンチャンバを含む固定要素と、
を具備し、
前記可動機能性要素は、前記心棒の周りに回転可能に揺動することが可能であり、前記ピストンが前記ピストンチャンバに係合してポンプを形成する、パーソナル衛生用具。
【請求項14】
ハンドル(20)と、請求項1又は13に記載のパーソナル衛生用具(10、1010)とを具備し、前記ハンドル(20)に対し取り外し可能に又は取り外し不可能に取付けされるパーソナル衛生デバイス(1)であって、前記ハンドル(20)が、運用中に前記心棒(100、1100)の周りに回転可能に揺動する前記可動機能性要素(200、1200)を駆動するように配置された駆動ユニットを備える、パーソナル衛生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプを備えたパーソナル衛生用具に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナル衛生デバイスは、歯ブラシ及び口腔洗浄器などの口腔用に特に設計されたものであり、当該技術において周知である。歯ブラシは一般的に、房状ブラシ毛が取付けられたヘッドセクションと、使用者が握れるように適応されたハンドルと、を具備する。電動歯ブラシは多くの場合、ブラシ毛が含まれる交換可能な用具を有し、ハンドル部分には、ブラシ毛の運動を引き起こす駆動モーターが収容されている。歯ブラシは、一般的に、歯を磨くための歯磨剤、例えば練り歯磨きと共に使用される。口腔洗浄器はまた、歯科用ジェット水流、又は水ようじとも呼ばれ、一般的には、脈動する水流の利用によって歯間空間及び/又は歯周ポケットを洗浄するのに用いられる。
【0003】
歯ブラシ及び口腔洗浄器を組み合わせて単一のデバイスに一体化することにより、歯と歯との間の空間を1つのステップで効果的に清浄化できるようにすることが、提案されてきた。歯ブラシヘッド内に流体導管開口部を設けて流体をカートリッジから流体導管開口部へと移動させる洗浄用ポンプを提供することにより、歯ブラシに口腔洗浄器を組み込もうという試みが為されてきた。試みの多くは、洗浄用ポンプを駆動するための、別個の駆動装置(drive)を必要とするものであった。洗浄用ポンプは、歯ブラシハンドル内に収容されているか、又は歯ブラシとは独立に完全に外部にある器具のいずれかである。これにより、典型的には、最終的なデバイスの構築コストが高くつくか又はその運用が実用的でなくなるかのいずれかになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故、典型的な歯ブラシの内側に嵌まるよう十分小型化した洗浄用ポンプを開発することによって運用を経済的かつ実用的なものにすることに対するニーズが存在している。また、歯ブラシ及び口腔洗浄器を組み合わせて単一のデバイスに一体化することにより、簡素化、高信頼性及び高費用効果の状態にするニーズも存在している。また、電動歯ブラシの実施形態では、単一の駆動モーターで駆動されるポンプと歯ブラシヘッドとを兼備させたものが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、これらのニーズの1つ以上に応えようとするものである。一態様において、本発明はパーソナル衛生用具を提供するものであり、このパーソナル衛生用具は
(a)第1の縦軸に沿って延在する心棒と、
(b)可動機能性要素であって、
(i)第1の側面と対向する第2の側面とを備えるベースと、
(ii)ベースの第1の側面から延在する第1の柱であって排出用貫通孔と流体連通しているピストンチャンバを備える第1の柱と、
(iii)ベースの第2の側面から延在する少なくとも1つの清浄化要素と、
を含む、可動機能性要素と、
(c)第1の縦軸に直交して延在するピストンを含む固定要素と、
を具備し、
可動機能性要素は心棒の周りに回転可能に揺動することが可能であり、ピストンチャンバがピストンに係合してポンプを形成するようになっている。
【0006】
別の態様において、本発明はパーソナル衛生用具を提供するものであり、このパーソナル衛生用具は
(a)第1の縦軸に沿って延在する心棒と、
(b)可動機能性要素であって、
(i)第1の側面と、対向する第2の側面とを、備えるベースと、
(ii)前記ベースの第1の側面から延在する第1の柱であって、第1の縦軸に直交して延在するピストンを備える、第1の柱と、
(iii)前記ベースの第2の側面から延在する少なくとも1つの清浄化要素と、
を含む、可動機能性要素と、
(c)排出用貫通孔と流体連通しているピストンチャンバを含む固定要素と、
を備え、
前記可動機能性要素は、前記心棒の周りに回転可能に揺動することが可能であり、前記ピストンが前記ピストンチャンバに係合してポンプを形成する。
【0007】
更なる態様において、本発明は、本発明のハンドルと、取り外し可能に又は取り外し不可能にハンドルに取付けられたパーソナル衛生用具と、を具備するパーソナル衛生デバイスを提供する。このパーソナル衛生デバイスにおいて、ハンドルは、運用中に可動機能性要素を駆動して心棒の周りを回転可能に揺動する、駆動ユニットを備える。
【0008】
なお更に別の態様において、本発明は交換用歯ブラシヘッドを提供するものであり、この交換用歯ブラシヘッドは
(a)ピストン又はピストンチャンバのいずれか一方を備える可動機能性要素であって、好ましくは少なくとも1つの清浄化要素を備える、可動機能性要素と、
(b)(i)前記可動機能性要素がピストンチャンバを備えるときにはピストン、又は(ii)前記可動機能性要素がピストンを備えるときにはピストンチャンバを、含む固定要素と、
を具備し、
前記ピストンチャンバが前記ピストンに係合してポンプを形成し、かつ
前記可動機能性要素は、好ましくは、固定要素に対して揺動する、好ましくは心棒の周りを回転可能に揺動することが可能である。
【0009】
本発明のこれら及び他の特徴、態様並びに利点は、下記の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書は、本発明を詳細に定義しかつ明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は、添付図面の以下の説明からより良く理解されると考えられる。添付の図面において、
図1】本発明の第1の実施形態による例示的なパーソナル衛生デバイスの斜視図である。
図2図1のパーソナル衛生デバイスの斜視断面図である。
図3A図2のパーソナル衛生用具のピストンチャンバを備える例示的な可動機能性要素の斜視図である。
