(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266856
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】偏光サングラス
(51)【国際特許分類】
G02C 7/12 20060101AFI20180115BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
G02C7/12
G02B5/30
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-88690(P2011-88690)
(22)【出願日】2011年4月12日
(65)【公開番号】特開2012-220852(P2012-220852A)
(43)【公開日】2012年11月12日
【審査請求日】2014年4月10日
【審判番号】不服2017-474(P2017-474/J1)
【審判請求日】2017年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000165088
【氏名又は名称】恵和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】西野 嘉人
(72)【発明者】
【氏名】古田 旭
【合議体】
【審判長】
中田 誠
【審判官】
清水 康司
【審判官】
佐藤 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−276150(JP,A)
【文献】
特開2010−134424(JP,A)
【文献】
特開2006−168126(JP,A)
【文献】
特開2006−145581(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/055261(WO,A2)
【文献】
特開2007−93649(JP,A)
【文献】
特開2008−231361(JP,A)
【文献】
特開2008−250180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C7/12
G02B5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨウ素化合物が吸着配向されたポリビニルアルコール層、及びこのポリビニルアルコール層の両面に設けられたトリアセチルセルロース層を有する多層構造の偏光フィルムと、この多層構造の偏光フィルムの片面に積層される基材フィルムとからなり、三次元曲面形状に形成されたレンズを備える偏光サングラスであって、
上記基材フィルムが、
厚みが100μm以上500μm以下であり、
可視光線透過率が87%以上であり、
ヘイズ値が1%以下であり、
面方向リタデーション値(Ro値)が200nm以下で、厚さ方向リタデーション値(Rth値)が400nm以下であり、
主ポリマーとしてシクロオレフィンコポリマーが用いられている偏光サングラス。
【請求項2】
上記基材フィルムの厚みが200μm以上である請求項1に記載の偏光サングラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルム及び偏光サングラスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
偏光サングラスは、偏光子を挟んで両面に位相差の低い低リタデーションフィルムが用いられるものが公知である。このような低リタデーションフィルムとしては、例えばトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルムという)が用いられている(特開2007−256544号公報参照)。
【0003】
このトリアセチルセルロースフィルムは、位相差を低くして複屈折性を抑える観点からキャスト方式によって形成されている。このようにキャスト方式によって形成されたトリアセチルセルロースフィルムは、位相差が低くなるものの厚みが薄くなり、このためトリアセチルセルロースフィルムを偏光サングラスのレンズに用いる場合には、多数枚(例えば三枚)のトリアセチルセルロースフィルムを重ねて貼り合わせることにより、レンズの厚みを十分にすることがなされている。
【0004】
しかしながら、上記のように多数枚のトリアセチルセルロースフィルムを貼り合わせると、この貼り合わせ面が完全に密着していないと貼り合わせ面で光が散乱する等の不都合が生じ得る。このため、貼り合わせ精度を高く保ちつつ、多数枚のトリアセチルセルロースフィルムを貼り合わせることが必要となるが、かかる作業に要する労力が高くなり、生産性の低下の原因となりかねない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−256544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、容易且つ確実に生産でき、十分な厚みを有するとともに他の光学フィルムに積層してもこの他の光学フィルムの光学的機能を阻害することなく、しかも偏光サングラスのレンズのように厚みが必要な偏光板等に好適に用いることのできる光学フィルム、及びこれを用いた偏光サングラスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の光学フィルムは、
