(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266996
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】鳥害防止具と、その取付方法
(51)【国際特許分類】
H02G 7/00 20060101AFI20180115BHJP
A01M 29/32 20110101ALI20180115BHJP
【FI】
H02G7/00
A01M29/32
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-26445(P2014-26445)
(22)【出願日】2014年2月14日
(65)【公開番号】特開2015-154598(P2015-154598A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】592112558
【氏名又は名称】日本安全産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道
(72)【発明者】
【氏名】市川 俊也
(72)【発明者】
【氏名】藤井 義晴
【審査官】
久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−182704(JP,A)
【文献】
特開2006−174708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 7/00
H02G 1/02
A01M 29/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の起立体と、ライン材と、連装部材とを備えており、
ライン材は、可撓性を有しており、
各起立体は、ライン材の長手方向に間隔をあけて一続きに繋がれており、開閉可能な電線取付部を備え、電線取付部が電線の外周を包囲して電線長手方向へ移動可能であり、
ライン材の両端に繋いである起立体は、電線に取り付けが可能であり、
ライン材の中間に繋いである起立体は、電線に取り付けが可能なものと電線から離脱不能に挿通するものが適宜選択され、
連装部材は、各起立体を脱着可能に取り付けており、電線と接触せず起立体を介して電線に取り付けられることを特徴とする鳥害防止具。
【請求項2】
鳥害防止具は、複数の起立体と、ライン材と、連装部材とを備え、
各起立体は、ライン材の長手方向に間隔をあけて一続きに繋がれており、開閉可能な電線取付部を備え、電線取付部が電線の外周を包囲して電線長手方向へ移動可能であり、
連装部材は、各起立体を脱着可能に取り付けており、電線と接触せず起立体を介して電線に取り付けられるものであり、
鳥害防止具を間接活線把持具により把持して電線に近付け、起立体の電線取付部を電線の外周へ包囲させて仮置きする第一の工程と、
複数の起立体のうち、ライン材の一方側端部に繋いである起立体を間接活線把持具により電線に固定する第二の工程と、
間接活線把持具によって鳥害防止具を電線の他方側に引っ張り、第二の工程で電線に固定した起立体を連装部材から抜き出すとともに、残りの起立体を連装部材から次々に抜き出しながら電線の長手方向に沿って配置していき、さらに、ライン材を電線とほぼ平行に張った状態とする第三の工程と、
ライン材に繋いである最後の起立体を電線に取り付けた後、間接活線把持具により連装部材を最後の起立体から取り外す第四の工程を経ることを特徴とする鳥害防止具の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線に沿って取り付けることにより鳥の飛来や営巣を防ぐ鳥害防止具と、その取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電線に対して飛来する鳥の立ち止まりを防止するものとして鳥害防止具があった。