図3B図2のパーソナル衛生用具のピストンチャンバを備える例示的な可動機能性要素の正面図である。
図3C図2のパーソナル衛生用具のピストンチャンバを備える例示的な可動機能性要素の断面上面図である。
図4A図2のパーソナル衛生用具のピストンを備える例示的な固定要素の斜視図である。
図4B図2のパーソナル衛生用具のピストンを備える例示的な固定要素の上面図である。
図5A】ピストンチャンバの外部及びピストンチャンバ内側のそれぞれにピストンを備える、図2のパーソナル衛生用具の例示的なポンプの断面斜視図である。
図5B】ピストンチャンバの外部及びピストンチャンバ内側のそれぞれにピストンを備える、図2のパーソナル衛生用具の例示的なポンプの断面斜視図である。
図6A】ポンプがその拡張、圧縮及び圧縮位置のそれぞれにある状態での、例示的な図2のパーソナル衛生用具の断面上面図である。
図6B】ポンプがその拡張、圧縮及び圧縮位置のそれぞれにある状態での、例示的な図2のパーソナル衛生用具の断面上面図である。
図6C】ポンプがその拡張、圧縮及び圧縮位置のそれぞれにある状態での、例示的な図2のパーソナル衛生用具の断面上面図である。
図7】本発明の第2の実施形態によるリザーバを具備する例示的な衛生用具の斜視図である。
図8A】ポンプがその拡張、圧縮及び圧縮位置のそれぞれにある状態での、図7のパーソナル衛生用具の断面上面図である。同図において、導管はパーソナル衛生用具の固定要素内に設けてあり、この導管は、図7に示すようにリザーバと流体連通している。
図8B】ポンプがその拡張、圧縮及び圧縮位置のそれぞれにある状態での、図7のパーソナル衛生用具の断面上面図である。同図において、導管はパーソナル衛生用具の固定要素内に設けてあり、この導管は、図7に示すようにリザーバと流体連通している。
図8C】ポンプがその拡張、圧縮及び圧縮位置のそれぞれにある状態での、図7のパーソナル衛生用具の断面上面図である。同図において、導管はパーソナル衛生用具の固定要素内に設けてあり、この導管は、図7に示すようにリザーバと流体連通している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に用いられている「a」及び「an」などの冠詞は、請求又は記載されるものの1つ以上を意味するものと理解される。
【0012】
本明細書に用いられている用語「含む(comprise、comprises、comprising)」、「包含する(include、includes、including)」、「含有する(contain、contains、containing)」は、非限定的であること、即ち、最終結果に影響を及ぼすことのない他のステップ及び他のセクションを追加しても差し支えないことを意味する。上記用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0013】
本発明に従い、「ポンプ」を具備するパーソナル衛生用具が提供される。ポンプは、ピストンをピストンチャンバに係合させることにより形成される。ピストンは、可動機能性要素又は固定要素のいずれかの一部として形成される。代わりに、ピストンチャンバは、固定要素又は可動機能性要素のいずれかの一部として形成され、固定要素及び可動機能性要素がポンプ(即ち、ピストンをピストンチャンバに係合させたもの)を形成する。固定要素は固定される。対照的に、可動機能性要素は、固定要素に対して、好ましくは揺動運動で、より好ましくは回転可能に揺動運動で、固定された固定要素に対して、心棒の周りを移動する。心棒は第1の縦軸に沿って延在する。ピストン及びピストンチャンバは、好ましくは、第1の縦軸に直交して延在する。一実施形態において、ピストン及びピストンチャンバの両方は、心棒の周りを回転方向に延在する。運用中に、可動機能性要素が心棒の周りを回転可能に揺動すると、ポンプが作動する(その結果、ピストンをピストンチャンバに係合させる)。一実施形態において、可動機能性要素はピストンチャンバを含み、固定要素はピストンを含む。可動機能性要素が揺動すると(好ましくは、回転可能に揺動すると)、固定要素のピストンが、可動機能性要素のピストンチャンバに係合する。代替実施形態において、可動機能性要素はピストンを含み、固定要素はピストンチャンバを含む。
【0014】
運用中には、ポンプを使用して、流体をピストンチャンバに引き入れてから、流体を第1の標的区域に向かって汲み出すことができる。本明細書において用語「流体」は、任意の液体若しくは気体、又はそれらの組み合わせを包含するために最も広範な意味で用いられる。一実施形態において、ピストンチャンバ内に引き入れることの可能な流体は、練り歯磨きスラリー、唾液、空気、水、マウスウォッシュ、酸素ガス、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。使用中には、練り歯磨きスラリー、唾液及び空気が、使用者の口腔の内側にある場合もあれば、ポンプのすぐ周りにある場合もあり、それらはポンプで到達可能であり、あるいは、パーソナル衛生用具の内部に収容されているか又はこのパーソナル衛生用具に取付けられている流体リザーバ内に、水、マウスウォッシュ及び酸素ガスを入れることができ、その流体を流体リザーバからポンプ輸送することもできる。第1の標的区域は、清浄化対象の又はパーソナル衛生用具で取り扱える、如何なる区域であってもよい。一実施形態において、第1の標的区域は、口腔区域、顔区域、身体区域、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。なお、口腔区域は、歯表面、歯間空間、歯ポケット、歯肉線、舌表面、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。顔区域は、頬表面、鼻表面、鼻腔、額表面、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。身体区域は、手表面、腋窩表面、足表面、胴表面、腕表面、脚表面、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0015】
