(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267544
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】サプライチェーン管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/28 20120101AFI20180115BHJP
【FI】
G06Q50/28
【請求項の数】52
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-39505(P2014-39505)
(22)【出願日】2014年2月28日
(62)【分割の表示】特願2010-509555(P2010-509555)の分割
【原出願日】2008年5月22日
(65)【公開番号】特開2014-132486(P2014-132486A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2014年3月17日
【審判番号】不服2016-8655(P2016-8655/J1)
【審判請求日】2016年6月9日
(31)【優先権主張番号】60/940,231
(32)【優先日】2007年5月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504357521
【氏名又は名称】ハスマン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,マニシュ,ジー
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンズ,マイケル,ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ロチェ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジプソン,デニス,ジー
(72)【発明者】
【氏名】ホステトラー,ブライアン
【合議体】
【審判長】
渡邊 聡
【審判官】
相崎 裕恒
【審判官】
宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0171738(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0248455(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0248454(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0100939(US,A1)
【文献】
国際公開第2006/119123(WO,A1)
【文献】
特開2006−76687(JP,A)
【文献】
特開2004−262622(JP,A)
【文献】
特表2004−509826(JP,A)
【文献】
特開平9−120410(JP,A)
【文献】
特開平9−166657(JP,A)
【文献】
藤沢修,物流分野におけるRFIDの実用化実験,電子情報通信学会2006年通信ソサイエティ大会講演論文集1,社団法人電子情報通信学会,2006年9月7日,pp.S−45〜S−46
【文献】
小笠原温,温度センサRFIDを活用した「温度管理トレーサビリティシステム」,NEC技報,日本電気株式会社,2006年4月3日,第59巻第2号,pp.72−75
【文献】
やさい花き栽培の手引,[online],青森県,1996年3月31日,p.260,268,http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/aom6.html,URL,http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/aomori_yasai08_15.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サプライチェーン、ネットワーク、データベース、商品監視システム、輸送装置、データ記憶装置及びプロセス制御システムを含むサプライチェーン管理システムにおいて商品を輸送する方法であって、
前記サプライチェーンの少なくとも1つのメンバー装置が、前記ネットワークを介し前記データベースにアクセスするステップと、
前記輸送装置が、1以上の商品を担持するステップと、
輸送システムを用いて前記サプライチェーンを介し前記輸送装置を輸送するステップと、
コントローラが、前記商品を担持する前記輸送装置に少なくとも1つのセンサを割り当てるステップと、
前記データ記憶装置を介し前記少なくとも1つのセンサを前記商品に関連付けるステップと、
前記センサが、前記商品の少なくとも1つの状態を検知し、前記少なくとも1つの商品の状態を示す信号を生成するステップと、
前記データ記憶装置を介し前記輸送装置により担持される前記商品に関する情報を特定するステップと、
前記コントローラが、前記センサから前記商品の識別に関するデータを取得するステップと、
前記コントローラが、前記少なくとも1つの商品の状態を示す信号と前記取得したデータとを前記ネットワークを介し配信するステップと、
前記コントローラが、前記信号と前記取得したデータとを前記データベースに通信するステップと、
前記コントローラが、前記ネットワークを介し前記サプライチェーン全体において前記商品を監視するステップと、
前記データベースに通信された前記信号と前記取得したデータとに基づき、前記輸送システムが、前記サプライチェーンにおける前記商品の輸送を管理するステップと、
前記商品のタイプに基づき前記サプライチェーンにおける商品の輸送に関連する基準を確定するため前記輸送システムに関連する前記プロセス制御システムのプロセス制御を前記ネットワークを介し実現し、前記ネットワークを介し前記コントローラを利用して前記プロセス制御により決定された基準に基づき前記サプライチェーンを介した前記商品の輸送中に所定の状態の範囲内に前記商品の輸送を管理するステップであって、前記プロセス制御は、前記商品に関連するワークフロー及び品質測定の一方又は双方を含む、管理するステップと、
前記コントローラが、前記データベースに前記プロセス制御により確定された基準を通信するステップと、
前記コントローラが、前記プロセス制御により確定され、前記データベースに通信された基準に基づき、前記所定の状態の範囲内に前記商品を維持するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記商品が生産されると、前記コントローラが、前記センサを前記商品に関連付けるステップと、
をさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記商品が前記サプライチェーンにおける輸送のため準備されると、前記コントローラが、前記センサを前記商品に関連付けるステップと、
をさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記商品に関する情報を特定するステップは、前記商品の識別、前記商品の収穫中の天候状態、及び前記商品の製造中の製造状態の少なくとも1つを決定することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記コントローラが、前記データ記憶装置を所定数の商品に関連付けるステップと、
前記コントローラが、前記取得したデータを前記データ記憶装置に送信するステップと、
前記データ記憶装置を用いて前記商品を特定するステップと、
前記コントローラが、前記センサを前記データ記憶装置に割り当てるステップと、
前記データ記憶装置を介し前記センサから前記商品に関するデータを取得するステップと、
をさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記コントローラが、前記センサを前記データ記憶装置にリンクさせるステップと、
前記ネットワークを介し前記センサと前記データ記憶装置との間のリンクを前記データベースに通信するステップと、
をさらに有する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記データ記憶装置を用いて前記商品を特定するステップは、前記データ記憶装置の前記商品に係る履歴の少なくとも一部にアクセスすることを含む、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記コントローラが、前記サプライチェーンの何れかのポイントにおいて前記センサを前記商品に割り当てるステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記ネットワークを介し前記プロセス制御を前記データベースに通信するステップと、
前記ネットワークを介し前記プロセス制御を用いて前記サプライチェーンにおける前記商品の保存及び輸送の少なくとも1つを管理するステップと、
をさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記商品を管理するステップは、前記サプライチェーン内の前記商品の積み込み及び積み降ろしの少なくとも1つを監視することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記輸送システムが、前記サプライチェーンにおいて輸送されるよう構成されるパレットを提供し、前記パレット上に1以上の商品を担持するステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記輸送システムが、前記決定された基準に基づき輸送のため前記商品を配置するステップと、
前記輸送システムが、前記サプライチェーンにおける前記配置された商品を移動するステップと、
を有する、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記コントローラが、前記プロセス制御を用いて、前記商品を輸送車両に積み込むことに係る基準を決定するステップと、
前記商品を前記輸送車両に積み込むため、前記輸送システムが、積み込み基準を実現するステップと、
をさらに有する、請求項11記載の方法。
【請求項14】
商品コンパートメントにおいて少なくとも1つの電子カーテンを利用して、前記コントローラが、前記商品の輸送車両への積み込みを動的に監視するステップと、
をさらに有する、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記コントローラが、前記電子カーテンを用いて、前記サプライチェーンにおける輸送中に前記商品を動的に監視するステップをさらに有する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記コントローラが、前記電子カーテンを用いて、前記輸送車両からの前記商品の積み降ろしを動的に監視するステップをさらに有する、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記ネットワークを介し前記コントローラを利用して所定の期間に前記輸送システムに放置されている商品の少なくとも1つの状態を監視するステップと、
前記少なくとも1つの状態が前記商品の保存期間に悪影響を与える有害な状態を表すことに応答して、前記コントローラが、アラームを生成するステップと、
をさらに有する、請求項12記載の方法。
【請求項18】
前記輸送システムの所定の運用パラメータの順守性に関して、前記輸送システムを検査するステップと、
前記輸送システムの検査に基づき、検査結果を生成するステップと、
前記検査結果を前記データベースに通信するステップと、
前記ネットワークを介し前記検査結果を解析するステップと、
をさらに有する、請求項12記載の方法。
【請求項19】
前記データベースは、前記サプライチェーンを介し輸送される商品に関連する所定の状態を含み、
当該方法はさらに、
前記センサが、前記商品の少なくとも1つの状態を監視するステップと、
前記少なくとも1つの商品状態を表すデータを前記ネットワークを介し前記データベースに通信するステップと、
前記サプライチェーンにおける前記商品の保存及び輸送の少なくとも1つに関する1以上の運用パラメータを決定するため前記プロセス制御を実現するステップと、
前記データ及び前記所定の運用パラメータに基づき、前記サプライチェーンにおいて前記少なくとも1つの商品状態を管理するステップと、
前記ネットワークを介し前記プロセス制御を利用して前記サプライチェーンのアセットを監視するステップと、
前記ネットワーク及び前記コントローラを介し、前記アセットを管理するステップと、
前記ネットワークを介し前記プロセス制御を利用して前記サプライチェーンにおけるスタッフ管理を管理するステップと、
前記所定の運用パラメータに基づき前記サプライチェーンにおける保存及び輸送の少なくとも1つの間に前記商品を管理するステップと、
前記ネットワークを介し前記コントローラを利用して前記所定の状態の範囲内に前記商品を維持するステップと、
を有する、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記コントローラが、前記プロセス制御を含むプロセス制御システムを用いて、前記サプライチェーンにおける前記商品、施設及び前記商品に関する情報の少なくとも1つへのアクセスを制御するステップをさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記スタッフ管理に係る運用パラメータを決定するため、前記ネットワークを介し前記プロセス制御を実現するステップと、
前記スタッフ管理の順守性に関して、前記メンバー装置の1以上を検査するステップと、
前記検査に基づき、検査結果を生成するステップと、
前記検査結果を前記ネットワークを介し前記データベースに通信するステップと、
前記ネットワークを介し前記検査結果を解析するステップと、
をさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記ネットワークを介し前記メンバー装置のそれぞれに関する情報を前記データベースに通信するステップと、
前記ネットワークを介し前記少なくとも1つのメンバー装置による前記商品と該商品に関する情報とへのアクセスを管理するステップと、
前記ネットワークを介し前記商品へのメンバー装置のアクセス性に基づき、前記サプライチェーン内でスタッフを動的にスケジューリングするステップと、
前記ネットワークを介し前記スタッフのスケジューリングを前記データベースに通信するステップと、
をさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記ネットワークを介しアクセス制御システムを利用して前記サプライチェーン内のスタッフアクセス権限を確定するステップと、
前記ネットワークを介し前記スタッフアクセス権限を前記データベースに通信するステップと、
前記アクセス制御システムを用いて、前記スタッフアクセス権限を変更するステップと、
前記ネットワークを介し前記変更されたスタッフアクセス権限を前記データベースに通信するステップと、
をさらに有する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
アクセス制御システムを用いて、所定の期間に前記サプライチェーンのメンバーを認証するステップと、
前記アクセス制御システム及び前記ネットワークを介し、メンバー認証に関する情報を前記データベースに通信するステップと、
をさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項25】
前記データベースに通信される情報に基づき、前記アクセス制御システムを用いて、前記メンバーの少なくとも1つの再認証に関するリマインダを生成するステップと、
所定のスケジュールに基づき、前記ネットワークを介し前記適切なメンバー装置に前記リマインダを送信するステップと、
をさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記メンバーを認証するステップは、前記所定の運用パラメータに従って前記商品を生成するメンバーを認証することを含む、請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記メンバーを認証するステップは、前記所定の運用パラメータに従って、前記商品の取り扱い、処理、保存、積み込み、積み降ろし及び輸送の少なくとも1つを行うメンバーを認証することを含む、請求項24記載の方法。
【請求項28】
前記アクセス制御システムを用いて、前記ネットワークを介し前記メンバーの少なくとも1つに対して、以降のトレーニング及び再認証プロセスの少なくとも1つを提案するステップをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項29】
アクセス制御システムを用いて、1以上のメンバーの特定のスタッフが前記商品を取り扱った期間を決定するステップと、
前記ネットワークを介し前記期間を前記データベースに通信するステップと、
前記アクセス制御システムを用いて、前記期間に基づき前記スタッフに係る前記メンバーの給与結果を決定するステップと、
前記アクセス制御システムを用いて、前記給与結果に基づき、前記商品に係るコストを少なくとも部分的に決定するステップと、
をさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項30】
前記取り扱われている商品に基づき、前記ネットワークを介しアクセス制御システムを利用して所定のタスクにスタッフをスケジューリングするステップをさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項31】
セキュリティ監視システムを提供するステップと、
前記セキュリティ監視システムに係る運用パラメータを決定するため、前記プロセス制御を実現するステップと、
前記プロセス制御を用いて、前記セキュリティ監視システムの運用パラメータを決定するステップと、
前記セキュリティ監視システムを用いて、前記所定の運用パラメータに基づき前記サプライチェーン内において前記商品を保護するステップと、
前記セキュリティ監視システムを用いて、前記サプライチェーンの前記商品へのアクセスを監視するステップと、
をさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項32】
前記セキュリティ監視システムの所定の運用パラメータの順守性に関して、前記商品を取り扱う前記サプライチェーン内の施設を認証するステップをさらに有する、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記セキュリティ監視システムの所定の運用パラメータの順守性に関して、施設を認証するステップは、前記セキュリティ監視システムを利用して前記商品を所定の状態に維持することが不可欠な前記サプライチェーン内のアセットへのアクセスを制限することを含む、請求項31記載の方法。
【請求項34】
前記コントローラが、前記ネットワークを介し前記セキュリティ監視システムの所定の運用パラメータの少なくとも1つの違反に応答して、アラームを生成するステップをさらに有する、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記コントローラが、前記検知された商品状態と前記データベースに通信されている所定の状態とを比較するステップと、
前記検知された状態が前記所定の状態の範囲外であるか決定するステップと、
前記検知された状態と前記所定の状態との比較に基づき、前記コントローラが、前記ネットワークを介し前記アセットの1以上の電子制御に命令を送信するステップと、
前記アセットを用いて、前記商品を前記所定の状態の範囲内に維持するステップと、
をさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項36】
前記検知されたパラメータが前記所定の状態の範囲外であることに応答して、前記命令の送信後に前記検知された状態が変化していないか前記ネットワークを介し適切なメンバーに通知するステップと、
前記検知された状態を修正するため、前記ネットワークを介し修正アクションを起動するステップと、
をさらに有する、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記アセットに係る運用パラメータを決定するため、前記コントローラが、前記プロセス制御を実現するステップと、
前記プロセス制御を用いて、前記アセットの運用パラメータを決定するステップと、
前記所定の運用パラメータの順守性に関して、前記サプライチェーンのアセットを認証するステップと、
をさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項38】
前記輸送システムに係る運用パラメータを決定するため、前記プロセス制御を実現するステップと、
前記所定の運用パラメータに基づき前記ネットワークを介し前記輸送システムの輸送車両を認証するステップと、
前記ネットワークを介し前記サプライチェーン内の制御ポイントにおいて前記認証された輸送車両の許可を迅速処理するステップと、
とさらに有する、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記プロセス制御を用いて、前記ネットワークを介し前記商品のワークフロー、タイミング及び品質測定の少なくとも1つを調整するステップをさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項40】
前記商品が前記プロセス制御を用いて生産されると、前記ネットワークを介し前記商品の特性を制御することによって前記商品の生産を管理するステップをさらに有する、請求項39記載の方法。
【請求項41】
少なくとも1つのメンバー装置のプロセスを、前記所定の運用パラメータに対する前記プロセスの順守性に関して検査するステップと、
前記検査に基づき、検査結果を生成するステップと、
前記検査結果を前記データベースに通信するステップと、
前記ネットワークを介し前記検査結果を解析し、前記検査結果と前記所定の運用パラメータとを比較するステップと、
をさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項42】
前記所定の運用パラメータに基づく輸送のため、前記輸送システムが、前記サプライチェーンの前記商品を配置するステップをさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項43】
前記少なくとも1つの商品の状態を表すデータを通信するステップは、前記ネットワークを介し所定の時間間隔で前記商品の保存及び輸送に関するデータを取得することを含む、請求項19記載の方法。
【請求項44】
前記ネットワークを介し前記取得したデータにアクセスするステップと、
前記コントローラを介し前記取得したデータに基づき前記商品の状態を選択的に変更するステップと、
をさらに有する、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記ネットワークを介し前記サプライチェーン内の前記商品に関するデータを手動により要求するステップをさらに有する、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記コントローラを利用して前記ネットワークを介し前記少なくとも1つの状態をほぼリアルタイムにより監視するステップと、
履歴状態と前記センサにより監視されるほぼリアルタイムな状態との少なくとも1つに基づき直接的な人の介入なしに前記商品の状態を自動的に変更するステップと、
をさらに有する、請求項44記載の方法。
【請求項47】
前記ネットワークを介し前記データベースに通信されているデータにほぼリアルタイムでアクセスするステップと、
前記データへのほぼリアルタイムなアクセスに基づき、前記ネットワークを介し前記サプライチェーン全体の前記商品の保存及び輸送に関する物流決定を実行するステップと、
をさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項48】
前記物流決定を実行するステップは、前記商品が当初の宛先と異なる宛先に配送されるべきか決定することを含む、請求項47記載の方法。
【請求項49】
前記物流決定を実行するステップは、前記サプライチェーン内の前記商品の在庫を管理することを含む、請求項47記載の方法。
【請求項50】
前記輸送システムが、最初の商品が期限切れで最初に排出されるビジネス慣行に基づき、前記サプライチェーン内の前記商品を輸送するステップをさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項51】
前記コントローラが、前記サプライチェーンの特性に関するデータを取得するステップと、
前記取得したデータに基づき、前記ネットワークを介し前記サプライチェーンの商品を配置変更するステップと、
をさらに有する、請求項19記載の方法。
【請求項52】
前記ネットワークを介し前記サプライチェーンのメンバー装置間で前記サプライチェーン内の商品の位置を通信するステップをさらに有する、請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2007年5月25日に出願された米国特許出願第60/940,231号の優先権を主張し、その内容のすべてが参照することによりここに援用される。
【0002】
本発明は、サプライチェーン管理システムに関する。より詳細には、本発明は、1以上のメンバーによりネットワークを介しアクセス可能なサプライチェーンにおける生産物、スタッフ及びアセットを追跡及び監視するサプライチェーン管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
サプライ及びデマンドコモディティチェーンは、商品チェーンの様々な参加者の間のサービスの管理及び調整を介して最終消費者に高品質な商品を提供しようとする。一部の生産物(食品、ペンキ、薬品、薬など)は、生産物の鮮度又は品質を最大化するため、所定の状態(温度、湿度など)の下で発送又は輸送される必要がある。これらの生産物はまた、エンドユーザ(消費者など)が生産物を購入する最終目的地又は受領者(リテールストア、レストランなど)への時間依存的で迅速な配送を要求するものであるかもしれない。しばしば、生産物は長距離輸送され、所望の時間内にリテールセンターに到着するため、陸路、海路及び/又は空路により輸送可能である。一部の例では、商品チェーン内への生産物の保存は、サプライチェーンの次のステージを待機することを必要とする。一部の商品チェーンでは、生産物は保存中に監視されず、それは、生産物の破損又は逸失を生じうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記課題に鑑み、本発明の課題は、1以上のメンバーによりネットワークを介しアクセス可能なサプライチェーンにおける生産物、スタッフ及びアセットを追跡及び監視するサプライチェーン管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一構成では、本発明は、サプライチェーンを含むサプライチェーン管理システムにおいて商品を輸送する方法を提供する。本方法は、サプライチェーンを含むサプライチェーン管理システムにおいて商品を輸送する方法であって、ネットワークを介し前記サプライチェーンの少なくとも1つのメンバーによりアクセス可能なデータベースと、該データベースと通信するネットワークとを提供するステップと、前記サプライチェーンにおいて輸送されるよう構成されるコンテナを提供し、前記コンテナを用いて1以上の商品を担持するステップと、前記商品を担持するコンテナに少なくとも1つのセンサを割り当てるステップと、前記少なくとも1つのセンサを前記商品に関連付けるステップと、前記センサを用いて前記商品の少なくとも1つの状態を検知し、前記少なくとも1つの商品の状態を示す信号を生成するステップと、前記コンテナにより担持される前記商品に関する情報を特定するステップと、前記センサから前記商品の識別に関するデータを取得するステップと、前記少なくとも1つの商品の状態を示す信号と前記取得したデータとを前記ネットワークを介し配信するステップと、前記信号と前記取得したデータとを前記データベースに格納するステップと、前記ネットワークを介し前記サプライチェーン全体において前記商品を監視するステップと、前記信号と前記取得したデータとに基づき、前記サプライチェーンにおける前記商品の保存及び輸送の少なくとも1つを管理するステップとを有する。
