(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267352
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】水圧エネルギー伝達システムを備えた破砕システム
(51)【国際特許分類】
E21B 43/267 20060101AFI20180115BHJP
E21B 43/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
E21B43/267
E21B43/00 A
【請求項の数】16
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-546893(P2016-546893)
(86)(22)【出願日】2014年10月3日
(65)【公表番号】特表2016-532799(P2016-532799A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】US2014059157
(87)【国際公開番号】WO2015051316
(87)【国際公開日】20150409
【審査請求日】2016年6月1日
(31)【優先権主張番号】61/886,638
(32)【優先日】2013年10月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/033,080
(32)【優先日】2014年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/505,885
(32)【優先日】2014年10月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516099646
【氏名又は名称】エナジー リカバリー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(72)【発明者】
【氏名】ファシャド ガスリプーア
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー グラント マーティン
(72)【発明者】
【氏名】プレム クリシュ
(72)【発明者】
【氏名】バジ ゴッブリ
【審査官】
西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05899272(US,A)
【文献】
特表2012−518102(JP,A)
【文献】
特表2011−526972(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0301719(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0301725(US,A1)
【文献】
米国特許第03489394(US,A)
【文献】
米国特許第03560053(US,A)
【文献】
カナダ国特許出願公開第02773019(CA,A1)
【文献】
特開2004−076742(JP,A)
【文献】
特開2013−204461(JP,A)
【文献】
特開2012−143703(JP,A)
【文献】
特開2013−076379(JP,A)
【文献】
特表2004−500502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 33/02
E21B 43/00
E21B 43/12
E21B 43/267
B01D 61/10
F04F 5/06
F04F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロパントを含有しない第1流体とプロパントを含有する第2流体とを同時に受け入れ、前記第1流体と前記第2流体の間で圧力を交換する水圧エネルギー伝達システムであって、前記第1流体が、前記水圧エネルギー伝達システム内で、前記第2流体と直接相互作用して圧力を交換する水圧エネルギー伝達システムを含む、破砕システム。
【請求項2】
前記水圧エネルギー伝達システムが、前記第1流体と前記第2流体との間の混合を最小限に抑えるか又は防止する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記水圧エネルギー伝達システムが回転等圧圧力交換装置を含み、前記回転等圧圧力交換装置が、ロータと、前記ロータを囲うスリーブと、第1エンドキャップと、第2エンドキャップとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記水圧エネルギー伝達システムへの前記第1流体及び前記第2流体の流れを制御するコントローラーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラーが、前記水圧エネルギー伝達システムへの前記第1流体及び前記第2流体の流れを制御するための第1流量計と連通している、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
第1ポンプ及び第2ポンプを含み、前記第1ポンプが前記第1流体を送り出し、前記第2ポンプが前記第2流体を送り出す、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1ポンプが高圧ポンプであり、前記第2ポンプが低圧ポンプである、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
プロパントを含有しない第1流体を送り出す高圧ポンプと、
プロパントを含有する第2流体を送り出す低圧ポンプと、
前記高圧ポンプを通じた前記第2流体の流れを防ぎ、一方で、前記第1流体と前記第2流体の間で圧力を交換する水圧エネルギー伝達システムと、
開位置にある場合は、前記高圧ポンプを通じて前記第2流体の方向を変え、閉位置にある場合は、前記高圧ポンプを通じて前記第2流体が流れることを防ぐバイパス弁と
を含む、破砕システム。
【請求項9】
