特許第6266816号(P6266816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6266816無停電システム並びにその制御方法及び制御部
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266816
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】無停電システム並びにその制御方法及び制御部
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20180115BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   H02M7/48 N
   H02J9/06 120
【請求項の数】34
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-21128(P2017-21128)
(22)【出願日】2017年2月8日
(65)【公開番号】特開2017-229224(P2017-229224A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2017年2月8日
(31)【優先権主張番号】105119685
(32)【優先日】2016年6月23日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】510002442
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Delta Electronics,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 殿河
(72)【発明者】
【氏名】林 巧仟
【審査官】 小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−205425(JP,A)
【文献】 特開2013−198226(JP,A)
【文献】 特開2013−009463(JP,A)
【文献】 特開平10−164845(JP,A)
【文献】 特開2015−095959(JP,A)
【文献】 特開2015−146712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源モード及びバッテリーモードを有する無停電システムであって、
商用電源電圧を受けて交流変換電圧を出力する電源変換回路と、
前記商用電源電圧及び前記交流変換電圧を受け、前記商用電源モードにおいて前記商用電源電圧を出力し、前記バッテリーモードにおいて前記交流変換電圧を出力するスイッチ部と、
前記交流変換電圧及び前記商用電源電圧を検出し、前記電源変換回路及び前記スイッチ部を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記商用電源モードにおいて、前記商用電源電圧に応じて三角波ベース信号を生成し、
前記バッテリーモードで動作する場合に商用電源が復帰したと検出すると、商用電源のゼロクロス点において前記三角波ベース信号のクロス値が所定範囲内にあるか否かを判断し、所定範囲内にある場合、前記無停電システムが前記バッテリーモードから前記商用電源モードに切替わるとともに、前記交流変換電圧の出力から前記商用電源電圧の出力へ切替えるように前記スイッチ部を制御することを特徴とする無停電システム。
【請求項2】
前記所定範囲は、前記三角波ベース信号の中央値の上下にある誤差許容範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の無停電システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記商用電源モードにおいて、前記商用電源電圧の立ち上がりのゼロクロス点または前記商用電源電圧の立ち下がりのゼロクロス点を前記三角波ベース信号の中央値とすることにより、前記三角波ベース信号を生成し、
前記商用電源モードから前記バッテリーモードに切替えた場合、前記商用電源電圧と同じ周波数、同じ山の位置及び同じ谷の位置の前記交流変換電圧を出力するように前記電源変換回路を制御することを特徴とする請求項1に記載の無停電システム。
【請求項4】
前記制御部は、
商用電源のゼロクロス点において前記クロス値が前記所定範囲外と判断した場合、前記三角波ベース信号の周波数を調整することを特徴とする請求項1に記載の無停電システム。
【請求項5】
前記三角波ベース信号の立ち下がり且つ前記クロス値が前記所定範囲よりも小さい場合には、前記三角波ベース信号の周波数を減少させることを特徴とする請求項4に記載の無停電システム。
【請求項6】
前記三角波ベース信号の立ち下がり且つ前記クロス値が前記所定範囲よりも大きい場合、または前記三角波ベース信号の立ち上がり且つ前記クロス値が所定範囲外の場合には、前記三角波ベース信号の周波数を増加させることを特徴とする請求項4に記載の無停電システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記商用電源電圧を受けて、前記三角波ベース信号及びスイッチトリガ信号を出力する搬送波制御手段と、
前記交流変換電圧及び前記スイッチトリガ信号を受けて、前記電源変換回路を制御するためのパルス幅変調制御信号と、前記スイッチ部を制御するためのスイッチ制御信号とを出力するパルス制御手段と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の無停電システム。
【請求項8】
前記パルス制御手段は、
前記交流変換電圧を受けて電圧変換制御信号を出力するフィードバック制御ユニットと、
前記三角波ベース信号及び前記電圧変換制御信号を受信して、前記バッテリーモードにおいて前記パルス幅変調制御信号を出力するパルス幅変調ユニットと、を含むことを特徴とする請求項7に記載の無停電システム。
【請求項9】
前記搬送波制御手段は、
前記商用電源電圧を受け、前記商用電源電圧の商用電源のゼロクロス点に応じて商用電源ゼロクロス信号を出力する商用電源検出ユニットと、
前記商用電源ゼロクロス信号を受信して前記三角波ベース信号を出力する搬送波生成ユニットと、
前記三角波ベース信号を受信してサンプリング電圧値を出力する三角波ベース電圧値サンプリングユニットと、
前記商用電源ゼロクロス信号及び前記サンプリング電圧値を受信して、前記スイッチトリガ信号を出力するとともに、商用電源のゼロクロス点において前記クロス値が前記所定範囲内にあるか否かを判断し、判断信号を前記搬送波生成ユニットに出力する判断ユニットと、を含むことを特徴とする請求項7に記載の無停電システム。
【請求項10】
前記搬送波生成ユニットは、
前記判断信号を受信して、周波数調整信号を出力する周波数調整ユニットと、
前記商用電源ゼロクロス信号及び前記周波数調整信号を受信して、前記三角波ベース信号を出力する搬送波カウントリセットユニットと、を含み、
前記無停電システムは、前記バッテリーモードで動作する場合かつ前記商用電源モードに復帰しようとする合、前記周波数調整ユニットが前記判断信号に応じて前記三角波ベース信号の周波数を調整することを特徴とする請求項9に記載の無停電システム。
【請求項11】
前記パルス制御手段は、