【0006】
他の構成では、本発明は、サプライチェーンを含むサプライチェーン管理システムにおいて商品を輸送する方法であって、ネットワークを介し前記サプライチェーンの1以上のメンバーによりアクセス可能なデータベースと、該データベースと通信するネットワークとを提供するステップと、前記サプライチェーンにおいて商品を輸送するステップと、少なくとも1つのセンサを用いて前記商品に係る前記サプライチェーンの特性を監視するステップと、前記ネットワークを介し前記データベースと前記センサと通信するコントローラを提供するステップと、履歴データ、現在データ及び予想状態の少なくとも1つを含むデータであって、前記サプライチェーンの特性を表すデータを前記センサから取得するステップと、前記取得したデータを前記データベースに格納するステップと、前記センサから取得したデータに基づき、前記商品の保存期間を予測するステップと、前記商品の予測された保存期間を前記データベースに格納するステップと、前記ネットワークを介し前記データベースと通信する入力装置を提供するステップと、前記入力装置を介し前記ネットワーク上の前記データベースから前記予測された保存期間を抽出するステップとを有する。
【0007】
さらなる他の構成では、本発明は、サプライチェーンを含むサプライチェーン管理システムにおいて商品を輸送する方法であって、ネットワークを介し前記サプライチェーンの1以上のメンバーによりアクセス可能なデータベースと、該データベースと通信するネットワークとを提供するステップと、前記サプライチェーンにおける前記商品の保存及び輸送の少なくとも1つの間に前記商品を管理するためのプロセス制御を有するプロセス制御システムを含む輸送システムを提供するステップと、前記プロセス制御システムのプロセス制御を実現するステップと、前記プロセス制御を用いて、前記サプライチェーンにおける前記商品の保存及び輸送の少なくとも1つに係る基準を決定するステップと、前記プロセス制御により決定される基準に基づく所定の状態の範囲内に前記商品を維持するステップと、前記決定された基準に基づく輸送のため、前記商品を配置するステップと、前記輸送システムを用いて、前記サプライチェーンにおける前記配置された商品を移動するステップとを有する。
【0008】
さらなる他の構成では、本発明は、サプライチェーンを含むサプライチェーン管理システムにおいて商品を輸送する方法であって、ネットワークを介し前記サプライチェーンの1以上のメンバーによりアクセス可能なデータベースであって、前記サプライチェーンにおいて輸送される1以上の商品に係る所定の状態を含むデータベースと、該データベースと通信するネットワークとを提供するステップと、少なくとも1つのセンサを前記商品に割り当てるステップと、前記センサを用いて、前記商品の少なくとも1つの状態を監視するステップと、前記少なくとも1つの商品の状態を表すデータを前記ネットワークを介し前記データベースに通信するステップと、前記通信されたデータを前記データベースに格納するステップと、プロセス制御を含むプロセス制御システムを提供するステップと、前記サプライチェーンにおける前記商品の保存及び輸送の少なくとも1つに係る1以上の運用パラメータを決定するため、前記プロセス制御を実現するステップと、前記格納されたデータと前記所定の運用パラメータとに基づき、前記サプライチェーン全体で前記少なくとも1つの商品の状態を管理するステップと、前記プロセス制御を用いて、前記サプライチェーンのアセットを監視するステップと、前記ネットワークを介し前記アセットを管理するステップと、前記プロセス制御を用いて、前記サプライチェーンにおけるスタッフ管理を監視するステップと、前記ネットワークを介し前記スタッフ管理を管理するステップと、前記所定の運用パラメータに基づき、前記サプライチェーンにおける保存及び輸送の少なくとも1つの間において前記商品を管理するステップと、前記所定の状態の範囲内に前記商品を維持するステップとを有する。
【0009】
さらなる他の構成では、本発明は、サプライチェーンの商品を取引する方法であって、ネットワークを介し前記サプライチェーンの複数のメンバーの1以上によりアクセス可能なデータベースと、該データベースと通信し、前記複数のメンバーを含むネットワークとを提供するステップと、前記サプライチェーンにおいて商品を移動するステップと、少なくとも1つのセンサを前記商品に割り当てるステップと、前記センサを用いて、前記商品の少なくとも1つの状態を監視するステップと、前記ネットワークを介し前記データベースに前記少なくとも1つの商品の状態を表すデータを通信するステップと、前記データを前記データベースに格納するステップと、前記ネットワークを介し取引システムを実現するステップと、前記取引システムを用いて、前記サプライチェーン内の商品を取引するステップとを有する。
【0010】
さらなる他の構成では、本発明は、サプライチェーンを含むサプライチェーン管理システムを運用する方法であって、ネットワークを介し前記サプライチェーンの複数のメンバーの1以上によりアクセス可能なデータベースと、該データベースと通信し、前記複数のメンバーを含むネットワークと、オンラインアクセスシステムとを提供するステップと、前記サプライチェーンにおいて1以上の商品を移動するステップと、少なくとも1つのセンサを前記商品に割り当てるステップと、前記センサを用いて、前記商品の少なくとも1つの状態を監視するステップと、前記ネットワークを介し前記データベースに前記少なくとも1つの商品の状態を表すデータを通信するステップと、前記データを前記データベースに格納するステップと、前記オンラインアクセスシステムを介し消費者による前記データベースへのアクセスを可能にするステップと、前記オンラインアクセスシステムを用いて、前記商品の履歴と予測される保存期間との少なくとも1つをほぼリアルタイムにより追跡するステップとを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、1以上のメンバーによりネットワークを介しアクセス可能なサプライチェーンにおける生産物、スタッフ及びアセットを追跡及び監視するサプライチェーン管理システムを提供することができる。
【0012】
本発明の各態様は、詳細な説明と添付した図面を考慮することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、一例となる商品管理システムの概略的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の構成が詳細に説明される前に、本発明が、その適用において以下の説明又は以下の図面に示されるコンポーネントの構成の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の構成が可能であり、また各種方法により実践又は実行可能である。また、ここで用いられる表現及び用語は説明のためのものであって、限定的なものとしてみなされるべきでないことが理解されるべきである。ここでの“含む”、“構成される”、“有する”及びこれらの変形の使用は、後述されるアイテムとそれに等価なものと共に、追加的なアイテムを含むものと意味される。特段の記載又は限定がない限り、“搭載”、“接続”、“支持”、“結合”及びこれらの変形となる用語は、広く用いられ、直接的な及び間接的な搭載、接続、支持及び結合を含む。さらに、“接続”及び“結合”は、物理的又はメカニカルな接続又は結合に限定されるものでない。
【0015】
図1は、生産から最終販売までのサプライチェーンにおける生産物、商品又は腐敗しやすい商品の各種側面を監視及び制御するのに用いられる商品管理システム10を示す。管理システム10は、発送及び受領される生産物に係るサプライチェーンの各種メンバー15によりアクセス可能である。メンバー15は、供給者、パッケージング及び処理センター、輸送システム、流通センター及び受領者(リテールストア、レストランなど)を含む。一部の構成では、メンバー15はまた、監査人、ブローカー又は金融機関(保険会社、銀行など)を含みうる。他の構成では、他の補助参加者がメンバー15(税関及び検疫当局、運送会社、輸出業者、輸入業者、政府機関、混載業者、ターミナルオペレータ、地上取扱者、タラップ取扱者、救急サービス、情報提供者、倉庫オペレータ、港湾当局、メーカー、消費者など)でありうる。上述されたメンバー15の人数及びタイプは、網羅的なものでなく、管理システム10の他の参加者が想定される。
