特許第6267593号(P6267593)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267593
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】携帯物品保持ケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20180115BHJP
   A45C 11/04 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   A45C11/00 E
   A45C11/04
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-128885(P2014-128885)
(22)【出願日】2014年6月24日
(65)【公開番号】特開2016-7297(P2016-7297A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年3月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300035294
【氏名又は名称】株式会社栄商会
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 隆
【審査官】 大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3164314(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3178708(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3132203(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3181006(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00
A45C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が携帯することが可能な大きさに形成されたスマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯電話またはメガネからなる携帯物品を出し入れ自在に保持する携帯物品保持ケースであって、
弾力性のあるクッション材をシート状の外皮材で包んで構成したケース本体と、
前記ケース本体の外表面に開口した状態で同ケース本体の内部に形成されて前記携帯物品の収容方向の長さの半分の深さの袋状に形成されて同携帯物品の半分を前記ケース本体の外側に露出させた状態で同携帯物品の他の半分を収容する物品収容部と、
前記物品収容部から前記携帯物品における前記半分の部分とともに露出した状態で設けられて同半分の部分を拭くことができる大きさに形成された物品クリーナーとを備えることを特徴とする携帯物品保持ケース。
【請求項2】
請求項1に記載した携帯物品保持ケースにおいて、
前記物品クリーナーは、
前記ケース本体に対して別体で設けられていることを特徴とする携帯物品保持ケース。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載した携帯物品保持ケースにおいて、
前記物品収容部は、
前記ケース本体の上面部に上方に開口して形成されており、
前記物品クリーナーは、
前記物品収容部から露出する前記携帯物品における前記半分の部分に沿って自立して延びて形成されていることを特徴とする携帯物品保持ケース。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した携帯物品保持ケースにおいて、
前記物品クリーナーは、
前記物品収容部が前記ケース本体の外表面に開口した部分の開口幅よりも幅広な部分と同開口幅より狭い部分とを有したV字状に形成されているとともに同開口幅より狭い部分が前記物品収容部内に設けられて前記V字状に広がった先端部側が前記物品収容部から露出して設けられていることを特徴とする携帯物品保持ケース。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した携帯物品保持ケースにおいて、
前記ケース本体は、
前記クッション体が綿で構成されており、さらに、
前記ケース本体内における前記物品収容部の底部の直下に同ケース本体の底部に面した状態で多数の粒体からなる物品受け体を備え
前記物品受け体は、
