特許第6267092号(P6267092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267092
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】顔面筋鍛錬具
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/03 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
   A63B23/03
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-207238(P2014-207238)
(22)【出願日】2014年10月8日
(62)【分割の表示】特願2014-531035(P2014-531035)の分割
【原出願日】2013年10月29日
(65)【公開番号】特開2015-3272(P2015-3272A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2016年10月17日
(31)【優先権主張番号】特願2012-239213(P2012-239213)
(32)【優先日】2012年10月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】599083411
【氏名又は名称】株式会社 MTG
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松下 剛
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 西独国特許出願公開第03433356(DE,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0073542(US,A1)
【文献】 仏国特許発明第01111489(FR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面筋を鍛錬するための顔面筋鍛錬具であって、
弾性変形可能な撓み部と、その撓み部の長さ方向における中央に設けられ、口によって銜えられる銜持部とを備え、
前記弾性変形は、前記銜持部を口で銜えて上下に往復動させた際に、前記撓み部で繰り返される撓み運動であり、
前記銜持部を前記撓み部の縁部の外側に配置した顔面筋鍛錬具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の顔面における表情筋等の顔面筋を鍛錬することに用いられる顔面筋鍛錬具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の顔面筋鍛錬具としては、例えば特許文献1に開示される構成が提案されている。特許文献1の顔面筋鍛錬具は、細長い板バネよりなる帯状の弾性板を備えている。弾性板の長さ方向の中央には、口唇によって銜えられる銜持部が設けられている。弾性板の両端には、一対のウェイト部が固定されている。銜持部を口唇により銜えた状態で、両ウェイト部は板バネを介して上下に揺動される。このようにすると、両ウェイト部の揺動に対する反力等が銜持部に負荷として伝達されて、表情筋等の顔面筋が鍛えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1223289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の顔面筋鍛錬具においては、銜持部が弾性板上に設けられている。このため、使用者は、弾性板を銜えることになり、使用者の上下の唇間に弾性板が位置することになる。この状態では、弾性板が銜持部とともに口唇によって安定状態で銜えられ、ウェイト部の荷重が、顔面筋を鍛錬に対する負荷として効果的に作用しない。よって、顔面筋に対する優れた鍛錬効果を得るには不十分であった。
【0005】
本発明の目的は、顔面筋に対する優れた鍛錬効果を得ることができる顔面筋鍛錬具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明の第一の態様によれば、弾性変形可能な撓み部と、その撓み部の中央に設けられ、口唇によって銜えられる銜持部とを備え、前記銜持部が前記撓み部の縁部の外側に配置されている。
【0007】
使用者は、顔面筋鍛錬具の使用時に、銜持部を口唇により銜えた状態で、弾性板を介してウェイト部を上下に揺動させる。すると、ウェイト部の揺動に対する反発力が銜持部に伝達されて、表情筋等の顔面筋が鍛えられる。また、この顔面筋鍛錬具によれば、銜持部が、前記撓み部の縁部の外側に配置されている。このため、顔面筋鍛錬具が、片持ち状態で口唇に銜えられる。これにより、ウェイト部を含む撓み部の荷重が顔面筋に対する負荷として効果的に作用し、顔面筋を有効に鍛えることができる。
