(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。なお、本明細書において示す上、下、左、右、前(表)、後(裏)は、遊技者側から見たときの各方向を示すものとする。
【0013】
図1に示すように遊技機としてのパチンコ遊技機10は、機体の外郭をなす縦長方形の外枠11を有している。外枠11には、遊技盤13を含む遊技ユニットYUを搭載した縦長方形の中枠12と、遊技盤13の遊技領域14を透視可能な状態で保護する不図示の保護ガラスを支持する前枠15とが、外枠11に対して開放及び着脱自在に組み付けられている。遊技領域14は、遊技盤13の前面側において、遊技球が流下可能な領域として区画形成されている。
【0014】
前枠15の前面における下部には、遊技領域14へ遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドル17が配設されている。前枠15の前面における上部には、内蔵された発光体を点灯、点滅、又は消灯させて行う演出(発光演出)を実行可能に構成された装飾ランプ18と、楽曲や効果音といった音声を出力して行う演出(音声演出)を実行可能に構成されたスピーカ19とが配設されている。
【0015】
図2に示すように、遊技盤13は、ベニヤ板やアクリル板などからなる四角板状の部材であるとともに、遊技盤13の中央には、厚さ方向(前後方向)に貫通する不図示の第1開口部が設けられている。遊技盤13の第1開口部には、各種の装飾部材を配置した表示枠体20が組み付けられている。
【0016】
また、
図3に示すように、遊技盤13の裏側には、各種の遊技部品(遊技用構成部材)を収容可能な収容部としての収容部材16が組み付けられている。収容部材16は、所定の強度を有する樹脂材料製(例えば、ポリカーボネート製)であるとともに、前方に開放する開口部16aを有する扁平な箱状部材である。収容部材16は、遊技盤13の上縁部から後方に向かって延在している上壁16b、遊技盤13の右縁部から後方に向かって延在している右壁16c、遊技盤13の左縁部から後方に向かって延在している左壁16d、及び遊技盤13の下縁部から後方に向かって延在している下壁(底壁)16eの4つの壁を有している。これら4つの壁16b〜16eは、四角枠状に配置されている。
【0017】
収容部材16の各壁16b〜16eには、収容部材16に収容された電気部品に対して電力を供給するための供給線や、制御信号を出力するための信号線などといった各種の配線を引き込む(引き出す)ための開口部16fが設けられている。また、収容部材16の下壁16eには、遊技球を機外部へ排出するための排出孔S1〜S4が設けられている。本実施形態における開口部16fや、排出孔S1〜S4は、収容部材16の壁をその厚さ方向に貫通する貫通部となる。
【0018】
そして、遊技盤13と収容部材16とは、収容部材16の開口部16aを遊技盤13で覆った状態で相互に固定されている。本実施形態では、遊技盤13、収容部材16、及び遊技盤13や収容部材16に組み付けられた各種の遊技部品によって遊技ユニットYUが構成されている。
【0019】
また、
図2に示すように、遊技盤13の前面側には、遊技に関連した情報を表示する複数の表示部を有する情報表示装置21が配設されている。情報表示装置21は、特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲーム(以下、特別図柄変動ゲームと示す)を表示可能に構成された特別図柄表示部21aを有する。特別図柄は、内部的に行われる大当りか否かの大当り判定(所謂、大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態では、特別図柄変動ゲームにおける最終的な表示結果が、大当りを認識可能な大当り表示結果であるか、はずれを認識可能なはずれ表示結果であるかに応じて、上記大当り判定の結果を遊技者が認識し得る。
【0020】
遊技盤13の裏側には、各種の画像(動画)を表示して行う演出(表示演出)を実行可能に構成された画像表示部22aを有する演出表示装置22が配置されている。詳しく説明すると、演出表示装置22は、画像表示部22aが表示枠体20の開口部20aを介して遊技者から視認可能となるように、収容部材16の略中央に組み付けられている。演出表示装置22では、表示演出の1つとして、飾り図柄(演出図柄)を複数列にわたって変動させて行う図柄変動ゲーム(以下、飾り図柄変動ゲームと示す)が表示される。飾り図柄は、表示演出を多様化するための図柄である。飾り図柄変動ゲームは、特別図柄変動ゲームと対応して実行されるものであり、特別図柄変動ゲームの表示結果に対応する表示結果(図柄の組合せ)が最終的に導出される。