押出成形法により形成され、
厚みが100μm以上500μm以下であり、
可視光線透過率が87%以上であり、
ヘイズ値が2%以下であり、
面方向リタデーション値(Ro値)が200nm以下で、厚さ方向リタデーション値(Rth値)が400nm以下である光学フィルムである。
【0008】
なお、上記光学フィルムの「厚み」とは平均厚みを意味する。
また、可視光線透過率は、JIS−R−3106に準じて分光光度計を用いて測定された可視光領域の透過率を意味する。
また、面方向リタデーション値(Ro値)とは、次式で求められる数値である。
Ro値=(Ny−Nx)×d
また、厚み方向リタデーション値(Rth値)とは、次式で求められる数値Rthである。
Rth値=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
ここで、Nxはフィルムの進相軸(面方向と平行な軸)の屈折率であり、Nyはフィルムの遅層軸(面方向と平行で且つ進相軸と垂直な軸)の屈折率であり、Nzは厚み方向(面方向と垂直な方向)でのフィルムの屈折率であり、dはフィルムの厚みをそれぞれ表している。
【0009】
当該光学フィルムにあっては、厚みが100μm以上500μm以下であり、比較的薄い他の光学フィルムに積層して用いた場合(例えば偏光サングラスのレンズに用いた場合)に、当該光学フィルムによって的確な厚みを持たせることかできる。
【0010】
また、当該光学フィルムにあっては、可視光線透過率が87%以上であるので、当該基材フィルムに十分な可視光線を透過することができ、このため偏光サングラスのレンズとして用いた場合に装着者に暗い印象を与えにくい。また、基材フィルムのヘイズ値が2%以下であるので、当該基材フィルムを透過する光線により形づけられる像の鮮明度の低下を抑えることができ、このため偏光サングラスのレンズに用いた際に着用者に曇った印象を与えることない。これによって、当該光学フィルムは、偏光サングラスのレンズとして用いられた場合には、視認性の良好なレンズとすることができる。
【0011】
また、当該光学フィルムにあっては、面方向リタデーション値が200nm以下で、厚さ方向リタデーション値が400nm以下であるので、他の光学フィルム等に積層してもこの他の光学フィルムの光学的機能を阻害することがなく、特に例えば偏光サングラスのレンズとして偏光フィルムに積層して用いた場合にあっても、この偏光フィルムの光学的機能を低下させない。
【0012】
さらに、当該光学フィルムは、押出成形法により形成されるので、上記のような光学的機能を有しつつも十分な厚みを有するフィルムとすることができ、またその製造が容易且つ確実に行うことができ、生産性の向上が図られる。
【0013】
また、当該光学フィルムは、主ポリマーとしてポリカーボネートを用いることができる。これにより、リタデーション値の制御が容易且つ確実に行うことができ、当該光学フィルムを容易且つ確実に製造することができる。
【0014】
さらに、当該光学フィルムは、主ポリマーとしてシクロオレフィンコポリマーを用いることができる。これにより、例えば当該光学フィルムを用いたシートを三次元で湾曲した形状に形成した場合にあっても、リタデーション値の制御が容易且つ確実である。つまり、上記のように三次元で湾曲した形状に形成する場合には熱成形等によって当該光学フィルムに熱及び圧力が付加されるが、シクロオレフィンコポリマーを主ポリマーとする当該光学フィルムにあっては、熱や圧力に基づく位相差の変化が小さいので、リタデーション値を維持しやすく、このためリタデーション値の制御が容易且つ確実である。このため、例えば偏光サングラスのレンズに当該フィルムが用いられた場合には、レンズが三次元湾曲形状を有する構成を採用でき、このためデザイン性に優れつつも、光学的機能を損なわないという利点を有する。
【0015】
また、当該光学フィルムは、主ポリマーとしてアクリル樹脂を用いることができる。これにより、当該光学フィルムの透明性が高く、高いレベルでの可視光透過率を発揮することができる。
【0016】
さらに、当該光学フィルムは、偏光サングラスのレンズに用いられることが好ましい。これにより、当該光学フィルムによって偏光サングラスのレンズの厚さを十分なものとすることができるとともに、偏光サングラスの偏光特性等の光学的機能を阻害することがない。
【0017】
また、上記課題を解決するためになされた本発明の偏光サングラスは、上記構成からなる当該光学フィルムを含むレンズを備える。
【0018】
当該偏光サングラスは、当該光学フィルムが十分な厚みを有するので、偏光サングラスのレンズの厚さを十分なものとすることができる。また、当該光学フィルムは、可視光線透過率87%以上であり、ヘイズ値2%以下であり、面方向リタデーション値200nm以下であり、且つ厚さ方向リタデーション値400nm以下であるため、偏光サングラスの偏光子の偏光特性等の光学的機能を低下させない。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明の光学フィルムは、押出成形により容易且つ確実に製造でき、十分な厚みを有するので他の光学フィルムに貼り合わせて使用すると十分な厚みの積層体が得られ、さらに他の光学フィルムに積層してもこの他の光学フィルムの光学的機能を阻害しにくいという効果を奏する。
【0020】
