特許第6266846号(P6266846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6266846情報処理装置、情報処理方法、プログラム、記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266846
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20180115BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20180115BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06Q30/02 480
【請求項の数】8
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-525697(P2017-525697)
(86)(22)【出願日】2015年6月29日
(86)【国際出願番号】JP2015068667
(87)【国際公開番号】WO2017002162
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2017年10月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】内田 有紀
【審査官】 山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−338100(JP,A)
【文献】 特開2006−277286(JP,A)
【文献】 特開2012−3319(JP,A)
【文献】 特開平10−254888(JP,A)
【文献】 特開2002−230328(JP,A)
【文献】 特開2006−343827(JP,A)
【文献】 特開2006−209285(JP,A)
【文献】 特開2006−31477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象と評価値を管理する管理部と、
複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出する評価値算出処理を実行する評価値算出部と、
前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理を実行するフェーズ移行判定部と、
前記評価値算出処理によって算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理を実行する提示制御部と、を備え、
前記評価値算出部は、異なる評価フェーズ間に設けられた移行期間において、移行前の評価フェーズに応じた移行前評価式を用いて算出した移行前評価値と、移行後の評価フェーズに応じた移行後評価式を用いて算出した移行後評価値と、を混合させた移行期間評価値を算出する
情報処理装置。
【請求項2】
評価対象と評価値を管理する管理部と、
複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出する評価値算出処理を実行する評価値算出部と、
前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理を実行するフェーズ移行判定部と、
前記評価値算出処理によって算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理を実行する提示制御部と、を備え、
前記評価値算出部は、
異なる評価フェーズ間に設けられた移行期間において、移行前の評価フェーズに応じた移行前評価式を用いて算出した移行前評価値と、移行後の評価フェーズに応じた移行後評価式を用いて算出した移行後評価値と、を経過時間に応じた混合割合で混合させた移行期間評価値を算出する
情報処理装置。
【請求項3】
評価対象と評価値を管理する管理部と、
複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出する評価値算出処理を実行する評価値算出部と、
前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理を実行するフェーズ移行判定部と、
前記評価値算出処理によって算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理を実行する提示制御部と、
前記評価対象の評価値の初期値を設定する初期値設定処理を実行する初期値設定部と、を備え、
前記提示制御部は、直近の所定期間内に管理を開始した新規評価対象のみを提示する新規評価対象提示処理を実行し、
前記初期値設定部は、前記新規評価対象提示処理によって提示された各評価対象に対する閲覧数に応じて前記初期値を設定す
報処理装置。
【請求項4】
評価対象と評価値を管理する管理部と、
複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出する評価値算出処理を実行する評価値算出部と、
前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理を実行するフェーズ移行判定部と、
前記評価値算出処理によって算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理を実行する提示制御部と、を備え、
前記評価フェーズとして、第1評価フェーズと前記第1評価フェーズの後に遷移する第2評価フェーズの少なくとも二つの評価フェーズが設けられ、
前記評価値算出部は、
前記第1評価フェーズにおいて、提示した前記評価対象の閲覧数に応じた評価値を算出し、
前記第2評価フェーズにおいて、提示した前記評価対象の閲覧数に対するユーザの所定操作実施割合に応じた評価値を算出す
報処理装置。
【請求項5】
評価対象と評価値を管理するステップと、
複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出するステップと、
異なる評価フェーズ間に設けられた移行期間において、移行前の評価フェーズに応じた移行前評価式を用いて算出した移行前評価値と、移行後の評価フェーズに応じた移行後評価式を用いて算出した移行後評価値と、を混合させた移行期間評価値を算出するステップと、
前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理ステップと、
記算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理ステップと、
情報処理装置に実行させる情報処理方法。
【請求項6】
評価対象と評価値を管理するステップと、
複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出するステップと、
異なる評価フェーズ間に設けられた移行期間において、移行前の評価フェーズに応じた移行前評価式を用いて算出した移行前評価値と、移行後の評価フェーズに応じた移行後評価式を用いて算出した移行後評価値と、を経過時間に応じた混合割合で混合させた移行期間評価値を算出するステップと、
前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理ステップと、
前記算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理ステップと、
を情報処理装置に実行させる情報処理装置。
【請求項7】
評価対象と評価値を管理するステップと、
直近の所定期間内に管理を開始した新規評価対象のみを提示する新規評価対象提示処理ステップと、
前記新規評価対象提示処理ステップによって提示された各評価対象に対する閲覧数に応じて前記評価対象の評価値の初期値を設定する初期値設定処理ステップと、
