特許第6266803号(P6266803)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266803
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】導光ユニット、光源装置及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20180115BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180115BHJP
【FI】
   F21S2/00 438
   F21Y115:10
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-552727(P2016-552727)
(86)(22)【出願日】2014年10月6日
(86)【国際出願番号】JP2014076705
(87)【国際公開番号】WO2016056052
(87)【国際公開日】20160414
【審査請求日】2017年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】512225287
【氏名又は名称】堺ディスプレイプロダクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【弁理士】
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】寺川 大輔
【審査官】 津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−013503(JP,A)
【文献】 特開平10−021720(JP,A)
【文献】 特開2004−296345(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/011813(WO,A1)
【文献】 実開昭61−123406(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光出射面と前記光出射面と反対側の光反射面とを有する導光板と、
前記導光板の前記光反射面に対向するように配置された反射シートと
前記導光板と前記反射シートとの間に、前記光反射面に沿って互いに離隔して配置された複数の光散乱部とを有し、
前記複数の光散乱部のそれぞれは、前記導光板の前記光反射面に固着された散乱層と、前記散乱層上に形成された反射層と備える、導光ユニット。
【請求項2】
記散乱層は粘着性を有する、請求項1に記載の導光ユニット。
【請求項3】
前記複数の光散乱部のそれぞれは、
前記反射層の表面に形成された粘着層をさらに有し、
前記粘着層は、前記反射シートに固着してある請求項2に記載の導光ユニット。
【請求項4】
前記導光板と前記散乱層との間の粘着力は、前記反射シートと前記粘着層との間の粘着力より大きい請求項3に記載の導光ユニット。
【請求項5】
前記反射層と前記反射シートとは間隙を空けて配置されている、請求項1または2に記載の導光ユニット。
【請求項6】
請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の導光ユニットと、前記導光ユニットへ光を入射させる光源部とを備える光源装置。
【請求項7】
請求項に記載の光源装置と、前記光源装置が出射する光を透過させる表示パネルとを備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板の表面から光を出射する導光ユニット、該導光ユニットを備える光源装置及び該光源装置を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの携帯電話機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、あるいは液晶テレビ等には、液晶表示装置が用いられている。液晶表示装置は、液晶表示パネル及びバックライトなどを備える。バックライトは、例えば、液晶表示パネルの裏面側に、LED(発光ダイオード)からの光を拡散させる拡散板を設けた直下ライト方式のもの、あるいは、液晶表示パネルの裏面側に配置された導光板及び導光板の端面に対向配置したLEDを備えたエッジライト方式のものがある。LEDから発せられた光は、導光板の端面から導光板内部に入射し、導光板の光出射面を通って液晶表示パネルの裏面側から液晶表示パネルの内部に入射される。また、導光板の光出射面と反対側の光反射面には、導光板から出た光を再び導光板に戻すための反射板を対向配置してある。
【0003】
このような導光板の光反射面には、導光板の内部で全反射する光を散乱させて光出射面から出射させるとともに、光出射面における輝度を均一にするためドットパターン、プリズム状の溝などの光散乱部を設けている。
【0004】
