【実施例】
【0110】
以下で説明する実施例は、例示のみを目的として示され、本発明の主題の何らかの制限
を構成するものとして解釈されるべきではない。
【0111】
実施例0−市販型ITOセラミック
直径5cmでIn
1.9Sn
0.1O
3組成を有し、50gに等しい重量の円形ITO
標的(セラミック)(
図2A)を調製するために、以下で詳述する実験プロトコルに従っ
た。
【0112】
ステップ1) 05.600FRITSCH器具で「ボールミル粉砕」という周知の技
術を用いて47.3173gのIn
2O
3および2.6827gのSnO
2を混合した。
この目的で、上述の粉末混合物を、各々直径8mmの瑪瑙玉50個が入った
図34にある
2つの瑪瑙磨砕用ボウルのうちの1つに入れた。30mlのエタノールを添加した。図中
に示されているような瑪瑙蓋でこれを覆った。その後、図中で示されているように250
rpmで3時間、「ボールミル粉砕」を実施した。エタノール中でこのように混合した粉
末を次にビーカー内に入れ、空気中にて8時間110℃で加熱することにより粉末を乾燥
させた。
【0113】
ステップ2) 粉末を、内径60mmの円筒形ステンレス鋼金型の中に入れ、これを1
0分間25トン/cm
2でプレス加工した。かくして圧密した標的を得た。
【0114】
ステップ3) アルミナ担体に圧密済み標的を穏やかに(非常に脆いため)搬送し、標
的を伴う担体を、1300℃の温度に達するまで画像の左側に示されたマッフル炉の中で
一時間あたり300℃の速度で加熱し、1300℃の温度を12時間保った。次に一時間
あたり300℃の速度でそれを冷却した。その後、スパッタリングに使用できる所望のI
TOセラミック(
図2A)を得た。
【0115】
実施例1−光電子デバイス用の透明かつ金属製の電極を調製するためのITZO標的
本発明の第1の好ましい実施形態に従うと、無機基本材料がインジウムが+3という平
均酸化度にある酸化物In
2O
3またはスズドープされたIn
2O
3(一般にITOとし
て知られている)である場合、ドーパントは有利には、亜鉛またはマグネシウムの酸化度
が+2である、すなわちインジウムの+3という酸化度よりも低いものである酸化亜鉛ま
たは酸化マグネシウム(たとえそれが何らかの利点を有するとしても亜鉛またはマグネシ
ウムハロゲン化物またはオキシハロゲン化物よりも好ましい)であってよい。
【0116】
酸化インジウムのモル比に比べたドーパントのモル比が0.06という低いものである
場合でさえ、上述の方法に従った1100℃(理想的には1300℃)より高い温度で単
に加熱することによって(これは空気中加熱であってよい)かつ前駆物質系を前記無機セ
ラミック材料に転換させるのに充分な持続時間前記アセンブリをこの温度で保持した場合
に、スパッタリング用の標的または標的要素として使用できるほどに充分高密度であるセ
ラミックが得られる。
【0117】
その上、これらのセラミックは、(工業規模に適合された)DCモードのスパッタリン
グが有利に使用され得るように充分に高い電気伝導率を有する。かくして、これらの標的
からのDC(またはRF)スパッタリングにより、市販のITOセラミックのもの以上の
光電子特性をもつフィルムが得られる。
【0118】
実施例1’−光電子デバイス用の透明かつ金属製の電極を調製するためのITZO縮退半
導体
ITZO標的、つまりこの実施例では、直径5cmでIn
1.805Sn
0.095Z
n
0.10O
3の組成をもち50gに等しい重量の円形標的を調製するために、以下で詳
述する実験プロトコルに準じて3つの連続するステップに従った。
【0119】
ステップ1)では、「ボールミル粉砕」という周知の技術を用いて、45.8881g
のIn
2O
3、2.6217gのSnO
2および1.4902gのZnOを混合した。こ
の目的で、上述の粉末混合物を、各々直径8mmの瑪瑙玉50個が入った
図34にある2
つの瑪瑙磨砕用ボウルのうちの1つに入れた。30mlのエタノールを添加した。
図34
中に示されているような瑪瑙蓋でこれを覆った。その後、図中で示されているように25
0rpmで3時間、「ボールミル粉砕」を実施した。エタノール中でこのように混合した
粉末を次にビーカー内に入れ、空気中にて8時間110℃で加熱することにより粉末を乾
燥させた。
【0120】
ステップ2)では、次に、直径3cmのステンレス鋼のシリンダを用いて手でプレスす
ることにより、直径75mmの平底アルミナコンテナ内に粉末を入れた(
図1D)。
【0121】
ステップ3)では、1300℃の温度に達するまで画像の左側に提示されたマッフル炉
の中で一時間あたり300℃の速度でコンテナを加熱し、1300℃の温度を12時間保
った。次に1時間あたり300℃の速度でそれを冷却した。その後、スパッタリングに使
用できる所望のセラミック(
図1E)を得た。
【0122】
ステップ3で得られたセラミックの密度は、水銀ポロシメータ(AutoPore I
V9500)で測定された場合、理論的密度の91%であった。有利には非常に低く、I
TOセラミックのものよりも低いものであるその電気抵抗率は、
図4に例示されている。
【0123】
これらの特に有利な特徴は、本発明のITZOセラミックが有利にはDCスパッタリン
グにおいて工業的に使用可能であることを裏付けている。
【0124】
実施例2−電気化学デバイス(マイクロジェネレータ、エレクトロクロミックデバイス)
用電極の調製のための標的
本発明の第2の好ましい実施形態に従うと、無機基本材料がチタンが+4という平均酸
化度にある酸化物Li
4Ti
5O
12である場合、ドーパントは有利には、亜鉛またはマ
グネシウムの酸化度が+2であり、ニッケルの酸化度が+2または+3、つまりチタンの
+4より低いものである、酸化亜鉛ZnOまたは酸化マグネシウムMgOまたは遷移金属
酸化物例えばNiOまたはNi
2O
3であり得る。酸化インジウムのものと比べたドーパ
ントのモル比が0.06という低いものである場合でさえ、上述の方法に従って1100
℃(理想的には1300℃)を超える温度での単なる加熱(これは空気中の加熱であって
よい)により、スパッタリング用標的または標的要素として使用できるほど充分に高密度
なセラミックが得られる。かくして、これらの標的のRFスパッタリングにより、マイク
ロジェネレータ(リチウム電池)またはエレクトロクロミックデバイス用の電極として有
利に使用できるフィルムを得ることが可能である。
【0125】
実施例2’−マイクロジェネレータおよびエレクトロクロミックデバイス用の電極を調製
するためにZnでドープされたLi
4Ti
5O
12ベースの標的
出発生成物が炭酸リチウム、二酸化チタンおよび一酸化亜鉛または一酸化マグネシウム
であったという点を除いて、ITZOのために使用した実験プロトコルを使用した。
【0126】
かくして、ZnドープされたLi
4Ti
5O
12をベースとする標的、つまりこの実施
例では直径5cmでLi
4Ti
4.70Zn
0.30O
11.7という組成を有し50g
に等しい重量を有する円形標的を調製するために、以下で詳述する実験プロトコルに準じ
て3つの連続するステップに従った。
【0127】
ステップ1)では、「ボールミル粉砕」という周知の技術を用いて、16.07gのL
i
2CO
3(6.50gのLi
2Oに対応する)、40.85gのTiO
2および2.6
5gのZnOを混合した。この目的で、上述の粉末混合物を、各々直径8mmの瑪瑙玉5
0個が入った
図34にある2つの瑪瑙磨砕用ボウルのうちの1つに入れた。30mlのエ
タノールを添加した。
図34中に示されているような瑪瑙蓋でこれを覆った。その後、2
50rpmで3時間、「ボールミル粉砕」を実施した。エタノール中でこのように混合し
た粉末を次にビーカー内に入れ、空気中にて8時間110℃で加熱することにより粉末を
乾燥させた。
【0128】
ステップ2)では、次に、直径3cmのステンレス鋼のシリンダを用いて手でプレスす
ることにより、直径75mmの平底アルミナコンテナ内に粉末を入れた。
【0129】
ステップ3)では、1300℃の温度に達するまで画像の左側に提示されたマッフル炉
の中で1時間あたり300℃の速度でコンテナを加熱し、1300℃の温度を12時間保
った。次に1時間あたり300℃の速度でそれを冷却した。その後、スパッタリングに使
用できる所望のセラミック(
図1E)を得た。
【0130】
ステップ3で得られたセラミックの密度は、水銀ポロシメータ(AutoPore I
V 9500)で測定された場合、理論的密度の93%であった。その電気抵抗率は高く
、約10
7Ω・cmであり、セラミックの絶縁性を裏づけていた。従ってセラミックは、
RFスパッタリングにおいて工業的に使用されなくてはならない。
【0131】
実施された試験は、本発明が、300℃を超える融点をもつ無機材料から成るスパッタ
リング用のセラミック型の標的要素を調製するための単純で高速かつ廉価な方法を提供す
ることを実証している。かかる方法は、セラミックまたは焼結技術における特殊な能力を
有していない人によって実施され得るものであり、それは、特に大きい表面積の標的を容
易に生産できるようにする標的または標的要素の生産を容易に導く。
【0132】
事業者はホットプレス加工によってITOといったような標的を調製する。標的が高価
である理由の1つはここにある。従って、本発明に従って調製された製品(セラミック)
は、例えば(開示中に記述されている)酸化インジウム中またはITO中のZnOといっ
たような元素の添加による「加速された焼結」がセラミックの電気伝導率を実質的に増大
させる(2mol%のZnOでドーピングされた場合、セラミックITOの伝導率はほぼ
倍増する)という事実に起因して、比較的廉価であると同時に新規であるように見える。
これは、驚くべきことに、結晶粒間の浸透が改善され、巨視的伝導率を損う粒界の問題が
さらに回避されるように思われることをその理由としている。
図2Aおよび2BからのS
EM写真は、粒界を伴う工業用ITOセラミックおよび、亜鉛でドープされた本発明のI
TOセラミックを示している。
【0133】
実施例3−実施例1’で使用されたものと類似の実験条件下で調製される、In
1.86
2Sn
0.098Zn
0.04O
3組成のセラミック
In
1.862Sn
0.098Zn
0.04O
3組成のセラミックは以下のとおり調製
される。
【0134】
ステップ1)、「ボールミル粉砕」という周知の技術を用いて、46.7410gのI
n
2O
3、2.6704gのSnO
2および0.5886gのZnOを混合した(
図34
参照);この目的で、上述の粉末混合物を、各々直径8mmの瑪瑙玉50個が入った
図3
4にある2つの瑪瑙磨砕用ボウルのうちの1つに入れた。30mlのエタノールを添加し
た。図中に示されているような瑪瑙蓋でこれを覆った。その後、図中で示されているよう
に250rpmで3時間、「ボールミル粉砕」を実施した。エタノール中でこのように混
合した粉末を次にビーカー内に入れ、空気中にて8時間110℃で加熱することにより粉
末を乾燥させた。
【0135】
ステップ2)、次に、直径3cmのステンレス鋼のシリンダを用いて手でプレスするこ
とにより、直径75mmの平底アルミナコンテナ内に粉末を入れた(
図1D)。
【0136】
ステップ3)、1300℃の温度に達するまで画像の左側に提示されたマッフル炉の中
で1時間あたり300℃の速度でコンテナを加熱し、1300℃の温度を12時間保った
。その後1時間あたり300℃の速度でそれを冷却した。かくして、スパッタリング用標
的としては使用できない上述の低密度セラミックが得られた。
【0137】
このようにして得られたIn
1.862Sn
0.098Zn
0.04O
3のセラミック
は、上述の技術により測定された場合、スパッタリング用標的として使用する可能性に対
応する70%という限界よりも著しく低い理論的密度の40%にしか相当しない2.76
g/cm
3の密度を有する。
【0138】
このセラミックの伝導率は、上述の技術により測定した場合、1cmあたり50ジーメ
ンスにすぎない。従ってこれは、In
1.805Sn
0.095Zn
0.10O
3の伝導
率の6分の1である。
【0139】
実施例4−ガラスおよびPET基板上にスパッタリングによって被着されるフィルムの応
用のために調製された、In
1.812Sn
0.080Zn
0.098O
3−δ組成のセ
ラミック
In
1.812Sn
0.080Zn
0.098O
3−δ組成のセラミックは以下のよう
に調製される。
【0140】
ステップ1)「ボールミル粉砕」という周知の技術を用いて、[In
2O
3:Sn
0.
