(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロピレンコポリマーが、第1の反応器(R1)および第2の反応器(R2)を含む逐次重合プロセスにおいて生成され、さらに前記第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)が、前記第1の反応器(R1)において生成されかつ前記第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)が、前記第2の反応器(R2)において生成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロピレンコポリマー。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において本発明はより詳細に定義される。
【0012】
本発明によるプロピレンコポリマーは、プロピレンとは別にコモノマーも含む。好ましくはプロピレンコポリマーは、プロピレンとは別にエチレンおよび/またはC
4からC
12α−オレフィンを含む。したがって本発明による「プロピレンコポリマー」という語は、(a)プロピレン
ならびに
(b)エチレンおよび/またはC
4からC
12α−オレフィン、好ましくはエチレン
から誘導可能な単位を含む、好ましくはそれらからなるポリプロピレンとして理解される。
【0013】
したがって本発明によるプロピレンコポリマーは、プロピレンと共重合可能なモノマー、例えばエチレンおよび/またはC
4からC
12α−オレフィンなどのコモノマー、具体的にはエチレンおよび/またはC
4からC
8α−オレフィン、例えば1−ブテンおよび/または1−ヘキセンを含む。好ましくは本発明によるプロピレンコポリマーは、エチレン、1−ブテンおよび1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを含む、特にはそれらからなる。より具体的には本発明のプロピレンコポリマーは、プロピレンとは別に、エチレンおよび/または1−ブテンから誘導可能な単位を含む。好ましい実施形態において本発明によるプロピレンコポリマーは、プロピレンおよびエチレンのみから誘導可能な単位を含む。
【0014】
さらにプロピレンコポリマーは、好ましくは非常に特有の範囲のコモノマー含有率を有することが理解される。したがってプロピレンコポリマーの、コモノマー含有率、好ましくはエチレン含有率は、3.7から7.3モル%の範囲、好ましくは4.0から7.3モル%の範囲、より好ましくは4.4から7.3モル%の範囲、さらにより好ましくは4.5から7.0モル%の範囲、一層より好ましくは4.7から6.8モル%未満の範囲であることが必要とされる。
【0015】
上述の通り、本発明によるプロピレンコポリマーは、異なる量のモノマー、例えば異なる量のエチレンを含有する2つのプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および(R−PP2)の存在が原因で、コモノマー含有率、例えばエチレン含有率に関して多峰形、好ましくは双峰形である。さらにより好ましいプロピレンコポリマーは、コモノマー含有率を考慮すると双峰形であり、すなわちプロピレンコポリマーは、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)のみを含む。
【0016】
したがってプロピレンコポリマーの、総コモノマー含有率、例えばエチレン含有率が、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)の、コモノマー含有率、例えばエチレン含有率と異なることは好ましい。さらにより好ましくはプロピレンコポリマーの[モル%]での総コモノマー含有率、例えば総エチレン含有率は、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)の[モル%]でのコモノマー含有率、例えばエチレン含有率よりも高い。
【0017】
好ましい一実施形態においてプロピレンコポリマーは、不等式(I)を満たし、より好ましくは不等式(Ia)、さらにより好ましくは不等式(Ib)、一層より好ましくは不等式(Ic)が満たされる。
C(PP)−C(PP1)≧1.0(I)
6.5≧C(PP)−C(PP1)≧1.5(Ia)
6.0≧C(PP)−C(PP1)≧2.0(Ib)
5.5≧C(PP)−C(PP1)≧2.5(Ib)
(式中、
C(PP1)は、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)の[モル%]でのコモノマー含有率、好ましくはエチレン含有率であり、
C(PP)は、総プロピレンコポリマーの[モル%]でのコモノマー含有率、好ましくはエチレン含有率である。)
【0018】
別の好ましい実施形態において第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)の[モル%]でのコモノマー含有率、例えば総エチレン含有率は、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)の[モル%]でのコモノマー含有率、例えばエチレン含有率よりも高い。したがってプロピレンコポリマーが不等式(II)、より好ましくは不等式(IIa)、さらにより好ましくは不等式(IIb)、一層より好ましくは不等式(IIc)を満たすことは好ましい。
C(PP2)−C(PP1)≧3.0(II)
10.0≧C(PP2)−C(PP1)≧3.0(IIa)
9.0≧C(PP2)−C(PP1)≧4.0(IIb)
8.0≧C(PP2)−C(PP1)≧5.0(IIc)
(式中、
C(PP1)は、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)の[モル%]でのコモノマー含有率、好ましくはエチレン含有率であり、
C(PP2)は、第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)の[モル%]でのコモノマー含有率、好ましくはエチレン含有率である。)
【0019】
したがって第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)が、1.9から2.4モル%の範囲のような、1.5から3.0モル%の範囲、より好ましくは1.6から2.7モル%の範囲、さらにより好ましくは1.8から2.5モル%の範囲のコモノマー含有率、例えばエチレン含有率を有することは好ましい。
