(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記演算部は、当該超音波包装機に被包装物を供給せずに予め行われた前記包装フィルムのシール時に取得された前記周波数関連情報に基づいて、前記包装条件の違いに応じた前記発振周波数を演算する、
請求項1又は2に記載の超音波包装機。
前記演算部は、過去に当該超音波包装機に被包装物を供給して行われた前記包装フィルムのシール時に取得された前記周波数関連情報に基づいて、前記包装条件の違いに応じた前記発振周波数を演算する、
請求項1又は2に記載の超音波包装機。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る超音波包装機の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0022】
(1)全体構成
図1は、本発明に係る超音波包装機の一実施形態としての製袋包装機3を含む計量包装装置1の斜視図である。
図2は、製袋包装機3に含まれる製袋包装ユニット3aの概略構成を示す斜視図である。
図3は、製袋包装機3のブロック図である。
【0023】
計量包装装置1は、組合せ計量機2および製袋包装機3を有する(
図1参照)。製袋包装機3は、製袋包装ユニット3a(
図1参照)、フィルム供給ユニット3b(
図1参照)、コントローラ90(
図3参照)を備える。
【0024】
組合せ計量機2は、製袋包装ユニット3aの上方に配置される(
図1参照)。組合せ計量機2では、物品C(被包装物)の重量が複数の計量ホッパで計量され、これらの計量値が所定の合計重量になるように組み合わせられ、組み合わされた所定の合計重量の物品Cが下方に排出される。
【0025】
製袋包装機3の製袋包装ユニット3aは、組合せ計量機2から物品Cが供給されるタイミングにあわせて、物品Cの袋詰めを行う。フィルム供給ユニット3bは、製袋包装ユニット3aに、袋Bとなる包装用のフィルムFを供給する。製袋包装機3のコントローラ90は、製袋包装ユニット3aおよびフィルム供給ユニット3bの動作を制御する。
【0026】
計量包装装置1には、計量包装装置1を操作するための操作スイッチ4が設けられる(
図1参照)。また、計量包装装置1には、計量包装装置1の動作状態を表示し、計量包装装置1に対する様々な設定の入力等を受け付ける、タッチパネル式ディスプレイ5が設けられる(
図1参照)。操作スイッチ4およびタッチパネル式ディスプレイ5は、組合せ計量機2および製袋包装機3に対する指示や、組合せ計量機2および製袋包装機3に関する設定等を受け付ける入力部として機能する。また、タッチパネル式ディスプレイ5は、組合せ計量機2および製袋包装機3に関する各種情報を表示する出力部として機能する。なお、本実施形態では、操作スイッチ4およびタッチパネル式ディスプレイ5は、組合せ計量機2および製袋包装機3で共用されるが、これに限定されるものではなく、機器別に操作スイッチおよびタッチパネル式ディスプレイが設けられてもよい。
【0027】
操作スイッチ4やタッチパネル式ディスプレイ5は、組合せ計量機2の動作を制御するコントローラ2aと、製袋包装機3の動作を制御するコントローラ90と、に電気的に接続されている(
図3参照)。コントローラ2aおよびコントローラ90は、操作スイッチ4やタッチパネル式ディスプレイ5に対する入力に基づいて、組合せ計量機2および製袋包装機3をそれぞれ制御する。また、コントローラ2aおよびコントローラ90は、組合せ計量機2および製袋包装機3に設置されている各種センサ(図示せず)から必要な情報を取り込み、その情報を用いて、組合せ計量機2および製袋包装機3をそれぞれ制御する。なお、本実施形態では、組合せ計量機2および製袋包装機3が、それぞれコントローラ2aおよびコントローラ90を有するが、これに限定されるものではない。個別のコントローラ2a,90に代えて、組合せ計量機2および製袋包装機3の両方を制御するコントローラが設けられてもよい。
【0028】
(2)製袋包装機の詳細構成
製袋包装機3について詳細を説明する。
【0029】
なお、以下の説明では、方向を表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合があるが、ここでは、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」を
図2のように定義する。特記しない場合には、
図2の定義に従って、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する。また、「上流」、「下流」という表現を使用する場合があるが、特記しない場合には、「上流」、「下流」はフィルムFの搬送方向を基準とする。
【0030】
(2−1)製袋包装ユニット
以下に、製袋包装ユニット3aについて説明する。
【0031】
製袋包装ユニット3aは、主に、成形機構13と、プルダウンベルト機構14と、縦シール機構20と、横シール機構30と、を有する(
図2参照)。
【0032】
成形機構13は、フィルム供給ユニット3bから搬送されてくるシート状のフィルムFを筒状に成形する。プルダウンベルト機構14は、筒状となったフィルムF(以下、筒状フィルムFcと呼ぶ)を下方に搬送する。縦シール機構20は、筒状フィルムFcの重ね合わせ部分(合せ目)を縦方向にシールする。横シール機構30は、下方に向かって搬送される筒状フィルムFcを横方向にシールすることで、言い換えれば、下方に向かって搬送される筒状フィルムFcを搬送方向と交差する方向に沿ってシールすることで、袋Bの上下端を封止する。
【0033】
(2−1−1)成形機構
成形機構13は、チューブ13bと、フォーマ13aとを有する。
