(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機械フレームと、この機械フレームに左右方向のドラム回転軸芯回りに回転自在に支持された混合ドラムとを備え、前記混合ドラムは上部開口状のドラム本体と、このドラム本体の上部開口を塞ぐドラム蓋とを備え、前記ドラム本体をドラム回転軸芯回りに回転させることにより混合ドラム内で複数の食材を混合する食材混合機であって、
前記ドラム蓋を閉めた状態において前記ドラム本体内の上部の前後に位置する左右方向の本体上側攪拌棒と、
前記本体上側攪拌棒とは別体で形成されていて、ドラム本体内の下部の前後で且つ前記本体上側攪拌棒の下方に位置する左右方向の本体下側攪拌棒と、
前記ドラム蓋に設けられた支持杆であって、前記ドラム蓋を閉めた状態において前記ドラム本体内に挿入状とされる部分を有すると共に該部分に前記本体上側攪拌棒が固定された支持杆とを有し、
前記ドラム蓋を開けたときに、前記本体上側攪拌棒は前記本体下側攪拌棒がドラム本体内に位置した状態でドラム本体内の配置位置からドラム本体の外に退避可能とされていることを特徴とする食材混合機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、複数の食材を混合する食材混合機として、ご飯に酢(合わせ酢)を自動的に混ぜ合わせて酢飯を作る酢合わせ機1を例示している。
図1は酢合わせ機1を右斜め正面から見た斜視図で示している。
なお、以下の説明において、左右方向内方とは、酢合わせ機1の左右方向の端部から左右方向中央に向かう方向をいい、左右方向外方とは、酢合わせ機1の左右方向中央から左右方向の端部に向かう方向をいう。
【0013】
図1に示すように、前記酢合わせ機1は、主として、機械フレーム2と、ご飯に酢を混ぜ合わせる混合ドラム3とを有する。
図2に示すように、前記機械フレーム2は、床面等に載置されるベースフレーム4と、このベースフレーム4の左右両側に立設されたサイドフレーム5L,5Rと、左右のサイドフレーム5L,5Rの後端側の上部同士を連結する後部連結板6とを有する。
【0014】
前記混合ドラム3は左右のサイドフレーム5L,5R間の上部側に配置されて、左右のサイドフレーム5L,5Rに左右軸回りに回転自在に支持されている。左右のサイドフレーム5L,5Rは、板材によって中空状に形成され、左右方向で対向配置されている。
右側のサイドフレーム5L,5R内には、
図3に示すように、混合ドラム3を回転駆動するドラムドラム駆動モータ7と、混合ドラム3内に冷却空気を供給する送風装置8と、これらドラム駆動モータ7及び送風装置8を制御する制御装置9とが設けられている。
【0015】
前記ドラム駆動モータ7は正逆転自在な電動モータで構成されている。このドラム駆動モータ7は本実施形態ではブラシレスDCモータで構成されていて制御装置9によって回転速度制御が可能とされている。
送風装置8は、冷却風を生起するブロワ等からなる送風機10と、この送風機10の吹出口に一端側が接続された送風ダクト11と、この送風ダクト11の他端側に接続されて混合ドラム3内に冷却空気を送る給気部材12とを有する。前記送風機10は制御装置9によって回転速度制御が可能とされている。
【0016】
この送風装置8によって混合ドラム3の右側(左右一側)から該混合ドラム3内に冷却空気が供給され、この混合ドラム3内に供給された冷却空気は混合ドラム3の左側(左右他側)から排気されるよう構成されている。
図1、
図2に示すように、右側のサイドフレーム5Rの上面側前部には、スタートスイッチ17、停止スイッチ18、排出スイッチ19等を有する操作パネル20が設けられ、該右側のサイドフレーム5Rの上面側後部には、必要に応じて混合ドラム3の内面にスプレーされて塗布される植物系油脂等からなる離型剤のスプレー缶21等を保持する缶ホルダ22が設けられている。
【0017】
図4(a)に示すように、右側のサイドフレーム5Rの左右方向内方側の側面を構成する内側壁13に、混合ドラム3の右側を回転自在に支持する軸受け部材15Rと、前記ドラム駆動モータ7で回転駆動されるドラム駆動ギヤ16とが設けられている。前記軸受け部材15Rは、右側のサイドフレーム5Rの内側壁13の前後方向中途部の上部に形成された凹み部14の上部に設けられている。ドラム駆動ギヤ16は軸受け部材15Rの下方側(凹み部14の下部)に設けられている。
【0018】
図4(b)に示すように、左側のサイドフレーム5Lの左右方向内方側の側面を構成する内側壁23に、混合ドラム3の左側を回転自在に支持する軸受け部材15Lが設けられている。この軸受け部材15Lは左側のサイドフレーム5Lの内側壁23の前後方向中途部の上部に設けられている。
左右の軸受け部材15L,15Rは、左右方向で対向状に配置され、それぞれ側面視U字形に形成されていてU字形溝24を有する。
【0019】
左右の軸受け部材15L,15RのU字形溝24の底部は後述する円筒状のドラム支軸
25L,25Rを回転自在に受持する円弧状の軸受部26とされている。左右の軸受け部材15L,15RのU字形溝24の上部はドラム支軸25L,25Rを上方側から軸受部26内に導入する軸案内部27とされている。この軸案内部27は前斜め上方に向けて傾斜状とされていると共に、前斜め上方に向けて開放状とされている。
【0020】
混合ドラム3の回転支持部分をこのように構成することにより、混合ドラム3のドラム支軸25L,25Rを軸案内部27を介して軸受部26から上方側に離脱させることができ、混合ドラム3全体を容易に取り外すことができる。これにより、混合ドラム3を清掃する場合に、混合ドラム3全体を洗い場にそのまま運ぶことができるので、混合ドラム3に残っている酢飯が酢合わせ機1の設置場所に落ちてしまうということがなく、また、混合ドラム3全体を洗い場で洗うことができる。また、混合ドラム3の回転支持部分及びその周辺の清掃も容易に行うことができる。
【0021】
また、軸案内部27を前斜め上方に向けて傾斜状に形成したことにより、混合ドラム3を取り外し・取り付けする際に、前斜め傾斜方向で行うことができ、これによって、混合ドラム3を着脱する際において、混合ドラム3を真上に持ち上げる場合に比べて、混合ドラム3を高く持ち上げる必要がなく、混合ドラム3の取り外し・取り付けを楽に行うことができる。
【0022】
図4(a)に示すように、右側のサイドフレーム5Rの内側壁13には円形状の給気穴28が形成されている。この給気穴28は右側の軸受け部材15Rの軸受部26に対応する位置に形成されている。この給気穴28には前記送風装置8の給気部材12が接続されており、該給気穴28から混合ドラム3内に冷却空気が供給可能とされている。
図4(b)に示すように、左側のサイドフレーム5Lの内側壁23には円形状の排気穴29が形成されている。この排気穴29は左側の軸受け部材15Lの軸受部26に対応する位置に形成されている。この排気穴29を介して混合ドラム3内の空気が排気可能とされている。
