(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267515
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】掃除機用サイドブラシ及び自走式掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20180115BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
A47L9/04 A
A47L9/28 E
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-2801(P2014-2801)
(22)【出願日】2014年1月10日
(65)【公開番号】特開2015-91290(P2015-91290A)
(43)【公開日】2015年5月14日
【審査請求日】2016年12月23日
(31)【優先権主張番号】特願2013-208683(P2013-208683)
(32)【優先日】2013年10月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100130074
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 繁元
(72)【発明者】
【氏名】小崎 浩正
【審査官】
横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−097235(JP,A)
【文献】
特開2013−081775(JP,A)
【文献】
特開平09−289962(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3182828(JP,U)
【文献】
国際公開第2012/147669(WO,A1)
【文献】
登録実用新案第3002063(JP,U)
【文献】
特開平07−088061(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0160226(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/00− 7/08
A47L 9/02− 9/08
A47L 9/28
A47L 11/00−11/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機の吸込み口近傍で駆動体により回転自在に形成されるサイドブラシにおいて、前記サイドブラシは、基台と、該基台に後端部が固着され先端部が被清掃面に所定圧で接触する複数のブラシ片で形成されたブラシ部、及び該ブラシ部の少なくとも先端部と後端部とが露出するよう被覆したチューブにより成る弾性体、によって形成されたブラシ体と、で構成したことを特徴とする掃除機用サイドブラシ。
【請求項2】
ブラシ体の長手方向の軸芯は、基台の回転中心に対し、非通過としたことを特徴とする請求項1に記載の掃除機用サイドブラシ。
【請求項3】
ブラシ体の長手方向の軸芯を湾曲状に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の掃除機用サイドブラシ。
【請求項4】
ブラシ部の先端部を複数に切り裂き、先割れ部を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の掃除機用サイドブラシ。
【請求項5】
形状が直線状と湾曲状の異なったブラシ体を、基台の外周に略等間隔で外方に向け放射状にそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の掃除機用サイドブラシ。
【請求項6】
被清掃面上を自在に移動させるための駆動源を走行輪の一部に連結させてなる駆動輪と、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の掃除機用サイドブラシと、を備えたことを特徴とする自走式掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機本体の外方に回転自在なサイドブラシを突出させ、被清掃面上の塵埃を広範囲に効率よく清掃するための掃除機用サイドブラシの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的な掃除機においては、本体の底面に幅広の吸込み口を有し、該吸込み口より被清掃面の塵埃を吸引捕集していたが、本体の両サイド側は、吸込み口が形成されて無いために、塵埃捕集が困難であった。そこで、本体の両サイドに回転自在なサイドブラシを設けることで、本体の側面近傍の塵埃を吸込み口に送り込み捕集するような、サイドブラシ付き掃除機が開示されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−314669号公報