前記物品収容部内に収容された前記携帯物品の底部を同底部形状に沿って変形しながら支持するとともに、前記携帯物品の重量を受けつつ前記携帯物品保持ケースが置かれる載置面の形状に沿って変形して重石として機能することを特徴とする携帯物品保持ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、スマートフォン、携帯電話、メガネまたはデジタルカメラなどの人が携帯することが可能な大きさに形成された携帯物品を出し入れ自在に保持する携帯物品保持ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スマートフォン、携帯電話、メガネまたはデジタルカメラなどの人が携帯することが可能な大きさに形成された携帯物品を出し入れ自在に保持する携帯物品保持ケースがある。例えば、下記特許文献1には、ワニの外観を模したぬいぐるみ本体部の内部にメガネの一部を露出させた状態で収容することができるメガネケースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3132203号公報
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたメガネケースにおいては、使用したメガネを保管するためのものであるため、使用によってメガネに付着した汚れやゴミなどを除去することはできない。したがって、使用者は、メガネに付着した汚れやゴミを別途ハンカチやティッシュを用意して拭き取らなければならないが、ハンカチやティッシュなどを持参していない場合には行うことができないとともに、持参している場合であってもこれらをバッグなどの中から取り出す手間が煩雑であるという問題がある。また、身体に直接使用するハンカチをこれらの物品の汚れの除去に使用することに少なからず抵抗感を感じるという問題もある。
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、スマートフォン、携帯電話、メガネまたはデジタルカメラなどの人が携帯することが可能な大きさに形成された携帯物品に付着した汚れやゴミを拭き取ることができる携帯物品保持ケースを提供することにある。
【発明の概要】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、人が携帯することが可能な大きさに形成されたスマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯電話またはメガネからなる携帯物品を出し入れ自在に保持する携帯物品保持ケースであって、弾力性のあるクッション材をシート状の外皮材で包んで構成したケース本体と、ケース本体の外表面に開口した状態で同ケース本体の内部に形成されて携帯物品の収容方向の長さの半分の深さの袋状に形成されて同携帯物品の半分をケース本体の外側に露出させた状態で同携帯物品の他の半分を収容する物品収容部と、物品収容部から携帯物品における前記半分の部分とともに露出した状態で設けられて同半分の部分を拭くことができる大きさに形成された物品クリーナーとを備えることにある。
【0007】
このように構成した本発明の特徴によれば、携帯物品保持ケースは、携帯物品の一部を露出させた状態で他の一部を収容する物品収容部と、この物品収容部から露出した状態で設けられた物品クリーナーとを備えて構成されているため、物品収容部によって携帯物品の一部を収容する際に汚れやゴミを拭き取ることができるとともに、物品収容部から露出した携帯物品の他の一部を物品クリーナーによって拭き取ることができる。
【0008】
また、本発明の他の特徴は、前記携帯物品保持ケースにおいて、物品クリーナーは、ケース本体に対して別体で設けられていることにある。
【0009】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、携帯物品保持ケースにおいては、物品クリーナーがケース本体に対して別体で設けられているため、物品クリーナーをケース本体から分離することによって携帯物品をケース本体から離した状態で広範囲または細部まで拭くことができる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、前記携帯物品保持ケースにおいて、物品収容部は、ケース本体の上面部に上方に開口して形成されており、物品クリーナーは、物品収容部から露出する携帯物品における前記半分の部分に沿って自立して延びて形成されていることにある。