【0021】
遊技盤13において、表示枠体20の下方には、第1始動口ユニット23が配設されている。第1始動口ユニット23は、遊技球が入球可能となるように遊技領域14に開口する第1入球口23aと、該第1入球口23aから入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1とを有する。また、遊技盤13において、表示枠体20の右方には、第2始動口ユニット24が配設されている。第2始動口ユニット24は、遊技球が入球可能となるように遊技領域14に開口する第2入球口24aと、該第2入球口24aから入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2とを有する。また、第2始動口ユニット24は、図示しないアクチュエータの作動により第2入球口24aの開閉動作を行う開閉羽根25を有する。第2入球口24aは、開閉羽根25が開動作すると、遊技球が入球可能に開放される一方で、開閉羽根25が閉動作すると、遊技球が入球困難に閉鎖される。本実施形態では、各始動センサの何れかで遊技球が検知されることで、図柄変動ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球としての遊技球の払出し条件が成立する。
【0022】
図4に示すように、遊技盤13の裏側において、収容部材16には、第2入球口24aに入球した遊技球を機外部へ排出するための排出通路26を有する通路形成部材27が組み付けられている。なお、
図4においては遊技盤13の図示が省略されている。通路形成部材27は、全体として扁平な四角枠状の部材であり、その中央には前後方向に貫通する開口部27aが形成されている。通路形成部材27の上部には、第2入球口24aから入球した遊技球を受け入れる第1受入口27bが設けられている。排出通路26は、開口部27aの上縁部、右縁部、及び下縁部に沿った略コの字型の通路であり、第1受入口27bから受入れた遊技球を下方へ流下案内する。排出通路26の下端には、流下案内した遊技球を排出する開口部26aが設けられている。また、開口部27aの下方には、排出通路26と連通しており、受け入れた遊技球を排出通路26内へ案内する第2受入口27cが設けられている。
【0023】
そして、通路形成部材27の周縁部には、該通路形成部材27を収容部材16に対して固定するための固定部として、ネジを挿通するための挿通孔を有する複数のネジ受け部28aが設けられている。同様に、通路形成部材27の縁部には、通路形成部材27を収容部材16に固定するための部位として、ネジを挿通するための挿通孔を有するネジ受け部28bが設けられている。そして、通路形成部材27は、ネジを各ネジ受け部28aの挿通孔に挿通させた状態で、収容部材16の右壁16cや下壁16eに設けられたネジ孔にそれぞれ螺入させることで、収容部材16に対して固定されている。この状態において、排出通路26の下端部における開口部26aは、該開口部26aから排出された遊技球を機外部へ排出可能となるように、収容部材16の排出孔S1と整合一致されている。
【0024】
また、
図2に示すように、遊技盤13において、表示枠体20の右下方には、大入賞口ユニット30が配設されている。大入賞口ユニット30は、遊技盤13を前後方向に貫通し且つ遊技領域14の下縁部に位置する第2開口部13aに対して、ネジなどで固定されている。したがって、大入賞口ユニット30は、遊技領域14の下縁部に沿って配置されている。本実施形態では、大入賞口ユニット30を遊技盤13の周縁部近くに配設することで、その分だけ表示枠体20の開口部20aを大きく設定するとともに、演出表示装置22における画像表示部22aの大画面化に寄与する。また、大入賞口ユニット30は、前後方向に所定の長さを有しており、第2開口部13aから遊技盤13の裏側(収容部材16内)にその一部が突出している。
【0025】
大入賞口ユニット30は、遊技球が入球可能となるように遊技領域14に開口する大入賞口として、第1大入賞口31と第2大入賞口32とを有する。大入賞口ユニット30は、アクチュエータの作動により第1大入賞口31の開閉動作を行う第1大入賞口扉31aを有する。第1大入賞口31は、第1大入賞口扉31aが開動作すると、遊技球が入球可能に開放される一方で、第1大入賞口扉31aが閉動作すると、遊技球が入球不能に閉鎖される。大入賞口ユニット30は、アクチュエータの作動により第2大入賞口32の開閉動作を行う第2大入賞口扉32aを有する。第2大入賞口32は、第2大入賞口扉32aが開動作すると、遊技球が入球可能に開放される一方で、第2大入賞口扉32aが閉動作すると、遊技球が入球不能に閉鎖される。