可動機能性要素は、第2の標的区域を清浄化するための、少なくとも1つの清浄化要素を更に具備し得る。第2の標的区域は、口腔区域、顔区域、及び身体区域、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。第2の標的区域は、第1の標的区域と同じである場合もあれば、又は異なる場合もある。例えば、第1の標的区域及び第2の標的区域は両方とも、口腔区域であり得る。一実施形態において、第1の標的区域は歯間空間である一方、第2の標的区域は歯表面である。標的区域が口腔区域である場合、清浄化要素は、ブラシ毛束、エラストマー要素、可動に取付けられたプラスチック要素、舌清浄化構造体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。清浄化要素は、中空又は中実であり得る。清浄化要素の好適な例は、米国特許出願公開第2002/0059685号、同第2005/0000043号、同第2004/0177462号、同第2005/0060822号、同第2004/0154112号、同第2009/0007357号、及び米国特許第6,151,745号、同第6,058,541号、同第6,041,467号、同第6,553,604号、同第6,564,416号、同第6,826,797号、同第6,993,804号、同第6,453,497号、同第6,993,804号、同第6,041,467号、同第8,056,176号に記載されているものが挙げられ得る。それに加えて、清浄化要素の任意の好適な構成が利用され得る。非非限定例としては、米国特許第5,836,769号、同第6,564,416号、同第6,308,367号、同第6,108,851号、同第6,058,541号、及び同第5,396,678号に記載されているものが挙げられる。
【0016】
本発明のパーソナル衛生用具は、パーソナル衛生デバイスのハンドル部分に対する取付け具として実現され得る。なお、このパーソナル衛生デバイスは、電動歯ブラシ、電動舌スクレーパー、電動フロスデバイス、電動歯間クリーナー、電動カミソリ、電動フェースブラシ若しくはクリーナー、電動ボディブラシ若しくはクリーナー、又はそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。パーソナル衛生用具は、パーソナル衛生デバイスのハンドル部分に取り外し可能に又は取り外し不可能に取付けされ得る。ハンドル部分には、パーソナル衛生用具の可動機能性要素を駆動して運用中に心棒の周りを回転可能に揺動するように配置された、駆動ユニットを具備させてもよい。駆動ユニットは、電池式あることも又はプラグ接続壁コンセントで電力供給することも可能である。
【0017】
以下の説明では、便宜上、歯ブラシに主たる焦点を当て、本発明について更に説明する。これらの説明は、例示目的のためにのみ提供されたものであって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなしに下記実施形態に対して多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈すべきではない。
【0018】
図1に、本発明の第1の実施形態による例示的なパーソナル衛生デバイスの斜視図を示す。パーソナル衛生デバイス1は、電動歯ブラシとして実現され得る。パーソナル衛生デバイス1は、パーソナル衛生用具10及びハンドル20を含む。パーソナル衛生用具10は、交換可能な電動歯ブラシアタッチメントとして実現され得るものであり、取り外し可能に取付けられたハンドル20であってもよい。パーソナル衛生用具10は、可動機能性要素200及びハウジング400を含み得る。可動機能性要素200は、歯を清浄化するための清浄化要素240を有する、ブラシヘッドとして実現され得る。ハウジング400は、ヘッドセクション410と、このヘッドセクション410に接続しているネックセクション420と、を有し得る。可動機能性要素200は、ヘッドセクション410に取付けされていてもよい。ネックセクション420は、ハンドル20に取付けされ得る。ハンドル20は、運用中に駆動するように配置された駆動ユニット(不図示)と、心棒100(図2を参照)の周りを回転可能に揺動する可動機能性要素200と、を具備し得る。ハンドル部分及びそのハンドル部分に収容された駆動ユニットに関するいくつかの好適な例は、例えば、米国特許出願公開第2008/0307591号に開示されている。パーソナル衛生用具10のハウジング400は、最も近くのハンドル20からヘッドセクション410に向かってやや先細りになる、本質的に管状の細長いネックセクション420を有し得る。ヘッドセクション410は、略球根形状であり得る。パーソナル衛生用具10は一般的に、パーソナル衛生用具10の少なくとも一部分を口腔内に入れ、何らかの不快感を最小限に抑えながら使用者の歯(臼歯を含む)の清浄化を可能にし得るように設計及び寸法形成され得る。
【0019】
図2は、図1のパーソナル衛生デバイスの例示的なパーソナル衛生用具10の斜視断面図である。図2の断面図の切削平面は、第1の縦軸L1及び第2の縦軸L2を通過している。L1及びL2は互いに直交している。パーソナル衛生用具10は、心棒100及び固定要素300を更に具備する。心棒100は第1の縦軸L1に沿って延在し、ハウジング400は第2の縦軸L2に沿って延在する。ハウジング400のヘッドセクション410は、(i)心棒100と、(ii)固定要素300と、(iii)可動機能性要素200の少なくとも一部と、を収容するヘッド空洞415を有する。固定要素300はヘッド空洞415内に固定されている。ハウジング400のネックセクション420は、ネック空洞425を有する。心棒100は、第1の端110と、対向する第2の端120と、を有する。心棒100は、可動機能性要素200及び固定要素300を貫通して延在し得る。心棒100は、長さが0.2cm、0.5cm、又は0.8cm〜1.2cm、1.8cm、又は2cmのスチール及び/又はアルミニウムなどの金属で製造され得る。可動機能性要素200、固定要素300、及びハウジング400は、好適な任意のプラスチック材料(ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、又はそれらの組み合わせなど)で製造され、射出成型され得る。
【0020】
可動機能性要素
