特許第6266989号(P6266989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266989
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】二酸化炭素施用装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/18 20060101AFI20180115BHJP
   A01G 7/02 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   A01G9/18ZAB
   A01G7/02
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-17353(P2014-17353)
(22)【出願日】2014年1月31日
(65)【公開番号】特開2015-142531(P2015-142531A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2016年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 祐治
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−16322(JP,A)
【文献】 特開2012−147752(JP,A)
【文献】 特開2010−214303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/14 − 9/26
A01G 7/02
B01D 53/00 − 53/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収し、当該二酸化炭素を農業用ハウス内に供給する二酸化炭素施用装置であって、
燃料を燃焼させて燃焼排ガスを排出する燃焼装置と、
内部にカルシウム水溶液を貯留し、燃焼排ガスを気泡状にして該カルシウム水溶液中を通過させる貯水タンクと、
燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸着する吸着材と、
前記燃焼装置から排出された燃焼排ガスを前記貯留タンクへと流す第1流路と、
前記貯水タンクの内部から排出された燃焼排ガスを前記吸着材へと流す第2流路と、
燃焼排ガスを冷却するガス冷却装置と、を備え、
前記ガス冷却装置は、前記貯水タンクよりも上流側の前記第1流路を流れる燃焼排ガスを冷却することを特徴とする二酸化炭素施用装置。
【請求項2】
前記吸着材よりも上流側の前記第2流路に、燃焼排ガスを下流側に圧送するブロアが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素施用装置。
【請求項3】
前記ガス冷却装置は、燃焼排ガスと冷媒との間で熱交換を行わせる熱交換器であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二酸化炭素施用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収し、当該二酸化炭素を農業用ハウス内に供給する二酸化炭素施用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、農業用ハウス(温室)では、夜間に気温が下がり過ぎて園芸植物の生育が阻害されることのないように、加温機を用いて農業用ハウス内の空気を加温している。この加温機は、重油や灯油などを燃焼させることで発生した燃焼熱を、温風として農業用ハウス内に供給するものである。
【0003】
一方、園芸植物の収率および品質の向上のため、光合成に必要な二酸化炭素を農業用ハウス内に供給(施用)する二酸化炭素施用装置が開発されており、普及している。この二酸化炭素施用装置は、重油や灯油などを燃焼させることにより二酸化炭素を発生させて、当該二酸化炭素を農業用ハウス内の園芸植物に供給するものである。
【0004】
下記特許文献1には、夜間、加温機から排出された燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収・貯留しておき、昼間、当該二酸化炭素を園芸植物に供給する二酸化炭素施用装置が記載されている。二酸化炭素の回収・貯留は、ゼオライト等の吸着材を用いて、二酸化炭素を吸着することによって行っている。
【0005】
