(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267710
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】医用画像中の肺結節を自動検出するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
A61B6/03 360J
A61B6/03 360D
【請求項の数】32
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-531907(P2015-531907)
(86)(22)【出願日】2013年3月7日
(65)【公表番号】特表2015-528372(P2015-528372A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】US2013029646
(87)【国際公開番号】WO2014042678
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2016年3月2日
(31)【優先権主張番号】61/700,592
(32)【優先日】2012年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504438118
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、マシュー、エス.
【審査官】
田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−273771(JP,A)
【文献】
特表2008−529639(JP,A)
【文献】
特表2009−502232(JP,A)
【文献】
特開平11−272865(JP,A)
【文献】
特開2006−239005(JP,A)
【文献】
特表2007−537811(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0129673(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが肺結節を自動検出するための方法であって、
コンピュータ断層撮影(CT)画像からデータを入力するステップと、
1以上の肺野領域を得るために前記画像を分割するステップと、
前記1以上の肺野領域の中の解剖学的構造に対応する1以上の高信号領域を含むマスク領域を生成するために、前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップと、
前記マスク領域のユークリッド距離マップを算出するステップと、
1以上のサブ領域を生成するために、前記ユークリッド距離マップの分水嶺(watershed)セグメンテーションを実行するステップと、
前記1以上のサブ領域のそれぞれのサブ領域について種子点を識別するステップと、
それぞれのサブ領域の前記種子点から1以上の候補領域を拡張するステップと、
前記1以上の候補領域の1以上の幾何学的特徴に基づいて、1以上の候補領域を肺結節として分類するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記画像を分割するステップは、
前記CT画像の中の明るいボクセルを信号強度で閾値処理し、最も大きな連結された3次元成分を選択することにより、前記画像の胸壁領域を分割するステップと、
前記CT画像の中の暗いボクセルを信号強度で閾値処理し、最も大きな連結された3次元成分を選択することにより、前記胸壁領域から肺野領域を分割するステップと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像を分割するステップは、分割された肺野領域の凸包を算出するステップを更に備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップは、充実性結節の候補領域を検出するための第1の閾値で実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップは、すりガラス状結節の候補領域を検出するための第2の閾値で実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
分水嶺セグメンテーションに先立って、ガウシアン(Gaussian )平滑化が前記ユークリッド距離マップに適用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
分水嶺セグメンテーションから生成された前記1以上のサブ領域は、前記ユークリッド距離マップにおいて極大値に隣接することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
それぞれのサブ領域について種子点を識別するステップは、それぞれのサブ領域内で最大のユークリッド距離マップ値を有するボクセルを、そのサブ領域に対応する前記種子点として識別するステップを備えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1以上の候補領域を拡張するステップは、
それぞれの種子点の周りを中心とする立方体の関心領域を生成するステップと、
前記関心領域の中の連続したボクセルを候補領域内のボクセルとして含めるステップと、を備え、
