特許第6267612号(P6267612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267612
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】医療用ロボットカバー
(51)【国際特許分類】
   A61B 46/10 20160101AFI20180115BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20180115BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   A61B46/10
   A61B34/30
   B25J19/00 H
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-192992(P2014-192992)
(22)【出願日】2014年9月22日
(65)【公開番号】特開2016-64449(P2016-64449A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137052
【氏名又は名称】株式会社ホギメディカル
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】中津 亜矢子
(72)【発明者】
【氏名】北條 裕之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】奥田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 悟
(72)【発明者】
【氏名】高橋 稔
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0292707(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0144565(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0167847(US,A1)
【文献】 特開2000−312685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/00 ― 34/37
A61B 46/00 ― 46/17
B25J 1/00 ― 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台から立設する本体と、
前記本体の一端に揺動又は伸縮自在に取り付けられたアーム部材とを備える医療用ロボットの外表面を覆う医療用ロボットカバーであって、
前記本体を覆う胴部を備え、
前記医療用ロボットの外表面と対向するカバー内周面に、前記本体又は前記アーム部の少なくとも何れか一方に巻回される取付手段を備え
前記取付手段は、前記胴部の前記本体と対向する内周面に取り付けられた帯状の第1の取付手段を有し、
前記第1の取付手段は、両端部に止め合わせ手段が形成され、前記胴部に巻回す際に前記胴部との間に所定の隙間を有するように前記止め合わせ手段によって取り付けられることを特徴とする医療用ロボットカバー。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用ロボットカバーにおいて、
記アーム部材を覆う腕部を備えることを特徴とする医療用ロボットカバー。
【請求項3】
請求項2に記載の医療用ロボットカバーにおいて、
前記取付手段は、前記腕部の外表面に前記アーム部材と共に前記腕部に巻回される第2の取付手段とを含むことを特徴とする医療用ロボットカバー。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の医療用ロボットカバーにおいて、
前記胴部には、前記アーム部材の伸縮又は揺動を許容する可動領域を備えることを特徴とする医療用ロボットカバー。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の医療用ロボットカバーにおいて、
前記腕部には、前記腕部を前記アーム部材に接着せしめる接着手段を備えることを特徴とする医療用ロボットカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科手術用のロボットに用いられる医療用ロボットカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に外科手術を行う際には、外科手術に用いる医療器具は患者の切開創等からの菌の侵入などを防止するために、不潔とされる医療器具を滅菌された滅菌済みカバーなどを用いて覆い、清潔野としている。即ち、滅菌済みカバーなどで医療器具を覆うことで、無菌状態としている。
【0003】