前記水圧エネルギー伝達システムが水圧ターボチャージャーを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記水圧エネルギー伝達システムが回転等圧圧力交換装置を含み、前記回転等圧圧力交換装置が、ロータと、前記ロータを囲うスリーブと、第1エンドキャップと、第2エンドキャップとを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記水圧エネルギー伝達システムが往復動等圧圧力交換装置を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記水圧エネルギー伝達システムへの前記第1流体及び前記第2流体の流れを制御するコントローラーを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
プロパントを含有しない第1流体とプロパントを含有する第2流体とを同時に受け入れ、前記第1流体と前記第2流体の間で圧力を交換する水圧エネルギー伝達システムであって、前記第1流体が、前記水圧エネルギー伝達システム内で、前記第2流体と直接相互作用して圧力を交換する、水圧エネルギー伝達システムと、
前記水圧エネルギー伝達システムへの前記第1流体の第1流量を測定する第1流量計と、
前記水圧エネルギー伝達システムへの前記第2流体の第2流量を測定する第2流量計と、
前記第1流量計及び前記第2流量計に連結され、かつ前記第1流量計及び前記第2流量計からのフィードバックを用いて、前記水圧エネルギー伝達システムへの前記第1流体の第1流量及び前記第2流体の第2流量を制御するコントローラーと
を含む、破砕システム。
【請求項14】
前記水圧エネルギー伝達システムに前記第1流体を送り込む高圧ポンプを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記水圧エネルギー伝達システムに前記第2流体を送り込む低圧ポンプを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記水圧エネルギー伝達システムが回転等圧圧力交換装置であり、前記回転等圧圧力交換装置が、ロータと、前記ロータを囲うスリーブと、第1エンドキャップと、第2エンドキャップとを含む、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連技術の相互参照]
本出願は、2013年10月3日出願の「水圧破砕流体ポンプ用の等圧圧力交換装置の保護」と題した米国仮特許出願第61/886638号、2014年8月4日出願の「水圧エネルギー伝達システムを備えた破砕システム」と題した米国仮特許出願第62/033080号、及び2014年10月3日出願の「水圧エネルギー伝達システムを備えた破砕システム」と題した米国非仮特許出願第14/505885号の優先権と利益を主張し、それらの全ては、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本セクションは、以下に記載され及び/又は特許請求の範囲に記載される本発明の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様について、読者に紹介することを意図するものである。ここでの議論は、本発明の様々な態様のより良い理解を容易にするため、背景情報を読者に提供するのに有用であると考えられる。したがって、これらの説明はこのような観点で読むべきであり、先行技術の自認としてではないことを理解すべきである。
【0003】
石油及びガス産業における坑井仕上げ作業は、多くの場合、岩石層中の石油及びガスの放出を増加させるための水圧破砕(しばしば、「フラッキング(fracking)」又は「フラシング(fracing)」と称される。)を伴う。水圧破砕は、水、化学物質及びプロパント(例えば、砂、セラミックス)の組み合わせを含有する流体(例えば、破砕流体)を高圧で坑井に送り込むことを伴う。高圧の流体が、岩石層の中を通る亀裂のサイズ及び亀裂の伝播を増加させて、より多くの石油及びガスを放出させ、一方で、流体が減圧されると、プロパントによって亀裂の閉塞を防ぐ。破砕作業は、破砕流体の圧力を増加させるために高圧ポンプを使用する。残念なことに、破砕流体中のプロパントは、高圧ポンプの消耗及びメンテナンスを増加させる。
【0004】
以下の詳細な説明を、添付図面を参照して読むことで、本発明の様々な特徴、態様、及び利点がより良く理解され、添付図面では、全体を通して同様の文字は同様の部材を表している。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】水圧エネルギー伝達システムを備えた破砕システムの実施形態の模式図である。
【
図2】水圧ターボチャージャーの実施形態の模式図である。
【
図3】往復動等圧圧力交換装置(往復動IPX)の実施形態の模式図である。
【
図5】回転等圧圧力交換装置(回転IPX)の実施形態の分解斜視図である。
【
図6】第1作動位置の回転IPXの実施形態の分解斜視図である。
【
図7】第2作動位置の回転IPXの実施形態の分解斜視図である。
【
図8】第3作動位置の回転IPXの実施形態の分解斜視図である。
【
図9】第4作動位置の回転IPXの実施形態の分解斜視図である。
【
図10】水圧エネルギー伝達システムを備えた破砕システムの実施形態の模式図である。
【
図11】水圧エネルギー伝達システムを備えた破砕システムの実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の1つ又は複数の具体的な実施形態が以下に記載される。これらの記載された実施形態は、本発明の単なる例示である。加えて、これらの例示的な実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実施態様の全ての特徴が、本明細書中に記載されていない場合がある。任意のそのような実際の実施態様の開発では、任意のエンジニアリング又はデザインプロジェクトの場合と同様に、実施態様により異なり得る開発者の特定の目的、例えば、システム関連及びビジネス関連の制約の順守を達成するために、数多くの実施態様による特定の決定をしなければならないことが認められるべきである。さらに、そのような開発の努力は、複雑であり時間を要し得るが、本開示の利益を受ける当業者にとっては、デザイン、製作、及び製造の日常の仕事であることが認められるべきである。
