特許第6266948号(P6266948)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 周 信旭の特許一覧 ▶ 劉 育寰の特許一覧

<>
  • 特許6266948-黄疸測定システム 図000007
  • 特許6266948-黄疸測定システム 図000008
  • 特許6266948-黄疸測定システム 図000009
  • 特許6266948-黄疸測定システム 図000010
  • 特許6266948-黄疸測定システム 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266948
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】黄疸測定システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
   A61B5/00 101A
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-226968(P2013-226968)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2015-9140(P2015-9140A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年6月15日
(31)【優先権主張番号】102123300
(32)【優先日】2013年6月28日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】513275388
【氏名又は名称】周 信旭
(73)【特許権者】
【識別番号】513275399
【氏名又は名称】劉 育寰
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】周 信旭
(72)【発明者】
【氏名】劉 育寰
【審査官】 伊藤 幸仙
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/172033(WO,A1)
【文献】 特表2004−535219(JP,A)
【文献】 特開2000−121439(JP,A)
【文献】 特表2009−505107(JP,A)
【文献】 特表2016−516475(JP,A)
【文献】 台湾特許第501186(TW,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
G06Q 50/22 − 50/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
新生児の顔、及び、色票の画像を取り込むステップS1、
取り込んだ画像に対し色票に合わせて色の校正を行うステップS2、および、
画像の顔画素の色情報に基づいて黄疸指数を計算すると共に不良画像を排除するステップS3を含む黄疸測定方法であって、
前記ステップS1では、カメラおよび実行可能なプログラムを備えた電子機器により画像を取得し、
前記ステップS2には、色票の位置を自動的に検出するステップS21と、色票の色平均値に基づいて画像全体に対して色正規化を行うステップS22とが含まれ、
前記ステップS3には、正常な肌色の色相範囲に基づいて推奨される顔の位置において、肌に属する画素を検索するステップS31と、肌の画素において、所定値の色相範囲に基づいて黄疸領域に属する画素を検出するステップS32と、黄疸領域の画素数と肌領域の画素数との比を計算するステップS33と、ステップS33で演算された黄疸領域の画素数と肌領域の画素数との比を黄疸指数に変換するステップS34と、が含まれ、
撮影過程において、黄疸正常範囲に基づいて、新生児の顔色が異常であるか否かを判断する黄疸測定方法を実行可能なプログラムがインストールされている電子機器を備える黄疸測定システム
【請求項2】
色票は、純赤色、純緑色、および純青色を含むカラーチェッカであり、
前記色票の位置を自動的に検出する前記ステップS21は、色票領域の画素総数Nxを計算し、画素総数Nxが所定値を上回った時、改めて色票の色平均値を計算するステップであり、
前記ステップS31は、一般肌色の色相(Hue)の範囲に基づいて、肌の画素の総数を計算するステップであり、
前記ステップS31と前記ステップS32との間に実行されるステップS311では、画像の品質が不良の場合、画像を取り込み直すよう推奨し、