複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出する評価値算出処理ステップと、
前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理ステップと、
前記算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理ステップと、
を情報処理装置に実行させる情報処理装置。
【請求項8】
評価フェーズとして、第1評価フェーズと前記第1評価フェーズの後に遷移する第2評価フェーズの少なくとも二つの評価フェーズが設けられ、
評価対象と評価値を管理するステップと、
複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出する評価値算出処理として、前記第1評価フェーズでは提示した前記評価対象の閲覧数に応じた評価値を算出する処理を行い、前記第2評価フェーズでは提示した前記評価対象の閲覧数に対するユーザの所定操作実施割合に応じた評価値を算出する処理を行う評価値算出処理ステップと、
前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理ステップと、
前記算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理ステップと、
情報処理装置に実行させる情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レシピを管理する情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体についての技術分野に関する。詳しくは、レシピを評価するための各種処理に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2013−117775号公報
【背景技術】
【0003】
近年では、一般ユーザの投稿などによって蓄積されたレシピをPCなどのコンピュータから検索可能なレシピ検索のサイトやソフトウェアが普及している(例えば特許文献1)。これらの分野においては、例えば、ユーザの閲覧数などに応じてレシピごとの人気度が計測され、人気度に応じてレシピがユーザに提示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、投稿されてからの経過時間が短いレシピは、経過時間(経過日数)が長いレシピに対して、人気度の点で不利となることがある。例えば、レシピの閲覧数やレシピの作成レポート(実際にレシピを利用した人が作成するレポート)の数や評価などで人気度を計測してしまうと、新しいレシピは上位になりにくい。
そこで、本発明は、投稿されてからの経過時間が短いレシピであっても適切に評価値が付与される情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報処理装置は、評価対象(例えばユーザからサーバへ投稿されたレシピ)と評価値を管理する管理部と、複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出する評価値算出処理を実行する評価値算出部と、前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理を実行するフェーズ移行判定部と、前記評価値算出処理によって算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理を実行する提示制御部とを備えている。
これにより、評価フェーズに応じて、適切な評価式が選択可能な環境が提供される。
【0006】
上記した情報処理装置の前記評価値算出部は、異なる評価フェーズ間に設けられた移行期間において、移行前の評価フェーズに応じた移行前評価式を用いて算出した移行前評価値と、移行後の評価フェーズに応じた移行後評価式を用いて算出した移行後評価値と、を混合させた移行期間評価値を算出する。
これにより、移行前の評価値と移行後の評価値を加味した中間的な評価値が算出される。
【0007】
上記した情報処理装置は、前記移行期間においては、前記移行前評価値と前記移行後評価値を混合させる混合割合を経過時間に応じて変える。
これにより、移行期間において評価値を緩やかに変化させる環境が提供される。
【0008】
上記した情報処理装置は、前記評価対象の評価値の初期値を設定する初期値設定処理を実行する初期値設定部が設けられ、前記提示制御部は、直近の所定期間内に管理を開始した新規評価対象のみを提示する新規評価対象提示処理を実行し、前記初期値設定部は、前記新規評価対象提示処理によって提示された各評価対象に対する閲覧数に応じて前記初期値を設定する。
これにより、長い間管理されている評価対象が含まれない新規評価対象のみを提示する処理が行われ、それぞれの新規評価対象の閲覧数が計られる。
【0009】
上記した情報処理装置は、前記評価フェーズとして、第1評価フェーズと前記第1評価フェーズの後に遷移する第2評価フェーズの少なくとも二つの評価フェーズが設けられ、前記評価値算出部は、前記第1評価フェーズにおいて、提示した前記評価対象の閲覧数に応じた評価値を算出し、前記第2評価フェーズにおいて、提示した前記評価対象の閲覧数に対するユーザの所定操作実施割合に応じた評価値を算出する。
これにより、第2評価フェーズにおいては、閲覧数が少ないが、例えばお気に入り登録操作がなされたり、印刷操作がなされたり、購入操作がなされたりなどの所定操作が実行される可能性が高い隠れた評価対象には、適切な評価値が算出されて付与される。
【0010】
本発明に係る第1の情報処理方法は、評価対象と評価値を管理するステップと、複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出するステップと、異なる評価フェーズ間に設けられた移行期間において、移行前の評価フェーズに応じた移行前評価式を用いて算出した移行前評価値と、移行後の評価フェーズに応じた移行後評価式を用いて算出した移行後評価値と、を混合させた移行期間評価値を算出するステップと、前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理ステップと、前記算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理ステップと、を情報処理装置に実行させるものである。
本発明に係る第2の情報処理方法は、評価対象と評価値を管理するステップと、複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出するステップと、異なる評価フェーズ間に設けられた移行期間において、移行前の評価フェーズに応じた移行前評価式を用いて算出した移行前評価値と、移行後の評価フェーズに応じた移行後評価式を用いて算出した移行後評価値と、を経過時間に応じた混合割合で混合させた移行期間評価値を算出するステップと、前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理ステップと、前記算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理ステップと、を情報処理装置に実行させるものである。
本発明に係る第3の情報処理方法は、評価対象と評価値を管理するステップと、直近の所定期間内に管理を開始した新規評価対象のみを提示する新規評価対象提示処理ステップと、前記新規評価対象提示処理ステップによって提示された各評価対象に対する閲覧数に応じて前記評価対象の評価値の初期値を設定する初期値設定処理ステップと、複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出する評価値算出処理ステップと、前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理ステップと、前記算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理ステップと、を情報処理装置に実行させるものである。