【0008】
上記の顔面筋鍛錬具において、撓み部を板バネによって構成することが好ましい。この構成によれば、板バネの弾性力を利用して、有効な鍛錬効果を実現できる。
上記の顔面筋鍛錬具において、銜持部を板バネに固定したコアと、そのコアの外側に着脱されるマウスピースとにより構成することが好ましい。この構成によれば、口唇の形状等に応じて、適切な形状のマウスピースを使用できる。
【0009】
上記の顔面筋鍛錬具において、ウェイト部を板バネの両端に設けることが好ましい。この構成によれば、ウェイト部の荷重によって、板バネを適切に撓ませることができ、有効な鍛錬効果を実現できる。
【0010】
上記の顔面筋鍛錬具において、ウェイト部にウェイトが着脱されることが好ましい。この構成によれば、使用者に合う適切な重さのウェイトを用いることができる。
上記の顔面筋鍛錬具において、ウェイトの幅端を結ぶ線の外側に、銜持部の口唇をあてがう部分を設けることが好ましい。この構成によれば、顔面鍛錬具を片持ち状態で銜えることができ、有効な鍛錬効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態の顔面筋鍛錬具を示す平面図。
図2】顔面筋鍛錬具の断面図。
図3】顔面筋鍛錬具の斜視図。
図4】顔面鍛錬具の部分断面図。
図5】弾性板の平面図。
図6】銜持部の縦断面図。
図7】銜持部の分解断面図。
図8】マウスピースの斜視図。
図9】銜持部の横断面図。
図10】ウェイト部の分解断面図。
図11】ウェイトの斜視図。
図12】保護ピースの斜視図。
図13】顔面筋鍛錬具の使用状態を示す斜視図。
図14】本発明の第2実施形態の顔面筋鍛錬具の平面図。
図15】顔面筋鍛錬具の正面図。
図16】顔面筋鍛錬具の第1の変更例を示す部分斜視図。
図17】顔面筋鍛錬具の第2の変更例を示す部分斜視図。
図18】顔面筋鍛錬具の第3の変更例を示す部分斜視図。
図19】顔面筋鍛錬具の第3の変更例を示す縦断面図。
図20】顔面筋鍛錬具の第4の変更例を示す部分斜視図。
図21】顔面筋鍛錬具の第5の変更例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下に、顔面筋鍛錬具の第1実施形態を図1図13に従って説明する。尚、顔面筋鍛錬具を説明するに際し、使用者の顔側を前方とする。
【0013】
図1図3に示すように、顔面筋鍛錬具20は、細長い板状の撓み部21を備えている。撓み部21の長さ方向の中央には、口唇によって銜えられる断面円形状の銜持部24が突設されている。撓み部21の両端には、ウェイト部25が設けられている。銜持部24は、両ウェイト部25の重心を通る直線261から前方に変位して配置されるとともに、撓み部21における使用者の顔側の前縁211から外側の前方に突出されている。
【0014】
図2図4及び図5に示すように、撓み部21は、鋼製の板バネよりなる細長い弾性板22を備えている。弾性板22は、直線帯状を有している。弾性板22の長さ方向の中央には、コア27が固着されている。コア27は、弾性板22の長さ方向と直交する方向に向かって、弾性板22から前方の外側へ突出している。弾性板22略全体及びコア27の基端部は、被覆材23によって被覆されている。コア27は、ポリカーボネート・アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン混合(PC/ABS)樹脂よりなる。被覆材23はポリカーボネイト(PC)樹脂よりなる。コア27は、被覆材23より硬質である。弾性板22には、コア27の成形時にコア27を構成する合成樹脂の進入を許容して、弾性板22に対するコア27の移動を防止するための切欠221と、被覆材23の成形時に被覆材23を構成する合成樹脂の進入を許容して、弾性板22と被覆材23との相対移動を防止するための孔222とが形成されている。このため、弾性板22とコア27及び被覆材23との間の相対移動が防止されている。
【0015】
図3図6図9に示すように、コア27は、図6及び図7の下側を開放した中空状の突出部272を有している。突出部272の内部には、突出部272の変形を少なくするためのリブ273が形成されている。突出部272の外側には、マウスピース28が着脱される。突出部272の下側が開放されているため、突出部272とマウスピース28との接触面積が小さくなって、マウスピース28の着脱の際の摩擦抵抗が小さくなる。従って、マウスピース28の着脱が容易になる。突出部272は上側が開放されても、上下両側が開放されても、または左右方向の一側あるいは両側が開放されてもよく、さらには、突出部272の外周に環状の凹部を形成することにより全周が開放されていてもよく、外周面が開放されていれば、コア27とマウスピース28との間の接触面積が小さくなって、マウスピース28の着脱時の摩擦抵抗は小さくなる。