前記スイッチトリガ信号を受信して前記スイッチ制御信号を出力することで、前記スイッチ部を制御するスイッチ制御ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の無停電システム。
【請求項12】
前記スイッチ制御ユニットは、スイッチ遅延時間テーブルを含み、
前記スイッチ遅延時間テーブルは、前記スイッチ部の種類に応じたスイッチ遅延時間を与え、
前記無停電システムは前記バッテリーモードから前記商用電源モードに復帰しようとする前に、前記スイッチ制御ユニットは、前記スイッチ遅延時間を早めて前記スイッチ部を切替えることを特徴とする請求項11に記載の無停電システム。
【請求項13】
商用電源モード及びバッテリーモードを有する無停電システムの制御部であって、
商用電源電圧を受けて三角波ベース信号及びスイッチトリガ信号を出力する搬送波制御手段と、
電源変換回路から出力された交流変換電圧及び前記スイッチトリガ信号を受け、前記電源変換回路を制御するためのパルス幅変調制御信号と、スイッチ部を制御するためのスイッチ制御信号とを出力するパルス制御手段と、を含み、
前記制御部は、
前記商用電源モードにおいて、前記商用電源電圧に応じて前記三角波ベース信号を生成し、
前記バッテリーモードで動作する場合に商用電源が復帰したと検出すると、商用電源のゼロクロス点において前記三角波ベース信号のクロス値が所定範囲内にあるか否かを判断し、所定範囲内にある場合に前記交流変換電圧の出力から前記商用電源電圧の出力へ切替えるように前記スイッチ部を制御することを特徴とする無停電システムの制御部。
【請求項14】
前記パルス制御手段は、
前記交流変換電圧を受けて電圧変換制御信号を出力するフィードバック制御ユニットと、
前記三角波ベース信号及び前記電圧変換制御信号を受信して、前記パルス幅変調制御信号を出力するパルス幅変調ユニットと、を含み、
前記パルス幅変調ユニットは、前記バッテリーモードにおいて前記パルス幅変調制御信号を出力することを特徴とする請求項13に記載の無停電システムの制御部。
【請求項15】
前記所定範囲は、前記三角波ベース信号の中央値の上下にある誤差許容範囲内であることを特徴とする請求項13に記載の無停電システムの制御部。
【請求項16】
前記制御部は、
前記商用電源モードにおいて、前記商用電源電圧の立ち上がりのゼロクロス点または前記商用電源電圧の立ち下がりのゼロクロス点を前記三角波ベース信号の中央値とすることにより、前記三角波ベース信号を生成し、
前記商用電源モードから前記バッテリーモードに切替えた場合、前記商用電源電圧と同じ周波数、同じ山の位置及び同じ谷の位置の前記交流変換電圧を出力するように前記電源変換回路を制御することを特徴とする請求項13に記載の無停電システムの制御部。
【請求項17】
前記搬送波制御手段は、
前記商用電源電圧を受け、商用電源ゼロクロス信号を出力する商用電源検出ユニットと、
前記商用電源ゼロクロス信号を受信して前記三角波ベース信号を出力する搬送波生成ユニットと、
前記三角波ベース信号を受信してサンプリング電圧値を出力する三角波ベース電圧値サンプリングユニットと、
前記商用電源ゼロクロス信号及び前記サンプリング電圧値を受信して、前記スイッチトリガ信号を出力するとともに、商用電源のゼロクロス点において前記クロス値が前記所定範囲内にあるか否かを判断し、判断信号を前記搬送波生成ユニットに出力する判断ユニットと、を含むことを特徴とする請求項13に記載の無停電システムの制御部。
【請求項18】
前記搬送波生成ユニットは、
前記判断信号を受信して、周波数調整信号を出力する周波数調整ユニットと、
前記商用電源ゼロクロス信号及び前記周波数調整信号を受信して、前記三角波ベース信号を出力する搬送波カウントリセットユニットと、を含み、
前記無停電システムは、前記バッテリーモードで動作する場合かつ前記商用電源モードに復帰しようとする合、前記周波数調整ユニットが前記判断信号に応じて前記三角波ベース信号の周波数を調整することを特徴とする請求項17に記載の無停電システムの制御部。
【請求項19】
前記制御部は、
前記スイッチトリガ信号を受信して前記スイッチ制御信号を出力することで、前記スイッチ部を制御するスイッチ制御ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の無停電システムの制御部。
【請求項20】
前記スイッチ制御ユニットは、スイッチ遅延時間テーブルを含み、
前記スイッチ遅延時間テーブルは、前記スイッチ部の種類に応じたスイッチ遅延時間を与え、
前記無停電システムは前記バッテリーモードから前記商用電源モードに復帰しようとする前に、前記スイッチ制御ユニットは、前記スイッチ遅延時間を早めて前記スイッチ部を切替えることを特徴とする請求項19に記載の無停電システムの制御部。
【請求項21】
前記制御部は、
商用電源のゼロクロス点において前記クロス値が前記所定範囲外と判断した場合、前記三角波ベース信号の周波数を調整することを特徴とする請求項13に記載の無停電システムの制御部。
【請求項22】
前記三角波ベース信号の立ち下がり且つ前記クロス値が前記所定範囲よりも小さい場合には、前記三角波ベース信号の周波数を減少させることを特徴とする請求項21に記載の無停電システムの制御部。
【請求項23】
前記三角波ベース信号の立ち下がり且つ前記クロス値が前記所定範囲よりも大きい場合、または前記三角波ベース信号の立ち上がり且つクロス値が所定範囲外の場合には、前記三角波ベース信号の周波数を増加させることを特徴とする請求項21に記載の無停電システムの制御部。
【請求項24】
無停電システムの制御方法であって、
商用電源モードまたはバッテリーモードで操作可能な無停電システムを提供するステップ(a)と、
前記無停電システムが前記商用電源モードにおいて動作する場合に商用電源電圧を受けるステップ(b)と、
前記商用電源電圧に応じて三角波ベース信号を生成するステップ(c)と、
前記商用電源電圧に応じて交流変換電圧を生成するステップ(d)と、
前記無停電システムが前記バッテリーモードにおいて動作する場合に前記交流変換電圧を出力するステップ(e)と、
前記無停電システムが復帰した商用電源電圧を受けるステップ(f)と、
復帰した商用電源電圧がゼロクロス点にある場合、前記三角波ベース信号のクロス値が所定範囲内にあるか否かを判断するステップ(g)と、
前記クロス値が前記所定範囲内にある場合、前記交流変換電圧の出力から復帰した商用電源電圧の出力へ切り替えるステップ(h)と、を含むことを特徴とする無停電システムの制御方法。
【請求項25】
スイッチ遅延時間を有するスイッチ遅延時間テーブルを提供するステップ(i)と、
前記スイッチ遅延時間に基づき、前記無停電システムを前記バッテリーモードから前記商用電源モードへ切り替えるステップ(j)と、をさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の無停電システムの制御方法。
【請求項26】
前記商用電源電圧の立ち上がりのゼロクロス点または前記商用電源電圧の立ち下がりのゼロクロス点を前記三角波ベース信号の中央値とすることにより、前記三角波ベース信号を生成するステップをさらに含み、
前記交流変換電圧の周波数、山の位置及び谷の位置は、前記商用電源電圧と同じであることを特徴とする請求項24に記載の無停電システムの制御方法。
【請求項27】