また、本発明の偏光サングラスは、上記のように当該光学フィルムが押出成形により容易且つ確実に製造できるので、従来のように多数枚のトリアセチルセルロースフィルムを貼り合わせて製造するものに比して、レンズの形成が容易且つ確実に行うことができ、また当該光学フィルムが十分な厚みを有するのでレンズの厚みを十分なものとすることができ、さらに当該光学フィルムを積層しても偏光子の偏光特性等の光学的機能を阻害しにくいという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係る偏光サングラスを示す模式的斜視図である。
【
図2】
図1の偏光サングラスのレンズに用いられる偏光レンズ用シートの概略的断面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態に係る偏光サングラスのレンズに用いられる偏光レンズ用シートの概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、
図1に示すようにフレーム2とこのフレーム2に取付けられた一対のレンズ3とを備える偏光サングラス1のレンズ3に用いられる基材フィルム20(光学フィルム)を例にとり説明する。
【0023】
当該基材フィルム20は、押出成形法によりシート状に形成されている。具体的には、成形機内でフィルム材料を溶融し、この溶融したフィルム材料をTダイから押し出して、押し出されたフィルム材料をシート状に冷却して形成されている。ここで、押出条件や成形機内の樹脂温度等の成形条件は、フィルム材料や後述する基材フィルム20の光学的特性に応じて設定される。
【0024】
また、基材フィルム20の厚み(平均厚み)は100μm以上500μm以下に設けられており、好ましくは200μm以上300μm以下に設けられている。上記下限値未満であると、基材フィルム20が比較的薄くなり、レンズ3として十分な厚みを持たせることができなくなる。一方、上記上限値を超えると、後述する所望の光学的特性を得ることが困難となるためである。
【0025】
また、基材フィルム20は、可視光線透過率が87%以上に設けられ、好ましくは88%以上、より好ましくは89%以上、さらに好ましくは90%以上に設けられていると良い。上記上限値以下の可視光線透過率とすることにより、当該基材フィルム20に十分な可視光線を透過することができるので、偏光サングラス1のレンズ3に用いた際に装着者に暗い印象を与えにくい。
【0026】
さらに、基材フィルム20は、ヘイズ値が2%以下に設けられており、好ましくは1%以下に設けられている。上記上限値以下のヘイズ値とすることにより、当該基材フィルム20を透過する光線により形づけられる像の鮮明度の低下を抑えることができ、偏光サングラス1のレンズ3に用いた際に着用者に曇った印象を与えることなく、視認性が良好なレンズ3とすることができる。
【0027】
また、基材フィルム20は、面方向リタデーション値が200nm以下となるよう設けられ、好ましくは150nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは20nm以下となるよう設けられている。また、基材フィルム20は、厚さ方向リタデーション値が400nm以下、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下となるよう設けられている。これにより、偏光サングラス1のレンズ3に用いた際に、偏光サングラス1の偏光特性を阻害することがない。
【0028】
ここで、面方向リタデーション値Roとは、次式で求められる数値である。
Ro=(Ny−Nx)×d
また、厚み方向リタデーション値Rthとは、次式で求められる数値である。
Rth=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
ここで、Nxは基材フィルム20の進相軸(面方向と平行な軸)の屈折率であり、Nyは基材フィルム20の遅層軸(面方向と平行で且つ進相軸と垂直な軸)の屈折率であり、Nzは基材フィルム20の厚み方向(面方向と垂直な方向)での基材フィルム20の屈折率であり、dはフィルムの厚みをそれぞれ表している。
【0029】
また、基材フィルム20は、ガラス転移温度Tgが100℃以上170℃以下となるよう設けることが好ましく、より好ましくは105℃以上160℃以下であり、さらに好ましくは、110℃以上150℃以下となるよう設けることが好ましい。このようなガラス転移温度の範囲とすることにより、基材フィルム20(及びこれを用いたシート)を熱成形する場合に成形が容易且つ確実に行えるとともに、熱成形に際して上記リタデーション値が維持されやすい。
【0030】
さらに、当該基材フィルム20の主ポリマーとしては、ポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、アクリル樹脂等を用いることができる。なお、当該基材フィルム20は、目的に応じて紫外線吸収剤、紫外線安定剤等の各種添加材を添加することが可能である。
【0031】
ここで、主ポリマーとしてポリカーボネートを用いることにより、リタデーション値の制御が容易且つ確実に行い得るという利点を有する。
【0032】
また、主ポリマーとしてシクロオレフィンコポリマーを用いることにより、偏光サングラス1のレンズ3が三次元で湾曲した形状を有する場合(