【0020】
一方で第2のランダムプロピレンコポリマー画分(R−PP2)は、好ましくは4.0より多くから15.0モル%の範囲、より好ましくは5.0から12.0モル%の範囲、一層より好ましくは7.0から10.5モル%の範囲のコモノマー含有率、例えばエチレン含有率を有する。
【0021】
プロピレンと共重合可能な、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)のコモノマーは、それぞれ、エチレンおよび/またはC
4からC
12α−オレフィン、具体的にはエチレンおよび/またはC
4からC
8α−オレフィン、例えば1−ブテンおよび/または1−ヘキセンである。好ましくは第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)は、それぞれ、エチレン、1−ブテンおよび1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを含む、特にはそれらからなる。より具体的には第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)は、それぞれ、プロピレンとは別に、エチレンおよび/または1−ブテンから誘導可能な単位を含む。好ましい実施形態において第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)は、同一のコモノマー、すなわちエチレンのみを含む。
【0022】
第1のランダムプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)のメルトフローレートは、異なっていてもよくまたはほぼ同じであってもよい。したがって好ましい一実施形態において第1のランダムプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)のメルトフローレートMFR
2(230℃)は、5g/10分より多くは異ならない、より好ましくは3g/10分より多くは異ならない、さらにより好ましくは2g/10分より多くは異ならない。最も好ましくは第1のランダムプロピレンコポリマー画分(R−PP1)のメルトフローレートMFR
2(230℃)は、第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)のメルトフローレートMFR
2(230℃)と同じである。
【0023】
したがってプロピレンコポリマーが、58から80g/10分の範囲のように、10から100g/10分の範囲、一層より好ましくは30から100g/10分の範囲、さらにより好ましくは40から90g/10分の範囲、一層より好ましくは50から85g/10分の範囲のメルトフローレートMFR
2(230℃)を有することは特に好ましい。好ましくは本段落に示された範囲は、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)に対して同様に適用可能である。
【0024】
好ましくは第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)と第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)との間の重量比は、43/57から50/50のように、40/60から54/46の範囲、より好ましくは42/58から52/48の範囲である。
【0025】
プロピレンコポリマーが、プロピレンコポリマーの総量に基づいて、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)を合わせて少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、一層より好ましくは少なくとも95重量%含むことはさらに好ましい。特に好ましい一実施形態において第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)は、プロピレンコポリマーにおけるポリマー成分のみである。
【0026】
良く知られているように、プロピレンコポリマーはプレポリマー画分をさらに含み得る。プレポリマー画分が存在する場合、前記画分は、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)または第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)の量(重量%)に対して、好ましくは第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)の量に対して計算される。プレポリマー画分は、プロピレンホモポリマーまたはコポリマーであってよく、後者が好ましい。
【0027】
より好ましくはプロピレンコポリマーは、(i)第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および(ii)第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)、ポリマー成分としての任意のプレポリマー画分(好ましくは第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)の一部である)、(iii)造核剤ならびに任意の、かつ好ましい、(iv)上記または下記あるいは請求項において定義されるような造核剤とは異なるさらなる添加剤からなる。
【0028】
さらにはプロピレンコポリマーは、151.0から156.0℃の範囲のように、好ましくは148℃より高い、より好ましくは148.0より高いから160.0℃の範囲、さらにより好ましくは150.0から158.0℃の範囲の溶融温度を有する。
【0029】
さらにプロピレンコポリマーは、121.0から127.0℃の範囲のように、119.0℃より高い、より好ましくは119.0より高いから130.0℃の範囲、一層より好ましくは120.0から128.0℃の範囲の結晶化温度を有することが理解される。
【0030】
キシレン可溶性含有率は、かなり広い範囲で有り得る。したがってプロピレンコポリマーが、4.0から15重量%未満の範囲、より好ましくは4.0から12重量%の範囲、一層より好ましくは6から10重量%の範囲のキシレン寒冷可溶性画分(XCS)を有することは好ましい。
【0031】
