(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の電極ユニットが、前記電界感知モードで動作し、前記個人の前記皮膚上または前記近傍の場所で前記検出された電界に基づいて前記第1の信号を生成するように構成され、
前記第2の電極ユニットが、前記電流感知モードで動作し、前記個人の皮膚上に直接配置された前記抵抗センサ素子を流れる電流に基づいて前記第2の信号を生成するように構成され、
前記第1の信号と前記第2の信号とを組み合わせてECG波形を生成するように構成される請求項1に記載のシステム。
前記クランプが、対象物を前記対象物間に固定する1対のクランプ歯を有し、かつ、前記非接触電界感知モードで動作する場合に、前記クランプ歯の間に前記個人の着衣を固定し、前記少なくとも1つの電極ユニットを前記個人の着衣に取り付ける形である請求項4に記載のシステム。
前記クランプが、対象物を前記対象物間に固定する1対のクランプ歯と、前記1対のクランプ歯の一方または両方に配置されている1以上の導電性クランプ接点と、を有し、
前記1以上の導電性クランプ接点が、前記1対のクランプ歯の間の前記抵抗センサ素子上の導電性タブを固定し、かつ、前記抵抗センサ素子の電気的接続に対応する請求項4に記載のシステム。
前記第1のコネクタ構成部品および前記第2のコネクタ構成部品は、前記第1のコネクタ構成部品および前記第2のコネクタ構成部品のうちの少なくとも一方の変形と、前記第1のコネクタ構成部品および前記第2のコネクタ構成部品の間の接続を維持する傾向にある対応する復元力とが、前記第1のコネクタ構成部品および前記第2のコネクタ構成部品の接続によって生じるような形である請求項8に記載のシステム。
前記第1の電極ユニットおよび前記第2の電極ユニットの少なくとも1つが、前記抵抗センサ素子の存在を検出するように構成された第1の近接センサを有する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のシステム。
前記第1の電極ユニットおよび前記第2の電極ユニットのうちの少なくとも1つが、対応するケーブルによって前記ベース・ユニットに取り外し可能に接続されている請求項15に記載のシステム。
前記デジタル信号プロセッサが、前記第1の信号および前記第2の信号を処理し、かつ、心筋活動に起因する前記信号の部分と、前記個人の呼吸および前記個人の身体の動きの1以上に起因する前記信号の部分とを区別するように構成される請求項15に記載のシステム。
前記デジタル信号プロセッサが、異なるモードにおける前記第1の電極ユニットおよび前記第2の電極ユニットの動作による前記信号の強度の差に対応するよう、前記第1の信号および前記第2の信号のうちの少なくとも一方を拡大・縮小するように構成される請求項15に記載のシステム。
前記デジタル信号プロセッサが、1以上の増幅器の増幅器利得の自動調整により、前記第1の信号および前記第2の信号のうちの少なくとも一方を自動的に拡大・縮小するように構成される請求項23に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明全体にわたって、より徹底した理解が当業者に得られるようにするために具体的な詳細を記載している。しかし、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために、既知の要素については、詳細に示しても説明してもいない。したがって、説明および図面は、制限的な意味ではなく例示的な意味である。
【0020】
図4Aに、特定の一実施形態による、ECGシステム100を概略的に示す。ECGシステム100は、ベース・ユニット102と、2以上の電極ユニット104A、104B,および104C(集合的、また個別に、電極ユニット104という)とを備える。電極ユニット104は、電極ユニット104が対応する場所における患者の心臓の電気的活動を示す信号を生成するために、患者の身体101に対して相対的に配置することができる(以下により詳細に記載する)。
図4Aの概略図において、患者の身体上の場所101は、太い破線103より上にあるものとして示し、患者の身体から離れた場所105は、太い破線103より下にあるものとして示す。現在好ましい実施形態において、電極ユニット104は、以下に説明する種類の多機能電極ユニットであるが、これは必須ではない。
図4Aの図示する実施形態において、ECGシステム100は、アイントホーフェンの三角形の構成で使用され得る3つの電極ユニット104A、104B、および104Cを有するものとして示す。一部の実施形態において、第3の電極ユニット104Cは必須ではなく、システム100は、わずか2つの電極ユニット104を使用してもよい。一部の実施形態において、追加した誘導と対応する心筋の電気的活動の追加の表示とを提供するために、システム100には、3つを超える電極ユニット104を設けてもよい(以下により詳細に記載する)。
【0021】
図4Aの実施形態において、電極ユニット104は、適切な電気的信号伝送コネクタ108A、108B、および108C(集合的、また個別に、コネクタ108という)を使用してベース・ユニット102に取り外し可能に接続され得る対応するケーブル106A、106B、および106C(集合的、また個別に、ケーブル106という)によってベース・ユニット102に取り外し可能に接続されている。コネクタ108は、例えば、スライド可能な固定電気コネクタ、ばね付勢の電気コネクタ、磁気コネクタ等を備えてもよい。ベース・ユニット102は、好ましくは、不快感なく、かつ患者のECG波形に衝撃を与えることなく、患者の身体101上に快適に置くことのできる、十分に小型で軽量であるように組み立てられている。非限定例として、ベース・ユニット102は、患者の胸部上に置かれるか、患者の着衣、腕、または脚等にストラップ止めまたはクリップ止め(適切なストラップ(図示せず)またはクリップ(図示せず)を使用して)される。ベース・ユニット102が患者に近接するので、ケーブル106は、それに応じて短くしてもよい。一部の実施形態において、ケーブル106は、長さが50cm未満である。一部の実施形態において、ケーブル106は、長さが30cm未満である。
【0022】
図示する実施形態において、ECGシステム100によって生成されたECG波形110がディスプレイ120上に表示される。一部の実施形態において、ディスプレイ120は、ベース・ユニット102と一体化されてもよい。しかし、図示する実施形態において、ディスプレイ120は、架台122においてベース・ユニット102に取り外し可能に取り付けられているため、ディスプレイ120は、患者の身体から離れた場所105にベース・ユニット120から分離して存在し、医療専門家が患者の身体101の上面に身を乗り出す必要がない、または患者の身体101の周りに集まらなくても、医療専門家によって容易に読み取り可能となる。図示する実施形態において、ECG波形110は、ディスプレイ120がベース・ユニット102から取り外された場合に、ディスプレイ120に無線で通信される。ディスプレイ120が架台122内に配置されている場合に、ECG波形110は、無線通信なしでも、ディスプレイ120に直接(適切な相補型コネクタ128Aおよび128Bを介して)提供され得る。
【0023】
ベース・ユニット102は、電極ユニット104からの信号を処理するため、また、ディスプレイ120上の表示するための対応するECG波形(複数可)110を生成するため、適切に構成されたハードウェアおよび/またはソフトウェア構成部品を備えてもよい。図示する実施形態において、このような構成部品は、制御装置112と、信号処理ハードウェア114と、データ記憶装置116と、通信ハードウェア130と、ユーザ・インターフェース構成部品132とを有する。便宜上、本発明に密接な関係があるいくつかの構成部品についてのみ本明細書では詳細に説明する。ベース・ユニット102は、本明細書において説明されているように動作するのに適切な他の電子構成部品を備えてもよい。このような構成部品は、適切に符号化されたソフトウェア(明示的に図示せず)を使用して特定の機能性を提供するように構成されてもよい。制御装置112は、ECGシステム100の他の機能的構成部品に相互に作用し、かつ他の機能的構成部品を制御してもよい。非限定例として、制御装置112は、例えば、適切に構成されたコンピュータ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、他の種類のプログラマブル論理デバイス、上述の複数、上述の組合せなど、任意の適切な制御器を備えてもよい。制御装置112は、制御装置112にアクセス可能なコンピュータ可読メモリ(図示せず)および/または制御装置112と一体化しているコンピュータ可読メモリに格納することができるソフトウェアにアクセスしてもよい。制御装置112は、このようなソフトウェア命令を読み込み、実行するように構成されてもよく、制御装置112によって実行された場合に、このようなソフトウェア命令は、制御装置112に本明細書に説明する方法の1以上を実施させてもよい。