【0026】
大入賞口ユニット30の内部には、第1大入賞口31から入球した遊技球を機外部に排出するための排出通路33が設けられている。排出通路33は、上下方向に沿って延びるように形成されており、遊技球を収容部材16の下壁16e側に開口する開口部33aから、前述した第2受入口27cへ排出するようになっている。また、排出通路33には、該排出通路33を通過する遊技球を検知する第1カウントセンサSE3が配設されている。本実施形態では、第1カウントセンサSE3で遊技球が検知されることで、賞球としての遊技球の払出し条件が成立する。
【0027】
また、大入賞口ユニット30の内部には、第2大入賞口32から入球した遊技球を後方へ向かって案内する案内通路34と、該案内通路34の後端部に設けられた分岐部から分岐する第2通路としての非特定通路35、及び第1通路としての特定通路36とが設けられている。各通路35,36は、上下方向に沿って延びるように形成されている。各通路35,36は、第2大入賞口32から入球した遊技球を収容部材16の下端部から機外部に排出するための排出通路でもある。また、案内通路34を非特定通路35と特定通路36とに分岐する分岐部には、図示しないアクチュエータの作動により、第2大入賞口32から入球した遊技球を非特定通路35と特定通路36とに振分ける振分動作を行う振分装置37が配設されている。また、大入賞口ユニット30において、案内通路34には、該案内通路34を通過する遊技球を検知する第2カウントセンサSE4が配設されている。本実施形態では、第2カウントセンサSE4で遊技球が検知されることで、賞球としての遊技球の払出し条件が成立する。
【0028】
また、
図5に示すように、大入賞口ユニット30において、非特定通路35の下端部における開口部(排出口)35aは、該開口部35aから排出された遊技球を機外部へ排出可能となるように、収容部材16の排出孔S2と整合一致されている。また、大入賞口ユニット30において、特定通路36の下端部における開口部(排出口)36aは、該開口部36aから排出された遊技球を機外部へ排出可能となるように、収容部材16の排出孔S2と整合一致されている。
【0029】
図5及び
図6に示すように、大入賞口ユニット30において、非特定通路35の開口部35aには、該非特定通路35から排出される遊技球を検知する排出センサSE5が配設されている。この排出センサSE5は、扁平な直方体状であるとともに、遊技球が通過可能な検出孔SE5aを有している。大入賞口ユニット30の下壁面には、排出センサSE5を嵌め込み固定するための凹部35bが設けられている。排出センサSE5は、凹部35bに嵌め込まれていることで、検出孔SE5aと開口部35aとを整合一致させた状態で、大入賞口ユニット30に対して固定されている。本実施形態において、凹部35bは、排出センサSE5を支持する支持部に対応する。
【0030】
そして、本実施形態では、特定通路36の開口部36aに対応させて、該特定通路36から排出される所定の検知対象としての遊技球を検知する特定通過センサSE6が大入賞口ユニット30とは別体で配設されている。この特定通過センサSE6は、扁平な直方体状であるとともに、遊技球が通過可能な検出孔SE6aと、信号線を接続するためのコネクタSE6bと、を有している。特定通過センサSE6は、収容部材16の排出孔S2の縁部に対して組み付けられている。この特定通過センサSE6の収容部材16に対する組み付け構造については、後に詳しく説明する。本実施形態の特定通過センサSE6は、特定の検知装置に対応する一方で、排出センサSE5は、非特定の検知装置に対応する。
【0031】
本実施形態では、大当り表示結果が最終的に表示される大当りの特別図柄変動ゲームが終了すると、大当り遊技が付与される。大当り遊技では、最初にオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、第1大入賞口31又は第2大入賞口32を開放するラウンド遊技が、予め定めた上限回数(本実施形態では16回)にわたって行われる。本実施形態では、4回目のラウンド遊技において第2大入賞口32が開放される一方で、その他のラウンド遊技においては第1大入賞口31が開放される。また、各ラウンド遊技中には、ラウンド演出が行われる。そして、最終回のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。このように、大当り遊技では、第1大入賞口31及び第2大入賞口32が開放され、これら大入賞口31,32へ遊技球を入球させ得る。即ち、大当り遊技中、遊技者は、賞球の払出条件を成立させるチャンスを得ることができる。