【0034】
チューブ13bは、筒状の部材であり、上下端が開口している。このチューブ13bの上端の開口部には、組合せ計量機2で計量された物品Cが投入される。
【0035】
フォーマ13aは、チューブ13bを取り囲むように配置されている。フィルム供給ユニット3bのフィルムロールから繰り出されてきたシート状のフィルムFは、フォーマ13aとチューブ13bとの間を通る時に筒状に成形される。成形機構13のチューブ13bおよびフォーマ13aは、製造する袋Bの大きさに応じて取り替え可能である。
【0036】
(2−1−2)プルダウンベルト機構
プルダウンベルト機構14は、チューブ13bに巻き付いた筒状フィルムFcを吸着して下方に連続搬送する。プルダウンベルト機構14は、
図2に示すように、チューブ13bの左右にチューブ13bを挟むように配置された一対のベルト14cを有する。プルダウンベルト機構14では、吸着機能を有するベルト14cが、駆動ローラ14aおよび従動ローラ14bによって回転されることで、筒状フィルムFcが下方に搬送される。なお、
図2では、駆動ローラ14a等を回転させるローラ駆動モータの図示を省略している。
【0037】
(2−1−3)縦シール機構
縦シール機構20は、プルダウンベルト機構14によって下方に搬送される筒状フィルムFcの、筒状フィルムFcの重ね合わせ部分(合せ目)を、縦方向(
図2中では上下方向)に超音波シールする。
【0038】
縦シール機構20は、ホーン21と、アンビル22と、超音波振動子23と、超音波発振器24と、エアシリンダ25と、を主に有する(
図3および
図4参照)。
【0039】
ホーン21は、チューブ13bの正面側に配置される(
図4参照)。ホーン21は、超音波振動子23に連結されている(
図4参照)。ホーン21は、超音波振動子23が発生させた超音波が伝達されることで、超音波振動する。超音波発振器24は、電源から供給される比較的低周波(例えば、50Hzや60Hz)の電気信号を、高周波(例えば、20kHz)の電気信号に変換して出力する。超音波振動子23は、超音波発振器24が出力する高周波の電気信号が印加されると、印加された電気信号を機械的な振動エネルギーに変換し、超音波を発生する。
【0040】
なお、超音波発振器24は、後述するような外部からの修正値の入力がない場合、超音波振動子23が後述する基本周波数で発振するような高周波の電気信号を出力するように構成されている。また、超音波発振器24は、外部から(具体的にはコントローラ90から)修正値の入力がある場合には、超音波振動子23が基本周波数に修正値を加えた発振周波数で発振するような高周波の電気信号を出力するように構成されている。修正値については後述する。なお、筒状フィルムFcのシール時の、超音波振動子23の発振周波数は、コントローラ90により制御される。コントローラ90による超音波振動子23の発振周波数の制御については後述する。
【0041】
また、超音波発振器24は、超音波振動子23の実際の振動の周波数(運転周波数)に応じた運転周波数相当信号を出力可能に構成されている。
【0042】
アンビル22は、チューブ13bの外周面の正面側に取り付けられている(
図4参照)。アンビル22は、ホーン21の先端面と対向して配置される(
図4参照)。
【0043】
エアシリンダ25は、超音波振動子23の上方に配置されている(
図4参照)。エアシリンダ25は、ホーン21を、アンビル22に向かって近づくように、又は、アンビル22から遠ざかるように、水平方向に往復動させる。言い換えれば、エアシリンダ25は、ホーン21を、前後方向に往復動させる。エアシリンダ25が、ホーン21をアンビル22に向かって移動させることで、筒状フィルムFcの重ね合わせ部分(合せ目)が、ホーン21とアンビル22との間に挟み込まれ、加圧される。ホーン21とアンビル22との間に筒状フィルムFcが挟み込まれた状態で、ホーン21が超音波振動させられると、筒状フィルムFcが超音波振動によって加熱して溶融し、筒状フィルムFcの重ね合わせ部分が超音波シールされる。
【0044】
(2−1−4)横シール機構
横シール機構30は、下向きに搬送される筒状フィルムFcを、筒状フィルムFcの搬送方向と交差する方向に沿って横シールする。
【0045】
横シール機構30は、主に、第1回転体50a(
図5参照)、第2回転体50b(
図5参照)、水平方向駆動機構55(
図5参照)、および超音波発振器40a,40b(
図3参照)を有する。第1回転体50aは、筒状フィルムFcの背面側に配置される(
図5では左側)。第2回転体50bは、筒状フィルムFcの正面側に配置される(
図5では右側)。水平方向駆動機構55は、第1回転体50aおよび第2回転体50bを、互いに近づくように、又は、互いに遠ざかるように、前後方向(
図5では左右方向)に水平に動かす。
【0046】
第1回転体50aは、超音波シール用の第1ホーン51aおよび第2アンビル52bを有する(
図5参照)。また、第1回転体50aは、第1ホーン51aに連結された第1超音波振動子41を有する(
図7参照)。第2アンビル52bは、第1ホーン51aと、第1回転体50aの回転軸A1回りに180°離れた位置に配置されている(
図5参照)。第2回転体50bは、超音波シール用の第1アンビル51bおよび第2ホーン52aを有する(
図5参照)。また、第2回転体50bは、第2ホーン52aに連結された第2超音波振動子42を有する(
図7参照)。第2ホーン52aは、第1アンビル51bと、第2回転体50bの回転軸A2回りに180°離れた位置に配置されている(
図5参照)。
【0047】