前記所定範囲は、前記三角波ベース信号の中央値の上下にある誤差許容範囲内であることを特徴とする請求項24に記載の無停電システムの制御方法。
【請求項28】
商用電源のゼロクロス点において前記クロス値が前記所定範囲外の場合、前記三角波ベース信号の周波数を調整するステップ(k)をさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の無停電システムの制御方法。
【請求項29】
前記三角波ベース信号の立ち下がり且つ前記クロス値が前記所定範囲よりも小さい場合には、前記三角波ベース信号の周波数を減少させるステップ(k1)と、
前記三角波ベース信号の立ち下がり且つ前記クロス値が前記所定範囲よりも大きい場合には、前記三角波ベース信号の周波数を増加させるステップ(k2)と、
前記三角波ベース信号の立ち上がり且つ前記クロス値が所定範囲外の場合には、前記三角波ベース信号の周波数を増加させるステップ(k3)と、
をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の無停電システムの制御方法。
【請求項30】
前記無停電システムを前記商用電源モードまたは前記バッテリーモードに切り替えるためのスイッチ部を提供するステップと、
前記交流変換電圧を生成するための電源変換回路を提供するステップと、
前記三角波ベース信号及びスイッチトリガ信号を出力する搬送波制御手段を提供するステップと、
前記交流変換電圧、前記三角波ベース信号及び前記スイッチトリガ信号を受けるパルス制御手段を提供するステップと、をさらに含み、
前記パルス制御手段は、前記電源変換回路を制御するためのパルス幅変調制御信号と、前記スイッチ部を制御するためのスイッチ制御信号とを出力することを特徴とする請求項24に記載の無停電システムの制御方法。
【請求項31】
前記パルス制御手段は、
前記交流変換電圧を受けて電圧変換制御信号を出力するフィードバック制御ユニットと、
前記三角波ベース信号及び前記電圧変換制御信号を受信して、前記パルス幅変調制御信号を出力するパルス幅変調ユニットと、を含み、
前記制御方法は、
前記無停電システムが前記バッテリーモードにある場合、前記パルス幅変調ユニットが前記パルス幅変調制御信号を出力するステップをさらに含むことを特徴とする請求項30に記載の無停電システムの制御方法。
【請求項32】
スイッチ制御ユニットを提供するステップと、
前記スイッチ制御ユニットが前記スイッチトリガ信号を受信するステップと、
前記スイッチ制御ユニットが前記スイッチ制御信号を出力して前記スイッチ部を制御するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項30に記載の無停電システムの制御方法。
【請求項33】
前記商用電源電圧を受け、商用電源のゼロクロス点に応じて商用電源ゼロクロス信号を出力する商用電源検出ユニットを提供するステップと、
前記商用電源ゼロクロス信号を受信して前記三角波ベース信号を出力する搬送波生成ユニットを提供するステップと、
前記三角波ベース信号を受信してサンプリング電圧値を出力する三角波ベース電圧値サンプリングユニットを提供するステップと、
前記商用電源ゼロクロス信号及び前記サンプリング電圧値を受信して、前記スイッチトリガ信号を出力するとともに、商用電源のゼロクロス点において前記クロス値が前記所定範囲内にあるか否かを判断し、判断信号を前記搬送波生成ユニットに出力する判断ユニットを提供するステップと、を含むことを特徴とする請求項30に記載の無停電システムの制御方法。
【請求項34】
前記判断信号を受信して、周波数調整信号を出力する周波数調整ユニットを提供するステップと、
前記商用電源ゼロクロス信号及び前記周波数調整信号を受信して、前記三角波ベース信号を出力する搬送波カウントリセットユニットを提供するステップと、を含み、
前記無停電システムは、前記バッテリーモードで動作する場合かつ前記商用電源モードに復帰しようとする合、前記周波数調整ユニットが前記判断信号に応じて前記三角波ベース信号の周波数を調整することを特徴とする請求項33に記載の無停電システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無停電システム並びにその制御方法及び制御部に関し、特に、矩形波を出力するオフライン方式の無停電システム並びにその制御方法及び制御部に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の発展に伴い、電気機器への供給電力の品質に対する要請が高まっている。電気機器の安全性を確保するために、無停電システムが重要視されている。特に、オフライン方式の無停電システムの電源は小型軽量化、低価格のため、幅広く使用されている。
【0003】
図1は、従来のオフライン方式の無停電システム(Off−line uninterruptible power supply)の回路ブロック図である。このようなオフライン方式の無停電システムは、主に、商用電源電圧Vacを受けて交流変換電圧Voを出力する電源変換回路2と、商用電源電圧Vac及び交流変換電圧Voを受けるスイッチ部3と、交流変換電圧Vo及び商用電源電圧Vacを検出して、電源変換回路2及びスイッチ部3を制御する制御部4とを含む。電源変換回路2は、充電部21と、充電部21に電気的に接続されるバッテリー部22と、バッテリー部22に電気的に接続されるDC−DC変換部23と、DC−DC変換部23に電気的に接続されるDC−AC変換部24とを含む。商用電源電圧Vacが正常な時に、商用電源電圧Vacは、スイッチ部3を介して負荷に出力されるとともに、電源変換回路2内におけるバッテリー部22に充電される。検出点Xにおいて商用電源電圧Vacの中断または商用電源の異常発生が制御部4によって検出されると、電源変換回路2のバッテリー部22は、DC−DC変換部23及びDC−AC変換部24を介して交流変換電圧Voを出力する。スイッチ部3は、交流変換電圧Voを負荷に出力する。
【0004】
一般に、このようなオフライン方式の無停電システムから出力された交流変換電圧Voの波形は、矩形波または正弦波であることも可能であるが、適用やコストを考慮すると、現在矩形波がよく使われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のオフライン方式の無停電システムには、次の欠点がある。
1.従来のオフライン方式の無停電システムは、多くの制御の場合に、商用電源電圧Vacの出力と電源変換回路2との位相ロックをかけて切替えを行う機能を実現できず、切替え中に交流電源の瞬間短絡が発生するリスクがある。
2.スイッチ部3の切替え時と、制御部4が指令を与える時との間に遅延時間がある。制御部4は商用電源のゼロクロス点においてスイッチ部3を切替えようとする場合でも、スイッチ部3が上記の遅延時間で商用電源のゼロクロス点において切替えることができない。これにより、過大な切替えストレスによるスイッチ部3の破損を招きやすい。
【0006】