【0032】
そして、本実施形態では、大当り遊技(4回目のラウンド遊技)において第2大入賞口32が開放された際に遊技球が入球し、該入球した遊技球が特定通過センサSE6により検知されると、その大当り遊技の終了後に確率変動機能が作動する。確率変動機能は、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)を低確率から高確率に変動させる確率変動状態を付与する機能である。確率変動状態は、確率変動状態が付与されていない状態と比較して、大当り確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、遊技者にとって有利な有利遊技状態となる。したがって、本実施形態において、特定通路36は、遊技球の通過により確率変動状態が付与される特定領域(所謂Vゾーン)となり、非特定通路35は、遊技球の通過によっても確率変動状態が付与されない非特定領域となる。
【0033】
また、
図2に示すように、前述の情報表示装置21は、実行が保留されている保留中の図柄変動ゲームの回数(始動保留の個数)を表示する保留表示部21bを有する。また、情報表示装置21は、普通図柄を変動させて行う図柄変動ゲーム(以下、普通図柄変動ゲームと示す)を表示可能に構成された普通図柄表示部21cを有する。普通図柄は、内部的に行われる普通当りか否かの普通当り判定の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態では、普通図柄変動ゲームにおける最終的な表示結果が、当りを認識可能な普通当り表示結果であるか、はずれを認識可能なはずれ表示結果であるかに応じて、上記普通当り判定の結果を遊技者が認識し得る。
【0034】
本実施形態では、普通当り表示結果が最終的に表示される普通当りの普通図柄変動ゲームが終了すると、普通当り遊技が付与される。普通当り遊技では、第2入球口24aが開放され、第2入球口24aへ遊技球を入球させ得る。このため、普通当り遊技中、遊技者は、特別図柄変動ゲームの始動条件と、賞球の払出条件を成立させるチャンスを得ることができる。
【0035】
遊技盤13において、表示枠体20の右方には、作動ゲート38が配設されている。作動ゲート38には、入球(通過)した遊技球を検知するゲートセンサが設けられている。本実施形態では、遊技球が作動ゲート38のゲートセンサで検知されることにより、普通図柄変動ゲームの始動条件が成立し得る。
【0036】
また、
図1に示すように、収容部材16の後側には、パチンコ遊技機10の動作を制御する制御装置40が配設されている。制御装置40は、遊技の進行にかかわる制御処理を実行可能な中央演算素子(CPU)と、中央演算素子用の制御プログラムや中央演算素子による処理結果を記憶するための記憶装置をと有する。制御装置40には、各センサSE1〜SE6が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。
【0037】
そして、制御装置40は、制御プログラムにしたがって各種の処理を実行することで、大当り判定を含み図柄変動ゲームを実行するための制御や、各大入賞口31,32を開放させて大当り遊技を付与するための制御を行う。詳しく説明すると、制御装置40は、大当り遊技中における4回目のラウンド遊技において、特定通過センサSE6から検知信号を入力したか否かを監視するとともに、検知信号を入力したことを条件として、大当り遊技の終了後に確率変動状態を生起させることを示す確変情報(フラグなど)を記憶装置に記憶させる。そして、制御装置40は、大当り遊技の終了後、確変情報が記憶されている場合、確変情報が記憶されていないときと比較して、大当り確率が高確率となるように上記大当り判定を実行するように構成されており、これにより上述の確率変動機能が実現されている。したがって、本実施形態の制御装置40は、特定通過センサSE6により遊技球が検知されたことを条件として、遊技者にとって有利な特典としての確率変動状態を付与可能な特典付与手段として機能する。