更に図2を参照すると、可動機能性要素200は、ベース210を備える。ベース210は、第1の側面212と第2の側面214とを備える。第1の側面212は、第2の側面214に対向する。可動機能性要素200は、第1の側面212上の固定要素300に連結されている。少なくとも1つの清浄化要素240は、ベース210の第2の側面214から延在する。ベース210は、内側ベース216と外側ベース218とを含み得る。内側ベース216は、少なくとも部分的に円周方向に外側ベース218で取り囲まれており、ベースインタフェース213にて外側ベース218に対し取り外し不可能に固定されている(例えば、スナップ係合されるか、ねじ込まれられるか、又は接着される)。それ故、第1の側面212は、外側ベース部分212Aと内側ベース部分212Bとを含み得る。代替実施形態において、内側ベース216及び外側ベース218は、プラスチック射出成型要素のような一体要素として実現され得る。更なる代替実施形態において、ベース210は、本明細書に定義されているような「ベース」210を集合的に形成する複数のパーツとして実現され得る。同様に、可動機能性要素200自体を1つの射出成型要素として一体的に形成することも、又は本明細書に定義されるような「可動機能性要素」200を集合的に形成する複数のパーツで組み立てることもできる。一体的に組み立てられて可動機能性要素200を形成し得る各々のパーツは、一体的な射出成型パーツとしてもよいし又は複数のサブパーツにより組み立てることもできる。
【0021】
図3A図3B及び図3Cには、(明瞭にするため)外側ベース218を図示せずに可動機能性要素200を示してある。図3A図3B及び図3Cは、それぞれ斜視図、正面図、及び断面上面図を示す。1つ以上のコネクタ穴217は、外側ベース218(不図示)に接続するように、内側ベース216内に設けることができる。ベース210の第1の側面212からは、第1の柱220が延在し得る(ここには、内側ベース部分212Bのみが示してある)。好ましくは、第1の柱220は、第1の縦軸L1に対して平行に延在する。第1の柱220はピストンチャンバ222を含み、このピストンチャンバ222の体積は20mm〜30mmである。ピストンチャンバ222のサイズは、パーソナル衛生用具10のサイズ又は所望される流速、及び他の要因に応じて広く異なり得る。典型的な電動歯ブラシの事例において、ピストンチャンバの体積は、1mm、5mm、10mm、又は15mm〜20mm、30mm、40mm、又は50mmであり得る。代替実施形態において、ピストンチャンバの体積は、5mm〜15mm、又は20mm〜30mmである。典型的なフェイシャルブラシ、又はボディブラシの事例において、ピストンチャンバの体積は、10mm、20mm、30mm、又は40mm〜60mm、70mm、80mm、又は90mmであり得る。ピストンチャンバ222は、任意の適切な形状とすることができる。代替実施形態において、第1の柱220はピストン(不図示)を含み得る。第1の柱220のピストンチャンバ222又はピストン(不図示)は、(中心とは対照的に)ベースの周辺縁付近に位置し、それにより、可動機能性要素200が回転可能に揺動するときに最長の移動距離が利用されるようになっていることが好ましい。
【0022】
図3A及び図3Cに示すように、排出用貫通孔224は、ピストンチャンバ222の内側に位置する。ピストンチャンバ222の内側の流体は、排出用貫通孔224経由でポンプにより汲み出され得る。図2に戻って説明すると、ベース210の第2の側面214から複数の清浄化要素240が延在し得る。清浄化要素240に、1つ以上の中空チューブ242と1つ以上のブラシ毛束244とを具備させてもよい。1つ以上の中空チューブ242に通ずる1つ以上の出口230(故に、図2にははっきりとは図示されていない)を、ベース210の第2の側面214に設けてもよい。ピストンチャンバ222は、排出用貫通孔224経由で出口230及び中空チューブ242と流体連通し得る。出口230及び中空チューブ242は、それぞれ独立に長方形、円、正方形、三角形、T形状、U形状、L形状、又は他の任意の取り得る形状から選択される断面形状を有し得る。いくつかの実施形態において、出口230及び中空チューブ242は、それぞれ独立に0.1mm、0.5mm、1mm、又は1.5mm〜2.5mm、3mm、3.5mm、又は4mmの断面積を有し得る。代替実施形態において、出口230及び中空チューブ242は、それぞれ独立に0.1mm〜1.5mm、又は2.5mm〜4mmの断面積を有し得る。中空チューブ242は、出口230と同じ又は異なる断面形状若しくは面積を有し得る。図2を参照すると、ベース210の第2の側面214から清浄化要素240が延在する。清浄化要素240に、複数の中空チューブ242と複数のブラシ毛束244とを具備させてもよい。1つ以上の出口230は中空チューブ242に通じ得る。ブラシ毛束244は、房固定技術(anchor tufting technology)によってベース210の第2の側面214上に取付けることができる。中空チューブ242は、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマー、ポリオキシエチレン、ポリエステルとポリカーボネートとの配合物、アクリロニトリルスチレンアクリレート、又はポリブチレンテレフタレート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、可撓性材料などの好適な任意の材料から製造されるエラストマー要素として実現され得る。中空チューブ242は、好適な任意の高さ(即ち、最長寸法)を有し得る。好ましくは、0.2mm、2mm、5mm、又は10mm〜15mm、20mm、25mm、又は30mmの高さを有し得る。中空チューブ242は、出口230と同じ又は異なる断面形状若しくは面積を有し得る。中空チューブ242は、高さ寸法(いずれか一方の方向)に沿って先細りになり得る。いくつかの実施形態において、中空チューブ242は、ベース210の第2の側面214から、ベース210の第2の側面214に対して好ましくは10°、20°、30°、又は40°から60°、70°、80°、又は90°までの傾斜角度で延在する。代替実施形態においては、ベース210の第2の側面214上に、1つの中空チューブ242に通じる出口230が1つだけ設けてある。ブラシ毛束244は、房固定技術(anchor tufting technology)を介してベース210の第2の側面214上に取付けることができる。ブラシ毛束244の高さは、中空チューブ242の高さと同じである場合もあれば又は異なる場合もある。
【0023】
図3Aに最良の形態で例示されているように、可動機能性要素200は、第2の柱250及びブリッジ260を更に具備し得る。第2の柱250は、第1の側面212の内側ベース部分212Bから突出し、ブリッジ260を介して第1の柱220に接続して、開口部270を画定し得る。第1の柱220、第2の柱250及びブリッジ260は、心棒100が開口部270を横切るように配置され得る。第1の縦軸L1に沿った開口部270の長さは、0.1cm、0.3cm、又は0.5cm〜0.8cm、1.2cm、又は1.5cmであり得る。第2の柱250は、第1の柱220と平行に延在し得る。第2の柱250は、第1の側面212の内側ベース部分212B上の第1の柱220から最も遠い距離に位置し得る。ブリッジ260は、長さが0.2cm、0.5cm、又は0.8cm〜1.2cm、1.8cm、又は2cmであり得る(第1の縦軸L1に直交して測定した場合)。