前記ステップS33において、黄疸領域に属する画素の飽和度平均値、および、黄疸領域の画素数と肌領域の画素数との比(JSR)を計算し、当該比の値が所定値を下回った時、改めて画像を取り込み直すことを特徴とする請求項1に記載の黄疸測定システム
【請求項3】
新生児の顔の周りの物が赤、緑、青、および黄の色を避けることを特徴とする請求項2に記載の黄疸測定システム
【請求項4】
撮影のプレビュー画面で顔の輪郭線、及び、少なくとも1つの色票輪郭線を設定し、
前記ステップS21は、色票の位置を自動的に検索すると共に色票の輪郭線に色票を設置し、i∈{0,1}とし、
mxRri、mxRgi、mxRbiが各Rri、Rgi、Rbi内の最大連続領域となるよう色票を検索し、
maxi{mxRri、mxRgi、mxRbi}は、i番目領域において同時に最大のmxRri、mxRgi、mxRbiを有し、色票が位置する領域が純赤色、純緑色、純青色の色票が位置する領域であり、
{CPi}は、色票輪郭線内の画素集合であり、
Rri、Rgi、Rbiを色票輪郭線内の純赤色、純緑色、純青色と非常に近い色領域とし、
th_cpは、色票の色のデフォルト閾値であり、下記の数式1を満たし、
【数1】
(数式1において、x∈{r,g,b}、(rr、rg、rb)=(255、0、0)、(gr、gg、gb)=(0、255、0)、(br、bg、bb)=(0、0、255)である)
aとb間の距離を数式2で算出し、
【数2】
赤の色票がある領域の中における赤チャンネルの平均値を取り込んだ画像における赤の色票Prと定義し、緑と青の色票の取り込んだ画像における色の処理方法も同じであり、PgとPbを求めることが可能であり、
前記ステップS22は、画像内の各画素を赤・緑・青チャンネルに対して調整を行い、赤の色票がある領域の赤チャンネル値を255に接近させ、緑と青の色票の処理方法も同じであり、
r=255/Pr、fg=255/Pg、fb=255/Pbである場合、画像内の各画素の赤チャンネルCrをC´r=fr×Crと調整し、各画素の緑チャンネルCg及び青チャンネルCbをC´g=fg×CgおよびC´b=fb×Cbと調整し、C´r、C´g、C´bのRGB色情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の黄疸測定システム
【請求項5】
前記Nx値はカメラの解像度に対応するよう設定されており、
色票の好ましい色閾値が10であることを特徴とする請求項4に記載の黄疸測定システム
【請求項6】
前記ステップS31は、RGB色情報によりHSV色情報に変換した後、設定された顔の画素パラメータの色相範囲に基づいて、取り込んだ画像内の顔の輪郭線範囲E内において、画像の顔の肌領域画素集合SKを選別すると共にその総数NSKを計算し、前記ステップS32で設定された黄疸領域の画素パラメータに基づいて顔範囲の画素の中で画像の黄疸領域画素集合Jをさらに選別し、
前記ステップS33が黄疸領域画素集合Jの総数NJとNSKの比JSR=NJ/NSKを求め、JSR値が設定値 thJSRを下回った時取り込んだ画像の品質不良と設定し、改めて画像を取り込み直すよう推奨し、
前記ステップS34が画素集合Jの色飽和度平均値Jsを計算してから関数T(x)で黄疸指数に変換し、得られた黄疸指数を血液検査で得られた黄疸値Jvにすることを特徴とする請求項4に記載の黄疸測定システム
【請求項7】
前記ステップS311では、輪郭線内の画素総数NE及びその飽和度平均値SEを計算および検索し、また、NSKとNEの比SERを計算し、
前記ステップS311は、顔の肌領域の画素集合SKの総数NSKと顔の輪郭線範囲内の画素集合Eの総数NEの比SER=NSK/NEを算出し、SER値がthSER値を下回ると、取り込んだ画像の品質不良であると判断し、改めて画像を取り込み直すよう推奨し、また、SER値がthSER値を下回った時取り込んだ画像の品質不良であると設定し、改めて画像を取り込み直すよう推奨し、且つ、Eの飽和度平均値SEを求めて、SE値がthSE値を下回った時、画像を取り込んだ時の環境光の不足と判断し、改めて画像を取り込み直すよう推奨し、SER値がthSER値を上回り、及びSE値がthSE値を上回った場合ステップS32に進むことを特徴とする請求項6に記載の黄疸測定システム
【請求項8】
前記顔の画素パラメータは42.5±18.5であり、
前記thSER値が70%であり、
前記thSE値が0.5であり、
前記黄疸の画素パラメータが40〜60であり、
前記thJSR値が50%であり、