【0038】
また、制御装置40は、各センサSE4〜SE6から入力する検知信号に基づいて、第2大入賞口32から入球した遊技球が大入賞口ユニット30内において詰まっていないかを判定可能に構成されている。例えば、制御装置40は、第2カウントセンサSE4から検知信号を入力するごとに、記憶装置に記憶している管理カウンタを1加算する一方で、排出センサSE5又は特定通過センサSE6から検知信号を入力するごとに、上記管理カウンタを1減算する。そして、制御装置40は、4回目のラウンド遊技が終了してから所定時間が経過しても、上記管理カウンタに示される遊技球の個数が0(零)にならないことを条件として、球詰まりが発生していると判定することができる。
【0039】
以下、収容部材16に対する特定通過センサSE6の組み付け構造について詳細に説明する。
図7に示すように、排出孔S2(開口部16f)は、収容部材16の下壁16eを上下方向(厚さ方向)に貫通している略四角形の貫通孔である。また、収容部材16の下壁16eには、遊技盤13側の先端から排出孔S2まで、後方に向かって切り欠くように形成された切欠き部50が設けられている。左右方向に沿った切欠き部50の幅は、左右方向に沿った排出孔S2の幅よりも狭い。このように、収容部材16の下壁16eにおいて、遊技盤13側に配置された縁部は、左右方向に沿って連続しておらず分断されている部分がある。
【0040】
そして、下壁16eにおける遊技盤13側の端部には、排出孔S2の左縁部51から右方に向かって突出した略矩形板状の第1突出部52が設けられている。第1突出部52は、遊技盤13の裏面と接触する接触面52aを有している。また、下壁16eにおける遊技盤13側の端部には、排出孔S2の右縁部53から左方に向かって突出した略矩形板状の第2突出部54が設けられている。第2突出部54は、遊技盤13の裏面と接触する接触面54aを有している。また、下壁16eには、第2突出部54から後方に離間させた位置において、右縁部53から左方に向かって突出する補助壁部55が設けられている。この補助壁部55の前縁部には、第2突出部54における接触面54aとは反対側の後面54bと平行な平面状である前端面55aが形成されている。
【0041】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2突出部54(後面54b)と、右縁部53と、補助壁部55(前端面55a)とによって、特定通過センサSE6を収容するセンサホルダ60を固定するためのホルダ収容部61が形成されている。本実施形態において、センサホルダ60は、特定通過センサSE6を収容部材16に対して固定するための固定部材に相当する。そして、センサホルダ60は、前述した大入賞口ユニット30とは別体の部材である。
【0042】
図8に示すように、センサホルダ60は、特定通過センサSE6を収容する本体部材70と、該本体部材70に特定通過センサSE6を収容した状態で封止する蓋部材80とを有する。本体部材70及び蓋部材80は、所定の強度を有する樹脂材料製(例えば、ポリカーボネート製)である。
【0043】
本体部材70は、後端に位置する後壁71と、後壁71の上縁部から前方に突出する上壁71aと、後壁71の下縁部から前方に突出する下壁71bと、後壁71の左縁部から前方に向かって突出する左壁71cとを有する。上壁71aの下面と下壁71bの上面とは、相互に平行な状態で対向しているとともに、特定通過センサSE6の上下方向に沿った厚さより僅かに離間している。
【0044】
上壁71aには、ネジが螺入される螺入部71eが設けられている。上壁71aには、その前端部から前方(蓋部材80)に向かって突出する円柱状の位置決め部71fが設けられている。また、後壁71及び左壁71cの下縁部には、該下縁部に沿うように、特定通過センサSE6を支持するためのリブ71dが設けられている。なお、本体部材70において、左右方向における中央から左方には、壁が設けられておらず、遊技球が上下方向に通過可能な開放部71gが形成されている。
【0045】
また、上壁71aの右縁部には、該上壁71aに沿って前後方向に延びるとともに、下壁71bに向かって突出する第1右壁72aが設けられている。下壁71bの右縁部には、該下壁71bに沿って前後方向に延びるとともに、上壁71aに向かって突出する第2右壁72bが設けられている。第1右壁72aの下端面と、第2右壁72bの上端面とは、相互に平行な状態で対向しているとともに、特定通過センサSE6におけるコネクタSE6bの上下方向に沿った厚さよりも僅かに離間している。