加温機から排出された高温(300℃程度)の燃焼排ガスを直接吸着材に供給すると、燃焼排ガスが有する熱によって当該吸着材が損傷し、吸着機能を発揮できなくなるおそれがある。このため、下記特許文献1に記載された二酸化炭素施用装置では、燃焼排ガスを貯留水に供給し、気泡状にして貯留水を通過(バブリング)させ、その後、吸着材に供給している。燃焼排ガスは、貯留水を通過することで熱を奪われ、温度が低下するため、吸着材の損傷を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−016322号公報
【特許文献2】特開2010−214303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、上記特許文献2には、貯留したカルシウム水溶液中に燃焼排ガスを供給することで、燃焼排ガス中の炭酸ガスを炭酸カルシウムとして析出させることが記載されている。上記特許文献2には、このようにして得られた炭酸カルシウムは、肥料として利用可能であることが記載されている。
【0008】
そこで、本願発明者は、上記特許文献1に記載された二酸化炭素施用装置において、燃焼排ガスが供給される貯留水をカルシウム水溶液とすることで、吸着材の損傷防止と同時に肥料の生成が可能になると考え、種々の検討を行った。しかしながら、燃焼排ガスの供給によって高温となった貯留水が沸騰したり、水蒸気爆発が生じるなどして、貯留水中で安定的に肥料を生成することが難しいという課題があった。
【0009】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃焼排ガスの熱による吸着材の損傷を抑制しながらも、安定的に肥料を生成することができる二酸化炭素施用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る二酸化炭素施用装置は、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収し、当該二酸化炭素を農業用ハウス内に供給する二酸化炭素施用装置であって、燃料を燃焼させて燃焼排ガスを排出する燃焼装置と、内部にカルシウム水溶液を貯留し、燃焼排ガスを気泡状にして該カルシウム水溶液中を通過させる貯水タンクと、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸着する吸着材と、前記燃焼装置から排出された燃焼排ガスを前記貯留タンクへと流す第1流路と、前記貯水タンクの内部から排出された燃焼排ガスを前記吸着材へと流す第2流路と、燃焼排ガスを冷却するガス冷却装置と、を備え、前記ガス冷却装置は、前記貯水タンクよりも上流側の前記第1流路を流れる燃焼排ガスを冷却することを特徴としている。
【0011】
本発明に係る二酸化炭素施用装置によれば、燃焼装置から排出され、第1流路を流れる高温の燃焼排ガスは、ガス冷却装置によって冷却され、その後、貯水タンクに供給されるため、温度を低下させた状態でカルシウム水溶液中を通過させることができる。したがって、カルシウム水溶液の沸騰や水蒸気爆発を防止し、肥料として利用できる炭酸カルシウム等をカルシウム水溶液中で安定的に生成することが可能となる。
【0012】
ガス冷却装置によって冷却された燃焼排ガスは、温度が低下する一方で、相対湿度が高まるため、白煙状の水蒸気を含む高湿度ガスとなる場合がある。このような燃焼排ガスがそのまま吸着材に供給されると、吸着材において水分が凝集し、二酸化炭素の吸着が適切に行われなくおそれがある。
【0013】
しかしながら、本発明に係る二酸化炭素施用装置によれば、カルシウム水溶液中を通過させることで、燃焼排ガス中の水蒸気が除去され、相対湿度が低下した状態で吸着材に供給されるため、吸着材における水分の凝集を抑制し、二酸化炭素の吸着を適切に行わせることが可能となる。
【0014】
また本発明に係る二酸化炭素施用装置では、前記吸着材よりも上流側の前記第2流路に、燃焼排ガスを下流側に圧送するブロアが配置されていることも好ましい。
【0015】
この好ましい態様では、吸着材よりも上流側の第2流路を流れる燃焼排ガスは、ブロアが運転時に発する熱を受けて温度が上昇することで、相対湿度が低下する。したがって、吸着材における水分の凝集をさらに抑制し、二酸化炭素の吸着を適切に行わせることが可能となる。
【0016】
また本発明に係る二酸化炭素施用装置では、前記ガス冷却装置は、燃焼排ガスと冷媒との間で熱交換を行わせる熱交換器であることも好ましい。
【0017】
この好ましい態様では、熱交換器において冷媒の流量(単位時間あたりに流れる冷媒の量)を調整することで、燃焼排ガスと冷媒との間で交換される熱量の調整を行い、その結果、燃焼排ガスの温度を調整することが可能となる。