【0011】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、携帯物品保持ケースは、物品クリーナーが物品収容部から露出する携帯物品における一部に沿って延びて形成されているため、携帯物品における物品収容部から露出した部分を即座に拭くことができるとともに、この携帯物品における露出した部分を覆って保護することもできる。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、前記携帯物品保持ケースにおいて、物品クリーナーは、物品収容部がケース本体の外表面に開口した部分の開口幅よりも幅広な部分と同開口幅より狭い部分とを有したV字状に形成されているとともに同開口幅より狭い部分が物品収容部内に設けられてV字状に広がった先端部側が物品収容部から露出して設けられていることにある。
【0013】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、携帯物品保持ケースは、物品クリーナーが物品収容部がケース本体の外表面に開口した部分の開口幅よりも幅広な部分と同開口幅より狭い部分とを有して形成されているため、物品クリーナー挿し込み過ぎを抑制しつつ物品収容部に対する出し入れを容易にすることができる。
【0014】
また、本発明の他の特徴は、携帯物品保持ケースにおいて、ケース本体は、クッション体が綿で構成されており、さらに、ケース本体内における物品収容部の底部の直下に同ケース本体の底部に面した状態で多数の粒体からなる物品受け体を備え、物品受け体は、物品収容部内に収容された携帯物品の底部を同底部形状に沿って変形しながら支持するとともに、携帯物品の重量を受けつつ携帯物品保持ケースが置かれる載置面の形状に沿って変形して重石として機能することにある。
【0015】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、携帯物品保持ケースは、ケース本体内における物品収容部の底部の直下に同ケース本体の底部に面した状態で多数の粒体からなる物品受け体を備えているため、この物品受け体が物品収容部内に収容された携帯物品の底部を同底部形状に沿って変形しながら支持するとともに、携帯物品の重量を受けつつ携帯物品保持ケースが置かれる載置面の形状に沿って変形する。すなわち、携帯物品保持ケースは、携帯物品および載置面の形状に沿って変形することで携帯物品を安定的に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るメガネケースの外観構成の概略を斜め前方から示した斜視図である。
図2図1に示した携帯物品保持ケースの外観構成の概略を斜め後方から示した斜視図である。
図3図1に示した携帯物品保持ケースの物品収容部に携帯物品を収容した状態を示した斜視図である。
図4図3に示した4−4線から見た携帯物品保持ケースの内部構成の概略を示す断面図である。
図5図1に示す携帯物品保持ケースのケース本体から物品クリーナーを分離した状態の概略を斜め前方から示した斜視図である。
図6図3に示した携帯物品保持ケースにおいて物品クリーナーで携帯物品を拭いている状態を斜め前方から示した斜視図である。
図7】携帯物品保持ケースのケース本体から分離した物品クリーナーで携帯物品を拭いている状態を斜め前方から示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る携帯物品保持ケースの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る携帯物品保持ケース100の外観構成の概略を斜め前方から示した斜視図である。また、図2は、図1に示した携帯物品保持ケース100の外観構成の概略を斜め後方から示した斜視図である。図3は、図1に示した携帯物品保持ケース100の物品収容部に携帯物品を収容した状態を示した斜視図である。また、図4は、図3に示した4−4線から見た携帯物品保持ケース100の内部構成の概略を示す断面図である。この携帯物品保持ケース100は、主としてスマートフォンや携帯電話機などの人が携帯することが可能な大きさに形成された携帯物品を一時的に保管するための入れ物である。
【0018】
(携帯物品保持ケース100の構成)
携帯物品保持ケース100は、主として、ケース本体110と、物品クリーナー120とで構成されている。ケース本体110は、外皮材111の中に後述するクッション材114および物品受け体115をそれぞれ包み込んで縫合することにより動物の外観を模した立体形状に形成されている。本実施形態においては、ケース本体110は、ネコの外観を模した略楕円球状の立体形状で構成されている。換言すれば、ケース本体110は、所謂ネコのぬいぐるみである。外皮材111は、ケース本体110の外側表面を構成するシート状の部材である。本実施形態においては、外皮材111は、毛皮状素材、例えば、ファー、ボア、パイル、モヘアまたはシールなどで構成されている。