前記関数T(x)がJsとJvの回帰統計関数であることを特徴とする請求項7に記載の黄疸測定システム
【請求項9】
撮影過程において新生児の生後時間をロードすることで、新生児の黄疸正常値範囲の判断に対応することを特徴とする請求項1に記載の黄疸測定システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疸測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
黄疸の測定は、新生児時期において最もよく実施される血液検査の一つであり、同時に医療関係者と両親が赤ちゃんの生まれた初期において密切に観察する重点でもある。黄疸値が高過ぎると、新生児が核黄疸(kernicterus)を発症し、脳の障害を起こすおそれがあり、重篤な場合、脳性麻痺、難聴、知的障害等の後遺症を残すおそれもある。
【0003】
現在黄疸の測定方法は、主に採血又は足踵から少量の採血による検査に依存しているが、このステップは、侵襲性検査に属しているため痛み、出血、傷からの感染等の副作用を起こすおそれがあり、実施する上での制限や家族に不安を持たせていた。よって血液検査の大半は、家族又は医療関係者の肉眼的観察で赤ちゃんの肌に黄疸現象が現れたことを発見してから血液検査による確認が行われてきた。しかしながら黄疸を肉眼的に観察するは、主観的な判断で、特に新生児の両親は専門的な訓練を受けておらず、経験もないため、よく誤判定により赤ちゃんの黄疸治療の遅れ或いは不必要な過度の血液検査を受けてしまう。この外に、黄疸計(jaundice meter)は、ビームを赤ちゃんの皮膚に照射し、戻ってきた光の波長を分析して非侵襲性の黄疸判読数値を提供できるが、高価な黄疸計は、一般的な家庭で負担できるものでなく、且つ黄疸測定を必要とする大半の期間は赤ちゃんが生まれてから1〜2ヵ月以内だけで、この計器は幅広く世間に適用されているものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−61232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、現在非常に普及し且つカメラ機能付きスマートフォン、タブレットコンピュータ或いはパソコンを通じて、画像処理(非侵襲性)方法で新生児の皮膚に対し測定を行うと共に客観的な黄疸指標を提供することで、新生児の両親に新生児黄疸の指標を随時自己測定させることが可能であり、黄疸の指標が正常値より高い時、再診警告メッセージを発すことが可能な疸測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による黄疸測定システムは、以下の黄疸測定方法を実行可能なプログラムがインストールされている電子機器を備える。黄疸測定方法は、ステップS1、ステップS2、および、ステップS3を含むステップS1は、新生児の顔及び色票の画像を取り込む。ステップS2は、取り込んだ画像に対し色票に合わせて色の校正を行う。ステップS3は、画像の顔画素の色情報により黄疸指数を計算すると共に不良画像を排除する。
ステップS1では、カメラおよび実行可能なプログラムを備えた電子機器により画像を取得する。
ステップS2には、色票の位置を自動的に検出するステップS21と、色票の色平均値に基づいて画像全体に対して色正規化を行うステップS22とが含まれる。
ステップS3には、ステップS31と、ステップS32と、ステップS33と、が含まれる。
ステップS31は、正常な肌色の色相範囲に基づいて推奨される顔の位置において、肌に属する画素を検索する。ステップS32は、肌の画素において、所定値の色相範囲に基づいて黄疸領域に属する画素を検出する。ステップS33は、黄疸領域の画素数と肌領域の画素数との比を計算する。ステップS34は、ステップS33で演算された黄疸領域の画素数と肌領域の画素数との比を黄疸指数に変換する。
撮影過程において、新生児の生後時間における黄疸正常範囲に基づいて、新生児の顔色が異常であるか否かを判断する。

【0007】
前記新生児の顔及び色票の画像を取り込むステップS1は、スマートフォン、タブレットコンピュータ或いはパソコン等のカメラを備え、並びに本発明に係わる方法のアプリケーションプログラム(APP)を実行できるツールで撮影し、また前記色票は純赤色、純緑色、純青色という3色を有するものである。構図を決めるため、該撮影のプレビュー画面で顔の輪郭線及び推奨位置の色票輪郭線を設定し、また撮影前又は撮影後の撮影過程において新生児の生後時間をロードすることで、新生児の現時点の黄疸正常値範囲の判断に対応する。該色票は、長方形で新生児の顔の周囲位置を配列させることができ、画像分析に干渉しないように新生児の顔周り物、例えばおくるみ、布団或いは枕等の背景色が赤、緑、青、黄等の色を避ける。