【0016】
マウスピース28は、コア27より柔軟であり、弾力性を有するゴム材によって形成されている。コア27とマウスピース28とにより、銜持部24が構成されている。突出部272の外周面には、凹部と凸部とよりなる抜け止め271が形成されている。マウスピース28の内周面には、抜け止め271と凹凸の関係で対応する抜け止め281が形成されている。突出部272の外周面及びマウスピース28の内周面の少なくとも一方には、梨地等の粗面加工が施されている。これにより、コア27にマウスピース28を着脱する際に生じる摩擦抵抗が小さくなる。
【0017】
マウスピース28の外周面には、口唇によって銜えられる第1窪み282が形成されている。この第1窪み282は被覆材23の前縁,すなわち撓み部21の前縁211から外側に離れている。マウスピース28の外周面の先端には、舌先をあてがうことが可能な第2窪み283が形成されている。マウスピース28の先端面は、球状面284である。第1実施形態では、高さや径、あるいは硬さ等の異なった複数のマウスピース28が用意され、使用者の口の大きさや形等に応じて適当なマウスピース28が選択される。
【0018】
図3図10及び図11に示すように、被覆材23の両端は、他の部分より厚く形成されている。被覆材23の両端には、楕円形状の保持孔29が形成されている。保持孔29には、楕円形状のウェイト30が着脱される。両ウェイト部25は、被覆材の23の厚くなった部分と、ウェイト30とによって構成されている。図1に示すように、マウスピース28の第1窪み282は、両ウェイト部25の幅端間を結ぶ直線262よりも外側に位置している。
【0019】
ウェイト30を保持孔29内で保持するために、保持孔29の内周面は、断面山形状に形成されている。また、ウェイト30の外周面は、保持孔29の内周面が嵌るように断面谷状に形成されている。保持孔29の内周面及びウェイト30の外周面のいずれか一方または両方には、梨地等の粗面加工が施されている。これにより、保持孔29にウェイト30を着脱する際に生じる摩擦抵抗が小さくなる。また、保持孔29の片側の端部には、突起291が形成されている。更に、ウェイト30の片側の端部には、突起291が嵌合可能な凹部301が形成されている。突起291と凹部301との嵌合により、弾性板22の撓み時にウェイト30が保持孔29内から脱落しにくくなる。突起291及び凹部301は、それぞれ保持孔29及びウェイト30の両端に形成されていてもよい。あるいは、保持孔29の内周面とウェイト30の外周面との間の摩擦力によってウェイト30を保持できるであれば、突起291及び凹部301は設けられなくてもよい。
【0020】
ウェイト30は、ケース302と、ケース302内に収納された金属材303とにより構成されている。第1実施形態では、金属材303の大きさや金属材303の材質の違いにより重さの異なる複数のウェイト30が用意されている。使用者は、任意の重さのウェイト30を選択し、選択されたウェイト30を保持孔29に取り付ける。ケース302は、被覆材23より硬質の合成樹脂によって形成されている。
【0021】
図3図12及び図13に示すように、弾性板22の両端のそれぞれには、硬質のPC樹脂よりなる保護ピース41が1つずつ取付けられている。保護ピース41により、弾性板22の両端のエッジが覆われている。これにより、エッジを起点とした応力によってエッジの部分で被覆材23が折れたり、被覆材23に亀裂等が生じたり、外力によって弾性板22の自由端のコーナが曲がったりすることが防止される。保護ピース41は、被覆材23の厚くなっている両端において、被覆材23の成形終了時における合成樹脂の収縮を少なくする。
【0022】
図4図10図12図13に示すように、各保護ピース41は、突起411と孔412とを有している。一方の保護ピース41の突起411が、弾性板22の孔224を通って他方の保護ピース41の孔412に嵌合されている。このことによって、両保護ピース41が、弾性板22を挟んで相互に連結される。保護ピース41の表面には、凸部413が形成されている。保護ピース41は、凸部413を除いて、被覆材23内にモールドされている。凸部413は、被覆材23と同一表面を形成するように被覆材23の表面に露出している。露出した凸部413は、デザイン上のアクセントとなっている。
【0023】
次に、前記のように構成された顔面筋鍛錬具20の作用を説明する。