【0024】
信号処理ハードウェア114は、電極ユニット104から得た信号からのECG波形110を生成するための任意の適切なアナログまたはデジタル信号調整および/または信号処理構成部品を備えてもよい。非限定例として、信号処理ハードウェア114は、増幅器、バッファ、フィルタ、アナログ・デジタル変換器、適切に構成されたデジタル信号プロセッサ等を備えてもよい。データ記憶装置116は、デジタルECGデータを記憶するのに使用することができる任意の適切なメモリ(例えば、固体メモリ)を備えてもよい。一部の実施形態において、データ記憶装置116は、他の構成部品(例えば、制御装置112または信号処理ハードウェア114)に統合されてもよい。一部の実施形態において、データ記憶装置116は必須ではない。
【0025】
通信ハードウェア130は、1以上の無線デジタル通信プロトコルにより、無線通信用の適切なハードウェア(例えば、WANインターフェース、LANインターフェース)を備えてもよい。このようなプロトコルの非限定例には、適切なブルートゥース通信プロトコル、無線USBプロトコル、802.11無線プロトコル、ジグビー・プロトコル等が含まれる。一部の実施形態において、ディスプレイ120は、ベース・ユニット102から着脱可能でなくてよく、その場合、ディスプレイ120は、適切な電気接点を介して接続されてもよい。一部の実施形態において、ディスプレイ120は、架台122から取り外し可能であってもよいが、信号通信ケーブル等を用いてベース・ユニット102に取り付けてもよい。このような実施形態において、通信ハードウェア130の一部またはすべては、必要とされないことがある。一部の実施形態において、通信ハードウェア130は、ベース・ニット102から外部ECGシステム124へのECGデータ(例えば、データ記憶装置116に格納されたデータ、実時間のECG波形110等)の通信を促進することができる。一部の実施形態において、外部ECGシステム124が無線通信または無線デジタル通信をすることができない場合、ECGシステム100は、通信ハードウェア130と通信し、通信ハードウェアから受信した任意のデータ/信号を外部ECGシステム124によって解釈可能な形式に変換するのに使用され得る適切な外部ECGシステム通信構成部品124Aを備えてもよい。外部ECGシステム通信構成部品124Aは、ベース・ユニット102用の本明細書に説明するハードウェアのいずれかに類似したハードウェアを備えてもよい。
【0026】
一部の実施形態において、通信ハードウェア130は、さらに処理および/または表示するために、ネットワーク126または直接通信リンク(図示せず)を介してベース・ユニット102から別のデバイス126A(例えば、コンピュータ等)へのECGデータ(例えば、データ記憶装置116に格納されたデータ、実時間ECG波形110等)の通信を促進してもよい。非限定例として、ネットワーク126は、病院ネットワークや職場ネットワークなどのローカルエリア・ネットワーク(LAN)、またはインターネットやセルラーネットワークなどの広域ネットワーク(WAN)を備えてもよい。一部の実施形態において、通信ハードウェア130は、さらに、または、あるいは、ネットワーク126を介して外部ECGシステム124または別のデバイス126A(例えば、コンピュータ等)との有線通信を促進してもよい。
【0027】
ユーザ・インターフェース入力部130と共にディスプレイ120は、テキスト・ベースのまたはグラフィカルなユーザ・インターフェース(UI)を実施するために(制御装置112によって)使用されてもよい。ユーザ・インターフェース入力部130は、任意の適切なポインティング・デバイス、ボタン、タッチ画面等を備えてもよく、それらを通じて医療専門家は、ECGシステムから情報を得、ECGシステムを制御してもよい。非限定例として、医療専門家は、ディスプレイ120上のECG波形110を静止させる、波形110またはパルスの履歴を表示させる、異なる誘導の波形110を切り替える、単一の波形110または複数のECG波形110の表示を切り替える、ディスプレイ120上のECG波形110を拡大する、ECG波形110の特性(例えば、振幅および/または周波数)を測定する、他のデバイス(例えば、ネットワーク126を介して外部ECGシステム124および/または別のデバイス)と通信する、適切に構成されたプリンタ・デバイスにプリントする、ディスプレイ120上の「グラフ−ペーパー」背景を切り替える、異常なECGリズムを識別する、ECGシステム100に接続され得る他の診断機器(以下により詳細に説明する)に関連する測定値(例えば、血圧、血糖、パルス酸素濃度(SpO
2)、体温等)を表示する、このような他の診断機器によって測定された異常に関連する警報または警告を表示する、時間的情報(例えば、時計またはストップウォッチ)、警報、および/または警告を提供する等のために、このようなインターフェースを制御することができる。
【0028】
ベース・ユニット102は、追加の電極ユニット104(図示せず)に任意選択で接続するための複数の追加のコネクタ108を備えてもよい。例えば、図示する実施形態において、ベース・ユニットは、7個の追加の電極ユニット104に接続するための7個の追加のコネクタ108を備えている。合計10個の電極ユニット104により、ECGシステムは、いわゆる「12誘導」ECGの機能を提供するように構成され得る。
【0029】
ベース・ユニット102は、他の医療機器(図示せず)に接続するための適切な接続部134も備えてもよい。このような接続部134は、このような機器からの(例えば、医療診断機器からの)データを受信するのに使用され得る。非限定例として、このような医療診断機器は、血圧計カフ、血糖計、パルス酸素濃度(SpO
2)モニタ、および呼気終末二酸化炭素(ETCO
2)モニタ、体温計等を含んでもよい。接続部134は、他の医療機器にも使用され得る。一部の実施形態において、接続部134は、除細動ショック(例えば、ペーシング除細動、心臓バージョン除細動、および/または自動外部除細動)を患者に与えるために使用され得る1対の除細動パッドまたはパドルに接続するために使用してもよい。明示的には示さないが、ベース・ユニット102は、このような除細動ショックを与えるために使用され得る別個の再充電可能電池を備えてもよい。
【0030】
図4Bに、特定の実施形態によるECGシステム200を概略的に示す。ECGシステム200は、多くの点において、上記のECGシステム100に類似しており、同一の参照符号が、ECGシステム100の特徴と類似しているECGシステム200の特徴を表すのに用いられている。ECGシステム100と同様に、ECGシステム200は、ベース・ユニット202と、2以上の電極ユニット204Aおよび204B(集合的に、また、個別に、電極ユニット204という)とを備えている。ECGシステム200は、主に、電極ユニット204がベース・ユニット202と一体化している点において、ECGシステム100と異なる。電極ユニット204は、ベース・ユニット202内に配置される以外は、本明細書に説明する電極ユニット104に実質的に類似してよい。
【0031】
図示する実施形態において、ECGシステムは、アイントホーフェンの三角形の構成におけるECGシステム200の動作を促進するために、ケーブル106Cとコネクタ108Cとを介してベース・ユニット202に取り付けられる第3の電極ユニット104Cを有するものとして示されている。第3の電極ユニット104Cは、本明細書に説明する電極ユニット104に実質的に類似してもよい。一部の実施形態において、第3の電極ユニット104Cは、必須ではなく、システム100は、わずか2つの電極ユニット204を使用してもよい。一部の実施形態において、第3の電極ユニット104Cは、ベース・ユニット202の一体部分(すなわち、