【特許文献2】実用新案登録第3182828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の自走式掃除機では、サイドブラシ(回転ブラシ)に取り付けられた複数のブラシ片(ブラシ毛)は、回転時に生じる遠心力による浮き上がりや、被清掃面の凹凸に接触した場合に、それぞれのブラシ片が、バラバラの行動となり易く、特に、被清掃面にこびり付いたような塵埃等の場合は、各ブラシ片が、その弾性力により連続的に衝撃を加え、被清掃面から剥離させる力が必要となるが、各ブラシ片(ブラシ毛)は、一体的な回転運動ができないために、こびりついた塵埃を掃き飛ばす剥離力が弱くなり易い。さらに、繰り返し長期間使用していると、各ブラシ片には、疲労等による永久変形等も生じ易く、被清掃面に付着する塵埃を、回転に伴うその弾性力で確実に掃き飛ばす力が減少し易い。
【0005】
また、特許文献2に記載の自走式掃除機では、サイドブラシは、本体と、この本体の外周部に、下向きかつ斜めに等間隔で延長された四つの脚と、これらの脚に一直線状に伸びるブラシで構成されている。このため、被清掃面の段差等の清掃の場合に、脚も段差等に衝突することも生じやすく、脚の変形や破損、また、被清掃面の段差の傷等も生じやすい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来の課題を解決する為に、請求項1の発明は、掃除機
の吸込み口近傍で駆動体により回転自在に形成されるサイドブラシ
において、前記サイドブラシは、基台と、該基台に後端部が固着され先端部が被清掃面に所定圧で接触する複数のブラシ片で形成されたブラシ部
、及び該ブラシ部の少なくとも先端部
と後端部とが露出するよう被覆したチューブ
により成る弾性体
、によって形成されたブラシ体
と、で構成したことを特徴としている。これにより、ブラシ部は、先端部
と、後端部以外を、弾性を有するチューブ
により成る弾性体で覆うことにより、各ブラシ片は一束となり、その回転時において、遠心力や被清掃面への衝突力等により、各ブラシ片がバラバラになることなく一体化でき、回転力は、確実に先端部に伝わり、各ブラシ片は、塵埃を被清掃面から剥離させ掃き飛ばし、吸込み口に移動させることができる。また、ブラシ部に弾性体の弾性力も加わり、弾性力もアップすることで、塵埃を掃き飛ばした後も、素早く復帰でき、次の塵埃を掃き飛ばすことが可能となる。さらに、被清掃面の回転清掃時において、ブラシ体が凹凸床面や敷居等の段差等に衝突しても、弾性体がブラシ部を保護するので、傷や破損等が生じにくく、長寿命化も期待でき、被清掃面の清掃効率の低下を防止することもできる。
【0007】
請求項2の発明は、ブラシ体の長手方向の軸芯は、基台の回転中心に対し、非通過としたことを特徴としている。これにより、ブラシ体の長手方向の軸芯が基台の回転中心を通過する構造の場合に比べ壁面や段差面に接触する、先端部の入射角度は鋭角状となり、壁面等にソフトに接触することができる。これにより、壁面等の損傷緩和やブラシ部の摩耗の低減、さらには、弾性体も摩耗が緩和されるので、各ブラシ片の結束を長期間保持することができる。
【0008】
請求項3の発明は、ブラシ体の長手方向の軸芯を湾曲状に形成したことを特徴としている。これにより、湾曲状の中心が、空中側にあるよう基台に形成した場合は、ブラシ部の先端部は被清掃面に対し鋭角状に接触することで、その接触幅すなわち、清掃幅を大きくすることができる。したがって、広範囲に被清掃面の清掃が可能となり、清掃時間の短縮に役立つことができる。また、湾曲状の中心が、前記とは逆、すなわち被清掃面側にあるよう基台に形成した場合は、被清掃面に対し先端部が鈍角状に接触するので、特に、被清掃面に、こびり付いているような塵埃に対しては、先端部の端面が直接塵埃に接触することができるので、その剥離力を向上させることが期待できる。このように必要に応じて、ブラシ体の取付方向は自在である。
【0009】
請求項4の発明は、ブラシ
部の先端部を複数に切り裂き、先割れ部を形成したことを特徴としている。これにより被清掃面と接触する各ブラシ片の先端部は、細く多数形成されているために、細塵にも確実に接触でき、被清掃面から掃き飛ばし、吸込み口に移動させることが可能となる。また、ブラシ片の線径は大径化が可能となり、ブラシ片の数を減らすことができるので、ブラシ部の強度アップは基より、弾性力も低下することなく、ブラシ片を弾性体で覆う作業も容易となる。
【0010】
請求項5の発明は、形状が直線状
と湾曲状の異なったブラシ体を、基台の外周に略等間隔で外方に向け放射状にそれぞれ設けたことを特徴としている。これにより、ブラシ部の先端部は、被清掃面に対し、それぞれ、鋭角状態と鈍角状態で接触する。これにより、鈍角状態で、被清掃面に接触するブラシ部は、特に、被清掃面にこびりついたような塵埃に対し、鈍角で衝突することで、鋭角状に衝突するブラシ部に比べ、ブラシ部は浮き上がりが少なく、その回転接触力を弱めることなく強い力で剥離させることができる。また、被清掃面上に堆積している比較的軽い綿ゴミ等の塵埃は、鋭角状に接触するブラシ部で掃くように飛ばすことができる。このように、被清掃面上の各種塵埃を、それぞれのブラシ体が回転しながら、交互に連続的に確実に清掃することができる。