本発明に係る第4の情報処理方法は、評価フェーズとして、第1評価フェーズと前記第1評価フェーズの後に遷移する第2評価フェーズの少なくとも二つの評価フェーズが設けられ、評価対象と評価値を管理するステップと、複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出する評価値算出処理として、前記第1評価フェーズでは提示した前記評価対象の閲覧数に応じた評価値を算出する処理を行い、前記第2評価フェーズでは提示した前記評価対象の閲覧数に対するユーザの所定操作実施割合に応じた評価値を算出する処理を行う評価値算出処理ステップと、前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理ステップと、前記算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理ステップと、情報処理装置に実行させるものである。
上記したこれらの情報処理方法により、投稿されてからの経過時間が短いレシピであっても適切に評価値が付与される環境を構築する

【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、投稿されてからの経過時間が短いレシピであっても適切に評価値が付与される情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態の情報処理装置を含む全体構成を示す説明図である。
図2】レシピ管理サーバと他の装置を含む構成を示すブロック図である。
図3】コンピュータ装置のブロック図である。
図4】評価フェーズを説明する図である。
図5】新着レシピ特集ページの画面を示す図である。
図6】新規評価対象提示処理を示すフローチャートである。
図7】初期値設定処理を示すフローチャートである。
図8】評価値算出処理を示すフローチャートである。
図9】評価値算出処理の別の例を示すフローチャートである。
図10】フェーズ移行判定処理の第1例を示すフローチャートである。
図11】フェーズ移行判定処理の第2例を示すフローチャートである。
図12】バッチ処理の例を示すフローチャートである。
図13】検索結果提示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態を次の順序で説明する。
<1.全体構成>
<2.ハードウェア構成>
<3.処理の流れ>
[3−1.評価フェーズとレシピの評価について]
[3−2.新規評価対象提示処理]
[3−3.初期値設定処理]
[3−4.評価値算出処理]
[3−5.評価値算出処理の別の例]
[3−6.フェーズ移行判定処理]
〜3−6−1.第1例〜
〜3−6−2.第2例〜
[3−7.バッチ処理]
[3−8.提示処理]
<4.変形例>
<5.まとめ>
<6.プログラム及び記憶媒体>
【0014】
<1.全体構成>

先ず、本発明の実施の形態における全体構成を説明する。
尚、以下の説明においては、評価対象として料理レシピ(以降では単にレシピという)を例に挙げて説明する。
本発明の情報処理装置を含む全体構成は、図1に示すように、レシピ管理サーバ1、ユーザ端末3,3,3,・・・が通信ネットワーク2を介して相互に通信可能な状態でそれぞれ接続されている。レシピ管理サーバ1は、本発明の情報処理装置の実施の形態に相当する。
【0015】
レシピ管理サーバ1は、図2に示すように、管理部1a、評価値算出部1b、フェーズ移行判定部1c、提示制御部1d、初期値設定部1eを備えている。
【0016】
管理部1aは、ユーザが投稿したレシピとレシピに付与された評価値を紐づけて管理する。また、管理部1aは、レシピごとに投稿された作成レポートを管理する。更に、管理部1aは、ユーザからの検索条件に応じたレシピの検索処理を実行する。
他にも、管理部1aは、ユーザのログイン操作に対する認証処理などを実行する。
評価値算出部1bは、レシピに付与する評価値を算出する。
本例では、一つのレシピにつき一つの評価値を付与する。また、評価値は、レシピ投稿からの経過時間やユーザの反応に基づいて遷移する評価フェーズに応じた評価式が用いられる。評価フェーズとしては、例えば、初期フェーズや中期フェーズなどが設けられる。
【0017】
フェーズ移行判定部1cは、レシピごとに各評価フェーズの移行条件の成否を判定するフェーズ移行判定処理を実行する。
提示制御部1dは、ユーザ端末3上にレシピや評価値を提示する処理などを行う。そのために提示制御部1dは、ウェブページデータをユーザ端末3に送信する。
ウェブページデータは、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)やXHTML(Extensible HyperText Markup Language)などの構造化文書ファイルである。構造化文書ファイルには、レシピの作成手順としてのテキストデータや料理画像等の画像データと、それらの配置や表示態様(文字色やフォントや大きさや装飾など)が記述されている。
【0018】
初期値設定部1eは、評価値の初期値を設定する初期値設定処理を実行する。具体的な例は後述する。
【0019】
レシピ管理サーバ1には、他にも、各種情報を送受信する機能や、ユーザの操作ログを記憶する機能などを実現するために必要な各部が設けられている。
【0020】
レシピ管理サーバ1は上記の各種処理を実行するために、いくつかのDB(Database)を管理する。具体的には、レシピの情報が記憶されるレシピDB50、ユーザのID(Identification)やログインパスワードが記憶されるユーザID、ユーザの挙動(閲覧操作やクリック操作など)を記憶する挙動ログDB52などのDBである。
【0021】
レシピDB50には、レシピに関する情報として、レシピID、レシピ名、使用食材、分量、調理方法、調理時間、投稿者の識別情報(ユーザIDやユーザ名など)などが記憶される。また、投稿された作成レポートもレポートIDと共にレシピDB50に記憶される。
【0022】
ユーザDB51には、ユーザID、ユーザ名、ログインパスワード、投稿したレシピID、投稿した作成レポートのレポートIDなどが記憶される。また、ユーザの属性情報(性別、氏名、年齢、住所、連絡先など)が記憶されてもよい。
【0023】
挙動ログDB52には、レシピの閲覧履歴として、レシピID、閲覧したユーザのユーザID、閲覧日時などが紐づけられて記憶される。また、ユーザの行った閲覧操作以外の挙動も記憶される。具体的には、レシピを印刷したときの操作ログ、お気に入りに登録したときの操作ログなどである。
【0024】
図1の構成において、通信ネットワーク2の構成は特に限定されるものではなく、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、CATV(Community Antenna TeleVision)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網などが想定される。
また通信ネットワーク2の全部又は一部を構成する伝送媒体についても多様な例が想定される。例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、電話線などの有線でも、IrDA(Infrared Data Association)のような赤外線、ブルートゥース(登録商標)、802.11無線、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網などの無線でも利用可能である。
【0025】
図1に示すユーザ端末3は、レシピをレシピ管理サーバ1に投稿するユーザや、レシピ管理サーバ1が管理するレシピ情報を閲覧するユーザなどが使用する端末である。