本発明によるプロピレンコポリマーの1つのさらなる好ましい特徴は、ビスブレーキングされていないことである。ビスブレーキングの間、開始生成物のより高いモル質量の鎖は、より低いモル質量の分子よりも統計上頻繁にブレーキングされ、全体的な平均分子量の低下およびメルトフローレートの増加をもたらす。通常は高メルトフローレートを有するポリマーは、低メルトフローレートを有するポリマーをビスブレーキングすることにより達成される。こうしたビスブレーキングは、典型的にはビスブレーキング剤として過酸化物を用いることによるように、任意の既知の手法で実行される。典型的なビスブレーキング剤は、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert.ブチル−ペルオキシ)ヘキサン(DHBP)(例えばLuperox 101およびTrigonox 101の商品名で販売されている)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert.ブチル−ペルオキシ)ヘキシン−3(DYBP)(例えばLuperox 130およびTrigonox 145の商品名で販売されている)、ジクミル過酸化物(DCUP)(例えばLuperox DCおよびPerkadox BCの商品名で販売されている)、ジ−tert.ブチル−過酸化物(DTBP)(例えばTrigonox BおよびLuperox Diの商品名で販売されている)、tert.ブチル−クミル−過酸化物(BCUP)(例えばTrigonox TおよびLuperox 801の商品名で販売されている)およびビス(tert.ブチルペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン(DIPP)(例えばPerkadox 14SおよびLuperox DCの商品名で販売されている)である。したがってプロピレンコポリマーが、過酸化物で、特に本段落において列挙されたような過酸化物で処理されていないことは好ましい。したがって好ましい実施形態において本発明によるプロピレンコポリマーは、いかなる過酸化物および/またはその分解生成物も含有しない。
【0032】
(α)−造核剤に加えて、本発明において定義されるようなプロピレンコポリマーは、酸化防止剤、掃酸剤、UV安定剤のような5.0重量%までの添加剤、ならびにスリップ剤およびブロッキング防止剤などの、加工助剤を含有していてよく、好ましくは含有する。好ましくは添加剤含有率((α−)造核剤を含まない)は、1.0重量%未満のように、3.0重量%未満である。
【0033】
プロピレンコポリマーは、好ましくはα造核剤を含む。さらにより好ましい本プロピレンコポリマーは、β−造核剤を含まない。α造核剤は、存在する場合、好ましくは
(i)モノカルボン酸およびポリカルボン酸の塩、例えば安息香酸ナトリウムまたはtert−ブチル安息香酸アルミニウム、ならびに
(ii)ジベンジリデンソルビトール(例えば1,3:2,4ジベンジリデンソルビトール)およびC
1〜C
8−アルキル置換されたジベンジリデンソルビトール誘導体、例えばメチルジベンジリデンソルビトール、エチルジベンジリデンソルビトールまたはジメチルジベンジリデンソルビトール(例えば1,3:2,4ジ(メチルベンジリデン)ソルビトール)、あるいは置換されたノニトール誘導体、例えば1,2,3,−トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−O−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール、ならびに
(iii)リン酸のジエステルの塩、例えば2,2’−メチレンビス(4,6,−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ナトリウムまたはアルミニウム−ヒドロキシ−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファート]、ならびに
(iv)(下記でより詳細に扱われるような)ビニルシクロアルカンポリマーおよびビニルアルカンポリマー、ならびに
(v)それらの混合物
からなる群から選択される。
【0034】
こうした添加剤は、一般に市販されておりかつ例えば、Hans Zweifelの「Plastic Additives Handbook」、第5編、2001年に記述されている。
【0035】
先に述べたように造核剤は、好ましくはポリマー造核剤、より好ましくはα造核剤、例えばポリマーα造核剤である。
【0036】
プロピレンコポリマーの(α)−造核剤含有率は、好ましくは最大5.0重量%である。好ましい実施形態において、プロピレンコポリマーは、具体的にはジベンジリデンソルビトール(例えば1,3:2,4ジベンジリデンソルビトール)、ジベンジリデンソルビトール誘導体、好ましくはジメチルジベンジリデンソルビトール(例えば1,3:2,4ジ(メチルベンジリデン)ソルビトール)、または置換されたノニトール誘導体、例えば1,2,3,−トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−O−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール、ビニルシクロアルカンポリマー、ビニルアルカンポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選択される3000ppm以下、より好ましくは1から2000ppmの(α)−造核剤を含有する。
【0037】
好ましい実施形態においてプロピレンコポリマーは、好ましいα造核剤として、ビニルシクロヘキサン(VCH)のような、ビニルシクロアルカンポリマーおよび/またはビニルアルカンポリマーを含有する。好ましくは本実施形態においてプロピレンコポリマーは、ビニルシクロヘキサン(VCH)のような、ビニルシクロアルカンポリマーおよび/またはビニルアルカンポリマー、好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)を含有する。
【0038】
造核剤は、マスターバッチとして投入してよい。あるいは本発明において定義された一部のα造核剤は、下記で述べられるようなBNT技術によって投入してもよい。
【0039】
造核剤は、例えばプロピレンコポリマーの重合プロセスの間にプロピレンコポリマーに投入してもよくまたは例えば担体ポリマーと共にマスターバッチ(MB)の形態でプロピレンコポリマーに投入してもよい。
【0040】