後述するように、第1回転体50aと第2回転体50bとが、それぞれ回転軸A1,A2周りに回転されることで、第1ホーン51aおよび第1アンビル51b、又は、第2ホーン52aおよび第2アンビル52b、との間で筒状フィルムFcが挟み込まれ、筒状フィルムFcが横シールされる。
【0048】
第1回転体50aおよび第2回転体50bについてより詳しく説明する。
【0049】
第1回転体50aは、
図7のように、旋回軸64および旋回軸65と、旋回軸64に回転可能に支持されているレバー61dおよびレバー62dと、旋回軸65に回転可能に支持されているレバー61eおよびレバー62eと、を有する。旋回軸64は、第1回転体50aの左側に配置された、後述する第1水平移動板71a(
図5参照)と固定されている。旋回軸65は、第1回転体50aの右側に配置された、後述する第1水平移動板71aと固定されている。第1ホーン51aの左側端部は、旋回軸64に支持されるレバー61dの端部と固定されている(
図7参照)。第1ホーン51aの右側端部は、旋回軸65に支持されるレバー61eの端部と固定されている(
図7参照)。また、第2アンビル52bの左側端部は、旋回軸64に支持されるレバー62dの端部と固定されている(
図7参照)。第2アンビル52bの右側端部は、旋回軸65に支持されるレバー62eの端部と固定されている(
図7参照)。
【0050】
第2回転体50bは、
図7のように、旋回軸66および旋回軸67と、旋回軸66に回転可能に支持されているレバー61fおよびレバー62fと、旋回軸67に回転可能に支持されているレバー61gおよびレバー62gと、を有する。旋回軸66は、第2回転体50bの左側に配置された、後述する第2水平移動板71b(
図5参照)と固定されている。旋回軸67は、第2回転体50bの右側に配置された、後述する第2水平移動板71bと固定されている。第1アンビル51bの左側端部は、旋回軸66に支持されるレバー61fの端部と固定されている(
図7参照)。第1アンビル51bの右側端部は、旋回軸67に支持されるレバー61gの端部と固定されている(
図7参照)。また、第2ホーン52aの左側端部は、旋回軸66に支持されるレバー62fの端部と固定されている(
図7参照)。第2ホーン52aの右側端部は、旋回軸67に支持されるレバー62gの端部と固定されている(
図7参照)。
【0051】
第1回転体50aおよび第2回転体50bは、それぞれ駆動モータ54a,54bを有する(
図3参照)。第1回転体50aおよび第2回転体50bは、駆動モータ54a,54bにより駆動され、横シール方向(左右方向)に延びる回転軸A1,A2周りをそれぞれ回転する(
図7参照)。これにより、第1ホーン51aおよび第2アンビル52bは回転軸A1周りを、第1アンビル51bおよび第2ホーン52aは回転軸A2周りを、それぞれ回転する(
図6参照)。なお、第1回転体50aは、
図6のように、左側面から見た場合、回転軸A1周りを時計方向に回転する。一方、第2回転体50bは、
図6のように、左側面から見た場合、回転軸A2周りを反時計方向に回転する。
【0052】
水平方向駆動機構55は、以下のように、第1回転体50aおよび第2回転体50bを、前後方向に駆動する。
【0053】
第1回転体50aは、左右方向において、その両端を、第1水平移動板71a(
図5参照)により支持されている。より具体的には、第1回転体50aの旋回軸64,65は、第1水平移動板71aにより支持されている。また、第2回転体50bは、左右方向において、その両端を、第2水平移動板71b(
図5参照)により支持されている。より具体的には、第2回転体50bの旋回軸66,67は、第2水平移動板71bにより支持されている。水平方向駆動機構55は、第1水平移動板71aおよび第2水平移動板71bを、側面視において、互いに近接又は離反するように駆動する(
図5の矢印参照)。
【0054】
水平方向駆動機構55について詳細に説明する。
【0055】
水平方向駆動機構55は、サーボモータ80、ボールねじ80a、第1ナット81、第2ナット82、第1連結ロッド85、および第2連結ロッド86を有する(
図5参照)。
【0056】
ボールねじ80aは、サーボモータ80(
図5参照)によって駆動されて回転する。第1ナット81および第2ナット82は、ボールねじ80aに螺合する。ボールねじ80aが第1ナット81と螺合する部分と、ボールねじ80aが第2ナット82と螺合する部分とは、互いに逆ねじになっている。第1連結ロッド85は、第1ナット81と第2水平移動板71bとを接続している。
図5では、左側から見た側面図しか図示されていないが、図示されない右側に配置される第2水平移動板71bも、第1連結ロッド85により、第1ナット81と接続されている。第1連結ロッド85は、第1水平移動板71aとは接続されておらず、第1水平移動板71aをスライド自在に貫通して延びる。第1連結ロッド85は、第1水平移動板71aおよび第2水平移動板71bの移動方向に沿って(
図2における前後方向に)延びるように設けられている。第2連結ロッド86は、第2ナット82と第1水平移動板71aとを接続している。
図6では、左側から見た側面図しか図示されていないが、図示されない右側に配置される第1水平移動板71aも、第2連結ロッド86により、第2ナット82と接続されている。第2連結ロッド86も、第1連結ロッド85と同様に、第1水平移動板71aおよび第2水平移動板71bの移動方向に沿って(
図2における前後方向に)延びるように設けられている。
【0057】
サーボモータ80によってボールねじ80aが回転させられると、第1水平移動板71aおよび第2水平移動板71bは、側面視において互いに近接したり、離反したりするように水平移動する(
図5の矢印参照)。
【0058】