【0007】
以下で詳細に議論されるように、破砕システム又は水圧破砕システムは、第1流体(例えば、プロパントを実質的に含有しない流体のような圧力交換流体)と第2流体(例えば、プロパントを含有する流体のような破砕流体)との間で仕事及び/又は圧力を伝達する水圧エネルギー伝達システムを含む。例えば、第1流体は約5000〜25000kPa、20000〜50000kPa、40000〜75000kPa、75000〜100000kPaの間の、又は第2流体の第2圧力よりも高い第1圧力であることができる。作業において、水圧エネルギー伝達システムは、第1流体と第2流体の間で圧力を完全に等しくしてもよいし、又は完全に等しくしなくてもよい。したがって、水圧エネルギー伝達システムは等圧で又は実質的に等圧(例えば、第1流体と第2流体の圧力を、互いに約±1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10%以内で等しくする)で作業することができる。
【0008】
水圧エネルギー伝達システムは、水圧保護システム、水圧緩衝システム、又は水圧隔離システムとして記載されることもある。なぜならば、水圧エネルギー伝達システムは、第1流体と第2流体との間で仕事及び/又は圧力を交換しながら、破砕流体と様々な水圧破砕設備(例えば、高圧ポンプ)との間の接触を防ぐか又は制限するためである。水圧破砕設備の様々な部分と第2流体(例えば、プロパントを含有する流体)との間の接触を防ぐか又は制限することで、水圧エネルギー伝達システムは摩耗/消耗を減らし、したがって、この設備(例えば、高圧ポンプ)の寿命/性能を向上させる。さらに、それは、破砕システムにおいて高価ではない設備、例えば摩耗性の流体(例えば、破砕流体及び/又は腐食性の流体)用に設計されていない高圧ポンプを使用することを可能にし得る。幾つかの実施形態において、水圧エネルギー伝達システムは、水圧ターボチャージャー、回転等圧圧力交換装置(例えば、回転IPX)、又は非回転等圧圧力交換装置(例えば、貯気槽、往復動等圧圧力交換装置)であることができる。回転及び非回転等圧圧力交換装置は、一般的に、遠心分離技術を利用せずに、約50%、60%、70%。80%、又は90%以上の効率で、高圧流入蒸気と低圧流入蒸気との間の流体圧力を伝達するデバイスとして定義することができる。
【0009】
上記で説明したように、水圧エネルギー伝達システムは、第1流体と第2流体との間で仕事及び/又は圧力を伝達する。これらの流体は、気/液流、気/固微粒子流、液/固微粒子流、気/液/固微粒子流、又は他の任意の多相流のような多相流体であってよい。さらに、これらの流体は、非ニュートン流体(例えば、剪断減粘性流体)、高粘性流体、プロパントを含有する非ニュートン流体、又はプロパントを含有する高粘性流体であってよい。プロパントは、砂、固形粒子、粉末、破片、セラミックス、又はそれらの任意の組み合わせを含んでよい。
【0010】
図1は、水圧エネルギー伝達システム12を備えた破砕システム10(例えば、流体取扱システム)の実施形態の模式図である。作業において、破砕システム10により、坑井仕上げ作業において岩石層中の石油及びガスの放出を増加させることが可能となる。破砕システム10は、水圧エネルギー伝達システム12に接続された、1つ又は複数の第1流体ポンプ18と1つ又は複数の第2流体ポンプ20を含むことができる。例えば、水圧エネルギー伝達システム12は、水圧ターボチャージャー、回転IPX、往復動IPX、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。加えて、水圧エネルギー伝達システム12は、破砕システム10の他の構成物と分離しているスキッド上に設置されてもよく、それは、水圧エネルギー伝達システム12が既存の破砕システム10に追加される状況において望ましいことがある。作業において、水圧エネルギー伝達システム12は、第1流体ポンプ18により送り出される第1流体(例えば、プロパントを含有しない流体)と第2流体ポンプ20により送り出される第2流体(例えば、プロパントを含有する流体又は破砕流体)との間で何ら実質的な混合なしに圧力を伝達する。このようにして、水圧エネルギー伝達システム12は、第1流体ポンプ18(例えば、高圧ポンプ)の消耗を防ぐか又は制限し、一方で、破砕システム10が高圧破砕流体を坑井14に送り込んで石油及びガスを放出させることを可能にする。加えて、水圧エネルギー伝達システム12は、第1流体及び第2流体にさらされるように構成されるため、水圧エネルギー伝達システム12は、第1流体及び第2流体のいずれかの腐食性かつ摩耗性の物質に耐性のある材料から作ることができる。例えば、水圧エネルギー伝達システム12は、金属マトリックス(例えば、Co、Cr、Ni、又はそれらの任意の組み合わせ)内のセラミックス(例えば、アルミナ、炭化物、酸化物、窒化物、又はホウ化物の硬質相のようなサーメット)、例えば、CoCr、Ni、NiCr、又はCoマトリックス中の炭化タングステンから作ることができる。
【0011】
図2は、水圧ターボチャージャー40の実施形態の模式図である。上記で説明したように、破砕システム10は、水圧エネルギー伝達システム12として水圧ターボチャージャー40を使用することができる。作業において、水圧ターボチャージャー40は、第1流体(例えば、高圧のプロパントを含有しない流体、プロパントを実質的に含有しない流体)と第2流体(例えば、プロパントを含有する流体)との間で仕事及び/又は圧力を伝達することを可能とし、一方で、第1流体と第2流体との間の接触(及びしたがって混合)を防ぐか又は制限する。図示されるように、第1流体は第1流入路44を通じて水圧ターボチャージャー40の第1の側42に入り、第2流体(例えば、低圧破砕流体)は第2流入路48を通じて第2の側46の水圧ターボチャージャー40に入ることができる。第1流体が水圧ターボチャージャー40に入ると、その第1流体は、第1流体から第1羽根車までエネルギーを伝達する第1羽根車50に接触し、これが第1羽根車50を軸52回りに回転駆動させる。次いで、第1羽根車50の回転エネルギーは、シャフト54を通じて第2羽根車56まで伝達される。第1羽根車50にエネルギーを伝達した後、第1流体は、第1流出路58を通じて低圧流体として水圧ターボチャージャー40から出る。次いで、第2羽根車56の回転は、流入路48を通じて水圧ターボチャージャー40に入る第2流体の圧力を増加させる。第2流体は、いったん加圧されると、坑井14を水圧で破砕できる高圧破砕流体として水圧ターボチャージャー40から出る。