一方で、導光板と反射板とを固着した場合、導光板の光反射面が屈折率の小さい空気を接触しなくなり、全反射条件を充足しなくなり導光板の光出射面における輝度が不均一になる。そこで、ドットパターンに粘着性を持たせて、導光板と反射板とを貼り付けた導光板ユニット及び液晶表示装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−93195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のような従来の液晶表示装置において、反射板の線膨張係数に対して線膨張係数の大きい導光板を用いた場合には、温度変化に応じて反射板が縮み、逆に反射板の線膨張係数に対して線膨張係数の小さい導光板を用いた場合には、温度変化に応じて導光板が縮むことになる。
【0007】
図12は従来の導光板及び反射板の伸縮の様子の一例を示す模式図である。図12Aは導光板に比べて反射板が縮んだ状態を示し反射板の両側が剥がれる。図12Aでは、粘着性を有するドットパターンの反射板側が剥がれている(符号P1、P2参照)。また図12Bは反射板に比べて導光板が縮んだ状態を示し導光板の中央部が剥がれる。図12Bでは、粘着性を有するドットパターンの反射板側が剥がれている(符号P3参照)。また図12Cは導光板に比べて反射板が縮んだ状態を示し反射板の両側が剥がれる。図12Cでは、粘着性を有するドットパターンの導光板側が剥がれている(符号P4、P5参照)。また図12Dは反射板に比べて導光板が縮んだ状態を示し導光板の中央部が剥がれる。図12Dでは、粘着性を有するドットパターンの導光板側が剥がれている(符号P6参照)。また図12Eはドットパターンが剥がれない程度の強い粘着性を有する場合を示し、導光板及び反射板の線膨張係数の違いにより反射板が縮み、導光板及び反射板が反った状態を示す。
【0008】
図13は従来の導光板での光の伝搬の様子の一例を示す模式図である。図13Aは導光板及び反射板の伸縮がなくドットパターンが剥がれていない状態を示す。この場合、導光板内部を伝播する光の一部が光反射面を透過してドットパターンへ入射する。ドットパターンは光散乱性を有しているので、ドットパターンへ入射した光は、ドットパターンで散乱して再び導光板へ入射する。すなわち、導光板内部を伝播する光の一部がドットパターンで散乱されると、散乱した光は導光板の光出射面の方へ比較的均等に伝播される。光源から離れた位置にあるほど、導光板内部を伝播する光の量は少なくなるが、ドットパターンは、光源から離れるにつれて高密度に設けられているので、ドットパターンで散乱される光の量は比較的多くなり、導光板の光出射面における輝度を均一にすることができる。
【0009】
図13Bは、図12A及び図12Bの符号P1、P2、P3で示したように、ドットパターンの反射板側が剥がれている状態を示す。この場合には、ドットパターンと反射板とが離れ、反射板と導光板との距離が長くなる。そして、ドットパターンで散乱した光が導光板に入射する位置がずれて広がってしまう。このため、図13Aで示したような本来の輝度分布とは異なる輝度分布となり、導光板の光出射面に明暗の境界が発生する。
【0010】
また、図13Cは、図12C及び図12Dの符号P4、P5、P6で示したように、ドットパターンの導光板側が剥がれている状態を示す。この場合には、導光板とドットパターンとが離れてしまうので、導光板の光反射面は空気層と接することになり、光反射面で全反射することになる。このため、図13Aで示したような本来の散乱光を取り出すことができず、輝度が低下し、導光板の当該ドットパターンに対応する箇所及びその周辺の光出射面が暗くなる。
【0011】
上述のように、従来の液晶表示装置では、導光板及び反射板それぞれの線膨張係数の違いにより反射板の撓み、あるいは導光板の弛みなどが生じ、導光板の光出射面の輝度ムラが生じるという問題がある。
【0012】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、導光板の輝度ムラを防止することができる導光ユニット、光源装置及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る導光ユニットは、導光板と、該導光板の一面に対向配置された反射シートとを備え、前記導光板の他面から光を出射する導光ユニットにおいて、散乱層及び反射層の順に積層した光散乱部を、前記散乱層を前記一面側に配置させて前記一面に沿って複数離隔して設けてあることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、導光ユニットは、導光板、導光板の一面(光反射面)に対向配置された反射シートを備え、導光板の他面(光出射面)から光を出射する。導光ユニットは、散乱層及び反射層の順に積層した光散乱部を、散乱層を導光板の一面側に配置させて、導光板の一面に沿って複数離隔して設けてある。すなわち、導光板の光反射面には、複数の光散乱部をお互いに離隔して設けてある。なお、光散乱部は、導光板の端面に光源を配置した場合、光源からの距離が長くなるにつれて光散乱部の寸法を大きくし、あるいは隣接する光散乱部の離隔寸法を短くするなどして、光散乱部の密度を大きくしてある。
【0015】
