(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各電極が軸方向に少なくとも30度以上で180度以内の所定角度回転する形状、あるいはその後に逆方向に元の角度まで回転する形状を、それぞれ1つあるいはそれぞれ任意数で組み合わせたことを特徴とする請求項1記載の静電型回転場偏向器。
前記静電型回転場偏向器を、導電性の円筒状の筒から、円周方向に少なくともX方向とその直角方向のY方向とにそれぞれ対向する電極の形状、かつ当該各電極が軸方向に少なくとも30度以上で180度以内の所定角度回転する形状、あるいはその後、逆方向に元の角度まで回転する形状になるように切込を入れて作成したことを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の静電型回転場偏向器を用いた荷電粒子線装置。
前記静電型回転場偏向器を構成する各電極が軸方向に所定角度回転する形状、あるいはその後に逆方向に元の角度まで回転する形状を、1周期とした場合に、当該静電型回転場偏向器の軸方向の長さをその整数倍(1倍を含む)としたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の静電型回転場偏向器を用いた荷電粒子線装置。
前記対物レンズは、磁界型レンズであって、上磁極と下磁極を前記試料に対面した構造、あるいは下磁極のみが前記試料に対面した構造としたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の静電型回転場偏向器を用いた荷電粒子線装置。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の1実施例構成図を示す。ここで、荷電粒子ビーム(電子ビーム、イオンビームなどの負あるいは正の電荷を有するビーム)として、電子ビームを例に取り挙げ、当該
図1以下に示す構成のもとで、実施例構成について詳細に説明する。
【0024】
図1において、対物レンズ1は、電子ビームを細く絞って試料5上を照射するものであって、公知のものであり、上極(上磁極)2と下極(下磁極)3との間に、ここでは磁界を印加して図示の点線のようなレンズ(模式的に表現)として作用するものである。
図1では、対物レンズ1の上極(上磁極)2は試料5に対面し、下極(下磁極)3も試料5に対面している。下極(下磁極)3を
図1の点線で示したように上極(上磁極)2に近づけて試料上面に生ずる対物レンズ磁場を光軸付近に比較的局在化するようにしてもよい。尚、後述する
図12に、対物レンズ1の上極(上磁極)2は試料5に対面していないが、下極(下磁極)3は試料5に対面する例を記載する。
【0025】
ここで、
図1の対物レンズ1は、試料5の上面に大きな磁界を発生させ球面収差や色収差を小さくするようにしたイマージョンレンズとして構成されている。その際、試料5の上面にて回転場偏向器(1)11、回転場偏向器(2)12、および対物レンズ1による歪収差が発生して画像が歪む。しかし、歪収差の量は、走査偏向系を本発明の静電型の回転場偏向器(1)11、回転場偏向器(2)12で構成することにより、従来の磁界型の偏向器よりも大幅に小さくすることができた(
図5から
図7を用いて後述する)。
【0026】
2次電子検出器4は、電子ビーム10が試料5を平面走査したときに放出された2次電子を検出するものであって、MCPなどの2次電子検出器である。尚、2次電子検出器4で、あるいは他の検出器を取り付けて、反射電子、X線、光などを検出するようにしてもよい。
【0027】
試料5は、対物レンズ1により細く絞られた電子ビーム10を照射しつつ、回転場偏向器(1)11、回転場偏向器(2)12で偏向して走査し、放出された2次電子を2次電子検出器で検出して画像を取得する対象の試料であって、例えばマスク、ウェハなどである。
【0028】
電子ビーム10は、図示外の電子銃、集束レンズで発生・集束された電子ビームである。