【0024】
更に図3Aを参照すると、可動機能性要素200は、第1の縦軸L1に沿って延在し、心棒100を支持する、第1の孔211と第2の孔261とを有し得る。第1の孔211は、可動機能性要素200のベース210の第1の側面212に設けられ得る。第1の孔211は、内側ベース216に進入し得るが、外側ベース218とは交差しない。第2の孔261は、ブリッジ260内に設けられ得る。心棒100は、第1の孔211及び第2の孔261を介して可動機能性要素200に固定され得る。心棒100を可動機能性要素200の第1の孔211及び第2の孔261に固定することは、特に有益である。とりわけ、第1の孔211及び第2の孔261は、第1の縦軸L1に沿って開口部270の対向する側面上に配置されていて、互いの孔の間の距離は比較的長い。この結果、運用中に(即ち、可動機能性要素200が回転し、かつ/又は第1の縦軸L1の周りを揺動したときに)、可動機能性要素200内の単一の場所において単一の孔を心棒100が横切る実施形態と比べて、可動機能性要素200が体験し得るぐらつきが減少する可能性が高い。これが特に当てはまるのは、可動機能性要素200が、高周波揺動(例えば、揺動周波数、80Hz超、90Hz超、100Hz超、110Hz超、120Hz超、130Hz超、140Hz超、又は更には150Hz超)に駆動された場合である。可動機能性要素200の揺動周波数は、一般的に300Hz以下である。
【0025】
図2を参照すると、軸100は、第1の端部110と対向する第2の端部120とを有する。心棒100は可動機能性要素200を貫通して延在する。心棒100の第1の端110は、第1の孔211を経由して第1の側面212に固定されている。心棒100の第2の端120は、第2の孔261を経由してブリッジ260に固定されている。
【0026】
図6A図6B及び図6Cに示すように)可動機能性要素200は、シャフト要素500を受容するシャフト空洞252を有し得る。シャフト要素500は、運用中に駆動ユニット(不図示)に係合することが可能であり、可動機能性要素200が心棒100の周りを回るように駆動させるようになっている。シャフト空洞252は、ブリッジ260及び/又は第2の柱250の少なくとも一部分に広がる。特定の実施形態において、シャフト空洞252は、ブリッジ260を貫通して第2の柱250に延在し得る。シャフト空洞252は、円筒形状であってよく、その円筒の縦軸は第1の縦軸L1の縦軸に平行であり得る。図3Cは、第1の縦軸L1に直交する平面S2に切断させた(図3A及び図3Bに示すように)、可動機能性要素200の断面上面図である。図3Cに示すように、シャフト空洞252は、ベース210の第1の側面212の内側ベース部分212B上のピストンチャンバ222から最も遠い距離に設けられ得る。
【0027】
固定要素
図2に戻って説明すると、固定要素300は、ハウジング400のヘッド空洞415の内側に固定され得る。固定素300を引き延ばして、第3の縦軸L3に沿って延在させることもでき、この第3の縦軸L3は第1の縦軸L1に直交する。
【0028】
可動機能性要素200に対し固定要素300が固定された関係になるように、固定要素300をヘッドセクション410の内部の1つ以上の場所に固定させることもできる。いくつかの実施形態において、固定要素300は、ヘッドセクション410の少なくとも2つの異なる場所(不図示)に固定されており、これらの場所は本質的に対向して配置されている。いくつかの実施形態において、固定要素300は、取り外し不可能にヘッド空洞415の内側に固定されている。いくつかの実施形態において、固定要素300は、2つの固定場所の間に湾曲した様式にて延在する。固定要素300は、互いに対向する第1の固定要素端330と、第2の固定要素端340と、を有し得る。第1の固定要素端330は、第1のスナップノーズ335を含み得る。第2の固定要素端340は、第2のスナップノーズ345を含み得る。第1のスナップノーズ335は、口腔衛生用具10のハウジング400のヘッドセクション410内の第1の凹部430にスナップ係合され得る。第2のスナップノーズ345は、ハウジング400のヘッドセクション410内の第2の凹部440にスナップ係合され得る。これらのスナップ結合部を取り外し不可能にすると、取付けられた固定要素300がヘッドセクション410から容易には分離できないようにできる。固定要素300の第1のスナップノーズ335と第2のスナップノーズ345は、ヘッドセクション410内に提供された第1の凹部430及び第2の凹部440内に延在する、90度の逃げ溝を有し得る。そのような配置は、固定要素300が取付け時にヘッドセクション410から容易に分離することを防ぐことができる。代替実施形態において、固定要素300は、ハウジング400のヘッドセクション410に接着されるか、又はねじ込まれるか、又は溶接されるか、又は別の方法でしっかりとヘッドセクション410に固着され得る。別の代替実施形態において、固定要素300及びハウジング400は一体要素として実現され得る。別の代替実施形態では、固定要素300がハウジング400に取り外し可能に固着され得る。ハウジング400から固定要素300を取り外すための閾値力はきわめて高くなるように選択され、それにより、口腔衛生用具10の常用中に固定要素300が意図せずに取り外されることのないようになっている。
【0029】
図4A及び図4Bはそれぞれ、固定要素300の斜視図及び上面図である。図4A及び図4Bに示すように、固定要素300はピストン310を具備する。ピストン310は、(図3A図3Cに示すように)ピストンチャンバ222に係合するように設計されていて、ピストンチャンバ222の体積を占有するか又は実質的に占有するようになっている。したがって、ピストン310の寸法はピストンチャンバ222の体積を本質的に反映するが、ピストンの寸法の方がピストンチャンバの体積よりも僅かに小さくなるように反映されるため、結果として、ピストンチャンバ222にピストン310が係合することが可能になる(即ち、ピストンチャンバ222の内部にピストン310を収容することが可能になる)。代替実施形態において、可動機能性要素200がピストン(不図示)を含む場合、固定要素300はピストンチャンバ(不図示)を含み得る。固定要素300は、第1の縦軸L1に沿って延在する第3の孔320を有し得る。図2に示すように、心棒100は、固定要素300を貫通して延在し、第3の孔320に穿設され得る。