使用者は、顔面筋鍛錬具20を使用する場合、図7に示すように、コア27の突出部272に銜えやすい大きさを有するもの等、任意のマウスピース28を取り付ける。それとともに、使用者は、図10に示すように、両ウェイト部25の保持孔29に、任意の重さのウェイト30を取り付ける。この状態で、図13に示すように、使用者は、銜持部24を歯で銜えることなく、銜持部24の第1窪み282を口唇で銜える。この状態で、使用者は顔を上下に往復動させる。このようにすると、撓み部21を介して両ウェイト部25が上下に揺動されると共に、その揺動の反発力が銜持部24に伝達される。このとき、ウェイト部25の荷重による負荷や撓み部21の反発による負荷等が、口唇及び口唇の周囲の表情筋等の顔面筋に作用する。これによって、顔面筋が鍛えられる。
【0024】
この場合、図1に示すように、銜持部24の第1窪み282が、撓み部21の前縁211が前方の外側に突出して配置されている。このため、顔面筋鍛錬具20が、片持ち状態で口唇に銜えられる。これにより、口唇に対する荷重負担が大きくなる。従って、ウェイト部25の荷重が顔面筋に対する負荷として効率良く作用して、顔面筋が効果的に鍛えられる。
【0025】
また、顔面筋鍛錬具20を異なった使用者が使用する場合、コア27上のマウスピース28を、別の使用者に適したマウスピース28に交換すればよい。これにより、口の大きさや形が異なる使用者であっても、顔面筋鍛錬具20のマウスピース28以外の本体部分を共用することができる。
【0026】
さらに、使用者の体調,顔面筋の強さや鍛錬度合い等に応じて、ウェイト部25の重さを任意に変更できる。この場合、ウェイト部25の保持孔29内のウェイト30を、重さの異なる別のウェイト30に交換すればよい。
【0027】
以上のように、第1実施形態の顔面筋鍛錬具20は、口唇によって銜えられる銜持部24が撓み部21の前縁211から前方の外側に突出している。このため、顔面筋鍛錬具20が、片持ち状態で口唇に銜えられる。これにより、ウェイト部25の荷重が、口唇,即ち顔面筋に対する負荷として効率良く作用する。こうして、顔面筋を有効に鍛えることができる。
【0028】
弾性板22が、板バネによって構成されている。この構成によれば、板バネの弾性変形を利用して、ウェイト部25を効果的に揺動させることができる。よって、高い鍛錬効果を発揮できる。
【0029】
ウェイト30を交換することにより、ウェイト部25の重さを調節できる。このため、体調や鍛錬度合いに応じて、顔面筋に対する負荷度合いを任意に変更することもできる。
弾性板22は、被覆材23により被覆されている。このため、弾性板22の錆を防止できるとともに、良好なデザインを得ることができる。
【0030】
銜持部24は、断面円形の突起状に形成されている。このため、使用者は、銜持部24を銜えやすい。これに対し、銜持部が板状をなす場合、使用者にとって銜えにくいこともある。
【0031】
銜持部24が、被覆材23に形成されたコア27と、コア27に着脱されるマウスピース28とにより構成されている。このため、大きさ等の異なる複数のマウスピース28を用意することにより、使用者の口の大きさ等に応じて、適切な大きさのマウスピース28を使用することができる。
【0032】
コア27は、下側を開放した中空状に形成されている。このため、コア27とマウスピース28との間の摩擦力が小さくなり、マウスピース28の着脱が容易である。
ウェイト部25は、被覆材23に形成された保持孔29と、保持孔29に着脱されるウェイト30とより構成されている。このため、重さの異なる複数のウェイト30を用意して、任意のウェイト30を保持孔29に着脱することができる。これにより、鍛錬度合い等に応じて、ウェイト部25の重さを簡単に調節することができる。
【0033】
コア27にはマウスピース28を介して使用者から力が加えられる。これに基づき、弾性板22がコア27を支点にして撓み運動を繰り返す。この場合、コア27が硬質樹脂によって形成されているため、ほとんど変形されない。従って、使用者の力がコア27を介して弾性板22及びその両端のウェイト部25に直接的に伝わるため、使用者は顔面鍛錬具20を意のままに操作できる。コア27は充分な剛性と強度を有するため、高い強度を有し、多数回の使用に耐えることができる。
【0034】
(第2実施形態)
次に、顔面筋鍛錬具20の第2実施形態を第1実施形態と異なる部分を中心に図14及び図15に従って説明する。
【0035】
図14及び図15に示すように、撓み部21は、弾性板22を備えると共にアングル状に形成されている。銜持部24は、弾性板22のコーナ部223に配置されている。銜持部24は、被覆材23の上下両面から突出されている。図14に示すように、銜持部24は、撓み部21の前縁211から前方の外側に突出するとともに、両ウェイト部25の重心を結ぶ直線261及び両ウェイト30の幅端を通る直線262から前側に変位して配置されている。
【0036】