さらに、近年は、ロボット支援外科手術またはテレロボット外科手術のように、外科医がロボットなどを操作して手術を行う施術方法が行われており、このロボット支援外科手術やテレロボット外科手術などに用いられる医療用ロボットも上述した理由と同様に清潔にする必要がある。
【0004】
このような滅菌の方法は種々の形態が知られており、例えば、特許文献1に記載された滅菌済みカバーは、外科手術用ロボットシステムの非滅菌部分を覆う滅菌済みカバーであって、外科手術を行うための滅菌野に隣接する外面と、該外科手術用ロボットシステムの該非滅菌部分を受容するキャビティを形成する内面と、該キャビティの開口端における該外面及び該内面の永久的に折り返された折り目と、該ドレープの滅菌側と非滅菌側とを指定する該永久的に折り返された折り目上のマーカーとを含む一体型カフスと、該外面に結合されたファスナーであって、該滅菌済みカバーの容積を減らしつつ該外科手術用ロボットシステムの該非滅菌部分に該滅菌済みカバーを固定するためのファスナーとを備える。
【0005】
このような滅菌済みカバーは、システムおよび手術患者を保護するとともに、外科手術時における最大限の動作の自由度および視認性を確保しつつ、簡単に設置され、設置時間を最小限に短縮するように設計されることにより、ロボット外科手術の改善された効率性および有効性を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−238773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の滅菌済みカバーは、ロボットが本体と該本体に対して大きく伸縮又は揺動するアーム部材を備えた医療用ロボットに用いると、アーム部材の伸縮や揺動に伴って、滅菌済みカバーがアーム部材や本体の駆動箇所に挟まることで破損したり、ロボットの動きを制限したり、手技を邪魔することがあった。また、アーム部材の伸縮や揺動動作の際に、自由度が十分にあるとは言えず、これらの動作を阻害するという問題があった。
【0008】
また、近年の外科手術では、患者への低侵襲な手術を可能とする内視鏡下手術ロボットを用いた手術が行われている。このような内視鏡下手術ロボットは、傷口が小さいことや術後の疼痛が少ないことなどから、早期の社会復帰が可能となる手術方法であるため、広く普及する手術方法として期待されている。
【0009】
このような内視鏡下手術ロボットを用いる場合であっても、上述したロボット支援外科手術やテレロボット外科手術などに用いられる医療用ロボットと同様に滅菌済みカバーを用いて内視鏡下手術ロボットを清潔野とする必要があり、また、微小な動作を確実にアーム部材に伝えるために、アーム部材の動作を阻害することのない滅菌済みカバーが求められている。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、本体と該本体に対して伸縮または揺動可能に取り付けられたアーム部材を備える医療用ロボットに用いられる医療用ロボットカバーにおいて、容易に設置することができるとともに、アーム部材の伸縮や揺動によって医療用ロボットカバーが破損することなく、アーム部材の動作を阻害せず、手技を邪魔しない医療用ロボットカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明に係る医療用ロボットカバーは、基台から立設する本体と、前記本体の一端に揺動又は伸縮自在に取り付けられたアーム部材とを備える医療用ロボットの外表面を覆う医療用ロボットカバーであって、前記本体を覆う胴部を備え、前記医療用ロボットの外表面と対向するカバー内周面に、前記本体又は前記アーム部の少なくとも何れか一方に巻回される取付手段を備え、前記取付手段は、前記胴部の前記本体と対向する内周面に取り付けられた帯状の第1の取付手段を有し、前記第1の取付手段は、両端部に止め合わせ手段が形成され、前記胴部に巻回す際に前記胴部との間に所定の隙間を有するように前記止め合わせ手段によって取り付けられることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る医療用ロボットカバーにおいて、記アーム部材を覆う腕部を備えると好適である。
【0013】
また、本発明に係る医療用ロボットカバーにおいて、前記取付手段は、前記腕部の外表面に前記アーム部材と共に前記腕部に巻回される第2の取付手段とを含むと好適である。
【0014】
さらに、本発明に係る医療用ロボットカバーにおいて、前記胴部には、前記アーム部材の伸縮又は揺動を許容する可動領域を備えると好適である。
【0015】
さらにまた、本発明に係る医療用ロボットカバーにおいて、前記腕部には、前記腕部を前記アーム部材に接着せしめる接着手段を備えると好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、医療用ロボットの外表面と対向するカバー内周面に、本体又はアーム部材の少なくとも何れか一方に巻回される取付手段を備えるので、アーム部材が本体に対して伸縮または揺動した場合であってもアーム部材の動作を阻害することなく、医療用ロボットカバーを医療用ロボットに設置することができる。