【0011】
請求項6の発明は、複数の走行輪の一部に、被清掃面上を自在に移動させるための駆動源を連結させてなる駆動輪を備えたことを特徴とする自走式掃除機である。これにより、本体の外方にその一部が露出するサイドブラシを備えたことで、清掃する部屋を、人手を借りず自在に自走しながら清掃することもでき、本体の外方まで広範囲に塵埃の取り残し等なく、確実に清掃が可能となる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、ブラシ体が、複数のブラシ片より成るブラシ部と、被清掃面に接触する先端部を除く部分を弾性体により被覆され一体化されているので、特に、凹凸のある被清掃面や、毛足の長い絨毯等で、その回転時すなわち清掃時において、ブラシ体に被清掃面からの抵抗負荷が掛かっても、各ブラシ片は、バラバラにならなく、ブラシ部は基より弾性体の弾性力や復元力をも活用することができるので、極端に変形することなく、かつ清掃後も素早く回復でき、清掃効率の低下を防止することができる。さらに、弾性体がブラシ部を覆っているので、ブラシ体の回転時に、床面の段差等に衝突しても、ブラシ部の傷付等の防止の役目も果たすことができる。また、請求項2の発明では、先端部が壁面や段差面に接触する際の入射角度を鋭角状とするので、ブラシ体は壁面等にソフトに接触することができ、壁面や段差面の損傷等を緩和ができ、なおも各ブラシ片の摩耗をも少なくすることができ、長寿命化にも役立つ。さらに、壁面とブラシ体の接触面積も多くなり、隅部の塵埃を確実に掃くことができる。また、請求項3の発明では、ブラシ体を湾曲状に形成することで、被清掃面での塵埃の付着状況に応じて、組み立て時に基台への取り付けを変更することができるので、幅広い用途に対応が可能となる。なお、被清掃面の状況に応じて、使用者が、異なったブラシ体を有するサイドブラシを交換することも可能である。
【0013】
請求項4の発明では、ブラシ
部の先端部を
複数に切り裂き、先割れ部を形成したので、先端部は細分化される。この結果、先割れ部は細塵に確実に接触して、細塵を確実に掃き飛ばすことができ、細塵捕集効率の向上が図れる。また請求項5の発明では、基台に形状の異なるブラシ体を設けることにより、被清掃面への接触角度を、それぞれ変えたことで、被清掃面に付着する各種塵埃に異なった角度から繰り返し接触するので、より確実に塵埃処理対応を向上させることができる。また、請求項6の発明では、被清掃面を自在に走行する駆動輪を備えた自走式掃除機に、サイドブラシを取り付けることで、本体の外方まで広範囲に効率よく清掃できる。さらに、駆動輪により、使用者の操作力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明に係る掃除機本体の底面図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る掃除機本体の正面図である。
【
図3】
図3の(a)は、本発明に係るサイドブラシの正面図、(b)は、本発明に係るサイドブラシの平面図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る他の実施例を示す各駆動体に関するブロック図である。
【
図5】
図5(a)は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの底面図、(b)は、本発明に係るサイドブラシの壁面に接触する状態を示した拡大平面図、(c)は、本発明に係る一般的なサイドブラシの壁面に接触する状態を示した拡大平面図である。
【
図6】
図6(a)は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの縦断面図、(b)は、本発明の他の実施例を示すサイドブラシの要部拡大取付要領図、(c)は、本発明に係る他の実施例を示す要部拡大図である。
【
図7】
図7の(a)は、本発明に係る他の実施例を示すブラシ片の正面図である。(b)は、本発明に係る他の実施例を示すブラシ部を弾性体で覆った状態を示す正面図である。
【
図8】
図8(a)は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの正面図、(b)は、(a)における平面図である。
【
図9】
図9の(a)は、本発明に係る他の実施例を示すブラシ部の側面図である。(b)は、本発明に係る他の実施例を示すブラシ部を複数の弾性体で覆った状態を示す側面図である。(c)は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの一部切り欠き底面図である。
【
図10】
図10は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの要部拡大正面図である。
【
図11】