【0016】
管理システム10は、ネットワーク20、生産物又は商品監視システム25、データセンター又はデータベース30及びプロセス制御システム35を有する。ネットワーク20は、管理システム10の各種コンポーネントの間の通信を提供するため、各メンバー15、生産物監視システム25及びデータベース30と通信する。ネットワークは、サプライチェーンの生産物に関する情報又はデータの取得及び配信を可能にする。この情報は、サプライチェーンにおける生産物の検知された状態、1以上のメンバー15からの及び/又はへの指示若しくは他の通信、又はデータベース30からの通信を含みうる。ネットワーク20は、完全な無線システム又は無線及び有線システムコンポーネントの組み合わせを含みうる。
【0017】
生産物監視システム25は、メンバー15の間で発送される生産物又は商品に関連付けされ、ネットワーク20を介しデータベース30と通信する。生産物監視システム25は、1以上のセンサ40とリーダ45とを含む。センサ40は、生産物及び周囲の様子(温度、湿度、衝撃/振動、照明、放射、エチレンコンテンツなどの他の外部状態など)の環境状態など、時間依存的データを監視するため、生産物に割り当てられる。これらのセンサ40はまた、生産物情報(価格、購入日、開始/収穫日及び場所、天候状態、環境状態など)を格納し、生産物の位置を監視することができる。一部の構成では、センサ40は、生産物に隣接して配置されるか、又は生産物に直接付属することが可能である。
【0018】
センサ40は、ネットワーク20を介しリーダ45と通信し、サプライチェーンの生産物に関する情報を抽出及び格納するアクティブ、セミアクティブ、パッシブ又はセミパッシブ無線周波数識別(RFID)センサ又はトランスポンダにより規定される。アクティブRFIDセンサ40は、相対的に長い距離(300フィートなど)を介しリーダ45への信号を生成可能な長期間持続する内部電源を含む。セミアクティブRFIDセンサ40は、生産物のパラメータを検出し、バッテリ電力を節約するためのパワーダウン(スリープモードなど)機能を有するバッテリ支援センサである。パッシブRFIDセンサ40は、リーダ45から電力を受け取る。他の構成では、生産物のパラメータを検知するための他のセンサ(超高周波センサなど)が利用可能である。
【0019】
各リーダ45は、メンバー15により確定されたパラメータに従って検知されたデータを受信及び処理するため、センサ40の1以上と通信する。リーダ45は、センサ40と無線又は有線通信可能であり、センサ40と分離又は一体化可能である。アンテナ(図示せず)は、センサ40からリーダ45にデータを通信するため利用可能である。
【0020】
データベース30は、メンバー15が所定のパラメータ又は状態(生産物特性、環境パラメータなど)をデータベース30に入力し、データベース30からデータを抽出することができるように、ネットワーク20を介しメンバー15の少なくとも一部と双方向通信する。すなわち、データベース30と双方向通信するメンバー15は、データベース30へのリードアクセスを有し、データベース30のデータを操作することが可能である。他のメンバー15とデータベース30との間の通信は、一方向通信であってもよい(すなわち、メンバー15は、データベース30へのリードオンリーアクセスを有する)。
【0021】
データベース30は、所定の状態に基づき、特定の生産物の初期的な設定値又は所定の状態によりプログラムされる。これらの所定の状態は、最小温度、最高温度、許容される湿度範囲、生産物が適切に耐えうる最大衝撃又は振動を含みうる。データベース30はまた、発送される生産物のタイプに基づき追加的な所定の状態(他の周囲の状態、照明など)を含みうる。
【0022】
コントローラ又はマイクロプロセッサ50は、検知又は監視されるデータを示す1以上の信号をリーダ45から受信し、格納及び抽出のため検知された信号をデータベース30に送信するため、ネットワーク20を介しデータベース30とリーダ45と通信する。一部の構成では、生産物監視システム25及びプロセス制御システム35は、コントローラ50に内蔵される。コントローラ50はさらに、生産物の検知された状態とデータベース30に格納されている所定の状態とを比較し、生産物がメンバー15により確定される所定のパラメータの範囲内にあるか判断するため、データベース30と通信する。
【0023】
コントローラ50は、センサ40から収集されたデータを利用して、生産物のおおよその保存期間を決定するアプリケーションソフトウェアを有する。アプリケーションソフトウェアは、ネットワーク20を介しメンバー15によりアクセス可能であり、生産物に影響を与えうる生産物履歴データ、現在データ及び将来若しくは予想される状態を解析し、生産物の推定される又はおおよその保存期間を確定するための1以上の保存期間予測アルゴリズム55を有する。履歴データは、気象パターン、温度、湿度などの収穫中に存在する環境状態を含みうる。予想される状態は、将来の生産物状態を正しく予測するため利用可能な生産物に係る環境状態、位置及び他のデータに基づくものである。一部の構成では、追加的なアルゴリズム60が、生産物に関する他の重要なファクタ又は特性を決定するのに利用可能である。
【0024】
コントローラ50はまた、検知した状態が所定の状態を超えたことに応答して、発送された生産物に特定の関心を有する適当な各メンバー15に自動化された信号又はアラームを生成するレスポンスシステム65を有する。この自動化された信号は、以下に限定されるものでないが、範囲が又は不利な状態に応答して生産物への可能性のあるダメージを決定するため、生産物の発送遅延を含む設定可能なレスポンスをトリガーしうる。コントローラ50により生成される自動化された信号はまた、生産物が返却されるべきか、又は生産物が受取人に配送されるサプライチェーン内に依然としてありうるかに関して、各メンバー15に指示を提供しうる。
【0025】
図1に示される管理システム10は、供給者(農家、メーカーなど)、パッケージング及び処理センター、流通センター及びネットワーク20を介し互いに及びデータベース30にリンクされた受取人などのメンバー15を示す。一般に、ネットワーク20は、メンバー15とデータベース30との間とメンバー15間の通信を可能にするため、管理システム10のメンバー15を互いに及びデータベース30とを接続する。以下で詳細に説明されるように、ネットワーク20は、管理システム10の各メンバー15の間の意思決定及び生産物データの通信を実現する。ネットワーク20はさらに、特定の基準に対する順守を保障し、生産物品質を最適化するため、生産物、生産物配送処理及び管理システム10内のスタッフの制御及び監視を可能にする。
【0026】
動作について、ネットワーク20は、生産物監視システム25の各コンポーネントの間、生産物監視システム25と、データベース30と、コントローラ50との間、各メンバー15の間の通信を提供するため、生産物監視システム25とデータベース30と通信する。センサ40は、サプライチェーンの生産物の各種パラメータを検知し、検知されたパラメータを示す信号をネットワーク20を介しリーダ45に送信する。リーダ45は、センサ40から検知されたパラメータを読み、メンバー15により確定されたパラメータに従ってデータを処理する。各リーダ45は、検知されたパラメータを示す信号をコントローラ50に通信する。コントローラ50により受信される信号は、データとしてデータベース30に格納され、範囲外の状態が存在するか判断するため、所定の状態と比較される。
【0027】
コントローラ50は、範囲外の状態が検知されたことに応答して、1以上のメンバー15に対応するアラームを生成し、必要に応じて生産物を遅延又は返却するため、レスポンスシステム65を起動可能である。一部の構成では、コントローラ50は、検知された状態へのレスポンスを決定し、データベース30及び/又はメンバー15に応答を通信するよう動作可能である。他の構成では、データベース30は、リーダ45及びコントローラ50から受信した検知された状態に対するレスポンスを決定し、ネットワーク20を介しメンバー15にレスポンスを通信するよう動作可能である。
【0028】
コントローラ50は、保存期間予測アルゴリズム55及び/又は追加的なアルゴリズム60を利用して、データベース30に格納されている以前の履歴状態及び検知された状態に基づき、生産物の保存期間及び他の予想される特性を決定する。特定の生産物に係る保存期間情報は、データベース30に格納され、ネットワーク20を介しメンバー15によりアクセス可能である。予測される保存期間は、生産物が期限切れになると予想される特定の日付とすることが可能であり、又は生産物が存続し続けることが予測される期間とすることが可能である。一部の構成では、コントローラ50は、保存期間情報を含むレポートを自動生成することが可能である。コントローラ50はまた、メンバー15からの要求に応答して、保存期間情報を含むレポートを生成可能である。これらの構成では、追加的な情報がレポート(生産物の検知された状態、生産物情報、生産物位置、履歴データなど)に含まれうる。