【0029】
回転場偏向器(1)11、回転場偏向器(2)12は、広視野を低歪で電子ビーム10を平面走査する静電型の回転場偏向器であって、静電型の4極(あるいは4極の整数倍)の電極を回転させた形状をもつ偏向器である(
図2から
図11を用いて後述する)。
【0030】
ここで、
図1の構成のもとで、画像を取得する動作について簡単に説明する。
【0031】
(1)電子ビーム10を対物レンズ1で細く絞って試料5、例えばマスクの上に照射した状態で、静電型の回転場偏向器(1)11、回転場偏向器(2)12に図示外の電源から走査用の偏向電圧を印加し、試料5の表面を平面走査する。
【0032】
(2)試料5から例えば放出された2次電子は対物レンズ1の磁界中を螺旋しながら電子ビーム10の来た方向に戻る方向に走行して当該磁界が小さくなった領域で図示の2次電子検出器4に印加された正電圧に吸引されて当該2次電子検出器4の検出面を照射し検出・増幅し、公知の2次電子画像を生成する。
【0033】
以下、
図2から
図11を用いて
図1の構成および効果などを詳細に説明する。
【0034】
図2は、本発明の回転場偏向器の説明図を示す。
図2は4極の回転場偏向器が1組の場合の形状例を示す。ここで、
図2の(a)はX及びY方向の回転場偏向器の電極例を示し、
図2の(b)はX方向のみの回転場偏向器の電極例を示す。
【0035】
図2の(a)において、
・+Vxと記載した電極がX方向に偏向する電極であり、ここでは、正の電圧を印加する電極である。
【0036】
・−Vxと記載した電極がX方向に偏向する電極であり、ここでは、負の電圧を印加する電極である。
【0037】
・+Vyと記載した電極がY方向に偏向する電極であり、ここでは、正の電圧を印加する電極である。
【0038】
・−Vyと記載した電極がY方向に偏向する電極であり、ここでは、正の電圧を印加する電極である。
【0039】
図示のように、+Vxと−VxとにX方向に偏向する電圧(走査偏向電圧)を印加すると共に、+Vyと−VyとにY方向に偏向する電圧(走査偏向電圧)を印加することにより、
図1の電子ビーム10を、回転場偏向器(1)11、および回転場偏向器(2)12でそれぞれ偏向(2段偏向)し、結果として、試料5の表面をX方向およびY方向に走査(平面走査)することが可能となる。以下更に順次詳細に説明する。
【0040】
図2の(b)において、+Vxと−Vxの電極は、
図2の(a)の+Vxと−Vxの電極を取り出したものである。図示の電極の形状は、軸方向(
図1の対物レンズ1の軸方向(下方向))に向かって図示のように、時計方向に0度からここでは、120度まで回転し、反時計方向に120度から0度まで戻り、これを2回繰り返した形状を持つ電極である(詳細は、
図3、
図11など参照)。
【0041】
ここで、(1)
図2の(a),(b)は各電極が軸方向に少なくとも30度以上で180度以内の所定角度回転(時計方向あるいは反時計方向のいずれか)し、その後に逆方向に元の角度まで回転する形状(「形状A」という)を持つものである。しかし、(2)形状はこれに限られることなく、各電極が軸方向に少なくとも30度以上で180度以内の所定角度回転(時計方向あるいは反時計方向のいずれか)する形状(「形状B」という)であってもよい(その後に逆方向に元の角度まで回転する形状を、必ずしも持たなくてもよい)。
【0042】
更に、(3)前記形状Aと形状Bとをそれぞれ1つ組み合わせたり、(4)前記形状Aと形状Bとをそれぞれ任意数で組み合わせてもよい。
【0043】
図3は、本発明の回転場偏向器の説明図(その2)を示す。
【0044】
図3の(a)は、回転場偏向器の全体の構成例を示す。ここでは、反時計方向に0度から120度まで回転し120度から0度まで戻る1周期を、2回繰り返した様子を模式的に示す。このように電極が回転しているので、それに伴って、電子ビーム10が通過する際には、異なった方向の偏向電界により偏向されることとなる。