第2実施形態によれば、銜持部24が、弾性板22のコーナ部223に配置されている。このため、弾性板22が直線状である第1実施形態とは異なり、銜持部24を弾性板22上から突出させる必要がない。つまり、銜持部24を、アングル状の弾性板22のコーナ部223に直接設ければよい。よって、銜持部24の構造を簡略化することができる。
【0037】
ウェイト部25は、アングル状をなす弾性板22の両端にそれぞれ1つずつ設けられている。このため、ウェイト部25は、銜持部24から前方へ大きく離れている。従って、顔面筋に対するウェイト部25の負荷が大きくなり、鍛錬をより効果的に行なうことができる。
【0038】
弾性板22がアングル状に形成されているため、顔面筋鍛錬具20の左右方向の幅を小さくすることができる。よって、顔面筋鍛錬具20の小型化が可能となる。
(変更例)
第1及び第2実施形態を、図16図21に示すように変更してもよい。これらの例においては、いずれも、銜持部24は撓み部21の前縁211から前方の外側に突出されている。
【0039】
図16に示す構成では、ほぼ円板状をなす左右一対の銜持部24が、被覆材23に形成されている。銜持部24は、被覆材23の上面中央から前方に突出している。このように構成すれば、銜持部24を安定して銜えることができる。
【0040】
図17に示す構成では、平板状をなす上下一対の銜持部24が、被覆材23に形成されている。銜持部24は、被覆材23の上下両面の中央から前方に突出している。上銜持部24の先端上面及び下銜持部24の先端下面には、口唇によって銜えられる窪み部241が形成されている。このように構成しても、銜持部24を安定して銜えることができる。また、このように構成すれば、銜持部24が上下方向に撓むため、上下の銜持部24間の間隔は、口の大きさや銜える力によって適切に変化することができる。また、銜持部24の弾性変形を利用することにより、使用者に対してさらなる負荷を与えることができる。
【0041】
図18及び図19に示す構成は、図17の構成に類似している。この構成によれば、上銜持部24の先端上面及び下銜持部24の先端下面には、口唇によって銜えられる広めの窪み部241が形成されている。このように構成しても、銜持部24を安定して銜えることができる。また、下銜持部24には、口中に挿入されて銜持状態を安定させるための突片231が形成されている。従って、このように構成すれば、図17の構成と同様に、銜持部24が上下方向に撓むため、銜持部24間の間隔は適切に変化することができる。また、銜持部24の弾性変形を利用することにより、使用者に対してさらなる負荷を与えることができる。また、突片231の下面に舌先を当てながら顔面筋鍛錬具を揺動させることにより、顎舌骨筋等の舌骨筋を鍛錬できる。
【0042】
図20に示す構成では、銜持部24が、球体状のコア27と、球面袋状のマウスピース28とより構成されている。コア27は、被覆材23の前面中央から突出され、マウスピース28は、コア27に対して着脱される。
【0043】
第1及び第2実施形態において、銜持部24を被覆材23に対して一体形成してもよい。
顔面筋鍛錬具20からウェイト30を省略してもよい。具体的には、被覆材23の両端を大きくあるいは厚くし、または面積を大きくかつ厚くして、ウェイト部25を被覆材23と一体に形成してもよい。面積を大きくした構成では、ウェイト部25の揺動によって、ウェイト部25が大きな空気抵抗を受ける。この場合、空気抵抗が口唇に対する負荷になるため、有効な鍛錬効果を得ることができる。
【0044】
第2実施形態において、銜持部24を第1実施形態と同様な構成にしてもよい。
図21に示すように、顔面筋鍛錬具20から弾性板22を被覆する被覆材23を省略してもよい。この場合、合成樹脂よりなる銜持部24が弾性板22に直接固定される。また、ウェイト部25を構成する合成樹脂製のウェイト30を弾性板22に直接固定してもよい。この場合、銜持部24やウェイト30は、ネジを用いて弾性板22に固定してもよい。また、ウェイト30は、金属材のみによって構成してもよい。
【0045】
ウェイト部25にウェイト30を設けることなく、ウェイト30に代えて、弾性板22の端部が所要重量となるように、弾性板22の端部を巻回したり、折り曲げたり、大面積にしたりして構成してもよい。
【0046】
銜持部24のマウスピース28は、その外周面が単純な円筒形状であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
20…顔面筋鍛錬具、21…撓み部、22…弾性板、222…コーナ部、23…被覆部、24…銜持部、25…ウェイト部、26…重心位置としての直線、27…コア、28…マウスピース、29…保持孔、30…ウェイト。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21