【0008】
前記取り込んだ画像に対し色票に合わせて色の校正を行うステップS2は、RGBカラーモデルを使用すると共に色票の色の平均値に基づき画像全体に対し色正規化を行うことである。該ステップS2には色票の位置を自動的に検索して色票領域の画素(pixel)総数Nxを計算し、x∈{r,g,b}とし、該Nxが設定値を上回った時更に色票の色平均値を計算するステップS21と、色票の色平均値に基いて画像全体に対し色正規化を行うステップS22とを更に含む。前記ステップS21では画像を取り込んだ後推奨位置の色票輪郭線内において純赤色、純緑色、純青色と非常に近い色領域を各々検索し、更にこれら領域の最大繋ぎ範囲を各々見つけ出して赤、緑、青の色票領域とする。
【0009】
本発明で検索した後赤の色票がある領域の中における赤チャンネル(Red Channel)の平均値を赤の色票の取り込んだ画像における色Prと定義する。緑と青の色票の取り込んだ画像における色の処理方法も同じで、PgとPbを求めることができる。
【0010】
また前記色票の色平均値に基いて画像全体に対し色正規化を行うステップS22は、画像内の各画素を赤、緑、青チャネルに対して調整し、異なる撮影環境で生じる画像の色差を低減できる。
【0011】
前記画像の顔画素の色情報により黄疸指数を計算するステップS3は、HSV(Hue、Saturation、Value)カラーモデルで顔の肌色に属する領域を自動的に取得し、またこの領域で黄疸に属する領域を検索することである。黄疸領域の画素の飽和度(Saturation)平均値を計算し、ある特殊な関数変換を経て血液検査で得られた黄疸値に相当する黄疸指標とし、また黄疸領域の画素数と肌領域の画素数の比を取り込んだ画像品質の評価根拠とする。
【0012】
ステップS3は、一般肌色の色相(Hue)範囲に基いて推奨する顔位置で肌に属する画素を検索すると共にその総数NSKを計算するステップS31と、これら肌の画素において更に黄疸値の色相範囲に基いて黄疸領域に属する画素を見つけ出すステップS32と、これら黄疸領域画素の飽和度平均値と黄疸領域画素数及び肌領域画素数の比(Jaundice SKin Ratio、JSR)を計算するステップS33と、飽和度平均値を黄疸指標に変換するステップS34と、を含む。
【0013】
ステップS31は、発明者が統計した新生児の顔の肌領域の色相(Hue)範囲を指定された顔の画素パラメータとすることを通じて、取り込んだ画像内楕円形の顔の輪郭線範囲内においてこの画像の顔の肌領域画素を選別すると共にその総数がNSKであることを計算する。また取り込む画像の品質及び精度を向上するため、ステップS31の後に輪郭線内の画素総数NE及びその飽和度平均値SEを計算と検索し、またNSKとNEの比(SKin Ellipse Ratio,SER)を計算するステップS311に進むことができる。当該SE及びSER値が設定値を上回った時更にステップS32に進むことができる。
【0014】
前記ステップS32は、発明者が統計した新生児黄疸領域の色相範囲を設定された黄疸の画素パラメータとすることを通じて、取り込んだ顔範囲の画素において更にこの画像の黄疸領域画素を選別する。
【0015】
前記ステップS33は、黄疸領域画素総数と顔の肌領域画素総数の比を求める。画像の品質不良による誤判定を避けるため、黄疸領域画素総数或いは両者の比のいずれか又は顔の輪郭線範囲内画素の飽和度平均値が設定値を下回った時改めて画像を取り込み直すよう推奨する。
【0016】
また前記ステップS34は、黄疸領域の画素の色飽和度平均値を計算してからこれを黄疸指数に変換し、求めて得られた黄疸指数を血液検査で得られた黄疸値に相当させ、黄疸指数が一般的な中リスクより高い時、警告を発すと共に再診を勧めるようする。
【0017】