【0012】
第1流体と第2流体との間の接触を防ぐために、水圧ターボチャージャー40は第1の側42と第2の側46との間に壁62を含む。その壁62は、シャフト58(例えば、円筒シャフト)が第1羽根車50と第2羽根車56との間で延びることを可能とするが、流体の流れを防ぐ開口64を含む。幾つかの実施形態において、水圧ターボチャージャー40は、第1流体と第2流体との間の流体交換をさらに低減又は阻止できるガスケット/シール66(例えば、環状シール)を含むことができる。
【0013】
図3は、往復動等圧圧力交換装置90(往復動IPX)の模式図である。往復動IPX90は、弁96を使って第1流体(例えば、高圧のプロパントを含有しない流体)から第2流体(例えば、プロパントを含有する流体、破砕流体)まで圧力を交互に伝達する第1圧力容器92及び第2圧力容器94を含むことができる。他の実施形態においては、追加の圧力容器(例えば、2、4、6、8、10、20、30、40、50以上)があってよい。図示されるように、弁96は、第1ピストン98、第2ピストン100、及び第1ピストン98を第2ピストン100及び駆動装置104(例えば、電動モーター、水圧モーター、燃焼モーターなど)に連結するシャフト102を含む。駆動装置104は、弁96を軸方向106及び軸方向108に交互に駆動し、高圧流入路110を通じて入る第1流体の流れを制御する。例えば、第1位置において、弁96は、第1ピストン98及び第2ピストン100を用い、高圧第1流体を第1圧力容器92に導き、一方で、高圧第1流体の流れが第2圧力容器94に入ること又は低圧流出路112及び114を通じて弁96の外に出ることを防ぐ。高圧第1流体が第1圧力容器92に入ると、第1流体は、圧力容器ピストン116を軸方向118に駆動し、それにより第1圧力容器92内の第2流体の圧力が増加する。いったん第2流体が適切な圧力に到達すると、高圧逆止弁120が開いて、高圧第2流体が、破砕作業において使用するために高圧流出路122を通じて往復動IPX90を出ることが可能となる。第1圧力容器92が放出されると、往復動IPX90は、第2圧力容器94を準備し第2流体を加圧する。図示されるように、低圧第2流体は、低圧第2流体流入路126と連結された低圧逆止弁124を通じて、第2圧力容器94に入る。第2流体が第2圧力容器94を満たすと、第2流体は軸方向130に圧力容器ピストン128を駆動して、低圧第1流体を低圧流出路114を通じて第2圧力容器94及び弁96の外に出し、第2圧力容器94を、高圧第1流体を受けるために準備する。
【0014】
図4は、高圧第2流体を放出している第2圧力容器94、及び低圧第2流体で満たされている第1圧力容器92を備えた往復動IPX90の模式図である。図示されるように、弁96は第2位置にある。第2位置においては、弁96は高圧第1流体を第2圧力容器94に導き、一方で、高圧第1流体の流れが第1圧力容器92に入ること又は低圧流出路112及び114を通じて弁96の外に出ることを防ぐ。高圧第1流体が第2圧力容器94に入ると、第1流体は圧力容器ピストン128を軸方向118に駆動し、第2圧力容器94内の第2流体の圧力を増加させる。いったん第2流体が適切な圧力に到達すると、高圧逆止弁132が開いて高圧第2流体が、破砕作業において使用するために高圧流出路134を通じて往復動IPX90を出ることが可能となる。第2圧力容器94が放出されると、第1圧力容器92は、低圧第2流体流入路138に連結された低圧逆止弁136を通過してくる第2流体で満たされる。第2流体が第1圧力容器92を満たすと、第2流体は軸方向130に圧力容器ピストン116を駆動して、低圧第1流体を第1圧力容器92の外に、そして低圧流出路112を通じて外に出す。このようにして、往復動IPX90は、第1圧力容器90及び第2圧力容器92を使って、第1流体(例えば、高圧のプロパントを含有しない流体)から第2流体(例えば、プロパントを含有する流体、破砕流体)まで圧力を交互に伝達する。さらに、圧力容器ピストン116及び128が、第1流体及び第2流体を分離しているため、往復動IPX90は、破砕システムの設備(例えば、高圧流入路110と流体連結された高圧流体ポンプ)を第2流体(例えば、腐食性の及び/又はプロパントを含有する流体)との接触から保護することができる。
【0015】
図5は、流体の最小限の混合で以て、第1流体と第2流体(例えば、プロパントを含有しない流体とプロパントを含有する流体)との間で圧力及び/又は仕事を伝達できる、回転等圧圧力交換装置160(回転IPX)の実施形態の分解斜視図である。回転IPX160は、スリーブ164及びロータ166を含むほぼ円筒形の本体部162を含むことができる。回転IPX160はまた、マニホールド172及び174をそれぞれ含む2つのエンドキャップ168及び170を含むことができる。マニホールド172は、流入ポート176及び流出ポート178をそれぞれ含み、一方で、マニホールド174は流入ポート180及び流出ポート182をそれぞれ含む。作業において、これらの流入ポート176、180は、圧力を交換するために第1流体(例えば、プロパントを含有しない流体)が回転IPX160に入ることを可能にし、そして流出ポート180、182は、第1流体が回転IPX160から出ることを可能にする。作業において、流入ポート176は、高圧第1流体を受け入れることができ、圧力を交換した後、流出ポート178を用いて、低圧第1流体を回転IPX160の外に導くことができる。