【0023】
図5に示すように、左側のサイドフレーム5L内には、排気穴29の前後に位置する前後部30a,30bと、排気穴29の下側に配置された下部30cとから上方開口状のコ字形に形成された仕切り部材30が設けられている。左側サイドフレーム5Lの上壁32の仕切り部材30の前後部30a,30b間は切り欠かれている。また、左側サイドフレーム5Lの外側壁34には、仕切り部材30の前後部30a,30b及び下部30cに沿って切り欠かれたコ字形の切欠き部31が形成されている。この切欠き部31を塞ぐ閉塞板38が左側サイドフレーム5Lの外側壁34の外面に取り付けられている。
【0024】
前記仕切り部材30及び閉塞板38で上方開口状の収容室35が形成されている。この収容室35の上端開口が挿脱口37とされている。
また、左側サイドフレーム5Lの外側壁34の上縁後端部には、規制片33が上方突出状に設けられている。
図2、
図4に示すように、左側サイドフレーム5Lの上部には、混合ドラム3から排気された冷却空気を機械フレーム2の外に排気させるための排気ボックス166が設けられている。
【0025】
この排気ボックス166は、樹脂によって形成され、
図6、
図7に示すように、収容室35内に収容される排気導入部167と、前記挿脱口37から突出するように該排気導入部167の上端から延出されると共に該排気導入部167から後方に向けて延出された排気延長部168とを有する。
排気導入部167は、左右の側壁167aと前後壁167b,167cと下壁167dとから側面視矩形状に形成され、上端開口状とされている。この排気導入部167の右側(混合ドラム3側)の側壁167aには、前記排気穴29と左右方向で対応する位置に開口形成された円形の排気導入口169が形成されている。
【0026】
図8に示すように、この排気導入口169の周縁には、該周縁の全周縁から右方に突出されて排気穴29に内嵌する環状の抜止嵌合部170が形成されている。排気導入部167は、挿脱口37から収容室35内に挿脱自在に挿入され、前記抜止嵌合部170が排気穴29に内嵌することにより、排気導入部167が収容室35から抜止めされる。
排気導入部167を収容室35から抜脱する場合は、排気ボックス166が樹脂製であることから、抜止嵌合部170を左右方向内方側から押してやることにより、排気導入部167の右側の側壁167aが弾性変形して、抜止嵌合部170が排気穴29から外れ、排気導入部167が収容室35から抜脱可能となる。
【0027】
前記排気延長部168は、
図6〜
図8に示すように、左右の側壁168aと上壁前部168bと上壁後部168cと後壁168dと底壁168eとから構成されている。
この排気延長部168の左右の側壁168aは、排気導入部167の側壁167aの上端から上方側に延出されると共に該排気導入部167から後方に向けて延出されている。
また、排気延長部168の上壁前部168bは前下がり傾斜状に形成されていて前下端が排気導入部167の前壁30a上端に接続されている。排気延長部168の上壁後部168cは上壁前部168bの後端から後方に延出され、この上壁後部168cの後端側に上方に向けて開口する排気口171が形成されている。排気延長部168の底壁168eは排気導入部167の後壁167cの上端から後方に延出されていて、左側サイドフレーム5Lの上壁32上に載置されている。排気延長部168の後壁168dは底壁168eの後端から上方に延出されている。
【0028】
前記排気延長部168の前下端は下方開口状とされていて、排気導入部167の上端開口と連通している。また、排気延長部168の左側の側壁168aの後端下部は前記規制片33によって左右方向外方への位置規制がなされている。
底壁168eの前端側(排気導入部167の上端開口の近傍)には、上方突出状で且つ側面視円弧状の突部172が左右方向に形成されている。
【0029】
また、この排気延長部168の左右両側壁168aの後端側には、排気延長部168の後端側を切り取るための線状の切取りガイド部173が形成されている。この切取りガイド部173は、排気延長部168の側壁168aの外面に形成された薄肉溝によって形成され、排気口171の前端から後壁168dの下端にかけて後斜め下方に傾斜状に形成されている。
【0030】
この排気ボックス166にあっては、混合ドラム3から排気された冷却空気は排気穴29から排気導入口169を通って排気導入部167に入り、該排気導入部167から排気延長部168を通って排気口171から排出される。
この排気ボックス166によって、混合ドラム3からの排気冷却空気を機械フレーム2の外に排気する排気通路部が形成され、この排気ボックス166は機械フレーム2に対して着脱自在とされていることから、該排気ボックス166を取り外すことにより、前記排気通路部の清掃が容易に行える。
【0031】
また、排気ボックス166は、機械フレーム2に設けた挿脱口37を介して挿脱することにより機械フレーム2に対して着脱でき、排気ボックス166の着脱が容易に行える。また、排気導入部167から後方に向けて延出された排気延長部168の後端側に排気口171を設けているので、作業者側から離れたところで冷却空気が排気され、作業者に排気冷却空気があたるのを防止することができる。
【0032】
また、前記切取りガイド部173に沿って排気延長部168の後端側を切り取ることにより、排気ボックス166から排気される冷却空気の排気方向を上方排出から後ろ斜め上方排出に変更することができ、これによって、冷却空気の排気方向を上方排出と後ろ斜め上方排出とのいずれかを選択することができ、食材混合機の設置場所に応じて排気方向を選択することができる。
【0033】
また、前記排気延長部168の底壁168e(底部)に設けた突部172によって、排気延長部168の底部の水分が排気導入部167側へと流れるのを防止することができる。
また、前記排気延長部167が収容される収容室35の左右方向外側面は着脱自在な閉塞板38によって閉塞されているので、この閉塞板38を取り外すと共に排気ボックス166を取り外すことにより、前記排気穴29にダクトを接続することができ、このダクトによって、混合ドラム3から排気される冷却空気を室外(酢合わせ機1の設置場所から遠い場所)や換気装置等へと導くことができる。
【0034】
これによって、混合ドラム3からの排気を左側サイドフレーム5Lの排気ボックス166から排出させる態様と、混合ドラム3からの排気をダクトを介して室外等に排出させる態様とを選択可能とされている。
なお、このダクトを取り付ける場合には、閉塞板38を、ダクトが挿通される挿通孔と、挿脱口37を覆うカバー部とを有するものに変更するのがよい。
【0035】
図1に示すように、左右サイドフレーム5L,5R間の下部で且つ混合ドラム3の下方が、混合ドラム3で作られた酢飯を入れる酢飯収容箱39(食材収容箱)の配置空間とされている。酢飯収容箱39は上端開口状のコンテナからなり、前方側から酢飯収容箱39の配置空間に挿入され、ベースフレーム4上に載置される。