そこで、位相ロックをかけて切替えを行う機能により、切替え中に交流電源の瞬間短絡発生のリスクを防止するとともに、スイッチ部が商用電源のゼロクロス点において切替えできずに、過大な切替えストレスによるスイッチ部の破損を回避可能な無停電システム並びにその制御方法及び制御部を如何にして設計するかということは、本発明者が克服して解決を求める重要な課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題を克服するために、本発明は商用電源モードまたはバッテリーモードで操作可能な無停電システムを提供する。本発明に係る無停電システムは、電源変換回路と、スイッチ部と、制御部とを含む。前記電源変換回路は、商用電源電圧を受けて交流変換電圧を出力する。前記スイッチ部は、前記商用電源電圧及び前記交流変換電圧を受け、前記商用電源モードにおいて前記商用電源電圧を出力し、前記バッテリーモードにおいて前記交流変換電圧を出力する。前記制御部は、前記交流変換電圧及び前記商用電源電圧を検出し、前記電源変換回路及び前記スイッチ部を制御する。また、前記制御部は、前記商用電源モードにおいて、前記商用電源電圧に応じて三角波ベース信号を生成し、前記バッテリーモードで動作する場合に商用電源が復帰したと検出すると、商用電源のゼロクロス点において前記三角波ベース信号のクロス値が所定範囲内にあるか否かを判断し、所定範囲内にある場合、前記無停電システムが前記バッテリーモードから前記商用電源モードに切替わるとともに、前記交流変換電圧の出力から前記商用電源電圧の出力へ切替えるように前記スイッチ部を制御する。
【0008】
一実施形態において、前記制御部は、商用電源のゼロクロス点において前記クロス値が前記所定範囲外と判断した場合、前記三角波ベース信号の周波数を調整する。また、前記三角波ベース信号の立ち下がり且つ前記クロス値が前記所定範囲よりも小さい場合には、前記三角波ベース信号の周波数を減少させる。また、前記三角波ベース信号の立ち下がり且つ前記クロス値が前記所定範囲よりも大きい場合、または前記三角波ベース信号の立ち上がり且つ前記クロス値が所定範囲外の場合には、前記三角波ベース信号の周波数を増加させる。
【0009】
一実施形態において、前記所定範囲は、前記三角波ベース信号の中央値の上下にある誤差許容範囲内である。前記誤差許容範囲は、三角波ベース信号の山と谷との電圧差の絶対値の10%である。
【0010】
一実施形態において、前記制御部は、前記商用電源モードにおいて、前記商用電源電圧の立ち上がりのゼロクロス点または前記商用電源電圧の立ち下がりのゼロクロス点を前記三角波ベース信号の中央値とすることにより、前記三角波ベース信号を生成し、前記商用電源モードから前記バッテリーモードに切替えた場合、前記商用電源電圧と同じ周波数、同じ山の位置及び同じ谷の位置の前記交流変換電圧を出力するように前記電源変換回路を制御する。
【0011】
一実施形態において、前記制御部は、搬送波制御手段と、パルス制御手段とを含む。前記搬送波制御手段は、前記商用電源電圧を受けて、前記三角波ベース信号及びスイッチトリガ信号を出力する。前記パルス制御手段は、前記交流変換電圧及び前記スイッチトリガ信号を受けて、前記電源変換回路を制御するためのパルス幅変調制御信号と、前記スイッチ部を制御するためのスイッチ制御信号とを出力する。
【0012】
一実施形態において、前記パルス制御手段は、前記交流変換電圧を受けて電圧変換制御信号を出力するフィードバック制御ユニットと、前記三角波ベース信号及び前記電圧変換制御信号を受信して、前記バッテリーモードにおいて前記パルス幅変調制御信号を出力するパルス幅変調ユニットと、を含む。
【0013】
一実施形態において、前記搬送波制御手段は、商用電源検出ユニットと、搬送波生成ユニットと、三角波ベース電圧値サンプリングユニットと、判断ユニットと、を含む。前記商用電源検出ユニットは、前記商用電源電圧を受け、前記商用電源電圧の商用電源のゼロクロス点に応じて商用電源ゼロクロス信号を出力する。前記搬送波生成ユニットは、前記商用電源ゼロクロス信号を受信して前記三角波ベース信号を出力する。前記三角波ベース電圧値サンプリングユニットは、前記三角波ベース信号を受信してサンプリング電圧値を出力する。前記判断ユニットは、前記商用電源ゼロクロス信号及び前記サンプリング電圧値を受信して、前記スイッチトリガ信号を出力するとともに、商用電源のゼロクロス点において前記クロス値が前記所定範囲内にあるか否かを判断し、判断信号を前記搬送波生成ユニットに出力する。
【0014】
一実施形態において、前記搬送波生成ユニットは、前記判断信号を受信して、周波数調整信号を出力する周波数調整ユニットと、前記商用電源ゼロクロス信号及び前記周波数調整信号を受信して、前記三角波ベース信号を出力する搬送波カウントリセットユニットと、を含む。前記無停電システムは、前記バッテリーモードで動作する場合かつ前記商用電源モードに復帰しようとする合、前記周波数調整ユニットが前記判断信号に応じて前記三角波ベース信号の周波数を調整する。
【0015】
一実施形態において、前記パルス制御手段は、スイッチ制御ユニットをさらに含む。前記スイッチ制御ユニットは、前記スイッチトリガ信号を受信して前記スイッチ制御信号を出力することで、前記スイッチ部を制御する。前記スイッチ制御ユニットは、スイッチ遅延時間テーブルを含む。前記スイッチ遅延時間テーブルは、前記スイッチ部の種類に応じたスイッチ遅延時間を与える。前記無停電システムが前記バッテリーモードから前記商用電源モードに復帰しようとする前に、前記スイッチ制御ユニットは、前記スイッチ遅延時間だけ早めて前記スイッチ部を切替える。
【0016】
上記の問題を克服するために、本発明は商用電源モードまたはバッテリーモードで操作可能な無停電システムの制御部を提供する。本発明に係る無停電システムの制御部は、搬送波制御手段と、パルス制御手段と、を含む。前記搬送波制御手段は、商用電源電圧を受けて三角波ベース信号及びスイッチトリガ信号を出力する。前記パルス制御手段は、電源変換回路から出力された交流変換電圧及び前記スイッチトリガ信号を受け、前記電源変換回路を制御するためのパルス幅変調制御信号と、前記スイッチ部を制御するためのスイッチ制御信号とを出力する。前記制御部は、前記商用電源モードにおいて、前記商用電源電圧に応じて前記三角波ベース信号を生成し、前記バッテリーモードで動作する場合に商用電源が復帰したと検出すると、商用電源のゼロクロス点において前記三角波ベース信号のクロス値が所定範囲内にあるか否かを判断し、所定範囲内にある場合に前記交流変換電圧の出力から前記商用電源電圧の出力へ切替えるように前記スイッチ部を制御する。
【0017】
上記の問題を克服するために、本発明は無停電システムの制御方法を提供する。本発明に係る制御方法は、商用電源モードまたはバッテリーモードで操作可能な無停電システムを提供するステップ(a)と、前記無停電システムが前記商用電源モードにおいて動作する場合に商用電源電圧を受けるステップ(b)と、前記商用電源電圧に応じて三角波ベース信号を生成するステップ(c)と、前記商用電源電圧に応じて交流変換電圧を生成するステップ(d)と、前記無停電システムが前記バッテリーモードにおいて動作する場合に前記交流変換電圧を出力するステップ(e)と、前記無停電システムが復帰した商用電源電圧を受けるステップ(f)と、復帰した商用電源電圧がゼロクロス点にある場合、前記三角波ベース信号のクロス値が所定範囲内にあるか否かを判断するステップ(g)と、前記クロス値が前記所定範囲内にある場合、前記交流変換電圧の出力から復帰した商用電源電圧の出力へ切り替えるステップ(h)と、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、切替え中に交流電源の瞬間短絡発生のリスクを防止するとともに、過大な切替えストレスによるスイッチ部の破損を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来のオフライン方式の無停電システムの回路ブロック図である。