同様に、流入ポート180は低圧第2流体(例えば、プロパントを含有する流体、破砕流体)を受けることができ、流出ポート182を用いて高圧第2流体を回転IPX160の外に導くことができる。エンドキャップ168及び170は、流体のロータ166との接触を封止できるそれぞれのマニホールド172及び174内に配置されるそれぞれのエンドカバー184及び186を含む。ロータ166は円筒形であり、スリーブ164の中に配置することができ、それにより、ロータ166が軸188回りに回転することを可能にする。ロータ166は、長手軸188について対称に配置された各端部の穴192及び194を有するロータ166を通じて、おおむね長手方向に延長した複数の流路190を有することができる。ロータ166の穴192及び194は、回転中、流路190が高圧の流体及び低圧の流体にさらされるような方法で、エンドカバー172及び174の入口開口196及び198並びに出口開口200及び202と水圧連通するように配置される。図示されるように、入口開口196及び198並びに出口開口78及び80は、円弧の形状又は弓形状(例えば、C形状)で設計することができる。
【0016】
幾つかの実施形態では、センサフィードバックを用いたコントローラーにより、回転IPX160において第1流体と第2流体との間の混合の程度を制御することができ、それは流体取扱システムの操作性を向上させるために使用することができる。例えば、回転IPX160に入る第1流体及び第2流体の割合を変化させることで、プラントの作業者が、水圧エネルギー伝達システム12内の流体混合の量を制御することを可能にする。混合に影響する回転IPX160の3つの特性は、(1)ロータの流路190のアスペクト比、(2)第1流体と第2流体との間の短時間の曝露、及び(3)ロータの流路190内の第1流体と第2流体の間の流体バリア(例えば、インターフェイス)の形成である。第一に、ロータの水路190は、一般的に長くかつ細く、それが回転IPX160内の流れを安定させる。加えて、第1流体及び第2流体は、極めて少ない軸方向混合を伴うプラグ流動様式で流路190を通じて動くことができる。第二に、幾つかの実施形態では、ロータ166の速度によって第1流体と第2流体との間の接触が低減される。例えば、ロータ166の速度によって、第1流体と第2流体との間の接触時間を、約0.15秒、0.10秒、又は0.05秒以下に低減することができる。第三に、ロータの流路190のわずかな部分が、第1流体と第2流体との間の圧力の交換用に使用される。それゆえ、大量の流体が第1流体と第2流体との間のバリアとして流路190に留まる。これら全ての機構により回転IPX160内の混合を制限することができる。さらに、幾つかの実施形態では、回転IPX160は、圧力の伝達を可能にしつつ、第1流体と第2流体を分離する内部ピストンで操作するように設計することができる。
【0017】
図6〜9は、流路190が全サイクルを通じて回転するため、ロータ166における1つの流路190の位置の順序を図示した、回転IPX160の実施形態の分解斜視図である。
図6〜9は、1つの流路190を示す回転IPX160の簡易図であり、流路190は円形の断面形状を有するように示される。他の実施形態においては、回転IPX160は、同じか又は異なる断面形状(例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、多角形など)を持つ複数の流路190を含むことができる。このように、
図6〜9は例示を目的とした簡易図であり、回転IPX160の他の実施形態は、
図6〜9に示されるものと異なる構成を有し得る。以下に詳細に記載されるように、回転IPX160は、第1流体及び第2流体をロータ166内で互いに瞬間的に接触させることを可能とすることで、第1流体と第2流体(例えば、プロパントを含有しない流体とプロパントを含有する流体)との間の圧力交換を容易にする。幾つかの実施形態において、この交換は、第1流体及び第2流体の限定的な混合をもたらす速度で起こる。
【0018】
図6では、流路の穴192が第1位置にある。第1位置において、流路の穴192は、エンドプレート184の開口198と、それゆえマニホールド172と流体連通しており、一方で、反対の流路の穴194は、エンドカバー186の開口202と、さらにマニホールド174と水圧連通している。以下に記載されるように、ロータ166は、矢印204によって示される時計回り方向に回転することができる。作業において、低圧第2流体206はエンドカバー186を通り過ぎ、流路190に入り、それが動圧流体のインターフェイス210で第1流体208と接触する。次いで、第2流体206は、第1流体208を流路190の外に駆動し、エンドカバー184を通じて回転IPX160の外に駆動する。しかしながら、接触は短時間であるため、第2流体206と第1流体208との間では最小限の混合しかない。
【0019】
図7では、流路190が約90度の円弧を通じて時計回りに回転している。この位置では、流出路194は、エンドカバー186の開口200及び202と流体連通しておらず、穴192は、エンドカバー184の開口196及び198と流体連通していない。したがって、低圧第2流体206は、一時的に流路190内に含まれる。
【0020】
図8では、流路190が、
図6に示される位置から約180度の円弧を通じて回転している。穴194は、今はエンドカバー186の開口200と流体連通していて、流路190の穴192は、今はエンドカバー184の開口196と流体連通している。この位置において、高圧第1流体208が入って低圧第2流体を加圧し、第2流体206を破砕システム10において使用するために流体流路190の外に、そして開口200を通じて駆動する。
【0021】
図9では、流路190が、
図6に示される位置から約270度の円弧を通じて回転している。この位置において、流出路194は、エンドカバー186の開口200及び202と流体連通しておらず、穴192はエンドカバー184の開口196及び198と流体連通していない。したがって、第1流体208は加圧されず、ロータ166がもう90度回転してサイクルが再度始まるまで、流路190内に一時的に含まれる。
【0022】