ユーザ端末3では、必要に応じて各種の送受信処理や表示処理などが実行される。また、ユーザ端末3は、例えば、通信機能を備えたPC(Personal Computer)やフィーチャーフォンやPDA(Personal Digital Assistants)、或いは、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスなどである。
【0026】
<2.ハードウェア構成>

図3は、図1に示したレシピ管理サーバ1及びユーザ端末3のハードウエアを例示する図である。それぞれのサーバや端末におけるコンピュータ装置のCPU(Central Processing Unit)101は、ROM(Read Only Memory)102に記憶されているプログラム、または記憶部108からRAM(Random Access Memory)103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU101、ROM102、およびRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104には、入出力インターフェース105も接続されている。
入出力インターフェース105には、キーボード、マウス、タッチパネルなどよりなる入力装置106、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electroluminescence)パネルなどよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力装置107、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ装置などより構成される記憶部108、通信ネットワーク2を介しての通信処理や機器間通信を行う通信部109が接続されている。
入出力インターフェース105にはまた、必要に応じてメディアドライブ110が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111が適宜装着され、リムーバブルメディア111に対する情報の書込や読出が行われる。
【0027】
このようなコンピュータ装置では、通信部109による通信によりデータやプログラムのアップロード、ダウンロードが行われたり、リムーバブルメディア111を介したデータやプログラムの受け渡しが可能である。
CPU101が各種のプログラムに基づいて処理動作を行うことで、レシピ管理サーバ1及びユーザ端末3のそれぞれにおいて後述する情報処理や通信が実行される。
尚、レシピ管理サーバ1及びユーザ端末3を構成するそれぞれの情報処理装置は、図3のようなコンピュータ装置が単一で構成されることに限らず、システム化された複数のコンピュータ装置によって構成されてもよい。複数のコンピュータ装置は、LANなどによりシステム化されていてもよいし、インターネットなどを利用したVPN(Virtual Private Network)などにより通信可能な状態で遠隔地に配置されたものでもよい。
【0028】
<3.処理の流れ>

[3−1.評価フェーズとレシピの評価について]
レシピ管理サーバ1が管理するレシピの数は膨大になるため、ユーザは自身の満足するレシピを探し難い状況がある。そのため、レシピごとにおいしさを表す評価値が設定されている。以降では、レシピのおいしさを示す評価値を「おいしさポイント」として説明する。また、「おいしさポイント」を単に「ポイント」と表現する場合もある。
【0029】
レシピのおいしさの指標である「おいしさポイント」は、ユーザからの評価を元に算出することが考えられる。ユーザからの評価とは、例えば、ユーザが1点から5点までの5段階で評価する点数評価や、ユーザが投稿した作成レポートの数などを集計した平均値などから算出される評価である。
しかし、投稿されたばかりのレシピは、ユーザがレシピを利用した回数や閲覧数が少ないため、高いポイントが付与されにくく、評価の確度も落ちてしまう可能性が高い。そのため、質の高いレシピであっても、新しいレシピである場合には、高いポイントが付与されるまで長い時間が掛かってしまう可能性がある。
【0030】
そこで、レシピの状態(投稿後の経過時間や他ユーザの挙動の状態)に応じて評価フェーズを遷移させ、評価フェーズに応じた評価式を用いてレシピごとに適切な「おいしさポイント」を付与する。例えば、図4Aに示すように、評価フェーズとして、初期値設定フェーズ、初期フェーズ、中期フェーズ、最終フェーズを設ける。また、図4Bに示すように、評価フェーズ間には、移行期間(移行フェーズ)を設けてもよい。
移行フェーズとしては、初期フェーズから中期フェーズへ移行する際に遷移する第1移行フェーズ、中期フェーズから最終フェーズへ移行する際に遷移する第2移行フェーズを設ける。
以下の例では、図4Bに示す評価フェーズに基づいて、各例を説明する。
【0031】
[3−2.新規評価対象提示処理]
図4に示す初期値設定フェーズは、レシピ投稿が行われてから「おいしさポイント」の初期値を決定するために設けられる評価フェーズである。レシピが初期値設定フェーズに属する間は、「おいしさポイント」が付与されない。そのため、通常のレシピ検索においては、ポイントが付与されていない状態で抽出されるため、ユーザの興味を引き難く、当該レシピの閲覧数などが増加し難い可能性がある。
そこで、レシピ管理サーバ1は、投稿されてからの経過時間が所定値以下(以下の例では、1か月以内)のレシピを新着レシピとして管理し、新着レシピのみを対象とした検索機能や提示機能を提供する。
【0032】
レシピ管理サーバ1が提供する新着レシピのみを対象とした提示機能の一例として、新着レシピ特集ページの例を図5に示す。
新着レシピ特集ページは、ユーザ端末3にインストールされたウェブブラウザ4に表示される。
新着レシピ特集ページには、新着レシピの中から選定されたいくつか(図5では三つ)のレシピ情報が記載されている。レシピ情報としては、レシピ名5と簡易説明文6と料理画像7が表示される。レシピ名5や料理画像7は、ユーザによる選択操作(例えばマウスを用いたクリック操作など)が可能とされており、選択操作がなされると、当該選択されたレシピに関する詳細ページに遷移する。
また、レシピ情報の下方には、新着レシピの中から特定のレシピを検索するための文字列入力欄8と検索ボタン9が配置されている。
【0033】
図5に示す新着レシピ特集ページの提供は、レシピ管理サーバ1が新規評価対象提示処理を実行することによって実現される。新規評価対象提示処理は、例えば、ユーザが新着レシピ特集のウェブページの表示要求を行ったことに応じてレシピ管理サーバ1が実行する。
新規評価対象提示処理の流れの一例を図6に示す。
【0034】
レシピ管理サーバ1は、ユーザ端末3から新着レシピ特集ページの表示要求を受信すると、先ず、ステップS101において、所定数の新着レシピを選定する処理を実行する。
所定数の新着レシピの選定は、例えば、投稿されてからの経過時間が短い新着レシピを順に三つ選定してもよいし、ユーザの嗜好情報に基づいて選定してもよい。ユーザの嗜好情報は、例えばユーザがお気に入りに登録したレシピや閲覧履歴などから生成し、ユーザDB51に記憶する。
【0035】
続いて、レシピ管理サーバ1はステップS102において、新着レシピ特集ページをユーザ端末3のウェブブラウザ4上に表示させる処理を実行する。この処理では、新着レシピ特集ページのウェブページデータがユーザ端末3に送信される。これにより、図5に示す新着レシピ特集ページがユーザ端末3上に表示される。
【0036】
次に、レシピ管理サーバ1はステップS103において、選択操作を検知したか否かを判定する。選択操作とは、ユーザによって何れかの新着レシピに対する選択操作が行われたか否かを判定する処理である。具体的には、先に述べた図5におけるレシピ名5や料理画像7などに対して、ユーザが選択操作を行ったか否かを判定する処理である。ユーザが選択操作を行った場合、ユーザ端末3からレシピ管理サーバ1に対して、選択操作の対象となった新着レシピの詳細ページのウェブページデータの要求が送信される。従って、レシピ管理サーバ1は、当該要求を受信したか否かを判定することによって、ステップS103の処理を実行する。