本発明の方法は、コンピュータプログラム(APP)製品とすることができる。該コンピュータプログラム(APP)はインターネットからダウンロード若しくはその他のルートを通じて現在非常に普及しているカメラ機能付きスマートフォン、タブレットコンピュータ、パソコン又はこれらに類する電子機器等にロードすると、本発明の方法を実施できる。本発明の操作時色票に合わせて撮影でき且つオンラインでリアルタイム分析できるため、操作利便性の効果を持つことができる。また本発明は、取り込んだ画像の品質が要求(例えば、光が暗すぎ或いは顔と色票位置が理想的ではない)を満たさない場合、改めて撮影し直すよう求めるため、より一層正確な測定結果を提供でき、且つ本発明の撮影方法の測定変換指数が血液検査の黄疸値に相当し、目測方法より正確になり、また新生児への肉眼的な判断ミスによる治療タイミングを逃がすことがなくなる。よって、新生児の両親の心配を軽減し、過度の血液検査を減らし、黄疸値が高すぎてもで家族が発見できなかったという無念を避けることができ、且つ医療資源も節減することができることである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態による黄疸測定プログラムの処理ステップを示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態による黄疸測定プログラムのフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態による黄疸測定プログラムによる処理過程を示す模式図である。
図4】本発明の一実施形態による黄疸測定プログラムによる処理結果を示す特性図である。
図5】米国小児科学会から公表された新生児の生後黄疸曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(一実施形態)
図1乃至図3を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態による黄疸測定プログラムの処理ステップを示す図で、図2はフローチャートで、図3が本実施形態の撮影画像を色票に組み合わせた様子を示す図である。本実施形態では、新生児の顔及び色票の画像を取り込むS1と、取り込んだ画像に対し色票に合わせて色の校正を行うS2と、画像の顔画素の色情報により黄疸指数を計算すると共に不良画像を排除するS3と、を含む。
【0020】
前記新生児の顔及び色票の画像を取り込むステップS1は、スマートフォン、タブレットコンピュータ或いはパソコン等のカメラ又はこれに類する機能を備える電気機器及びプログラムを実行できるツールで撮影する。また前記色票は純赤色、純緑色、純青色という3色を有するカラーチェッカ形態の色票11、12、13で、各色票11、12、13寸法がいずれも1cm2を上回る。図3に示す構図を決めるため、該撮影のプレビュー画面で楕円形の顔の輪郭線2及び両長方形色票推奨位置の色票輪郭線3を設定し、また本実施例の各純赤色、純緑色、純青色の色票11、12、13が上方の色票輪郭線3内に配列され、撮影前又は撮影後の撮影過程において新生児の生後時間データをロードすることで、本実施形態が図5に示す新生児の現時点の黄疸正常値範囲の判断に対応させる。画像分析に干渉しないように新生児の顔の周りの物、例えばおくるみ、布団或いは枕等の背景色が赤、緑、青、黄等の色を避ける。
【0021】
前記取り込んだ画像に対し色票に合わせて色の校正を行うステップS2は、RGBカラーモデルを使用すると共に色票の色の平均値に基づき画像全体に対し色正規化を行うことである。該S2ステップには色票の位置を自動的に検索して色票領域の画素(pixel)総数Nxを計算し、x∈{r,g,b}とし、該Nxが設定値を上回った時更に色票の色平均値を計算するステップS21と、色票の色平均値に基いて画像全体に対し色正規化を行うステップS22とを更に含む。前記ステップS21では画像を取り込んだ後両長方形色票推奨位置の色票輪郭線3内において純赤色、純緑色、純青色と非常に近い色領域を各々検索し、更にこれら領域の最大繋ぎ範囲を各々見つけ出して赤、緑、青の色票11、12、13領域とする。
【0022】
本実施形態の色票位置を自動的に検索することは、mxRri、mxRgi、mxRbiを各々Rri、Rgi、Rbi内の最大連続領域にさせ、maxi{mxRri、mxRgi、mxRbi}はi番目領域において同時に最大のmxRri、mxRgi、mxRbiを備え、これら領域が純赤色、純緑色、純青色色票11、12、13がある領域である。本実施例は、顔の上方位置にある色票輪郭線3に色票11、12、13の位置を検索できる。またmxRri、mxRgi、mxRbiの個別領域の画素数がNxで、x∈{r,g,b}とし、Nxが設定値thNxを下回った時、色票が正確に色票輪郭線3の中に置かず、或いは画像の取り込み時光線の不足を示し、且つ該Nx値がカメラ解像度の設定に対応し、解像度が高い時Nx値が高くなる。例えば解像度は4752x3168の時thNx値が10000で、10000より低い場合色票位置を調整してから改めて画像を取り込むよう推奨する。