図2に示すように、ベースフレーム4上の後部には、混合ドラム3の下方の適正位置に酢飯収容箱39が配置されていることを検出する箱検出装置40が設けられている。
【0036】
前記混合ドラム3は、
図9、
図10及び
図11に示すように、下部のドラム本体46と、このドラム本体46を開閉自在に閉塞する上部のドラム蓋47とから構成されている。これらドラム本体46とドラム蓋47とは樹脂によって成型されている。
ドラム本体46は上部開口状とされ、ドラム蓋47は下部開口状とされ、ドラム本体46及びドラム蓋47の開口周縁側には、それぞれ開口周縁から外方に張り出すフランジ部48,49が設けられ、これらフランジ部48,49を重ね合わすことにより、ドラム本体46がドラム蓋47で開閉自在に塞がれる。
【0037】
ドラム蓋47のフランジ部49の側部の前側には、左右方向外方に張り出す張出し係合部50が形成されている。
ドラム本体46の上部の左右両側には、左右方向の軸芯を有する円筒状のドラム支軸25L,25Rが設けられ、このドラム支軸25L,25Rの軸芯が混合ドラム3の回転軸芯(ドラム回転軸芯X)とされている。左右のドラム支軸25L,25Rは、左右方向で同じ側にある前記軸受け部材15L,15Rの軸受部26に軸案内部27を介して導入され、軸受部26で受持されて回転自在に支持される。
【0038】
右側のドラム支軸25Rにはギヤ装着部51が設けられ、このギヤ装着部51には、被駆動ギヤ52がドラム回転軸芯X回りに相対回転不能に嵌合装着されている。なお、被駆動ギヤ52をドラム支軸25Rに同じ部材で一体形成してもよい。
この被駆動ギヤ52は、ドラム支軸25L,25Rを軸受部26に導入する際に、ドラム駆動ギヤ16に上方側から噛合し、該被駆動ギヤ52に駆動ギヤから動力伝達可能とされる。ドラム駆動ギヤ16から被駆動ギヤ52に回転動力が伝達されることで混合ドラム3がドラム回転軸芯X回りに回転駆動可能とされる。
【0039】
前述したように、ドラム支軸25L,25Rを軸受部26内に導入する動作で、被駆動ギヤ52がドラム駆動ギヤ16に上方側から噛合するように構成することにより、回転駆動可能な混合ドラム3の取り外し・取り付けを容易に行うことができる。
前記ドラム駆動モータ7を正転させると、該ドラム駆動モータ7の回転動力がドラム駆動ギヤ16から被駆動ギヤ52に伝達され、混合ドラム3が
図11に矢印R方向で示す後転方向(一方向)に回転駆動される。また、ドラム駆動モータ7を逆転させると、該ドラム駆動モータ7の回転動力がドラム駆動ギヤ16から被駆動ギヤ52に伝達され、混合ドラム3が
図11に矢印F方向で示す前転方向(他方向)に回転駆動される。
【0040】
ご飯に酢を混ぜ合わせる際(食材混合時)には、混合ドラム3が後転方向Rに回転駆動され、出来上がった酢飯を排出する際(食材排出時)には、混合ドラム3が前転方向Fに回転駆動される。
図11に示すように、被駆動ギヤ52には、マグネットからなる被検出部材が収容された被検出部材収容部53が設けられ、右側の軸受け部材15Rには、この被検出部材収容部53内のマグネットを検出することで混合ドラム3の回転位置を検出する位置検出センサ54,55が設けられている。
【0041】
この位置検出センサ54,55は2つ設けられており、該2つの位置検出センサ54,55はドラム回転軸芯Xを中心とする円周方向に間隔をおいて配置されている。
第1の位置検出センサ54は右側の軸受け部材15Rの前上部に設けられていて、
図1
1に示すように、混合ドラム3がホーム位置(初期位置)に位置しているときに被検出部材収容部53内のマグネットを検出する。第2の位置検出センサ55は右側の軸受け部材15Rの下部に設けられていて、混合ドラム3がホーム位置から前転方向Fに回転駆動されて、ドラム本体46が、後述する酢飯排出姿勢(食材排出姿勢)となったときに被検出部材収容部53内のマグネットを検出する。
【0042】
図1に示すように、右側のサイドフレーム5Rの上部には、ドラム支軸25Rが軸受け部材15Rの軸受部26から離脱するのを規制する軸規制装置56が設けられ、この軸規制装置56による規制を解除することにより、混合ドラム3が取り外せるよう構成されている。
図10、
図11に示すように、ドラム蓋47の外面上部には取っ手69が設けられている。また、ドラム蓋47の後部はヒンジ結合部70によってドラム本体46に左右軸回りに揺動自在にヒンジ結合され、このヒンジ結合部70の左右方向のヒンジ軸79回りにドラム蓋47を上下に揺動することで該ドラム蓋47が開閉自在とされている。また、ドラム蓋47の前部にはロック部材71が設けられ、このロック部材71によってドラム蓋47がドラム本体46を塞ぐ閉状態にロックされる。
【0043】
前記取っ手69は、ドラム蓋47の外面上部の前部側に設けられ、
図1に示すように、機械フレーム2の後部には、この取っ手69を保持することによりドラム蓋47を開状態に保持する蓋ホルダ72が設けられている。
この蓋ホルダ72は、
図1、
図3に示すように、サポートフレーム73と、このサポートフレーム73を支持するフレーム支持部材74と、サポートフレーム73に固定された取付ステー75と、この取付ステー75に固定された取っ手保持部材76とを有する。
【0044】
取っ手保持部材76はバネ板材で形成され、この取っ手保持部材76にドラム蓋47の取っ手69を係脱自在に係合することにより、ドラム蓋47を開状態に保持される。
前記ロック部材71は、樹脂によって成型され、ドラム蓋47のフランジ部49の前部に左右一対設けられている。このロック部材71は、
図12に示すように、ロック部材本体87と、このロック部材本体87の下部から左右方向外方に突出するように形成された案内ガイド88とを備えている。
【0045】
図12は、ロック部材71及び該ロック部材71の取付け部分の右側を示している。
ロック部材本体87は上部に左右方向の軸芯を有するピン孔89が形成された枢支ボス部90を有する。ロック部材本体87の上下中途部の背面側に後方側から凹設された凹部91が形成され、この凹部91の下部にロック係合部92が形成されている。
案内ガイド88の背面88a側は平坦状に形成され、この平坦部分がロック解除ガイド面とされている。案内ガイド88の上面88bと前面88cとの間のコーナー部分88dは円弧状に形成されている。
【0046】
ドラム蓋47のフランジ部49の前部の左右両側にはロック部材取付部95が設けられている。各ロック部材取付部95には、左右方向の軸芯を有するピン孔96が形成された左右一対のピンボス97が左右方向に間隔をおいて設けられている。このピンボス97間にロック部材71の枢支ボス90が配置され、該枢支ボス90及び左右のピンボス97のピン孔89,96を貫通する枢支ピン98によってロック部材71が左右軸回りに回転自在に枢支されている。
【0047】