10]:Zn
0.10セラミックの最適化された組成に従った適切な量のIn
2O
3、S
nO
2およびZnO粉末50gを混合した。この目的で、上述の粉末混合物を、各々直径
8mmの瑪瑙玉50個が入った2つの瑪瑙磨砕用ボウルのうちの1つに入れた。30ml
のエタノールを添加した。図中に示されているような瑪瑙蓋でこれを覆った。その後、図
34中で示されているように250rpmで3時間、「ボールミル粉砕」を実施した。エ
タノール中でこのように混合した粉末を次にビーカー内に入れ、空気中にて6時間110
℃で加熱することにより粉末を乾燥させた。
【0141】
ステップ2)直径82.56mmの平底アルミナコンテナ内で手により粉末をプレスし
た(
図15A)。
【0142】
ステップ3)1300℃の温度に達するまでマッフル炉の中で1時間あたり300℃の
速度でコンテナを加熱し、1300℃の温度を12時間保った。次に1時間あたり300
℃の速度でそれを冷却した。かくして、92%前後の相対的密度を有するセラミックを得
た。焼結および研磨ステップの後、50mmの最終直径をもつセラミックを得た。
【0143】
PET基板上でのスパッタリングにより被着されたITZOフィルムは、市販型のIT
Oフィルムよりも高い光電子性能を有していた。光学特性に関しては、ITZOフィルム
は、高い可視透明度(ガラス基板上に被着されたフィルムについては86%超そしてPE
T基板上に被着されたフィルムについては80%超)を有していた。これらのフィルムの
抵抗率は、同じ基板上に被着された市販型のITOフィルムの抵抗率に比べて低いもので
あった(ガラス上に被着されたフィルムについては4.4×10
−4Ω・m前後、そして
PET上に被着されたフィルムについてはおよそ4.7×10
−4Ω・m)。
【0144】
構造の特徴づけ
実施された特徴づけは、特に、Sn
4+およびZn
2+(ITZO)でのIn
2O
3の
同時ドーピングが、新規のきわめて高密度かつ高伝導率のITZOセラミックを調製でき
るようにする固溶体を形成させる、ということを示している。かくして、特に亜鉛での同
時ドーピングによって、極めて高密度のセラミック標的およびDCおよびRFスパッタリ
ングの両方のタイプに適した大きな伝導性表面積を調製することが可能となるということ
が立証されている。かかる標的の合成は、かくして、低温および高温の(高価な)プレス
加工手順を使用することなく適切なコンテナ内に入れられた粉末混合物の直接的焼結によ
って首尾よく実施できた。次に、ガラスおよびプラスチック基板上に被着されたITZO
薄膜フィルムが、最適化された組成をもつセラミック標的を用いて大気温度で被着された
。フィルムの光電子特性に対するスパッタリング条件の影響も同様に立証された。
【0145】
セラミックの調製−ITZOセラミックを調製するためには、In
2O
3(99.99
%、アルドリッチ(Aldrich)、SnO
2(99.9%、アルドリッチ)およびZ
nO(99.9%、アルドリッチ)粉末を使用した。瑪瑙玉およびエタノールの入った瑪
瑙ボウル内で30分間ボールミル粉砕することにより、選択された酸化物を適量、粉砕し
た。その後、110℃で6時間アルコールを蒸発させた。乾燥の後、粉末を瑪瑙の乳鉢の
中で磨砕し、16mmの直径をもつアルミナで作った円筒形のるつぼにそれを充填し、そ
の後手でプレスした。るつぼに充填した混合粉末を最終的に空気中1300℃で12時間
焼結させた。得られた顆粒の寸法を、デジタルノギスで測定し、化学天秤を用いて顆粒を
秤量し、これらの測定値により、顆粒の見かけ密度を推定することが可能となった。
【0146】
化学組成と見かけ密度−文献[11、28、31〜35]によると、合成条件に応じて
In
2O
3中で約6〜10mol%まで変動するSn
4+量について最良の伝導率結果が
得られた。当該セラミック中のSn
4+含有量は、10mol%に設定され、初期Zn
2
+含有量は同時ドープされたセラミック中で0〜10mol%まで変動した。明瞭さを期
して、ITO中のZnのドーピングの影響を強調する簡略化された試料同定が採用された
(表I)。
【0147】
表Iに報告されたEPMA結果は、焼結後のセラミックの最終的組成と公称出発組成と
の間に優れた一致が存在することを示している。公称組成In
2O
3:Zn
0.02(I
ZO)をもつセラミックの最終的組成中のZn含有量は、約1.4mol%に達する。こ
の値は、In
2O
3中ZnOの報告された溶解度限界(約1〜2mol%)と一貫性をも
つという点に留意すべきである[24、36]。約0.5〜1mol%(約0.27〜0
.54wt%に対応する)で変動するSnO
2のわずかな損失が同様に2つのITZOお
よびITOセラミックについても観察される(表I)。
【0148】
表Iは、(ITZO)セラミック[In
2O
3:Sn
0.10];Zn
y、0≦y≦0
.10についてのセラミック化学組成および見かけ密度を提示している。報告された見か
け密度は、顆粒の寸法および重量を測定することによって推定された。顆粒は、アルミナ
るつぼの中で粉末混合物を手でプレスすることにより調製されるということに留意すべき
である。In
2O
3:Znについてのデータは、単に比較を目的として示されている。δ
/2は、Znでのドーピングにより作り出された中性酸素空孔を示し、δ/2の値はZn
含有量と共に変動する。
【0149】
【表1】
【0150】
これらの結果は、ITOおよびITZOセラミックについて得られた熱重量分析(TG
A)によって確認されている(
図11)。わずかな重量損失([In
2O
3:Sn
0.1
0]:Zn
0.10について0.28wt%そしてIn
2O
3:Sn
0.10について0
.35wt%)がSnの離脱に対応する340℃と800℃の間で観察されている。さら
に、水(吸着水およびヒドロキシ基)の放出に結びつけられる重量損失(約0.6重量%
)が大気温度と約340℃との間で見られる。最後に、820℃より高い温度について見
られるわずかな重量損失は、酸素の部分的離脱に原因があるかもしれない。ただし、主と
してITOについて、恐らくは部分的再酸化に起因して、セラミックの冷却中にわずかな
重量増加が観察される(
図11)。
【0151】
公称組成がIn
2O
3:Zn
0.0.2であるIZOセラミック(表I)は、低い密度
すなわち約3.03g/cm
3の密度を有する。これはIn
2O
3の理論的密度のわずか
42%に対応する。このことは、In
2O
3中のZnの溶解度限界に対応するIZO中の
Znの濃度が、問題の方法で顆粒が調製される(手でプレスされる)場合に高い緻密化を
誘発するのに充分でない、ということを表わしている[36]。ただし、ITZOセラミ
ックについては、Zn濃度が4〜10mol%まで増加した場合に見かけ密度が2.52
から6.57g/cm
3まで増大する(理論的密度の92%に到達する)ことが判明した
[37]。表Iおよび
図12から、最高密度は、ほぼ同量のZnおよびSn(10mol
%前後)で同時ドープされたセラミックについて観察される。密度の改善は(AZTOセ
ラミックについて起こるように[38])置換位置におけるZn
2+の存在と相関関係づ
けされなくてはならず、これが、以下の式に従った中性酸素空孔(δ/2)の形成を導い
ている。
【数1】
【0152】
具体的には、AZTOについて観察された通り、中性酸素空孔は、セラミックの緻密化
の結果としての結晶粒界における質量移動を促進する。ただし、置換位置におけるZn
2
+の存在は、「x−y」に等しい化学式の単位あたりの正味電荷濃度の結果もたらされる
[化学式(a)に従った]Sn
4+でのドーピングにより生成される自由担体を補償する
。
【0153】
構造的特徴づけ一酸化インジウムは、空間群Ia3を伴う80原子の単位セル(In
3
2O
48)および10.117Åに等しい格子パラメータを有する(c型希土類酸化物構
造としても知られている)ビクスビアイト立体構造を有する[39]。この構造は、アニ
オンの4分の1を除去しイオンの小さな変化を可能にすることによってホタル石(CaF
2)に関連づけされる構造から誘導され得る[40]。インジウムカチオンは、「b」お
よび「d」と呼ばれる2つの非等価6重位置(sextuple position)に
ある。(
図13)。部位bカチオン(8)は、立方体の対角線に沿って2つの構造的空孔
により結合される。部位dカチオン(24)は、1つの面の対角線に沿って2つの構造的
空孔により結合されている。これらの構造的空孔(16)は実際には自由格子間酸素位置
であることに留意すべきである。
【0154】
ITO(In
2O
3:Sn)−1300℃でアニールされたIn
2O
3およびITO(
公称組成In
2O
3:Sn
0.10)についてのX線回折パターンは
図14に示されてい
る。ITOについては、ITOのビクスビアイト型構造に特徴的であるピークに加えてル
チルSnO
2に対応する超低強度の複数のピークが見受けられる(JCPDS89−45
96基準ダイアグラム)。最高強度のITOピークと最高強度のSnO
2ピークとの間の
比率は1/約0.03である。これは、エノキ(Enoki)ら[35、36]により実
証されてきた通り、1300℃におけるIn
2O
3(6mol%)中のSnO
2の溶解度
限界に起因している。さらに、In
2O
3に比較したITO粉末についてのピークの半値