マスターバッチ(MB)投入の実施形態の場合においてマスターバッチ(MB)は、上記または下記で定義されるような、好ましくはポリマー造核剤、より好ましくはα造核剤、最も好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)のような、ビニルシクロアルカンポリマーおよび/またはビニルアルカンポリマー、好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーである造核剤を、マスターバッチ(MB)(100重量%)の重量に基づいて、500ppm以下、より好ましくは1から200ppm、およびさらにより好ましくは5から100ppmの量で含有する。この実施形態において、より好ましくは、前記マスターバッチ(MB)は、10.0重量%以下、より好ましくは5.0重量%以下および最も好ましくは3.5重量%以下の量で存在し、マスターバッチ(MB)の好ましい量は、プロピレンコポリマーの総量に基づいて、1.5から3.5重量%である。最も好ましくはマスターバッチ(MB)は、下記で述べられるようなBNT技術に従って造核されたプロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、好ましくはホモポリマーを含む、好ましくはそれらからなる。
【0041】
造核剤が、プロピレンコポリマーの重合プロセス中にプロピレンコポリマーに投入されることは好ましい。造核剤は、固体触媒成分、好ましくは固体チーグラー・ナッタ触媒成分、共触媒および任意の外部供与体を含む触媒系の存在下で、好ましくは上記で定義されたビニル化合物、好ましくは上記または下記で定義されたような、ビニルシクロアルカンを最初に重合させるまでにプロピレンコポリマーに投入され、かつ得られるビニル化合物のポリマー、好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーの反応混合物、および触媒系は、次いでプロピレンコポリマーの生成に使用される。前記プロピレンコポリマーの重合中の上記のポリマー造核剤のプロピレンコポリマーへの組み込みは、本明細書において下記で述べられるようにBNT技術と呼ばれる。
【0042】
前記得られた反応混合物は、本明細書中以下において区別なく修飾触媒系と呼ばれる。
【0043】
好ましくはビニルシクロアルカンは、BNT技術によってプロピレンコポリマーに投入されるビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーである。
【0044】
より好ましくはこの好ましい実施形態において、プロピレンコポリマー中の、ビニルシクロヘキサン(VCH)のような、ビニルシクロアルカンポリマーおよび/またはビニルアルカンポリマー、より好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーの量は、500ppm以下、より好ましくは1から200ppm、最も好ましくは5から100ppmである。
【0045】
BNT技術に関して国際公開第99/24478号、国際公開第99/24479号および特に国際公開第号00/68315の国際出願への参照がなされる。本技術に従って触媒系、好ましくはチーグラー・ナッタプロ触媒は、具体的には特殊なチーグラー・ナッタプロ触媒、外部供与体およびビニル化合物が式
CH
2=CH−CHR
3R
4
(式中、R
3およびR
4は一緒に5または6員の飽和、不飽和または芳香族の環を形成するかあるいは独立に1から4個の炭素原子を含むアルキル基を表す)を有する、共触媒を含む、触媒系の存在下でビニル化合物を重合させることにより修飾してよく、かつ修飾された触媒は、本発明によるプロピレンコポリマーの調製のために用いられる。重合されたビニル化合物は、α造核剤として働く。触媒の修飾ステップにおける固体触媒成分に対するビニル化合物の重量比は、好ましくは最大5(5:1)、好ましくは最大3(3:1)最も好ましくは0.5(1:2)から(2:1)までである。最も好ましいビニル化合物は、ビニルシクロヘキサン(VCH)である。
【0046】
本発明によるプロピレンコポリマーは、好ましくはチーグラー・ナッタ触媒の存在下で、より好ましくは下記で定義される触媒(系)の存在下で逐次重合プロセスにおいて生成される。
【0047】
「逐次重合プロセス」という語は、プロピレンコポリマーが、直列に接続された、少なくとも2つの反応器、好ましくは2つの反応器において生成されることを示す。
【0048】
したがって本プロセスは、少なくとも第1の反応器(R1)および第2の反応器(R2)を含む。「重合反応器」という語は、主たる重合が行われることを示すものとする。したがって2つの重合反応器からなるプロセスの場合、この定義は、全体的なプロセスが、例えば予備重合反応器における予備重合ステップを含むという選択肢を除外しない。「からなる」という語は、主たる重合反応器を考慮して単に閉鎖する表現である。
【0049】
第1の反応器(R1)は、好ましくはスラリー反応器(SR)であってよくかつバルクまたはスラリーにおいて動作する任意の連続的なまたは単純な撹拌槽反応器またはループ型反応器であってよい。バルクは、少なくとも60%(w/w)のモノマーを含む反応媒体における重合を意味する。
【0050】
本発明に従ってスラリー反応器(SR)は、好ましくは(バルク)ループ型反応器(LR)である。
【0051】
第2の反応器(R2)は、好ましくは気相反応器(GPR)である。こうした気相反応器(GPR)は、任意の機械的混合または流動床反応器であってよい。例えば気相反応器(GPR)は、少なくとも0.2m/秒の気体速度で機械的に撹拌された流動床反応器であってよい。したがって気相反応器は、場合によっては機械撹拌器を備えた、流動床型の反応器であることが理解される。
【0052】
したがって好ましい実施形態において第1の反応器(R1)は、ループ型反応器(LR)のような、スラリー反応器(SR)であり、一方第2の反応器(R2)は、気相反応器(GPR)である。したがって本プロセスに関して2つの重合反応器、すなわちループ型反応器(LR)のような、スラリー反応器(SR)および気相反応器(GPR)は、直列に接続されている。必要な場合はスラリー反応器(SR)より前に予備重合反応器が置かれる。
【0053】
好ましくは第1の反応器(R1)においてプロピレンコポリマーの第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)が生成され、一方第2の反応器(R2)において第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)が生成される。