また、ドラム本体46のフランジ部48の前部の左右両側には、ロック部材71のロック係合部92が係脱自在に係合するロック係止部材99が設けられている。このロック係止部材99は、左右方向の軸芯を有する円筒部材によって構成されている。ドラム本体46のフランジ部48の前部の左右両側には、ロック係止部材取付部100が設けられ、このロック係止部材取付部100には、左右方向の軸芯を有するピン孔101が形成された左右一対のピンボス102が左右方向に間隔をおいて設けられている。この左右のピンボス102間に前記ロック係止部材99が配置され、これら左右ピンボス102のピン孔101及びロック係止部材99を貫通する取付ピン103によって、ロック係止部材99が軸芯回りに回転自在に支持されている。
【0048】
前記ロック部材71のロック係合部92をロック係止部材99に前方側から係合するこ
とにより、ロック部材71がロック状態とされ、ドラム蓋47がドラム本体46の上部開口を塞ぐ閉状態にロックされる。また、ロック部材71を強制的に枢支ピン98回りに前方側に揺動させることにより、ロック部材71が弾性変形して、ロック係合部92がロック係止部材99から離脱し、ロック解除状態となる。また、逆に、ロック部材71をロックする場合は、ロック部材71を強制的に枢支ピン98回りに後方側に揺動させることにより、ロック部材71が弾性変形して、ロック係合部92がロック係止部材99に係合し、ロック部材71がロック状態となる。
【0049】
図1及び
図4に示すように、機械フレーム2には、ロック部材71のロックを自動解除するロック解除部材104と、酢飯の排出時にドラム蓋47がドラム本体46側に揺動するのを規制するドラム蓋規制部材105とが設けられている。これらロック解除部材104とドラム蓋規制部材105とは、機械フレーム2の左右各サイドフレーム5L,5Rの対向面の前部の上下方向中途部に配置されている。
【0050】
図13及び
図14に示すように、これらロック解除部材104とドラム蓋規制部材105とは、それぞれ筒状に形成され、各サイドフレーム5L,5Rに、ロック解除部材104は1つ設けられ、ドラム蓋規制部材105は上下2つ設けられている。
図13及び
図14は、ロック解除部材104及びドラム蓋規制部材105の配置部分の右側を示している。
【0051】
また、これらロック解除部材104とドラム蓋規制部材105とは、各サイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13の外面(左右サイドフレーム5L,5Rの対向側の面)に近接配置された揺動部材106に設けられている。この揺動部材106は、上方に行くに従って前後幅が拡開する三角形状のプレートからなる。
この揺動部材106の上部に前後一対の取付軸107F,107Rが左右方向内方に突出状に設けられ、揺動部材106の下部に該揺動部材106を左右方向に貫通する揺動支軸108が固定されている。前側の取付軸107Fにロック解除部材104が軸心回りに回転自在に外嵌支持され、後側の取付軸107Rに上側のドラム蓋規制部材105が軸心回りに回転自在に外嵌支持されている。前記揺動支軸108の左右方向内方側に下側のドラム蓋規制部材105が軸心回りに回転自在に外嵌支持されている。
【0052】
また、ロック解除部材104は、上下のドラム蓋規制部材105よりも左右方向内方寄りに位置している。このロック解除部材104は混合ドラム3が前転方向Fに回転した時に、ロック部材71のロック解除ガイド面88aに接当可能とされている。また、上下のドラム蓋規制部材105は、混合ドラム3が前転方向Fに回転した時に、ドラム蓋47のフランジ部の前記張出し係合部50の下面側に接当可能とされている。
【0053】
揺動支軸108は、サイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13を貫通しており、該サイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13と、サイドフレーム5L,5Rの内部に配置されていてサイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13に固定された支持ステー109とに、軸受け110を介して左右方向の軸心回りに回転自在に支持されている。これによって、揺動部材106が揺動支軸108回りに前後揺動自在に支持されている。
【0054】
前記揺動部材106の上部には、揺動支軸108の軸心を中心とする円弧状のガイド溝111が前後方向に形成され、このガイド溝111には、サイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13に固定された規制ピン112が挿通されている。規制ピン112はガイド溝111内を相対的に移動可能であり、ガイド溝111の端部が規制ピン112に接当することで、揺動部材106の揺動が規制される。
【0055】
揺動支軸108の前記軸受け110間にはバネ掛け部材113が立設され、このバネ掛け部材113の上部に引張りバネ114の前端側が掛止されている。引張りバネ114の後端側はサイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13に固定されたバネ掛け部材115に掛止されている。この引張りバネ114の付勢力によって揺動部材106が後方に引っ張られている。前記ガイド溝111の前端が規制ピン112に接当することにより、揺動部材106の後方揺動が規制される。
【0056】
図15及び
図16に示すように、混合ドラム3は、その内部空間の側面断面形状が左右一端側から他端側にかけて略同じ形状に形成されている。
また、ドラム本体46の本体部分は、上縁116aが側面視直線状とされた左右の側壁116と、この左右側壁116の上縁116a以外の縁部同士を連結する周壁117とを有する。
【0057】
ドラム本体46の周壁117の前部117aと底部117bとの間の前コーナー部分117c、及び該周壁117の後部117dと底部117bとの間の後コーナー部分117eは外方に向けて凸となる湾曲状に形成されている。ドラム本体46の周壁117の底部117bには、平面視矩形状の底部開口118が形成されている。
ドラム本体46の周壁117の前コーナー部分117c及び該前コーナー部分117cの後転方向R前後の部分は、ドラム回転軸芯Xを中心とし且つドラム本体46の周壁117の底部117b(ドラム本体46の底部)に接する円弧Vよりも外方に膨出しており、この部分がドラム本体46の後転方向R先行側に設けられた膨出部119Fとされている。
【0058】
また、ドラム本体46の周壁117の後コーナー部分117e及び該後コーナー部分117eの後転方向R前後の部分は、ドラム回転軸芯Xを中心とし且つドラム本体46の周壁117の内面底部に接する円弧Vよりも外方に膨出しており、この部分がドラム本体46の後転方向R後行側に設けられた膨出部119Rとされている。