全幅(FWHM)の顕著な減少(JCPDS71−2194基準ダイアグラム)が観察さ
れ、これは、ドープされたIn
2O
3についての結晶化度の改善を表わしている。例えば
、最も強いピークであるピーク(222)を考慮すると、半値全幅はIn
2O
3について
の0.278からITOについての0.083まで減少するということが判明する。結晶
化度のこの改善は、スズ(Sn)でドープされたIn
2O
3についての担体濃度の増加に
関係しているように思われる。ATOについても、以前に類似の観察事実が報告されてき
た。最後に、純粋なIn
2O
3に比べて小さい角度に向かってITOの主要な回折ピーク
にわずかな変化が認められ(
図14)、これには、In
2O
3についての10.117Å
からITOについての10.123Åまでの単位セルパラメータのわずかな増加が考慮さ
れている。この挙動は、Sn
4+がIn
3+(0.80Å)より小さいイオン半径(0.
69Å)を有することを理由として、Sn
4+によるIn
3+の一部分の置換を考慮した
場合、予想されないものである[41]。かくして、セルパラメータの増加を、伝導帯内
の高い電子担体濃度および/または格子間位置内のカチオンの存在に関係づけすることが
できた。
【0155】
ITZO(In
2O
3:Sn:Zn)−1300℃において焼結された(GDTに従っ
てアニールされた)ITZO粉末についてのX線回折パターン(
図5)は、それらがきわ
めて良く結晶化されていることおよびITOのビクスビアイト構造を採り入れていること
を示している。Zn含有量が最高10mol%まで増大した時点で構造ZnOxまたはZ
n
kIn
2O
3+kに対応するいかなる補足的ピークも見られない。それでも、ITO構
造のものと共に観察されたSnO
2構造に特徴的なわずかなピークは、y=6mol%と
いう値までのZn含有量の増大に伴って漸進的に消滅するということが判明する。このこ
とは、In
2O
3中でZnおよびSnが同時ドープされる場合のその両方についての溶解
度の増加を裏づけている[25、36]。具体的には、溶解度の増加は、1つのZn
2+
と1つのSn
4+による2つのIn
3+の等価置換に原因がある。Zn含有量の増加の間
に、FWHMのわずかな増加も見られる。この変化は、(後で示す通り)Znの増加に伴
う担体濃度の減少に起因する可能性がひじょうに高い。最後に、Zn含有量と共に増大す
るより高い角度に向かっての回折の主要ピークの変位が認められ(
図6)、これがセルパ
ラメータ「a」の減少を誘発する(表II)。この変化は、以上の化学式(a)内ですで
に示唆された通りZn含有量と共に増加する置換位置内のZn
2+の存在に原因があると
すべきものである。事実、配位された(6回)Zn
2+は、In
3+(0.08Å)のも
のよりも小さいイオン半径(0.74Å)を有する[41]。
【0156】
表IIは、焼結されたITZO粉末についてのZn含有量に伴うセルパラメータの変化
を提示している。ITOセルパラメータは、基準として付加されている。
【0157】
【表2】
【0158】
Zn含有量に伴うセラミックの表面形態の変化は、SEM顕微鏡写真(
図7A〜D)の
中で提示されている。セラミック中のZn含有量が増加した場合、結晶粒浸透は増大し、
多孔率が減少するということが発見された。このことは、Zn含有量に伴う密度の漸進的
増大(表Iおよび
図12を参照のこと)を裏づけている。10mol%の公称Zn含有量
をもつセラミックについて最高の密度(約6.57)が観察され([In
2O
3:Sn
0
.10]:Zn
0.10)、これはほぼ完全な結晶粒浸透を有している(
図7A〜D)。
実際には、ZnおよびSnでのIn
2O
3の同時ドーピングは、粒界への質量移動を可能
にする
【数2】
に従った中性酸素空孔(δ/2)の存在、ひいては結晶粒浸透を導き、セラミック密度の
増大を結果としてもたらす[37]。
【0159】
電気的測定−In
2O
3は、高いドーピングレベルのための広い半導体エネルギー帯ま
たは半金属「ギャップ」(≒3.5eV)さえ伴う、非化学量論的n型半導体またはさら
には半金属である。かかる伝導率の原因は、荷電酸素空孔(Vo)および/またはSn
4
+によるドーピングにある。フアン(Fan)およびグッドイナフ(Goodenoug
h)[11]は、伝導帯の底部が基本的にIn:5s状態で構成され、価電子帯の上部が
0:2p状態で構成されていることを示す1つのモデルを開発した(
図8)。
【0160】
ITZOセラミックは、ITOのものと比べて低い電気抵抗率を示す(
図9)。それは
、Zn含有量と共に漸進的に減少し、公称10mol%のZnを含有するセラミックにつ
いてその最小に到達する(約1.7×10
−3Ω・cm)これは一部には、先に報告され
たセラミック密度の差に起因する(表I)。具体的には、最低の抵抗率は、最高の密度を
有するセラミックについて観察される。1つの最高の抵抗率(複数の最高の抵抗率)をも
つ3つのセラミックについて、恐らくは低い移動度を誘発するこれらのセラミックについ
て見られる低い密度と関連づけすることのできる半導体挙動も観察される。セラミックの
電荷担体濃度が、(ICMCBの「電子輸送測定」を用いて)低温度において実施された
ゼーベック測定から推定された(
図10)。まず第1に、SがV/K単位で測定されたゼ
ーベック係数であるものとして、
【数3】
という等式を用いて勾配(
図10)から伝導帯と|E
F−E
C|の間のフェルミエネルギ
ーレベルとの間のエネルギー差を推定した。その後、Nが電荷担体濃度であり、m
*が電
子の有効質量であるものとして(m
*が0.4m
eに等しいという仮定がなされた[42
])、
【数4】
という縮退半導体についての等式を用いて、電荷担体濃度を推定することができる。ゼー
ベックおよび抵抗率測定から推定された電気的データは全て、表IIIに列挙されている
。まず最初に、電荷濃度は、セラミック内のZnの量と共に減少する。これは、XRD(
X線回折)パターンのさまざまなピークのより高い角度に向かっての変位により確認され
る、In
2O
3構造中のZn
2+によるIn
3+の置換の増大によって説明がつく(
図6
)。しかしながら、電荷移動度の高い増加は、Zn含有量が増大した時点でみられる。移
動度の増加は、結晶粒の浸透(
図7A〜D)、ひいてはセラミック密度の大幅な増加に対
応する[36、37]。かくして半導体挙動を有するセラミックについて低い移動度が得
られ(
図9)、一方金属挙動を有するセラミックについては高い移動度(少なくとも10
倍高い)が観察される(
図9)。
【0161】
表IIIは、ITOセラミックおよびさまざまなITZOセラミックについてのE
F−
E
C、移動度、電荷濃度および抵抗率の値を提示している。電荷濃度は、ゼーベック係数
測定を用いて推定された。
【0162】
【表3】
【0163】
EPMA結果および電気的測定を用いて、ITOおよびITZOセラミックのための正
確な最終化学式を計算することが可能である。ITOセラミックの場合には、xが電荷担
体濃度から演繹され(表III)、化学式の単位あたり約0.04に等しいことがわかっ
ているものとして
【数5】
という化学式に従って伝導帯内で自由電子担体を生成するIn
2O
3格子内のSn
4+に
よるIn
3+の置換のみが存在する。かくして、ITOについては通常、以下の化学式が
記されるべきである:
【数6】
【0164】
ただし、化学式(c)は、EPMAを用いて決定されたもの、すなわちさらに精確なも
のである:In
1.91Sn
0.09O
3とは異なっている。実際、量0.09Snは、
3つの部分に分割されるという点が喚起される。すなわち、(i)1つの部分は、XRD
(X線回折)分析により先に示されている通りの付加的なルチルSnO
2相を形成するこ
とになる、(ii)もう1つの部分はIn
3+に置換して化学式(c)に従って伝導帯内
に自由電子を生成する、そして(iii)残りのSnは、構造的無秩序が優勢である場合
に、粒界において分離する確率が極めて高い。
【0165】
ITZOについては、Sn
4+およびZn
2+の両方が、
【数7】
という化学式(a)に従ってIn
2O
3中でIn
3+と置換する。ITZOセラミックに
ついての計算されたパラメータ(x、yおよびδ)および対応する最終的化学式は表IV
に列挙されている。
【0166】
表IVは、ゼーベック測定によって判定された電荷濃度およびEPMA結果を用いて計
算されたITZOについてのパラメータおよび最終的化学式を提示している。
【0167】
【表4】
【0168】
結論−高温または低温プレス加工手順を用いることなく、ITO、IZOおよびITZ
Oセラミックの顆粒を調製した。これらは、単にアルミナで作られた円筒形るつぼ中で軽
くプレスした(手でプレスした)粉末を混合しその後1300℃で焼結することにより得
られた。気相堆積方法における工業的応用のために用いることのできる大規模標的を調製
可能であるというのがその構想であった。
【0169】
IZOセラミックの最終的組成が、約1.4mol%というZn含有量を有し、これは
In
2O
3中の溶解度限界に対応している、ということが発見された。得られたIZOセ
ラミックの密度は、In
2O
3の理論的密度(7.16g/cm
3)に比べて低いもので
ある(約3.03g/cm
3)。ITOセラミックについては、出発混合物とセラミック
の最終的組成との間の良好な一致が、極めてわずかなSn