図11は、本発明に係る他の実施例を示す掃除機の斜視図である。
【
図12】
図12の(a)は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの正面図、(b)は、
図12の(a)に示す本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの基台とブラシ体の取付要領図である。
【
図13】
図13は、本発明に係る他の実施例を示すブラシ部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明に係る掃除機本体の底面図、
図2は本発明に係る掃除機本体の正面図、
図3の(a)は本発明に係るサイドブラシの正面図であり、
図3の(b)は、本発明に係るサイドブラシの平面図、
図4は、本発明に係る各駆動体に関するブロック図である。
【0016】
これらの図に示すように、掃除機本体1の底面2の前面3側の両サイドには、サイドブラシ4、4、が掃除機本体1に収納されたモーター等より成る駆動体5、5により、底面2の中央部に向けてそれぞれが、回転(図中の矢印方向)自在に設けられている。吸込み口6は、サイドブラシ4、4より後方で、このサイドブラシ4、4に近接するよう横幅広に形成されてあり、その内部には清掃用モーター7により回転自在に形成された清掃体8が収納されている。走行輪9は、底面2に回転自在に複数設けられており、その走行輪9のうち2個には、走行用モーター10が連結されており駆動輪11として、設けられている。なお、この走行輪9の数は必要に応じて、自由であり、もちろん、駆動輪も2個に限定するものでもないし、掃除機本体1を、使用者が自在に走行操作するようなタイプの掃除機の場合は、走行輪9のみでも良く、その形態により、走行用モーター10の取り付けは自在である。
電動送風機12は、掃除機本体1に収納されて被清掃面X上の塵埃を吸込み口6より吸引するためのものである。吸引された塵埃は、フィルター(図示せず)で捕集される。13はマイコン等の電子部品で構成された制御体であり、予め設定されたプログラムにより、上記各種部品(モーター)を制御運転させるものである、
【0017】
サイドブラシ4は、上面に自らの形状による弾性力を利用して掃除機本体1の底面2に着脱かつ回転自在に取り付けるための保持部14を有する回転軸15、下面の外周部に傾斜面16を有する略円盤状の基台17と、傾斜面16に後端部18が固着され、被清掃面囲Xに接触するための先端部19が、掃除機本体1の側面より、直線状に外方に下降傾斜し突出して、被清掃面Xに所定圧力で接触している樹脂線や金属線等から成る弾性を有するブラシ片20が複数形成されたブラシ部21、先端部19以外を被覆する弾性力を有する熱収縮性チューブより成る弾性体22とから形成された一直線状のブラシ体23とにより構成されている。ブラシ体23は、傾斜面16にその円周方向で等間隔に4個設けられているが、その数や、前記等間隔等は、限定するものではない。なお、熱収縮性チューブより成る弾性体22は、ブラシ部21を基台17に固着する前に、ブラシ部21に被せ、所定の温度で収縮固定しても、基台17に固着後、所定の温度で、収縮させても良いものである。また、弾性体22は、熱収縮性チューブでなく、少なくともその外周方向に伸縮自在の網目状のチューブで、このチューブを外方に広げながら、複数のブラシ片20を、その内部に収縮固定しても良いものである。なお、掃除機本体1を稼働させる電源は、特に図示しないが、コンセントから電源コードを介しても、掃除機本体1に充電池を収納し、この充電池の電源を使用しても良く、特に限定するものではない。さらにまた、サイドブラシ4は回転軸15を有しているが、本実施の形態以外にも、図示はしないが、掃除機本体1の下面に、回転軸が一体的に形成されてあり、形成された回転軸にたいして、回転軸を有しない基台を、掃除機本体1にたいして着脱自在に固定する形態も本発明に含まれる。
【0018】
このように構成された掃除機本体1を、被清掃面X上で稼動させると、制御体13は、電動送風機12、サイドブラシ4、清掃体8、および駆動輪11などを駆動させ、被清掃面X上を移動する。この時、サイドブラシ4、4も当然、それぞれ回転を始め、掃除機本体1の両側面外の塵埃をも、ブラシ体23の回転により、弾性体22に覆われていない先端部19は自在に変形しながら掃き飛ばし、吸込み口6に強制移動させるので、被清掃面Xの清掃化が図られる。特に、被清掃面Xが、毛足の長い絨毯や、凹凸があるとき、すなわち、抵抗の多い被清掃面Xの場合は、回転するブラシ部21も相当抵抗を受け、各ブラシ片20の結束が乱れ、バラバラになり易く、塵埃を回転力で掃き飛ばす力が低下したり、さらに、ブラシ部21は、その回転時に、絨毯の毛足や、凹凸面に繰り返し衝突して、変形や傷が生じやすくなったりして、清掃効率の低下を招きやすいが、本発明は、ブラシ部21の被清掃面Xと接触する先端部19を除く個所を弾性体22で被覆しているので、これらを防止かつ保護することができ、先端部19を形成する各ブラシ片20が自在に変形しながら、確実に塵埃を吸込み口6に向け掃き飛ばすので、清掃効率の低下を防止することができるものである。また、先端部19を構成する各ブラシ片20の端面が、直接塵埃に回転衝突するので、特に床面にこびりついたような塵埃除去には、有効である。