この鳥害防止具は、特開2013−141452号公報のように、電線の長手方向に沿って複数の起立体を取り付け、各起立体の上端部に取り付けたライン材を電線の上方にほぼ平行に配置することにより、鳥が電線に止れなくすることで、電線下の糞害等を防ぐものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−141452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような鳥害防止具は、現場でライン材に複数の起立体を繋げるとともに、高所作業車のバケットに乗り込んだ作業者がライン材に一続きに繋がれた起立体を一つずつ電線に取り付けるものであった。このときに、電線に取り付けていない起立体は、ライン材に繋がれたままバケット内に置かれていたことから、電線とバケット内がライン材で繋がった状態となり、バケット内の作業者が短絡事故の危険を感じるという不都合があった。また、取付作業の前には、事前に作業者が起立体とライン材を取り付けておく必要があった。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、絶縁状態を確保して安全な取付作業が行えるとともに、作業効率を高めることのできる鳥害防止具と、その取付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1記載の鳥害防止具は、複数の起立体と、ライン材と、連装部材とを備えており、ライン材は、可撓性を有しており、各起立体は、ライン材の長手方向に間隔をあけて一続きに繋がれており、
開閉可能な電線取付部を備え、電線取付部が電線の外周を包囲して電線長手方向へ移動可能であり、ライン
材の両端に繋いである起立体は、電線に取り付けが可能であり、ライン
材の中間に繋いである起立体は、電線に取り付けが可能なものと電線から離脱不能に挿通するものが適宜選択され、連装部材は、各起立体を脱着可能に取り付けて
おり、電線と接触せず起立体を介して電線に取り付けられることを特徴とする。
【0007】
本発明のうち請求項2記載の鳥害防止具の取付方法は、
鳥害防止具は、複数の起立体と、ライン材と、連装部材とを備え、各起立体は、ライン材の長手方向に間隔をあけて一続きに繋がれており、開閉可能な電線取付部を備え、電線取付部が電線の外周を包囲して電線長手方向へ移動可能であり、連装部材は、各起立体を脱着可能に取り付けており、電線と接触せず起立体を介して電線に取り付けられるものであり、鳥害防止具を間接活線把持具により把持して電線に近付け、起立体の電線取付部を電線の外周へ包囲させて仮置きする第一の工程と、複数の起立体のうち、ライン材の
一方側端部に繋いである起立体を
間接活線把持具により電線に
固定する第
二の工程と、
間接活線把持具によって鳥害防止具を電線の他方側に引っ張り、第
二の工程で電線に固定した起立体を連装部材から抜き出すとともに、残りの起立体を連装部材から次々に抜き出しながら電線の長手方向に沿って配置していき、さらに、ライン材を電線とほぼ平行に張った状態とする第
三の工程と、ライン材に繋いである最後の起立体を電線に取り付けた後、
間接活線把持具により連装部材を最後の起立体から取り外す第
四の工程を経ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、あらかじめライン材を繋げてある複数の起立体を取り付けた連装部材を、間接活線把持具を用いて電線に近付け、ライン材の一番端に繋いである起立体を電線に固定し、その後にライン材を張った状態にしながら残りの起立体を順次取り付けていくことができる。これにより、鳥害防止具の取付作業の間は、電線と作業者を載せるバケットが接触することがないので、短絡事故の危険性を感じることなく安全性が確保された状態で作業を行うことができる。また、鳥害防止具の設置に必要な起立体とライン材のすべてを一度に電線に配置できることから、鳥害防止具の電線に対する取付作業にかかる時間が大幅に短縮される。あらかじめライン材を起立体に取り付けてあることから、作業者が取り付けを行う必要がないことも利点のひとつである。さらに、鳥害防止具が連装部材で一纏めになっていることから、現場への搬送が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1(a)(b)】本実施による鳥害防止具の全体を示す斜視図であり、(a)は、電線の仮置き時、(b)は、電線に取り付けるときの状態を示すものである。