【0029】
しばしば、生産物は、パレット、他のストレージ及び搬送装置(パッケージ、コンテナ、輸送用の積荷など)により保存及び/又は輸送される。一意的なセンサ40が、パレット上の生産物を特定するため、各パレット又はパレット群に割り当てられる。例えば、センサ40は、生産物が収穫又は製造されると、供給者により特定のパレットに割当て可能である。あるいは、センサ40は、生産物が供給者からサプライチェーンの他のメンバー15に搬送又は輸送するため準備されると、パレットに割り当てることが可能である。供給者又は他のメンバー15は、センサ40が特定の生産物に割り当てられると、センサ40に生産物の識別情報と他の何れかの関連情報(収穫中の気象状態、製造状態など)を入力することが可能である。一部の構成では、各センサ40は、特定タイプの生産物、パッケージ、コンテナ及び/又は輸送用の積荷に割当て可能である。
【0030】
一部の構成では、データ格納装置又はバーコード42が、生産物に関する静的情報を格納するため、パレット又はコンテナの各生産物に割当て可能である。一般に、バーコード42は、バーコードが貼付された生産物(生産物に直接的に、又は生産物パッケージ上になど)の起源に関する情報及び他の関連情報を含む2次元バーコードである。他の構成では、バーコード42は、他のデータ格納装置(RFIDタグなど)を含むものであってもよい。以降において、“バーコード”という用語は、このようなすべてのデータ格納装置を表すのに用いられ、2次元の静的バーコードのみに限定するよう解されるべきでない。この情報は、サプライチェーンの何れかにおいてバーコード42にダウンロード、入力又は符号化可能であり、さらにサプライチェーンの何れかにおいて生産物に貼付可能である(農家、メーカーなどにより)。例えば、この情報は、生産物収穫時又は製造時にバーコード42に符号化されてもよい。
【0031】
1つのセンサ40が、パレット上の対応する個数の生産物に係る1以上のバーコード42に割り当てられてもよい。一部の構成では、複数のセンサ40が、特定のバーコード42に割り当てられてもよい。一部のバーコード42は、生産物がセンサ40が通信するパレットから分離された後、割り当てられたセンサ40にもはや関連付けされない。一般に、削除されたバーコード付けされた生産物に関するセンサ40により収集されるデータ又は情報は、データベース30に格納され、現在センサ40から分離される割り当てられたバーコード42とデータベース30において関連付け又はリンクされる。この結果、センサ40により検知される状態又はパラメータは、データベース30を介しバーコード42に関連付け又はリンク可能であり、1以上のメンバー15により呼び出し可能である。
【0032】
センサ40が特定の生産物上のバーコード42に割り当てられると、センサ40とバーコード42との間の割り当て情報は、メンバー15により抽出のため、データベース30に格納される。例えば、生産物がサプライチェーンに最初に配置されると、1以上のセンサ40が特定の生産物に対応するバーコード42に割り当てられる。生産物が最初に割り当てられたセンサ40から分離されると、1以上の追加的なセンサ40が、当該生産物に係る状態及びパラメータを検知するため利用可能である。上述されるように、検知された情報は、データベース30に格納される。1以上のメンバー15が特定の生産物に関する格納されている情報を呼び出すため、追加的なセンサ40がまたバーコード42に割り当てられる。
【0033】
各バーコード42は、生産物情報がバーコード42に入力又は符号化された日付に関して、対応する生産物に関する情報を含む静的情報格納システムである。情報がバーコード42に符号化された後に生産物が被る状態は、一般には、バーコード42に格納されている情報に含まれない。一部の構成では、書き込み可能又は書き換え可能なバーコードが、追加的な情報のバーコード42への符号化を可能にするため利用されてもよい。一般に、バーコード42に符号化されている情報は、履歴情報を含む生産物に関する実質的な情報がデータベース30を介しアクセスされることを可能にする。データベース30におけるセンサ40とバーコード42との関連付けは、受取人が在庫をより良く管理することを可能にし、エンドユーザ又は消費者がより信頼できる購入意思決定を行うことを可能にする。
【0034】
各バーコード42は、バーコード42が関連付けされた特定の生産物を表現又は特定する。バーコード42は、識別子しか含まなくてもよいし、又は環境状態、最初からユーザへの配送の間の期間、及び対応するセンサ40により測定された他のパラメータを含む、生産物の始め又は収穫からの生産物の部分的又は完全な履歴を含むものであってもよい。各バーコード42は、1以上のセンサ40により検知された生産物に関する情報及び消費者又は受取人によるアクセスのための生産物の保存期間に関する情報とデータベース30の内部におけるリンクを提供する。
【0035】
一部の構成では、保存期間情報は、データベース30にアクセスすることによってアクセス可能であってもよい。例えば、消費者がパッケージに貼付されたバーコード42を有するリンゴのパッケージを購入すると、消費者又は受取人は、入力装置又はバーコードスキャナを使用して、バーコード42を走査し、リンゴの推定される保存期間を決定することができる。あるいは、ユーザは、推定される保存期間を決定するため、バーコード42に係る番号又はラベルを入力可能である。スキャナは、センサ40により検知され、バーコード42により割り当てられ、これによりバーコードが付された生産物に割り当てられる情報がバーコード42を用いてアクセス可能となるように、ネットワーク20を介しデータベース30と通信する。この結果、サプライチェーン全体から収集された生産物情報が、データベース30内の識別子としてバーコード42を用いてアクセス可能となる。
【0036】
他の構成では、保存期間情報は、バーコード42に直接符号化されてもよく、センサ40からの情報がバーコード42に符号化された日付を含むことが可能である。消費者は、この符号化された日付に基づき残りの保存期間を計算することができる。あるいは、バーコードスキャナは、バーコード42から走査された情報に基づき、残りの保存期間を計算するようプログラムされてもよい。
【0037】
リーダ45は、生産物に関する情報又はデータ(生産物タイプ、生産物状態など)をキャプチャし、当該情報をネットワーク20を介しデータベース30に送信するため、センサ40と通信する。コントローラ50により使用されるアルゴリズム55,60は、生産物の保存期間を推定又は予測することによって生産物の品質と共に、生産物に関する他のデータを測定する。リーダ45からデータベース30への生産物情報の通信は、生産物の品質に関する最新のほぼリアルタイムのデータを提供するため、発送処理全体を通じて行われる。センサ40は、リーダ45によって継続的に又は所定の間隔により読み込まれる。コントローラ50は、アルゴリズム55,60を用いて、直近のデータに基づき保存期間の計算結果を更新し、更新された計算結果をデータベース30に格納する。
【0038】
プロセス制御システム35は、所定のプロセス制御監視手順70、スタッフ管理75、セキュリティ監視システム80及び生産物監視システム85を含む。所定のプロセス制御70、スタッフ管理75、セキュリティ監視システム80及び生産物監視システム85は、受取人に配送される生産物の品質を規定するため、サプライチェーンの各ステップにおいて管理システム109内に実装される。
【0039】
一般に、プロセス制御70は、ワークフロー、タイミング及び生産物の品質測定を含む。供給者(農家、メーカーなど)は、比較的高い品質を有する生産物を受取人に提供するため、プロセス制御70を実現する。農家は、認証されたプロセスを利用して、農地からの痛みやすいものの収穫を効果的に管理することができる。メーカーは、認証されたプロセスを利用して、信頼できる同質な特徴又は特性(一貫性のあるペンキの色、化学合成物など)を有する生産物を生産することが可能である。検査人又は同様のスタッフは、ランダムな検査を実行し、管理システム10の他のメンバー15によるアクセス用の結果又は検査レポートをデータベース30に投入するのに利用可能である。検査結果の情報は、各メンバー15により以前に合意された標準的な処理手順による順守を確立するため、適切なメンバー15により確認可能である。
【0040】
パッケージング処理センターは、供給者から受け取った生産物を調整するためのプロセス制御70を含む。供給者と同様に、パッケージング処理センターは、当該プロセスが確立された処理手順に従っているか判断するため、検査人により検査されうる。検査人による判定は、データベース30に入力され、許可されたメンバー15により閲覧可能とされる。
【0041】