【0054】
好ましい多段階プロセスは、例えば欧州特許第0887379号、国際公開第92/12182号、国際公開第2004/000899号、国際公開第2004/111095号、国際公開第99/24478号、国際公開第99/24479号または国際公開第00/68315号などの、特許文献において記載されているBorealis A/S、デンマーク(BORSTAR(登録商標)技術として知られる)によって開発されたものなどの「ループ型気相」プロセスである。
【0055】
さらなる適したスラリー−気相プロセスは、例えばGalliおよびVecelloによる論文、Prog.Polym.Sci.26(2001年)1287〜1336の
図20に記載されているBasellのSpheripol(登録商標)プロセスである。
【0056】
好ましくは、上記で定義されたプロピレンコポリマーを生成するための本プロセスにおいて第1の反応器(R1)、すなわちステップ(a)の、ループ型反応器(LR)のような、スラリー反応器(SR)のための条件は、次の通りであってよい。
− 温度は、40℃から110℃の範囲内、好ましくは68から95℃のような、60℃から100℃の間であり、
− 圧力は、20バールから80バールの範囲内、好ましくは40バールから70バールの間であり、
− 水素は、それ自体が既知である方法でモル質量を制御するために加えてよい。
【0057】
続いて、ステップ(a)からの反応混合物(好ましくは第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)を含有する)は、第2の反応器(R2)、すなわちそれによる条件が好ましくは以下の通りである、気相反応器(GPR)に移される。
− 温度は、50℃から130℃の範囲内、好ましくは60℃から100℃の間であり、
− 圧力は、5バールから50バールの範囲内、好ましくは15バールから35バールの間であり、
− 水素は、それ自体が既知である方法でモル質量を制御するために加えてよい。
【0058】
滞留時間は、2つの反応帯において異なってよい。
【0059】
プロピレンコポリマーを生成するためのプロセスの一実施形態において第1の反応器(R1)、すなわちループ型反応器(LR)のような、スラリー反応器(SR)における滞留時間は0.2から4時間の範囲、例えば0.3から1.5時間でありかつ気相反応器(GPR)における滞留時間は、0.5から4.0時間のように、一般に0.2から6.0時間になる。
【0060】
必要に応じて、重合は、第1の反応器(R1)において、すなわちループ型反応器(LR)のような、スラリー反応器(SR)において、臨界超過状態下で既知の方法で、および/または気相反応器(GPR)において凝縮モードとして実施してよい。
【0061】
予備重合反応は、典型的には0から50℃、好ましくは10から45℃、およびより好ましくは15から40℃の温度で行われる。
【0062】
したがって本発明によるプロピレンコポリマーは、
(a)第1の反応器(R1)においてプロピレンおよび少なくとも1種のプロピレンと異なるα−オレフィン、例えばエチレンを重合させ、それによって第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)を取得するステップ、
(b)第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)を第2の反応器(R2)に移すステップ、
(c)前記第2の反応器(R2)において、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)の存在下で、プロピレンおよび少なくとも1種のプロピレンと異なるα−オレフィン、例えばエチレンを重合させ、第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)を取得するステップであって、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)と第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)との混合物がプロピレンコポリマーを形成するステップ
を含む逐次重合プロセスによって得られる。
【0063】
より好ましくはプロピレンコポリマーは、
(I)ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化チタンおよび内部電子供与体を含む固体触媒成分と、
(II)アルキルアルミニウムおよび場合によっては外部電子供与体を含む共触媒と、
(III)任意の造核剤、好ましくは上記または下記で定義される造核剤の存在下で、
かつ
(a)60から80℃の温度および3000から6500kPaの圧力でプロピレン、水素および前記コモノマーの流れを第1の反応器(R1)内に導入することにより第1の反応器(R1)において、プロピレンを、プロピレンを除くC
2からC
8のα−オレフィンから選択されるコモノマー、例えばエチレンと一緒に連続的に重合させて第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)を生成するステップと、
(b)第1の反応器(R1)から前記第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)を含む流れを回収して前記流れを第2の反応器(R2)に移すステップと、
(c)70から90℃の温度および1000から3000kPaの圧力でプロピレン、前記コモノマーおよび場合によっては水素の流れを前記第2の反応器(R2)内に導入することにより前記第2の反応器(R2)において、プロピレンを、プロピレンを除くC
2からC
8のα−オレフィンから選択されるコモノマー、例えばエチレンと一緒に重合させて第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)を生成するステップであって、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)および第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)の混合物がプロピレンコポリマーを形成するステップと、
(d)第2の反応器(R2)から前記プロピレンコポリマーを含む流れを連続的に取り出して場合によっては前記プロピレンコポリマーを添加剤と混合するステップと