【0045】
図3の(b)から(f)は、
図3の(a)の0度、60度、120度、60度、0度における電極+Vxと−Vxとに印加したときの各電界(+Vyと−Vyとには0Vを印加)の様子のシミュレーション結果例をそれぞれ示す。全体の偏向方向は、これらの電界による合成した方向に電子ビーム10が偏向されることとなる。
【0046】
図4は、本発明の回転場偏向器の説明図(その3)を示す。
【0047】
図4の(a)は従来の4極子偏向器(円筒を軸方向に4分割した構造を持つ)のシミュレーションによる電界の様子を模式的に示し、
図4の(b)は従来の8極子偏向器(円筒を軸方向に8分割した構造を持つ)のシミュレーションによる電界の様子を模式的に示し、
図4の(c)は本発明の4極子回転場偏向器のシミュレーションによる電界の様子を模式的に示す。
【0048】
図4の(a)の従来の4極子偏向器は、構造が簡単で、制御電圧の印加も簡単であるが、電界(電位)分布があまりよくなく、画像の歪曲歪を生じ易い。
【0049】
図4の(b)の従来の8極子偏向器は、
図4の(a)の従来の4極子偏向器よりも電界分布を比較的広範囲に平行性を持たせやすく、図示の電界分布から画像の歪曲歪を少なくし易い。しかし、既述したように、走査制御系が4極子偏向器の走査制御系より複雑になるという問題があった。
【0050】
図4の(c)の本発明の4極子回転場偏向器は、10μm×10μm以上の広範囲に渡って画像の歪曲歪を低減し得る(
図5から
図7参照)。尚、8極子回転場偏向器は、更に電界分布が広範囲に平行性を持たせることができる。
【0051】
図5は、本発明の回転場偏向器の説明図(その4)を示す。これは、歪収差の要因となる各偏向電極の6極子成分のシミュレーション結果を示す。ここで、横軸は中心軸からの距離mmであり、縦軸の左側は(a)、(c)の、右側は(b)の、電界(V/m
3)である。
【0052】
図5において、(a)4極子偏向器は、(b)8極子偏向器よりも6極子成分が大きく、(c)回転場偏向器では正負があり平均すればゼロであり、歪収差が小さくなる。
【0053】
図6は、従来の偏向器の説明図を示す。これは、
図1に示した回転場偏向器(1)−回転場偏向器(2)−OL(対物レンズ1)の代わりに、既述した
図4の(a)、(b)の従来の静電型の4極子、8極子の偏向器(1)、偏向器(2)を用いた場合のシミュレーション結果例を示す。ここで、横軸は12μm□視野(12μm×12μmの視野)における歪(nm)を示す。縦軸は、偏向器の構成例を示す。
【0054】
図6の(a)は、4極DEF1(
図4の(a))−4極DEF2(
図4の(a))−OL(対物レンズ1)を組み合わせた場合のシミュレーション結果例を示す。
【0055】
図6の(b)は、4極DEF1(
図4の(a))−8極DEF2(
図4の(b))−OL(対物レンズ1)を組み合わせた場合のシミュレーション結果例を示す。
【0056】
図6の(c)は、8極DEF1(
図4の(b))−8極DEF2(
図4の(b))−OL(対物レンズ1)を組み合わせた場合のシミュレーション結果例を示す。
【0057】
ここで、
図6の(c)の(DEF1;8極子)−(DEF2;8極子)−(OL)からなる系が最も歪み収差が小さい。次に、
図6の(b)では若干大きく、
図6の(a)では10倍以上歪収差が大きい。
図6の(b)より分かるように、
図6の(a)の構成からDEF1のみを4極子で構成しても歪はあまり増加しないことが分かる。すなわちビームが光軸から離れるDEF2に歪収差の小さいDEFを用いると歪収差低減に効果的である。
【0058】
以上のことから、本発明に係わる回転場偏向器での歪収差のシミュレーションは容易でないが、
図3〜
図5、および実験結果の
図7から小さい歪収差が得られた(後述する)。
【0059】
図7は、本発明の結果例を示す。これは、
図1の構成における歪収差の実測例を示す。