ドラム蓋47の本体部分は、下縁120aが側面視直線状とされた左右の側壁120と、この左右側壁120の上縁120a以外の縁部同士を連結する周壁121とを有する。
【0059】
ドラム蓋47の周壁121の上部121aから後下端にかけては、外方に向けて凸となる湾曲状に形成されている。この湾曲部分122Fは、ドラム回転軸芯Xを中心とし且つドラム蓋47の内面上部(周壁121の上部121a内面)に接する円弧Wよりも外方に膨出しており、該湾曲部分122Fがドラム蓋47の後転方向R先行側に設けられた膨出部とされている。また、ドラム蓋47の周壁121の上部121aから前下端にかけては、外方に向けて凸となる湾曲状に形成されている。この湾曲部分122Rは、ドラム回転軸芯Xを中心とし且つドラム蓋47の内面上部に接する円弧Wよりも外方に膨出しており、該湾曲部分122Rがドラム蓋47の後転方向R後行側に設けられた膨出部とされている。
【0060】
なお、図例では、ドラム本体46の周壁117の底部117bに接する円弧Vと、ドラム蓋47の周壁121の上部121aの内面に接する円弧Wとは、同一半径の円弧でなくてもよいし、同一半径の円弧であってもよい。
ドラム本体46の周壁117の前部117aの内面123(ドラム本体46の内面前部)は、ドラム本体46の周壁117の底部117b側からドラム本体46の上部開口面124に向けて末広がりに形成されている。
【0061】
このドラム本体46の周壁117の前部117aの内面123は、後述する酢飯の排出時において、酢飯を支持する酢飯支持面(食材支持面)とされている。
また、ドラム本体46の周壁117の後部117dの内面125(ドラム本体46の内面後部)は、該ドラム本体46の上部開口面124と略直交状に形成されている。
右側のドラム支軸25Rの左右方向内端側はドラム本体46の内部空間に連通している。また、該右側のドラム支軸25Rの左右方向外端側は右側のサイドフレーム5Rに設けられた前記給気穴28に近接配置されて対向している。前述したように、給気穴28には前記送風装置8の給気部材12が接続されていることから、送風装置8からの冷却空気は右側のドラム支軸25Rを通して混合ドラム3内部に供給される。
【0062】
図16に示すように右側のドラム支軸25Rの内部の左右方向内方側には、混合ドラム3内に供給される冷却空気の風向きを変更させる風向設定部材176が設けられている。
この風向設定部材176は、
図17、
図18に示すように、右側のドラム支軸25Rの内に内嵌される内嵌部177と、この内嵌部177内に設けられた仕切り部178とを有する。
【0063】
内嵌部177は左右方向の軸芯を有する筒状の部材本体179を有する。この部材本体179の軸芯はドラム回転軸芯X(右側のドラム支軸25Rの軸芯)と一致している。この部材本体179の外周面には、ドラム回転軸芯X方向(左右方向)に沿って設けられた
一対の突条185によって、回止め溝180が形成されている。この回止め溝180の左右端は左右方向に開放状とされている。また、この回止め溝180には、右側のドラム支軸25Rの内周面にドラム回転軸芯X方向に沿って設けられた回止め突条181が嵌合している。これによって、風向設定部材176が混合ドラム3と一体回転するよう構成されている。
【0064】
また、部材本体179の外周面には、右側のドラム支軸25Rの内周面に接当して風向設定部材176を支持する支持リブ186及び環状支持部187が設けられている。
支持リブ186は、左右方向に沿って形成されていると共に、部材本体179の周方向に間隔をおいて複数(本実施形態で3つ)設けられている。各支持リブ186の左右方向外端部には、風向設定部材176に抜止め抵抗を付与する規制突起188が設けられている。
【0065】
環状支持部187は部材本体179の左右方向内端側に設けられており、右側のドラム支軸25R内の左右方向内端側に設けられた環状の段部189に接当することで風向設定部材176の左右方向内方側(混合ドラム3の内部側)への移動規制がなされている。
したがって、風向設定部材176は、右側のドラム支軸25R内に左右方向外方側から内嵌される。
【0066】
なお、環状支持部は、前記回止め溝180と交差しており、該交差部分で途切れている。
前記部材本体179には、該部材本体179の周壁を内側に凹ませることにより形成された径方向一対のガイド壁182が形成されている。このガイド壁178は、部材本体179の左右方向両端部から左右方向中央部に行くにつれて軸芯側に移行する湾曲状に形成されている。このガイド壁178の内面が風案内面183とされている。
【0067】
前記仕切り部178は、部材本体179の内部に前記一対のガイド壁182の間の中央部に位置するように設けられている。この仕切り部178は部材本体179の径方向一端から他端にわたって設けられていると共に部材本体179の左右方向一端から他端にわたって設けられていて、ガイド壁182間の冷却空気の流通路を二分している。
この仕切り部178の左右方向外方側は壁面が風案内面183に対向する平板状に形成された平板壁190とされている。
【0068】
また、仕切り部178の左右方向内方側は、前記平板壁190の左右方向外方端部から左右方向内方側に向けてV字状に分岐した二股状の二股壁191とされている。この仕切り部178の二股壁191の一方の壁部191a及び他方の壁部191bは、それぞれ対向する風案内面183に沿って湾曲状に形成されている。
右側のドラム支軸25R内部を左右方向内方へと流れてくる冷却空気は、風向設定部材176によって二分され、風案内面183と仕切り部178との間の冷却空気流通路194を通って混合ドラム3内へと供給される。
【0069】
そして、風向設定部材176の風入口192から入ってきた冷却空気は風案内面183と二股壁191との間で左右方向外方に行くに従って部材本体179の径方向外方に移行する傾斜方向へと風向きが変更され、
図19に示すように、一方の風出口193からドラム本体46の周壁117の前部117a側へ向けて吹き出され、他方の風出口193からドラム本体46の周壁117の後部117d側へ向けて吹き出される。
【0070】
これによって、右側のドラム支軸25Rから混合ドラム3内へ供給される冷却空気が、左側のドラム支軸25Lから早期に排出されず、ご飯を効率よく冷やすことができる。また、ご飯を左側のドラム支軸25L側へと吹き飛ばすことも防止できる。
また、
図15に示す側面視において、矢印Yで示すように、風向設定部材176の一方の風出口193から吹き出した冷却空気が前斜め下方に向けて吹き出し、他方の風出口193から吹き出した冷却空気が後斜め上方に向けて吹き出すように、風向設定部材176の冷却空気吹き出し方向が設定されている(
図15に示す側面視において、一方の風出口192から吹き出される冷却空気は、他方の風出口192から吹き出される冷却空気と180°異なる方向に吹き出される)。
【0071】
図8に示すように、左側のドラム支軸25Lの左右方向内端側はドラム本体46の内部