図2】本発明の好適な実施形態に係る無停電システムの回路ブロック図である。
図3】制御部の内部ブロック図である。
図4】本発明に係る無停電システムの、商用電源モード及びバッテリーモードにおける動作を説明するための波形図である。
図5A】本発明に係る無停電システムの、バッテリーモードから商用電源モードへの切替えタイミングを判断するための波形図である。
図5B】本発明に係る無停電システムの、バッテリーモードから商用電源モードへの切替え動作を説明するための波形図である。
図6】本発明に係る無停電システムの、商用電源モードからバッテリーモードへ、さらにバッテリーモードから商用電源モードへの切替え動作を説明するための波形図である。
図7】本発明に係る無停電システムのバッテリーモードから商用電源モードへの切替え動作を説明するためのフローチャートである。
図8】本発明に係る無停電システムの制御部によるスイッチ部の遅延時間の予知を説明するための波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明が上記の目的を達成するために採用する技術、手段および効果がより詳細に理解されるように、以下で本発明に関する詳細な説明および図面を参照されたい。本発明の目的、特徴および特長は、これにより深くかつ具体的に理解できると確信するが、添付の図面は単に参考および説明用として提供するものであって、本発明を制限するためのものではない。
【0021】
以下、本発明の技術内容及び詳細な説明について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図2は、本発明の好適な実施形態に係る無停電システムの回路ブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る無停電システム100は、商用電源モード(Line Mode:LM)及びバッテリーモード(Battery Mode:BM)での操作が可能であるとともに、商用電源電圧Vacを受ける。無停電システム100は、商用電源電圧Vacの周波数及び二乗平均平方根が正常な場合に商用電源モードLMに入り、商用電源が故障した場合にバッテリーモードBMに入る。図2に示すように、無停電システム100は、商用電源電圧Vacを受けて交流変換電圧Voを出力する電源変換回路2と、商用電源電圧Vac及び交流変換電圧Voを受け、商用電源モードLMにおいて商用電源電圧Vacを出力し、バッテリーモードBMにおいて交流変換電圧Voを出力するスイッチ部3とを含む。本実施形態において、スイッチ部3としては、単極単投(SPST)リレーを用いるが、これに限定されず、同機能を持つ電気素子であれば、本発明の範囲に含まれる。さらに、無停電システム100は、交流変換電圧Vo及び商用電源電圧Vacを検出するとともに、電源変換回路2及びスイッチ部3を制御する制御部4をさらに含む。制御部4は、搬送波制御手段41を含む。搬送波制御手段41は、商用電源電圧Vacを受けて、三角波ベース信号Sc及びスイッチトリガ信号Rtを出力する。また、制御部4は、パルス制御手段42をさらに含む。パルス制御手段42は、交流変換電圧Vo、三角波ベース信号Sc及びスイッチトリガ信号Rtを受けて、電源変換回路2を制御するためのパルス幅変調制御信号PWMと、スイッチ部3を制御するためのスイッチ制御信号Rcとを出力する。
【0023】
図3は、制御部4の内部ブロック図である。図2及び図3に示すように、搬送波制御手段41は、商用電源検出ユニット411と、搬送波生成ユニット412とを含む。商用電源検出ユニット411は、商用電源電圧Vacを受け、商用電源電圧Vacの商用電源のゼロクロス点zcに応じて商用電源ゼロクロス信号Szを出力する。搬送波生成ユニット412は、商用電源ゼロクロス信号Szを受信して三角波ベース信号Scを出力する。なお、搬送波制御手段41は、三角波ベース電圧値サンプリングユニット413と、判断ユニット414とをさらに含む。三角波ベース電圧値サンプリングユニット413は、三角波ベース信号Scを受信してサンプリング電圧値Vsを記録する。判断ユニット414は、商用電源ゼロクロス信号Sz及びサンプリング電圧値Vsを受信して、スイッチトリガ信号Rtを出力するとともに判断信号Sdを搬送波生成ユニット412に出力する。搬送波生成ユニット412は、周波数調整ユニット4122と、搬送波カウントリセットユニット4121とを含む。周波数調整ユニット4122は、判断信号Sdを受信して、周波数調整信号Sfを出力する。搬送波カウントリセットユニット4121は、商用電源ゼロクロス信号Sz及び周波数調整信号Sfを受信して、三角波ベース信号Scを出力する。制御部4及び判断ユニット414の操作形態や判断方法の詳細については、後述する。また、パルス制御手段42は、フィードバック制御ユニット421と、パルス幅変調ユニット422とを含む。フィードバック制御ユニット421は、交流変換電圧Voを受けて電圧変換制御信号Vcを出力する。パルス幅変調ユニット422は、三角波ベース信号Sc及び電圧変換制御信号Vcを受信して、パルス幅変調制御信号PWMを出力する。パルス制御手段42は、スイッチ制御ユニット423をさらに含む。スイッチ制御ユニット423は、スイッチトリガ信号Rtを受信して、スイッチ制御信号Rcを出力してスイッチ部3を制御する。スイッチ制御ユニット423は、スイッチ遅延時間テーブル4231を有する。
【0024】
図4は、本発明に係る無停電システムの、商用電源モード及びバッテリーモードにおける動作を説明するための波形図である。図2乃至図4を参照しながら、無停電システム100の動作について説明する。商用電源電圧Vacがある場合には、無停電システム100が商用電源モードLMに入る。商用電源電圧Vacがない場合には、無停電システム100は商用電源モードLMからバッテリーモードBMに切替わる。図4に示すように、商用電源モードLMにおいて、商用電源検出ユニット411は、商用電源電圧Vacの立ち上がりのゼロクロス点zu及び立ち下がりのゼロクロス点zdを基に、商用電源ゼロクロス信号Szを生成する。商用電源ゼロクロス信号Szは、連続した矩形波信号である。なお、商用電源ゼロクロス信号Szの立ち上がり及び立ち下がりは、商用電源電圧Vacの立ち上がりのゼロクロス点zu及び立ち下がりのゼロクロス点zdにそれぞれ対応する。搬送波生成ユニット412は、商用電源ゼロクロス信号Szを受信して三角波ベース信号Scを生成する。図4に示すように、三角波ベース信号Scは、連続した三角波信号である。なお、三角波ベース信号Scは、商用電源ゼロクロス信号Szの立ち上がりを三角波ベース信号Scの立ち下がりの中点mdとし、商用電源ゼロクロス信号Szの立ち下がりを三角波ベース信号Scの立ち上がりの中点muとして生成される。また、商用電源電圧Vacの立ち上がりのゼロクロス点zuよりも90°遅相した位相角は、制御部4が4分の1周期分遅れて三角波ベース信号Scをリセットする根拠とされる。搬送波カウントリセットユニット4121は、商用電源モードLMにおいて三角波ベース信号Scのカウント(Count)及びリセット(Reset)を継続的に行う。