【0023】
また{CPi}は長方形の色票推奨位置の色票輪郭線3内の画素(pixel)集合として設定し、i∈{0,1}とし、iが固定領域に属さない。Rri、Rgi、Rbiは各々i番目の長方形内の純赤色、純緑色、純青色と非常に近い色領域とさせる。
【0024】
本実施形態では、色票の色のデフォルト閾値をth_cpとする。th_cpは、下記数式1を満たす。好ましいth_cpを10に設定する。
【0025】
【数1】
(数式1において、x∈{r,g,b}、(rr、rg、rb)=(255、0、0)、(gr、gg、gb)=(0、255、0)、(br、bg、bb)=(0、0、255)である。)
aとb間の距離は下記の数式2で算出する。
【0026】
【数2】
【0027】
本実施形態で検索した後赤の色票11がある領域の中における赤チャンネル(Red Channel)の平均値を赤の色票11の取り込んだ画像における色Prと定義する。緑と青の色票の取り込んだ画像における色の処理方法も同じで、PgとPを求めることができる。
【0028】
本実施例は、2つの長方形色票輪郭線3を利用者に配列しやすい色票として設定しているが、本実施形態は1つの色票輪郭線3のみとしても設定できる。画像を取り込む時、ある不可抗力の要因により、色票を色票輪郭線3の中に置けない場合、まず自由に顔以外で且つ画像取り込み範囲内のその他領域を置き、画像を取り込んでから手動で色票位置を設定する手順を実行でき、つまり利用者は手動で色票範囲の中心点をクリックすると、本実施形態が自動的に該位置付近の色票を検索できる。その色票の検索方法は前記ステップと同じである。
【0029】
次に、前記色票の色平均値により画像全体に対し色正規化を行うステップS22は、画像内の各画素を各々赤・緑・青チャンネルに対し調整し、赤の色票11がある領域の赤チャンネル値を255に近づけさせる。緑と青の色票12、13の処理方法も同じとする。fr=255/Pr、fg=255/Pg、fb=255/Pbとする場合、画像内の各画素の赤チャンネルCrをC´r=fr×Crに調整し、各画素の緑チャンネルCg及び青チャンネルCbの処理方法も同じで、C´g=fg×Cg、C´b=fb×Cbとし、また本実施形態のC´r、C´g、C´b RGB色情報を取得し、対応する色票11、12、13により画像内の各画素の画素値を計算し、且つ異なる撮影環境による画像の色差を低減できる。
【0030】
本実施形態の色飽和度平均値のビリルビン値に対応する回帰統計図の図4を参照しながら説明する。前記画像の顔画素の色情報により黄疸指数を計算するステップS3は、HSV(Hue、Saturation、Value)カラーモデルで顔の肌色に属する領域を自動的に取得し、またこの領域で黄疸に属する領域を検索することである。黄疸領域の画素の飽和度(Saturation)平均値を計算し、ある特殊な関数変換を経て血液検査で得られた黄疸値に相当する黄疸指標とし、また黄疸領域の画素数と肌領域の画素数の比(Jaundice Skin Ratio, JSR)を取り込んだ画像品質の評価根拠とする。JSR値がthJSRを下回った場合、取り込んだ画像の品質が悪く、計算する黄疸指標に比較的大きな誤差が生じる。thJSRは、本実施形態の統計を経た後で得られたデフォルト閾値(Threshold)である。
【0031】
ステップS3は、一般肌色の色相(Hue)範囲に基いて推奨する顔位置で肌に属する画素(pixel)を検索すると共にその総数NSKを計算するステップS31と、これら肌の画素において更に黄疸値の色相範囲に基いて黄疸領域に属する画素を見つけ出すステップS32と、これら黄疸領域画素の飽和度(Saturation)平均値と黄疸領域画素数及び肌領域画素数の比(Jaundice SKin Ratio、JSR)を計算するステップS33と、飽和度平均値を黄疸指標に変換するステップS34と、を含む。
【0032】
下記の数式3により、該C´r、C´g、C´b (RGB)を(HSV)に変換する。
【0033】
【数3】
【0034】
該変換式は、従来の技術であるため、記述を省略する。該ステップS31は、RGB色情報によりHSV色情報に変換した後、発明者が統計した新生児の顔の肌領域の色相(Hue)範囲(本実施例では約42.5±18.5)を設定された顔の画素パラメータとすることを通じて、取り込んだ画像内楕円形の顔の輪郭線2範囲内においてこの画像の顔の肌領域画素集合SKを選別する。