【0018】
例えば、吸着材として活性炭を用いる場合、吸着している二酸化炭素を園芸植物に供給する際は、活性炭を加熱して吸着時よりも高温にすることで、二酸化炭素を脱離させることが一般的である。上記好ましい形態では、吸着時は冷媒の流量を大きくして燃焼排ガスとの熱交換を促進し、活性炭に供給される燃焼排ガスの温度を低くする一方、脱離時は冷媒の流量を小さくして燃焼排ガスとの熱交換を抑制し、活性炭に供給される燃焼排ガスの温度を高めることで、活性炭の温度を吸着時と脱離時とのそれぞれに適切なものに調整することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、燃焼排ガスの熱による吸着材の損傷を抑制しながらも、安定的に肥料を生成することができる二酸化炭素施用装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る二酸化炭素施用装置の概略構成を表す全体図である。
図2】貯水タンクの内部を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0022】
まず、図1及び図2を参照して、二酸化炭素施用装置の概略を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る二酸化炭素施用装置100の概略構成を表す全体図である。図2は、貯水タンク40の内部を表す模式図である。
【0023】
図1に表すように、二酸化炭素施用装置100は、加温機10と、第1配管20と、熱交換器30と、貯水タンク40と、第2配管50と、ブロア60と、二酸化炭素吸着タンク70と、第3配管80と、を有している。また、図1に表すように、二酸化炭素施用装置100は、農業用ハウス2内に収容される。
【0024】
加温機10は、重油や灯油等の燃料を燃焼させる燃焼装置であり、夜間に農業用ハウス2内の気温が下がり過ぎて園芸植物の生育が阻害されることのないように、農業用ハウス2内に温風を供給する。加温機10には煙突12が接続されており、燃焼により生じた燃焼排ガスがこの煙突12を介して排出される。この煙突12の途中には、燃焼排ガス量調整バルブVを介して第1配管20が接続されている。第1配管20は、その内部に第1流路21を有しており、図示しない制御装置により燃焼排ガス量調整バルブVを制御することで、燃焼排ガスが煙突12から排出される状態と、燃焼排ガスが第1流路21に供給される状態とが切り替えられる。
【0025】
第1配管20は、煙突12及び貯水タンク40に接続される配管である。第1配管20が内部に有する第1流路21は、加温機10から排出された燃焼排ガスを貯水タンク40へと流す流路となっている。
【0026】
熱交換器30は、第1流路21を流れる燃焼排ガスを冷却する装置であり、コア31と、冷却水タンク33と、配管34と、を有している。コア31は、その内部に流路が形成されており、貯水タンク40よりも上流側の第1流路21に配置されている。コア31の内部の流路には、配管34を介して供給される冷却水(冷媒)が流されて冷却水タンク33との間で循環し、コア31の外部を流れる高温の燃焼排ガスとの間で熱交換を行う。
【0027】
貯水タンク40は、燃焼排ガスを気泡状にして貯留水に通過させるとともに、肥料を生成する装置であり、図2に表すように、タンク本体41と、金網42と、排出弁43と、水位調整パイプ44と、を有している。
タンク本体41は、中空の容器であり、その内部はメッシュ状の金網42によって上下に区画されている。タンク本体41は、略円筒状や、略直方体状といった様々な形態を取りうる容器である。金網42の上面には、複数の牡蠣殻Sが載置されており、タンク本体41の内部には牡蠣殻Sが浸る水位となるまで水W1が貯留されている。このため、牡蠣殻Sに含まれるカルシウム成分が水W1中に溶出し、水W1はカルシウム水溶液となっている。タンク本体41の内部には、天板41a及び金網42を貫通するようにして第1配管20が挿入されており、第1配管20の端部20aは水W1中に配置されている。
排出弁43は、タンク本体41の底部に設けられる弁装置である。排出弁43の開弁により、タンク本体41の底部の沈殿物等をタンク本体41外に排出することができる。
水位調整パイプ44は、逆U字形状を呈する管状部材であり、その一端部44aがタンク本体41の底部に接続されている。タンク本体41内の水W1が増量して所定水位を超えた場合は、その超えた分の水W2が水位調整パイプ44の頂部44bを乗り越え、開放された他端部44cからタンク本体41外に排出される。これにより、タンク本体41内の水W1は、牡蠣殻Sを浸す所定水位に維持される。