を含む逐次重合プロセスにおいて、得られる。
【0064】
本発明によるプロセスが、次のプロセスステップ、
上記で定義されたビニル化合物、好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)を、固体触媒成分を含む触媒系の存在下で重合させて固体触媒系および生成されたビニル化合物のポリマーを含む反応混合物である修飾された触媒系を取得するステップであって、かつ好ましくは、固体触媒系に対するビニル化合物のポリマーの重量比(g)が、最大5(5:1)、好ましくは最大3(3:1)最も好ましくは0.5(1:2)から2(2:1)であり、かつ得られる修飾された触媒系が、プロピレンコポリマーを生成するためのプロセスの重合ステップ(a)に供給されるステップ
を含むことは特に好ましい。
【0065】
用いられる触媒は、好ましくはチーグラー・ナッタ触媒系および下記でより詳細に定義されるさらにより好ましい修飾されたチーグラー・ナッタ触媒系である。
【0066】
こうしたチーグラー・ナッタ触媒系は、典型的には固体触媒成分、好ましくは固体遷移金属成分、および共触媒、ならびに場合によっては外部供与体を含む。固体触媒成分は、最も好ましくはハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化チタンおよび内部電子供与体を含む。こうした触媒は、当技術分野において良く知られている。こうした固体触媒成分の例は、特に、国際公開第87/07620号、国際公開第92/21705号、国際公開第93/11165号、国際公開第93/11166号、国際公開第93/19100号、国際公開第97/36939号、国際公開第98/12234号、国際公開第99/33842号において開示されている。
【0067】
適した電子供与体は、特に、フタル酸塩、シトラコン酸塩、およびコハク酸塩のような、カルボン酸のエステルである。酸素または窒素含有ケイ素化合物も用いてよい。適した化合物の例は、国際公開第92/19659号、国際公開第92/19653号、国際公開第92/19658号、米国特許第4,347,160号、米国特許第4,382,019号、米国特許第4,435,550号、米国特許第4,465,782号、米国特許第4,473,660号、米国特許第4,530,912号および米国特許第4,560,671号に示されている。
【0068】
さらに、前記固体触媒成分は好ましくは、プロピレンコポリマーを重合するために、これに限定されないが、エーテル、ケトン、アミン、アルコール、フェノール、ホスフィンおよびシランを含めた良く知られている外部電子供与体、例えば中心原子としてケイ素を有し、かつRが1〜20個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキルまたはシクロアルキルである、Si−OCOR、Si−OR、またはSi−NR
2結合を含有するオルガノシラン化合物、ならびに好ましくは当技術分野において知られているようなアルキルアルミニウム化合物を含む、良く知られている共触媒と組み合わせて用いられる。
【0069】
プロピレンコポリマーの重合プロセスの間に造核剤がプロピレンコポリマーに導入される場合、プロピレンコポリマー中に存在する造核剤の量は、プロピレンコポリマーおよび造核剤に基づいて、好ましくは全ての添加剤を含めたプロピレンコポリマーの総重量に基づいて、好ましくは500ppm以下、より好ましくは0.025から200ppm、さらにより好ましくは1から100ppm、および最も好ましくは5から100ppmである。
【0070】
本発明は、物品、好ましくは射出成形品および吹込成形品のような、成形品、例えば押出または射出吹込成形品も対象とする。
【0071】
好ましくは物品、特に前の段落で定義された物品は、物品の総量に基づいて、50から99.9重量%のように、少なくとも50重量%、より好ましくは、60から99重量%のように、少なくとも60重量%、さらにより好ましくは、80から99重量%のように、少なくとも80重量%、一層より好ましくは、90から99重量%のように、少なくとも90重量%のプロピレンコポリマーを含む。
【0072】
以下において本発明は実施例の手段によりさらに例示される。
【実施例】
【0073】
A.測定方法
【0074】
以下の用語の定義および定量方法は、別途定義しない限り、上記の本発明の概要ならびに下記の実施例に適用される。
NMR分光法によるコポリマー微細構造の定量化
【0075】
定量核磁気共鳴(NMR)分光法を、ポリマーのコモノマー含有率を定量化するために用いた。
【0076】
定量的
13C{
1H}NMRスペクトルを、それぞれ
1Hおよび
13Cについて400.15および100.62MHzで動作するBroker Advance III 400 NMR分光計を使用して溶液状態で記録した。全てのスペクトルを、全ての空気圧について窒素ガスを用いて125℃で
13C最適化10mm拡張温度プローブヘッドを用いて記録した。G.Singh、A.Kothari、V.Gupta、Polymer Testing 2009年、28(5)、475に記載のように約200mgの材料を、クロム−(III)−アセチルアセトナート(Cr(acac)
3)と共に3mlの1,2−テトラクロロエタン−d
2(TCE−d
2)に溶解して溶媒中の緩和剤(relaxation agent)の65mMの溶液を生じた。
【0077】
均質な溶液を確実にするために、加熱ブロックにおける最初の試料調製後、NMR管を、回転炉内で少なくとも1時間さらに加熱した。磁石への挿入に続いて管を10Hzで回転させた。この構成は、主に高分解能のために選択されかつ正確なエチレン含有率定量化のために定量的に必要であった。Z.Zhou、R.Kuemmerle、X.Qiu、D.Redwine、R.Cong、A.Taha、D.Baugh、B.Winniford、J.Mag.Reson.187(2007年)225およびV.Busico、P.Carbonniere、R.Cipullo、C.Pellecchia、J.Severn、G.Talarico、Macromol.Rapid Commun.2007年、28、1128に記載のように、最適化された先端角度、1秒の待ち時間(recycle delay)およびバイレベルWALTZ16デカップリング法を用い、NOE無しで標準の単一パルス励起を用いた。スペクトル当り合計6144(6k)の過渡が得られた。
【0078】
定量的
13C{