図4Bの実施形態の電極ユニット204に類似している)として設けてもよい。ECGシステム100と同様に、ECGシステム200は、追加の誘導と、心筋の電気的活動の対応する追加の表示とを提供するために、追加の電極ユニット104を受けるためのコネクタ108を備える。
【0032】
一部の実施形態において、電極ユニット204は、例えば、ベース・ユニット202から離れた異なる場所において心臓の電気的活動を感知するために、ベース・ユニット202から着脱可能であってもよい。例えば、電極ユニット204は、適切なソケット(明示的に図示せず)の形で提供してもよいため、それらの対応するソケット内で心臓の活動を感知するように機能することができる。しかし、電極ユニット204は、それらのソケットから取り除いてもよいため、(電極ユニット104に対する上記のケーブル106およびコネクタ108に類似した)適切なケーブルおよびコネクタによってベース・ユニット202に接続することができる。このようにして、電極ユニット204は、ベース・ユニット202から離れた場所において電気的活動を感知することもできる。
【0033】
他のいくつかの点において、ECGシステム200は、本明細書に説明するECGシステム100に実質的に類似してよい。
【0034】
図4Cに、特定の一実施形態によるECGシステム300を概略的に示す。ECGシステム300は、多くの点において、上記のECGシステム100、200に類似しており、同一の参照符号が、ECGシステム100、200の特徴に類似しているECGシステム300の特徴を表すのに用いられている。ECGシステム200と同様に、ECGシステム300は、ベース・ユニット202と、ベース・ユニット202に一体化されている2以上の電極ユニット204と、を備える。ECGシステム300は、ECGシステムが、コネクタ108Cと延長アーム306Cとを介してベース・ユニット202に接続されている第3の電極ユニット304Cを備えている点において、上記のECGシステム100および200とは異なる。第3の電極ユニット304Cは、本明細書に説明する電極ユニット104に実質的に類似していてもよく、ECGシステム300がアイトホーフェンの三角形の構成で動作することを可能にしてもよい。しかし、
図4Cの実施形態のECGシステム300において、延長アーム306Cは、ECG操作者によって変形され、一度変形されると、その形状を保持することができるため、電極ユニット304Cが、延長アーム306CがECG操作者によって意図的に形が整えられるまたは位置が整えられるまで、患者の身体101に対して相対的に所望の場所に留まることができる、可撓性の、半剛体(例えば、限定弾性)材料から製作される。延長アーム306Cの適切な材料には、例えば、形状記憶プラスチック等が含まれ得る。一部の実施形態において、延長アーム306Cは、可撓性の、半剛体(例えば、限定弾性)特性を有し、それによって、順に、ケーブル(本明細書に説明するケーブル106に類似した)を収納できる筐体を備えることができる。一部の実施形態において、それぞれのベース・ユニットに接続されるものとして説明する任意の電極ユニット104は、延長アーム306Cに類似した、可撓性の、半剛体(例えば、非弾性的)延長アームを介して接続され得る。
【0035】
他の点において、ECGシステム300は、本明細書に説明するECGシステム100、200に実質的に類似してよい。
【0036】
図4Dに、特定の一実施形態によるECGシステム400を概略的に示す。ECGシステム400は、多くの点において、上記のECGシステム100、200、および300に類似しており、同一の参照符号がECGシステム100、200、および300の特徴に類似しているECGシステム400の特徴を表すのに用いられている。ECGシステム400は、ベース・ユニット402と、2以上の電極組立品404A,404B、および404C(集合的、また個別に、電極組立品404という)とを備えている。電極組立品404A,404B、および404Cの各々は、本明細書に説明する電極ユニット104に類似し得る、対応する電極ユニット104A,104B、および104Cを備えてもよい。しかし、電極組立品404A,404B、および404Cの各々は、対応する信号処理構成部品406A、406B、および406C(集合的、また個別に、信号処理構成部品406という)と、通信構成部品408A、408B、408C(集合的、また個別に、通信構成部品408という)とを備えてもよい。信号処理構成部品406は、電極ユニット104から取得した信号を調整し、および/または処理するために任意の適切なアナログまたはデジタル信号構成部品を備えてもよい。非限定例として、信号処理構成部品406は、増幅器、バッファ、フィルタ、アナログ・デジタル変換器、適切に構成されたデジタル信号プロセッサ等を備えてもよい。通信構成部品408は、電極ユニット104から取得した(および信号処理構成部品406によって処理された)信号のベース・ユニット402へのアナログまたはデジタル無線通信のための任意の適切なハードウェアを備えてもよい。このようにして、ベース・ユニット402は、患者の身体101から離れた場所105に配置してもよい。一部の実施形態において、電極組立品404は、(例えば、共通の接地または基準電位を提供するために)互いに電気的に接続してもよい。一部の実施形態において、電極組立品404は、信号処理構成部品406および/または通信構成部品408の一部を共用してもよい。
【0037】
電極組立品404は、それらの対応する場所において患者の心臓の電気的活動を示す信号を生成するために、(以下により詳細に記載するように)患者の身体101に対して相対的に配置し、このような信号を患者の身体101から離れた場所105においてベース・ユニット402に無線で通信してもよい。
図4Dの図示する実施形態において、ECGシステム400は、アイントホーフェンの三角形の構成で使用され得る3個の電極組立品404A、404B、および404Cを有するものとして示す。一部の実施形態において、第3の電極組立品404Cは必須ではなく、システム400はわずか2つの電極組立品404を使用され得る。一部の実施形態において、システム400には、追加の誘導および心筋の電気的活動の対応する追加の表示を提供するために、3個を超える電極組立品404を設けてもよい。一部の実施形態において、電極組立品404は、信号処理構成部品406および/または通信構成部品408を制御し得る適切に構成された制御器(図示せず)を備えてもよい。
【0038】
ECGシステム400の通信ハードウェア430(および関連するソフトウェア)は、ECGシステム400の通信構成部品430が電極組立品404と無線で通信するようにさらに構成することができる点において、ECGシステム100、200、および300の通信ハードウェアと異なってもよい。他のいくつかの点において、ECGシステム400は、本明細書に説明するECGシステム100、200、および300に実質的に類似してよい。
【0039】
図5Aは、特定の一実施形態による電極ユニット104からのデータを処理する信号処理システム500Aの1つの実施を示すブロック図である。信号処理システム500Aは、本明細書において説明するECGシステム(例えば、ECGシステム100、200、300、400)のいずれにも使用される信号処理ハードウェア114の一部を提供してもよい。一部の実施形態において、信号処理システム500Aの様々な部分(例えば、増幅器504、アナログ・デジタル変換器(ADC)506等)は、電極ユニット104の部分として実施され得る(ベース・ユニット102、202、302、402の部分として実施されるのではない)。一般に、
図5Aの概略図に示す構成部品は、様々な形態の適切に構成されたハードウェアによって実施され得る機能的構成部品である。
【0040】