光散乱部は、導光板側に散乱層を有し、反射シート側に反射層を有するので、導光板から光散乱部へ入射した光は反射層で反射され反射シート側には透過しない。このため、導光板及び反射シートの線膨張係数の違いにより、仮に光散乱部が反射シートから剥がれたとしても、導光板の光反射面と反射層との距離が一定であるので、散乱層で散乱される散乱光の広がりに差がないようにすることができる。これにより、導光板の光出射面に明暗の境界が発生することを抑制して輝度ムラを防止することができる。
【0016】
本発明に係る導光ユニットは、前記光散乱部は、前記反射層の表面に粘着層を積層してあり、前記散乱層は、粘着性を有し、前記散乱層を前記導光板に固着してあり、前記粘着層を前記反射シートに固着してあることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、光散乱部は、反射層の表面に粘着層を積層してあり、散乱層は、粘着性を有し、散乱層を導光板に固着してあり、粘着層を反射シートに固着してある。光散乱部は、粘着性を有する散乱層を導光板の光反射面に固着してあり、粘着層を反射シートに固着してあるので、光散乱部を介して導光板と反射シートとを貼り付けることができる。また、導光板及び反射シートの線膨張係数の違いにより、仮に光散乱部が反射シートから剥がれたとしても、導光板の光反射面と反射層との距離が一定であるので、散乱層で散乱される散乱光の広がりに差がないようにすることができる。これにより、導光板の光出射面に明暗の境界が発生することを抑制して輝度ムラを防止することができる。
【0018】
本発明に係る導光ユニットは、前記導光板と散乱層との間の粘着力は、前記反射シートと粘着層との間の粘着力より大きいことを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、導光板と散乱層との間の粘着力は、反射シートと粘着層との間の粘着力より大きい。導光板及び反射シートの線膨張係数の違いにより、導光板と反射シートの伸縮度合が異なった場合、導光板と光散乱部の散乱層との間の粘着力が比較的大きいので、導光板と光散乱部とは剥がれることを防止する。一方、反射シートと光散乱部の粘着層との間の粘着力が比較的小さいので、導光板と反射シートの伸縮度合が異なった場合、反射シートと光散乱部とが剥がれるようにすることができる。これにより、導光板と反射シートの反り又は撓みを防止することができる。また、導光板と反射シートとのズレが大きくなった場合には、光散乱部は反射シートから剥がれるようにすることができるので、導光板の光出射面に明暗の境界が発生することを抑制して輝度ムラを防止することができる。また、光散乱部と導光板とが剥がれることを防止することができるので、散乱光を取り出すことができず、輝度が低下して、導光板の光出射面が暗くなることを防止することができる。
【0020】
本発明に係る光源装置は、前述の発明のいずれか1つに係る導光ユニットと、該導光ユニットへ光を入射する光源部とを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、導光板の輝度ムラを防止することができる光源装置を提供することができる。
【0022】
本発明に係る表示装置は、前述の発明に係る光源装置と、該光源装置が出射する光を透過させる表示パネルとを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、導光板の輝度ムラを防止することができる表示装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、導光板から出射する光の輝度ムラを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態1の表示装置の一例を示す外観斜視図である。
図2】実施形態1の表示装置の要部の一例を示す説明図である。
図3】実施形態1の表示装置の光散乱部付近における光の伝播の様子の第1例を示す模式図である。
図4】実施形態1の表示装置の反射シートが導光板から剥がれた状態の一例を示す模式図である。
図5】実施形態1の表示装置の光散乱部付近における光の伝播の様子の第2例を示す模式図である。
図6】実施形態1の表示装置の反射シートが導光板から剥がれた状態の他の例を示す模式図である。
図7】実施形態2の表示装置の要部の一例を示す説明図である。
図8】実施形態2の表示装置の光散乱部付近における光の伝播の様子の第1例を示す模式図である。
図9】実施形態2の表示装置の反射シートが撓んだ状態の一例を示す模式図である。
図10】実施形態2の表示装置の光散乱部付近における光の伝播の様子の第2例を示す模式図である。
図11】実施形態2の表示装置の他の例としての光散乱部の構成を示す説明図である。
図12】従来の導光板及び反射板の伸縮の様子の一例を示す模式図である。
図13】従来の導光板での光の伝搬の様子の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は実施形態1の表示装置100の一例を示す外観斜視図である。表示装置100は、例えば、テレビ受像機、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの携帯電話機、タブレット端末などに用いられる。表示装置100は、台座102、一面が表示面となる表示パネル(液晶パネル)50、表示パネル50の周縁部を覆うベゼル101、表示パネル50の背面側(裏側)に配置され、表示パネル50と略同寸法を有する矩形状の導光板10、導光板10の一の端面に対向配置された光源部40(LEDモジュール41、及びLEDモジュール41を実装した基板42等を含む)などを備える。