含められるボクセルは、所定の閾値範囲内にあるユークリッド距離マップ値を有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
拡張された前記1以上の候補領域のそれぞれを膨張させる(dilating)ステップを更に備えることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1以上の候補領域を分類するステップは、
前記候補領域の体積を算出するステップと、
算出された前記体積の関数が閾値範囲にあるときに、前記候補領域を結節として分類するステップと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
1以上の候補領域を分類するステップは、前記候補領域の真球度を算出するステップを更に備え、
前記真球度は、前記候補領域の算出された体積と、前記候補領域の中心を中心とし前記候補領域を取り囲む最小の球の体積との比として算出され、
算出された前記真球度の関数が閾値を超えるとき、前記候補領域を結節として識別することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
識別された肺結節内のそれぞれのボクセルの体積を合計することにより、識別された肺結節の体積を算出するステップを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
識別された肺結節の直径を算出するステップとを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記直径は、
前記肺結節を1以上の平面における複数の2次元関心領域に分割するステップと、
それぞれの2次元関心領域について境界点を抽出するステップと、
それぞれの2次元関心領域における前記境界点から最大直径を識別するステップと、
それぞれの前記平面から最大の最大直径を結節の直径として識別するステップと、
により算出されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
識別された肺結節の画像を前記CT画像の上に重畳表示するステップを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
患者の肺のコンピュータ断層撮影(CT)画像を自動的に分割するためのシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサ上で実行可能なプログラムと、
を備え、
前記プログラムは、
前記CT画像からデータを入力するステップと、
1以上の肺野領域を得るために前記画像を分割するステップと、
前記1以上の肺野領域の中の解剖学的構造に対応する1以上の高信号領域を含むマスク領域を生成するために、前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップと、
前記マスク領域のユークリッド距離マップを算出するステップと、
1以上のサブ領域を生成するために、前記ユークリッド距離マップの分水嶺(watershed)セグメンテーションを実行するステップと、
前記1以上のサブ領域のそれぞれのサブ領域について種子点を識別するステップと、
それぞれのサブ領域の前記種子点から1以上の候補領域を拡張するステップと、
前記1以上の候補領域の1以上の幾何学的特徴に基づいて、1以上の候補領域を肺結節として分類するステップと、
のために構成されることを特徴とするシステム。
【請求項18】
前記画像を分割するステップは、
前記CT画像の中の明るいボクセルを信号強度で閾値処理し、最も大きな連結された3次元成分を選択することにより、前記画像の胸壁領域を分割するステップと、
前記CT画像の中の暗いボクセルを信号強度で閾値処理し、最も大きな連結された3次元成分を選択することにより、前記胸壁領域から肺野領域を分割するステップと、
を備えることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記画像を分割するステップは、分割された肺野領域の凸包を算出するステップを更に備えることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップは、充実性結節の候補領域を検出するための第1の閾値で実行されることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップは、すりガラス状結節の候補領域を検出するための第2の閾値で実行されることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
分水嶺セグメンテーションに先立って、ガウシアン(Gaussian )平滑化が前記ユークリッド距離マップに適用されることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
分水嶺セグメンテーションから生成された前記1以上のサブ領域は、前記ユークリッド距離マップにおいて極大値に隣接することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
それぞれのサブ領域について種子点を識別するステップは、それぞれのサブ領域内で最大のユークリッド距離マップ値を有するボクセルを、そのサブ領域に対応する前記種子点として識別するステップを備えることを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