信号処理システム500Aは、電極ユニット104からのアナログ・データを受信する。各電極ユニット104は、対応するアナログ信号502を生成する。対応するアナログ信号502は、対応する増幅器504によって増幅され、対応するアナログ・デジタル変換器(ADC)506によってデジタル化されてから、(デジタル信号508として)デジタル信号プロセッサ(DSP)510に送られる。一部の実施形態において、DSP510は、統合ADC変換器506を有してもよい。DSP510は、デジタル信号508から誘導を生成し、対応するECGデータ(例えば、ECG波形110)を生成するように構成されてもよい。デジタル信号プロセッサ510は、さらに、様々なデジタル信号508(および/またはこのような信号の組合せ)をフィルタリングするように構成されてもよい。例えば、DSP510は、呼吸および/または他の人為的な影響を除去または軽減するために様々な信号(または信号の組合せ)をフィルタリングするように構成することができる。DSP510は、さらに、または、あるいは、反転した周囲雑音データに基づいて、能動雑音消去アルゴリズムを適用するように機能してもよい。DSP510は、さらに、または、あるいは、種々のモード(以下に、より詳細に説明する)で動作する電極ユニット104から受信した信号508を拡大・縮小することができる。DSP510は、さらに、または、あるいは、信号508の1以上に時間遅延を導入することによって同期機能性を提供することができる。このような時間遅延は、信号508間の時間的相関関係機能に基づいて、および/または信号508内の特徴(例えば、エッジ、ピーク等)の検出に基づいて決定してもよい。また、DPS510は、誘導および対応するECG波形を生成するよう、様々な信号508を組み合わせる。
【0041】
デジタル信号処理の業界で知られているように、DSP510は、サンプル・ホールド機能、データ収集機能、多段フィルタリングおよび帯域幅制限、例えばローリング・ウィンドウに基づくフィルタリング、平均化機能、ピーク検出、異なる電極ユニット104によって送られる信号の時間的整列、正および負のエッジ検出、ECG信号のPQRST部分の持続時間ならびにそれらの関係などの機能性を使用して信号を処理するように構成されてもよい。デジタル信号プロセッサ510は、制御装置112によって制御され得る。しかし、一部の実施形態において、DSP510および制御装置112は、同じハードウェアによって実施されてもよい。
図5Aの実施形態において、DSP510は、データ記憶装置116にアクセスできる。一部の実施形態において、データ記憶装置116のすべてまたは一部は、DSP510と一体にすることができる。DSP510は、データ記憶装置116および/またはディスプレイ120に(通信構成部品130を介して)ECGデータを出力し、このような出力部にバックグラウンド機能性を提供してもよい。上述したように、一部の実施形態において、ディスプレイ120が架台122内に配置される場合、またはディスプレイがベース・ユニット102と一体である場合、ECGデータは、通信ハードウェア130が関与することなく、ディスプレイ120に直接送られてもよい。
【0042】
図5Bは、別の特定の一実施形態による電極ユニット104からのデータを処理する信号処理システム500Bの1つの実施を示すブロック図である。信号処理システム500Bは、本明細書において説明するECGシステム(例えば、ECGシステム100、200、300、400)のいずれにも使用される信号処理ハードウェア114の一部を提供してもよい。信号処理システム500Bは、電極ユニット104からアナログ・データを受信する。各電極ユニット104は、アナログ信号調整ブロック512で受信され、対応するアナログ信号502を生成する。アナログ信号調整ブロック512は、誘導514を生成するためにアナログ信号502を当技術分野で知られている様々な方法で組み合わせる様々な増幅器(例えば、加算増幅器および/または差動増幅器および/または反転増幅器)を備える。各誘導514は、次に、対応する増幅器516によって増幅され、対応するアナログ・デジタル変換器(ADC)518によってデジタル化されてから、(デジタル誘導信号520として)デジタル信号プロセッサ(DSP)522に送られる。デジタル信号プロセッサ522は、次いで、対応するECGデータ(例えば、ECG波形110)を生成するよう、デジタル誘導信号520を使用するように構成されてもよい。(電極ユニット104からの信号ではなく)誘導を受信する以外に、DSP522は、DSP510用の上記の機能性に類似した機能性を備え、提供してもよい。
【0043】
次に、電極ユニットの説明を行う。簡潔にするために、電極ユニットの説明は、電極ユニット104を参照し、電極ユニット204、304については、類似の特徴を有するものとする。一部の実施形態において、電極ユニット104の1以上は抵抗センサ素子を有し、抵抗センサ素子が抵抗センサ素子を通る電流または抵抗センサ素子を通る電圧を感知する。本明細書においては、抵抗センサ素子を備える電極ユニット104は、(抵抗センサ素子を通る電圧を検知することができる普遍性を喪失することのない)電流感知電極ユニットと称することができる。電流感知電極ユニット104は、抵抗センサ素子を患者の皮膚に直接接触して配置することにより動作する。一部の実施形態において、電極ユニット104の1以上は、電界の存在を検出する容量センサ素子を有する。本明細書においては、容量センサ素子を備える電極ユニット104は、電界感知電極ユニットと称することができる。抵抗センサ素子と異なり、電界感知電極ユニット104の容量センサ素子は、皮膚との直接接触を必要とせず、患者の身体の近く(例えば、衣服のオーバートップ)に配置することによって機能することができる。
【0044】
記載されているECGシステム100、200、300、400は、電流感知電極ユニット104および電界感知電極ユニット104のいずれか(または両方)を使用してもよい。コネクタ108の各々は、電流感知電極ユニット104または電界感知電極ユニット104のいずれかを受けることができ得る。特定の実施形態において、電流感知電極ユニット104と電界感知電極ユニット104との組合せは、患者の心筋の電気的活動を測定するためにECGシステム100、200、300、400のいずれにも使用することができる。どの特定の電極ユニット104を選択するかは、システムの操作者の好み、現在利用可能である電極ユニット、および状況(例えば、患者の着衣を取り除くことが困難であるかどうか、または患者がすでに所望の有利な箇所で皮膚を露出しているかどうか)によることがある。
【0045】
特定の実施形態において、システム100、200、300、400に使用される電極ユニット104の1以上は、マルチモード電極ユニット104を有してもよく、マルチモード電極ユニット104は、複数の異なるモードのうちの1つで動作するように構成され得る。このようなマルチモード電極ユニット104は、患者の皮膚(すなわち、患者の着衣の下(または少なくともセンサと患者の皮膚との間に介在する着衣がない状態で))と直接接触して配置される抵抗センサ素子を設けることによって電流感知電極ユニットとして動作してもよい。このようなマルチモード電極ユニット104は、容量センサ素子を患者の皮膚(すなわち、患者の着衣の下(または少なくともセンサと患者の皮膚との間に介在する着衣がない状態で))と直接接触して配置することが伴う電界感知電極ユニットとしても動作してもよい。このような電界感知電極ユニットが患者の皮膚(すなわち、患者の着衣の下(または少なくともセンサと患者の皮膚との間に介在する着衣がない状態で))と直接接触して配置される場合、このような電極ユニットは、本明細書では「接触」モードで動作していると称される。このようなマルチモード電極ユニット104は、容量センサ素子を患者の着衣の上面に、および直接皮膚に対してではなく、配置することを伴う、電界感知電極ユニットとしても動作し得る。患者の着衣が、電極ユニットと患者の皮膚との間に配置されている場合、電極ユニットは、本明細書では、「非接触」モードで動作していると称される。電流感知電極ユニットは、一般的には、信号を検出するのに皮膚との直接接触(すなわち、介在する着衣が何もない)を必要とするので、電流感知電極ユニットが接触モードまたは非接触モードで動作していると説明する必要がなく、電流感知電極ユニット104は、機能しているとき、接触モードで動作していると理解される。
【0046】
図6Aおよび6Bに、ECGシステム100、200、300、400のいずれかの電極ユニット104用に使用され得るマルチモード電極ユニット600を示す。マルチモード電極ユニット600は、電界感知接触モード、電界感知非接触モード、および/または電流感知モードで動作するように構成され得る。電極ユニット104、204、304の任意の1つまたは複数は、