【0019】
このケース本体110の内部には、ケース本体110の上面部(ネコの頭頂部)に開口した状態で物品収容部112が形成されている。物品収容部112は、図3および図4にそれぞれ示すように、携帯物品保持ケース100が保持する携帯物品WKを収容する部分であり、ネコ型に成形されたケース本体110におけるネコの頭頂部からケース本体110の内部に掛けて携帯物品WKの一部を収容可能な形状および大きさの袋状に形成されている。具体的には、物品収容部112は、スマートフォンからなる携帯物品WKにおける長手方向の半分を収容可能な幅および深さの袋状に形成されている。すなわち、物品収容部112は、携帯物品WKの一部をケース本体110の外側に露出させた状態で他の一部を収容する袋状に形成されている。
【0020】
この物品収容部112は、携帯物品WKの表面にキズなどの損傷を与えない柔軟で柔らかい布材や皮材などの素材で構成されている。本実施形態においては、物品収容部112は、ポリエステル製の超極細繊維で形成された布素材で構成されている。また、物品収容部112の底部の外側には、物品収容部112と同じ素材で覆われた状態で底板113が設けられている。底板113は、物品収容部112内に収容された携帯物品WKを後述する物品受け板上で安定的に支持するための部品であり、携帯物品WKの重さで容易に変形しない剛性のある紙製や樹脂製の板状体で構成されている。この場合、底板113は携帯物品WKの底面形状と同じまたはそれ以上の大きさに形成されている。
【0021】
ケース本体110内における物品収容部112の外側には、クッション材114および物品受け体115がそれぞれ設けられている。これらのうち、クッション材114は、ケース本体110を弾性的に形成するとともに物品収容部112内に収容される携帯物品WKを圧迫して物品収容部112から抜け難くするためものであり、弾力性のあるポリエステル製の綿(わた)素材で構成されている。このクッション材114は、ケース本体110内における物品収容部112および物品受け体115の各周囲に充填されている。なお、クッション材114は、弾力性のある素材で構成されていればよく、ポリエステル製の綿素材以外の素材、例えば、スポンジ、ウレタン、低反発素材、樹脂製ビーズなどで構成することもできる。
【0022】
物品受け体115は、携帯物品保持ケース100を机上などの載置面上に安定的に載置させるとともに物品収容部112内に収容された携帯物品WKの底部を底板113を介して安定的に支持するためのものであり、袋体115aの中に物品受け体115全体として弾性変形可能な変形体115bが設けられて構成されている。本実施形態においては、物品受け体115は、布製の袋体115aの中に多数の樹脂製のビーズからなる変形体115bが充填されて構成されている。この場合、物品受け体115は、物品収容部112内に収容される携帯物品WKの底面における少なくとも半分以上の面を受け止めることができる大きさで形成されている。本実施形態においては、物品受け体115は、物品収容部112内に収容される携帯物品WKの底面の全面を受け止めることができるように同底面よりも大きな面積で形成されている。
【0023】
そして、この物品受け体115は、ケース本体110内における物品収容部112の底部の底板113を介した直下であってケース本体110の底部に面する位置に配置されている。本実施形態においては、物品受け体115は、物品受け体115の重心位置(または中心位置)が物品収容部112の真下よりも携帯物品保持ケース100の前方側にずれて配置されている。なお、物品受け体115は、物品受け体115全体として弾性変形可能に形成されていればよく、樹脂製ビーズの以外の材料、例えば、スポンジ、ウレタン、低反発素材などで構成することもできる。
【0024】
また、ケース本体110における背面下部には、突起116が設けられている。突起116は、ケース本体110が後方に傾くことを防止するための部分であり、ケース本体110における背面の下部から後方に向かって棒状に延びて形成されている。この突起116は、ケース本体110と同じ布材を筒状に形成するとともに、筒体の内部に綿(わた)を詰めて構成されている。本実施形態においては、突起116は、ネコの尻尾を模して構成されている。なお、この突起116は、ケース本体110の傾斜しない場合や傾斜が許容される場合には、紐状に形成して装飾とすることができるとともに省略することもできる。
【0025】