図10は、水圧エネルギー伝達システム12が、水圧ターボチャージャー40、往復動IPX90、又はそれらの組み合わせであることができる、破砕システム10の実施形態の模式図である。上記で説明したように、水圧ターボチャージャー40又は往復動IPX90は水圧破砕設備(例えば、高圧ポンプ)を保護し、一方で、高圧破砕流体を破砕作業中に坑井14内に送り込むことを可能にする。図示されるように、破砕システム10は、1つ又は複数の第1流体ポンプ18及び1つ又は複数の第2流体ポンプ20を含む。第1流体ポンプ18は、低圧ポンプ234及び高圧ポンプ236を含んでよく、第2流体ポンプ20は低圧ポンプ238を含んでよい。幾つかの実施形態において、破砕システム10は、追加の第1流体ポンプ18(例えば、追加の低圧、中圧、及び/又は高圧ポンプ)及び第2流体ポンプ20(例えば、低圧ポンプ)を含むことができる。作業において、第1流体ポンプ18及び第2流体ポンプ20は、それぞれ第1流体及び第2流体(例えば、プロパントを含有しない流体及びプロパントを含有する流体)を、流体が仕事及び圧力を交換する水圧エネルギー伝達システム12に送り込む。上で説明したように、水圧ターボチャージャー40及び往復動IPX90は、第1流体及び第2流体を混合せずに仕事と圧力を交換する。その結果として、水圧ターボチャージャー40及び往復動IPX90の高圧ポンプ236は、第1流体ポンプ18を第2流体(例えば、プロパントを含有する流体)への曝露から保護する。言い換えると、第2流体ポンプ18は、プロパント(例えば、固体微粒子)により引き起こされる摩耗及び/又は消耗が増加することがない。
【0023】
図示されるように、第1流体低圧ポンプ234は、第1流体高圧ポンプ236と流体連結している。作業において、第1流体低圧ポンプ234は、第1流体(例えば、プロパントを含有しない流体、プロパントを実質的に含有しない流体)を受け入れ、第1流体高圧ポンプ236により使用する第1流体の圧力を増加させる。第1流体は、ウォータータンク244からの水と化学物質タンク246からの化学物質の組み合わせであることができる。しかしながら、幾つかの実施形態において、第1流体は水のみであるか又は実質的に水のみ(例えば、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれ以上の割合の水)であることができる。次いで、第1流体高圧ポンプ236は、高圧流入路240を通じて、水圧エネルギー伝達システム12に第1流体を送り込む。次いで、第1流体の圧力は、第2流体(例えば、プロパントを含有する流体、破砕流体)に伝達し、それが第2流体低圧流入路242を通じて水圧エネルギー伝達システム12に入る。第2流体は、プロパントタンク248からのプロパント(例えば、砂、セラミックスなど)を含有する破砕流体である。圧力を交換した後、第2流体は、高圧流出路250を通じて水圧エネルギー伝達システム12を出て、坑井14に入り、一方で、第1流体は低圧流出路252を通じて低減された圧力で出る。幾つかの実施形態において、破砕システム10は、坑井14に入る前に第2流体の圧力をさらに昇圧するブーストポンプ254を含むことができる。
【0024】
低圧で流出路252を出た後、第1流体は、第1流体ポンプ18を通じて再循環することができるか及び/又は混合タンク256を通過することができる。例えば、3方向弁258は、第1流体の全て又は一部が第1流体ポンプ18を通じて再循環されるか、又は第1流体の全て又は一部が混合タンク256を通じて導かれ、第2流体を形成するかどうかを制御することができる。もし、第1流体が混合タンク256に導かれた場合、混合タンク256は、第1流体とプロパントタンク248からのプロパントを組み合わせて、第2流体(例えば、破砕流体)を形成する。幾つかの実施形態では、混合タンク256は、ウォータータンク244及び化学物質タンク246から直接、水及び化学物質を受け入れて、水圧エネルギー伝達システム12を通過した第1流体を補うか又は置き換えることができる。次いで、混合タンク256は、これらの流体とプロパントタンク248からのプロパントを組み合わせて、第2流体(例えば、破砕流体)を作り出すことができる。
【0025】
組成(例えば、化学物質、水及びプロパントの割合)並びに第1流体及び第2流体の流れを制御するために、破砕システム10はコントローラー260を含むことができる。例えば、コントローラー260は、第1流体及び第2流体の流れ、組成、及び圧力を、閾値範囲内、閾値レベル以上、及び/又は閾値レベル以下に維持することができる。コントローラー260は、センサ266及び268からのフィードバックを受け取る1つ又は複数のプロセッサ262、及びメモリー264、並びに、水圧エネルギー伝達システム12への第1流体及び第2流体の組成及び流れを制御するための流量計270及び272を含むことができる。例えば、コントローラー260は、第2流体の化学組成が正しくないことを示すセンサ266からフィードバックを受信する場合がある。それに応答して、コントローラー260は、弁274又は276を開閉して、第1流体に入る化学物質又は混合タンク256に直接入る化学物質の量を変更することができる。別の状況では、コントローラー260は、第1流体の流量を増加させる必要性を示す第1流体の流路にある流量計272からの信号を受信する場合がある。それに応じて、コントローラー260は、弁278及び弁274を開けて、破砕システム10を通じて水及び化学物質の流れを増加させることができる。コントローラー260はまた、レベルセンサ268(例えば、レベルコントロール)を備えた混合タンク256の第2流体の組成(例えば、プロパント、水などの割合)を監視することもできる。もし組成が正しくない場合、コントローラー260は、弁258、274、276、278、280、及び282を開閉して、混合タンク256の水、化学物質、及び/又はプロパントの流れを増減することができる。幾つかの実施形態において、破砕システム10は、第2流体の流体流路と連結した流量計270を含むことができる。作業において、コントローラー260は、流量計270を用いて水圧エネルギー伝達システム12への第2流体の流量を監視する。もし第2流体の流量が高すぎるか又は低すぎる場合、コントローラー260は、弁258、274、276、278、280、及び282を開閉するか、及び/又は第2流体ポンプ20を制御して、第2流体の流量を増減することができる。