図6Aおよび6Bに示す種類の電極ユニット600を有していてもよい。電極ユニット600は、クランプ部602と、クランプ部602に取り外し可能に取り付けられるセンサ部604とを有している。以下により詳細に説明するように、センサ部604は、電極ユニット600が電界感知接触モード(ここで、センサ部604は患者の皮膚と直接接触している)または電界感知非接触モード(ここで、センサ部604は、患者の着衣の外側に配置される、あるいは患者の皮膚と接触していない)で動作することを可能にする容量センサ素子606を有している。さらに、クランプ部602およびセンサ部604の少なくとも一方は、電極ユニット600が電流感知モードで動作することを可能にする抵抗センサ素子608(
図6B)と電気的に接続するための機構を有している。電極ユニット600は、皮膚上または着衣の上面のいずれかにも配置することができ、かつ電流感知電極ユニットまたは電界感知電極ユニットとして動作することができるので、多用途であり、様々な状況の範囲において使用することができる。例えば、状況によっては、患者を着衣のままにし、電極ユニット600を患者の着衣の上面に配置することは望ましく、またはより好都合であることがある。他の状況では、患者の皮膚は、所望の有利な箇所で露出させることができ、例えば、患者の胴体部分を、皮膚との直接接触または皮膚の露出を必要とする手順の実施(非限定例として、除細動、心肺蘇生(CPR)、胸腔チューブの挿入など)を可能にするために露出させることができ、したがって、このような場合、電極ユニット600を皮膚に対して直接配置することが好都合なことがある。
【0047】
電極ユニット600は、電界感知非接触モードで動作する場合に、患者の着衣の上に配置される。
図6Aおよび6Bからわかるように、電極ユニット600はクランプ610を有している。
図6Aおよび6Bの示す実施形態において、クランプ610は1対のアーム610A,610Bを有し、この1対のアーム610A,610Bは、ピボット・ジョイント612において互いに枢動可能に接続され、(例えば、適切に接続されたばね、適切に変形可能な要素等(図示せず)により)互いに向けて付勢されるため、クランプ610は、閉じた構成に向けて付勢される。アーム610A,610Bは、電極ユニット600を電界感知非接触モードで動作させながら、電極ユニット600を所望の有利な箇所において患者の着衣に取り付けるために着衣の一部をつかむために使用することができる。より詳細には、電極ユニット600が電界感知非接触モードで動作される場合に、患者の着衣の一部分は、クランプ610のアーム601A、601Bの間で握られ、センサ部604の近接面614は、患者の着衣の上面に直接配置され得る。これにより、容量センサ素子606は、患者の心筋活動に関連する電界を感知し、対応する信号をケーブル624の1以上の導体上に提供することが可能になり、対応する信号は、ECGシステムのベース・ユニットに伝達され得る。ケーブル624は、上記のケーブル106の1つを有していてもよい(例えば、
図4A参照)。
【0048】
一部の実施形態において、センサ部604は、クランプ部602に取り外し可能に取り付けられるため、任意選択で、センサ部604を電界感知接触モードで使用するためにクランプ部602(
図6B)から取り外すことができる(
図6B)。より詳細には、
図6Aと
図6Bとを比較することによって分かるように、センサ部604は、単一の電極ユニット600を提供するためにクランプ部602に取り付けることができ(例えば、図示する実施形態の特定の場合において空洞618に保持する)、センサ部604は、センサ部604を分離して設けるためにクランプ部602から取り外すこともできる。センサ部604をクランプ部602から分離した場合、センサ部604の近接面614は、容量センサ素子606が接触モードで患者の心筋活動に関連する電界を感知できるようにし、ECGシステムのベース・ユニットに伝達される対応する信号をケーブル624の導体の1つまたは複数上に提供するために、患者の皮膚と接触するように配置することができる。
【0049】
電極ユニット600を電界感知接触モードで動作させるためにセンサ部604をクランプ部602から取り除くことは必須ではない。一部の実施形態において、電極ユニット600(クランプ部602とセンサ部604とを含む)は、センサ部604の近接面614が患者の皮膚に隣接するように配置することができる。例えば、
図6Bに示すように、空洞618(センサ部分604が保持される)は、その周辺端部の周りにリム618Aを備えるが、リム618Aは、センサ部604の近接面614が患者の皮膚に直接接触することを可能にする開口619を画定する。この構成により、容量センサ素子606は、センサ部604がクランプ部602に取り付けられている場合でも、電界感知接触モードで患者の心筋の電気的活動に関連する電界を感知する(および対応する信号をケーブル624上のECGベース・ユニットに提供する)ことができる。
【0050】
センサ部604および/またはクランプ部602は、センサ部604をクランプ部602に取り付けた状態で維持するための固定機構616を有してもよい。
図6A、6Bの実施形態において、センサ部604は、クランプ部602の空洞618内に受けられ、ばね付勢固定機構616がセンサ部604の末端面620の端部に(図示する実施形態の場合、半径方向内向きに)わたって延在する。ばね付勢固定機構616がセンサ部の末端面620の端部にわたって延在する場合、固定機構616は、空洞618内で(リム618Aに対して)センサ部604を保持し、それにより、センサ部604をクランプ部602に固定して取り付ける。センサ部604をクランプ部602から取り外すために、操作者は、固定機構616をばね付勢に対してスライドさせて(図示する実施形態の場合、半径方向外向きに)、センサ部604を空洞618から取り外すことができる。一部の実施形態は、複数のばね付勢固定機構616を有してもよい。一部の実施形態において、センサ部604は、異なる追加のまたは代替の固定機構を使用してクランプ部602に固定され得る。図示する実施形態において、センサ部604が空洞618内に配置されているとき、センサ部604に取り付けられたケーブル624がクランプ部602の空洞618の側壁に形成されたチャネル611を通過する。他の諸実施形態において、ケーブル624は、センサ部604がクランプ部602に取り付けられている場合に、異なるフィーチャを通過することができる。
【0051】
一部の実施形態において、電極ユニット600が電界感知接触モードで使用されている場合に、電極ユニット600(または電極ユニット600のセンサ部604)は、接着テープ、接着ステッカ、吸引機構または他の手段を使用して患者の皮膚に接着してもよい。例えば、両面接着ステッカまたはテープを、患者の皮膚と電極ユニット600(または電極ユニット600のセンサ部604)との間に貼って、電極ユニット600(または電極ユニット600のセンサ部604)を患者の皮膚に接着結合する。同様に、接着テープを、電極ユニット600の上面に貼り付けて、患者の皮膚に接触して電極ユニット600をテープ貼りし、電極ユニット600が電界感知接触モードで使用されることを可能にする。一部の実施形態において、電極ユニット600(または電極ユニット600のセンサ部604)は、吸引器(図示せず)に流体結合された吸着カップまたは吸着ホール(図示せず)を有してもよい。吸引器は、患者の皮膚上に吸着カップ/ホールを配置する前に押しつぶすことができる。吸着カップ/ホールを皮膚上に配置し、吸引器を開放して吸着カップ/ホールと皮膚との間に吸引接続を生じることにより、電極ユニット600(または電極ユニット600のセンサ部604)を患者の皮膚に対して保持する。一部の実施形態において、1片のテープをテープの最終部分を患者の皮膚から離して延ばして患者の皮膚に貼り付けてもよい。次に、テープの最終部分をセンサ部604の側面615に接着させることができる、またはテープの最終部分をクランプ610のアーム610A、610Bの間につかませて、患者の皮膚に対して電極ユニット600(または電極ユニット600のセンサ部604)を保持するのを助け、それにより、電界感知接触モードでの動作を促進することができる。
【0052】
上述したように電界感知非接触モードおよび電界感知接触モードで動作することに加えて、電極ユニット600は、電流感知モードでも動作する。さらに詳細には、クランプ部602とセンサ部604の少なくとも一方は、電極ユニット600が電流感知モードで動作することを可能にする抵抗センサ素子608(