4+損失(約1mol%)で観
察されており、その密度は低いものである(理論的密度の35%)。ITZOについては
、セラミックの最終的組成は同様に、その出発混合物と良好な一致を示し、Sn
4+の損
失は同じく非常に低いものである(約0.5〜1mol%まで)。しかしながら、調製さ
れたITZOセラミックの密度は、粒界への質量移動を促進しこのようにして結晶粒間の
浸透を容易にする中性酸素空孔の増加に起因して、Zn含有量が増大した場合に漸進的に
増大する。最高の密度(理論的密度の約92%)は、公称組成[In
2O
3:Sn
0.1
0]:Zn
0.10を有するセラミックについて観察される。
【0170】
文献[35]と良好な一致を示して、In
2O
3中のSnO
2の溶解度は、X線回折パ
ターン上で示された通り、約6mol%に達した。しかしながら、SnとZnの溶解度は
、それらがIn
2O
3中のInに同時置換する場合に増大するということが判明している
。具体的には、このことは、X線回折パターン分析によって示された。Zn含有量が6m
ol%以上であるセラミックについては、SnまたはZn酸化物相に対応する付加的なピ
ークが観察されなかった。その上、より高い角度に向かってのX線回折パターンからのピ
ークの小さな変化には、Zn
2+による一部のIn
3+の置換に起因するセルパラメータ
の減少が考慮されている。
【0171】
より有利には、ITZOセラミックの電気抵抗率は、より高い密度およびより低い多孔
率ひいてはより高い移動度に起因してITO同族体のものよりも低い。最も低い抵抗率(
約1.7×10
−3Ω・cm)は、公称組成[In
2O
3:Sn
0.10]:Zn
0.1
0を有するものについて見られた。結論としては、軽くプレスされた混合ITZO粉末の
単なる焼結を用いることにより、スパッタリングに適したきわめて高密度で高伝導率のセ
ラミックが首尾よく調製された。公称組成[In
2O
3:Sn
0.10]:Zn
0.10
が初期粉末混合物すなわち、
[(In
2O
3O
3)
0.95+(SnO
2)
0.1]
0.95+(ZnO)
0.
10
に対応することが喚起される。この混合物は、スパッタリング技術を介して薄膜を被着す
るのに適したセラミック標的を調製するために使用される。
【0172】
薄膜−RFスパッタリング被着技術を用いてITZO薄膜を被着させた。以前にATO
およびAZTO薄膜の被着のために使用したスパッタリング機(レイボールド(Leyb
old)L560)を使用した。この作業は、「Centre de Ressourc
es Couches Minces de l’ICMCB」(ICMCBの薄膜資源
センタ)所属のJ.P.マノー(Manaud)と共同で実施された。
【0173】
標的の調製−直径50mmのITZOセラミック標的を、最適化されたセラミック組成
を用いて調製した。瑪瑙玉とエタノールの入った瑪瑙ボウル内で3時間ボールを用いて適
切な量のIn
2O
3、SnO
2およびZnO粉末の50gバッチを粉砕した。その後、エ
タノールを蒸発させた後で、粉末を瑪瑙鉢棒内で磨砕、次に、直径82.56mmのアル
ミナで作られた円筒形るつぼに粉末を充填した(
図15A〜Dを参照のこと)。
【0174】
るつぼの中の粉末混合物を(手で)軽くプレスし、その後12時間空気中にて1300
℃で焼結させた。このとき、約0.92の相対密度をもつITZOセラミック標的を得た
。熱処理の後の標的の直径は約52.5mmであり、これは、緻密化プロセスに起因する
直径の約36.4%の収縮に対応する、ということが判明した。研磨の後、50mmの最
終直径をもつ標的が得られた。
【0175】
最適化されたスパッタリングパラメータ−すでに調製された標的を用いて、ターボポン
プ(レイホールドL560)の備わったスパッタリングチャンバ内でのRFマグネトロン
スパッタリングによりITZO薄膜フィルムを被着させた。フィルムを被着させた後、残
留気体の圧力は5〜9×10
−5Pa前後であった。各々の被着プロセスの前に、標的の
表面を洗浄する目的で20分間系統的に予備スパッタリングを実施した。フィルムの被着
は、基板を加熱することなく大気温度で実施された。これらのフィルムは、さまざまな被
着時間にわたり、ガラス製またはPET(ポリエチレンテレフタレート)製の基板上に被
着させた。被着のためのRF出力密度は0.5から2.5W/cm
2まで変動させた。こ
れは、酸素分圧が0から2%までの間で変動する状態で、アルゴン(99.999%)と
酸素(99.99%)との混合物の下で1Paに設定された合計気体圧力で実施された。
【0176】
優れた光電子特性をもつフィルムを得る目的で、スパッタリング条件がまず最適化され
た。その後、被着速度、ITZO薄膜の光学および電気特性に対する出力密度(P)およ
び酸素分圧(p
O2)の影響が研究された[43]。低エネルギーのスパッタリングされ
た粒子(PET基板に適している)を得るために、標的から基板までの距離(d
t−s)
は7cmに設定された。これは、0.5W/cm
2の低いスパッタリング出力密度を有す
るスパッタリングチャンバ内にプラズマを維持できるようにする最大の距離である。
【0177】
被着速度に対するスパッタリングパラメータの影響−被着速度の判定は、通常の通り、
ガラス基板上に或る一定の期間フィルムを被着させその後表面形状測定装置を用いてフィ
ルムの厚みを測定することによって、実施された。
図17に従うと、0.5から2.5W
/cm
2までほぼ線形的に出力密度を増大させることにより、被着速度は4.3から37
.2nm/分まで増大する。具体的には、出力密度が高くなるほど高いプラズマ密度と標
的に向かっての運動量の移動が誘発される。しかしながら、本研究の主たる目的は、プラ
スチック基板上にITZOフィルムを被着させることにあることから、より高い出力密度
を超えないことが選択される。
【0178】
予想通り、出力密度と異なり、被着速度はプラズマ中の酸素量の増加と共に減少する(
図18)。これは、粒子が基板に到達する確率の低下を導くより低い平均自由行程を有す
る混合プラズマ内に存在する分子イオンの性質、またはプラズマの性質に応じて変動し被
着速度に影響を及ぼしうる標的の極限表面の組成のいずれかに関連づけすることができる
。
【0179】
光学特性に対するスパッタリングパラメータの影響−
図19は、出力密度の関数として
の200nmから2500nmまでの間の透過率の変化を示す。最高の可視透明度(約8
6%)は、0.5W/cm
2の出力密度でガラス基板上に被着させられた薄膜について得
られる。しかしながら、最低の透明度(約71%)は、最高のスパッタリング出力密度(
2.5W/cm
2)で被着させられた試料について観察される。これは、高い出力密度で
は、「バックスパッタリング」現象が発生して、フィルム内の構造的欠陥をひき起こすか
もしれず、これらの欠陥は、フィルムの透明度の低減を導く正孔サブバンドエネルギー状
態を導入するからである。
【0180】
禁止帯の光エネルギー(E
g)は、プロットされた曲線の線形部分(
図20)をゼロ吸
収に補外することによって決定された。被着させられたITZOフィルムのE
gは、まず
、出力密度が0.5から1.5W/cm
2まで増大する場合に約3.88から約3.57
eVまで減少する(
図20)。1.5W/cm
2より大きい出力密度については、E
gの
増大が観察される。この変化は、以下で示す通り、担体濃度の変化(バースタイン・モス
(Burstein−Moss)効果[44、45])の変化に関係づけられる。
【0181】
透過に対する酸素分圧(p
O2)の影響は、可視範囲内で最高の透明度を与える最低の
出力密度(0.5W/cm
2)下で調製された薄膜について研究された。p
O2=0.1
%で被着させられたフィルム(
図21の挿入部分)について褐色の低い可視透明度(約7
7%)が観察された。しかしながら、0.1%よりも大きい酸素分圧p
O2で被着させら
れたフィルムについては、0.2%から1%までの間の酸素分圧について約88.5から
約89.5%までの範囲内の高い透明度が得られ、フィルムはほぼ無色である。
【0182】
E
gは、スパッタリングチャンバ内の酸素分圧が0.1%から1%まで変化した場合、
約3.89eVから約3.66eV前後まで減少する(
図22)。酸素分圧の増加は、酸
素空孔(δ)の減少に有利に作用し、(後に化学式(d)内で見られるように)担体濃度
の減少を導く。
【0183】
電気的特性に対するスパッタリングパラメータの影響−表Vは、出力密度の関数として
担体濃度、移動度および抵抗率の変化を表わしている。ITZO薄膜の抵抗率は、0.5
W/cm
2から1.5W/cm
2まで出力密度が増大した場合、約4.6×10
−4Ω・
cmから約5.1×10
−3Ω・cmまで漸進的に増大し(
図23)、その後より高い出
力密度について減少する。これは、抵抗率が担体濃度に反比例するからである。しかしな
がら、予想される通り、移動度の変化は、たとえ移動度が抵抗率に対しわずかにしか寄与
しないにせよ、担体濃度と逆の傾向を示す。最低の抵抗率は、0.5W/cm
2という出
力密度について得られるという点に留意すべきである。
【0184】
表Vは、さまざまな出力密度で被着させられたさまざまなITZO薄膜についての担体
濃度(ホール測定より判定)、移動度および抵抗率を提示する。
【0185】
【表5】
【0186】
抵抗率の変化を、0.5W/cm