【
図2(a)(b)】本実施による鳥害防止具の連装部材の(a)は、組立後の斜視図であり、(b)は、組立前の正面図である。
【
図3(a)(b)(c)(d)】(a)(b)(c)(d)は、
図1(a)(b)に示す本実施による鳥害防止具の電線に対する取付手順を示す側面図である。
【
図4(a)(b)】本発明の鳥害防止具の他の実施形態を示すものであり、(a)は、電線に取り付けるときの状態を示す斜視図であり、(b)は、正面図である。
【
図5(a)(b)(c)(d)】(a)(b)(c)(d)は、
図4(a)(b)に示す鳥害防止具の電線に対する取付手順を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の鳥害防止具の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施による鳥害防止具は、
図1(a)(b)のように、複数の起立体2,2aと、各起立体2,2aを繋ぐラインロープ(ライン材)3と、各起立体2,2aを取り付ける連装部材1とを備えている。このうち起立体2,2aは、ラインロープ3の長手方向の両端に繋ぐもの(符号2)と、ラインロープ3の中間に繋ぐもの(符号2a)があるが、本実施ではいずれも同一の構成のものを使用していることから、まとめて説明する。起立体2,2aは、電線取付部4と離隔部5とからなっている。電線取付部4は、電線Dを囲む電線受け部材6と、電線押圧部材7とからなっている。電線受け部材6は、上片と下片と縦片とから、ほぼコ字型をなしている。さらに、電線受け部材6の開放側には、開閉可能な蓋部材8を有しており、開放口から電線受け部材6の内周側に受け入れた電線Dを蓋部材8で閉塞することによって、電線Dを離脱させなくできる。電線押圧部材7は、棒状をなしている。さらに、電線押圧部材7の長手方向の一端部には、電線Dを押すための押圧部7aを有しており、長手方向の他端部には、間接活線把持具9に取り付けできる被取付部7bを有している。そして、押圧部7aは、電線受け部材6の下片に対して上下に挿通しており、電線押圧部材7を電線受け部材6の内周側に配するとともに、電線受け部材6の外周側には間接活線把持具9で掴むことのできるヒレ状をなす被把持部12を配している。さらに、離隔部5は、電線取付部4の上部からほぼ垂直に起立するロープ受け部13と、ロープ受け部13の上下の任意の位置でラインロープ3を挟んで固定できるロープ押さえ部14とから構成するものである。ロープ受け部13とロープ押さえ部14は、ネジ15で締め付けることでロープ受け部13がロープ押さえ部14側に引き寄せられてラインロープ3を挟み込む構造をなす。また、離隔部5の頂部には、鳥の立ち止まりを防ぐ鳥返し16が設けてあり、頂部を尖らせることにより離隔部5に鳥が立ち止らないようにしてある。さらに、ラインロープ3は、本実施形態では樹脂材料で成形されたものを使用しており、絶縁性を有するとともに一定以上の引張り強度と剪断耐力のある強靭な材質が選定されている。
【0011】
連装部材1は、
図2(b)のように、横長方形をなすダンボール紙を使用している。さらに、連装部材1には、電線Dの長手方向に間隔をあけて起立体保持部10a,10bを有している。起立体保持部10a,10bは、ダンボール紙を切り抜いて開口した起立体取付孔10aと、その起立体取付孔10aと一対で且つ平行位置に間隔を設けたロープ保持部10bとを有している。起立体取付孔10aは、下向き凸状をなしており、下部の幅の狭い孔には起立体2,2aの被把持部12が差し込まれるとともに、上記の被把持部12を係止して落下しないようにするものである。ロープ保持部10bは、
図2(a)のように、連装部材1の一部を切り起こしたダンボール片にロープ通し孔20を貫通し、さらに、ロープ通し孔20から上方に向けて切れ込み線21を設けている。そのロープ通し孔20に束ねたラインロープ3を通して保持させるものである(