【0037】
選択操作を検知した場合(図中のY判定)、レシピ管理サーバ1はステップS104において、レシピ詳細ページへ遷移する処理を実行する。この処理では、ユーザ端末3に対して、ユーザが選択した新着レシピの詳細ページのウェブページデータを送信する処理が実行される。また、レシピ詳細ページへ遷移する処理が実行されると共に、選択操作によって選択されたレシピの閲覧数を加算する処理を実行する。
ステップS104を実行した後、レシピ検索サーバ1は図6に示す一連の処理を終了する。
【0038】
一方、選択操作を検知していない場合(図中のN判定)、レシピ管理サーバ1は続くステップS105において、検索操作を検知したか否かを判定する。検索操作とは、ユーザが図5の検索ボタン9を押下したか否かを判定する処理である。例えば、ユーザが文字列入力欄8に文字列(検索文字列)を入力した上で検索ボタン9を押下した場合、ユーザ端末3からレシピ管理サーバ1に対して、検索文字列と共に検索結果ページのウェブページデータの要求が送信される。従って、レシピ管理サーバ1は、当該要求を受信したか否かを判定することによって、ステップS105の処理を実行する。
【0039】
検索操作を検知した場合(図中のY判定)、レシピ管理サーバ1はステップS106において検索処理を実行する。検索処理では、レシピDB50に記憶された新着レシピの中からユーザの検索文字列に応じた検索結果を抽出する。
続いて、レシピ管理サーバ1はステップS107において、新着レシピ検索結果ページへ遷移する処理を実行する。この処理では、ユーザ端末3に対して、ステップS106で抽出した検索結果を表示させるウェブページデータを送信する処理が実行される。
ステップS107の処理を実行した後、レシピ検索サーバ1は図6に示す一連の処理を終了する。
【0040】
一方、検索操作を検知していない場合(図中のN判定)、レシピ管理サーバ1はステップS108において、他ページへの遷移操作を検知したか否かを判定する。他ページへの遷移操作とは、例えば、ユーザのお気に入りのページに遷移する操作や、作成レポートを投稿する投稿画面へ遷移する操作などである。これらの遷移操作をユーザが行った場合、ユーザ端末3からレシピ管理サーバ1に対して、遷移先のウェブページデータの要求が送信される。従って、レシピ管理サーバ1は、当該要求を受信したか否かを判定することによって、ステップS108の処理を実行する。
【0041】
他ページへの遷移操作を検知した場合(図中のY判定)、レシピ管理サーバ1はステップS109において、ユーザが要求した他ページへ遷移する処理を実行する。この処理では、ユーザ端末3に対して、他ページのウェブページデータが送信される。
ステップS109を実行した後、レシピ検索サーバ1は図6に示す一連の処理を終了する。
【0042】
一方、他ページへの遷移操作を検知していない場合(図中のN判定)、レシピ管理サーバ1はステップS103乃至S109の各処理を再び実行する。
【0043】
[3−3.初期値設定処理]
レシピ管理サーバ1は、例えば一日ごとや一時間ごとなどの所定時間ごとに、新着レシピそれぞれに対して通常レシピに変更すべきか否かを判定する処理を実行する。換言すれば、新着レシピが図4に示す初期値設定フェーズから初期フェーズへ移行すべきか否かを判定する。
本例では、新着レシピが投稿されてから1カ月経過したか否かを判定する。新着レシピが投稿されてから1カ月が経過していた場合、当該レシピを新着レシピから通常レシピに変更すると共に、「おいしさポイント」の初期値を設定する初期値設定処理が実行される。
尚、レシピが新着レシピであるか通常レシピであるかの情報は、例えばフラグなどのような形態でレシピDB50に記憶される。
また、上記の1ヶ月はあくまで一例であり、数日や数週間であってもよい。
【0044】
初期値設定処理では、先ずステップS201において、初期設定フェーズ(即ち新着レシピとして設定されていた期間)における閲覧数を取得する処理を、レシピ管理サーバ1は実行する。閲覧数は、例えば、先の図6のステップS104のように、レシピの詳細ページが閲覧されるごとに加算される。
【0045】
続いて、レシピ管理サーバ1はステップS202において、初期値算出処理を実行する。初期値算出処理では、例えば、閲覧数に応じて5段階評価(以降の説明では、1点、2点、3点、4点、5点の5段階評価とし、点数が高い方が高評価とする)の何れに相当するかを算出する。この処理では、例えば、「おいしさポイント」の初期値として、初期値設定フェーズにおける閲覧数が100以上であったレシピには5点を付与し、閲覧数が80以上であったレシピには4点を付与し、閲覧数が60以上であったレシピには3点を付与し、閲覧数が40以上であったレシピには2点を付与し、閲覧数が40未満であったレシピには1点を付与する。
【0046】
次に、レシピ管理サーバ1はステップS203において、初期値記憶処理を実行する。初期値記憶処理では、レシピDB50にレシピIDなどと紐付けられて「おいしさポイント」の初期値が記憶される。
【0047】
尚、ここでは閲覧数を例に挙げたが、それ以外の要素(例えば、印刷数やお気に入りに登録された数など)で判定してもよい。更に、複数の要素を考慮して初期値を算出してもよい。
【0048】
[3−4.評価値算出処理]
レシピ管理サーバ1は、例えば一日ごとや一時間ごとなどの所定時間ごとに、「おいしさポイント」の初期値設定が既に完了している(即ち、初期値設定フェーズを終了した)レシピそれぞれに対して「おいしさポイント」の数値を算出して更新する評価値算出処理を実行する。
評価値算出処理の例を図8に示す。尚、図8に示す一連の処理は、一つのレシピの「おいしさポイント」を算出するたびに実行される。以降では、「おいしさポイント」を算出する対象となるレシピを「対象レシピ」として記載する。
尚、評価フェーズとしては、図4Bに示すように、初期値設定フェーズ、初期フェーズ、第1移行フェーズ、中期フェーズ、第2移行フェーズ、最終フェーズが設けられた場合とする。
【0049】
先ず、レシピ管理サーバ1はステップS301において、対象レシピが属する評価フェーズ(図4参照)を取得する処理を実行する。評価フェーズはレシピDB50にレシピIDなどに紐付られて記憶されている。従って、ステップS301の処理では、レシピDB50に記憶された評価フェーズを取得する。
【0050】
続いて、レシピ管理サーバ1はステップS302において、取得した評価フェーズが初期値設定フェーズであるか否かを判定する処理を実行する。対象レシピの評価フェーズが初期値設定フェーズである場合(図中のY判定)、対象レシピにはまだ「おいしさポイント」が設定されていないため、図8に示す一連の処理を終了する。
一方、対象レシピの評価フェーズが初期値設定フェーズ以外である場合、以降の処理において、各評価フェーズに基づいた評価値を算出する処理を実行する。具体的には、先ず、レシピ管理サーバ1は続くステップS303において、評価フェーズが初期フェーズであるか否かを判定する。
評価フェーズが初期フェーズである場合、レシピ管理サーバ1はステップS304において、初期フェーズ用の評価式を用いて評価値を算出する処理を実行する。
【0051】
一方、対象レシピの評価フェーズが初期フェーズでなかった場合、レシピ管理サーバ1はステップS305において、評価フェーズが第1移行フェーズであるか否かを判定する。
評価フェーズが第1移行フェーズである場合、レシピ管理サーバ1はステップS306において、第1移行フェーズ用の評価式を用いて評価値を算出する処理を実行する。
【0052】
対象レシピの評価フェーズが第1移行フェーズでなかった場合、レシピ管理サーバ1はステップS307において、評価フェーズが中期フェーズであるか否かを判定する。