図1参照)に、当該基材フィルム20が複屈折性を奏することを防止できる。つまり、三次元で湾曲した形状に形成する場合には例えば熱成形等によって基材フィルム20に熱及び圧力が付加されるが、シクロオレフィンコポリマーを主ポリマーとする基材フィルム20にあっては、熱や圧力に基づく位相差の変化が小さく、このため上記リタデーション値を維持しやすい。
【0033】
さらに、主ポリマーとしてアクリル樹脂を用いることにより、透明性が高く、高いレベルでの可視光透過率を発揮することができる。
【0034】
次に、上記構成からなる基材フィルム20と、この基材フィルム20に積層される偏光フィルム30とからなる偏光レンズ用シートについて
図2を参酌しつつ説明する。
【0035】
この
図2の偏光レンズ用シートでは、基材フィルム20が偏光フィルム30の両面に積層されている。なお、基材フィルム20と偏光フィルム30とは、種々の方法により固着され、例えば接着剤等を介して積層固着されている。なお、接着剤を用いる場合には、透明な接着剤を用いることが好ましい。
【0036】
この偏光フィルム30は、一定方向の振動の一定方向の振動方向の光線のみを透過するよう設けられたシート状部材である。この偏光フィルム30は、種々の偏光フィルム30を採用可能であるが、例えば、ポリビニルアルコールを主体にヨウ素化合分子を吸着配向させたものを用いることができる。ここで、偏光フィルム30は、その厚みが50μm以上200μm以下のものが好適に使用可能である。
【0037】
なお、当該基材フィルム20を偏光フィルム30に積層した構造は上記のものに限定されるものではなく、種々の形態のものを採用することができ、例えば
図3のような構造を採用することも可能である。この
図3の偏光レンズ用シート10は、多層構造の偏光フィルム30の片面に当該基材フィルム20が積層されている。なお、両フィルム20、30の固着方法等は上述の説明と同様である。
【0038】
この
図3に示す偏光フィルム30は、ヨウ素化合分子を吸着配向させたポリビニルアルコール層32(偏光層)と、このポリビニルアルコール層32の両面に設けられたトリアセチルセルロースフィルム層31、33との三層構造を有しており、当該基材フィルム20は、一方のトリアセチルセルロースフィルム層33の外面に積層固着されている。
【0039】
上記のように基材フィルム20と偏光フィルム30とを有する偏光レンズ用シート10を用いて一対のレンズ3が形成され、この一対のレンズ3がフレーム2に取付けられることにより、偏光サングラス1が得られる。なお、レンズ3に三次元曲面形状を形成したい場合には、フレーム2に取付ける前に偏光レンズ用シート10を熱成形することによって所望形状のレンズ3を成形することができる。
【0040】
当該基材フィルム20は、上記構成から上記のように用いることができるので、以下のような利点を有する。つまり、厚みが100μm以上500μm以下であるため、偏光サングラス1のレンズ3に用いた際に、当該基材フィルム20によってレンズ3に的確な厚みを持たせることができる。
【0041】
また、当該基材フィルム20は、可視光線透過率が87%以上であり、ヘイズ値が2%以下であり、面方向リタデーション値が200nm以下で、厚さ方向リタデーション値が400nm以下であるため、偏光サングラスのレンズとして用いても、偏光サングラスの偏光子の光学的機能を低下させない。
【0042】
さらに、当該光学フィルムは、押出成形法により形成されるので、上記のように十分な厚みを持たせることができ、容易且つ確実に製造することができる。つまり、従来のトリアセチルセルロースフィルムを多層に積層するものに比して、その製造が容易であり且つ確実である。しかも、当該基材フィルム20は、主ポリマーとして、ポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、又はアクリル樹脂を用いることができる。これらの材料によって、上記構成からなる当該基材シートを容易且つ確実に製造することができる。
【0043】
なお、上記実施形態は上述の構成を有し、上述の利点を奏するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更可能である。
【0044】
つまり、上記実施形態のレンズ用シートとしては、基材フィルムである当該光学フィルムと偏光フィルムとからなるものについて説明したが、その他の構造を採用することも可能である。例えば、当該光学フィルム(基材フィルム)と偏光フィルムとの間に他の層を設けることも適宜設計変更可能である。具体的には、視認者側から偏光フィルム、紫外線吸収層等の紫外線防止層、及び当該光学フィルムを順次積層することも可能である。さらには、当該光学フィルム又は/及び偏光フィルムの外面に、保護層や紫外線防止層等の他の層を設けることも適宜設計変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明の光学フィルムは、可視光透過率が高く、ヘイズ値、面方向リタデーション値及び厚さ方向リタデーション値が小さく、このため他の光学フィルムに積層しても光学的特性を阻害することなく十分な厚みを持たせることができ、例えば偏光サングラスのレンズに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 偏光サングラス
2 フレーム
3 レンズ
10 偏光レンズ用シート
20 基材フィルム
30 偏光フィルム
31 トリアセチルセルロースフィルム層
32 ポリビニルアルコール層
33 トリアセチルセルロースフィルム層