物品クリーナー120は、図5および図6にそれぞれ示すように、主として、携帯物品WKの全体または物品収容部112内に収容した携帯物品WKにおける物品収容部112からはみ出した部分を拭くためのものであり、物品収容部112から露出した状態で設けられている。この物品クリーナー120は、携帯物品保持ケース100の使用者が手に持って携帯物品WKを拭くことができる大きさに形成されている。
【0026】
より具体的には、物品クリーナー120は、ケース本体110とは別体の布材を正面視でV字状に形成して構成されている。この場合、物品クリーナー120は、2面のうちの一方の面が携帯物品WKの表面にキズなどの損傷を与えない柔軟で柔らかい布材や皮材などの素材で構成されている。また、物品クリーナー120は、V字に広がった部分が物品収容部112の開口幅(横幅)よりも幅広に形成されており、先端部側が物品収容部112の外側に露出するように形成されている。
【0027】
本実施形態においては、物品クリーナー120は、一方の表面(ひょうめん)である表面(おもてめん)121aがケース本体110の外皮材111と同じ毛皮状素材で構成されるとともに、他方の表面である裏面121bが物品収容部112と同じ超極細繊維で構成されている。また、物品クリーナー120は、表面121aと裏面121bとの間の内部に綿(わた)が詰められており、使用者が物品クリーナー120の中央部を指で把持した際に両端部側が自立する程度の剛性を有するように構成されている。そして、この物品クリーナー120の表面121aの両端部には、使用者の指を挿入することができる挿指部122が形成されている。
【0028】
(携帯物品保持ケース100の作動)
次に、このように構成された携帯物品保持ケース100の作動について説明する。まず、携帯物品保持ケース100の使用者は、携帯物品WKの保管に際して携帯物品保持ケース100を用意して机などの載置面上に配置する。この場合、携帯物品保持ケース100は、物品受け体115が載置面に沿って変形して密着するとともに重石として機能するため安定的に載置される。
【0029】
次に、使用者は、携帯物品WKを携帯物品保持ケース100の物品収容部112内に収納する。具体的には、使用者は、ケース本体110における物品収容部112の開口部分(ネコ型の携帯物品保持ケース100における頭頂部)から携帯物品WKを挿し入れた後、同携帯物品WKが物品収容部112内の底部に突き当たるまで挿し込む。この場合、使用者は、物品収容部112内に物品クリーナー120を挿し込んだ状態で携帯物品WKを挿し込んでもよいし、物品収容部112内から物品クリーナー120を抜き出した状態で携帯物品WKを挿し込んでもよい。
【0030】
携帯物品WKを物品収容部112内に挿入する過程において、携帯物品保持ケース100は、物品収容部112が携帯物品WKに損傷を与えない柔軟で柔らかい素材で構成されているため、携帯物品WKに損傷を与えないとともに携帯物品WKの表面に付着している汚れやごみを取り除くことができる。また、この場合、携帯物品保持ケース100は、物品クリーナー120の裏面121bも帯物品WKに損傷を与えない柔軟で柔らかい素材で構成されている。したがって、携帯物品保持ケース100は、物品収容部112内に物品クリーナー120が挿し込まれている場合においても物品クリーナー120によって携帯物品WKに損傷を与えないとともに携帯物品WKの表面に付着している汚れやごみを取り除くことができる。
【0031】
物品収容部112内に収容された携帯物品WKは、図示下側半分が物品収容部112内に収容された状態で図示上側半分が物品収容部112から露出した状態で保持される。この場合、携帯物品保持ケース100は、携帯物品WKの底面を底板113を介して物品受け体115で支持する。これにより、携帯物品保持ケース100は、底板113によって物品受け体115上において携帯物品WKの過度な傾きを防止できるとともに、物品受け体115が載置面の形状および底板113の姿勢に応じて変形して安定的に携帯物品WKを保持することができる。
【0032】
また、携帯物品保持ケース100は、ケース本体110の背面下部に突起116が設けられているため、携帯物品WKを収容した状態においても後方への過度な傾斜および転倒を防止することができる。さらに、携帯物品保持ケース100は、仮に、ケース本体110が前方に向かって転倒した場合であっても、物品収容部112内には携帯物品WKの前方に物品クリーナー120が挿入されているため、携帯物品WKへの損傷を防止することがきる。
【0033】