評価フェーズが中期フェーズである場合、レシピ管理サーバ1はステップS308において、中期フェーズ用の評価式を用いて評価値を算出する処理を実行する。
【0053】
更に、対象レシピの評価フェーズが中期フェーズでなかった場合、レシピ管理サーバ1はステップS309において、評価フェーズが第2移行フェーズであるか否かを判定する。
評価フェーズが第2移行フェーズである場合、レシピ管理サーバ1はステップS310において、第2移行フェーズ用の評価式を用いて評価値を算出する処理を実行する。
【0054】
更にまた、対象レシピの評価フェーズが第2移行フェーズでなかった場合、レシピ管理サーバ1はステップS311において、評価フェーズが最終フェーズであるか否かを判定する。
評価フェーズが最終フェーズである場合、レシピ管理サーバ1はステップS312において、最終フェーズ用の評価式を用いて評価値を算出する処理を実行する。
【0055】
一方、対象レシピの評価フェーズが最終フェーズでなかった場合、図8の一連の処理を終了する。
尚、評価フェーズは、初期値設定フェーズ、初期フェーズ、第1移行フェーズ、中期フェーズ、第2移行フェーズ、最終フェーズの何れかであり、ステップS311の判定がN判定になることはないため、ステップS309の判定がN判定となった場合には、ステップS311の処理は行わずにステップS312の処理を実行してもよい。
【0056】
図8に示す一連の処理を実行した後、レシピ管理サーバ1は、次の対象レシピに対してステップS301乃至S312の各処理を再度実行する。
【0057】
ここで、各評価フェーズに基づいた評価値の算出について、一例を説明する。
対象レシピが属する評価フェーズが初期フェーズである場合、閲覧数に基づいて「おいしさポイント」を算出する。尚、対象レシピは初期値設定フェーズに属していないため、先の図5に示した新着レシピ特集ページでは検索対象とされない。そのため、ここでの閲覧数は、通常のレシピ検索ページなどを経て対象レシピの詳細ページが閲覧された回数となる。
対象レシピが中期フェーズに属している場合、閲覧数よりもユーザの興味の有無を推測可能な指標を用いる。具体的には、例えば、閲覧数に対するお気に入り登録数や印刷数の割合に基づいて「おいしさポイント」を算出する。
対象レシピが最終フェーズに属している場合、ユーザの興味に変えて料理のおいしさを直接的に表す指標を用いる。具体的には、作成レポートと共に投稿される点数(1〜5点)を用いる。ユーザは、対象レシピを用いて料理を作成し、その様子や感想などの作成レポートをレシピに付与する点数と共に投稿する。即ち、作成レポートと共に投稿される点数は、そのレシピを直接的に評価する指標と換言できる。最終フェーズにおいては、この指標に基づいて「おいしさポイント」を算出する。最も単純な算出方法としては、ユーザがこれまでに投稿した作成レポートと共にレシピに付与した点数の平均値を、対象レシピの「おいしさポイント」として算出する。
尚、これらの各算出に用いる各指標(閲覧数や印刷数やお気に入り登録数や作成レポートの点数など)は、直近の所定期間のものに限ってもよい。これにより、最新の指標を用いて対象レシピの「おいしさポイント」を算出することができる。また、「おいしさポイント」の評価値が変動しにくくなることを防ぎ、適度に変動する状態を保つことができる。
【0058】
第1移行フェーズや第2移行フェーズにおける評価値の算出は、それぞれの前後の評価フェーズの指標を組み合わせた算出を行う。
例えば、第1移行フェーズにおける評価値の算出では、初期フェーズにおける「おいしさポイント」の評価式から得た「おいしさポイント」と、中期フェーズにおける「おいしさポイント」の評価式から得た「おいしさポイント」の二つのポイントを用いて算出する。
具体的には、例えば、第1移行フェーズとして10日間の期間を設け、初期フェーズの評価式を用いて算出した「おいしさポイント」をP1ポイント、中期フェーズ評価式を用いて算出した「おいしさポイント」をP2ポイントとした場合、X日目(Xは1〜10の何れかの整数)における評価値の評価式は、以下となる。
・P1×(10−X)/10+P2×X/10
第2移行フェーズにおける評価値の算出においても、中期フェーズの評価式を用いて算出した「おいしさポイント」P2と、最終フェーズの評価式を用いて算出した「おいしさポイント」P3から、以下の式にて算出する。
・P2×(10−X)/10+P3×X/10
【0059】
尚、初期値が設定された後、初期フェーズへ以降する前に、「おいしさポイント」の変化を緩やかにするための移行フェーズを更に設けてもよい。
【0060】
[3−5.評価値算出処理の別の例]
評価フェーズとして、図4Bに示すように、初期値設定フェーズ、初期フェーズ、中期フェーズ、最終フェーズが設けられた場合、即ち、移行フェーズが設けられない場合における評価値算出処理について、図9を参照して説明する。
尚、図8に示す処理と同一の処理は、同一の符号を付して説明する。
【0061】
先ず、レシピ管理サーバ1はステップS301において、レシピが属する評価フェーズを取得する処理を実行する。
続いて、レシピ管理サーバ1はステップS302において、取得した評価フェーズが初期値設定フェーズであるか否かを判定する処理を実行する。対象レシピの評価フェーズが初期値設定フェーズである場合、図8に示す一連の処理を終了する。
一方、対象レシピの評価フェーズが初期値設定フェーズ以外である場合、レシピ管理サーバ1は続くステップS303において、評価フェーズが初期フェーズであるか否かを判定する。
評価フェーズが初期フェーズである場合、レシピ管理サーバ1はステップS304において、初期フェーズ用の評価式を用いて評価値を算出する処理を実行する。
【0062】
一方、対象レシピの評価フェーズが初期フェーズでなかった場合、レシピ管理サーバ1はステップS307において、評価フェーズが中期フェーズであるか否かを判定する。
評価フェーズが中期フェーズである場合、レシピ管理サーバ1はステップS308において、中期フェーズ用の評価式を用いて評価値を算出する処理を実行する。
【0063】
更に、対象レシピの評価フェーズが中期フェーズでなかった場合、レシピ管理サーバ1はステップS311において、評価フェーズが最終フェーズであるか否かを判定する。
評価フェーズが最終フェーズである場合、レシピ管理サーバ1はステップS312において、最終フェーズ用の評価式を用いて評価値を算出する処理を実行する。
【0064】
一方、対象レシピの評価フェーズが最終フェーズでなかった場合、図8の一連の処理を終了する。
尚、評価フェーズは、初期値設定フェーズ、初期フェーズ、中期フェーズ、最終フェーズの何れかであり、ステップS311の判定がN判定になることはないため、ステップS307の判定がN判定となった場合には、ステップS311の処理は行わずにステップS312の処理を実行してもよい。
図9に示す一連の処理を実行した後、レシピ管理サーバ1は、次の対象レシピに対して、再度図9に示す各処理を実行する。
【0065】
[3−6.フェーズ移行判定処理]
レシピ管理サーバ1は、例えば一日ごとや一時間ごとなどの所定時間ごとに、各レシピに対して、評価フェーズを移行させるか否かを判定するフェーズ移行判定処理を実行する。
【0066】
〜3−6−1.第1例〜
フェーズ移行判定処理の第1例では、所定期間の経過によって評価フェーズが遷移する。
具体的には、例えば、初期設定フェーズ、初期フェーズ及び中期フェーズは共に1ヶ月の所定期間、第1移行フェーズ及び第2移行フェーズは共に10日間の所定期間の経過によって、評価フェーズが遷移する。
このために、レシピDB50には、各レシピの投稿日が記憶され、フェーズ移行判定処理では、レシピ投稿日から所定期間が経過したか否かを判定する。
【0067】
具体的な処理を図10を参照して説明する。
先ず、レシピ管理サーバ1は、ステップS401において、レシピの投稿日を取得する。続いてレシピ管理サーバ1は、ステップS402において、レシピが属する評価フェーズを取得する。