1以上の候補領域を拡張するステップは、
それぞれの種子点の周りを中心とする立方体の関心領域を生成するステップと、
前記関心領域の中の連続したボクセルを候補領域内のボクセルとして含めるステップと、を備え、
含められるボクセルは、所定の閾値範囲内にあるユークリッド距離マップ値を有することを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
拡張された前記1以上の候補領域のそれぞれを膨張させる(dilating)ステップを更に備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
1以上の候補領域を分類するステップは、
前記候補領域の体積を算出するステップと、
算出された前記体積の関数が閾値範囲にあるときに、前記候補領域を結節として分類するステップと、
を備えることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項28】
1以上の候補領域を分類するステップは、候補領域の真球度を算出するステップを更に備え、
前記真球度は、候補領域の算出された体積と、前記候補領域の中心を中心とし前記候補領域を取り囲む最小の球の体積との比として算出され、
算出された前記真球度の関数が閾値を超えるとき、候補領域を結節として識別することを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
識別された肺結節内のそれぞれのボクセルの体積を合計することにより、識別された肺結節の体積を算出するステップを更に備えることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
識別された肺結節の直径を算出するステップとを更に備えることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項31】
前記直径は、
前記肺結節を1以上の平面における複数の2次元関心領域に分割するステップと、
それぞれの2次元関心領域について境界点を抽出するステップと、
それぞれの2次元関心領域における前記境界点から最大直径を識別するステップと、
それぞれの前記平面から最大の最大直径を結節の直径として識別するステップと、
により算出されることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
識別された肺結節の画像を前記CT画像の上に重畳表示するステップを更に備えることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は2012年9月13日に出願された米国仮特許出願第61/700,592号の非仮出願であり、その仮出願の全ては参照により本明細書に援用される。
【0002】
[連邦政府資金による研究開発の記載]
該当なし
【0003】
[コンパクトディスクで提出されるものの参照による援用]
該当なし
【0004】
[著作権で保護されるものについての注意]
本特許文書中の題材の一部は、米国及び他の国の著作権法の下で著作権保護の対象となる。特許文書または特許開示が米国特許商標庁において講習の閲覧に供されるファイルまたは記録に現れた場合に、著作権者は、その特許文書又は特許開示が誰に複製されたとしても、それに反対するものではない。しかしながら、そうでない場合はいかなる場合でも全ての著作権を留保する。これによって、著作権者は、連邦規則法典第37巻セクション1.14にしたがって、本特許文書を秘密に保つためのいかなる権利についても、その権利を限定せず、その権利を放棄しない。
【背景技術】
【0005】
1.本発明の分野
【0006】
本発明は、広くは、コンピューター断層撮影に関し、とくに、医用画像中の肺結節の自動検出及び測定に関する。
【0007】
2.関連技術の説明
【0008】
コンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)画像は、患者の肺疾患の位置、大きさ、及び進行の体内での評価のために用いられてきた。これらの分析を多数の患者集団に日常的かつ確実に実行できるようにすることが、臨床治験及び診療においてこの方法を展開することを可能とするためには重要である。しかし、画像診断の役割は、一般に、臨床診療における視診に限られていた。
【0009】
臨床診療において分析を実行可能とするために、データセットのサイズ(等方的ボクセル間隔で400以上の断層画像)に基づいた信頼性のある自動化が必要である。肺がんは、がんによる死亡の主要な原因である。肺結節の検出、診断、測定、及びフォローアップのために画像が用いられる。
【0010】
結節の検出は、医用画像の分野において、より能力を必要とする視覚検出タスクの一つである。結節は、低いコントラスト、小さなサイズ、又はへそなどの込み入った組織の領域内の結節の位置などの要因により、画像上で視覚的に検出することが困難となりうる。読影者の疲労や、注意散漫や、関係のない病変の所見の調査で満足してしまうことなどが、結節の見落としの原因となる。より薄いスライスと再構成の間隔の重なりにより縦方向の解像度が向上するが、多大なデータ集合(700以上の断層画像)の生成が必要とされるので、判断を困難にし、結節の見落としの可能性をもたらす。
【0011】