【0046】
また、下壁71b及び左壁71cは、それぞれの前端部において下方に延びるネジ受け部75を有している。各ネジ受け部75は、センサホルダ60を収容部材16の第2突出部54に対して固定するためのネジが挿通される挿通孔75aを有している。また、後壁71には、該後壁71の右縁部から右方へ向かって突出する略矩形板状の突出部76が設けられている。突出部76の上縁部には、特定通過センサSE6のコネクタSE6bに接続される配線としての信号線を係止するための鈎状の係止部77が設けられている。係止部77は、特定通過センサSE6の配線を保持する保持部に相当する。また、突出部76には、前面から前方(遊技盤13)に向かって突出する略円筒状の支持部79が設けられている。本実施形態において、支持部79は、前述した通路形成部材27のネジ受け部28bの挿通孔を挿通させたネジが螺入されるとともに、ネジ受け部28bを介して通路形成部材27を支持する。したがって、支持部79は、遊技部品のうち特定通過センサSE6とは異なる遊技部品としての通路形成部材27を固定するための固定部に相当する。
【0047】
また、蓋部材80は、左右方向に延びる略矩形板状の部材である。蓋部材80は、ネジを挿通するための挿通孔81と、本体部材70の位置決め部71fが挿通される位置決め孔82とを有する。本実施形態では、本体部材70における後壁71、上壁71a、下壁71b、左壁71c、及び各右壁72a,72b、並びに蓋部材80によって、特定通過センサSE6を収容するための収容空間Saが形成されている。センサホルダ60において、特定通過センサSE6は、コネクタSE6bを各右壁72a,72bの間に配置させた状態であって、且つ検出孔SE6aと開放部71gとを対応させた状態で収容空間Saに収容されている。そして、蓋部材80は、位置決め部71fを位置決め孔82に挿通させた状態において、ネジを挿通孔81に挿通させつつ本体部材70の螺入部71eに螺入させることで、本体部材70に対して固定されている。
【0048】
そして、
図7に示すように、特定通過センサSE6を収容したセンサホルダ60は、各挿通孔75aをそれぞれ挿通させたネジによって、第2突出部54に対して固定されている。この状態において、本体部材70の突出部76における後面76aは、補助壁部55の前端面55aと接触(面接触)している。また、本体部材70における下壁71bの下面(外面)71h、及びリブ71dの下面(外面)71iは、第2突出部54の上端面54cと接触(面接触)している。このように、本実施形態において、突出部76の後面76aは、第1接触部に相当し、下壁71bの下面71h、及びリブ71dの下面71iは、第2接触部に相当する。また、補助壁部55の前端面55aは、第2縁部に相当し、第2突出部54の上端面54cは、第1縁部に相当する。なお、コネクタSE6bに接続された配線は、係止部77に纏めて係止されるとともに、排出孔S2(開口部16f)から収容部材16の外部に引き出されている。
【0049】
次に、上記のように構成したパチンコ遊技機10の作用について説明する。
前述のように、収容部材16には、排出孔S2や切欠き部50が設けられていることから、このような排出孔S2や切欠き部50を設けない構成と比較して、収容部材16としての強度が低下してしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、センサホルダ60を大入賞口ユニット30とは別体に設けるに際して、該センサホルダ60と、収容部材16における補助壁部55の前端面55a及び第2突出部54の上端面54cとを接触させていることで、排出孔S2まわりにおいて収容部材16の下壁16eを補強できる。本実施形態において、センサホルダ60による下壁16eの補強は、収容部材16の下壁16eのうち、特に排出孔S2よりも右方部分についてなされる。また、センサホルダ60と収容部材16とは、上端面54cと前端面55aとにおいて面接触していることから、より強固に補強することができる。また、本実施形態のセンサホルダ60は、所定方向としての前後方向に離間する補助壁部55と第2突出部54とを連結するように配設されていることから、下壁16eの補強を効果的に行うことができる。
【0050】