輸送システムにより実現されるプロセス制御70は、データベース30に格納されている所定の状態の範囲内に商品のパラメータを維持するため、生産物をどのよう搬送中に調整するかを決定するため利用可能である。例えば、認証されたプロセスは、生産物のパレットがトラックや他の輸送手段にどのように積み込まれるかに関して特定の基準又は処理パラメータを確定するのに実現可能である。認証されたプロセスは、生産物の周りの空気の流れを減少させるように生産物を積み込まれるのを防ぎ、これにより、生産物の環境状態が所定の状態と異なるものにし、生産物の保存期間に影響を与えうる。
【0042】
一部の構成では、電子カーテン(レーザカーテン、無線周波数カーテンなど)が、輸送手段の搬送コンパートメント(コンテナ、カーゴなど)に設置可能である。電子カーテンは、生産物状態の適切な調整を保障し、所望される所定の状態からの乖離を回避するよう生産物が輸送されることに基づき、動的に実現可能である。生産物は、一定の連続した電子カーテンが維持されるように、搬送コンパートメントに積み込まれる。管理システム10は、電子カーテンが破れたか示すメッセージ又はレポートを輸送手段のオペレータに送信可能である。プロセス制御70のパラメータに基づき、生産物は、すべての電子カーテンが維持されるまで以降の目的地に搬送することができない。
【0043】
流通センターは、プロセス制御70を使用して、輸送手段に対する生産物の積み込み及び積み卸しを指示することができる。プロセス制御70はまた、倉庫や他の格納エリアへの生産物の格納を調整する。供給者及び輸送システムに関して上述したプロセス制御70と同様に、プロセス制御70は、管理システム10内の流通センターが標準的な処理手順に従っているように、流通センターを検査するためのプロセスを含む。検査結果又は結果は、サプライチェーンの生産物及びアセット(冷蔵庫システム、加熱システムなど)のトレーニング及び認証を実現するため、管理システムのメンバー15によるさらなる参照のため、データベース30に(検査レポートなどとして)格納される。
【0044】
プロセス制御70はまた、輸送システムにより報知されている生産物荷物(個々のパレット、輸送ユニットなど)を監視するのに利用されてもよい。例えば、センサ40又は他のセンサは、センサ40が付属された生産物に影響を及ぼす有害な状態を通信する音声及び/又は視覚アラームを含むものであってもよい。センサ40は、レスポンスシステム65により生成されるアラームと同様に、コントローラ50及びデータベース30を介し1以上のメンバー15に直接的に(例えば、生産物を取り囲むエリアなどに)又はネットワーク20を介しアラームを送出することが可能である。一部の構成では、アラームは、センサ40が所定の期間にリーダ45により読まれなかったとき、センサ40により生成可能である。他の構成では、センサ40が監視されている生産物に隣接する有害な状態(高温、低湿度、高湿度など)を検出すると、センサ40により生成されてもよい。
【0045】
スタッフ管理75は、管理システム10へのアクセスを有する各メンバー15について同様であり、生産物及び/又は施設及びコントローラ50により制御されるアクセス制御システムを介した生産物に関する情報へのアクセスを規制する。アクセス制御システムは、各メンバー15に関する情報を(認証、従業員情報など)をデータベース30に格納し、生産物及び生産物に関する情報へのアクセスを規制する。アクセス制御システムは、サプライチェーンにおける生産物及び/又は施設へのスタッフのアクセス権限の変更を可能にするため(例えば、倉庫の全てではないが一部の部屋へのアクセスなど)、スタッフの動的なスケジューリングを提供する。スタッフアクセス権限は、適切な信用を有するメンバー15によるアクセスのため、データベース30に維持される。
【0046】
一般に、スタッフ管理75は、データベース30に格納されている情報に基づき、各メンバー15の再認証及びトレーニングに関するリマインダ又はアラームを生成する。メンバー15は、生産物がプロセス制御システム35により定義される所定の運用パラメータに従ってサプライチェーンの各段階で取り扱われるように、トレーニング及び認証される。供給者に関して、スタッフは、対応する所定の運用パラメータに従って生産物を収穫又は生産するのに認証されることが可能である。処理センター及び流通センターに関して、スタッフは、関連付けされた所定の運用パラメータに従って生産物を取り扱い、処理し、保存するのに認証されることが可能である。輸送システムのスタッフは、輸送手段からの生産物の積み込み及び積み卸しを制御し、所望される所定の状態(温度、湿度、空気の品質など)に生産物を維持するようトレーニング及び認証されることが可能である。
【0047】
トレーニング及び認証リマインダは、所定のスケジュールに基づき各メンバー15に送信される。例えば、リマインダは、認証の期限が経過する30日前にメンバー15に送信することが可能である。スタッフ管理75はまた、各メンバー15の認証が効果的に維持できるように、メンバー15への将来のトレーニング及び再認証処理を提案する制御を含む。一部の構成では、スタッフ管理75はまた、特定のスタッフが生産物を取り扱い又は作業した時間を計算するための自動化された時間作業システムを有することも可能である。スタッフ管理75は、作業時間システムにより収集された情報を利用して、人件費結果を決定し、生産物に係るコスト(収穫、製造、保存、発送、移動など)を計算する。
【0048】
一部の構成では、スタッフ管理75は、設定可能な要求に基づき、所定のタスクのスタッフをスケジューリングすることができる。一般に、これらの要求は、取り扱われる生産物に基づくものである。スタッフ管理75は、生産物を取り扱い又はテストするのに適したスキルを有するスタッフと生産物とをマッチングさせる。スタッフ管理75はまた、所定のタスクに関連する他の関連情報(労働協約規則、超過時間ポリシー、スタッフ情報など)を含むものであってもよい。例えば、肉の発送が流通センターに到着すると、スタッフ管理75は、生産物を検査し、生産物状態に関して判断するため、1以上の肉検査官又は肉質制御スタッフをスケジューリングすることができる。本例では、スタッフ管理75は、果物若しくは野菜検査官又は関連する品質制御スタッフをスケジューリングしない。スタッフ管理75は、以下に限定することなく、超過時間コスト及び中断時間を含むスタッフに関する実質的なコストを節約することができる。
【0049】
セキュリティ監視システム80は、一般に、生産物が保存期間やその品質を低下させる不良な状態を受けないように、生産物を含む施設又は輸送手段のセキュリティに関する。供給者の施設、処理センター及び流通センターは、ビデオ監視、アクセスシステム及びセキュリティスタッフを用いて安全確保されている。一部の構成では、追加的なセキュリティ監視機能は、生産物の安全を確保するため利用されてもよい。管理システム10の他のプロセスと同様に、セキュリティ監視システム80は、プロセス制御システム35を介し1以上のメンバー15により又は他のエンティティ(税関職員など)により確定される所定の運用パラメータに基づき動作する。これらの施設は、所定の運用手順の順守性を保障するため、定期的に認証される。認証された施設は、“信頼された”又は“安全な”施設とみなされる。
【0050】
輸送システムにより使用されるセキュリティ監視システム80は、生産物を所定の状態に維持するため不可欠な発送プロセス内の監視システムを含む(冷蔵システム、加熱システム、湿度システム、空気品質制御システム、振動耐性システムなど)。認証されたスタッフによるこれらのシステムのコンポーネント又はアセットへのアクセスは、アクセス制御システムを用いてシステムに関する所定の運用パラメータに従っていることを保障するため制限される。電子検証システムが、指定された又は認証されたスタッフによるコンポーネントの処理を可能にするため、セキュリティ監視システムに搭載される。
【0051】
アセットは、1以上の所定の運用手順又は状態に違反することに応答して、アラームを生成する電子制御を有することが可能である。この電子制御はまた、アセットが所望の状態で動作していないことに応答して、アラームを生成することも可能である。一般に、アラームは、アラーム状態を解消するための正しいアクションのため、コントローラ50とデータベース30に送信される。例えば、トラックの冷蔵部は、生産物を所望の温度範囲内に維持するため利用可能である。生産物に付属又は隣接したセンサ40は、生産物の保存期間や品質に影響を与えうる暖かい部分や冷たい部分を検出可能である。上述されるように、センサ40により測定されるパラメータは、データベース30に格納される。暖かい部分又は冷たい部分を示す信号に応答して、コントローラ50は、生産物の所望されない状態を修正するため(温度の増減など)、関連するシステムアセットの電子制御に指示を与える。コンポーネントが所望されない状態を修正できない場合、コントローラ50は、輸送手段のオペレータ又はマネージャに正しいアクションを開始するよう通知する。これらの修正アクションは、不具合のあるコンポーネントの修理若しくは置換又は他のアクション(メンテナンスのため輸送手段を返却するなど)を含みうる。
【0052】