また、使用者は、物品収容部112内に携帯物品WKを収容した状態で携帯物品WKの汚れやごみを取り除くことができる。具体的には、使用者は、図6に示すように、物品収容部112内に携帯物品WKを収容した状態でケース本体110と携帯物品WKとを同時に両手で把持しつつ親指を物品クリーナー120の表面121aに押し付けて動かすことによって携帯物品WKの表面を拭くことができる。
【0034】
そして、使用者は、携帯物品保持ケース100による保持を中断する場合には、携帯物品WKを物品収容部112内から抜き取る。この場合、携帯物品保持ケース100は、物品収容部112が携帯物品WKに損傷を与えない柔軟で柔らかい素材で構成されているため、携帯物品WKに損傷を与えないとともに携帯物品WKの表面に付着している汚れやごみを取り除くことができる。また、携帯物品保持ケース100は、物品クリーナー120の裏面121bも帯物品WKに損傷を与えない柔軟で柔らかい素材で構成されているため、物品収容部112内に物品クリーナー120が挿し込まれている場合においては物品クリーナー120によって携帯物品WKに損傷を与えないとともに携帯物品WKの表面に付着している汚れやごみを取り除くことができる。
【0035】
一方、使用者は、携帯物品WKを携帯物品保持ケース100に保持させない状態においても携帯物品WKに付着した汚れやゴミを拭き取ることができる。具体的には、使用者は、図7に示すように、携帯物品保持ケース100の物品収容部112内から物品クリーナー120を抜き取った後、抜き取った物品クリーナー120における挿指部122内に手指(例えば、親指と人差し指)を挿入する。次いで、使用者は、把持した携帯物品WKを物品クリーナー120で挟んだ状態で相対変位させることにより拭くことができる。そして、使用者は、携帯物品WKを拭き終えた後には物品クリーナー120を携帯物品保持ケース100の物品収容部112内に挿しこむ。この場合、物品クリーナー120は、中央部が両端部の幅より狭く形成されて、換言すれば物品収容部112の開口幅よりも狭小に形成されているため、物品収容部に対して容易に挿し込むことができる。
【0036】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、携帯物品保持ケース100は、携帯物品WKの一部を露出させた状態で他の一部を収容する物品収容部112と、この物品収容部112から露出した状態で設けられた物品クリーナー120とを備えて構成されているため、物品収容部112によって携帯物品WKの一部を収容する際に汚れやゴミを拭き取ることができるとともに、物品収容部WKから露出した携帯物品WKの他の一部を物品クリーナー120によって拭き取ることができる。
【0037】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記各変形例において、上記実施形態と同様の構成部分については同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0038】
例えば、上記実施形態においては、携帯物品保持ケース100は、物品クリーナー120は、ケース本体110に対して別体で構成した。しかし、携帯物品保持ケース100は、物品収容部112から露出した携帯物品WKを拭くことができるように物品収容部112から露出した状態で携帯物品WKを拭くことができる大きさに形成されていればよい。したがって、物品クリーナー120は、例えば、布片や上記実施形態のように弾力性を有する弾性体をケース本体110の開口部に繋がった状態、またはケース本体110に対して紐体などを介して繋がった状態で構成することができる。すなわち、物品クリーナー120は、ケース本体110と一体的に構成することもできる。
【0039】
また、上記実施形態においては、物品クリーナー120は、物品収容部112内に挿入した際に垂れることなく自立するように構成されている。換言すれば、物品クリーナー120は、物品収容部112内に収容された携帯物品WKの露出部に沿って延びるように構成されている。しかし、物品クリーナー120は、必ずしも自立する必要はなく、物品収容部112内に挿入した際に下方に垂れるように構成することもできる。この場合、物品クリーナー120は、物品収容部112内に収容された携帯物品WKの露出部を覆う大きさの布片で構成することにより、携帯物品WKへの汚れやゴミの付着を防止することができる。
【0040】
また、上記実施形態においては、物品クリーナー120は、使用者の指を挿入することができる挿指部122を備えている。しかし、物品クリーナー120は、必ずしも挿指部122を備えている必要はなく、挿指部122を省略して構成することもできる。
【0041】