また、本実施形態では、遊技球の排出に必須となる排出孔S2や、配線の引き込みに必須となる開口部16fを利用してセンサホルダ60を固定している。このため、収容部材16に対して、センサホルダ60を固定するための専用構造を排出孔S2などとは別に設ける場合と比較して、センサホルダ60(特定通過センサSE6)の配置スペースを簡便に確保できる。このような構成は、本実施形態のように、大入賞口ユニット30を遊技領域14の縁部に沿って配置することで、特定通過センサSE6の配置スペースが確保し難い状況下において特に効果を発揮する。
【0051】
また、センサホルダ60には、係止部77が設けてあることから、例えばコネクタSE6bに接続した配線を纏めて係止部77に保持させることができる。このため、本実施形態では、センサホルダ60を収容部材16に組み付ける際に、配線が邪魔となってしまったり、他の部材(例えば大入賞口ユニット30)を組み付ける際に、特定通過センサSE6の配線が意図せず部材間に挟み込まれてしまったりすることを抑制できる。
【0052】
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、収容部材16のうち下壁16eの排出孔S2における2つの縁部に対して、センサホルダ60を接触させることから、排出孔S2を利用して、遊技部品である特定通過センサSE6の配設スペースを確保しつつも、排出孔S2まわりにおいて収容部材16を補強できる。したがって、遊技盤13に遊技部品を搭載するための収容部材16の強度が低下することを抑制できる。
【0053】
(2)本実施形態によれば、特定通路36を通過する遊技球を検知可能である特定通過センサSE6の配設スペースを確保しつつも、排出孔S2まわりにて収容部材16を補強できる。したがって、遊技盤13に遊技部品を搭載するための収容部材16の強度が低下することを抑制できる。
【0054】
(3)本実施形態によれば、第2突出部54の上端面54cと、センサホルダ60における下面71h,71iとは、突出部76における後面76aと補助壁部55の前端面55aとを面接触させた状態で相互に固定されていることから、排出孔S2まわりにおいて収容部材16をより強固に補強できる。
【0055】
(4)本実施形態によれば、係止部77により配線(信号線)を保持できることから、配線の取り回しを容易にできる。
(5)本実施形態によれば、センサホルダ60(支持部79)を利用することで通路形成部材27(他の遊技部品)を固定できることから、専用の固定部を設ける場合と比較して、収容部材16における設置スペースを確保できる。
【0056】
(6)本実施形態によれば、特に特定通路36を通過する遊技球を検知する特定通過センサSE6のセンサホルダ60によって、収容部材16を補強できる。
(7)さらに言えば、遊技球の通過により特典(確率変動状態)が付与され得る特定通路36の特定通過センサSE6用のセンサホルダ60により、収容部材16を補強できる。
【0057】
(8)本実施形態によれば、特定通過センサSE6のセンサホルダ60が大入賞口ユニット30とは別体であることから、特定通過センサSE6が不要となる場合にセンサホルダ60ごと特定通過センサSE6を取り外すことができる。
【0058】
(9)本実施形態によれば、大入賞口ユニット30を遊技領域14の下縁部に沿って配設することで、遊技領域14において遊技球が流下可能な領域を広く確保できる。この場合、大入賞口ユニット30と収容部材16の下壁16eとが近接することから、特定通過センサSE6の配設スペースが減少するが、上記構成を採用することで、特定通過センサSE6を配置可能としつつ収容部材16を補強できる。
【0059】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・嵌合、係止、又はリベットによるカシメなど、各部材はネジ止めとは異なる方法で固定されていてもよい。
【0060】
・センサホルダ60は、3つ以上の部品から構成されていてもよい。
・センサホルダ60は、収容部材16に対して複数配設してもよい。
・センサホルダ60におけるネジ受け部75の配設位置は適宜変更できる。例えば、ネジ受け部75は、蓋部材80に設けられていてもよい。また、センサホルダ60は、1つ又は3つ以上のネジ受け部75を有していてもよい。
【0061】
・センサホルダ60は、遊技球を検知可能に構成された複数のセンサを収容可能に構成されていてもよい。
・センサホルダ60に収容するセンサは、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、第1カウントセンサSE3、第2カウントセンサSE4、又は排出センサSE5の何れであってもよい。例えば、大入賞口ユニット30において、凹部35bに特定通過センサSE6を配設する一方で、センサホルダ60に排出センサSE5を収容してもよい。この場合、非特定通路35を遊技球が通過したことを契機として特典が付与される。