【0068】
次にレシピ管理サーバ1は、ステップS403において、所定期間が経過したか否かを判定する。所定期間は、先で説明したように、評価フェーズごとに異なる期間となっている。
所定期間が経過していた場合、評価フェーズを次のフェーズに移行させる処理を実行する。一方、所定期間が経過していない場合、図10に示す一連の処理を終了する。
【0069】
図10に示す一連の処理を実行した後、レシピ管理サーバ1は、フェーズ移行判定処理を実行すべき次のレシピがある場合、再度図10に示す各処理を実行する。
【0070】
〜3−6−2.第2例〜
フェーズ移行判定処理の第2例では、「おいしさポイント」の算出に用いる指標などの収集具合に基づいて移行判定を行う。
例えば、初期フェーズでは、対象レシピの詳細ページの閲覧数に基づいて「おいしさポイント」を算出し、中期フェーズでは、対象レシピの詳細ページの閲覧数に対するお気に入り登録数に基づいて「おいしさポイント」を算出する場合を考える。
この場合、閲覧数が10や20の段階で中期フェーズにおける「おいしさポイント」の算出を行うと、ユーザの興味を同程度集めるレシピであっても、「おいしさポイント」のばらつきが大きく(即ち、お気に入り登録数が0であったり、5であったり、ばらつきが大きい)、適切な「おいしさポイント」を算出できない。一方、閲覧数が1000以上であれば、同じようなレシピは同じようなお気に入り登録数となり、中期フェーズで算出する「おいしさポイント」の値も妥当なものになると仮定する。このとき、閲覧数が1000以上であれば、初期フェーズと中期フェーズの間の移行フェーズである第1移行フェーズへ移行する判定が行われる。そして、対象レシピの評価フェーズは、10日間の第1移行フェーズを経て中期フェーズへと移行する。
【0071】
また、最終フェーズにおいては、他のユーザがこれまでに投稿した作成レポートと共にレシピに付与した点数の平均値を、対象レシピの「おいしさポイント」として算出する場合を考える。
例えば、対象レシピの作成レポートが10件以上であれば最終フェーズにおける「おいしさポイント」が妥当な数値になると仮定した場合、作成レポートの投稿数が10以上であれば、中期フェーズと最終フェーズの間の移行フェーズである第2移行フェーズへ移行する判定が行われる。そして、対象レシピの評価フェーズは、10日間の第2移行フェーズを経て最終フェーズへと移行する。
【0072】
具体的に、図11を参照して説明する。
レシピ管理サーバ1はステップS501において、レシピが属する評価フェーズを取得する処理を実行し、続くステップS502において、評価フェーズに応じたレシピの指標を取得する処理を実行する。評価フェーズに応じたレシピの指標とは、例えば、先に述べた初期フェーズにおける「詳細ページの閲覧数」や、中期フェーズにおける「詳細ページの閲覧数に対するお気に入り登録数」などである。
【0073】
続いて、レシピ管理サーバ1はステップS503において、評価フェーズに応じた条件を達成したか否かを判定する処理を実行する。
条件を達成したと判定した場合、レシピ管理サーバ1はステップS504において、評価フェーズを移行させる処理を実行する。一方、条件を達成していないと判定した場合、図11に示す一連の処理を終了する。
【0074】
図11に示す一連の処理を実行した後、レシピ管理サーバ1は、フェーズ移行判定処理を実行すべき次のレシピがある場合、再度図11に示す各処理を実行する。
【0075】
[3−7.バッチ処理]
上記した各処理(初期値設定処理、評価値算出処理、フェーズ移行判定処理)は、一つのバッチ処理において実行してもよい。例えば、一日に一度、上記の三つの処理を実行するバッチ処理を走らせる。一つの例を、図12に示す。
【0076】
先ず、レシピ管理サーバ1はステップS601において、対象レシピの情報を取得する。対象レシピの情報とは、例えば、レシピの投稿日をレシピDB50から取得する。
続いて、レシピ管理サーバ1はステップS602において、先に説明したフェーズ移行判定処理を実行する。
更に、レシピ管理サーバ1はステップS603において、対象レシピの属する評価フェーズが初期設定フェーズであるか否かを判定する。対象レシピが初期設定フェーズである場合(図中のY判定)には、後述するステップS607の処理に進む。
【0077】
一方、対象レシピが初期設定フェーズでない場合(図中のN判定)、レシピ管理サーバ1は続くステップS604において、先のステップS602において初期値設定フェーズから初期フェーズへ移行したか否かを判定する処理を実行する。先のステップS602において初期値設定フェーズから初期フェーズへ移行した場合(バッチ処理を実行する前から初期フェーズであった場合は含まない)、レシピ管理サーバ1はステップS605において先に説明した初期値設定処理を実行して、レシピの「おいしさポイント」に初期値を付与する。
一方、今回のバッチ処理において初期値設定フェーズから初期フェーズへ遷移していない場合、レシピ管理サーバ1はステップS606において、各評価フェーズに基づく評価値算出処理を実行して、レシピの「おいしさポイント」の数値を更新する。
【0078】
ステップS605、S606の何れかの処理を実行した場合、或いはステップS603の判定がYであった場合、レシピ管理サーバ1はステップS607において、バッチ処理で処理すべき全てのレシピに対して、各処理を実行したか否かを判定する処理を実行する。
全てのレシピに対してステップS601乃至S606の各処理を終えていた場合、レシピ管理サーバ1は図12に示す一連の処理を終了する。
一方、全てのレシピに対してステップS601乃至S606の各処理を終えていない場合、レシピ管理サーバ1は、対象レシピを変えてステップS601乃至S607の各処理を再度実行する。
【0079】
[3−8.提示処理]
これまで述べてきた各処理によって「おいしさポイント」を設定された各レシピは、レシピ管理サーバ1が提供するレシピ検索サービスなどを通じて、ユーザに提示される。提示の際には、レシピ管理サーバ1の提示制御部1dは提示処理を実行する。提示処理では、例えば図13に示す検索結果提示画面を表示させるためのウェブページデータを生成してユーザ端末3に送信する。これにより、ユーザ端末3上に図13に示すような検索結果提示画面が表示される。
【0080】
検索結果提示画面には、例えば図13に示すように、検索結果として抽出されたレシピが複数個表示され、それぞれのレシピの情報として、レシピ名10、料理画像11、「おいしさポイント」を表す評価値12、レシピの簡易説明文13が表示される。また、それぞれのレシピの詳細ページを閲覧するための閲覧ボタン14がレシピごとに設けられる。
【0081】
<4.変形例>

先の図7のステップS202では、閲覧数やお気に入り登録数に応じて初期値を設定する例を示したが、レシピに対する通常の評価が可能である場合には、初期フェーズや中期フェーズを経ずに最終フェーズへ遷移してもよい。具体的には、初期値設定フェーズにおいて、作成レポートが所定数以上投稿されている場合や、ユーザの評価投稿が一定数以上である場合などに、当該レシピの評価フェーズ情報を最終フェーズへと遷移させる。
これにより、閲覧数などから算出する「おいしさポイント」を経ずに、レシピの味の善し悪しをより直接的に評価した「おいしさポイント」が当該レシピに付与されるため、ユーザに対してより参考となる指標を提供することができる。
【0082】
尚、この場合においても、移行フェーズを設け、「おいしさポイント」が急激に変わることの無いようにしてもよい。
【0083】
上記の各例では、「おいしさポイント」が付与されない初期値設定フェーズを設けたが、必ずしも設けなくてもよい。例えば、レシピ管理サーバ1の管理者などにより初期値が予め設定された後、初期フェーズに属した状態から初めてもよい。
【0084】
<5.まとめ>