【0026】
図11は、水圧エネルギー伝達システム12が、回転IPX160であることができる、破砕システム10の実施形態の模式図である。図示されるように、破砕システム10は、1つ又は複数の第1流体ポンプ18及び1つ又は複数の第2流体ポンプ20を含む。第1流体ポンプ18は、1つ又は複数の低圧ポンプ234及び1つ又は複数の高圧ポンプ236を含んでよく、第2流体ポンプ20は1つ又は複数の低圧ポンプ238を含んでよい。例えば、幾つかの実施形態において、流体線(例えば、パイプ、ホース)の中での圧力損失を補うために複数の低圧ポンプ234及び238を含むことができる。作業において、回転IPX160は、第1流体及び第2流体(例えば、プロパントを含有しない流体及びプロパントを含有する流体)が、第2流体(例えば、プロパントを含有する流体、破砕流体)と第1流体ポンプ18との間の接触を減らすか又は防ぎながら、仕事及び圧力を交換することを可能にする。したがって、破砕システム10は、第1流体ポンプ18(例えば、高圧ポンプ236)上でプロパント(例えば、固体微粒子)により引き起こされる消耗を減らしながら、第2流体を高圧で坑井14内に送り込むことができる。
【0027】
作業において、第1流体低圧ポンプ234は第1流体(例えば、プロパントを含有しない流体、プロパントを実質的に含有しない流体)を受け入れ、第1流体高圧ポンプ236により使用する第1流体の圧力を増加させる。第1流体はウォータータンク244からの水であるか、又はウォータータンク244からの水と化学物質タンク246からの化学物質の組み合わせであることができる。次いで、第1流体高圧ポンプ236は、高圧流入路240を通じて及び回転IPX160に第1流体を送り込む。次いで、第1流体の圧力は、第2流体低圧流入路242を通じて回転IPX160に入った第2流体(例えば、破砕流体のようなプロパントを含有する流体)に伝達される。圧力を交換した後、第2流体は、高圧流出路250を通じて回転IPX160を出て、坑井14に入り、一方で、第1流体は低圧流出路252を通じて低減された圧力で出る。幾つかの実施形態において、破砕システム10は、第2流体の圧力をさらに昇圧するブーストポンプ254を含むことができる。
【0028】
第1流体及び第2流体が回転IPX160内で圧力を交換すると、第2流体(例えば、漏洩流体)の一部は第1流体と一緒になって、回転IPX160の低圧流出路252を通じて回転IPX160を出る場合がある。言い換えると、低圧流出路252を出た流体は、第1流体と、高圧流出路250を通じて回転IPX160を出ない第2流体の一部の組み合わせとなり得る。第1流体ポンプ18を保護するために、破砕システム10は複合流体(すなわち、第1流体と第2流体の混合物)の大部分を混合タンク256に導くことができ、そこで複合流体は、より多くのプロパント及び化学物質を加えることにより第2流体に変換される。混合タンク256に必要でない任意の過剰な複合流体は、セパレータ300(例えば、セパレータタンク、ハイドロサイクロン)に送ることができ、そこでプロパントは除去され、複合流体を第1流体に変換する。次いで、プロパントを実質的に含有しない第1流体は、第1流体ポンプ18を通じて再循環するために、セパレータ300を出ることができる。次いで、残った複合流体は、混合タンク256において使用するためにセパレータタンク300から出すことができる。回転IPX160を出る複合流体の大部分を混合タンク256に導くことができることで、破砕システム10において、より小さいセパレータ300の使用を可能にすると同時に、破砕システム10における熱応力を低減することができる。例えば、高圧ポンプ236が第1流体を加圧すると、その加圧により第1流体が昇温する。混合タンク256を通じて、そして坑井14内に、先に加圧した第1流体の大部分を送ることで、破砕システム10は、第1流体ポンプ18、回転IPX160、及びその他の破砕システム10の構成要素の熱応力を低減する。さらに、より小さいセパレータは、破砕システム10のコスト、メンテナンス、及び負荷を減らすことができる。
【0029】
混合タンク256で、水、化学物質、及びプロパントは、適切な割合/比率で組み合わされ、第2流体(例えば、破砕流体)を形成する。図示されるように、混合タンク256は、プロパントタンク248、化学物質タンク246、低圧流出路252を通る回転IPX160、セパレータ300、及びウォータータンク244と連結している。したがって、混合タンク256は、混合タンク256が第2流体を作り出すことができるように、様々な供給源からの流体及びプロパントを受け入れることができる。例えば、低圧流出路252を通じて回転IPX160を出る複合流体が、第2流体の適切な混合物を形成するのに不十分である場合、破砕システム10は弁302を開けて、ウォータータンク244からの水が回転IPX160を出た複合流体を補うことを可能とする。ウォータータンク244からセパレータ300への流体の流れを防ぐために、破砕システム10は、逆止弁303を含むことができる。第2流体(例えば、破砕流体)を形成するための適切な割合/比率を得た後、第2流体は混合タンク256を出て、第2流体ポンプ20に入る。次いで、第2流体ポンプ20は第2流体(例えば、プロパントを含有する流体、破砕流体)を回転IPX160に送り込む。回転IPX160で、第1流体は、第2流体と接触してその圧力を上昇させ、第2流体を回転IPX160の外へそして坑井14に駆動する。
【0030】