こうすることで、スイッチ部3がバッテリーモードBMに切替えた場合には、出力される交流変換電圧Voを商用電源電圧Vacと同位相に維持することができる。商用電源モードLMにおいては、パルス幅変調ユニット422がパルス幅変調制御信号PWMを出力しないため、電源変換回路2が交流変換電圧Voを出力しないようになる。図4に示す商用電源モードLMにおいては、出力されない交流変換電圧Voが点線で示される。商用電源がない場合、または、商用電源検出ユニット411によって商用電源に異常が検出された場合、商用電源検出ユニット411は、連続したハイレベルの商用電源ゼロクロス信号Szを生成するが、これに限定されず、説明上の便宜のために例示されるものである。換言すれば、商用電源検出ユニット411は、商用電源がない場合または商用電源に異常がある場合を制御部4によって判断するための商用電源ゼロクロス信号Szを送信するものであれば、本発明の範囲に含まれる。図4に示すように、商用電源がない場合、または、商用電源検出ユニット411によって商用電源に異常が検出された場合には、無停電システム100が商用電源モードLMからバッテリーモードBMに切替わる。搬送波カウントリセットユニット4121は、元の商用電源電圧Vacによって生成された三角波ベース信号Scのカウント及びリセットを継続的に行う。その際、パルス幅変調ユニット422は、電圧変換制御信号Vc及び三角波ベース信号Scに基づき、パルス幅変調制御信号PWMを出力する。パルス幅変調制御信号PWMは、周波数、山の位置及び谷の位置が商用電源電圧Vacと同じである交流変換電圧Voを継続的に出力するように電源変換回路2を制御する。商用電源電圧Vacが入力されないことが商用電源検出ユニット411によって検出された場合、判断ユニット414は、スイッチトリガ信号Rtを生成してスイッチ制御ユニット423に出力する。スイッチ制御ユニット423は、スイッチ制御信号Rcを出力してスイッチ部3を制御する。こうすることで、スイッチ部3は、商用電源電圧Vacの出力から交流変換電圧Voの出力へ切替える。商用電源異常とは、商用電源電圧異常の発生や商用電源周波数異常の発生を表す。一実施形態において、制御部4は、商用電源電圧Vacの入力時に生じたノイズによる誤動作を回避することができる。本実施形態において、好ましくは、商用電源電圧の実効値(RMS)が所定値90〜145V以外の場合は、商用電源電圧異常の発生と判断され、商用電源の周波数が所定値±5Hz以外の場合は、商用電源周波数異常の発生と判断される。
【0025】
図5Aは、本発明に係る無停電システムの、バッテリーモードと商用電源モードの切替えタイミングを判断するための波形図である。図2及び図3に合わせて、図5Aの波形図を説明する。商用電源電圧Vacがない場合には、無停電システム100がバッテリーモードBMに入る。パルス幅変調ユニット422は、電圧変換制御信号Vc及び三角波ベース信号Scに応じて、パルス幅変調制御信号PWMを出力する。パルス幅変調制御信号PWMは、交流変換電圧Voを出力するように電源変換回路2を制御するためのものである。商用電源が復帰した場合には、商用電源検出ユニット411が商用電源ゼロクロス信号Szを出力する。この際、三角波ベース電圧値サンプリングユニット413は、三角波ベース信号Scを受信して、ゼロクロス点zcに最も接近する時のサンプリング電圧値Vs及びクロス値Vzcを出力する。判断ユニット414は、サンプリング電圧値Vsとクロス値Vzcとの間の傾きが0よりも小さいか否かを判断する。なお、商用電源のゼロクロス点zcにおける三角波ベース信号Scの電圧値は、クロス値Vzcである。上記の傾きが0よりも小さい場合、判断ユニット414は、クロス値Vzcが所定範囲Cr内にあるか否かをさらに判断する。また、サンプリング電圧値Vsは、300μsecごとにサンプリングした三角波ベース信号Scの電圧値であるが、これに限定されず、説明上の便宜のために例示されるものである。さらに、商用電源のゼロクロス点zcにおける三角波ベース信号Scの傾きを判断するために、三角波ベース電圧値サンプリングユニット413から出力されたサンプリング電圧値Vsが少なくとも1つ以上である。例えば、商用電源のゼロクロス点zcにおける三角波ベース信号Scの傾きをより正確に判断するために、三角波ベース電圧値サンプリングユニット413は、2つのサンプリング電圧値Vsを出力してもよい。図5Aに示すように、本実施形態では、商用電源電圧Vacの立ち上がりのゼロクロス点zuと、三角波ベース信号Scの立ち下がりの中点mdとを判断基準として、バッテリーモードBMと商用電源モードLMとの切替えを判断する。実際の回路への適用の場合、モードの切替えの判断基準は、上記の判断基準に限定されない。換言すれば、例えば、商用電源電圧Vacの立ち下がりのゼロクロス点zdと、三角波ベース信号Scの立ち上がりの中点muとを判断基準として、バッテリーモードBMと商用電源モードLMの切替えを判断してもよい。そのため、本発明の実施形態の説明を混乱しないために、選択された機能の詳細を示したり、記載したりしない。
【0026】
図5Bは、本発明に係る無停電システムの、バッテリーモードから商用電源モードへの切替え動作を説明するための波形図である。図2乃至図4に合わせて、図5Bの波形図を説明する。本実施形態において、互いに位相差のある第一の三角波A〜第五の三角波Eを例として説明する。第一の三角波Aは、第二の三角波Bよりも位相が進んでいる。一方、第三の三角波C〜第五の三角波Eは、第二の三角波Bよりも位相が遅れている。図5Bに示すように、第一の三角波Aは、第二の三角波Bよりも位相が進んでいる。さらに、第一の三角波Aの立ち下がりの中点mdは、現在復帰した商用電源電圧Vacの商用電源のゼロクロス点zcよりも位相が進んでいる。現在復帰した商用電源電圧Vacの商用電源のゼロクロス点zcにおいて、第二の三角波Bの立ち下がりの中点mdは、所定範囲Cr内にある。第三の三角波C〜第五の三角波Eは、第二の三角波Bよりも位相が遅れている。さらに、第三の三角波C〜第五の三角波Eの立ち下がりの中点mdは、現在復帰した商用電源電圧Vacの商用電源のゼロクロス点zcよりも位相が遅れている。商用電源が復帰すると、三角波ベース信号Scが第二の三角波Bの場合、商用電源のゼロクロス点zcにおいて三角波ベース信号Scの立ち下がりの中点mdが所定範囲Cr内にある。なお、パルス幅変調ユニット422は、パルス幅変調制御信号PWMの出力を停止する。その際、判断ユニット414は、スイッチトリガ信号Rtを生成してスイッチ制御ユニット423に出力する。スイッチ制御ユニット423は、スイッチ制御信号Rcを出力して、交流変換電圧Voの出力から商用電源電圧Vacの出力へ切替えるようにスイッチ部3を制御する。なお、所定範囲Crは,三角波ベース信号Scの中央値の上下にある誤差許容範囲内にある。この誤差許容範囲は、例えば、三角波ベース信号Scの山と谷との電圧差の絶対値の10%であるが、これに限定されず、説明上の便宜のために例示されるものである。換言すれば、より正確な判断のために、誤差許容範囲は、10%よりも小さくなるように限定されてもよい。また、より大きい商用電源のクロスを許容するためにスイッチ部3のタイミングを切替えるために、誤差許容範囲は、10%よりも大きくなるように限定されてもよい。
【0027】