【0017】
また、本発明によれば、本体を覆う胴部と、アーム部材を覆う腕部とを備えるので、確実に医療用ロボットを無菌的に扱うことができると共に、アーム部材の動作に伴って医療用ロボットカバーが損傷することを防止すると共に、この動作を阻害することがない。
【0018】
また、本発明によれば、前記胴部の前記本体と対向する内周面に取り付けられた第1の取付手段と、前記腕部の外表面に前記アーム部材と共に前記腕部に巻回される第2の取付手段とを含むので、第1の取付手段で本体と胴部の内周面を連結することで、アーム部材の伸縮や揺動といった動作を許容すると共に、第2の取付手段が腕部の外表面に巻回されることで腕部の弛みを防止して医療用ロボットカバーが術野に触れることを防止している。
【0019】
また、本発明によれば、前記胴部には、前記アーム部材の伸縮又は揺動を許容する可動領域を備えるので、医療用ロボットカバーを医療用ロボットに取り付けてもアーム部材の伸縮又は揺動といった動作を阻害することがない。
【0020】
また、本発明によれば、前記腕部には、前記腕部を前記アーム部材に接着せしめる接着手段を備えるので、アーム部材が伸縮又は揺動した場合であっても腕部がアーム部材に対してズレることを防止し、腕部が弛んだり、皺が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る医療用ロボットカバーを医療用ロボットに取り付けた状態を示す図。
図2】本発明の実施形態に係る医療用ロボットカバーの構成を説明するため図。
図3】本発明の実施形態に係る医療用ロボットカバーを折り畳んだ状態を示す図。
図4】本発明の実施形態に係る医療用ロボットカバーの取付手順を示す図。
図5】本発明の実施形態に係る医療用ロボットカバーの取付手順を示す図。
図6】本発明の実施形態に係る医療用ロボットカバーの取付手順を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る医療用ロボットカバーについて図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る医療用ロボットカバーを医療用ロボットに取り付けた状態を示す図であり、図2は、本発明の実施形態に係る医療用ロボットカバーの構成を説明するため図であり、図3は、本発明の実施形態に係る医療用ロボットカバーを折り畳んだ状態を示す図であり、図4から6は、本発明の実施形態に係る医療用ロボットカバーの取付手順を示す図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態に係る医療用ロボットカバー10は、基台2から立設する本体3と、該本体3の一端に揺動および伸縮自在に取り付けられたアーム部材4を備えた医療用ロボット1に取り付けられて手術中の滅菌を行う。
【0025】
医療用ロボット1は、図示しない内視鏡の画像を見ながら医師が手術を行うことができるとともに、医師の手の動きを的確に再現することができるように揺動及び伸縮自在に操作されるアーム部材4が本体3に取り付けられている。また、アーム部材4の先端部5には、鉗子や電気メスなどの手術器具が取り付けられ、医師の手の動きを的確に再現しつつ、人間の手首以上の可動域を有することで正確な手術をより簡便に行うことができるように構成されている。
【0026】
このように、医療用ロボット1は、開腹することなく、内視鏡や鉗子などが挿通できる程度の小さな傷口で手術を行うことができるので、患者の身体への侵襲度が低い診断・治療を行うことが可能となる。
【0027】
なお、先端部5に取り付けた鉗子などの駆動には、ワイヤなどの押し引き動作による制御の他、空気圧を用いて駆動させることができるように構成されている。如何なる駆動方法を採用した場合であっても、鉗子先端の感触を医師にフィードバックすることができるように構成されると、より直感的な手術が可能となり、手術中の医師への負担を減少させることができる。
【0028】
さらに、手術室内は、滅菌された所謂清潔野であるため、医療用ロボット1を用いる際には、滅菌されていない所謂不潔野との境界を策定するために医療用ロボットカバー10で医療用ロボット1の外表面を覆って手術を行う必要がある。
【0029】
図1及び2に示すように、本実施形態に係る医療用ロボットカバー10は、本体3及び基台2の外表面を覆う胴部11と、アーム部材4の外表面を覆う腕部12とを備えている。また、本体3及びアーム部材4は、それぞれ第1の取付手段21及び第2の取付手段22からなる取付手段20が巻回されており、該取付手段20によって医療用ロボット1に対して取付固定されている。
【0030】