水平方向駆動機構55による第1回転体50aおよび第2回転体50bの水平移動と、第1回転体50aおよび第2回転体50bの回転運転とが組み合わされて、第1ホーン51a、第2アンビル52b、第1アンビル51bおよび第2ホーン52aは、側面視においてD字状に旋回駆動される(
図6に二点鎖線で示したホーンとアンビルとの軌跡を参照。旋回方向は、二点鎖線部分に示した矢印参照)。対となるホーンおよびアンビル、すなわち、第1ホーン51aおよび第1アンビル51b、あるいは、第2ホーン52aおよび第2アンビル52bは、正面側と背面側とから筒状フィルムFcを所定の圧力で挟みながら上下方向に直線的に移動する間に、超音波シールを行う。
【0059】
第1ホーン51aと第1アンビル51bとによる、あるいは、第2ホーン52aと第2アンビル52bとによる、超音波シールについて更に説明する。
【0060】
前述のように第1ホーン51aおよび第2ホーン52aは、それぞれ、第1超音波振動子41および第2超音波振動子42に連結されている。第1超音波振動子41および第2超音波振動子42は、それぞれ、超音波発振器40a,40bと電気的に接続されている。超音波発振器40a,40bは、電源から供給される比較的低周波(例えば、50Hzや60Hz)の電気信号を、高周波(例えば、20kHz)の電気信号に変換して出力する。第1および第2超音波振動子41,42は、超音波発振器40a,40bが出力する高周波の電気信号が印加されると、印加された電気信号を機械的な振動エネルギーに変換し、超音波を発生する。
【0061】
なお、超音波発振器40a,40bは、後述するような外部からの修正値の入力がない場合、第1および第2超音波振動子41,42が後述する基本周波数で振動するような高周波の電気信号を出力するように構成されている。また、超音波発振器40a,40bは、外部から(具体的にはコントローラ90から)修正値の入力がある場合には、第1および第2超音波振動子41,42が基本周波数に修正値を加えた発振周波数で発振するような高周波の電気信号を出力するように構成されている。修正値については後述する。
【0062】
また、超音波発振器40a,40bは、第1超音波振動子41および第2超音波振動子42の実際の振動の周波数(運転周波数)に応じた運転周波数相当信号を出力可能に構成されている。
【0063】
第1ホーン51aは、第1超音波振動子41が発生させた超音波が伝達されることで、第2ホーン52aは、第2超音波振動子42が発生させた超音波が伝達されることで、超音波振動する。なお、筒状フィルムFcのシール時の、第1および第2超音波振動子41,42の発振周波数は、コントローラ90により制御される。コントローラ90による第1および第2超音波振動子41,42の発振周波数の制御については後述する。
【0064】
第1ホーン51aと第1アンビル51bとが、筒状フィルムFcを所定の圧力で挟みながら上下方向に直線的に移動する間に、第1ホーン51aが超音波振動させられると、筒状フィルムFcが超音波振動によって加熱して溶融し、筒状フィルムFcが横方向に超音波シールされる。第2ホーン52aと第2アンビル52bとが、筒状フィルムFcを所定の圧力で挟みながら上下方向に直線的に移動する間に、第2ホーン52aが超音波振動させられると、筒状フィルムFcが超音波振動によって加熱して溶融し、筒状フィルムFcが横方向に超音波シールされる。
【0065】
筒状フィルムFcが、第1ホーン51aと第1アンビル51bとの間で、あるいは、第2ホーン52aと第2アンビル52bとの間で、横シールされた後、第1アンビル51bおよび第2アンビル52bにそれぞれ設けられたナイフ53(
図7参照)により、包装済みの袋Bが筒状フィルムFcから切り離され、袋Bが製袋包装機3の下方から排出される。
【0066】
なお、製袋包装機3では、第1ホーン51aと第1アンビル51bとの間、および、第2ホーン52aと第2アンビル52bとの間で、筒状フィルムFcが挟みこまれる直前に、第1ホーン51aと第1アンビル51bとの間、および、第2ホーン52aと第2アンビル52bとの間で、筒状フィルムFcをしごく、しごき動作が実行される。
【0067】
しごき動作とは、第1ホーン51aと第1アンビル51bとの間、および、第2ホーン52aと第2アンビル52bとの間に、微小隙間(例えば1mm)を保ちながら、第1ホーン51aおよび第1アンビル51bを、又は、第2ホーン52aと第2アンビル52bとを直線的に下方に移動させる動作である。しごき動作を横シール前に行うことで、筒状フィルムFcの横シール部分に物品Cが噛み込まれることを防止できる。
【0068】
(2−2)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット3bは、製袋包装ユニット3aの成形機構13に対してシート状のフィルムFを供給するユニットである。フィルム供給ユニット3bは、製袋包装ユニット3aに隣接して設けられている。フィルム供給ユニット3bにはフィルムFが巻かれたロール(図示せず)がセットされ、このロールからフィルムFが繰り出される。
【0069】
(2−3)コントローラ
コントローラ90は、製袋包装機3の各部の動作を制御する。
【0070】
コントローラ90は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等を構成として有する。コントローラ90は、フラッシュメモリ内のプログラムを読み出して実行することにより、製袋包装機3の各部の動作を制御する。なお、コントローラ90の構成は、例示であり、これに限定されるものではない。コントローラ90は、製袋包装機3の各部の動作を、以下のように制御可能なものであればよい。
【0071】