空間に連通していると共に、該左側のドラム支軸25Lの左右方向外端側は左側のサイドフレーム5Lに設けられた排気穴29に近接配置されて対向している。したがって、混合ドラム3内部に供給された冷却空気は左側のドラム支軸25Lを通して混合ドラム3から排出される。
【0072】
冷却空気を一方のドラム支軸25Rに送り入れるための給気穴28と、他方のドラム支軸25Lから排出された混合ドラム3内の空気を排気させるための排気穴29とをドラム支軸25L,25Rに対して対向状に設けることにより、混合ドラム3を取り付けるだけで給気穴28及び排気穴29がドラム支軸25L,25Rに連通状とされる。これにより、混合ドラム3の取り付け及び取り外しを容易に行える。
【0073】
また、
図8、
図16に示すように、左側のドラム支軸25Lには、該ドラム支軸25L内へのご飯の侵入を防止するカバー部材196が設けられている。
このカバー部材196は、左側のドラム支軸25Lの左右方向内端側の開口を覆うカバー本体197と、左側のドラム支軸25L内に内嵌される嵌合部198とを有する。
カバー本体197は、ドーム状(半球状)に形成され、多数の小開口が形成されていて通気性を有する。
【0074】
このカバー部材196は左側のドラム支軸25Lに左右方向外方側から挿入され、嵌合部198が左側のドラム支軸25Lの左右方向内端側の段部199に接当することで、該カバー部材196の左右方向内方への移動が規制される。また、カバー部材196は左側のドラム支軸25Lと一体回転する。
このカバー部材196にあっては、カバー本体197がドーム状に形成されていることから、カバー本体197にご飯が付着し難く、また、カバー本体197上にご飯が載っても、混合ドラム3と共にカバー部材196が回転することで、該ご飯がカバー本体197から剥がれ落ちる。
【0075】
図15及び
図16に示すように、ドラム本体46の周壁117の底部117b側には、該底部117bから下方に突出していて酢が収容可能であり且つドラム本体46内のご飯に対して酢を供給可能な酢収容部136が設けられている。
この酢収容部136は、ドラム本体46の周壁117の底部117bから下方に向けて凹設形成された容器収納部137と、この容器収納部137内に収納される酢貯留容器138とから構成されている。
【0076】
酢貯留容器138は樹脂によって形成され、その上壁138aには、該上壁138aを貫通する多数の小孔によって形成された酢排出部が形成されている。この酢排出部は、混合ドラム3の後転方向Rの先行側に形成され、酢貯留容器138の上壁138aの後転方向Rの後行側は、酢貯留容器138内部の酢が漏れ出ないように、通水性のない閉塞壁状とされている。
【0077】
この酢貯留容器138内に酢を貯留するには、ドラム本体46の上部開口から酢貯留容器138の上壁138a上へと酢を投入する。投入された酢は、主として酢排出部から酢貯留容器138内に侵入し、該酢貯留容器138内に貯留される。
図20に示すように、ドラム本体46及びドラム蓋47には、それぞれ攪拌部材201,202が取り付けられている。
図15に示すように、これら攪拌部材201,202はそれぞれ前後一対設けられ、ドラム本体46及びドラム蓋47の前部側及び後部側に配置されている。
【0078】
ドラム本体46に取り付けられた本体側攪拌部材201は、
図20〜
図22に示すように、ドラム本体46の下部に配置されていて該ドラム本体46を左右に横断する左右方向の本体下側攪拌棒203と、この本体下側攪拌棒203の左右両側に配置されていて該攪拌棒203が固定される左右の棒支持部材204とからなる。これら攪拌棒203及び棒支持部材204は金属製である。
【0079】
本体下側攪拌棒203は、本実施形態では、上下方向に間隔をおいて2本設けられている(1本でもよいし、3本以上設けられていてもよい)。
棒支持部材204は上下方向に長い部材からなり、ドラム本体46の上端から底壁117bに至る長さに形成されている。この棒支持部材204は、ドラム本体46の側壁11
6に形成された装着溝205に装着されている。
【0080】
このドラム本体46の側壁116に形成された装着溝205は、ドラム本体46の上部開口面124から底部117bにかけて形成され、棒支持部材130はドラム本体46の上部開口面124側から装着溝205に挿入されている。
ドラム本体46の装着溝205には半球状の保持溝206が形成されている。このドラム本体46の保持溝206はドラム本体46の上部開口面124の近傍に形成され、本体側攪拌部材201の各棒支持部材204には、前記保持溝206に嵌合する半球状の嵌合突部207が形成されている。前記保持溝206に嵌合突部207が嵌合することにより、棒支持部材204が装着溝205に対して抜け止め保持されている。また、棒支持部材204を装着溝205から強制的に引き抜くことにより、嵌合突部207が保持溝206から離脱し、本体側攪拌部材201が取り外し可能とされている。
【0081】
また、本体側攪拌部材201の各棒支持部材204の下端には、酢貯留容器138を押さえる押さえ片208が左右方向内方側に突出状に設けられている。したがって、ドラム本体46の装着溝205に本体下側攪拌棒201の棒支持部材204を装着することにより、該棒支持部材204で酢貯留容器138が押さえられ、該酢貯留容器138が容器収納部137から離脱するのを規制している。
【0082】
このように、本体側攪拌部材201の各棒支持部材204を、酢貯留容器138の容器収容部137からの離脱を規制する規制部材とすることにより、部材の兼用化が図れ、コストダウンを図ることができる。
ドラム蓋47に取り付けられた蓋側攪拌部材202は、
図20、
図21及び
図23に示すように、ドラム蓋47を左右に横断する左右方向の蓋側攪拌棒211と、この蓋側攪拌棒211の左右両側に配置されていて該攪拌棒211が固定される左右の棒支持部材212と、左右各棒支持部材212から下方突出状に固定された支持杆213と、左右の支持杆213間に設けられた本体上側攪拌棒214とからなる。これら攪拌棒211、棒支持部材212、支持杆213及び本体上側攪拌棒214は金属製である。
【0083】
蓋側攪拌棒211は、本実施形態では、上下方向に間隔をおいて2本設けられている(1本でもよいし、3本以上設けられていてもよい)。また、蓋側攪拌棒211の一方はドラム蓋47の上部に配置され、他方はドラム蓋47の下部に配置されている。
左右の棒支持部材212は上下方向に長い部材からなり、ドラム蓋47の下端から周壁121の上部121a近傍に至る長さに形成されている。この棒支持部材212は、ドラム蓋47の側壁120に形成された装着溝215に装着されている。このドラム蓋47の側壁120に形成された装着溝215は、ドラム蓋47の下部開口面133から上部に向けて形成され、棒支持部材212はドラム蓋47の下部開口面133側から装着溝215に挿入されている。
【0084】
ドラム蓋47の装着溝215には半球状の保持溝216が形成されている。