【0030】
図2を参照すると、固定要素300は、開口部270を少なくとも部分的に貫通し、好ましくは開口部270全体を貫通して延在し、この固定要素300の中央をブリッジ260が横断し得る。この配置により、運用中に、可動機能性要素200及び固定要素300を持続的及び確実な方法で互いに係合させ、側面から側面への移動を低減又は更には排除することが可能になる。そうしないと、特により高揺動周波数にてポンプの機能障害が引き起こされ得る。固定要素300は可動機能性要素200の開口部270を貫通して横断し、それにより今度は、心棒100は、固定要素300を貫通して横断して、好ましくは固定要素300の中心を貫通し得る。この配置を用いることで、可動機能性要素200は、固定要素300に対し取り外し不可能に(かつその回転関係にて)固定され得る。そのように配置することは、固定要素300が可動機能性要素200をハウジング400のヘッドセクション410に対して係止させるため、有利である。ハウジング400において固定要素300が特に取り外し不可能に固定され得ると共に、この固定要素300に対し可動機能性要素200が取り外し不可能に固定されるため、口腔衛生用具10の常用中に何らかの過大な力が及んでも、ハウジング400から可動機能性要素200が分離されない。また、そのような配置によって、ポンプの運用中でのピストンチャンバ222とピストン310との間の確実な係合が保証される。
【0031】
ポンプ
図5A及び図5Bは、心棒100、可動機能性要素200及び固定要素300を一体的に組み立ててポンプを形成する仕組みを示した、断面斜視図である。これらの図面には、(明瞭にするため)外側ベース218を図示せずに可動機能性要素200を示してある。この可動機能性要素は、3つの切断平面S3、S4及びS5を切り開いてある。切断平面S3が第1の柱220、心棒100及び第2の柱250を水平方向に横断して(即ち、L1に直交して)ブリッジ260を除去すると、結果として、固定要素300が露出される。切断平面S4は心棒100から垂直方向に延在し、排出用貫通孔224が途中で開いた状態に切断されている。切断平面S5は心棒100から垂直方向に延在し、切断平面S4に対して90度の角度をなしている。切断平面S4と切断平面S5とがなす90度のスライスが可動機能性要素200から欠落して、切り開かれた排出用貫通孔224が露出される。固定要素300に対し切断はいっさい為されていない。
【0032】
図5Aは、ピストンチャンバ222の外側にピストン310を備えた「開位置」にあるポンプを示す。図5Bは、ピストンチャンバ222の内側にピストン310を備えた「閉位置」にあるポンプ示す。両方向矢印M1で示すように、可動機能性要素200は心棒100の周りを回転可能に揺動することが可能である。ピストン310及びピストンチャンバ222は、心棒100の周りを回転方向M1に沿って延在する。例えば、ピストン310は心棒100の周りに45度〜90度をなす「パイスライス(pie-slice)」であり得る。ピストンチャンバ222は、ピストン310が運用中に収容されるように、ピストン310の形状を本質的に反映する。可動機能性要素200が心棒100の周りを回転可能に揺動すると、ピストン310がピストンチャンバ222の内側及び外側に移動して、ポンプを動作させる。可動機能性要素200と固定要素300との相対的な位置によってピストンチャンバ222からピストン310が移動された場合(即ち、ポンプが開位置にあるとき)には、ピストンチャンバ222内に負圧が生ずるため、ピストンチャンバ222のすぐ周りにある流体がこのピストンチャンバ内に引き入れられることができる。可動機能性要素200が心棒100の周りを回転してピストンチャンバ222の内側にピストン310が挿入されると(即ち、ポンプが閉位置にあるとき)、ピストンチャンバ222内に含有されている流体が圧縮され、排出用貫通孔224を通ってピストンチャンバ222の外部へ流出され、最終的に出口230及び中空チューブ242(図2を参照)を通って第1の標的表面に向けられる。実施形態において、可動機能性要素200は、心棒100の周りに10、20、30、又は40度から60、70、80、又は90度までの回転自由度を有し得る。代替実施形態において、可動機能性要素200は、心棒100の周りに、10度〜40度、又は60度〜90度の回転自由度を有し得る。
【0033】
図5Aに示すように、排出用貫通孔224は、第4の縦軸L4に沿って直線的に延在し、出口230から出る(図2を参照)。実施形態において、第4の縦軸L4は、第1の縦軸L1に対してγ度の角度をなす。角度γは好ましくは、2°、5°、8°、又は10°から15°、20°、25°、又は30°までである。更に別の実施形態では、L4は図示されていないが、L1(即ち、γは0°)と平行である。排出用貫通孔224は、(第4の縦軸L4に直交する方向に沿って)0.3mm、0.5mm、又は0.8mm〜1.5mm、2.0mm、又は2.5mmの断面積を有する。排出用貫通孔224の角度γ及び断面積を適切に設計することによって、ピストンチャンバ222内に負圧が存在するときに、排出用貫通孔224を通る「逆流」を妨げることができ、逆止め弁又は類似のデバイスをいっさい必要とすることなしに「逆流」が回避される。これにより、ポンプの製造及び保守のコストがかなり低減される。排出用貫通孔224は、円筒形状で、第4の縦軸L4に沿って長さが0.05cm、0.1cm、又は0.2cm〜0.4cm、0.5cm、又は0.7cmであり得る。
【0034】