図1(a)もあわせて参照)。そして、束ねたラインロープ3はロープ通し孔20に通した後に弾性復帰することから、ロープ通し孔20から不意に落ちずにロープ保持部10bで保持される。また、連装部材1は、上部を折り曲げ線22で折り曲げてあり、その折り曲げ部1aには、間隔をあけて上部通し孔11が設けてある。また、上部通し孔11から上方に向けて切れ込み線11aが設けてある。これにより、上部通し孔11のそれぞれに起立体2,2aの鳥返し16を挿通し、折り曲げ部1aで起立体2,2aの上部を支持することで、各起立体2,2aをほぼ一列に配置することができる。また、連装部材1から起立体2,2aが離脱するときに、鳥返し16が上部通し孔11から切れ込み線11aに沿って外れる構造となっている。さらに、本実施による連装部材1は、ダンボール紙で形成しているが、このようにダンボール紙を使用することで、鳥害防止具の電線Dへの取付作業の後に残った連装部材1を容易に廃棄することができる。尚、折り曲げ線22は、必ずしも設ける必要はなく、連装部材1に使用するダンボール材の厚みが薄いものであれば、そのまま折り曲げてもよい。
【0012】
上記の連装部材1に対して起立体2を取り付けるとき、起立体2,2aから側方に突出する被把持部12を連装部材1の起立体取付孔10aに挿通し、起立体2,2aを連装部材1の一側面に当接して支持する。さらに、連装部材1の折り曲げ部1aに設けてある上部通し孔11に対し、起立体2,2aの鳥返し16を通すことにより、連装部材1の二箇所で起立体2,2aを支持する。さらに、複数の起立体2,2a間に配置してあるラインロープ3は、束ねて絡まらないように小さく纏めるとともに、連装部材1のロープ保持部10bで保持する。これにより、連装部材1に複数の起立体2,2aとラインロープ3をまとめて取り付けることができ、複数の起立体2,2aとラインロープ3がパッケージングされた鳥害防止具が形成される。
【0013】
上記の鳥害防止具を電線Dに設置するときの手順を
図3(a)〜(d)に示す。
第一の手順として、
図3(a)のように、鳥害防止具のいずれかの起立体2,2aの被把持部12を間接活線把持具9で掴んで電線Dの近くまで運ぶ。さらに、すべての起立体2,2aの電線取付部4を電線Dに引っ掛け、蓋部材8を閉めて電線取付部4の内周に電線Dを包囲する。
第二の手順として、
図3(b)のように、複数の起立体2,2aのうち、最端に配してある起立体2の電線押圧部材7の被取付部7bを間接活線把持具9で回転し、電線Dに対して最端に配してある起立体2を固定する。さらに、他の起立体2、2aのいずれかの被把持部12を間接活線把持具9で掴んで電線Dの長手方向に移動させることで、最端に配される起立体2が連装部材1から外れる。このまま、連装部材1を移動させることで、最端に配される起立体2と隣接する他の起立体2,2a間のラインロープ3が張った状態となる。
第三の手順として、
図3(c)のように、最端から2番目に配置する起立体2aの電線押圧部材7を間接活線把持具9で回して固定する。さらに、連装部材1を電線Dの長手方向に移動させて最端から2番目の起立体2aと同じく最端から3番目の起立体2aの間のラインロープ3を張った状態とする。
第四の手順として、
図3(d)のように、すべての起立体2,2aを電線Dに取り付けた後、最後の起立体2から間接活線把持具9で連装部材1を取り外すことにより、電線Dにほぼ平行してラインロープ3が張られ、これにより、電線Dに対する鳥害防止具の取り付けが完了する。
【0014】
上記のように本実施による鳥害防止具を形成することにより、以下に示す作用、効果を奏することになる。板状をなす連装部材1のいずれか一側面にラインロープ3で一続きに繋がれた複数の起立体2,2aをほぼ平行に配置し、連装部材1の起立体取付孔10aと上部通し孔11の二箇所で各起立体2,2aを脱着可能に支持している。さらに、ラインロープ3も連装部材1のいずれかの一側面に纏められている。
これにより、電線Dに取り付ける全ての起立体2,2aとラインロープ3を繋いで組み立てた状態で、且つ連装部材1の一側面に一纏めにした状態で間接活線把持具9により電線Dの近傍まで近付け、さらに、すべての起立体2,2aを一度の工程で電線Dに仮置きすることができる。したがって、鳥害防止具の電線Dに対する設置が容易になり、バケット車の作業者が短絡事故の危険を感じることなく作業ができる。さらに、鳥害防止具を電線Dに取り付け後に残った連装部材1は、ダンボール紙を使用していることで簡単に廃棄できるものである。