図6B)に電気的に接続するための機構を有する。図示する実施形態において、電極ユニット600のセンサ部604は、抵抗センサ素子608上の相補スナップ機構626に接続するためのスナップ機構622を有する。図示する実施形態において、スナップ機構622は、センサ部604の末端面620上に配置される。他の実施形態において、スナップ機構622は、センサ部604および/またはクランプ部602の他の面(複数可)上に配置してもよい。スナップ機構622は、ケーブル624内の1以上の導体と電気的に接触するので、信号は、ケーブル624を介してECGシステムのベース・ユニットに伝達され得る。スナップ機構622と電気的に接触するケーブル624の導体は、容量センサ素子606と電気的に接触する同一のケーブル624の導体でよい(が同一のケーブル624の導体でなくてもよい)。
【0053】
図7Aに、各々が対応するスナップ機構626A、626B、626C(集合的に、また、個別に、スナップ機構626という)を有する異なる形状およびサイズの様々な抵抗センサ素子608A、608B、608C(集合的、また、個別に、抵抗センサ素子608という)を示す。現在の北米業界標準では、抵抗センサ素子のスナップ機構626はオスのスナップ機構626である。したがって、電極ユニット600のスナップ機構622は、抵抗センサ素子608のオスのスナップ機構626に嵌合するようなサイズおよび形状になったメスのスナップ機構を備え得る。スナップ機構622,626は、互いに相補するため、係合したときに、スナップ機構622、626の一方または両方にわずかな変形があり、それにより、その変形に関連する抵抗力がスナップ機構622、626を互いに固定させる傾向になる。
【0054】
使用において、抵抗センサ素子608は、スナップ機構622、626の接続により電極ユニット600に接続され、次いで、スナップ機構626に対向する抵抗センサ素子608の側が電流感知接触モードで動作するために患者の皮膚に接着される。一般的には、抵抗センサ素子608は、このために使用され得る接着性の「剥離紙をはがすと貼れる」種類のバッキングを有する。抵抗センサ素子608によって検出された心筋の電気的活動の信号は、スナップ機構622、626の間の接触により、ケーブル624およびECGシステムのベース・ユニットに伝達される。電流感知モードで動作している場合に、電極ユニット600のセンサ部604は、上記において説明したのと同様に、電極ユニット600のクランプ部602から取り外すことができる。しかし、これは必須ではなく、電極ユニット600は、センサ部604をクランプ部602に接続して、電流感知モードで動作してもよい。
【0055】
スナップ機構626を有する抵抗センサ素子608は、共通であるが、抵抗センサ素子の唯一の種類ではない。
図7Bは、患者の皮膚に接着され得る(例えば、剥離紙をはがすと貼れる種類の接着剤または適切な外部接着剤により)活性面632を有する別の種類の抵抗センサ素子630を示す。抵抗センサ素子603は、タブ634も有し、活性面632が患者の皮膚に接着されたときに、タブ634を患者の身体から離して曲げることができる(または他の方法で延ばすことができる)ようになる。マルチモード電極ユニット600は、抵抗センサ素子630により電流感知接触モードで機能することもできる。さらに詳細には、抵抗センサ素子のタブ634は、クランプ610のアーム610A,610Bの間に固定され得る。クランプ610の係合面の一方または両方には、電気的接点636A,636B(集合的、また、個別に、クランプ接点636という)を設けることができる。クランプ接点636は、電極ユニット600とケーブル624の導体とを通じて電流感知接触信号をECGシステムのベース・ユニットに伝送するために電気的に接続され得る。
【0056】
図示する実施形態の場合、クランプ接点636は、(例えば、クランプ610の一方または両方のアーム610A、610B内の適切なワイヤまたは他の導体を介して)電気接点638と電気的に接触する。電気接点638は、任意の適切な電気接点ピン、プレート、ソケット、シュー等を有することができる。図示する実施形態において、電気接点638は、空洞618の側壁上に配置される。センサ部604には、ケーブル624の導体の1つと電気的に接触する相補型電気接点(図示せず)を設けることができる。センサ部604における電気接点は、電気接点638と相補でよく、任意の適切な電気接点ピン、プレート、ソケット、シュー等を有することができる。一部の実施形態において、接点638およびセンサ部604内の接点の一方または両方は、ばね荷重式であってよい。センサ部604がクランプ部602に接続されている(例えば、センサ部604が図示する実施形態の
図6Aに示すように空洞618内に配置されている)場合に、センサ部604の電気接点シューは、クランプ部602の電気接点シュー638と電気的に接触するため、クランプ部602の電気接点シュー638とセンサ部604の電気接点シューとを通じてケーブル624の導体およびECGシステムのベース・ユニットとのクランプ接点636からの電気的接触を完了する。このようにして、電極ユニット600は、抵抗センサ素子630により電流感知接触モードで動作し、心臓活動の信号をECGシステムのベース・ユニットに伝達することができる。
【0057】
図6A、6Bの実施形態の電極ユニット600において、クランプ610は、2つの機能を果たす。上記のように、クランプ610は、電流感知素子630に取り付けるために使用することができるので、電極ユニット600は、電流感知モードで動作することができる。または、クランプ610は、電極ユニット600が電界感知非接触モードで動作される場合に、電極ユニット600を着衣に取り付けるために使用することができる。他の実施形態において、別個のクランピング構造をこのような機能の各々に設けることができる。
【0058】
図6Aおよび6Bの図示する実施形態において、センサ部604は、クランプ部602のアーム610A、610Bの間の場所においてクランプ部602に接続される。これは必須ではない。一部の実施形態において、センサ部604は、クランプ部602上の他の場所に接続され得る。非限定例として、センサ部604は、クランプ部602のアーム610A、610Bの一方の外側に、またはクランプ部602のアーム610A、610Bの一方の内側に接続され得る。すなわち、センサ部604が、アーム610A、610Bの間に配置されないようにされる。図示する実施形態において、センサ素子602は、全体的に断面が丸い。他の実施形態において、センサ素子602は、適合させた形状(すなわち、一方のその側壁615からの突起と空洞618の側壁内の対応する溝またはその逆)または何らかの他の断面形状を有することができる。これは、電気接点シュー638とセンサ部604上の相補電気接点シューとの間の整合を確実に行うのに役立つことができる。
【0059】
上記の
図6Aおよび6Bの説明において、抵抗センサ素子608、630からのおよび容量センサ素子606からの信号は、ケーブル624を介してECGシステムのベース・ユニットに伝達される。ケーブル624は、上記のケーブル106の1つを有することができる。ケーブル624は、対応するコネクタ108(例えば、
図4A参照)を使用してベース・ユニットに接続され得る。コネクタ108は、多導体(例えば、多ピン)コネクタを有することができる。このような導体/ピンは、制限なく、接地ピンと、(例えば、1つのピンがスナップ機構622に接続された、1つのピンがクランプ接点636に接続された、または1つのピンがスナップ機構622とクランプ接点636の両方に接続された)1つまたは複数の電流感知信号ピンと、(例えば、電界感知素子606に接続された)1つまたは複数の電界感知信号ピンとを有することができる。一部の実施形態において、電界感知素子606と、スナップ機構622およびクランプ接点636との両方からの信号は、コネクタ108の同じピンに接続することができる。ケーブル624およびコネクタ108は、電極ユニット600からの追加の情報を伝達するための追加のピンを有することができる。例えば、ケーブル624は、導体を有することができ、コネクタ108は、以下に説明するように、動作モードの電極ユニット600を決定するのを支援する近接センサ(複数可)からの信号のためのいくつかのピンを有することができる。