【0028】
第2配管50は、貯水タンク40及び二酸化炭素吸着タンク70に接続される配管である。第2配管50が内部に有する第2流路51は、貯水タンク40の内部から排出された燃焼排ガスを二酸化炭素吸着タンク70へと流す流路となっている。図1に表すように、第2流路51にはブロア60が配置されている。ブロア60は、電動モータ61によってファン62が回転することで、貯水タンク40側から燃焼排ガスを吸引するとともに、二酸化炭素吸着タンク70側に向けて圧送する。
【0029】
二酸化炭素吸着タンク70は、ブロア60よりも下流側の第2配管50に接続されており、その内部には、図示しない活性炭(吸着材)が収容されている。活性炭は、その表面に多数設けられる細孔において、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸着することで、二酸化炭素を二酸化炭素吸着タンク70の内部に貯留する。二酸化炭素吸着タンク70内の活性炭によって二酸化炭素の一部又は全部を除去された燃焼排ガスは、二酸化炭素吸着タンク70に接続された第3配管80を介して排出される。
【0030】
尚、本実施形態では、吸着材として活性炭を用いているが、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸着・貯留する機能を有するものであれば他の材料を用いても良く、例えばゼオライト等の親水性多孔質材料を用いても良い。
【0031】
上記構成を備える二酸化炭素施用装置100は、農業用ハウス2内の温度が低下する夜間は、農業用ハウス2内に温風を供給するとともに、二酸化炭素吸着タンク70の活性炭において二酸化炭素の吸着を行う。以下、二酸化炭素施用装置100において行われる二酸化炭素の吸着、及び、肥料の生成について説明する。
【0032】
この場合、加温機10から排出される燃焼排ガスが第1流路21側に流れるように燃焼排ガス量調整バルブVを調整した状態で、加温機10及びブロア60を運転させる。加温機10から第1流路21に供給された燃焼排ガスは、熱交換器30のコア31を通過する際に冷却水との間で熱交換を行うことで冷却される。このとき、配管34を介してコア31と冷却水タンク33との間で循環する冷媒の流量(単位時間あたりに流れる冷媒の量)は、上記熱交換を促進させるために比較的大きく設定されている。熱交換器30によって冷却された燃焼排ガスは、温度が低下する一方で、相対湿度が高まるため、白煙状の水蒸気を含む高湿度ガスとなる。
【0033】
熱交換器30のコア31を通過した燃焼排ガスは、さらに第1流路21内を流れ、貯水タンク40に供給される。詳細には、図2に矢印A1で表すように、第1流路21を流れて貯水タンク40に至った燃焼排ガスは、第1配管20の端部20aから水W1中に供給され、気泡Bとなる。
【0034】
水W1中に供給された燃焼排ガス(気泡B)は、浮力によって水W1中を上昇し、金網42を通過して水W1の水面から出る。この燃焼排ガス(気泡B)の通過により、金網42上に載置された牡蠣殻Sの表面の水W1が攪拌されることから、牡蠣殻Sに含まれるカルシウム成分の溶出が促される。水W1の水面から出た燃焼排ガスは、矢印A2で表すように、タンク本体41に接続された第2配管50の第2流路51を介して貯水タンク40外に排出される。
【0035】
以上のように、燃焼排ガスを気泡状にして水W1中を通過させることにより、燃焼排ガスに含まれていた炭酸ガスが水W1中のカルシウムと結合し、炭酸カルシウムが析出する。
【0036】
また、燃焼排ガスを気泡状にして水W1中を通過させることにより、燃焼排ガスに含まれていた硫黄酸化物、窒素酸化物等の有害物質が除去され、燃焼排ガスは無害化された状態で排出される。これら有害物質が、水W1中のカルシウムと結合することで、硫酸カルシウムや硝酸カルシウムが生成される。
【0037】
また、熱交換器30によって冷却され、白煙状の水蒸気を含む高湿度ガスとなっていた燃焼排ガスは、水W1中を通過することで水蒸気が除去され、相対湿度が低下した状態で排出される。
【0038】
水W1中で生成された炭酸カルシウム及び硫酸カルシウムは、主に排出弁43を開弁することで、タンク本体41外に取り出すことができる。また、硝酸カルシウムは、水W1によって燃焼排ガスから水蒸気が除去されることで、水W1の水位が上昇して水位調整パイプ44によって水W2が排出されるため、主に水W2とともにタンク本体41外に取り出される。このようにして得られる炭酸カルシウム、硫酸カルシウム及び硝酸カルシウムは、園芸植物の生育を促す肥料として利用することができる。