このドラム蓋47の保持溝216はドラム蓋47の下部開口面133の近傍に形成され、蓋側攪拌棒211の各棒支持部材212には、前記保持溝216に嵌合する半球状の嵌合突部217が形成されている。
前記保持溝216に嵌合突部217が嵌合することにより、棒支持部材212が装着溝215に対して抜け止め保持されている。また、棒支持部材212を装着溝215から強制的に引き抜くことにより、嵌合突部217が保持溝216から離脱し、蓋側攪拌棒211が取り外し可能とされている。
【0085】
また、蓋側攪拌棒211の各棒支持部材212の下端には、ドラム蓋47の側壁120下端側に形成された係合溝218に係合することでドラム蓋47の左右方向の拡開を規制する規制片219が設けられている。
本体上側攪拌棒214は、上下方向に間隔をおいて2本設けられている(1本でもよいし、3本以上設けられていてもよい)。上側の本体上側攪拌棒214は左右支持杆213の上部を連結しており、下側の本体上側攪拌棒214は左右支持杆213の下部を連結している。なお、左右支持杆213と下側の本体上側攪拌棒214とは1本の棒材を折曲することにより形成されている。
【0086】
前記支持杆213は、ドラム蓋47を閉めた状態においてドラム本体46内に挿入状とされると共に、前後方向で同じ側にある本体側攪拌部材201の各棒支持部材204の左右方向内方側の近傍に位置する。したがって、ドラム蓋47を閉めた状態において本体上側攪拌棒214は本体側攪拌部材201の左右棒支持部材204間の上部に位置する。また、ドラム蓋47を閉めた状態で、本体上側攪拌棒214はドラム本体46内の上部の前後に位置する。
【0087】
また、ドラム蓋47を閉めた状態で前後方向で同じ側にある、本体側攪拌部材201の棒支持部材204と、蓋側攪拌部材202の棒支持部材212とは上下方向で突き合わせ状とされていて、前後方向で同じ側にある蓋側攪拌棒211と本体上側攪拌棒214と本体下側攪拌棒203とは上下方向(
図15に矢印Zで示す方向)に間隔をおいて配列されている。
【0088】
前記構成のものにあっては、ドラム蓋47を開けると、本体上側攪拌棒214がドラム本体46内の配置位置からドラム本体46の外に退避するので、ドラム本体46内の上部に邪魔物となるものがなくなり、ドラム本体46内にご飯を入れる作業が容易となる。特に、炊飯器からご飯をネット等で保持して運び、該ネットごとドラム本体46内にご飯を入れる場合に、ドラム本体46内にご飯を入れる作業が容易となる。
【0089】
また、ドラム蓋47を開けると、本体上側攪拌棒214がドラム本体46内の配置位置から退避するので、本体上側攪拌棒214をドラム本体46内の配置位置から退避させる操作が別途必要ではなく、至便である。
また、ドラム蓋47を開けた状態でドラム本体46を下向きにすることで、ドラム本体46内の酢飯を落下排出させる場合に、本体上側攪拌棒214がない分、酢飯が落ちやすくなる。
【0090】
前記構成において、本体側攪拌部材201の各棒支持部材204を上下に分割し、この分割された棒支持部材204の上部を構成する部材に本体上側攪拌棒214を固定し、分割された棒支持部材204の下部を構成する部材に本体下側攪拌棒203を固定し、棒支持部材204の上部を構成する部材をドラム本体46から取り外すことで、本体上側攪拌棒214をドラム本体46内の配置位置からドラム本体46の外に退避させるように構成してもよい。
【0091】
このようにすることにより、本体上側攪拌棒214をドラム本体46の上部開口124の周囲から退避させることができる。
各本体側攪拌部材201は、左右の棒支持部材204間に2本(複数本)の攪拌棒203を架設することで平面状に構成されているので、該攪拌部材201の構造が簡素化され、取り扱いが容易となると共に、清掃が容易となる。
【0092】
また、各蓋側攪拌部材202は、左右の棒支持部材212間に2本(複数本)の攪拌棒211を架設すると共に左右の支持杆213間に2本(複数本)の本体上側攪拌棒214を架設することで平面状に構成されているので、該攪拌部材202の構造が簡素化され、取り扱いが容易となると共に、清掃が容易となる。
前記構成の酢合わせ機1でご飯に酢を混ぜ合わせて酢飯を作るには、先ず、混合ドラム3が
図15に示すホーム位置にある状態で、ドラム蓋47を開いて該ドラム蓋47を蓋ホルダ72で保持し、この状態で、酢収容部136に酢を供給した後、ドラム本体46にご飯を投入する。
【0093】
このとき、ホーム位置にて混合ドラム3が前下がりに傾斜していて、ドラム本体46の上部開口面124が前方に向かうに従って下方に移行する傾斜状となっているので、ご飯が投入しやすい。また、本体上側攪拌棒214がドラム本体46内の配置位置から退避しているので、ご飯を入れる作業が容易となる。
酢とご飯をドラム本体46に供給した後、ドラム蓋47を閉め、ロック部材71をロック状態とし、操作パネル20に設けられたスタートスイッチ17を押すと、混合ドラム3が後転方向Rに回転する。混合ドラム3が後転方向Rに回転すると、該混合ドラム3の後転方向Rの回転に伴って、酢収容部136がドラム支軸25L,25Rの前側を通ってドラム支軸25L,25Rの上方へと移動すると共に、ドラム支軸25L,25Rの上方を
通り過ぎてドラム支軸25L,25Rの後方側へと移動する。
【0094】
このとき、酢収容部136がドラム支軸25L,25Rの真正面へと移動する間は、酢貯留容器138の酢排出部が後転方向Rの先行側に設けられていることから、酢貯留容器138からの酢の漏れはほとんどない。また、酢貯留容器138がドラム支軸25L,25Rの真正面へと移動しても、この状態では、ご飯がドラム本体46の周壁117の底部117b側に残っていて、酢排出部139がご飯によって塞がれているので、酢の排出は抑制されている。
【0095】
その後、酢収容部136がドラム支軸25L,25Rの真正面を通り過ぎて、ご飯がある程度持ち上げられると、ご飯は自重で落下する。ご飯が自重で落下すると、酢排出部139が開放され、酢排出部139から酢が排出され始める。そして、酢貯留容器138内部の酢は、酢貯留容器138がドラム支軸25L,25Rの真上位置の後転方向R後方位置からドラム支軸25L,25Rの真上位置の後転方向R前方位置に移動する間に、ご飯に対してシャワー状に落下供給され、酢がご飯に自動的に均一に撒かれる。
【0096】
また、混合ドラム3を最初に一回転させる際に、酢貯留容器138内に貯留した酢が全て落下排出されるように、混合ドラム3の回転速度が制御される。すなわち、この酢をご飯に対してシャワー状に落下供給する際には、ホーム位置から混合ドラム3が回転する際の始動時の回転速度よりも遅い速度(例えば始動時の回転速度の30%の速度)で混合ドラム3が回転するように制御される。
【0097】
酢収容部136がドラム支軸25L,25Rの真上位置を通り過ぎて所定量回転移動すると、混合ドラム3は酢供給時よりも速い回転速度で回転する。この酢供給後の混合ドラム3の回転速度は、始動時の回転速度よりもやや遅い速度(例えば、始動時の回転速度の90%)であってもよいし、始動時の回転速度と同じ速度であってもよい。