輸送システムのためのセキュリティ監視システム80はまた、運搬装置や車両内で配送される生産物を保護するためのビデオ監視を含みうる。セキュリティ監視システム80は、1以上のメンバー15又は他のエンティティ(税関職員など)により確定された所定の運用手順又はパラメータに基づき動作する。車両又は運搬装置は、所定の運用パラメータの順守を確保するため、定期的に認証される。認証された車両は、管理システム10の下で及びサプライチェーンを通じて生産物を搬送するのに適した“信頼される”又は“安全な”車両であり、サプライチェーンを通じて搬送される生産物のより迅速な搬送を実現するため、制御ポイントにおいて優先許可を受けることができる。
【0053】
アセット監視システム85は、供給者から受取人への生産物の搬送全体を通じて、各種生産物状態を観察及び制御するため、生産物監視システム25と通信する。一部の構成では、アセット監視システム85は、生産物状態を監視及び制御するため、データベース30と通信する。供給者は、アセット監視システム85を用いて生産物の生産に関する情報を追跡する。例えば、農家は、生産物の収穫後の環境状態(気象パターン、室温、湿度など)を監視することができる。処理センター、流通センター及び輸送システムはまた、アセット監視システム85を用いて、サプライチェーンの各所における生産物の保存及び輸送に関する情報を追跡する。上述されるように、データは、連続的に又は所定の間隔により生産物監視システム25を介しアセット監視システム85により取得可能である。
【0054】
一部の構成では(生産物状態が所定の間隔で検知されるときなど)、1以上のメンバー15は、サプライチェーンにおける生産物の搬送中の任意の時点において、アセット監視システム85を用いて生産物監視システム25から生産物情報又はデータを手動により要求できる。取得されたデータは、ネットワーク20を介した適切なメンバー15によるアクセスのため、データベース30に格納され、生産物が受けている状態を選択的に変更するため、適切なメンバー15により利用可能である。
【0055】
他の構成では、生産物状態は、直接的な人による介入なく、アセット監視システム85を用いて自動変更可能である。これらの構成では、アセット監視システム85は、メンバー15による直接的な起動なく、履歴及びほぼリアルタイムに検知される状態に基づき、サプライチェーン内のアセット(ディスプレイケース、マーチャンダイザ、輸送ユニット、倉庫格納ユニットなど)による生産物状態の自動制御を可能にするスマートアセットシステムである。これらのアセットは、アセット監視システム85を用いてサプライチェーン全体で生産物状態を監視し、生産物の品質を最適化するため生産物が置かれている状態を選択的に変更することによって、生産物の状態を制御することができる。
【0056】
メンバー15の少なくとも一部と、一部の構成では何れかのメンバー15が、サプライチェーンにおいて、ほぼリアルタイムの生産物データにアクセス可能であり、データベース30に格納されているデータに基づき物流意思決定をすることができる。物流意思決定は、生産物が放棄されるべきか、車両と車両の生産物とが当初の目的地と異なる目的地に経路決定されるべきか(生産物の販売を増加させるためなど)、生産物がサプライチェーンの特定のメンバー15に返却されるべきかを含みうる。特定のメンバー15により行うことが可能なさらなる物流意思決定は(処理センター、流通センターなど)、受取人における生産物の在庫切れを回避するため、在庫管理(最初に配送された生産物を最初に期限切れにするなど)及び置換配送の調整を含む。
【0057】
一般に、メンバー15は、配送される生産物のタイプに基づき監視及び調整すべき測定可能かつ制御可能なパラメータを決定する。これらのパラメータは、既存のプロセスとパラメータとの比較を実行し、以降の抽出及び更新のため、メンバー15によるアクセスのためにデータベース30に格納される。格納されたパラメータは、プロセス制御70、アクセス制御システム及びセキュリティ監視システム80と共に、管理システム10の他のシステムに影響を与えうる。例えば、FIFO(First product In First Out)ビジネス慣行の代わりに、メンバー15は、顧客満足と利ざやの最適化を確保するため、FEFO(First product Expiring First Out)ビジネス慣行を利用可能である。
【0058】
管理システム10は、サプライチェーン内の自動化された非常事態計画を提供する。データベース30に格納され、サプライチェーン全体から収集されたデータは、メンバー15が在庫回転及び収益性を最適化し、供給のボトルネックを回避することを可能にする。例えば、在庫回転は1以上の受取人においては比較的ゆっくりしているとき、生産物は、より速い又は高い生産物在庫回転を有する他の受取人に搬送中に生産物が搬送先変更可能である。同様に、農家、メーカー及び他のメンバー15は、管理システム10を用いて特定の生産物を最も高い利ざやをリターンする受取人に供給することによって、収益性を最適化することができる。管理システム10内において、生産物の搬送は、サプライチェーンの任意のポイントにおいて、特定の生産物について投資に対するより高いリターンを提供することが可能なメンバー15に搬送先変更可能である。
【0059】
管理システム10はまた、詳細かつ有効な品質制御を提供することによって、食品を安全に詳しく監視する機能をメンバー15に提供する。サプライチェーン全体で生産物を追跡することによって、メンバーは、何れかの生産物の積荷が検閲される必要があるかより良好に決定できる。管理システム10は、回収された生産物の位置と回収された生産物がある場所を担当したメンバー15とのより良好な通信を実現する。データベース30はまた、検閲がさらなる悪い結果を限定するためより効果的かつ詳しく適用されることを可能にする回収された生産物の出所に関する情報を提供する。
【0060】
管理システム10はまた、生産物の生成時(収穫、製造など)から収集された情報に基づき生産物(商品など)を取引することを可能にする。商品取引所などの取引システム(図示せず)は、サプライチェーン内の指標に基づき管理システム10により実現可能である(保存期間予測アルゴリズム55など)。取引システムは、受取人などの最終目的地ではないかもしれないが、サプライチェーンのメンバー15(ブローカーなど)に搬送されている生産物を含む。取引システムは、ブローカーが生産者(農家やメーカーなど)から生産物を購入し、サプライチェーンにおける生産物の進捗中に監視される生産物状態に少なくとも部分的に基づき、先物市場の入札者に生産物を売却することを可能にする。例えば、農産物の価格は、生育期間中の環境状態及び他の既存の状態に基づき設定可能である。受取人及び他のメンバー15は、生産物の所望の数量と品質をブローカーから確保又は取得するため、管理システム10及び取引システムを介し生産物を競り落とすことができる。取引システムは、管理システム10により収集される包括的な生産物情報に基づき極めて精度の高い生産物価格制御を提供するよう構成可能であり、メンバー15が高品質な商品に対して割り増し価格を支払う受取人及び/又は消費者に当該商品を提供することを可能にする。
【0061】
一部の構成では、管理システム10は、消費者が1以上の製品の履歴及び保存期間を追跡できるように、オンラインアクセスシステムを通じて消費者によりアクセス可能とされうる。これらの構成では、データベース30は、ネットワーク(インターネットなど)を介しオンラインアクセスシステムを介し消費者に利用可能である。消費者は、望ましい特性を備えた生産物を有する受取人をチェックすることを可能にするウェブサイトにオンラインアクセスシステムを通じてアクセスすることが可能となる。オンラインアクセスシステムは、データベース30に格納されている生産物情報に基づき、生産物の配送開始から受取人までの生産物の詳細な履歴を有することができる。オンラインアクセスシステムはまた、生産物を展示しながら、受取人の所における冷蔵されたディスプレイケースの温度を含めることによって、生産物のほぼリアルタイムなデータの利用性を拡張するようにしてもよい。メンバー15は、生産物のソースから受取人までの商品のフローを最適化するため、オンラインアクセスシステムへのアクセスを監視及び制御することが可能である。
【0062】
生産物と当該生産物に係るスタッフとが、受取人への高品質な生産物の配送を確保するため、サプライチェーン全体で監視及び制御される。管理システム10は、当該プロセスにおける生産物と人間とを優先させ、サプライチェーン内で生産物を効果的に管理するため、サプライチェーンの各ステップを監視及び制御する。管理システム10は、ネットワーク20を利用して、サプライチェーン全体の生産物を途切れることなく追跡し、サプライチェーンの各種スポットにおける生産物に関するメンバー15の意思決定プロセスを支援する。認証されたプロセス、人々及び施設は、サプライチェーン内の各ポイントにおける遅延を最小限するすることによって、生産物の輸送及び配送を効果的かつ迅速に実行する。管理システム10はまた、農家やメーカーから受取人まで生産物に関する情報を効果的に追跡し、メンバー15によるアクセスのためにデータベース30に当該情報を格納する。データベース30は、アセット監視システムにより追跡されるサプライチェーンの各生産物の履歴及びリアルタイムデータを保持する。
【0063】
本発明の様々な特徴及び効果は、以下の請求項に与えられる。
【符号の説明】
【0064】
10 管理システム
15 メンバー
30 データベース