【0027】
なお、図1の例では、表示装置100は、上下左右の4辺で構成されるベゼル101を有し、光源部40を下辺のベゼル101の内側にのみに配置する構成であるが、図1の例に限定されるものではなく、例えば、左右の2辺のベゼル101の内側に光源部を配置する構成でもよい。
【0028】
図2は実施形態1の表示装置100の要部の一例を示す説明図である。図2に示すように、表示装置100は、一面(表面)に表示面を有する表示パネル50、表示パネル50の裏面に配置された光学シート60、光学シート60を間にして表示パネル50の裏面と対向配置された導光板10、導光板10の一面(光反射面)に対向配置された反射シート20、導光板10と反射シート20との間に配置された複数の光散乱部30、導光板10の光入射面13に対向配置された光源部40などを備える。
【0029】
なお、導光ユニットは、導光板10、反射シート20及び光散乱部30などを含む。また、光源装置は、導光ユニット及び光源部40などを含む。
【0030】
表示パネル50は、正面視が矩形状をなし、表面及び裏面にガラス基板を有し、一対のガラス基板の間に液晶物質を封入してある。表示パネル50の各画素を駆動するドライバに電圧を印加して、液晶物質の電気光学特性により決定される光透過率を変えることができ、表示パネル50を透過する光の量を画素毎に制御して画像を階調表示することができる。
【0031】
光学シート60は、表示パネル50の寸法よりも若干小さい矩形状をなす。光学シート60は、光の拡散機能を有する光学シート及び光の集光機能を有する光学シートを1又は複数枚積層したものである。
【0032】
導光板10は、正面視が矩形状をなし、縦横寸法は、表示パネル50の縦横寸法と略同じである。導光板10は、一面としての光反射面11、他面としての光出射面12、光源部40の光が入射する一端面としての光入射面13、光入射面13と反対側の端面14などで画定される。導光板10の材質は、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などであるが、これに限定されるものではない。
【0033】
反射シート20は、例えば、PET製であって導光板10の寸法と同等であり、導光板10の光反射面11から出射した光を反射して、再び導光板10の内部へ入射させる。
【0034】
光源部40は、複数のLEDモジュール41、各LEDモジュール41を実装する基板42などを有する。基板42は細長状をなし、複数のLEDモジュール41を適長の間隔を設けて列置してある。すなわち、複数のLEDモジュール41を基板42の長手方向に沿って線状に配置してある。かかる構成により、導光板10の光入射面13にLEDモジュール41を対向配置してある。基板42の長さは、例えば、導光板10の縦寸法又は横寸法に略等しい。
【0035】
光散乱部30は、導光板10の光反射面11と反射シート20との間に複数離隔して設けられている。導光板10の光入射面13に光源部40を対向配置した場合、光源部40からの距離が長くなるにつれて光散乱部30の寸法を大きくしてある。また、光源部40からの距離が長くなるにつれて、隣接する光散乱部30の離隔寸法を短くしてある。すなわち、導光板10の光入射面13側に比べて端面14側の光散乱部30の設置密度を大きくしてある。
【0036】
図3は実施形態1の表示装置100の光散乱部30付近における光の伝播の様子の第1例を示す模式図である。光散乱部30は、粘着性を有する散乱層31、散乱層31の表面に積層した反射層32、反射層32の表面に積層した粘着層33を有する。そして、散乱層31を導光板10の光反射面11に固着してあり、粘着層33を反射シート20に固着してある。
【0037】
LEDモジュール41から出射した光は導光板10の光入射面13に入射する。図3の符号S1で示すように、光入射面13から入射した光の一部は、導光板10の光反射面11及び光出射面12で全反射を繰返しながら導光板10内部を端面14の方へ向かって伝播する。
【0038】
また、図3の符号S2で示すように、導光板10の光反射面11で全反射しない光は、光反射面11を透過して導光板10の外側へ進入するが、反射シート20で反射されて再び導光板10の内部へ入射する。
【0039】
また、図3の符号S3で示すように、導光板10内部を伝播する光の一部が光反射面11を透過して光散乱部30へ入射する。光散乱部30の散乱層31は光散乱性を有し、散乱層31の表面には反射層32を積層しているので、光散乱部30へ入射した光は、反射層32で反射されるとともに散乱層31を通る過程で散乱して再び導光板10へ入射する。
【0040】