1H}NMRスペクトルを加工し、積分して積分から関連する定量的特性を決定した。全ての化学シフトは、溶媒の化学シフトを用いて30.00ppmでエチレンブロック(EEE)の中心メチレン基を間接的に基準とした。このアプローチは、この構造単位が存在しない場合でも比較可能な基準を可能にした。
【0079】
(L.Resconi、L.Cavallo、A.Fait、F.Piemontesi、Chem.Rev.2000年、100(4)、1253、Cheng,H.N.、Macromolecules 1984年、17、1950、ならびにW−J.WangおよびS.Zhu、Macromolecules 2000年、33 1157に記載のように)観察された2,1エリスロレギオ欠陥(2,1 erythro regio defects)に対応する特性信号について測定された特性へのレギオ欠陥の影響の補正が必要であった。レギオ欠陥の他の種類に対応する特性信号は、観察されなかった。
【0080】
(Cheng,H.N.、Macromolecules 1984年、17,1950に記載のように)エチレンの組み込みに対応する特性信号を観察してポリマー中の全てのモノマーに対してコモノマー画分をポリマー中のエチレンの画分として計算した。
【0081】
コモノマー画分を、W−J.WangおよびS.Zhu、Macromolecules 2000年、33 1157の方法を用いて
13C{
1H}スペクトル中のスペクトル領域全体にわたる複数信号の積分によって定量化した。この方法は、その強固な性質および必要とされる場合にレギオ欠陥の存在を説明できる能力のために選択した。積分領域を、遭遇したコモノマー含有率の範囲全体にわたって適用性を増加するためにわずかに調節した。
【0082】
コモノマー組み込みモルパーセントを、モル分率から計算した。
【0083】
コモノマー組み込み重量パーセントを、モル分率から計算した。
【0084】
第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)の本出願における、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)または第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)のコモノマー含有率の計算:
【数1】
(式中、
w(PP1)は、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)の重量分率[重量%]であり、
w(PP2)は、第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)の重量分率[重量%]であり、
C(PP1)は、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)のコモノマー含有率[モル%]であり、
C(PP)は、プロピレンコポリマーのコモノマー含有率[モル%]であり、
C(PP2)は、第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)の計算されたコモノマー含有率[モル%]である。)
【0085】
MFR
2(230℃)を、ISO1133(230℃、荷重2.16kg)に従って測定する。
【0086】
第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)の本明細書における、第1または第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)/(R−PP1)のメルトフローレートMFR
2(230℃)の計算:
【数2】
(式中、
w(PP1)は、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)の重量分率[重量%]であり、
w(PP2)は、第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)の重量分率[重量%]であり、
MFR(PP1)は、第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)のメルトフローレートMFR
2(230℃)[g/10分]であり、
MFR(PP)は、プロピレンコポリマーのメルトフローレートMFR
2(230℃)[g/10分]であり、
MFR(PP2)は、第2のプロピレンコポリマー画分(R−PP2)の計算されたメルトフローレートMFR
2(230℃)[g/10分]である。)
【0087】
室温におけるキシレン可溶性画分(XCS)(XS、重量%):キシレンに可溶性のポリマーの量を、ISO16152、初版、2005−07−01に従って25℃で測定する。残りの部分は、キシレン寒冷不溶性(XCU)画分である。
【0088】
DSC分析、溶融温度(T
m)および融解熱(H
f)、結晶化温度(T
c)および結晶化熱(H
c):5から7mgの試料でTA Instrument Q200示差走査熱量測定(DSC)で測定。DSCを、ISO11357/パート3/C2法に従って−30から+225℃の温度範囲において10℃/分の走査速度で加熱/冷却/加熱サイクルで実行する。結晶化温度および結晶化熱(H
c)は、冷却ステップから測定し、一方溶融温度および融解熱(H
f)は、第2の加熱ステップから測定する。
【0089】
シャルピー衝撃試験:ノッチ付きシャルピー衝撃強度(NIS)を、ISO179 1eAに従って0℃および+23℃で、ISO1873−2:2007に従って調製した80x10x4mm
3の射出成形バー試験片を用いて測定した。
【0090】
曇価を、ASTM D 1003−07に従って230℃の溶融温度を用いてEN ISO 1873−2に沿って射出成形した60x60x2mm
3の板で測定した。
【0091】
引張試験:引張弾性率を、EN ISO 1873−2(ドッグ10ボーン(dog 10 bone)形、4mm厚さ)に従って生成した、ISO 527−2(lB)に従って180℃または200℃で成形した射出成形試験片を用いて23℃でISO527−1に従って(クロスヘッド速度1mm/分)測定した。
【0092】
黄色度指数(YI)は、透明または白色から黄色に向かう試験試料の色の変化を表現する分光光度データから計算される数値である。この試験は、実際のまたは模擬の屋外露出によって引き起こされる材料における色変化を評価するために最も一般的に用いられている。分光光度計器は、ASTM E313に従って黄色度指数E 313を計算するColorToolsソフトウェアを備えたSpectraflash SF600である。試料ホルダーおよびパイプ上で試料を試験する。試料として2mmの圧縮成形試料またはペレットを用いた。