組成(例えば、化学物質、水及びプロパントの割合)並びに第1流体及び第2流体の流れを制御するために、破砕システム10はコントローラー260を含むことができる。例えば、コントローラー260は、第1流体及び第2流体の流れ、組成、及び圧力を、閾値範囲内、閾値レベル以上、及び/又は閾値レベル以下に維持することができる。コントローラー260は、センサ266及び268からのフィードバックを受け取る1つ又は複数のプロセッサ262及びメモリー264、並びに、回転IPX160への第1流体及び第2流体の組成及び流れを制御するための流量計270及び272を含むことができる。例えば、コントローラー260は、第2流体の化学組成が正しくないことを示すセンサ266からフィードバックを受信する場合がある。それに応答して、コントローラー260は、弁274を開閉して、混合タンク256に入る化学物質の量を変更することができる。幾つかの実施形態では、コントローラー260はまた、レベルセンサ268(例えば、レベル制御)を備えた混合タンク256における第2流体のプロパント、水などの割合を監視することもできる。もし組成が正しくない場合、コントローラー260は、弁274、282、及び302を開閉して、混合タンク256の水、化学物質、及び/又はプロパントの流れを増減することができる。別の状況では、コントローラー260は、第1流体の流量が高すぎるか又は低すぎることを示す流量計272からの信号を受信する場合がある。この場合、コントローラー260は低圧ポンプ234の速度を増減して、第1流体の流量を変更することができる。破砕システム10はまた、流量計270により第2流体の流量を監視することもできる。もし第2流体の流量が高すぎるか又は低すぎる場合、コントローラー260は、弁302及び304を操作できるか、及び/又は第2ポンプ20の速度を増減することができる。幾つかの実施形態において、コントローラー260はまた、回転IPX160が回転していない(例えば、停止している)かどうかを検出するセンサ306(例えば、振動、光学、磁気など)を監視することもできる。もし、回転IPX160が停止している場合、コントローラー160はバイパス弁308を開き、弁304、310及び312を閉めて、低圧流出路252から混合タンク256への流体の流れを防ぐことができ、並びに第1流体ポンプ18を通じて第1流体の流れを防ぐことができる。次いで、コントローラー260は、弁302を開けて水を混合タンク256に直接送り込み、第2流体を作り出すことができる。次いで、第2流体低圧ポンプ238は、回転IPX160及びバイパス弁308を通じて、第2流体を第1流体ポンプ18に送り込む。次いで、第1流体ポンプ18は、第2流体の圧力を上昇させ、第2流体を破砕のために回転IPX160を通じてそして坑井14の中に駆動する。このようにして、
図8の破砕システム10は、回転IPX160が停止している場合も、連続した破砕作業を可能とする。
【0031】
本発明は、様々な修正及び代替形態が可能であり、具体的な実施形態が図面において例として示され、本明細書において詳しく記載されている。しかしながら、本発明は開示される特定の形態に限定されることを意図するものでないことが理解されるべきである。むしろ、本発明は特許請求の範囲により規定される本発明の趣旨及び範囲内にある、全ての修正物、等価物、及び代替物を包含することを意図するものである。
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)第1流体と第2流体との間で圧力を交換する水圧エネルギー伝達システムを含む、破砕システム。
(付記2)前記第1流体がプロパントを実質的に含有しない流体であり、前記第2流体がプロパントを含有する流体である、付記1に記載のシステム。
(付記3)前記水圧エネルギー伝達システムが、前記第1流体と前記第2流体との間の混合を最小限に抑えるか又は防止する、付記1に記載のシステム。
(付記4)前記水圧エネルギー伝達システムが水圧ターボチャージャーを含む、付記1に記載のシステム。
(付記5)前記水圧エネルギー伝達システムが回転等圧圧力交換装置を含む、付記1に記載のシステム。
(付記6)前記水圧エネルギー伝達システムが往復動等圧圧力交換装置を含む、付記1に記載のシステム。
(付記7)前記水圧エネルギー伝達システムへの前記第1流体及び前記第2流体の流れを制御するコントローラーを含む、付記1に記載のシステム。
(付記8)前記コントローラーが、前記水圧エネルギー伝達システムへの前記第1流体及び前記第2流体の流れを制御するための第1流量計と連通している、付記7に記載のシステム。
(付記9)第1ポンプ及び第2ポンプを含み、前記第1ポンプが前記第1流体を送り出し、前記第2ポンプが前記第2流体を送り出す、付記1に記載のシステム。
(付記10)前記第1ポンプが高圧ポンプであり、前記第2ポンプが低圧ポンプである、付記9に記載のシステム。
(付記11)プロパントを実質的に含有しない第1流体を送り出す高圧ポンプと、
プロパントを含有する第2流体を送り出す低圧ポンプと、
前記高圧ポンプを通じた前記第2流体の流れを防ぎ、一方で、前記第1流体と前記第2流体の間で圧力を交換する水圧エネルギー伝達システムと、
を含む、破砕システム。
(付記12)前記水圧エネルギー伝達システムが水圧ターボチャージャーを含む、付記11に記載のシステム。
(付記13)前記水圧エネルギー伝達システムが回転等圧圧力交換装置を含む、付記11に記載のシステム。
(付記14)前記水圧エネルギー伝達システムが往復動等圧圧力交換装置を含む、付記11に記載のシステム。
(付記15)前記水圧エネルギー伝達システムへの前記第1流体及び前記第2流体の流れを制御するコントローラーを含む、付記11に記載のシステム。
(付記16)前記高圧ポンプを通じて前記第2流体の方向を変えるバイパス弁を含む、付記11に記載のシステム。
(付記17)水圧エネルギー伝達システムと、
第1流体の第1流量を測定する第1流量計と、
第2流体の第2流量を測定する第2流量計と、
前記第1流量計及び前記第2流量計に連結され、かつ前記第1流量計及び前記第2流量計からのフィードバックを用いて、前記水圧エネルギー伝達システムへの前記第1流体の第1流量及び前記第2流体の第2流量を制御するコントローラーと
を含む、破砕システム。
(付記18)前記水圧エネルギー伝達システムに前記第1流体を送り込む高圧ポンプを含む、付記17に記載のシステム。
(付記19)前記水圧エネルギー伝達システムに前記第2流体を送り込む低圧ポンプを含む、付記17に記載のシステム。
(付記20)前記水圧エネルギー伝達システムが回転等圧圧力交換装置である、付記17に記載のシステム。