コントローラ90は、製袋包装ユニット3aと、電気的に接続されている。具体的には、コントローラ90は、製袋包装ユニット3aが有する、プルダウンベルト機構14と、縦シール機構20のエアシリンダ25および超音波発振器24と、横シール機構30のサーボモータ80、駆動モータ54a,54b、および超音波発振器40a,40bと、電気的に接続されている(
図3参照)。また、コントローラ90は、フィルム供給ユニット3bと、電気的に接続されている(
図3参照)。コントローラ90は、電気的に接続されたこれらの構成の動作を制御する。
【0072】
また、コントローラ90は、操作スイッチ4およびタッチパネル式ディスプレイ5と接続され(
図3参照)、操作スイッチ4およびタッチパネル式ディスプレイ5から各種信号や各種情報を受け付け、タッチパネル式ディスプレイ5に製袋包装機3の動作状態等の各種情報を出力する。また、コントローラ90は、組合せ計量機2のコントローラ2aとも電気的に接続され(
図3参照)、コントローラ2aが送信する各種情報を受信すると共に、コントローラ2aに各種情報を送信する。
【0073】
コントローラ90は、機能の1つとして、筒状フィルムFcの縦シール時および横シール時に、縦シール機構20の超音波振動子23と、横シール機構30の第1および第2超音波振動子41,42と、を、それぞれ所定の発振周波数(後述する演算部92により演算された好適な発振周波数)で振動させる。コントローラ90が実行する、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42とを、それぞれ所定の発振周波数で振動させるための制御については後述する。
【0074】
なお、コントローラ90は、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42とを、それぞれ所定の発振周波数で振動させるために用いる機能部として、設定記憶部91および演算部92を有する。
【0075】
(2−3−1)設定記憶部
設定記憶部91には、製袋包装機3の包装条件と、その包装条件に対して演算部92が演算した、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42との発振周波数に関する情報が記憶される。超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42と、の発振周波数に関する情報については後述する。製袋包装機3の包装条件には、例えば、以下の項目が含まれる。ただし、下記の包装条件は、例示であり、これらの項目を全て含む必要はない。また、包装条件は、下記の項目の内容に限定される必要もない。
1)製袋される袋Bのサイズ(例えば、長さおよび幅)
2)包装フィルム(フィルムF)の種類(例えば、材質や厚み)
3)製袋能力(製袋包装機3により1分間当たりに製袋される袋Bの数量)
4)縦シールおよび横シールの、それぞれのシール時間
5)横シール機構30のしごき動作のしごき長およびしごき幅
6)縦シール機構20および横シール機構30のシール圧(対となるホーンとアンビルとの間に筒状フィルムFcを挟み込む圧力)
7)超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42との、それぞれの振幅
8)超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42との、それぞれの振動時間
【0076】
(2−3−2)演算部
演算部92は、製袋包装機3の試運転時(実運転前)に予め実行された、筒状フィルムFcのシール時に取得された周波数関連情報に基づいて、包装条件の違いに応じた好適な発振周波数を演算する。より具体的には、演算部92は、製袋包装機3の試運転時に予め実行された筒状フィルムFcのシール時に取得された周波数関連情報に基づいて、基本周波数に対する修正値を算出することで、包装条件の違いに応じた好適な発振周波数を演算する。発振周波数は、基本周波数と修正値との和で表される。
【0077】
なお、基本周波数は、超音波シールに用いられるホーン21、および、第1および第2ホーン51a,52aの形状等によってそれぞれ初期設定されている、基本となる、超音波振動子23、および、第1および第2超音波振動子41,42の発振の周波数である。また、好適な発振周波数は、製袋包装機3の実運転時に用いられることが望ましい発振の周波数である。
【0078】
演算部92が、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42と、についてそれぞれ好適な発振周波数を演算し、コントローラ90が、製袋包装機3の実運転時に、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42とを、それぞれ演算された好適な発振周波数で発振させることが望ましい理由について、以下に説明する。
【0079】
筒状フィルムFcを、ホーン21とアンビル22との間で挟み込み、超音波振動子23を超音波振動子23用の基本周波数で発振させて超音波シールを行う場合、超音波発振器24が超音波振動子23に印加する電気信号の周波数を変更しなくても、超音波シール中に、超音波振動子23の振動の周波数(運転周波数)が基本周波数に対して変動する。また、筒状フィルムFcを、第1ホーン51aと第1アンビル51bとの間、又は、第2ホーン52aと第2アンビル52bとの間で挟み込み、第1又は第2超音波振動子41,42を第1および第2超音波振動子41,42用の基本周波数で発振させて超音波シールを行う場合、超音波発振器40a,40bが第1又は第2超音波振動子41,42に印加する電気信号を変更しなくても、超音波シール中に、第1又は第2超音波振動子41,42の振動の周波数(運転周波数)が基本周波数に対して変動する。そして、包装条件((2−3−1)参照)によっては、超音波振動子23、又は、第1および第2超音波振動子41,42の運転周波数が、適正範囲を外れる場合がある。そこで、超音波振動子23、又は、第1および第2超音波振動子41,42の運転周波数が、適正範囲を外れることを避けるため、包装条件の違いに応じて、基本周波数が修正され、好適な発振周波数に調整されることが望ましい。