2の出力密度で被着されたITZO薄膜について酸素
分圧の関数として監視した。
【0187】
さまざまな酸素分圧についての担体濃度、移動度および抵抗率の値は表VIに記載され
ている。最低の抵抗率(約4.4×10
−4Ω・cm)は、p
O2=0.2%で被着され
たフィルムについて得られている(
図24)。より低いp
O2(0.1%)で被着された
フィルムについては、担体濃度は、低い透明度(
図21)、および最高のE
g(
図22)
を説明する最高の値(表VI)に対応する。それでも、移動度は、p
O2=0.2%で被
着されたフィルムのものよりも低く(表VI)、これにより、抵抗率がより高いこと
の説明がつく。0.2%より大きいp
O2で被着されたフィルムについては、担体濃度は
p
O2と共に低下する。その上、移動度も又、p
O2と共に減少し、これは、以下に実証
される非晶質構造内の酸素の挿入により誘発される構造的無秩序に起因する可能性がある
。その結果、フィルムの抵抗率は、それが高いp
O2(1%)で被着させられた場合に劇
的に増大する(約1.7×10
−1Ω・cm)。
【0188】
表VIは、さまざまな酸素分圧で被着されたさまざまなITZO薄膜についての、ホー
ル測定により判定された担体濃度、計算上の移動度および測定された抵抗率を提示する。
【0189】
【表6】
【0190】
構造および形態に対するスパッタリングパラメータの影響−X線ディフラクトグラムの
変化(
図25)は、0.5W/cm
2で被着させられたフィルムがX線に対し非晶質の構
造を有することを示しており、これは、基板の表面に到達する低エネルギーの粒子のせい
である。その上、RF出力密度が増大するにつれて(1および1.5W/cm
2)、より
高いエネルギーの粒子が基板に到達し、かくしてより優れた結晶化度を導く。しかしなが
ら、1.5W/cm
2よりも大きい出力密度については、フィルムの結晶化度は出力密度
と共に漸進的に減少し、ピークの拡幅が見られる。より高い出力密度に付随する無秩序は
、恐らくは、被着したフィルム内に構造的欠陥を誘発する「バックスパッタリング」現象
に起因するものである。Zn
2+イオンは、
【数8】
という化学式で示されているように、2つのタイプの部位(置換型または格子間)を占有
し得る。
【0191】
高い担体濃度を有するために、格子間位置(Z)にZn
2+を有する方が良い。
【0192】
結晶構造の中で、Zn
2+は好ましくは、エネルギーを最小限におさえ立体効果を削減
する目的で置換位置を占有し、一方、無秩序化された(非晶質)構造の場合、割込みを作
り出すのが有利になる。さらに、パーク(Park)ら[24]は、In
2O
3の構造中
の格子間位置におけるZnの存在が、セルパラメータの増大を導くということを示した。
このような特徴を伴って得られたITO薄膜のピークの位置を比較すると、より低い角度
に向かっての変化がつねに観察され、これは、セルパラメータの増大を表わしている。こ
の変化は、(1.5W/cm
2の出力に対応する)より良く結晶化された化合物の場合に
最小となる。かくして、より高い担体濃度の結果としてもたらされる無秩序化構造内には
より高い割合の割込みが存在すると予想することができる。さまざまな出力密度で準備さ
れたSEM(走査型電子顕微鏡)写真は、
図26A〜Cに提示されている。低い出力密度
(0.5W/cm
2)で被着されたフィルムは、高密度で平滑である[
図26A]。しか
しながら、出力密度が増大した時点で、
図26Aの形状から
図26Cの形状への連続的形
態変化が見られる。
図26Cでは、結晶粒の存在が、約130nmの結晶粒サイズで表面
において明らかに目に見えている。その上、バックスパッタリング現象に対応し得る(暗
灰色の)ゾーンが目に見える。
【0193】
原子力顕微鏡(AFM)技術を用いて表面粗度も研究した(
図27A〜C)。0.5W
/cm
2で被着させられたITZOフィルムは、SEM結果と良好に一致する非常に平滑
な表面を明らかにした。しかしながら、表面粗度は、フィルムの結晶化に起因して出力密
度と共に改善された。実際、より高い被着出力については、バックスパッタリング現象に
起因して、Raの顕著な増加が見出された(表VII)。
【0194】
表VIIは、出力密度に伴う平均表面粗度の変化を提示する。
【0195】
【表7】
【0196】
最適化されたスパッタリングパラメータ−薄膜に対するスパッタリングパラメータの影
響に関連する先行する結果から以下の結論を下すことができる:
i)最低の抵抗率は、最高の透明度に加えて、0.5W/cm
2の出力密度(P)で被着
させられた薄膜について観察された;
ii)最高の透明度は、p
O2>0.1%で被着させられたフィルムについて観察された
;そして、
iii)最低の抵抗率は、p
O2=0.2%で被着させられたフィルムについて得られた
。
【0197】
従って、高い透明度および最低の抵抗率を結果としてもたらすITZO薄膜のための最
適化されたスパッタリング条件は、以下の通りである:
P=0.5W/cm
2、p
tot=1Pa、p
O2=0.2%、およびd
t−s=7cm
。
【0198】
具体的には、これらのスパッタリングパラメータは、Zn
2+が好ましくは格子間位置
を占め、かくして担体濃度を改善している、X線に対して非晶質である構造をもつフィル
ムを結果としてもたらす。
【0199】
最適な条件に従って調製されたITZO薄膜−ガラス(ITZO−ガラス)またはプラ
スチック(ITZO−PET)製の基板上にITZO薄膜を被着させるために、最適化さ
れたスパッタリング条件を使用した。次に薄膜の組成、構造、粗度と同様にその光学的お
よび電気的特性も徹底的に研究した。
【0200】
組成−通常通り、薄膜の組成を判定するためには、EPMA(電子プローブ微量分析)
を使用した。ガラスまたはプラスチック基板上に最適化されたスパッタリング条件下で被
着させられたITZO薄膜の組成と同様に、被着用のセラミック標的の組成も表VIII
に示されている。ガラスまたはプラスチック基板上に被着したフィルムの最終的組成は同
じである。しかしながら、セラミック標的の組成に比べSnおよびZnのわずかな損失が
存在する。この差異は、標的中に存在するさまざまな種の異なるスパッタリング収量に起
因する可能性がある[43]
【0201】
表VIIIは、EPMA技術によって判定されたITZOセラミックおよび薄膜の組成
物を提示している。
【0202】
【表8】
【0203】
形態と構造−
図28Aおよび28Bは、ITZO−PETフィルムがITZO−ガラス
フィルム(R
a=0.24nm)よりも高い表面粗度(R
a=1.46nm)を有してい
ることを示している。これは、初期プラスチック基板の表面のより高い粗度に起因してい
る。
【0204】
ITZO−ガラスおよびITZO−PETという2つのフィルムは、X線に対し非晶質
である構造を示す(
図29)。先に示されているように、これは低い出力密度(0.5W
/cm
2)で発生するフィルムの被着に起因している。観察されたピークは、プラスチッ
ク基板(PET)に特徴的なものである。
【0205】
光学特性−ガラスおよびプラスチック基板上に被着させられたITZOフィルムについ
ての波長に伴う透過率の変化は、それぞれ
図30および31に示されている。
【0206】
ITZO−ガラス(
図30の挿入部分)については、高い透明度(約88.5%)が、
約260nmの厚みをもつフィルムについて観察されており、これはガラス(ITO−ガ
ラス)上に被着した市販のITOについて得られた値に近い。しかしながら、予想した通
り、透明度は、フィルムの厚みが約500nmまで増大した時点でほとんど低下しなかっ
た(約3%)。ITZO−PETフィルム(260nmの厚み)の場合には(
図31の挿
入部分)、透明度は、PET上に被着した市販のITOについて見られたものと同程度の
ものである。約82%および約80%の透明度は、約260nmおよび約480nmの厚
みをそれぞれ有するITZO−PETフィルムについて得られる。具体的には、透明度の
値は、フィルムの透明度を明らかに制限しているプラスチック基板(PET)の透明度(
約83%)に関してきわめて高いものであると考えられている。
【0207】
ITZOガラスとITZO−PET薄膜の両方について高いIR反射率が得られた(図
32)。これは、ガラス上に被着したフィルムについては約79%に達し、一方、プラス
チック基板上に被着したフィルムについては約87%が達成されている。これは、(後で
(表IX)上で示すように)高い担体濃度、ひいては
【数9】
に従ってより高いIR反射率を導く、
【数10】
に従ったより高いプラズマ周波数(ω
p)に起因している。ITZOフィルムは、担体移
動度の高い値に起因して、市販のITOフィルムよりも高いIR範囲内の反射率をつねに
有している(表IX)。
【0208】
電気的特性−同じ厚みをもつITZO−ガラスフィルムよりもITZO−PETフィル
ムについて高い担体濃度が存在する(表IX)にもかかわらず、ITZO−PETフィル
ムの抵抗率はかろうじて高いものでしかない(表IXおよび
図33)。同じ傾向は、シー
ト抵抗についても見られた。この挙動は、ITZO−PET薄膜についてのより低い担体
移動度に起因する。
【0209】
表IXは、さまざまな厚みのITZO−PETおよびITZO−ガラスについての担体
濃度、移動度および抵抗率を提示している。市販のITO薄膜(ITO−PETおよびI