図6A図6B、及び図6Cは、パーソナル衛生用具10の3つの断面上面図であり、単一の回転揺動サイクル中の3つの異なるステップが示してある。可動機能性要素200及びハウジング400を平面S1に切断されると、固定要素300及びシャフト要素500が露出される。図2に示すように、平面S1は第1の縦軸L1に直交し、第2の縦軸L2に平行である。ハウジング400のネック空洞425は、本質的には中空であってもよく、押し棒として実現され得るシャフト要素500を収容し得る。シャフト要素500は、ネック空洞425を貫通してハウジング400のヘッド空洞415に延在し得る。シャフト要素500は、シャフト空洞252に嵌合できる枢動ピン510を含み得る。シャフト要素500は、シャフト空洞252に受容された可動機能性要素200に枢動ピン510で連結され得る。シャフト要素500がその縦延長方向に沿って、両方向矢印M2で指し示されているように直線的に揺動するように駆動されると、枢動ピン510は、可動機能性要素200が心棒100の周りを揺動回転するように誘発する。枢動ピン510がシャフト空洞252内を自由に回転し得るため、シャフト要素500は直線的に揺動した場合でも屈曲しない。シャフト要素500の直線揺動のピーク振幅値は、±0.1mm、±0.2mm、又は±0.3mm〜±0.5mm、±0.8mm、又は±1.0mmであり得る。それ故、可動機能性要素200は、心棒100の周りを10、20、又は30度から50、70、又は90度までのピーク揺動角度で回転可能に揺動し得る。シャフト要素500及び可動機能性要素200の揺動周波数は、100Hz超、例えば、110Hz、130Hz、150Hz、又は170Hz〜190Hz、210Hz、230Hz、又は250Hzであり得る。特定の実施形態において、運用中に可動機能性要素200は、150Hz〜250Hzの揺動周波数、30度〜50度のピーク揺動角度で揺動するように駆動される。
【0035】
可動機能性要素200が回転揺動で移動すると、ピストン310が、ピストンチャンバ222の内側及び外側に進む。図6Aに示すように、シャフト要素500がその最も低い位置(回転揺動サイクルの)にあるとき、ピストン310はピストンチャンバ222の外側に来る。ピストンチャンバ222の内側で負圧が強まり、矢印N1で指し示されているように、ピストンチャンバ222のすぐ周りの流体がピストンチャンバ222内に引き入れられる。(回転揺動サイクル中に)シャフト要素500が中心位置に移動すると、図6Bに示すように、ピストンチャンバ222内に正圧が生じ、ピストンチャンバ222の内側の流体が排出用貫通孔224を通って(図2に示すように)出口230及び中空チューブ242に向かって押し出される。図6Cに示すように、最終的にシャフト要素500がその最も高い位置に移動すると、ピストンチャンバ222からの殆ど全ての流体がピストン310で圧縮され、その後で、図6Aに示すように、いったんシャフト要素500がその最も低い位置に戻されると、次の回転揺動サイクルが開始される。
【0036】
ピストンチャンバ222からポンプ輸送された流体は、歯肉ポケットの清浄化を改善し、歯の間の空間(及び典型的なブラシでは到達困難な他の区域)を洗い流しすることができる。本発明の作用機構は、口腔洗浄器の機能に類する。本発明の特定の実施形態に従って、ポンプ輸送された流体は、流量が最大8.4ml/分であってもよく、最大1.5mの高さにスプレーし得る。
【0037】
ヘッド空洞415は液密でないため、流体は容易にヘッド空洞内に進入し得る。それ故、流体は、ポンプの周囲に存在し、ピストンチャンバ222に進入し、引き続いてポンプ輸送される。例えば、流体は、可動機能性要素200のベース210とハウジング400のヘッドセクション410との間の嵌合隙間450を通過してヘッド空洞に進入し得る。ハウジング400のヘッドセクション410は、例えば、第1の縦軸L1に沿ってベース210から最も遠く離れて位置している切欠き460(図2を参照)を更に備え得る。切欠き460はまた、流体がヘッド空洞415に進入するのを可能にし得る。
【0038】
一実施形態においては、入口が提供され得る。図2に示すように、入口232は、可動機能性要素200のベース210の第2の側面214の中心215に設けられ、ピストンチャンバ222と流体連通し得る。第2の側面214の中心215は、第1の縦軸L1を横切る。入口232のすぐ最寄りの区域を通常的に清浄化要素240のない状態にしておくことによって、第2の側面214上に清浄化要素240を配置する。運用中には、入口232の周りに負圧を生じ、流体を入口232に通してピストンチャンバ222内に吸い込ませることが可能になり得る。
【0039】
図2に示すように、第2の側面214上に、ただし第2の側面214の中心215から離れたところに複数の中空チューブ242を配置することによって、入口232の周りの負圧が更に増大し得る。この配置の更なる利益は、運用中に入口232の周りの負圧によって流体がピストンチャンバ222内に引き入れられるだけでなく、夾雑物を引っ張り出したり、又は歯から歯垢を弛ませて取れるようにすることもできる点である。
【0040】
ピストンチャンバと流体連通するようにフィルタ234を配設してもよい。フィルタ234を入口232の上流に設けることにより、ポンプの運用中に夾雑物又は歯垢がピストンチャンバ222に進入するのを防ぐことができる。付加的に又は代替的に、流体をポンプで第1の標的表面に汲み出す前の入口232、又はポンプの下流であるが出口230の上流、に同様にフィルタを設けることで、流体の浄化、滅菌又は清浄化が可能になる。フィルタ234は、金属材料、好ましくは金属触媒を含み得る。金属材料は、銀、銅、金、ロジウム、白金、パラジウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。過酸化水素をこの種の金属材料(例えば、銀)で分解することにより、「酸素フラッシュ」を生ずることが可能になり得る。酸素を歯肉ポケット又は歯間空間に運ぶことによって、バクテリアを殺菌又は抑制することができる。過酸化水素は、歯磨剤で(唾液と混ぜ合わせてポンプ輸送可能な流体にすることにより)口腔内に送達され得る。いくつかの実施形態において、金属材料は、フィルタ以外の任意の形態でピストンチャンバと流体連通して配設され得る。
【0041】
液体及び空気は、流体としてポンプに受容可能であり、ポンプ輸送アクション中に一緒に混ぜ合わされて、その結果、発泡スプレーを生ずる。発泡体パラメータは、少なくとも部分的に、排出用貫通孔224、出口230、及び/又は中空チューブ242の設計及び寸法により制御され得る。歯磨剤(歯ブラシと共に使用される)には数種類の発泡成分が含まれる場合があり、例えば、米国特許出願公開第2006/110516(A1)号及び同第2002/187234(A1)号、並びに米国特許第6,713,113(B2)号に開示されているような発泡を促進するものである。
【0042】