【0015】
本発明の鳥害防止具の他の実施形態として、
図4(a)(b)のように、両端の起立体2を電線Dに取り付けるものとし、中間に配置される起立体2bは、電線Dを挿通する構成としたものである。このうち、電線Dの両端に配置される各起立体2については、上記実施形態のものと同一の構造であるから、説明を省略する。そして、両端の各起立体2間に配置される各起立体2bは、
図4(a)のように、リング状をなす電線挿通部33を有しており、この電線挿通部33は、ヒンジ34で開閉自在に形成してある。また、電線挿通部33は、間接活線把持具9の操作により開閉されるもので、これを閉じたときには、一方と他方のC字またはコ字型の部材が上下に嵌合してリング状を維持することになる。
【0016】
上記の鳥害防止具を電線Dに設置するときの手順を
図5(a)〜(d)及び
図1(b)に基づいて説明する。
第一の手順として、
図5(a)のように、いずれかの起立体2,2bの被把持部(図示省略)12を間接活線把持具9で掴んで電線Dの近くまで運ぶ。さらに、両端に配置される起立体2と、中間に配置される起立体2bを電線Dに仮置きの状態で引っ掛ける。このとき、最端に配してある起立体2の蓋部材8を閉めるとともに、中間の起立体2bの電線挿通部33を閉じることで、電線取付部4および電線挿通部33の内周側で電線Dを包囲する(
図1(b)もあわせて参照)。
第二の手順として、
図5(b)のように、複数の起立体2,2bのうち、最端に配してある起立体2の電線押圧部材7の被取付部7b(
図1(b)参照)を間接活線把持具9の操作で電線Dに起立体2を取り付ける。さらに、他の起立体2,2bのいずれかの被把持部12を間接活線把持具9で掴んで電線Dの長手方向に沿って移動させることで、最端に配される起立体2が連装部材1の起立体取付孔10aから外れる。このまま、連装部材1を移動させることで、
図5(c)のように、最端に配される起立体2と隣接する他の起立体2b間のラインロープ3が張った状態となる。
第三の手順として、
図5(d)のように、すべての起立体2,2bをラインロープ3が張った状態で電線Dに取り付けた後、最後の起立体2の被取付部7bを間接活線把持具9の操作で電線Dに取り付ける。その後、連装部材1を取り外すことにより、電線Dにほぼ平行してラインロープ3が張られ、これにより、電線Dに対する鳥害防止具の取り付けが完了する。
【0017】
本発明の鳥害防止具は、上記実施形態で連装部材1をダンボール紙で形成したが、樹脂板やゴム板であってもよい。さらに、形状についても上記実施形態では方形にカットされた板状のものを使用しているが、円形、棒状あるいは帯状と、複数の起立体2,2a,2bを一続きに取り付けることができるものであればよい。また、起立体取付孔10aや上部通し孔11は、起立体2,2a,2bの形状や大きさに対応して適宜変更してもよい。さらに、ラインロープ(ライン材)3を連装部材1に保持させる手段についても、その形状や大きさについては限定するものではなく、また、必ずしも連装部材1に設けなくていなくてもよい。さらに、起立体2,2a,2bは、上記の実施形態のもの以外でもよく、連装部材1に簡単に取り付けることのできる形態であればよい。また、ロープ保持部10bや上部通し孔11の切れ込み線11a,21、折り曲げ線22は、連装部材1を引っ張れば各起立体2,2a,2bが外れる程度の保持力であることから必ずしも設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0018】
1 連装部材
1a 折り曲げ部
2 最端に配してある起立体
2a 中間に配してある電線に固定する態様の起立体
2b 中間に配してある電線に挿通する態様の起立体
3 ラインロープ(ライン材)
4 電線取付部
5 離隔部
6 電線受け部材
7 電線押圧部材
7a 押圧部
7b 被取付部
8 蓋部材
9 間接活線把持具
10a 起立体取付孔(起立体保持部)
10b ロープ保持部(起立体保持部)
11 上部通し孔
11a 切れ込み線
12 被把持部
13 ロープ受け部
14 ロープ押さえ部
15 ネジ
16 鳥返し
20 ロープ通し孔
21 切れ込み線
22 折り曲げ線
33 電線挿通部
34 ヒンジ
D 電線