【0060】
図7の(a)は、7.2μm×7.2μmの全視野を、7×7で分割し、各点の合計49点の歪によるズレ量を50倍した値を黒丸でそれぞれ表示したものである。各格子点あるいはその近傍に示す歪によるズレ量を50倍した値の黒丸は、図示の各黒丸から判明するように、そのズレ量が極めて小さく、1nm以下であった。ズレ量の数値(最大と最小の数値)は、後述する
図7の(b)に示す。
【0061】
図7の(b)は、ズレ量(SHIFT)の最大と最小を示したものである。ズレ量は、図示の下記のように実験結果として得られた。
【0062】
Shift(ズレ量) X(nm) Y(nm)
Max 0.66 0.42
Min −0.63 −0.45
ここで、
・
図7の(a)の格子間隔は1.2μm、格子点の最外郭は7.2μm角(1.2×6=7.2μm角)である。
【0063】
・格子1点は、10chipの平均であり、
図7の(b)の表は49点についての最大と最小を表す。
【0064】
図8は、本発明の回転場偏向器の作製フローチャートを示す。
【0065】
図8において、S1は、切込を除く加工をする。これは、例えば
図2、
図3に記載の4極子の回転場偏向器を作成する際に、当該回転場偏向器の切込を除いた加工、即ち、
図9に示す回転場偏向器の切込を除いた円筒状の円筒状電極素材(切込無し)21を加工する。
【0066】
S2は、治具にセットする。これは、S1で加工した切込を除いた例えば
図9の円筒状電極素材(切込無)21をフランジ22、シャフト23などからなる治具にセットする(ビスで円筒状電極素材(切込無)21を治具に固定する)。
【0067】
S3は、切込を入れる。これは、S2で治具にセットした状態で、
図9に示すように、円筒状電極素材21に所定の切込を機械加工で入れ、回転場偏向器の各極(ここでは、4極子であるので、4つの極(+Vx,−Vx、+Vy,−Vy)になるように切込を入れる(治具に固定されているので、バラバラにはならない)。
【0068】
S4は、治具は外して洗浄する。
【0069】
S5は、治具にセットする。
【0070】
S6は、ピーク部品で絶縁し導電性円筒状部材の内側にセットする(
図10参照)。これは、
図10を用いて後述する。
【0071】
S7は、治具を外す。
【0072】
以上によって、円筒状電極素材(切込無)21に切込を入れて回転場偏向器を作製し、洗浄、治具に再セット、導電性円筒状部材の内側にセット、治具を外すことにより、
図1の回転場偏向器(1)10、回転場偏向器(2)11を対物レンズ1の図示の位置に取り付けることが可能となる。
【0073】
図9は、本発明の回転場偏向器の構造例を示す。ここでは、4極子の回転場偏向器の斜視図を説明および図面を簡単にするために示す。尚、4極子以外の8極子も同様に作製できる。実験では、4極子の回転場偏向器を作製し、その実験結果を求めた(
図7参照)。
【0074】
図9において、円筒状電極素材21は、回転場偏向器の素材となる導電性の円筒状素材であって、例えばアルミニウムなどの導電性で切込の入れやすい素材であればどのような素材でもよい。円筒状電極素材21は、治具となるフランジ22、シャフト23とビスで固定され、該円筒状電極素材21に所定の切込を機械加工などで入れても各電極がバラバラにならないようにビスで治具に固定されている。
【0075】
フランジ22、シャフト23は、円筒状電極素材21を固定し、該円筒状電極素材21に切込を入れて各電極に分離してもバラバラにならないように保持(固定)するものである。
【0076】
図10は、本発明の回転場偏向器の詳細セット説明図を示す。これは、既述した
図8のS6の詳細フローチャートおよびその説明図である。
【0077】
図10の(a)において、S11は、外側にネジを切ったピーク部品(円筒状)を円筒状部材(導電性)に固定する。これは、右側に記載した
図10の(b)に示すように、外側にネジを切ったピーク部品(絶縁性、円筒状)31を円筒状部材(導電性)34に固定する。