【0019】
図5(a)は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの底面図、
図5(b)は、本発明に係るサイドブラシの壁面に接触する状態を示した拡大平面図、
図5(c)は、本発明に係る一般的なサイドブラシの壁面に接触する状態を示した拡大平面図である。
図5(a)及び
図5(b)の如く、ブラシ体23は、4本設け、基台17の下面の外周部に等間隔で、基台17の回転中心Eを通過する中心線Cから、ブラシ体23の長手方向の軸芯Dがそれぞれ所定寸法Lだけ離れ、基台17の回転中心Eを通らないように構成した。これにより、サイドブラシ4、4の回転時、特に壁面Y近傍の隅部を清掃すると、ブラシ体23は、壁面Yに接触する。この時、ブラシ体23の軸芯Dが中心線Cから所定寸法Lだけ離れていると、壁面Yに接触するときの入射角度α1は、
図5(c)の如く、ブラシ体23の軸芯Dと中心線Cが同一の場合の壁面Yに接触するときの入射角度α2に比べ、小さくなる。したがって、ブラシ体23を壁面Yにソフトに接触させることができる。これにより、壁面Yとブラシ体23のキズや損傷等を軽減することができる。
【0020】
図6の(a)は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの縦断面図、(b)は、
図6(a)に関連するサイドブラシの要部拡大取付要領図、(c)は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの要部拡大図ある。
図6の(a)と(b)において、ブラシ部211を弾性体221で覆い、加熱して湾曲状に形成したブラシ体231を設け、前記湾曲状の仮想中心が被清掃面Xとは逆すなわち空中に位置するように、基台171の下面外周部に等間隔で4か所設けられているブラシ取付穴24に、接着剤25を介して固着されている。したがって、ブラシ体231の湾曲状の中心線は被清掃面Xに対し、その角度αは鋭角状に接触している。このように形成されていることで、ブラシ部211の先端部191は、その側面が、被清掃面Xと接触し、その接触幅Hを大きくすることができるので、清掃幅も大きく、清掃時間等の短縮に役立つ。特に、軽量の綿ゴミ等の除去に効果を発する。なお、ブラシ体231の湾曲状の形状は、ブラシ体231を基台171に固着した後に、高熱等を加えて加工しても良い。
【0021】
また、
図6の(c)において、ブラシ体232の湾曲形状を、その仮想中心が被清掃面X側に位置するように、すなわち、ブラシ体231とは、逆向きにして基台172に取り付けることで、ブラシ部212の先端部192は、被清掃面Xに対し、ブラシ体231に比べ鈍角状に接触するので、特に、被清掃面Xに、こびり付いたような固着した塵埃に対し、先端部192の端面が、直接塵埃に接触するので、塵埃剥離を容易にすることができる。このように、被清掃面Xへの塵埃付着状況に応じて、ブラシ体231と232を、組み立て時に自在に変更ができ、便利である。なお、湾曲状の形状は、L字状でも良いものである。
【0022】
図7の(a)は、本発明に係る他の実施例を示すブラシ片の正面図で、(b)は、(a)に関連するブラシ体の状態を示す正面図である。ブラシ片20の先端部19は、後加工により複数本に切り裂いた先割れ部26を形成することで、先割れ部26は、細棒の集合体と化す。これにより、被清掃面Xの壁際等の隅部に堆積する細塵に接触でき、より確実に取り除くことが可能となる。なお、ブラシ片20の太さは、大きくでき、ブラシ部21を構成する各ブラシ片20の本数は少なくすることができる。すなわち、弾性体22で各ブラシ片20を覆う作業が容易になるので、作業性も向上する。
【0023】
図8の(a)は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの正面図、(b)は、(a)の平面図である。サイドブラシ44を構成する基台172の下面には、その円周方向で傾斜面16とブラシ取付穴24が複数交互に設けられており、傾斜面16、16には、それぞれブラシ体23とブラシ体232が、ブラシ取付穴24には、ブラシ体231がそれぞれ取り付けられている。これにより、各ブラシ体23、231、232と被清掃面Xとの接触角度は、それぞれ異なることとなり、例えば、ブラシ体23と被清掃面Xとの接触角γ1は、ブラシ体231と被清掃面Xとの接触角γ2より大きくなり、被清掃面Xにこびり付いた固い塵埃を、ブラシ体231は被清掃面Xとの接触距離Hも大きくなるので、綿ゴミ等の比較的軽量ごみを、広範囲に清掃できる。このように、各ブラシ体23、231、232の形状が、一直線状、湾曲状さらに逆湾曲状等に、異なることで、サイドブラシ4を回転させると、被清掃面X上こびりついたような比較的固い塵埃、あるいは、綿ゴミ等の軽量ごみ等の各種塵埃を繰り返し、掃き飛ばし清掃できるものである。なお、各ブラシ体23、231、232の基台17への取り付けの組み合わせは、必要に応じて自在に変更できるものである。