肺結節の自動化されたコンピュータ検出は、読影者によるより精確で一貫性のある肺結節の検出を支援することができることが示されている[Brown 2005]。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
コンピュータ処理されたCT画像中の肺結節のために開発されたコンピュータ読影支援(computer-aided detection:CAD)システムは多数ある[Girvin 2008]。しかし、CADは、例えば血管又は気管支など、CADにより誤って結節として検出される正常な組織である偽陽性(false positive)検出を制限することができないため、臨床診療において広く用いられてはいない。これらの偽陽性は、除外するために時間がかかるだけでなく、ある研究は、放射線医師が誤って偽陽性を受け入れうることを示唆しており、実際問題として不必要な精密検査をもたらすことになる。
【0013】
また、直近の方法は、画像においてより明るく現れるため検出しやすい(例えば、−300HU以上の閾値が用いられる)充実性結節に注目する傾向があった。ぼんやりしたすりガラス状結節(強度が約−700HU)を検出しようとすると、通常、多くの偽陽性を生成し過ぎて実用できない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明の目的は、正常な解剖学的構造を除外しつつ結節を検出する精度を向上させるためのアルゴリズムの発展である。本発明は、肺の画像分析のための自動化されたインタラクティブなシステム、とくに、偽陽性の検出のレベルを低く保ちつつ、充実性結節及びすりガラス状結節の高い感度を達成する、分水嶺に基づいたユークリッド距離変形及びセグメンテーションのアプローチを具体化する。
【0015】
一つの態様は、閾値(例えば4mm)と画像のスライス厚の2倍とのうちいずれか大きい方の直径を有する充実性結節及びすりガラス状結節の双方を検出及び報告するように構成される肺結節検出システムである。
【0016】
別の態様は、球状になりがちな結節と、通常より管状である管との間のよりよい識別のために、肺野内の高信号領域の改良されたセグメンテーション及び形状特徴を提供する方法である。本発明の改良された識別は、CADの感度を維持しつつ、CADから生じる偽陽性の数を減少させる。
【0017】
更なる態様は、患者の肺のCT画像を自動的に分割するための方法である。この方法は、1以上の肺野領域を得るためにCT画像を分割するステップと、肺野領域の中の解剖学的構造に対応する高信号領域を含むマスク領域を生成するために、肺野領域を信号強度で閾値処理するステップと、マスク領域のユークリッド距離マップを算出するステップと、1以上のサブ領域を生成するために、ユークリッド距離マップの分水嶺(watershed)セグメンテーションを実行するステップと、それぞれのサブ領域について種子点を識別するステップと、それぞれのサブ領域の種子点から候補領域を拡張するステップと、候補領域の1以上の幾何学的特徴に基づいて、1以上の候補領域を肺結節として分類するステップとを備える。
【0018】
別の態様は、患者の肺のCT画像を自動的に分割するためのシステムである。このシステムは、プロセッサと、プロセッサ上で実行可能なプログラムを含み、プログラムは、1以上の肺野領域を得るためにCT画像を分割するステップと、肺野領域の中の解剖学的構造に対応する高信号領域を含むマスク領域を生成するために、肺野領域を信号強度で閾値処理するステップと、マスク領域のユークリッド距離マップを算出するステップと、1以上のサブ領域を生成するために、ユークリッド距離マップの分水嶺(watershed)セグメンテーションを実行するステップと、それぞれのサブ領域について種子点を識別するステップと、それぞれのサブ領域の種子点から候補領域を拡張するステップと、候補領域の1以上の幾何学的特徴に基づいて、1以上の候補領域を肺結節として分類するステップとを実行する。
【0019】
本発明の更に別の態様は、本明細書の以下の部分において明らかにされるであろう。詳細な説明は、それに限定を付すことなく、本発明の好ましい実施の形態を十分に開示することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、例示のみを目的とする以下の図面を参照して、より十分に理解されるであろう。
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の肺結節検出方法の全体フロー図を示す。
【0022】
【
図2】
図2は、
図1の肺の分割ステップの詳細なフロー図である。
【0023】
【
図3】
図3は、
図1の信号強度閾値ステップの詳細なフロー図である。
【0024】
【
図4】
図4は、
図1のユークリッド距離マップ推定ステップの詳細なフロー図である。
【0025】
【
図5】
図5は、
図1の距離マップ分割ステップの詳細なフロー図である。
【0026】
【
図6】
図6は、
図1の候補分類ステップの詳細なフロー図である。
【0027】
【
図7】
図7は、
図1の定量分析ステップの詳細なフロー図である。
【0028】
【0029】
【
図9】
図9Aから
図9Gは、本発明に係る3次元表面肺結節検出及びセグメンテーションの体軸断面を示す。
【0030】
【
図10】