すなわち、導光板10内部を伝播する光の一部が光散乱部30で散乱されると、散乱した光は導光板10の光出射面12の方へ比較的均等に伝播される。光源部40から離れた位置にあるほど、導光板10内部を伝播する光の量は少なくなるが、光散乱部30は、光源部40から離れるにつれて高密度に設けられているので、光散乱部30で散乱される光の量は比較的多くなり、導光板10の光出射面12における輝度を均一にすることができる。
【0041】
図4は実施形態1の表示装置100の反射シート20が導光板10から剥がれた状態の一例を示す模式図である。図4の例は、導光板10に比べて反射シート20が縮んだ状態を示し反射シート20の両側が剥がれている状態を示す。また、光散乱部30は、反射シート20側が剥がれている。
【0042】
図5は実施形態1の表示装置100の光散乱部30付近における光の伝播の様子の第2例を示す模式図である。図5は、図4の符号Aで示す箇所の様子を示す。図5の符号S1で示すように、光入射面13から入射した光の一部は、導光板10の光反射面11及び光出射面12で全反射を繰返しながら導光板10内部を端面14の方へ向かって伝播する。
【0043】
また、図の符号S3で示すように、導光板10内部を伝播する光の一部が光反射面11を透過して、反射シート20側が剥がれた光散乱部30へ入射する。光散乱部30の散乱層31は光散乱性を有し、散乱層31の表面には反射層32を積層しているので、光散乱部30へ入射した光は、反射層32で反射されるとともに散乱層31を通る過程で散乱して再び導光板10へ入射する。
【0044】
すなわち、導光板10及び反射シート20の線膨張係数の違いにより、仮に光散乱部30が反射シート20から剥がれたとしても、導光板10の光反射面11と反射層32との距離が一定であるので、散乱層31で散乱される散乱光の広がりに差がないようにすることができる。これにより、導光板10の光出射面12に明暗の境界が発生することを抑制して輝度ムラを防止することができる。
【0045】
図6は実施形態1の表示装置100の反射シート20が導光板10から剥がれた状態の他の例を示す模式図である。図6の例では、反射シート20に比べて導光板10が縮んだ状態を示し導光板10の中央部が剥がれる。また、光散乱部30は、反射シート20側が剥がれている。図6の符号Bで示す箇所も、図4の符号Aで示す箇所、及び図5の例と同様である。
【0046】
すなわち、導光板10及び反射シート20の線膨張係数の違いにより、仮に光散乱部30が反射シート20から剥がれたとしても、導光板10の光反射面11と反射層32との距離が一定であるので、散乱層31で散乱される散乱光の広がりに差がないようにすることができる。これにより、導光板10の光出射面12に明暗の境界が発生することを抑制して輝度ムラを防止することができる。
【0047】
また、光散乱部30は、粘着性を有する散乱層31を導光板10の光反射面11に固着してあり、粘着層33を反射シート20に固着してあるので、光散乱部30を介して導光板10と反射シート20とを貼り付けることができる。
【0048】
また、本実施の形態において、導光板10と散乱層31との間の粘着力は、反射シート20と粘着層33との間の粘着力より大きい。導光板10及び反射シート20の線膨張係数の違いにより、導光板10と反射シート20の伸縮度合が異なった場合、導光板10と光散乱部30の散乱層31との間の粘着力が比較的大きいので、導光板10と光散乱部30とは剥がれることを防止する。
【0049】
一方、反射シート20と光散乱部30の粘着層33との間の粘着力が比較的小さいので、導光板10と反射シート20の伸縮度合が異なった場合、反射シート20と光散乱部30とが剥がれるようにすることができる。これにより、導光板10と反射シート20の反り又は撓みを防止することができる。また、導光板10と反射シート20とのズレが大きくなった場合には、光散乱部30は反射シート20から剥がれるようにすることができるので、導光板10の光出射面12に明暗の境界が発生することを抑制して輝度ムラを防止することができる。また、光散乱部30と導光板10とが剥がれることを防止することができるので、散乱光を取り出すことができず、輝度が低下して、導光板10の光出射面12が暗くなることを防止することができる。
【0050】
(実施形態2)
図7は実施形態2の表示装置100の要部の一例を示す説明図である。図7に示すように、実施形態2の表示装置100も、実施形態1の場合と同様に、一面(表面)に表示面を有する表示パネル50、表示パネル50の裏面に配置された光学シート60、光学シート60を間にして表示パネル50の裏面と対向配置された導光板10、導光板10の一面(光反射面)に対向配置された反射シート20、導光板10と反射シート20との間に配置された複数の光散乱部70、導光板10の光入射面13に対向配置された光源部40などを備える。
【0051】
第1実施形態との相違点は、第2実施形態では、導光ユニットは、散乱層及び反射層の順に積層した光散乱部70を、散乱層を導光板10の光反射面11側に配置させて、導光板10の一面に沿って複数離隔して設けてある。また、光散乱部70と反射シート20との間は隙間を設けてある。以下、詳細に説明する。
【0052】