【0080】
なお、超音波振動子23の運転周波数の変動には、例えば、袋Bのサイズ、フィルムFの種類、縦シールのシール時間、縦シール機構20のシール圧、超音波振動子23の振幅および振動時間等の包装条件が、影響する。第1および第2超音波振動子41,42の運転周波数の変動には、例えば、袋Bのサイズ、フィルムFの種類、横シールのシール時間、横シール機構30のしごき動作のしごき長およびしごき幅、横シール機構30のシール圧、第1および第2超音波振動子41,42の振幅および振動時間等の包装条件が、影響する。
【0081】
以下に、演算部92による好適な発振周波数の演算処理について、
図8のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、演算部92による、第1および第2超音波振動子41,42の好適な発振周波数f2(基本周波数f0+修正値f1)の演算を例に説明する。演算部92による、超音波振動子23の好適な発振周波数の演算処理は、第1および第2超音波振動子41,42の好適な発振周波数f2の演算処理と同様であるので、説明は省略する。
【0082】
まずステップS1では、タッチパネル式ディスプレイ5から、これから好適な発振周波数を演算しようとする、対象となる包装条件の入力が行われる。入力された包装条件は、設定記憶部91に記憶される。その後、ステップS2に進む。
【0083】
ステップS2では、演算部92が、発振周波数f2の演算に用いられる、周波数関連情報の取得処理を行う。
【0084】
ステップS1の周波数関連情報の取得処理は、タッチパネル式ディスプレイ5に、周波数関連情報の取得処理を行う旨の指令(周波数関連情報取得指令)が入力されることで開始される。周波数関連情報取得指令がタッチパネル式ディスプレイ5に入力されると、組合せ計量機2は運転されず、製袋包装機3のみが運転される。つまり、製袋包装機3は、組合せ計量機2から物品Cの供給を受けることなく、フィルムFから、筒状フィルムFcを形成し、袋Bを製袋する動作だけを行う。製袋包装機3は、袋Bを製袋する動作を、1回だけ実行する。ここでは、第1ホーン51aと第1アンビル51bとの間、又は、第2ホーン52aと第2アンビル52bとの間で、筒状フィルムFcを挟み込み、超音波シールを行う際に、超音波発振器40a,40bは、第1又は第2超音波振動子41,42が基本周波数f0で発振するように、第1又は第2超音波振動子41,42に電気信号を印加する。演算部92は、第1ホーン51aと第1アンビル51bとの間、又は、第2ホーン52aと第2アンビル52bとの間で、超音波シールが行われる間、超音波発振器40a,40bの出力する振動周波数相当信号(第1超音波振動子41および第2超音波振動子42の実際の運転周波数に応じた信号)を、周波数関連情報として連続的に取得する。
【0085】
ステップS3では、演算部92は、ステップS2で取得した周波数関連情報(振動周波数相当信号)を基に、第1又は第2超音波振動子41,42の運転周波数の変化を把握し、これを基に、第1又は第2超音波振動子41,42の運転周波数が、第1および第2超音波振動子41,42の適正範囲(所定値)を外れることがないよう、基本周波数f0に対する修正値f1を算出する。好適な発振周波数f2は、基本周波数f0と修正値f1との和であり、基本周波数f0は初期設定値であるため、演算部92は、基本周波数f0に対する修正値f1を算出することで、好適な発振周波数f2を演算する。なお、修正値f1は、正の値の場合も、負の値の場合もある。
【0086】
ステップS4では、ステップS3で演算部92により算出された修正値f1が、ステップS1で入力された包装条件に対する発振周波数f2に関する情報として、設定記憶部91に記憶される。
【0087】
(3)製袋包装機の実運転時の動作
製袋包装機3の実運転(実際に、組合せ計量機2から物品Cの供給を受け、物品Cが内部に入った袋Bを製袋する運転)時の動作について説明する。
【0088】
製袋包装機3の実運転の開始指令(計量包装装置1の運転開始指令)が操作スイッチ4又はタッチパネル式ディスプレイ5に入力されると、コントローラ90は、プルダウンベルト機構14およびフィルム供給ユニット3bを駆動する。その結果、シート状のフィルムFがフィルム供給ユニット3bのフィルムロールから繰り出される。フィルムロールから繰り出されたシート状のフィルムFは、成形機構13に達する。成形機構13は、シート状のフィルムFを筒状フィルムFcへと成形する。このとき、シート状のフィルムFの左右の縁が上下方向に重なり合った状態となる。
【0089】
上下方向に重なり合った部分を有する筒状フィルムFcは、チューブ13bに沿って縦シール機構20へと搬送される。縦シール機構20は、筒状フィルムFcの上下方向に延びる重ね合わせ部分(合せ目)を超音波シールすることにより、縦シールを行う。なお、ホーン21とアンビル22との間で筒状フィルムFcが挟み込まれ、超音波シールが行われる時には、コントローラ90は、設定記憶部91に記憶された超音波振動子23の修正値を、超音波発振器24に対し出力する。その結果、超音波振動子23は、所定の発振周波数(演算部92により演算された超音波振動子23用の発振振動数、言い換えれば、超音波振動子23用の基本周波数および修正値の和)で振動する。