図4Dにおいて上述したように、電極ユニット600は、信号が電極組立品404からECGシステムのベース・ユニットに無線で伝達される電極組立品404の一部として提供され得る。このような実施形態において、ケーブル624は、電極組立品404の信号処理構成部品406への適切な電気接点とみなすことができる。
図4Dを参照のこと。
【0060】
ECGシステム100、200、300、400の電極ユニット104がマルチモード電極ユニット600によって提供される場合、ECGシステム100、200、300、400は、異なるモードで動作する電極ユニット600とともに動作してもよい。非限定例として、電極ユニット104A,104Bは、電界感知非接触モード(すなわち、着衣の上)、電界感知接触モード(すなわち、直接患者の皮膚に対して)および電流感知モードの任意の所望の組合せまたは順序の並び替えで動作することができる。同様に、コネクタ108に接続された電極ユニット104Cおよび任意の追加の電極ユニットの各々は、電界感知非接触モード、電界感知接触モードおよび電流感知モードのうちの任意の所望の1つで動作することができる。
【0061】
特定のECGシステム100、200、300、400内で異なる動作モードで電極ユニット104を動作すると、異なる振幅を有する対応する電気信号502を生じさせることができる(
図5A、5B参照)。例えば、電流感知モードで動作する電極ユニット104は、一般的には、電界感知モードで動作する電極ユニット104より桁違いに大きい信号502を提供する。同様に、電界感知接触モードで動作する電極ユニット104は、電界感知非接触モードで動作する電極ユニット104よりわずかに強い(例えば、10%〜50%)信号502を生じる。異なる振幅を有する信号502は、ECG誘導を決定する前の信号(または他の組合せ、もしくは異なる信号)を正規化するために(例えば、信号処理ハードウェア114によって)拡大・縮小等をすることができる。適切な倍率は、所定のパラメータ、ユーザ設定可能なパラメータ、システム構成可能なパラメータであるか、またはその場しのぎで決定することができる。一非限定例において、デジタル信号プロセッサ510(
図5A)は、各電極ユニット104からの各信号の振幅(例えば、最大および最小レベル)を決定するように、また、この情報を使用して、様々な電極からの信号を拡大・縮小し、少なくとも略同一の振幅を有するように信号を正規化するように構成され得る。別の一非限定例において、アナログ信号調整回路512(
図5B)内の増幅器または自動利得制御回路(AGC)は、異なるモードで動作する電極ユニットからの信号を正規化するために、適切な所定の倍率(複数可)により異なるモードで動作する電極ユニットからの信号を拡大・縮小してもよい。一部の実施形態において、拡大・縮小は非線形であってよい。
【0062】
一部の実施形態において、電極ユニット104の動作モードを決定するので、それらの対応する信号に適当な調整をしてからECG誘導(または他の組み合わせ、もしくは異なる信号)を生成することができることが望ましいことがある。例えば、1つの電極ユニット104が電界感知モードで動作され、別の電極ユニット104が電流感知モードで動作される場合、同じ桁を有するように信号を拡大・縮小することが望ましいことがある。
【0063】
図6Aおよび6Bに関して上述したように、一部実施形態において、電極ユニット600の異なる動作モードからの信号は、コネクタ108の異なるピンを通じてケーブル624の異なる導体上で伝達され、ECGシステムのベース・ユニットに伝達され得る。このようにして、ECGシステムは、その電極ユニット104の各々の動作モードを伝えることができ得る。一部の実施形態において、操作者は、さらに、または、あるいは、(例えば、ユーザ入力部132を介して)ECGシステムに情報を提供して、ECGシステムがどの電極ユニット104がどの動作モードで動作しているのかを決定することを可能にする。一部の実施形態において、各電極ユニット104からの信号の強度は、さらに、または、あるいは、各電極ユニット104の動作モードを決定するためにECGシステムによって使用され得る。例えば、特定の閾値を超える振幅を有する信号は、動作の電流感知モードを示すことができる。
【0064】
一部の実施形態において、1以上の追加のセンサ(図示せず)は、さらに、または、あるいは、動作のモードの決定を支援するために電極ユニット104に組み込むことができる。例えば、1以上の第1の近接センサは、抵抗センサ素子(例えば、スナップ機構622に接続された抵抗センサ素子608またはクランプ610のアーム610A、610Bの間に固定された抵抗センサ素子630)の存在を検出するために電極ユニット104内に配置され得る。1以上の第1の近接センサが抵抗センサ素子を検出した場合、ECGシステムは、電極ユニット104が電流感知モードで動作していると断定することができる。1以上の第2の近接センサを、患者の皮膚の近接を検出するために電極ユニット104内に配置することができる。1以上の第2の近接センサが、患者の皮膚がある一定の閾値距離内にあることを検出し、1以上の第1の近接センサが抵抗センサ素子を検出しなかった場合、ECGシステムは、電極ユニット104が電界接触モードで動作していると断定することができる。他方、1以上の第2の近接センサが、患者の皮膚が閾値距離の外側にあることを検出し、1以上の第1の近接センサが抵抗センサ素子を検出しなかった場合、電極ユニット104が電界非接触モードで動作しているとみなすことができる。一部の実施形態において、1以上の第2の近接センサは、電極ユニットのクランプ部の存在を検出するように構成することができ(以下により詳細に説明する)、クランプ部が十分に近接している場合に、電極ユニット104が電界感知非接触モードで、またはクランプ部が十分に遠く離れているとき電界感知接触モードで動作していると断定することができる。
【0065】
近接センサの使用は、電極ユニット104の動作モードを決定するためのただ1つのセンサに基づく技法を表すだけである。近接センサ以外のセンサが、さらに、または、あるいは、電極ユニット104の動作モードの決定を支援するために使用され得る。例えば、適切な電気接点センサ(例えば、マイクロスイッチ)等が抵抗センサ素子および/または着衣の存在を検出するために使用され得る。例えば、適切な近接センサ、マイクロスイッチ、電気接点センサ等が、クランプ610が閉じているかどうかを検出するのに使用され、抵抗センサ素子または着衣がクランプ610に保持されているかどうかを決定するために使用され得る。
【0066】
上述したように、電極ユニット600は、電極ユニット600が電界感知モードで動作することを可能にする容量センサ素子606を有する。
図8は、特定の一実施形態による
図6A、6Bの電極ユニット600に使用され得る容量センサ素子606の展開断面図である。容量センサ素子606は、
図6Bに示す近接面および末端面614、620に対応する近接面および末端面614、620を有する。容量センサ素子606の主センサは、局部電界に対して感受性がある動電型センサ650を有する。適切な動電型センサ650の一非限定例は、例えば、特許文献1に記載されている。適切な動電型センサ650の別の一非限定例は、英国のPlessey Semiconductors Ltd.から販売されているNo.PS25205Bという番号のセンサである。
【0067】
図8の実施形態の容量センサ素子606は、以下のいくつかの構成部品と層とを有する。
・動電型センサ650の電磁信号感度を増大させ、また、動電型センサ650の信号分解能を向上させるためにアンテナとして機能するアンテナ構成部品652。図示する実施形態のアンテナ構成部品652は、PCBコア654を有する。PCBコア654の内側において、アンテナ構成部品652は、(以下に説明する)動電型センサ650と直接電気的に接触する金属被覆の層(例えば、はんだめっき導体)656を有する。PCBコア654の外側において、アンテナ構成部品652は、金属被覆の層(たとえば、はんだめっき導体)658を有し、金属被覆の層658は、次いで薄い非導電性保護(例えば、はんだマスク)層660が被覆される。内側および外側金属被覆層656、658は、適切な場所に設けられる導電性バイア662によって互いに電気的に接続される。外側の金属被覆層658は、外側金属被覆層658をセンサ・ハウジング659から絶縁するためにその横方向端部658Aにおいて横方向に(例えば、1〜5mm)凹ませることができる。金属被覆層658(および、場合により金属被覆層656)は、動電型センサ650の感知面と電気的に接触するアンテナの放射素子として機能することができる。金属被覆層658および、場合により金属被覆層656(すなわち、アンテナ構成部品652の放射素子)は、動電型センサ650の感知面の表面積より大きい表面積を有することができる。一部の実施形態において、アンテナ構成部品652の外側周辺リムには、リム618A(