【0093】
黄色度指数は、次のように採点する。
【0094】
【表1】
【0095】
スパイラルフロー:
スパイラル試験は、スパイラル金型を備えたEngel ES330/65 cc90射出成形装置および600、1000または1400バールの圧力を用いて実行する。
スクリュー直径:35mm
最大ピストン変位150cm
3
規格射出圧力:600、1000、または1400バール
ツール形状:楕円形、Axxiconより提供、厚さ2mm、横幅:5mm
予備チャンバーおよびダイ内の温度:230℃
ゾーン2/ゾーン3/ゾーン4/ゾーン5内の温度:230℃/230℃/225℃/200℃
射出サイクル:待機を含めた射出時間:10秒
冷却時間:15秒
射出圧力:試験材料の所定の長さから以下
保持圧力=射出圧力
スクリュー速度:30rpm
系圧力:10バール
計量経路:スクリューが保持圧力の端部においてその最終位置の20mm前で停止するように選択すべきである。
ツール温度:40℃
スパイラルフロー長は、射出操作の直後に測定してよい。
【0096】
B.実施例
発明例IE1:
重合において用いた触媒は、(欧州特許第591224号に記載のように)1.9重量%のTi−含有率を有するBorealisのチーグラー・ナッタ触媒であった。重合の前に、欧州特許第1028984号および欧州特許第1183307号に記載のように触媒をビニル−シクロ−ヘキサン(VCH)で予備重合した。1:1の触媒に対するVCHの比率を、調製において用い、したがってIE1における最終ポリ−VCH含有率は、100ppm未満であった。
【0097】
第1段階において上述の触媒を、プロピレンおよび少量の水素(2.5g/時)およびエチレン(330g/時)と一緒に予備重合反応器に供給した。
【0098】
共触媒としてトリエチルアルミニウムおよび供与体としてジシクロペンチルジメトキシシランを用いた。アルミニウムの供与体に対する比率は7.5mol/molでありアルミニウムのチタンに対する比率は300mol/molであった。反応器を、30℃の温度および55bargの圧力で運転した。
【0099】
予備重合段階からのスラリーを、温度70℃および圧力55bargで運転されたループ型反応器に直接供給した。プロピレン、エチレンおよび水素を、ループ型反応器にさらに追加した。プロピレンに対する水素のモル比は、16.9mol/kmolでありプロピレンに対するエチレンの比は3.7mol/kmolであった。ループ型における生産速度は、30kg/時を維持した。第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)のMFR、エチレン含有率およびXCSは、表1から得られる。
【0100】
ループ型反応器からのスラリーを、直接供給ラインを介して、すなわち反応器間でのモノマーフラッシング無しで気相反応器に導入した。気相反応器を、温度85℃および16bargのプロピレン分圧で運転した。追加の水素を、228mol/kmolのプロピレンに対する水素のモル比で供給した。気相反応器におけるプロピレンに対するエチレンモル比は、50.1mol/kmolであった。気相反応器における生産速度は、35kg/時でありしたがって反応器の後の合計ポリマー生産速度は、65kg/時であった。生産分割(production split)(気相反応器において作られた生産量の%)は、55%であった。最終プロピレンコポリマーのMFR、エチレン含有率およびXCSは、表1から得られる。
【0101】
造粒段階においてポリマー粉末を、従来の量の塩基性安定剤、例えばCa−ステアリン酸塩、Irganox 1010、およびIrgafos 168と混合した。帯電防止剤Grinsted PS426および清澄剤DMDBSも、調合物において用いた。造粒を、220℃の溶融温度でW&P ZSK 70(Coperion)二軸スクリュー押出機で実行した。押出機処理量は、200kg/時であった。
【0102】
比較例CE1:
第1段階において3.4重量%のTi−含有率を有するBorealis独自開発の触媒を、プロピレンおよび少量の水素(2.5g/時)およびエチレン(360g/時)と一緒に予備重合反応器に供給した。共触媒としてトリエチルアルミニウムおよび供与体としてジシクロペンチルジメトキシシランを用いた。アルミニウムの供与体に対する比率は7.5mol/molでありアルミニウムのチタンに対する比率は300mol/molであった。反応器を、30℃の温度および55bargの圧力で運転した。
【0103】
予備重合段階からのスラリーを、温度70℃および圧力55bargで運転されたループ型反応器に直接供給した。プロピレン、水素およびエチレンを、ループ型反応器にさらに追加した。プロピレンに対する水素のモル比は、6.1mol/kmolでありプロピレンに対するエチレンの比は、7.2mol/kmolであった。ループ型における生産速度は、30kg/時であった。第1のプロピレンコポリマー画分(R−PP1)のMFR、エチレン含有率およびXCSは、表1から得られる。
【0104】
ループ型反応器からのスラリーを、直接供給ラインを介して、すなわち反応器間でのモノマーフラッシング無しで気相反応器に導入した。気相反応器を、温度85℃および21bargのプロピレン分圧で運転した。追加のエチレンおよび水素を、次のモル比、プロピレンに対する水素45mol/kmolおよびプロピレンに対するエチレン21mol/kmolで供給した。気相反応器における生産速度は、35kg/時でありしたがって反応器の後の合計ポリマー生産速度は、65kg/時であった。生産分割(気相反応器において作られた生産量の%)は、55%であった。最終プロピレンコポリマーのMFR、エチレン含有率およびXCSは、表1から得られる。
【0105】
造粒段階においてポリマー粉末を、従来の量の塩基性安定剤、例えばCa−ステアリン酸塩、Irganox 1010、およびIrgafos 168と混合した。さらに帯電防止剤Grinsted PS426および清澄剤DMDBSを、調合物において用い、70g/10分の最終MFRに達するように過酸化した。造粒を、220℃の溶融温度でW&P ZSK 70(Coperion)二軸スクリュー押出機で実行した。押出機処理量は、200kg/時であった。
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】