【0035】
また前記ステップS31において、画像を取り込む時不可抗力の外力により、顔の肌領域が楕円形の顔の輪郭線2範囲内に入らせることができた場合、本実施形態で画像を取り込んだ後、手動で楕円形の顔の輪郭線2位置、サイズ及び角度を調整することで、取り込んだ画像の顔の肌領域を楕円形の顔の輪郭線2範囲内にカバーされる。
【0036】
更に取り込む画像の品質及び精度を高めるため、本実施形態はステップS31の後に輪郭線内の画素総数NE及びその飽和度平均値SEを計算と検索し、またNSKとNEの比SERを計算するステップS311を更に含むことができる。該顔の肌領域の画素集合SKの総数NSKと楕円形の顔の輪郭線2範囲内の画素集合Eの総数NEの比SER=NSK/NEで、SER値がthSER値を下回ると、取り込んだ画像の品質不良であると認定し、改めて画像を取り込み直すよう推奨する設定となっている。画像を取り込む時顔の肌領域と楕円形の顔の輪郭線2位置との差が大きい過ぎるかどうかを自動認識するため、本実施例はSER値がthSER(70%)を下回った時取り込んだ画像の品質不良であると認定し、改めて画像を取り込み直すよう推奨する設定となっている。また楕円形の顔の輪郭線2範囲内の全ての画素の飽和度平均値がSEで、本実施例はSE値がthSE(0.5)を下回った時画像を取り込んだ時の環境光の不足と認定し、改めて画像を取り込み直すよう推奨する設定となっている。前記ステップS32は、発明者が統計した新生児黄疸領域の色相範囲(本実施例では約40〜60)を設定された黄疸の画素パラメータとすることを通じて、取り込んだ顔範囲の画素において更にこの画像の黄疸領域画素集合Jを選別する。
【0037】
前記ステップS33は、黄疸領域画素集合Jの総数NJと顔の肌領域画素集合SKの総数NSKの比JSR=NJ/NSKを求める。画像の品質不良による誤判定を避けるため、本実施例は、JSR値がthJSR (50%)を下回った時取り込んだ画像の品質不良と認定し、算出した後記JSに比較的大きな誤差があるため、改めて画像を取り込み直すよう推奨する設定となっている。
【0038】
また前記ステップS34は、画素集合Jの色飽和度(Saturation)平均値JSを計算し、ある特殊な関数T(x)でこれを黄疸指数に変換し、求めて得られた黄疸指数を血液検査で得られた黄疸値JVに相当させる。図4に示すように、関数T(x)はJSとJVの回帰統計関数で、且つ該JSとJVが比例関係とし、JSが高いほどJVも高くなる。図5の米国小児科学会が公表した新生児の生後時間に対応する黄疸曲線図と一緒に参照し、該JV値と新生児の生後年齢(postnatal age)でその黄疸指数が高いすぎるかを判断し、黄疸指数は米国小児科学会が推奨する一般的な中リスク(例えば中央曲線以上)を上回り或いは15mg/dLより大きいか等しい時警告を発すと共に再診を勧める。
【0039】
本実施形態は、コンピュータプログラム(APP)製品とすることができる。該コンピュータプログラム(APP)はインターネットから現在非常に普及しているカメラ機能付きスマートフォン、タブレットコンピュータ、パソコン又はこれらに類する電子機器等にロードすると、本実施形態の方法を実施できる。
【0040】
本実施形態の操作時色票に合わせて撮影でき且つリアルタイム分析でき、特殊スペクトルの範囲の光を用いる必要がない、或いは特殊環境のもとで画像を撮影する必要がないため、操作利便性の効果を持つことができる。また新生児の両親にいつでも撮影測定を提供することでその心配を低減でき、同時に病院での血液検査を頻繁的に行う不便を避けることができる。
【0041】
本発明は、取り込んだ画像の品質が要求(例えば、光が暗すぎ或いは顔と色票位置が理想的ではない)を満たさない場合、改めて撮影し直すよう求めるため、より一層正確な測定結果を提供でき、且つ本発明の撮影方法の測定変換指数が血液検査の黄疸値に相当し、新生児の両親の目測方法より正確になり、且つ黄疸指標が正常値より高い時再診警告メッセージを発すことで新生児は新生児両親の肉眼的な判断ミスによる治療タイミングを逃がすことがなくなる。前記実施例は、あくまでも本発明の技術内容を明らかにするものであって、この例によって何ら制限されるものではない。本発明の範囲内において種々の改良変更をなし得ることは、本発明の範囲内に含めるものであるのが勿論である。
【符号の説明】
【0042】
11・・・赤の色票、
12・・・緑の色票、
13・・・青の色票、
2・・・顔の輪郭線、
3・・・色票の輪郭線。
図1
図2
図3
図4
図5