図2図3及び図5Bに示すように、商用電源が復帰した場合、商用電源検出ユニット411は、商用電源ゼロクロス信号Szを出力することになる。その際、三角波ベース電圧値サンプリングユニット413は、三角波ベース信号Scを受信して、ゼロクロス点zcに最も接近する時のサンプリング電圧値Vsを出力する。判断ユニット414は、サンプリング電圧値Vsとクロス値Vzcとの間の傾きが0よりも小さいか否かを判断する。傾きが0以上の場合は、図5Bに示す第四の三角波D及び第五の三角波Eで表される。なお、第四の三角波D及び第五の三角波Eは、第二の三角波Bよりも位相が遅れている。この場合、判断ユニット414は、クロス値Vzcが所定範囲Cr以外と判断すると、三角波ベース信号Scの周波数を増加させるための判断信号Sdを周波数調整ユニット4122に送信する。また、周波数調整ユニット4122は、周波数調整信号Sfを搬送波カウントリセットユニット4121に出力して、三角波ベース信号Scの周波数を増加させる。傾きが0よりも小さい場合、判断ユニット414は、クロス値Vzcが所定範囲Cr内にあるか否かを判断する。クロス値Vzcが所定範囲Cr以外の場合は、図5Bに示す第一の三角波Aまたは第三の三角波Cで表される。三角波ベース信号Scの立ち下がりの中点mdが現在復帰した商用電源電圧Vacの商用電源のゼロクロス点zcよりも位相が進む場合は、第二の三角波Bよりも位相が進む第一の三角波Aで表される。そのため、クロス値Vzcが所定範囲Crよりも小さくて、判断ユニット414は、三角波ベース信号Scの周波数を減少させるための判断信号Sdを周波数調整ユニット4122に送信する。また、周波数調整ユニット4122は、周波数調整信号Sfを搬送波カウントリセットユニット4121に出力して、三角波ベース信号Scの周波数を減少させる。三角波ベース信号Scの立ち下がりの中点mdが現在復帰した商用電源電圧Vacの商用電源のゼロクロス点zcよりも位相が遅れる場合は、第二の三角波Bよりも位相が遅れる第三の三角波Cで表される。そのため、クロス値Vzcが所定範囲Crよりも大きくて、判断ユニット414は、三角波ベース信号Scの周波数を増加させるための判断信号Sdを周波数調整ユニット4122に送信する。また、周波数調整ユニット4122は、周波数調整信号Sfを搬送波カウントリセットユニット4121に出力して、三角波ベース信号Scの周波数を増加させる。
【0028】
図6は、本発明に係る無停電システムの、商用電源モードからバッテリーモードへ、さらにバッテリーモードから商用電源モードへの切替え動作を説明するための波形図である。図2及び図3に合わせて、図6に示す波形図を説明する。無停電システム100の商用電源モードLMからバッテリーモードBMへの切替えは図4に示す形態と同様であるため、その説明を省略する。商用電源電圧Vacの立ち上がりのゼロクロス点zuと、三角波ベース信号Scの立ち下がりの中点mdとを判断基準として、商用電源モードLMとバッテリーモードBMとの切替えを判断する。実際の回路への適用の場合、モードの切替えの判断基準は、上記の判断基準に限定されない。換言すれば、例えば、商用電源電圧Vacの立ち下がりのゼロクロス点zdと、三角波ベース信号Scの立ち上がりの中点muとを判断基準として、商用電源モードLMとバッテリーモードBMとの切替えを判断してもよい。そのため、本発明の実施形態の説明を混乱しないために、選択された機能の詳細を示したり、記載したりしない。図6に示すように、商用電源が復帰した場合、無停電システム100は、周波数調整区間Tadjを有する。周波数調整区間Tadjの間に、無停電システム100は、三角波ベース信号Scを調整することで、商用電源電圧Vacの立ち上がりのゼロクロス点zuにおいて三角波ベース信号Scの立ち下がりの中点mdを所定範囲Cr内にする。商用電源電圧Vacの立ち上がりのゼロクロス点zuにおいて三角波ベース信号Scの立ち下がりの中点mdが所定範囲Cr内にある場合、無停電システム100は、バッテリーモードBMから商用電源モードLMに切替わる。そのため、周波数調整区間Tadj内において、無停電システム100は、三角波ベース信号Scの周波数を増減する。周波数調整区間Tadj内において、電源変換回路2は、三角波ベース信号Scの周波数の増減に伴って、交流変換電圧Voの周波数を増減する。図6に示すように、周波数調整区間Tadjの初期において、三角波ベース信号Scの波形は図5Bに示す第一の三角波Aであると仮定する。商用電源が復帰した場合に、商用電源検出ユニット411は、商用電源ゼロクロス信号Szを出力することになる。その際、三角波ベース電圧値サンプリングユニット413は、三角波ベース信号Scを受信して、サンプリング電圧値Vsをサンプリングして出力する。判断ユニット414は、サンプリング電圧値Vsとクロス値Vzcとの間の傾きが0よりも小さくて、クロス値Vzcが所定範囲Crよりも小さいと判断する。そのため、判断ユニット414は、三角波ベース信号Scの周波数を減少させるための判断信号Sdを周波数調整ユニット4122に送信する。周波数調整ユニット4122は、周波数調整信号Sfを搬送波カウントリセットユニット4121へ出力して、三角波ベース信号Scの周波数を減少させる。複数の三角波を経った後、商用電源電圧Vacの立ち上がりのゼロクロス点zuにおいて、三角波ベース信号Scの立ち下がりの中点mdが所定範囲Cr内にある場合、パルス幅変調ユニット422は、パルス幅変調制御信号PWMの出力を停止する。この場合、判断ユニット414は、スイッチトリガ信号Rtを生成してスイッチ制御ユニット423に出力する。スイッチ制御ユニット423は、スイッチ制御信号Rcを出力して、交流変換電圧Voの出力から商用電源電圧Vacの出力へ切替えるようにスイッチ部3を制御する。なお、無停電システム100は、バッテリーモードBMから商用電源モードLMへ切替わる。図6に示す実施形態は、図5Bの第一の三角波Aを例示するものであるが、これに限定されない。すなわち、図5Bの第一の三角波A〜第五の三角波Eに対しては、本実施形態と同様に三角波ベース信号Scの周波数を調整可能であるため、その詳細の説明を省略する。図6では、バッテリーモードBMから商用電源モードLMへの切替えの場合、出力されない交流変換電圧Voが点線で示される。商用電源モードLMにおいて、商用電源検出ユニット411は、商用電源電圧Vacの立ち上がりのゼロクロス点zu及び立ち下がりのゼロクロス点zdを基に、商用電源ゼロクロス信号Szを生成する。商用電源ゼロクロス信号Szは、連続した矩形波信号である。なお、商用電源ゼロクロス信号Szの立ち上がり及び立ち下がりは、商用電源電圧Vacの立ち上がりのゼロクロス点zu及び立ち下がりのゼロクロス点zdにそれぞれ対応する。搬送波生成ユニット412は、商用電源ゼロクロス信号Szを受信して三角波ベース信号Scを生成する。三角波ベース信号Scは、連続した三角波信号である。なお、三角波ベース信号Scは、商用電源ゼロクロス信号Szの立ち上がりを三角波ベース信号Scの立ち下がりの中点mdとし、商用電源ゼロクロス信号Szの立ち下がりを三角波ベース信号Scの立ち上がりの中点muとして生成される。また、商用電源電圧Vacの立ち上がりのゼロクロス点zuよりも90°遅相した位相角は、制御部4が4分の1周期分遅れて三角波ベース信号Scをリセットする根拠とされる。そのため、図6に示す、バッテリーモードBMから商用電源モードLMへの切替えの場合、制御部4は4分の1周期分遅れて三角波ベース信号Scをリセットすることで、三角波ベース信号Scに小さな三角形のサージが現れる。その際、搬送波カウントリセットユニット4121は、商用電源モードLMにて三角波ベース信号Scのカウント(Count)及びリセット(Reset)を継続的に行う。こうすることで、スイッチ部3がバッテリーモードに切替わった場合には、出力された交流変換電圧Voを商用電源電圧Vacと同位相に維持することができる。