【0090】
縦シールされた筒状フィルムFcは、チューブ13bの下方、すなわちチューブ13bに対して筒状フィルムFcの搬送方向下流側に位置する横シール機構30へと搬送される。このタイミングで、筒状フィルムFcの内部には、組合せ計量機2からチューブ13bの内部を通って物品Cが落下してくる。なお、コントローラ90は、適切なタイミングで、組合せ計量機2のコントローラ2aに対し、物品Cの投入を要求する。
【0091】
横シール機構30は、筒状フィルムFc内に物品Cが充填されている状態で、筒状フィルムFcの所定の位置を左右方向に超音波シールする。なお、第1ホーン51aと第1アンビル51bとの間、又は、第2ホーン52aと第2アンビル52bとの間で筒状フィルムFcが挟み込まれ、超音波シールが行われる時には、コントローラ90は、設定記憶部91に記憶された第1および第2超音波振動子41,42用の修正値f1を、超音波発振器40a,40bに対し出力する。その結果、第1および第2超音波振動子41,42は、所定の発振周波数f2(演算部92により演算された第1および第2超音波振動子41,42用の発振周波数f2、言い換えれば、第1および第2超音波振動子41,42用の基本周波数f0および修正値f1の和)で振動する。
【0092】
さらに、横シール機構30では、筒状フィルムFcの横シールされた部分の一部が、ナイフ53に左右方向に切断される。その結果、筒状フィルムFcから袋Bが切り離される。
【0093】
(4)特徴
本実施形態に係る製袋包装機3の特徴について以下に説明する。
【0094】
(4−1)
本実施形態に係る製袋包装機3は、アンビル(アンビル22、第1アンビル51b、および第2アンビル52b)と、ホーン(ホーン21、第1ホーン51a、および第2ホーン52a)と、超音波振動子(超音波振動子23、第1超音波振動子41、および第2超音波振動子42)と、制御部としてのコントローラ90と、を備える。ホーン21は、アンビル22との間で包装フィルムの一例としての筒状フィルムFcを挟み込み、筒状フィルムFcの縦シールを行う。第1ホーン51aは、第1アンビル51bとの間で包装フィルムの一例としての筒状フィルムFcを挟み込み、筒状フィルムFcの横シールを行う。第2ホーン52aは、第2アンビル52bとの間で筒状フィルムFcを挟み込み、筒状フィルムFcの横シールを行う。超音波振動子23は、ホーン21に連結される。第1および第2超音波振動子41,42は、第1ホーン51aおよび第2ホーン52aにそれぞれ連結される。コントローラ90は、筒状フィルムFcのシール時に、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42とを、所定の発振周波数で振動させる。コントローラ90は、予め実行された筒状フィルムFcのシール時に取得された周波数関連情報(振動周波数相当信号)に基づいて、包装条件の違いに応じた好適な発振周波数を演算する演算部92を有する。
【0095】
ここでは、予め実行された筒状フィルムFcのシール時に取得された周波数関連情報(振動周波数相当信号)に基づいて、包装条件別に好適な発振周波数が演算されるため、包装条件によらず超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42とを、最適な運転周波数で稼働させることが容易な、信頼性の高い製袋包装機3を実現できる。
【0096】
(4−2)
本実施形態に係る製袋包装機3では、演算部92は、基本周波数に対する修正値を算出することで、好適な発振周波数を演算する。
【0097】
ここでは、演算部92が、基本周波数に対して包装条件別の修正値を算出することで、好適な発振周波数が演算されるため、包装条件によらず、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42とを、最適な運転周波数で稼働させることが容易な、信頼性の高い製袋包装機3を実現できる。
【0098】
(4−3)
本実施形態に係る製袋包装機3では、演算部92は、当該製袋包装機3に被包装物としての物品Cを供給せずに予め行われた筒状フィルムFcのシール時に取得された周波数関連情報(振動周波数相当信号)に基づいて、包装条件の違いに応じた好適な発振周波数を演算する。
【0099】
ここでは、物品Cを供給しない状態で行ったシール時に取得された周波数関連情報(振動周波数相当信号)に基づいて好適な発振周波数が演算されるため、物品Cの噛み込みのような、正常ではないシール動作時に得られた不適切な周波数関連情報に基づいて発振周波数が演算されることがない。そのため、信頼性の高い製袋包装機3を実現できる。なお、このような構成は、特に、第1および第2超音波振動子41,42の好適な発振周波数を演算する上で効果が高い。
【0100】
(4−4)
本実施形態に係る製袋包装機3では、演算部92は、包装条件の違いに応じた好適な発振周波数として、筒状フィルムFc(フィルムF)の種類の違い、例えば、フィルムFの材質や厚みに応じた好適な発振周波数を演算する。
【0101】
ここでは、フィルムFの種類の違いに応じて好適な発振周波数が算出されるため、フィルムFの種類によらず、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42とを、最適な運転周波数で稼働させることが容易である。
【0102】
(5)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。なお、下記の変形例は、互いに矛盾のない範囲で、1又は複数の他の変形例を適宜組み合わされてもよい。
【0103】
(5−1)変形例A