図8は実施形態2の表示装置100の光散乱部70付近における光の伝播の様子の第1例を示す模式図である。光散乱部70は、粘着性を有する散乱層71、散乱層71の表面に積層した反射層72を有する。そして、散乱層71を導光板10の光反射面11に固着してある。また、反射層72と反射シート20との間は、所定の離隔距離を設けて離隔してある。
【0053】
LEDモジュール41から出射した光は導光板10の光入射面13に入射する。図8の符号S1で示すように、光入射面13から入射した光の一部は、導光板10の光反射面11及び光出射面12で全反射を繰返しながら導光板10内部を端面14の方へ向かって伝播する。
【0054】
また、図8の符号S2で示すように、導光板10の光反射面11で全反射しない光は、光反射面11を透過して導光板10の外側へ進入するが、反射シート20で反射されて再び導光板10の内部へ入射する。
【0055】
また、図8の符号S3で示すように、導光板10内部を伝播する光の一部が光反射面11を透過して光散乱部70へ入射する。光散乱部70の散乱層71は光散乱性を有し、散乱層71の表面には反射層72を積層しているので、光散乱部70へ入射した光は、反射層72で反射されるとともに散乱層71を通る過程で散乱して再び導光板10へ入射する。
【0056】
図9は実施形態2の表示装置100の反射シート20が撓んだ状態を示す
【0057】
図10は実施形態2の表示装置100の光散乱部70付近における光の伝播の様子の第2例を示す模式図である。図10は、図9の符号Cで示す箇所の様子を示す。図10の符号S1で示すように、光入射面13から入射した光の一部は、導光板10の光反射面11及び光出射面12で全反射を繰返しながら導光板10内部を端面14の方へ向かって伝播する。
【0058】
また、図10の符号S3で示すように、導光板10内部を伝播する光の一部が光反射面11を透過して、光散乱部70へ入射する。光散乱部70の散乱層71は光散乱性を有し、散乱層71の表面には反射層72を積層しているので、光散乱部70へ入射した光は、反射層72で反射されるとともに散乱層71を通る過程で散乱して再び導光板10へ入射する。
【0059】
光散乱部70は、導光板10側に散乱層71を有し、反射シート20側に反射層72を有するので、導光板10から光散乱部70へ入射した光は反射層72で反射され反射シート20側には透過しない。このため、反射シート20が撓んだとしても、導光板10の光反射面11と反射層72との距離が一定であるので、散乱層71で散乱される散乱光の広がりに差がないようにすることができる。これにより、導光板10の光出射面12に明暗の境界が発生することを抑制して輝度ムラを防止することができる。
【0060】
図11は実施形態2の表示装置100の他の例としての光散乱部80の構成を示す説明図である。光散乱部80は、導光板10の光反射面11に固着された散乱層81、散乱層81を覆うように積層された反射層82を有する。光散乱部80は、導光板10の光反射面11に沿って複数離隔して設けてある。また、光散乱部80と反射シート20との間は隙間を設けてある。
【0061】
図11に例示する構成の場合にも、光散乱部80は、導光板10側に散乱層81を有し、反射シート20側に反射層82を有するので、導光板10から光散乱部80へ入射した光は反射層82で反射され反射シート20側には透過しない。特に、反射層82は、散乱層81の反射シート20に対向する面だけでなく、側面にも積層されているので、光散乱部80に入射した光を反射シート20側へ透過させないようにすることができる。
【0062】
そして、反射シート20が撓んだとしても、導光板10の光反射面11と反射層82との距離が一定であるので、散乱層81で散乱される散乱光の広がりに差がないようにすることができる。これにより、導光板10の光出射面12に明暗の境界が発生することを抑制して輝度ムラを防止することができる。
【0063】
上述の実施形態1、2によれば、反射シートが導光板から剥がれた箇所、あるいは反射シートが撓んだ箇所に対応する導光板の光出射面での輝度ムラを防止することができる。また、導光板と反射シートのズレが大きい場合でも、光散乱部の反射シート側が剥がれるようにするので、導光板の反りを防止することができる。そして、反射シートが剥がれたとしても、導光板と光散乱部とは剥離しないので、導光板の光出射面での輝度ムラを防止することができる。
【0064】
上述の実施形態1、2によれば、導光板の輝度ムラを防止することができる光源装置及び表示装置を提供することができる。また、本実施の形態の光源装置を用いて面発光の照明装置を提供することもでき、この場合、照明装置の発光面の輝度ムラを防止することができる。
【符号の説明】
【0065】
100 表示装置
10 導光板
11 光反射面(一面)
12 光出射面(他面)
13 光入射面
14 端面
20 反射シート
30、70、80 光散乱部
31、71、81 散乱層
32、72、82 反射層
33 粘着層
40 光源部
41 LEDモジュール
42 基板
50 表示パネル
60 光学シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13