【0062】
・センサホルダ60は、下壁16eに設けられた開口部16f(貫通孔)に固定されていてもよく、排出孔S2とは異なる排出孔に固定されていてもよい。また、センサホルダ60は、下壁16eとは異なる壁に設けられた開口部16f(貫通孔)に固定されていてもよい。
【0063】
・センサホルダ60は、排出孔S2の縁部のうち3つ以上の縁部において接触されていてもよい。なお、センサホルダ60は、排出孔S2の縁部と線接触、又は点接触していてもよい。但し、収容部材16を補強する観点からは、上記実施形態のように面接触させる構成が好ましい。
【0064】
・センサホルダ60は、係止部77を省略した構成であってもよい。また、センサホルダ60は、支持部79を省略した構成であってもよい。
・センサホルダ60は、支持部79に代えて、又は加えて通路形成部材27とは異なる遊技部材を固定するための固定部を有していてもよい。例えば、センサホルダ60は、大入賞口ユニット30を固定する固定部を有していてもよい。
【0065】
・センサホルダ60において、本体部材70と蓋部材80とは接着により固定されていてもよく、一体の部材として形成されていてもよい。
・大入賞口ユニット30は、大入賞口31,32の何れかを省略した構成としてもよい。この場合、センサホルダ60には、大入賞口ユニット30が備える大入賞口用のセンサを収容するとよい。
【0066】
・大入賞口ユニット30は、遊技領域14における下縁部に沿った位置とは異なる位置に配設されていてもよい。
・収容部材16は、枠状の部材であってもよく、遊技盤13と一体に形成されていてもよい。
【0067】
・収容部材16には、遊技部品として各種の部材を収容可能である。例えば、収容部材16には、演出用の可動体や、該可動体を動作させるためのアクチュエータが収容されていてもよい。
【0068】
・収容部材16において、センサホルダ60と接触する2つの縁部は平行に配置されていなくてもよい。例えば、センサホルダ60と接触する2つの縁部は、相互に交差するように配置されていてもよい。
【0069】
・収容部材16は、複数の部材を組み合わせ形成されていてもよい。
・特定通過センサSE6による遊技球の検知を契機に付与する特典としては、確率変動状態とは異なる特典を設定してもよい。例えば、制御装置40は、4回目のラウンド遊技において、遊技球が特定通過センサSE6で検知されたことを条件として、5回目以降のラウンド遊技を実行する一方で、遊技球が特定通過センサSE6で検知されなかったことを条件として、5回目以降のラウンド遊技を実行することなく大当り遊技を終了してもよい。この場合、5回目以降のラウンド遊技は、遊技者に有利な特典となる。
【0070】
・センサホルダ60には、遊技球とは異なる検知対象を所定の検知対象として検知するセンサを収容してもよい。センサホルダ60には、例えば、所定の検知対象として磁気を検知する磁気センサや、所定の検知対象として振動を検知する振動センサを収容してもよい。
【0071】
・制御装置40は、単一の制御基板から構成されていてもよく、複数の制御基板から構成されていてもよい。
・演出表示装置22において特別図柄変動ゲームを表示するとともに、特別図柄表示部21aの構成を省略してもよい。即ち、飾り図柄変動ゲームを実行せず、特別図柄変動ゲームを実行するパチンコ遊技機として具体化してもよい。
【0072】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記通路は、第1通路と第2通路とを含む複数の通路に分岐しており、前記特定の検知装置は、前記第1通路を通過する遊技球を検知可能に構成されていることが好ましい。
【0073】
(ロ)前記特定の検知装置により遊技球が検知されたことを条件として、遊技者にとって有利な特典を付与可能な特典付与手段を備えていることが好ましい。
(ハ)前記遊技盤は、前記大入賞口、前記第1通路、及び前記第2通路を有する大入賞口ユニットを備え、前記検知装置には、前記第2通路を通過する遊技球を検知可能に構成された非特定の検知装置を含み、前記大入賞口ユニットには、前記非特定の検知装置を支持する支持部が設けられており、前記固定部材は、前記大入賞口ユニットとは別体であることが好ましい。
【0074】
(ニ)前記大入賞口ユニットは、前記遊技領域の下縁部に沿って配設されていることが好ましい。