また、上記実施形態においては、物品クリーナー120は、中央部から両端部に向かって幅が広がるV字形状に形成した。この場合、物品クリーナー120は、両端部の挿指部122の幅がケース本体110の外表面に開口する物品収容部112の開口幅(横幅)よりも幅広に形成されるとともに、挿指部122より中央部側が同開口幅より狭く形成されている。すなわち、物品クリーナー120は、物品収容部112がケース本体110の外表面に開口した部分の開口幅(横幅)よりも幅広な部分と同開口幅より狭い部分とを有して構成されている。これにより、携帯物品保持ケース100は、物品収容部112に対して物品クリーナー120の挿し込み過ぎを防止しながら抜き挿しを用意することができる。しかし、物品クリーナー120は、必ずしもV字状に形成する必要はなく、例えば、棒状、扇状、三角形状、四角形状、楕円形状、円形状または星形形状などの種々の形状に形成することができる。
【0042】
また、上記実施形態においては、携帯物品保持ケース100は、ケース本体110内に物品受け体115を設けて構成した。この場合、物品受け体115は、物品収容部112の真下よりも携帯物品保持ケース100の前方側にずれて配置されている。これにより、携帯物品保持ケース100は、携帯物品WKを保持した場合における携帯物品WKの前方への傾倒やケース本体110の前方への転倒を抑制することができる。しかし、物品受け体115は、ケース本体110内における物品収容部112の底部の底板113を介した直下であってケース本体110の底部に面する位置に配置されていればよい。一方で、携帯物品保持ケース100は、物品受け体115および底板113をそれぞれ省略して構成することもできる。
【0043】
また、上記実施携帯においては、携帯物品保持ケース100は、全体としてネコの外観も模した立体楕円形状に形成した。しかし、携帯物品保持ケース100は、物品収容部112に携帯物品WKを物品クリーナー112とともに保持可能に形成されていれば必ずしも上記実施形態の形状に限定されるものではない。すなわち、携帯物品保持ケース100は、例えば、動物、植物、キャラクタ、建造物、構造物、美術品または食品の外形を模した形状に成形することができる。
【0044】
この場合、動物としては、例えば、愛玩動物(イヌ、ネコ、小鳥、ねずみなど)、干支、各種野生動物(ライオン、カバ、キリン、コアラ、ラッコ、イルカ、クジラ、カメ、ヘビ、ワニ、カメレオンなど)、魚類(サメ、クマノミ、イカ、タコなど)、貝類(帆立貝、サザエなど)、昆虫(カブトムシ、クワガタムシ、カマキリ、セミなど)および龍や鳳凰などの架空の動物などが考えられる。また、キャラクタとしては、アニメ、映画、TVドラマ、童話、昔話などの主人公や登場物、および擬人化した動植物(例えば、擬人化したネズミなど)などが考えられる。また、植物としては、花(ヒマワリ、チューリップなど)や木(ヤシ、竹、スギなど)などが考えられる。また、建造物としては、橋、鉄塔、ビルおよび寺社仏閣などが考えられる。また、構造物としては、車両(二輪車、四輪乗用車、消防車などの各種作業車など)、列車、船舶および飛行機などが考えられる。また、美術品としては、仏像およびモニュメントなどが考えられる。また、食品としては、ハンバーガー、フランクフルトソーセージおよびサンドイッチなどが考えられる。そして、これらの場合、物品クリーナー120は、これらの動物、植物、キャラクタ、建造物、構造物または美術品の一部の構成を模して構成することができる。また、これらの場合、物品収容部112は、携帯物品WKを垂直方向に出し入れ可能に形成するほか、水平方向や斜め方向に出し入れ可能に形成することができる。これらより、携帯物品保持ケース100の使用者は、携帯物品保持ケース100のデザイン性に対して高い満足感を得ることができる。
【0045】
また、上記実施形態においては、携帯物品WKをスマートフォンとした。しかし、携帯物品WKは、人が携帯可能な大きさに形成されたものであれば、必ずしも上記実施携帯に限定されるものではない。したがって、携帯物品WKは、例えば、メガネ、時計、携帯電話機やタブレット型コンピュータなどの携帯端末装置、パソコン、デジタルカメラ、宝石などのジュエリー、または鍵や化粧品などの小物物品を広く採用することができる。
【符号の説明】
【0046】
100…携帯物品保持ケース、
110…ケース本体、111…外皮材、112…物品収容部、113…底板、114…クッション材、115…物品受け体、115a…袋体、115b…変形体、116…突起、
120…物品クリーナー、121a…表面面、121b…裏面、122…挿指部。
図1
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図7