図2に示すように、本実施形態に係る医療用ロボットカバー10の胴部11は上辺が閉じられると共に、下辺が開放した袋状に形成されている。さらに、胴部11には袋状に形成された腕部12が短手方向の一方端に取り付けられ、腕部12が取り付けられた他端は互いに閉じ合されておらず開口部14が形成されている。また、開口部14は、面ファスナーや接着テープなどからなる留め部15によって開口の大きさを調整することができるともに、医療用ロボット1に取り付けた後は、留め部15によって開口部14を閉じることができるように構成されている。さらに、腕部12は、胴部11の上辺からオフセットして短手方向の一方端に取り付けられており、胴部11の上方に可動領域17を形成している。
【0031】
なお、胴部11の腕部12が取り付けられた側の縁部は、略三角形状に形成されており、この三角形状によって第2の可動領域17aを形成している。この第2の可動領域17aによって胴部11の下端が床に着くことを防止すると共に、アーム部材4が回動などをする際の可動領域を形成している。なお、可動領域17及び第2の可動領域17aは、医療用ロボット1の動き、アーム部材4の伸縮や揺動や本体の回転などに応じて形成すればよく、必要に応じて何れか一方のみ備えても構わない。
【0032】
本実施形態に係る医療用ロボットカバー10は、胴部11に開口部14及び留め部15を備えているので、医療用ロボット1に取り付ける場合に、確実に清潔野とすると共に開口を大きくとることができるため、取付作業をより容易に行うことが可能となる。
【0033】
また、胴部11の下辺は、胴部11の端部を巻き上げた巻上部13が形成されている。この巻上部13は、本実施形態に係る医療用ロボットカバー10が取り付けられる医療用ロボット1の高さに応じて確実に胴部11の長さを調整することで、胴部11の長さが短い場合には、医療用ロボット1の下端まで確実に滅菌を行うことができるように構成されている。また、胴部11の長さが長い場合には、医療用ロボットカバー10の下端が床に触れて不潔になること及び術者が踏むことを防止すること、並びに医療用ロボット1の下に巻き込まれることを防止するために適宜巻上げの長さを調整することも可能である。
【0034】
胴部11の内周面には、第1の取付手段21が取り付けられている。第1の取付手段21は、帯状部材を略半分に折り曲げ、該折り曲げ位置を胴部11の内周面に熱溶着や接着などの手段によって取り付けられている。したがって、第1の取付手段21は、胴部11の内周面に対して両端部が自由端に形成されている。また、第1の取付手段21の両端部には、両端部を閉じるための止め合わせ手段が取り付けられている。止め合わせ手段は、具体的には面ファスナーや両面テープなどが好適に用いられる。
【0035】
また、腕部12の外周面には、第2の取付手段22が取り付けられている。第2の取付手段22は、第1の取付手段21と異なり、一端が腕部12の外周面に取り付けられ、他端は自由端に形成され、自由端に形成された端部には、第1の取付手段21と同様に止め合わせ手段が取り付けられている。もしくは、環状に形成したゴムの一部が腕部12の外周面に取り付けられ、アーム部材4の先端を該環状のゴムの中に通すような構成としても良い。このように、本実施形態に係る医療用ロボットカバー10は、第1の取付手段21と第2の取付手段22とによって取付手段を構成している。
【0036】
さらに、腕部12の先端(図2における左側)には、内周面に接着手段16が取り付けられている。この接着手段16は、アーム部材4の先端部5に対して腕部12がずれないように腕部12を張り付けることができればどのような構成を採用しても構わないが、例えば両面テープなどを用いると好適である。また、接着手段16は、医療用ロボットカバー10を用いて医療用ロボット1に覆う(カバーリングする)際に起点の目印にもなり、カバーし易い効果もある。そのため、接着手段16は、起点を指し示すような形状、具体的に点となるような丸や四角等、または三角形や矢印等が好適である。なお、接着手段16を、医療用ロボット1に接着させたくない場合や、目印のみの構成だけで良い場合は、接着手段16でなく、腕部12の先端に印を付けるだけでも良い。
【0037】
次に、図3から6を参照して本実施形態に係る医療用ロボットカバー10の取付手順について説明を行う。
【0038】
本実施形態に係る医療用ロボットカバー10は、図3に示すように初期状態では折り畳まれている。本実施形態に係る医療用ロボットカバー10は、内周面が不潔野となる医療用ロボット1の外表面と接触し、医療用ロボットカバー10の外周面は、清潔野とする必要があるため、清潔操作を行うために医療用ロボットカバー10の内周面が外側となるように裏返して折り畳まれている。具体的には、内周面が外側となるように裏返して折り畳まれているため、手洗いをすることなく不潔野の作業者が医療用ロボットカバー10の取付作業を行うことができる。
【0039】
第1に図4に示すように、接着手段としての両面テープ16の剥離紙を剥がしてアーム部材4の先端部5に腕部12の先端を接着固定する。その後、アーム部材4を腕部12で覆う。また、開口部14を開いて本体3及び基台2を胴部11で覆うように取り付ける。