TO−ガラス)についてのデータは、比較を目的として示されている。
【0210】
【表9】
【0211】
表IXは同様に、非加熱ガラス上および/またはプラスチック基板上に被着させられた
ITZOフィルム(260nm)についての抵抗率が、充分に結晶化されたフィルムを結
果としてもたらす温度である約200℃でガラス基板(ITO−ガラス)上に被着させら
れた市販のITO薄膜について観察されたものに近いということも示している。ITZO
フィルムの担体濃度は、ITOガラスフィルムのものよりも低いが、これらは、より高い
移動度を有する(表IX)。より有利なことに、ITZO−PET薄膜は、大気温度で類
似の要領で被着された市販のITO−PET薄膜よりも低い抵抗率ひいては低いシート抵
抗を発揮する。これは、より高い担体濃度、そして主としてITZO−PETフィルム内
で発生するより高い担体移動度によって説明がつくかもしれない[43]。
【0212】
結論:最適化されたITZOセラミック標的から被着されたITZO薄膜を、RFマグ
ネトロンスパッタリングにより調製した。より有利には、PET重合体基板上に被着させ
られたITZOフィルムは、その市販の同族体に比べて大きい光電子性能を有している。
その非晶質性のため、Zn
2+は、格子間位置にあって担体濃度ひいては伝導率の増加を
導くことができる。結晶質ITZOフィルムの中では、Zn
2+は置換位置にあって、伝
導率の削減を導く。この挙動は、結晶化度が増加した場合に伝導率が増大するITOにつ
いて観察された挙動と異なるものである。この研究は、プラスチック基板上のこのような
薄膜の利点を示している。
【0213】
高い光電子性能をもつための最適化されたスパッタリングパラメータは、以下の通りで
ある:
P=0.5W/cm
2、p
O2=0.2%、p
tot=1Pa、およびd
t−s=
7cm。
【0214】
ガラスおよびプラスチック基板の両方について得られた非晶質フィルムは、同じ化学組
成を有し、これらは、標的の組成とうまく一致している。標的内に存在するさまざまな元
素の異なるスパッタリング収率に起因してフィルム内ではSnおよびZnのわずかな損失
も観察された。薄膜の形態は、非常に平滑な表面を伴う高密度のものである。
【0215】
光学的特性に関しては、ITZO薄膜は、高い可視透明度を発揮した。これはITZO
−ガラスについては86%以上、ITZO−PETについては80%以上である。これら
の値は、市販のITOフィルムについて観察された透過率値に近いものである。その高い
担体移動度のため、ガラスまたはプラスチック基板上に被着させられたITZOフィルム
の抵抗率は、市販のITOガラスについて観察されたものと同じ位低いものである。最低
の抵抗率値は、ITZO−ガラスについて約4.4×10
−4Ω・cmに達し、一方IT
ZO−PETについては約4.7×10
−4Ω・cmに達した。有利にも、ITZO薄膜
は、ITZO−PETフィルムのより高い担体濃度そして主としてより高い担体移動度に
起因して、市販のITO−PET薄膜に比べ低い抵抗率ひいては低いシート抵抗を有する
。その上、ITZOフィルムのIR反射率は、ITZO中で発生するより高い担体移動度
に起因して市販のITOフィルムについて観察されるものよりもつねに高いものである。
【0216】
プラスチック基板(ITZO−PET)上に被着させられたITZO薄膜はその市販の
ITO同族体(ITO−PET)よりも高い性能を有することから、これらは、可撓性E
CD(エレクトロクロミックデバイス)、OLED、可撓性太陽電池などといった重合体
ベースの光電子デバイスの優れた候補である。
【0217】
本方法およびかくして得られたセラミックの特別な利点−本方法は、高密度(90%以
上、好ましくは91%前後)のセラミックを得ることを可能にする。従ってこれらのセラ
ミックは、有利には、DCスパッタリング(In
1.805Sn
0.095Zn
0.10
O
3組成のITZOといったような伝導性セラミックの場合)、またはRFスパッタリン
グ(Li
4Ti
4.70Zn
0.30O
11.7組成のZnドープされたLi
4Ti
5O
12といったような絶縁性セラミックの場合)のための標的として、工業的規模で(当然
のことながら実験室内でも)使用することができる。この方法は、これまで工業用または
実験室用セラミックを生産するために用いられてきた(1cm
2あたりおよそ1トンの)
大気温度でのプレス加工または「高温プレス加工」のステップがここでは回避されている
という意味で、1つの非常に重要な利点を有する。従ってこの方法では、調製時間(少な
くとも3分の1)ひいては人件費に関して有意な利得が存在する。
【0218】
この方法によると、維持がむずかしく高価である工業用の高温プレス加工設備の必要性
がここではもはやなくなるため、設備コストに関して有意な財務利益も存在する。同じこ
とは、大気温度プレス加工設備についてもあてはまる。さらに、ここで提案されているセ
ラミックは、工業用セラミックよりもわずかに密度が低い(工業用セラミックは往々にし
て理論的密度に非常に近い、すなわち95%以上である)が、90%前後さらにはわずか
に高いものであるその密度は、以上で強調されてきたように、スパッタリング用の標的と
して使用できる条件を十分に満たすものである。
【0219】
さらに、本発明の伝導性セラミックの場合、同様に報告されているように密度がわずか
に低いにもかかわらず、電気伝導率は有利にも非常に高いものにとどまっている。
【0220】
さらに、上述のITZOセラミックの伝導率は、一般に用いられるITOセラミックの
ものよりもわずかに大きいものであることが実証されてきた。
【0221】
ITZOセラミックの電気抵抗率に関しては、驚くべきことに、これらのセラミックが
ITOのものと比べて低い電気抵抗率を有することが発見された。それは、Zn含有量と
共に漸進的に低下し、公称10mol%のZnを含有するセラミックについてその最小値
に達する。これは一部には、セラミックの密度の差異に起因するものである。最高の密度
をもつセラミックについては最低の抵抗率が見られた。電荷濃度はセラミック内のZn含
有量と共に減少する。これは、In
2O
3構造内のZn
2+によるIn
3+の置換の増大
によって説明がつく。
【0222】
電荷移動度に関しては、驚くべきことに、移動度の有意な増加は、結晶粒浸透の高い増
加に結びつけられるということが発見された。半導体挙動をもつセラミックについて低い
移動度が得られ、一方、金属挙動をもつセラミックについては高い移動度が観察される。
【0223】
最高の密度(理論的密度の93%前後)は、公称組成[In
2O
3:Sn
0.10]:
Zn
0.10をもつセラミックについて観察される。
【0224】
驚くべきことに、ITZOセラミック抵抗率は、より高い密度およびより低い多孔率そ
してより大きな移動度に起因して、ITOのものよりも低い。
【0225】
1300℃で焼結された(GDTに従ってアニールされた)ITZO粉末についてのX
線回折パターン(
図5)は、それらが非常にうまく結晶化されていることそしてそれらが
ITOのビクスビアイト構造をとっていることを示している。Zn含有量が10mol%
の濃度まで増大した時点で、ZnO
xまたはZn
kIn
2O
3+k構造に対応するいかな
る補足的ピークも観察されなかった。
【0226】
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【0227】
特定の実施を用いて本発明について記述してきたが、当然のことながら、前記実施に対し、いくつかの変更および修正を導入することができ、本発明は、一般に本発明の原理に従い、本発明が属する活動分野において公知になるか、または慣習的となるであろう当該記述のあらゆる変形形態を内含する、本発明の修正、利用または適合化を網羅することを目的としている。
(1) 好ましくは300℃を超える高い融点をもつ、粉末の形をした無機基本材料(前記粉末は好ましくは10ナノメートル〜50マイクロメートルのd
50によって、より好ましくは、20ナノメートル〜30マイクロメートルのd
50によって特徴づけされる粒度を有する)からセラミックを調製するための方法において、
− (好ましくは粉体形態の)前記無機基本材料の粉末と、同じく粉末形態で無機基本材料のためのドーパントとして作用する第2の無機構成要素とを混合するステップであって、前記ドーパントが単一の無機材料または前記無機基本材料に対するドーパント効果をもつ少なくとも2つの無機材料の混合物により構成されているステップと、
− 好ましくは800℃超でありより好ましくはさらに1000℃超である高温で実施される焼結ステップと、
を含み、前記粉末の混合物の前記調製中に粉末に対し及ぼされる力が5kg/cm
2以下、好ましくは1kg/m
2未満であることを特徴とする方法。
(2) 前記形成されたセラミックは、
(I) E
αkO
β2−が前記基本材料であり、かつ
− x’がαより小さく(好ましくは0.1α以上である)置換度を表わし、βが2β=αkまたはβ=αk/2となるような実数を表わし、
− Eが元素周期表のI族からVIII族までの少なくとも1つの金属、例えばFe、Cu、Ca、W、Mo、Ti、Cr、SnおよびInであり、記号kが前記化学式に従って計算されたEの平均酸化度を表わし、記号mが、Eに部分置換する元素Jの平均酸化度を表わし、mはkより小さく、