上記実施形態の製袋包装機3は、筒状フィルムFcを縦方向および横方向に超音波シールするが、本発明に係る超音波包装機は、上記実施形態に係る製袋包装機3に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、縦シール機構20および横シール機構30のいずれにおいても超音波シールが行われるが、これに限定されるものではなく、一方だけが超音波シールを行うものであってもよい。
【0104】
(5−2)変形例B
上記実施形態の製袋包装機3は、コントローラ90の演算部92は、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42と、について、好適な発振周波数を演算するが、これに限定されるものではなく、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42と、のいずれか一方についてのみ、好適な発振周波数を演算するものであってもよい。ただし、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42と、の両方について好適な発振周波数が演算されることが望ましい。
【0105】
(5−3)変形例C
上記実施形態の製袋包装機3は、コントローラ90の演算部92が、基本周波数に対する修正値を算出することで、好適な発振周波数を演算するが、これに限定されるものではない。演算部92は、修正値ではなく、好適な発振周波数自体を算出してもよい。そして、コントローラ90は、修正値を超音波発振器24および超音波発振器40a,40bに送信する代わりに、発振周波数の値を超音波発振器24および超音波発振器40a,40bに送信するように構成されてもよい。この場合には、超音波発振器24および超音波発振器40a,40bは、受信した発振周波数で、超音波振動子23、および、第1および第2超音波振動子41,42を、振動させればよい。
【0106】
(5−4)変形例D
上記実施形態の製袋包装機3は、コントローラ90の演算部92が、好適な発振周波数を演算するが、これに限定されるものではない。例えば、好適な発振周波数は、超音波発振器24および超音波発振器40a,40bがそれぞれ有する制御部(図示せず)により演算されてもよい。つまり、超音波発振器24の制御部(図示せず)は、超音波振動子23を所定の発振周波数で振動させる制御部として機能し、超音波振動子23の好適な発振周波数を演算する演算部を有していてもよい。また、超音波発振器40a,40bの制御部(図示せず)は、第1および第2超音波振動子41,42を所定の発振周波数で振動させる制御部として機能し、第1および第2超音波振動子41,42の好適な発振周波数を演算する演算部を有していてもよい。
【0107】
(5−5)変形例E
上記実施形態では、演算部92は、試運転時に、物品Cを供給せずに予め行われた筒状フィルムFcのシール時に取得された周波数関連情報(振動周波数相当信号)に基づいて、好適な発振周波数を演算するが、これに限定されるものではない。
【0108】
例えば、演算部92は、過去の実運転中に製袋包装機3に物品Cを供給して行われた筒状フィルムFcのシール時に取得された周波数関連情報(振動周波数相当信号)に基づいて、包装条件の違いに応じた好適な発振周波数を演算するよう構成されてもよい。
【0109】
この様に構成される場合、過去の実運転時に取得された周波数関連情報(振動周波数相当信号)に基づいて好適な発振周波数が演算されるため、実運転をしながら、包装条件の変化に応じて好適な発振周波数を更新することができる。そのため、例えば気温や湿度等が、超音波振動子の運転周波数に比較的大きな影響を与える包装条件である場合にも、常に好適な発振周波数が得られやすい。
【0110】
(5−6)変形例F
上記実施形態に係る、設定記憶部91には、複数の包装条件について、演算部92により演算された好適な発振周波数が、包装条件別に記憶されてよい。そして、例えば、コントローラ90は、タッチパネル式ディスプレイ5から入力される包装条件を特定する情報に基づき、その包装条件に対応する発振周波数を呼び出し、超音波振動子23と、第1および第2超音波振動子41,42と、を呼び出した発振周波数で運転するよう構成されてもよい。
【0111】
ここでは、好適な発振周波数に関する情報が包装条件別に予め記憶されるため、包装条件が変化した場合(例えば異なる物品Cを包装する場合や、異なるサイズの袋Bを製袋するために、フィルムFを交換した場合)に、毎回試運転を行うこと無く、速やかに超音波発振器を好適な発振周波数に変更して運転することが容易である。
【0112】
(5−7)変形例G
上記実施形態では、演算部92は、1回のシール動作中に取得された周波数関連情報(振動周波数相当信号)に基づいて好適な発振周波数を演算するが、これに限定されるものではない。
【0113】
例えば、演算部92は、周波数関連情報(振動周波数相当信号)に基づいた修正値の算出を、複数回の製袋動作に対して繰り返し実行し、算出された複数の修正値に基づいて(例えば、複数の修正値の平均値や中央値を求めることで)、包装条件の違いに応じた好適な発振周波数を演算してもよい。
【0114】
(5−8)変形例H
上記実施形態では、演算部92は、1回のシール動作中に取得された周波数関連情報(振動周波数相当信号)に基づいて、1の修正値を演算するが、これに限定されるものではない。例えば、演算部92は、1回のシール動作中に取得された周波数関連情報(振動周波数相当信号)に基づいて、タイミング別の修正値をそれぞれ算出してもよい。この場合、コントローラ90は、1回のシール動作中に常に同じ修正値を超音波発振器24および超音波発振器40a,40bに送信するのではなく、タイミング別に異なる修正値を送信することとなる。