【0078】
S12は、円筒状部材の内側に回転場偏向器を挿入する。これは、右側に記載した
図10の(b)に示すように、円筒状部材34の内側に回転場偏向器35を挿入する。
【0079】
S13は、ネジ(導電性)によりピーク部品を介して回転場偏向器を引っ張り固定する。接続端子をネジで共締めする。これは、右側に記載した
図10の(b)に示すように、ネジ(導電性)32によりピーク部品31を介して回転場偏向器35を引っ張り固定すると共に、接続端子33をネジ32で共締めする。
【0080】
以上によって、作製した回転場偏向器を
図10の(b)に示すように、円筒状部材(導電性)34の内側の所定位置に高精度に取り付けることにより、既述した
図1の対物レンズ1の内側に図示の回転場偏向器(1)11、回転場偏向器(2)12を所定の位置に高精度に固定することが可能となる。そして、接続端子33から所定の走査電圧を外部の電源から供給し、
図1の点線で示すように電子ビーム10を2段偏向し、試料5上の広視野を低歪(10から16μm角の全視野について1nm以下の歪(
図7参照))で平面走査することが可能となる。
【0081】
図11は、本発明の回転場偏向器の形状説明図を示す。これは、説明を簡単にするために4極子の回転場偏向器の例を示す。
【0082】
図11の(a)は斜視図を示し、
図11の(b)は展開図を示す。
【0083】
図11の(a)において、円筒状電極素材21は、導電性の円筒状の電極素材であって、図示の切り込み26を入れることにより、本例では、4極子であるから、4つの電極にそれぞれ分断されるものである(
図9のフランジ22、シャフト23などからなる治具で固定されているので、切り込み26を入れても各電極はバラバラにはならない)。
【0084】
タップ(治具取付用)24は、
図9のフランジ22、シャフト23などからなる治具に取り付けるためのタップである。
【0085】
タップ(回転場偏向器固定用)25は、既述した
図10の(b)の回転場偏向器35をネジ32で固定するためのものである。
【0086】
図11の(b)において、図示の展開した円筒状電極素材(切込有り)21は、
図11の(a)の斜視図に示す円筒状電極素材(切込有り)21を展開した様子を模式的に示す。横軸は回転方向(円周方向)であって、1周は2πR(Rは半径)である。縦軸は、
図1の対物レンズ1の軸方向である。
【0087】
ここで、
図11の(b)の円筒状電極素材(切込有り)21は、4極子であるので円周方向(回転方向)の2πRを4分割し、各電極は、軸方向に、ここでは、0度−120度((2/3)πR)−0度を1周期として、2周期分を展開したものである。
【0088】
尚(1)軸方向の長さは、任意でよく、偏向感度を高くするには軸方向のサイズを長くし、一方、軸方向のサイズを小さくするには軸方向のサイズを短くする。
【0089】
(2)また、軸方向の周期は、ここでは、0度ー120度ー0度を1周期としたが、0度ー120度を1周期とし、その整数倍としてもよい。
【0090】
(3)また、0度ー120度で折り返すとしたが、この120度に限られず、30度から180度の範囲のいずれでもよい。
【0091】
図12は、本発明の他の実施例構成図を示す。
図1から
図11は、該
図1の対物レンズ1の上極(上磁極)と、下極(下磁極)とがともに試料5に対面していたが、これに限らず、下極(下磁極)のみが試料5に対面した本
図12のようにしてもよい。
【0092】
図12において、本構成は、試料5面の対物レンズによる磁場の発生を小さくした対物レンズ1−1とその前方の2段の回転場偏向器11,12、2次電子検出器4から構成されている。
図12のアウトレンズ方式OLでは、焦点距離が比較的大きく回転場偏向器11,12における電子ビーム10の軸(光軸)からの距離を小さくできるため偏向による画像歪をより小さくすることができるという特徴がある。