【0029】
図7は、本発明に係る無停電システムのバッテリーモードから商用電源モードへの切替えを説明するためのフローチャートである。図2図3図5及び図7を参照しながら、無停電システムのバッテリーモードから商用電源モードへの切替えについて説明する。バッテリーモードBM(S100)において、制御部4内における搬送波制御手段41は、商用電源ゼロクロス信号Szを継続的に検出する。搬送波制御手段41によって商用電源ゼロクロス信号Szが検出された場合には、商用電源の復帰を判断する(S110)。この場合、搬送波制御手段41内における判断ユニット414は、三角波ベース信号Scのサンプリング電圧値Vsとクロス値Vzcとの間の傾きが0よりも小さいか否かを判断する(S112〜S120)。傾きが0以上の場合、クロス値Vzcが所定範囲Cr以外と判断されると(S124)、判断ユニット414は、三角波ベース信号Scの周波数を増加させるための判断信号Sdを周波数調整ユニット4122に出力する(S128)。その結果、無停電システム100は、バッテリーモードBMに維持する。傾きが0よりも小さい場合には、クロス値Vzcが所定範囲Cr内にあるか否かを判断する(S122)。クロス値Vzcが所定範囲Cr内にある場合、無停電システム100は、バッテリーモードBMから商用電源モードLMに切替わる(S132)。クロス値Vzcが所定範囲Cr以外の場合には、クロス値Vzcが所定範囲Crよりも大きいか否かを判断する(S126)。クロス値Vzcが所定範囲Crよりも大きい場合、判断ユニット414は、三角波ベース信号Scの周波数を増加させるための判断信号Sdを周波数調整ユニット4122に出力する(S128)。その結果、無停電システム100は、バッテリーモードBMに維持する。クロス値Vzcが所定範囲Crよりも小さい場合、判断ユニット414は、三角波ベース信号Scの周波数を減少させるための判断信号Sdを周波数調整ユニット4122に出力する(S130)。その結果、無停電システム100は、バッテリーモードBMに維持する。
【0030】
図8は、本発明に係る無停電システムの制御部によるスイッチ部の遅延時間の予知を説明するための波形図である。図2及び図3に合わせて、図8の波形図を説明する。無停電システム100は、バッテリーモードBMから商用電源モードLMへ切替わって、制御部4がスイッチ制御信号Rcをスイッチ部3に送信してスイッチ部3を実行させる場合、遅延時間DTが存在する。そのため、制御部4が商用電源のゼロクロス点zcにおいてスイッチ制御信号Rcをスイッチ部3へ送信すると、スイッチ部3は、遅延時間DTを経過した後にバッテリーモードBMから商用電源モードLMに切替える恐れがある。その結果、実質上、無停電システム100は、商用電源のゼロクロス点zcにおいてスイッチ部3を切替えず、スイッチ部3が作動中に大きい商用電源電圧Vacを受けることになる。本実施形態において、スイッチ制御ユニット423は、スイッチ部3の種類に応じたスイッチ遅延時間テーブル4231を有する。無停電システム100がバッテリーモードBMから商用電源モードLMに復帰する前に、スイッチ制御ユニット423は、スイッチ遅延時間テーブル4231に基づき、現在使用するスイッチ部3の遅延時間DTを決定する。スイッチ制御ユニット423は、遅延時間DTだけ早めてスイッチ部3を切替える。図8に示すように、商用電源が復帰して、無停電システム100がバッテリーモードBMから商用電源モードLMへ切替わろうとすると、三角波ベース信号Scの傾きが0よりも小さくて、クロス値Vzcが所定範囲Cr内にある場合には、制御部4は、1つの三角波を遅延した後にモードをバッテリーモードBMから商用電源モードLMへ切替える。スイッチ制御ユニット423は、遅延した三角波の立ち下がりの中点において遅延時間DTだけ早めてスイッチ制御信号Rcをスイッチ部3に送信する。これにより、無停電システム100がバッテリーモードBMから商用電源モードLMに切替わると、スイッチ部3は、商用電源のゼロクロス点zcにおいて切替わることができる。
【0031】
以上により、本発明の1つ以上の実施形態は、少なくとも、次の利点うちの1つを有するものである。
1.無停電システムの位相ロック制御ポリシーを実現することができる。位相ロック切替え機能によれば、切替え中に交流瞬間短絡発生のリスクを回避し、実現しやすくて幅広く利用できる。
2.制御部が同一位相時に切替えタイミングを検出したうえ、指令を与える時間差によってスイッチ部を切替えることで、商用電源のゼロクロス点においてスイッチ部を切替えることができる。その結果、スイッチ部は、過大な切替えストレスによって破損されることを防止できる。
【0032】
ただし、上記は、本発明の好ましい実施例の詳細な説明および図面に過ぎず、本発明の特徴はこれに限定されるものではないため、本発明を限定するために用いられるものではなく、本発明の全ての範囲は別紙の特許請求の範囲を基準とすべきである。およそ本発明の特許請求の範囲における技術的思想およびその類似の変形例に合うものは、いずれも本発明の範疇に含まれるものであって、当業者が本発明の範囲内で容易に想到し得る変化または付加はいずれも本願の特許請求の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0033】
<従来技術>
100 無停電システム
2 電源変換回路
21 充電部
22 バッテリー部
23 DC−DC変換部
24 DC−AC変換部
3 スイッチ部
4 制御部
Vac 商用電源電圧
Vo 交流変換電圧
X 検出点
<本発明>
100 無停電システム
LM 商用電源モード
BM バッテリーモード
2 電源変換回路
3 スイッチ部
4 制御部
41 搬送波制御手段
411 商用電源検出ユニット
412 搬送波生成ユニット
4121 搬送波カウントリセットユニット
4122 周波数調整ユニット
413 三角波ベース電圧値サンプリングユニット
414 判断ユニット
42 パルス制御手段
421 フィードバック制御ユニット
422 パルス幅変調ユニット
423 スイッチ制御ユニット
4231 スイッチ遅延時間テーブル
Vac 商用電源電圧
Vo 交流変換電圧
Sc 三角波ベース信号
Rt スイッチトリガ信号
PWM パルス幅変調制御信号
Rc スイッチ制御信号
Sz 商用電源ゼロクロス信号
Vs サンプリング電圧値
Vc 電圧変換制御信号
Vzc クロス値
Sd 判断信号
Sf 周波数調整信号
Cr 所定範囲
A 第一の三角波
B 第二の三角波
C 第三の三角波
D 第四の三角波
E 第五の三角波
Tadj 周波数調整区間
DT 遅延時間
zc 商用電源のゼロクロス点
zu 立ち上がりのゼロクロス点
zd 立ち下がりのゼロクロス点
mu 立ち上がりの中点
md 立ち下がりの中点
S100〜S132 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8