【0039】
また、加温機10から排出され、第1流路21を流れる高温の燃焼排ガスは、熱交換器30によって冷却され、その後、貯水タンク40に供給されるため、温度を低下させた状態で水W1中を通過させることができる。したがって、水W1の沸騰や水蒸気爆発を防止し、肥料として利用できる炭酸カルシウム等を水W1中で安定的に生成することが可能となる。
【0040】
貯水タンク40の内部から排出された燃焼排ガスは、第2配管50の内部の第2流路51に流入する。第2流路51に流入した燃焼排ガスは、ブロア60によって吸引され、ブロア60を通過してその下流側に圧送される。
【0041】
ここで、ブロア60の電動モータ61は、運転時に発生するジュール熱により高温となっている。このため、ブロア60を通過する燃焼排ガスは、この電動モータ61から熱を受けて温度が上昇し、相対湿度が低下する。
【0042】
ブロア60によって圧送された燃焼排ガスは、さらに第2流路51内を流れ、二酸化炭素吸着タンク70に供給される。二酸化炭素吸着タンク70の内部に収容された活性炭を燃焼排ガスが通過することで、燃焼排ガスに含まれていた二酸化炭素が活性炭に吸着され、二酸化炭素吸着タンク70の内部に貯留される。
【0043】
二酸化炭素吸着タンク70に供給される燃焼排ガスは、その上流側で熱交換器30によって冷却され、温度が低下している。したがって、燃焼排ガスの熱による活性炭の損傷を防止することができる。
【0044】
また、上記のとおり、熱交換器30による冷却の際に、燃焼排ガスは白煙状の水蒸気を含む高湿度ガスとなるが、その後、燃焼排ガスを気泡状にして水W1中を通過させたことで、水蒸気が除去されている。したがって、二酸化炭素吸着タンク70に供給される燃焼排ガスの相対湿度は低下しており、これにより、吸着材における水分の凝集を抑制し、二酸化炭素の吸着を適切に行わせることが可能となる。
【0045】
さらに、二酸化炭素吸着タンク70よりも上流側の第2流路51を流れる燃焼排ガスは、ブロア60が運転時に発する熱を受けて温度が上昇することで、相対湿度が低下する。したがって、活性炭における水分の凝集をさらに抑制し、二酸化炭素の吸着を適切に行わせることが可能となる。
【0046】
以上のように二酸化炭素吸着タンク70の内部に貯留された二酸化炭素は、農業用ハウス2内の園芸植物の光合成を促進するため、昼間に園芸植物へと供給される。以下、園芸植物への二酸化炭素の供給について説明する。
【0047】
二酸化炭素吸着タンク70の内部から二酸化炭素を排出するためには、活性炭に吸着された二酸化炭素を脱離させる必要がある。この場合、加温機10から排出される燃焼排ガスが第1流路21側に流れるように燃焼排ガス量調整バルブVを調整した状態で、加温機10及びブロア60を運転させる。
【0048】
加温機10から第1流路21に供給された燃焼排ガスは、熱交換器30のコア31を通過する。このとき、コア31の内部を流れる冷媒は、その流量を比較的小さく設定するか、ゼロに設定することで、燃焼排ガスとの熱交換を抑制する。これにより、燃焼排ガスは熱交換器によってわずかに冷却され、又は、冷却されることなく、高温のまま第1流路21をさらに流れ、貯水タンク40及び第2流路51を経て二酸化炭素吸着タンク70の内部に供給される。
【0049】
二酸化炭素吸着タンク70の内部の活性炭は、高温の燃焼排ガスが通過することで、その温度が上昇する。このため、活性炭に吸着されている二酸化炭素も温度が上昇し、分子運動が活発となることで、活性炭から脱離して二酸化炭素吸着タンク70の内部から排出される。排出された二酸化炭素は、第3配管80を介して農業用ハウス2内の園芸植物に供給され、その光合成に利用される。
【0050】
以上のように、熱交換器30において冷媒の流量を調整することで、燃焼排ガスと冷媒との間で交換される熱量の調整を行い、その結果、燃焼排ガスの温度を調整することが可能となる。すなわち、園芸植物への二酸化炭素の供給時は、熱交換器30によって冷却された燃焼排ガスの温度は、その熱によって活性炭を損傷させないものの、活性炭を十分に加熱して二酸化炭素の脱離を促すことができる程度に調整されている。
【0051】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0052】
2 :農業用ハウス
10:加温機(燃焼装置)
21:第1流路
30:熱交換器(ガス冷却装置)
40:貯水タンク
51:第2流路
60:ブロア
70:二酸化炭素吸着タンク
S :牡蠣殻
W1:水
図1
図2