【0040】
このように、先端部5を腕部12の先端に接着固定しているので、アーム部材4が可動した際に、腕部12に皺などが生じてアーム部材4やアーム部材4の先端部5に取り付けた手術器具の動作に支障が生じることがない。
【0041】
次に、図5に示すように、第1の取付手段21の両端を合わせるように本体3に巻きつける。このとき、第1の取付手段21は、端部同士が軽く合わさる程度に貼り付けると好適である。このように取り付けることで、本体3に対して胴部11の自由度が増し、アーム部材4が揺動又は伸縮動作した際に本実施形態に係る医療用ロボットカバー10が当該動作の支障とならないように取り付けることが可能となる。これに対し、外周面から第1の取付手段21を取り付けるように構成すると例えばアーム部材4が揺動する場合は、第1の取付手段21が水平方向に回ることなく当該動作が阻害されることとなる。また、内周面に第1の取付手段21が存在するため、外回りの看護師が取り付け作業を行うことができる。このように第1の取付手段21は、不潔である医療器具と触れる箇所であるため、内周面に取り付けられると好適である。
【0042】
次に、図6に示すように腕部12の外周面に取り付けられた第2の取付手段22をアーム部材4と共に腕部12に巻き回して腕部12をアーム部材4に対して取り付ける。このように、腕部12の外周面を第2の取付手段22によって腕部12が弛みの無いように取り付けることができるので、アーム部材4が伸縮又は揺動動作を行った場合であっても、当該動作の支障とならないように取り付けることが可能となる。また、第2の取付手段22が取り付けられた箇所は、術野に近接してきる箇所であるため、カバーが撓み、手技の妨げとなることを防止することができる。なお、この作業は本実施形態に係る医療用ロボットカバー10の外周面に触れるため、手洗いをした執刀医や器械出し看護師などの清潔野の作業者が行う必要があるが、前述の理由から執刀医や助手が行わなければならない場面があるため、第2の取付手段22は外周面にあることが好適である。
【0043】
なお、開口部14は、医療用ロボット1に本実施形態に係る医療用ロボットカバー10を取り付けた後に、留め部15によって閉塞される。なお留め部15は、図2には3点で留める構成を記載しているが、必要に応じて留め部を増減しても良いし、図2の縦方向に必要な長さを連続して留められるような構成としても良い。また、留め部15は、外回り看護師等の不潔野を触れる従事者によって留められる方が好ましいため、医療用ロボットカバー10の内周面に取り付けられているのが好適である。
【0044】
このように、本実施形態に係る医療用ロボットカバー10は、アーム部材4の先端部5を接着固定すると共に、腕部12の外表面をアーム部材4と共に巻きつける第2の取付手段22を備えているので、腕部12の不要な弛みや皺の発生を抑制することが可能となりアーム部材4の伸縮や揺動といった動作を阻害することがない。
【0045】
これに対し、胴部11は、本体3と対向する内周面に取り付けられた第1の取付手段21によって本体3に固定されているので、アーム部材4の伸縮及び揺動に伴って腕部12が引っ張られた場合であっても、腕部12の移動に伴って胴部11が適度に移動することでアーム部材4の伸縮及び揺動といった動作を阻害することがない。また、胴部11の上方には、可動領域17が形成されているので、アーム部材4が可動領域17内を自由に可動することができるので、アーム部材4の伸縮や揺動に伴って胴部11が不用意に引っ張られることを防止している。
【0046】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0047】
例えば、上記実施形態においては、アーム部材4の先端部5に手術器具を取り付けて内視鏡手術に用いられる医療用ロボット1を清潔にする場合について説明を行ったが、清潔野の確保が必要となる対象医療用ロボットは、これに限られず、例えば先端部5に医師の手を載せる手台を設け、手術操作中は静止していて医師の腕を支え、医師が腕の位置を変えるとこれに追従して移動することで、医師の腕の震えや疲労を軽減させて手術操作性を向上させた手台ロボット等に用いても構わない。
【0048】
また、第1及び第2の取付手段21,22は、それぞれ胴部11や腕部12に1つずつ取り付けた場合について説明を行ったが、これらの数はこれに限られず、必要に応じて適宜増減することも可能である。
【0049】
その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0050】
1 医療用ロボット, 2 基台, 3 本体, 4 アーム部材, 5 先端部, 10 医療用ロボットカバー, 11 胴部, 12 腕部, 13 巻上部, 14 開口部, 15 留め部, 16 接着手段, 17 可動領域, 20 取付手段, 21 第1の取付手段, 22 第2の取付手段。
図1
図2
図3
図4
図5
図6