上記したレシピ管理サーバ1は、評価対象(レシピ)と評価値(「おいしさポイント」)を管理する管理部1aと、複数設けられた時期的段階としての評価フェーズ(初期フェーズや中期フェーズなど))に応じて異なる評価式を用いて評価対象の評価値を算出する評価値算出処理(図8、9)を実行する評価値算出部1bと、評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理(図12ステップS602)を実行するフェーズ移行判定部1cと、評価値算出処理によって算出された評価値を評価対象と共に提示する提示制御処理を実行する提示制御部1dと、を備える。
これにより、評価フェーズに応じて、適切な評価式が選択される環境が提供される。従って、評価対象を適切に評価することが可能となる。
レシピ管理サーバ1が実行する検索処理では、投稿からの経過時間が長いレシピと短いレシピが共に検索対象となる。検索結果として抽出されたレシピそれぞれに付与された「おいしさポイント」は、それぞれのレシピが属する評価フェーズに基づいて算出されたものである。ユーザに提示される「おいしさポイント」は、何れの評価式を用いたポイントであろうが、一つのレシピにつき一つであるため、レシピに対する評価を容易に把握することができる。更に、投稿されてからの経過時間が長い古参レシピとは別の評価式を用いて、投稿されてからの経過時間が短い(換言すれば初期フェーズへ移行したばかりの)新しいレシピのポイントが算出されるため、新しいレシピであっても優れたレシピはすぐに検索結果の上位として抽出することが可能となる。
【0085】
また、図4やフェーズ移行判定処理などで説明したように、評価値算出部1bは、異なる評価フェーズ間に設けられた移行期間(第1移行ふぇーずや第2移行フェーズ)において、移行前の評価フェーズ(第1移行フェーズにおける初期フェーズ、第2移行フェーズにおける中期フェーズ)に応じた移行前評価式を用いて算出した移行前評価値と、移行後の評価フェーズ(第1移行フェーズにおける中期フェーズ、第2移行フェーズにおける最終フェーズ)に応じた移行後評価式を用いて算出した移行後評価値と、を混合させた移行期間評価値を算出する。
これにより、移行前の評価値を利用した移行期間評価値が算出される。従って、評価式を変更したことによる評価値の急変を防ぐことができる。
【0086】
更に、評価値算出処理で説明したように、移行期間(第1移行フェーズや第2移行フェーズ)においては、移行前評価値と移行後評価値を混合させる混合割合を経過時間に応じて変える。
これにより、移行期間において混合割合を徐々に変化させることが可能となる。従って、経過時間に応じて緩やかに評価値を遷移させることができる。換言すれば、評価値が急に変わってしまうと、評価値の妥当性に対する疑義が生じ、不信感をもたれてしまう可能性があるため、これを防止することができる。
【0087】
更にまた、初期値設定処理や新規評価対象提示処理で説明したように、評価対象の評価値の初期値を設定する初期値設定処理を実行する初期値設定部1eが設けられ、提示制御部1dは、直近の所定期間内に管理を開始した新規評価対象のみを提示する新規評価対象提示処理を実行し、初期値設定部1eは、新規評価対象提示処理によって提示された各評価対象(即ち各新着レシピ)に対する閲覧数に応じて初期値を設定する。
これにより、長い間管理されている評価対象が含まれない新規評価対象のみを提示する処理が行われ、それぞれの新規評価対象の閲覧数が計られる。この閲覧数に応じて初期値が決定されるため、長い間管理されている評価対象によって新規評価対象の適切な評価がされずに不当に低い初期値が設定されてしまうことを防止できる。
【0088】
加えて、評価値算出処理で説明したように、評価フェーズとして、第1評価フェーズ(初期フェーズ)と第1評価フェーズの後に遷移する第2評価フェーズ(中期フェーズ)の少なくとも二つの評価フェーズが設けられ、評価値算出部1bは、第1評価フェーズにおいて、提示した評価対象の閲覧数に応じた評価値を算出し、第2評価フェーズにおいて、提示した評価対象の閲覧数に対するユーザの所定操作(お気に入り登録操作や印刷操作)実施割合に応じた評価値を算出する。
これにより、第2評価フェーズにおいては、閲覧数が少ないが、例えばお気に入り登録操作がなされたり、印刷操作がなされたり、購入操作がなされたりなどの所定操作が実行される可能性が高い隠れた評価対象には、適切な評価値が算出されて付与される。
従って、第1評価フェーズで閲覧数が少ないために評価値が低い評価対象であっても、ユーザの所定操作実施割合が高い優れた評価対象であれば、第2評価フェーズにおいて評価値が高くなり、妥当な評価値を付与することが可能となる。
【0089】
本実施の形態においては、料理のレシピに関する種々のサービスを行うレシピ管理サーバ1としての情報処理装置として説明をしたが、他の実施の形態においても適用可能である。例えば、電子工作の回路図と使用される電子部品などを使用するレシピを提供する電子工作レシピ管理サーバとして実施する場合や、日曜大工で製作する家具などと使用されるネジや木材などを使用するレシピを提供する日曜大工レシピ管理サーバとして実施する場合などが考えられる。
この場合には、例えば、レシピが閲覧された回数に基づいてレシピを評価する評価フェーズや、作成レポートが充実することにより作成レポートと共に付与された点数に基づいてレシピを評価する評価フェーズを設けられる。これにより、レシピが投稿されてからの経過時間やユーザの反応に応じた適切な評価式がレシピごとに選択されて、レシピが評価される環境を提供することができる。
尚、日曜大工レシピ管理サーバや電子工作レシピ管理サーバの場合、「おいしさポイント」の代わりに、実用度などを表す評価値を適用することができる。
【0090】
<6.プログラム及び記憶媒体>

以上、本発明の情報処理装置の実施の形態としてのレシピ管理サーバ1を説明してきたが、実施の形態のプログラムは、レシピ管理サーバ1における各処理を情報処理装置(CPU等)に実行させるプログラムである。
【0091】
実施の形態のプログラムは、評価対象と評価値を管理する手順を情報処理装置に実行させる。
また、複数設けられた時期的段階としての評価フェーズに応じて異なる評価式を用いて前記評価対象の前記評価値を算出する評価値算出処理手順を情報処理装置に実行させる。
更に、前記評価フェーズを移行させる移行条件に達したか否かを前記評価対象ごとに判定するフェーズ移行判定処理手順を情報処理装置に実行させる。
更にまた、前記評価値算出処理手順によって算出された評価値を前記評価対象と共に提示する提示制御処理手順を情報処理装置に実行させる。
即ちこのプログラムは、レシピ管理サーバ1に対して図6乃至12の各処理を実行させるプログラムである。
【0092】
このようなプログラムにより、上述したレシピ管理サーバ1としての情報処理装置を実現できる。
そしてこのようなプログラムはコンピュータ装置などの機器に内蔵されている記録媒体としてのHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROMなどに予め記録しておくことができる。あるいはまた、半導体メモリ、メモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。またこのようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記録媒体からパーソナルコンピュータなどにインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
【符号の説明】
【0093】
1 レシピ管理サーバ、1a 管理部、1b 評価値算出部、1c フェーズ移行判定部、1d 提示制御部、1e 初期値設定部、2 通信ネットワーク、3 ユーザ端末、50 レシピDB、51 ユーザDB、52 挙動ログDB
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