− α、kおよびβが、αk−2β=0となるような好ましくは1〜20の間の正の数であり、mおよびx’はx’<αおよびm<kとなるような正の整数を表わすものとして、
E
α−x’kJ
x’mO
β−x’(K−m)/22−□
x’(k−m)/2、
(II) M
x−x’qJ
x’mT
ynO
z−x’(q−m)/22−□
x’(q−m)/2または
(III) M
xqT
ynO
z2−が前記基本材料を表わし、
− x’が置換度を表わし、前記化学式(II)中ではxより小さく(好ましくは0.1x以上であり)、
− x’は前記化学式(III)中でyより小さく(好ましくは0.1y以上であり)、MおよびTは周期表の少なくとも2つの異なる金属、例えば、MについてはLi、Na、K、Ag、CuおよびTi、そしてTについてはNi、Co、W、Mn、Cr、Fa、VおよびTiを表わし、
− 前記空孔レベルは、M
x−x’qJ
x’mT
ynO
z−x’(q−m)/22−□
x’(q−m)/2についてはx’(q−m)/2に等しく、M
xqT
y−x’nJ
x’mO
z−x’(n−m)/22−□
x’(n−m)/2についてはx’(n−m)/2に等しく、
− x、y、q、nおよびzは、qx+ny=2zという等式を満たす好ましくは1以上20以下の正の整数であり、
− qは、Mの酸化度であり、
− zは、示されている通り2z=qx+nyとなるような実数であり、
− nはTの平均酸化度であり、
− mは、前記ドーパントJの平均酸化度であり、化学式(II)においてはq未満、化学式(III)においてはn未満であり、
− MおよびTがそれぞれ、元素周期表のI族からVIII族までの少なくとも1つの金属、例えばFe、Cu、Co、W、Mo、Ti、Cr、SnおよびInであるものとして、
M
xqT
y−x’nJ
x’mO
z−x’(n−m)/22−□
x’(n−m)/2、
という化学式(I)、(II)または(III)のうちの1つによってかまたは焼結後の前記ドープされた材料を表わすこれらの化学式の混合によって表わされ、ここで前記アニオン空孔が□という記号で表わされている、(1)に記載の方法。
(3) 前記無機ドーパントが、前記無機基本材料を構成する1つまたは複数のカチオンよりも低い酸化度を有する1つまたは複数のカチオンを含有する、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 前記ドーパントのモル比が、前記無機基本構成要素のモル比と比べて、0.001〜0.4の間で変動し、好ましくは0.01〜0.1の間にある、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の方法。
(5) − 第1ステップにおいては、少なくとも1つのドーパントでドープされた前記無機基本材料の混合物を、全く圧密されていないかまたは好ましくは5kg/cm
2未満の圧力の作用下で、より好ましくはさらに1kg/m
2未満の力の作用下できわめてわずかに圧密されている粉末の形で、1100℃を上回る、好ましくは1300℃を上回る温度に対する耐性をもつコンテナ内に入れ、
− 第2の焼結および/またはアニーリングステップにおいては、先行するステップで調製された前記コンテナを、好ましくは1〜100時間の間、より好ましくはさらに12時間前後の間、雰囲気においてそしてより好ましくは有利にはアルゴンで構成されている不活性雰囲気下で、前記標的要素の構成材料の前記融点(この温度は好ましくは800℃超、1700℃未満である)より低い高温にする、
(1)〜(4)のいずれか一項に記載の方法。
(6) 前記コンテナが、好ましくは最高1600℃までの高温に対する耐性をもち、好ましくはアルミナで構成されたるつぼまたは金型からなる、(5)に記載の方法。
(7) 前記焼結ステップによって、スパッタリング用の標的または標的要素として使用することができるようにするため充分に高密度のセラミックが導き出される、(6)に記載の方法。
(8) 前記無機基本材料が、酸化物、酸塩化物および/またはオキシフッ化物および/または酸硫化物といったようなオキシハロゲン化物、およびこれらのうちの少なくとも2つの混合物からなる群から選択されている、(1)〜(7)のいずれか一項に記載の方法。
(9) 前記酸化物がTiO
2、SnO
2、In
2O
3、Li
4Ti
5O
12、MoO
3、WO
3、Cr
2O
3、Fe
2O
3、xを0.1〜2の間の値、好ましくは1に等しいものとしてLixNiO
2、xを1〜2の間の値、好ましくは1に等しいものとしてLixCrO
2.5、LiFeO
2、およびこれらのうちの少なくとも2つの混合物からなる群から選択されている、(8)に記載の方法。
(10) 前記ドーパントJが、周期表のI族からVIII族までの少なくとも1つの金属で、前記基本材料の元素/カチオンのうちの1つの酸化度よりも低い酸化度mを有する、すなわち、E
αkO
β2−についてはm<kであり、M
xqT
ynO
z2−についてはm<qおよび/またはm<nである、(1)〜(9)のいずれか一項に記載の方法。
(11) 前記対(無機基本材料、前記無機材料内に前記空孔を作り出すドーパント)が、
− Nb
5+、Ta
5+、V
5+、Ti
4+、Sn
4+、Mn
4+、Mg
2+、Zn
2+、Ni
3+、Ni
2+、Cu
2+、Co
3+、Co
2+、Fe
3+、Cr
3+およびMn
3+、からなる群から選択された少なくとも1つのドーパントカチオンと組合せた状態での前記基本材料のカチオンとしてのW
6+と、
− Nb
5+、Ta
5+、V
5+、Ti
4+、Sn
4+、Mn
4+、Mg
2+、Zn
2+、Ni
3+、Ni
2+、Cu
2+、Co
3+、Co
2+、Fe
3+、Cr
3+およびMn
3+、からなる群から選択された少なくとも1つのドーパントカチオンと組合せた状態での前記基本材料のカチオンとしてのMo
6+と、
− Ti
4+、Sn
4+、Mn
4+、Ni
3+、Co
3+、Fe
3+、Cr
3+、Mn
3+、Zn
2+、Mg
2+、Ni
2+、Cu
2+およびCo
2+、からなる群から選択された少なくとも1つのドーパントカチオンと組合せた状態での前記基本材料のカチオンとしてのV
5+と、
− Ti
4+、Sn
4+、Mn
4+、Ni
3+、Co
3+、Fe
3+、Cr
3+、Mn
3+、Zn
2+、Mg
2+、Ni
2+、Cu
2+およびCo
2+、からなる群から選択された少なくとも1つのドーパントカチオンと組合せた状態での前記基本材料のカチオンとしてのNb
5+と、
− Ti
4+、Sn
4+、Mn
4+、Ni
3+、Co
3+、Fe
3+、Cr
3+、Mn
3+、Zn
2+、Mg
2+、Ni
2+、Cu
2+およびCo
2+、からなる群から選択された少なくとも1つのドーパントカチオンと組合せた状態での前記基本材料のカチオンとしてのTa
5+と、
− Zn
2+、Mg
2+、Cu
2+、Co
2+、Mn
2+およびFe
2+、からなる群から選択された少なくとも1つのドーパントカチオンと組合せた状態での前記基本材料のカチオンとしてのMn
3+と、
− Zn
2+、Mg
2+、Cu
2+、Co
2+、Mn
2+およびFe
2+、からなる群から選択された少なくとも1つのドーパントカチオンと組合せた状態での前記基本材料のカチオンとしてのCo
3+と、
− Zn
2+、Mg
2+、Sn
4+、Cu
2+、Co
2+、Mn
2+およびFe
2+からなる群から選択された少なくとも1つのドーパントカチオンと組合せた状態での前記基本材料のカチオンとしてのIn
3+と、
− Li
+カチオンと組合せた状態でCo
2+、Fe
2+、Zn
2+、Mg
2+、Cu
2+、Ni
2+およびMn
2+からなる群から選択された前記基本材料の少なくとも1つのカチオンと、
− 先に列挙された相溶性のあるドーパントと組合せた状態での先に列挙された前記無機基本材料の全ての混合物と、
からなる群から選択されている、(10)に記載の方法。
(12) 4cm
2超、好ましくは5〜1000cm
2の間の表面積を有するセラミックを調製するための、(1)〜(11)のいずれか一項に記載の方法。
(13) 前記粉末の前記混合、好ましくはIn
2O
3、SnO
2およびZnOの混合が有機または水性溶媒または少なくとも1つの有機溶媒と1つの水性溶媒との混合物の存在下で実施される、(1)〜(12)のいずれか一項に記載の方法。
(14) 前記有機溶媒が、アルコール、ケトン、エーテルおよびこれらのうちの少なくとも2つの混合物からなる群から選択されている、(13)に記載の方法。
(15) 前記溶媒が、エーテル、エタノール、アセトンおよびこれらのうちの少なくとも2つの混合物から選択されたエーテルである、(14)に記載の方法。
(16) 前記溶媒が、精製水および/または脱イオン水に基づく水性タイプのものである(13)に記載の方法。
(17) セラミック粉末の前記混合を実施するために用いられる有機溶媒の量が、粉末混合物1kgあたり5ml〜5l(リットル)の間、好ましくは800〜1200mlの間にある、(13)〜(16)のいずれか一項に記載の方法。
(18) 50mlのエタノールが0.05kgのIn
2O
3、SnO
2およびZnOの混合物と混合される、(17)に記載の方法。
(19) 前記方法で得られる前記セラミックの抵抗率が、前記無機基本材料として使用される前記粉末混合物内に存在するドーパントのレベルを制御することにより調整され、前記ドーパントは請求項11に別々にまたは組合せた形で定義されており;好ましくは前記得られたセラミックは、Zn