図7は、本発明の第2の実施形態によるリザーバ1600を具備する例示的な衛生用具1010の斜視図を示す。パーソナル衛生用具1010は、可動機能性要素1200とハウジング1400とを含む。可動機能性要素1200は、歯を清浄化するための清浄化要素1240を有するブラシヘッドとして実現される。ハウジング1400は、ヘッドセクション1410と、このヘッドセクション1410に連結しているネックセクション1420と、を有する。可動機能性要素1200は、ヘッドセクション1410に取付けられている。ネックセクション1420は、ハンドル(不図示)に取付けられ得る。ネックセクション1420は、ネック空洞1425を有する。リザーバ1600は、ネック空洞1425内に収容され得る。リザーバ1600は、補充可能、若しくは使い捨て可能、若しくは交換可能、又はそれらの組み合わせであり得る。リザーバ1600には、液体流体及び/又はガス流体が収容できる。リザーバ1600は、筆記用ペンのインクカートリッジと全く同じように取付けることができる、多様なカートリッジとして実現され得る。使用者は、所望される口腔ケア要件に応じて様々なカートリッジの中から選択することができる。多様なカートリッジを単一の口腔ケア事象に合わせて選択することも、又は単一のカートリッジを複数の口腔ケア事象に使用することもできる。例えば、使用者は、第1日の朝に爽快カートリッジを挿入し、同日の夕方又は第2日の朝に歯の美白カートリッジを挿入することができる。リザーバ1600は、単回投与の用途に供し得る。換言すれば、リザーバ1600は、単回の歯磨き事象後に、空にして/詰め替えることができる。代替的に、リザーバ1600は、複数回の投与に供するように設計され得る。リザーバ1600を使用して、特に美白若しくは漂白剤、虫歯予防薬、抗菌薬、局所性又は全身性抗生物質などのような特定の活性物質を供給することにより、更なる利益がもたらされ得る。この利益は、歯磨剤又は他の口腔ケア組成物/治療レジメンに対して補足的又は相乗効果的であり得る。これらの活性物質の非限定例としては、米国特許第2011/0104081(A1)号の55〜65項の他この特許において引用されている参考文献に記載されているものが挙げられる。代替実施形態では、パーソナル衛生用具のハンドル部分にリザーバを収容できる。
【0043】
図8A図8B、及び図8Cは、流体が(図7に示すような)リザーバ1600から本発明のポンプに給送される、図7のパーソナル衛生用具1010の3つの断面上面図である。パーソナル衛生用具1010は、心棒1100と、可動機能性要素1200と、固定要素1300と、ハウジング1400と、シャフト要素1500と、を備える。ハウジング1400は、ヘッドセクション1410と、このヘッドセクション1410に連結しているネックセクション1420と、を有する。ヘッドセクション1410はヘッド空洞1415を有し、ネックセクション1420はネック空洞1425を有する。可動機能性要素1200は、ピストンチャンバ1222を具備する。固定要素1300は、ピストン1310を具備する。ピストン1310は、ピストンチャンバ1222に係合してポンプを形成する。固定要素1300は、導管1350を更に具備する。導管1350は、ピストンチャンバ1222と流体連通している出口端1352と、(図7に示すような)リザーバ1600と流体連通している入口端1354と、を有する。図8A図8B、及び図8Cは、単一の回転揺動サイクル中の3つの異なるステップを示す。シャフト要素1500(枢動ピン1510を具備し得る)がその最も低い位置(回転揺動サイクルの)に移動すると、図8Aに示すように、ピストン1310はピストンチャンバ1222の外側に出るため、導管1350の出口端1352が露出される。ピストンチャンバ1222内に生ずる負圧の作用下で、矢印N2で指し示されているように、流体が導管1350を通ってピストンチャンバ1222内に引き入れられる。シャフト要素1500が中心位置に移動すると、図8Bに示すように、(回転揺動サイクル中に)、ピストン1310がピストンチャンバ1222の内側に挿入され、ピストンチャンバ1222内に正圧が生ずる。正圧がピストンチャンバ1222の内側の流体を押圧し、排出用貫通孔1224を通して外部に流出させ、1つ以上の出口(不図示)を通して究極的に第1の標的表面に向ける。図8Cに示すように、最終的にシャフト要素1500がその最も高い位置に移動すると、ピストンチャンバの外部1222からの殆ど全ての流体がピストン1310で圧縮され、その後で、図8Aに示すように、シャフト要素1500がその最も低い位置に戻されると、次の回転揺動サイクルが開始される。
【0044】
様々な実施形態の他の特徴と組み合わせて説明されてきた多様な特徴は、本開示の主旨及び範囲と矛盾しない限り、他の全ての特徴との全ての取り得る組み合わせにおいて開示されていると見なすべき個々の特徴として開示されるものであることに留意すべきある。
【0045】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に制限されるものとして理解すべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0046】
相互参照される又は関連する全ての特許若しくは特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願若しくは特許を含む、本明細書において引用される全ての文書は、特に除外すること又は別途限定することを明言しない限り、その全体が参照により本明細書に援用される。いずれの文献の引用も、その文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを認めるものではなく、また、その文献が、単独で、あるいはあらゆる他の参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、かかる発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを認めるものでもない。更に、本文献における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により援用された文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本文献においてその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
【0047】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正をなすことができることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C