【0024】
図9の(a)は、本発明に係る他の実施例を示すブラシ部の側面図、(b)は、(a)に関するブラシ部を複数の弾性体で覆った状態を示す側面図、(c)は、(b)に関するブラシ部と弾性体を基台に取り付けた状態を示すサイドブラシの一部切り欠き底面図である。より多くのブラシ片20より成るブラシ部213を複数の分割束にして、この分割束をそれぞれ弾性体22、22で被覆して、複数のブラシ体233が形成されている。サイドブラシ4が1回転するごとに、複数のブラシ体233が、繰り返し被清掃面Xを回転清掃することが可能となるので、塵埃除去能力を向上させることができる。
【0025】
図10は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの要部拡大正面図である。多数のブラシ片20より成るブラシ部213を複数の分割束にして、この分割束をそれぞれ弾性体22、22で被覆してブラシ体233、233を形成するが、この時に、複数のブラシ体233、233は、被清掃面Xとの接触角度がそれぞれ異なる角度δ1とδ2に形成する。これにより、サイドブラシ4の回転に伴う被清掃面Xとの接触幅は大きくなり、その清掃幅も大きくなり、効率の良い清掃が可能とすることができる。
【0026】
図11は、本発明に係る他の実施例を示す掃除機の斜視図である。掃除機本体11をハンドル36で操作する掃除機であり、使用者がハンドル36を持ち、被清掃面X上を自在に操作しながらサイドブラシ4、4を回転させることで、掃除機本体11の外方をも含めて、清掃できるものである。このように自走式の掃除機以外にも応用できる。
【0027】
図12の(a)は、本発明に係る他の実施例を示すサイドブラシの正面図、(b)は(a)に関するサイドブラシの基台とブラシ体の取付要領図である。弾性体22は、ブラシ部21の先端部19と後端部18の所定寸法Fを除く箇所、全域を被覆したものである。所定寸法Fは、ブラシ取り付け穴24の深さfより大きく形成されている。これにより、ブラシ部21の後端部18をブラシ取り付け穴24に挿入し、接着剤25で固定する際、接着剤25は、弾性体22が設けられていない為に、後端部18を構成する複数のブラシ片20の側面からも、内部に浸透されるので、固定面積が増大かつ、各ブラシ片20どうしも、確実に固着することができる。なお、ブラシ部21を被覆する弾性体22は、弾性を有する一般的なチューブを用いる場合には、ブラシ部21の後端部18側の所定寸法Jを接着剤等で、ブラシ部21と固着すると、弾性体22内のブラシ部21の先端部19側は、接着剤等に固着されてないために、フリー状態となり、より屈曲しやすく、被清掃面Xの段差等に当接しても、衝撃力をより吸収することができ、振動や騒音を緩和できるとともに、被清掃面Xに対しソフトに当接して、確実に清掃できるものである。また、後端部18は、別部品を介して基台17に固着しても良いものである。
【0028】
図13は、本発明に係る他の実施例を示すブラシ部の斜視図である。複数本のブラシ片20から成るブラシ部21は、その中央部付近を金属や樹脂等の紐やバンド等から成る締め具50にて、予め束ねることで、基台17に取り付ける際、各ブラシ片20がバラバラになりにくく、作業が容易になるとともに、サイドブラシ4の回転に伴う遠心力や被清掃面Xとの衝突力による、各ブラシ片20のバラバラになることを防止でき、結束状態を維持できるので清掃力の低下を防止できる。また、締め具50は、先端部19と後端部18を除く中央部付近に複数箇所設けても良い。更に、締め具50の代わりに、接着剤にて各ブラシ片20を束ねても良いものである。なお、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、本実施例や、他の実施例との、それぞれの組み合わせは、任意であることは、言うまでもないことである。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の掃除機用サイドブラシは、被清掃面上の塵埃を、回転しながら清掃する為のブラシとして、広く好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0030】
1、11 掃除機本体
2 底面
3 前面
4、44 サイドブラシ
5 駆動体
6 吸込み口
7 清掃用モーター
8 清掃体
9 走行輪
10 走行用モーター
11 駆動輪
12 電動送風機
13 制御体
14 保持部
15 回転軸
16 傾斜面
17、171、172 基台
18 後端部
19、191、192 先端部
20 ブラシ片
21、211、212、213 ブラシ部
22、221、222 弾性体
23、231、232、233 ブラシ体
24 ブラシ取付穴
25 接着剤
26 先割れ部
36 ハンドル
50 締め具