2+、Mg
2+、Cu
2+、Co
2+、Mn
2+およびFe
2+からなる群から選択された前記ドーパント無機基本材料のうちの少なくとも1つのそれぞれ高いまたは低い値についてそれぞれ低いまたは高い抵抗率を有し、より好ましくはさらに前記無機基本材料がZn
2+であり;好ましくは、1.7×10
−3Ω・cm前後である前記セラミックの最小抵抗率が、請求項11に別々にまたは組合せた形で定義されている通りの前記ドーパント無機基本材料のうちの少なくとも1つの含有量の10モル%の公称最小値について得られる(好ましくは、前記ドーパントは、Zn
2+、Mg
2+、Cu
2+、Co
2+、Mn
2+、およびFe
2+からなる群から選択され、より好ましくはさらにドーパントはZn
2+である)、(1)に記載の方法。
(20) 前記方法で得られる前記セラミックの前記電荷移動度は、無機基本材料として使用される前記粉末混合物中に存在するドーパントの含有量を制御することによって調整され、前記ドーパントは請求項11に別々にまたは組合せた形で定義されており;好ましくは前記ドーパントは、Zn
2+、Mg
2+、Cu
2+、Co
2+、Mn
2+およびFe
2+からなる群から選択され、より好ましくはさらに前記ドーパントはZ
2+であり、前記電荷移動度は、無機基本材料として使用される前記粉末混合物内に存在するドーパントの含有量がZn
2+の場合で10%の値まで増大した時点で増加する、(1)に記載の方法。
(21) 前記方法で得られるセラミックの電荷移動度が、無機基本材料として使用される粉末混合物中の前記結晶粒(好ましくはZnでできたもの)の浸透を制御することにより調整され、高い結晶粒浸透について高い電荷移動度が得られ、低い結晶粒浸透値については低い電荷移動度が得られる、(1)に記載の方法。
(22) 前記得られたセラミックが、好ましくは円筒形状のペレットの形をしている、(1)〜(21)のいずれか一項に記載の方法。
(23) 1) 1cmあたり300ジーメンス超、好ましくは320ジーメンス超そしてより有利にはさらに1cmあたり585ジーメンス以上という、ケースレー(Keithley)デバイス(モデル2400ソースメータ)を用いた4点方法(4プローブ測定)に従って測定された巨視的電気伝導率; 2) 好ましくは5g/cm
3(これは従来の方法(およそ1t/cm
2で粉末をプレス加工し次に1300℃の温度でアニーリングすること)によってドーパント元素の添加なしで調製された対応するセラミックの密度の値である)超であり、好ましくは6.57g/cm
3以上であり、より好ましくはさらに6〜7.1g/cm
3の間である、水銀ポロシメータ方法に従って測定された改善された見かけ密度; 3) 5cm
2超、好ましくは50cm
2超、より好ましくはさらに100cm
2超の(合計)表面積; 4) 従来の方法によりドーパント元素の添加無しで調製された対応するセラミックのものの30%未満、好ましくは10%未満である、高解像度電子顕微鏡方法に従って測定された、改善された粒界不規則性百分率;および、5) 0.1〜0.8マイクロメートルの間にある高解像度のSEM方法により測定される、前記セラミック中に存在する気孔のサイズ;という特性のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、より有利にはさらに少なくとも4つを有することを特徴とする、(1)〜(22)のいずれか一項に記載の方法のうちの1つの実施により得られるセラミック。
(24) 前記X線回折方法に従って測定された場合に、好ましくは100〜200nmの間の微結晶サイズに対応し、より好ましくは156nm前後の微結晶サイズに対応する非常に高い結晶化度を特徴とする、(23)に記載のセラミック。
(25) ビクスビアイト型の結晶構造(C型希土類酸化物構造としても知られている)を特徴とする(23)に記載のセラミック。
(26) ITO型セラミックに比べて改善された電気特性を特徴とする(23)〜(25)のいずれか一項に記載のセラミック。
(27) 4.2Kから大気温度まで変動する温度の関数として、かつ4点方法に従って測定された場合に、1cmあたり200〜10000ジーメンスの間、好ましくは300〜5000ジーメンスの間、より好ましくはさらに580ジーメンス前後である伝導率を有する、(26)に記載のセラミック。
(28) ITO型セラミックの前記電気的特性に比べて少なくとも1つの改善された電気的特性を特徴とする(23)〜(27)のいずれか一項に記載のセラミック。
(29) ゼーベック(Seebeck)効果方法に従って測定された場合に、0.01〜300の間、好ましくは0.1〜50cm
2/体積・秒
−1の間である改善された電荷移動度を有する、(25)〜(28)のいずれか一項に記載のセラミック。
(30) 10.1cm
2/体積・秒
−1超である電荷移動度を特徴とする、(23)〜(29)のいずれか一項に記載のセラミック。
(31) 82.23mol%のIn
2O
3という化学式の無機基本材料および8.66mol%のドーパントSnO
2および9.11mol%のドーパントZnOを含有する混合物から得られ、後者のドーパント(ZnO)が緻密化を提供し、かつ、
− 1cmあたり300〜500ジーメンスの間そして好ましくは1cmあたり330ジーメンスの電気伝導率、
− 6〜7.1g/cm
3の間、好ましくは6.57g/cm
3前後の密度、
− 1〜1000cm
2の間の(総)表面積、および
− 5〜20%の間、好ましくは10%未満の不規則性百分率、
を特徴とする、(23)〜(30)のいずれか一項に記載のセラミック。
(32) 理論的伝導率の70%超、好ましくは80〜100%の間、そしてより有利には90%超の伝導率を有し、3〜15%の間のSnO
2およびZnOのモル百分率を含み、ここでZnOの百分率がSnO
2の百分率以上であり、好ましくはZnOの百分率はSnO
2の百分率を超えている、(31)に記載のセラミック。
(33) RFまたはDCスパッタリング用の標的としての、(1)〜(22)のいずれか一項に記載の方法のうちの1つにより得られたセラミックまたは(23)〜(32)のいずれか一項に記載のセラミックのうちの1つの使用。
(34) (1)〜(22)のいずれか一項に記載の方法を実施することにより得られるようなセラミックまたは(23)〜(32)のいずれか一項に記載のセラミックをスパッタリングすることによって透明な伝導性金属フィルムを調製するための方法。
(35) 前記スパッタリングが、25〜500℃の間の温度条件下、好ましくは大気温度で実施される、(34)に記載の方法。
(36) 前記スパッタリングの持続時間が1分〜10時間の間、好ましくは1時間前後である、(34)または(35)に記載の方法。
(37) 前記スパッタリングが、主に希ガスから成る雰囲気内、好ましくは99.8%のアルゴンおよび0.2%の酸素から成る雰囲気内で実施される、(34)〜(36)のいずれか一項に記載の方法。
(38) 前記スパッタリング出力密度が0.1〜15ワット/cm
2の間、好ましくは0.5ワット/cm
2前後である、(34)〜(37)のいずれか一項に記載の方法。
(39) 前記セラミック標的と、上に前記薄膜が被着される前記基板との間の距離が3〜15cmの間、好ましくは7cm前後である、(34)〜(38)のいずれか一項に記載の方法。
(40) (34)〜(38)のいずれか一項に記載の方法を実施することにより得られる透明なフィルムまたは電極。
(41) UV/可視/NIR領域内のフィルムの前記透過スペクトルの方法に従って測定された場合に、可視範囲内にあり、90〜100%の間、好ましくは95%超である透過係数を有する、(40)に記載のフィルムまたは電極。
(42) 4点方法に従って測定された場合に1000ジーメンス/cm以上、好ましくは2250ジーメンス/cm超である伝導率を有する、(40)に記載のフィルムまたは電極。
(43) δが好ましくは0.001〜0.03の間であるものとしてIn
1.805Sn
0.095Zn
0.10O
3−δ(伝導性)という化学式を有するセラミックの中から選択された標的セラミックから得られる、(40)〜(42)のいずれか一項に記載のフィルムまたは電極。
(44) δが好ましくは0.005前後であるものとしてIn
1.805Sn
0.095Zn
0.10O
3−δ(伝導性)という化学式を有するセラミックの中から選択された標的セラミックから得られた、(43)に記載のフィルムまたはセラミック。
(45) In
1.94Zn
0.06O
2.97(伝導性)、Li
4Ti
4.5Mg
0.5O
11.5(絶縁性、すなわち10
−4S/cm未満の伝導性);Li
4Ti
4.5Zn
0.5O
11.5(絶縁性、すなわち10
−4S/cm未満の伝導性を有する)という化学式をもつセラミックの中から選択された標的セラミックから得られた、(40)〜(42)のいずれか一項に記載のフィルムまたは電極。
(46) Li
4Ti
4.5Ni
0.5O
11.75(絶縁性、すなわち10
−4S/cm未満の伝導性を有する)という化学式をもつセラミックの中から選択された標的セラミックから得られた、(40)〜(42)のいずれか一項に記載のフィルムまたは電極。
(47) (43)、(45)および(46)に記載のセラミックのうちの少なくとも2つの混合物から得られた、(40)〜(42)のいずれか一項に記載のフィルムまたは電極。