図6B参照)の厚さに対応するために、階段状の輪郭(例えば、
図8の左から右の寸法において厚さがより薄い外側周辺リム)を設けることができる。
・センサ位置決め層664が、アンテナ層652の内側に使用することができ、動電型センサ650の適正な配置および/または向きを確実にするために、図示する切欠き666を設けることができる。センサ位置決め層664は、適切な非導電性PCB材料またはエッチング除去された銅層を有する単層PCB基板を備えることができる。
・動電型センサ650を保持するセンサ保持層668。センサ保持層668は、センサ保持PCBを備えることができる。センサ保持層668は、動電型センサ650をはんだ付けするために適切なはんだ可能接点を提供し、下記の主PCB層672に適切な電気的接続を提供することができる。一部の実施形態において、センサ保持層668および主PCB層672は、センサ素子606が組み立てられたとき嵌合する相補型(例えば、オスとメスの)電気接点および/またはコネクタ構成部品(図示せず)を備えることができる。
・圧縮力を提供し、アンテナ層652の内側金属被覆層656と動電型センサ650との間に適正な電気接触を促進する絶縁層670。絶縁層670は、例えば、Ethafoam(商標)材料を備えることができる。(上述したように)絶縁層670は、センサ保持層668と主PCB層672との間の電気的接続を可能にする切欠き部(図示せず)を備えることができる。
・容量感知素子606の動作のために電子回路(例えば、増幅器、他の信号調整構成部品等)を収納する主PCB層672。主PCB層は、上記の
図6Aおよび6Bに関連して説明したケーブル624に電気的接点を提供することができる。
・末端面620として機能する末端構成部品674。末端構成部品674は、電気雑音遮蔽を提供することができる金属被覆層676を備えることができる。図示する実施形態において、金属被覆層676は、末端構成部品674の外側に設けられる。
・抵抗センサ素子608の相補スナップ機構626に接続するためのスナップ機構622。図示する実施形態において、スナップ機構622は、メスのスナップ機構を備えることができる。しかし、他の実施形態において、スナップ機構622は、オスのスナップ機構を備え得る。上述したように、スナップ機構622はケーブル624内の導体に電気的に接続され得る。スナップ機構622は、金属被覆層676の適切なエッチングまたは他の何らかの適切な絶縁技法により、金属被覆層676から電気的に絶縁され得る。
【0068】
特定の実施形態によるECGシステム(例えば、システム100、200、300、400)は、周囲電気雑音の影響を低減するための機構を含むことができる。より詳細には、特定の実施形態によるECGシステムは、接地ストラップ(図示せず)または右脚電極(図示せず)の一方または両方を有することができる。このような接地ストラップまたは右脚電極は、受信された電気的心臓活動信号に対する周囲電気雑音の衝撃を低減するために、上記の電極ユニット104において実施される接地技法に加えて、および/または信号処理構成部品によって提供されるフィルタリング技法に加えて、使用することができる。周囲雑音源によっては(例えば、60Hzまたは50Hzのいずれかであり得る電力線ハム)、ECGシステムの信号処理回路を使用することによって効果的にフィルタリングするには余りに強すぎることがある。したがって、一部の実施形態において、接地ストラップまたは右脚電極の一方または両方を、後続の信号処理のために信号対雑音比を増大させるのに使用することができる。
【0069】
接地ストラップは、患者の安全のために電流の流れを制限しながら、ベース・ユニット102の電源(例えば、電池(図示せず))の負側を患者の皮膚につなげるために設けることができる。このような接地ストラップは、電子技術研究所および/または電子機器製作施設で使用される接地ストラップに類似であってもよく、患者の皮膚に触れるように身に着けて、周囲電気雑音の除去(例えば、電極ユニット104に関連する増幅器の共通モードの除去)に有効であることがある。
【0070】
右脚駆動(RLD)電極を、同相雑音を補償するために周囲電気雑音と同じ振幅の「反転した」極性の雑音を患者の皮膚に投入するのに実施することができる。RLD回路は、皮膚に投入した雑音信号が安全性限界を超えることを防止するために反転増幅器と、フィルタと、安全制限抵抗器とを備えることができる。このRLD電極は、反転した周囲雑音をシステムに投入するために皮膚に触れても触れなくてもよい。DSPは、少なくとも部分的に周囲雑音を除去し、それによって、信号対雑音比を増大させるために、RLD電極からの反転した周囲雑音信号を使用することができる。RLD電極は、上記の電極ユニット600に類似した物理的特性を備えることができ、患者の着衣等に取り付けるためにクランプ部602に類似したクランプ部を備えることができる。
【0071】
一部の実施形態において、ECGシステム100、200、300、400(
図4A〜4D)は、使用し運ぶのに好都合である携帯可能なおよび軽量のシステムである。例えば、これらは、手で持ち運べるくらい小型なので、患者の家または他の何らかの場所であり得る患者の現在の場所に容易に運ぶことができる。一部の実施形態において、ECGシステム100、200、300、400は、携帯用バッグまたはポケット内に納まる程度に小さくなるように設計することができる。
【0072】
いくつかの例示的な態様および実施形態について上記において説明したが、当業者であれば、若干の修正、順序の並び替え、追加およびそれらの部分的組合せについて考え得るであろう。例えば、
・
図6Aおよび6Bの図示する実施形態において、ケーブル624は、センサ部604に永久に取り付けられているものとして示されている。これは必須ではない。一部の実施形態において、ケーブル624は、クランプ部602に取り付け、センサ部604の出力部(例えば、感知された信号)は、クランプ部602とセンサ部604との間の適切な電気接点(複数可)によってケーブル624に接続することができる。一部の実施形態において、抵抗センサ素子との接続部(例えば、スナップ機構622および/またはクランプ接点636)は、センサ部604を必要とすることなく、クランプ部602を通ることができる。
・一部の実施形態において、電極ユニット600のクランプ部602は、耐菌性材料(例えば、適切なプラスチック等)から製作することができる。
・一部の実施形態において、ECGシステム100、200、300、400は、ディスプレイ120上に心臓形図形を表示し、ECGデータにより心臓形図形がECGデータで検出された実際の心筋活動を模倣していると解釈するように構成することができる。
・一部の実施形態において、マルチモード電極ユニット600(または本明細書において説明されたマルチモード電極ユニット600の任意の変形)は、例えば、従来の電極ユニットに代わりに、先行技術のECGシステムに接続することができる。このようにして接続された場合、先行技術のECGシステムによって使用可能な形式の電極ユニット600から出力信号を送るために適切なアダプタを使用することができる。
・一部の実施形態において、本明細書において説明された様々な電極ユニットに関連するケーブル(例えば、ケーブル106、ケーブル624)は、引き込み可能にすることができ、例えば、ベース・ユニット内または電極ユニットのハウジング内に収納することができる。
・一部の実施形態において、容量センサ素子606(
図6A,6B参照)を有する電極ユニットを、血圧計カフに組み込み、電界感知接触または電界感知非接触モードで心筋の電気的活動を感知するために血圧計カフを介して患者の身体に取り付けることができる。
【0073】
したがって、特許請求の範囲は、例において記載された実施形態によって限定されないが、全体として説明に合った最も広い解釈を与えることを意図している。