ご飯は、混合ドラム3が回転することにより、所定高さ持ち上げられて落下する動作が繰り返し行われ、ご飯は落下する際に攪拌棒203,211,214に当たってほぐされて(シャリ切りされて)攪拌され、これによって、ご飯に酢が混ぜ合わされる。
【0098】
ご飯が所定高さ持ち上げられる際、ご飯には粘りけがあり、また攪拌部材201,202が抵抗となるので、ご飯は攪拌棒203,211,214の配列方向Zが水平近くになる位置まで、塊となって持ち上げられ、攪拌棒203,211,214の配列方向Zが水平近くになる位置で落下する。このため、混合ドラム3の回転中、ご飯の塊は、概ね、ドラム本体46の前部内面123側か或いはドラム本体46の後部内面125側かに位置(滞留)する。
【0099】
そこで、この2箇所に冷却空気を供給するように、風向設定部材176から吹き出される冷却空気の風向きが設定(冷却空気をあてたい位置に冷却空気がふきだされるように風向きが設定)されている。これにより、ご飯を効率よく冷やすことができる。
また、攪拌棒203,211,214の配列方向Zが水平近くになる位置で、ご飯が、ドラム本体46の前部内面123側からドラム本体46の後部内面125側へと落下、又は、ドラム本体46の後部内面125側からドラム本体46の前部内面123側へと落下するので、攪拌棒203,211,214に対してご飯が効率よくあたり、ご飯が効率よくほぐされてばらけるが、このときにも風向設定部材176から吹き出される冷却空気が効率よくあたり、冷却効率がよい(ドラム本体46の前部内面123側からドラム本体46の後部内面125側へと落下しているご飯、又は、ドラム本体46の後部内面125側からドラム本体46の前部内面123側へと落下しているご飯にも冷却空気が効率よくあたることから、ご飯の冷却効率がよい)。
【0100】
また、ドラム本体46の前部内面123側からドラム本体46の後部内面125側へと、又は、ドラム本体46の後部内面125側からドラム本体46の前部内面123側へと、ご飯が落ちきるように、攪拌棒203,211,214の配列方向Zが水平又は水平近くになる位置で、混合ドラム3の回転を一時停止する(又は、超微速にする)という制御が行われている。この制御によってご飯の冷却効率を向上させることができる。
【0101】
また、時間経過とともにご飯(酢飯)の粘りが強くなってくるので、経過時間に応じて混合ドラム3の前記一時回転停止等の時間を長くするという制御も行われる。
一方、混合ドラム3が後転方向Rに回転している際において、
図24(a)に示すように、下側のドラム蓋規制部材105はドラム蓋47のフランジ部49の張出し係合部50とは干渉しないが、上側のドラム蓋規制部材105はドラム蓋47のフランジ部49の張出し係合部50と干渉する。混合ドラム3が後転方向Rに回転して張出し係合部50が上側のドラム蓋規制部材105に接当すると、ドラム蓋規制部材105が張出し係合部50に押圧され、揺動部材106の上部が揺動支軸108回りに前方側に揺動する。これによって、上側のドラム蓋規制部材105がドラム蓋47の張出し係合部50から自動的に逃げる(上側のドラム蓋規制部材105がドラム蓋47の張出し係合部50との干渉領域143から退避する)。
【0102】
また、混合ドラム3が後転方向Rに回転している際において、
図24(b)に示すように、ロック解除部材104がロック部材71の案内ガイド88と干渉する。混合ドラム3が後転方向Rに回転してロック部材71がロック解除部材104に接当すると、ロック解除部材104がロック部材71に押圧され、揺動部材106の上部が揺動支軸108回りに前方側に揺動する。これによって、ロック解除部材104がロック部材71から自動的に逃げる(ロック解除部材104がロック部材71との干渉領域144から退避する)。
【0103】
前記揺動部材106、ガイド溝111、規制ピン112等によって、ドラム蓋規制部材105をドラム蓋47から逃がし且つロック解除部材104をロック部材71か逃がす(ドラム蓋規制部材105をドラム蓋47との干渉領域143から退避させ且つロック解除部材104をロック部材71との干渉領域144から退避させる)逃がし手段が構成されている。
【0104】
なお、張出し係合部50が上側のドラム蓋規制部材105から外れ、ロック部材71がロック解除部材104から外れると、揺動部材106(ドラム蓋規制部材105及びロック解除部材104)が元の位置に復帰する。
混合ドラム3が所定回数回転すると、該混合ドラム3はホーム位置に戻って停止し、ご飯に対する酢の混ぜ合わせ動作が終了する。混合ドラム3がホーム位置に戻った後は、自動的に、或いは、操作パネル20に設けられた排出スイッチ19を押すことにより、出来上がった酢飯を自動で排出する酢飯(食材)の自動排出動作が行われる。
【0105】
この排出動作は、ホーム位置から混合ドラム3が前転方向Fに回転することにより行われる。
先ず、
図25(a)に示すホーム位置から混合ドラム3が前転方向Fに回転すると、ロック部材71がロック解除部材104に係合して、
図25(b)に示すように、ロック部材71のロックが解除される。
【0106】
ロック部材71のロックが解除された後、混合ドラム3がさらに前転方向Fに回転すると、
図26に示すように、ドラム蓋47のフランジ部49の張出し係合部50の下面前端側が上側のドラム蓋規制部材105に上方から接当し、ドラム蓋47のドラム本体46側への揺動動作が規制される。
この状態からドラム本体46がさらに前転方向Fに回転すると、
図27に示すように、張出し係合部50が下側のドラム蓋規制部材105に接当してドラム蓋47のドラム本体46側への揺動が規制されると共に、ドラム本体46は、その上部開口面124が下側を向き且つ該上部開口面124が下方に向かうに従って後方に移行する傾斜状とされた酢飯排出姿勢(食材排出姿勢)となり、この酢飯排出姿勢でドラム本体46が一旦停止する。
【0107】
一方、ドラム本体46内の酢飯は、ドラム本体46の上部開口面124が下側を向き始めてからドラム本体46が酢飯排出姿勢となるまでに、徐々に酢飯収容箱39へと自然落下により落下排出し、ドラム本体46が酢飯排出姿勢となると、略全部酢飯収容箱39へと落下排出する。
ドラム本体46は、酢飯排出姿勢で所定時間停止した後(酢飯が排出されると)、後転方向Rに回転してホーム位置に復帰する。
【0108】
また、酢飯の排出後、混合ドラム3がホーム位置に戻る際に、ロック部材71の案内ガイド88がロック解除部材104に接当するが、このときは、案内ガイド88の円弧状のコーナー部88dが接当し、このコーナー部88dによってロック解除部材104は、案
内ガイドの前面88b又は上面88cからロック解除ガイド面88aを通るように案内され、ロック部材71の案内ガイド88がロック解除部材104に引っかかることはない。