図10は、本発明の肺結節検出システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明に係る肺結節検出方法10の概略フロー図を示す。まず、ステップ20において、スキャンされたCT画像12がセグメント化される。つづいて、ステップ30において、信号強度による閾値処理を実行する。このデータは、ステップ40において、ユークリッド距離変換を実行するために用いられる。ステップ50において、距離マップがセグメント化される。ステップ70において、候補が分類される。ステップ80において、閾値T=T
Solidに基づいて充実性結節影が検出される。ステップ82において、すりガラス結節影の検出のために、信号強度閾値処理ステップ30、ユークリッド距離変換処理50、及び距離マップセグメント化処理50が、閾値T=T
gg0に基づいて繰り返される(
図3、
図4、及び
図5参照)。ステップ90において、結節として識別された関心領域(regions of interest:ROI)の定量的評価が実行されてもよい。ステップ100において、検出された結節がオーバーレイとして表示されてもよい。
【0032】
図2は、
図1の肺のセグメント化ステップ20の詳細なフロー図である。肺のセグメント化ステップは、セグメント化のための領域拡張及びモルフォロジーと、それに続く、画像領域の解剖学的構造に対するマッチングのためのファジー論理を含む。肺のセグメント化は、グレーレベル閾値処理と3次元領域拡張の組み合わせを用いて実行される。処理は、解剖学的モデル(図示せず)からの情報を用いて、空間的に制約される。
【0033】
まず、ステップ22において、CT画像中の明るいボクセルについて、信号強度閾値で2値化し、最も大きな3次元の連結成分を選択することにより、CT画像データ12からの胸壁がセグメント化される。つづいて、ステップ24において、胸部内の暗いボクセルについて、信号強度閾値で2値化する(そして、最も大きな3次元の連結成分を選択する)ことにより、肺野領域がセグメント化される。このステップの例は、
図9Bに示される。
【0034】
最後に、ステップ26において、結節を取り囲み、そうでなければ肺野から除外するように、肺野領域の凸包が算出され、セグメント化された凸包(convex hull:CH)領域28が生成される。
図9Cは、CHセグメント化ステップの結果を示す。
【0035】
図3は、ステップ30の信号強度閾値処理の詳細なフロー図である。ステップ32において、結節、血管、気道などに対応する相対的に高い信号強度の領域を抽出するために、ステップ26から生成されたセグメント化された肺野凸包領域28内で、CT画像12、I
CTに対する信号強度閾値処理が実行される。ステップ30において実行される閾値処理は、セグメント化ステップ20において胸壁について実行される閾値よりも低い閾値Tで実行されることに注意しなければならない。閾値領域R
Tは、ボクセルvについての式1により、2値化画像マスクとして表現される。
R
T(v)=1(I
CT(v)≧Tの場合)、R
T(v)=0(それ以外の場合) (式1)
【0036】
次に、ステップ34において、最終的なマスク領域36、R
mを生成するために、R
Tにモルフォロジーのクロージング(closing)演算と穴埋め(hole filling)が適用される。
【0037】
図4は、ステップ40のユークリッド距離マップの推定の詳細なフロー図である。ステップ42において、ステップ34からの2値化画像マスク36、R
mを用いて、ユークリッド距離マップ画像I
DMが入力マスク画像と同じ次元で算出される。ここで、I
DM(v)は、vから、R
m(v
b)=0となるようなv
bまでの最小距離である。
図9Dに示されるように、距離は、CT画像12からの物理的なボクセルサイズを用いて、ミリメートル単位で算出される。つづいて、ステップ44において、平滑化された距離マップ46、I
SDを生成するために、CTのスライス厚に等しいカーネルで、ユークリッド距離マップ画像I
DMに対してガウシアン平滑化が適用される。
【0038】
図5は、距離マップのセグメント化ステップ50の詳細なフロー図である。まず、ステップ52において、極大値の周りの連続したサブ領域を抽出するために、平滑化された距離マップ画像46、I
SDに対して、分水嶺(watershed)セグメント化が適用される。通常、分水嶺セグメント化は極小値の周りの領域を識別するので、分水嶺を算出する前にI
SDは反転(インバート)される。結節/管の輪郭100の例が、
図8Aに概略的に示される。分水嶺セグメント化の出力の例が、
図9Eに示される。ここで、距離の値は、明るい影から暗い(黒でない)影へ増加する。
【0039】
ステップ54において、ステップ52からのそれぞれの分水嶺領域内で距離マップ値I
DM(s)が最も高いボクセルが、種子点(seed point)、sとして識別される。これは、
図8Bに概略的に図示される。ステップ56において、sを中心とする1辺60mmの立方体の関心領域104、R
sが構成される。ステップ56は、
図8Cに概略的に図示される。R
s104のサイズは、典型的な結節の形態計測(morphometry)の関数であり、それによって変化しうることが理解されよう。
【0040】
ステップ58において、I
DM(s)のパーセント閾値範囲p
DM(0.0〜1.0)内のI
DM値を有するR
s内の隣接したボクセルを含むように、それぞれの種子点102、sからの領域拡張が実行される。すなわち、式2の距離マップ値I
DM(v)を有する隣接するボクセルvは領域に追加される。
I
DM(s)(1-p
DM)≦I
DM(v)≦I
DM(s)(1+p
DM) (式2)
【0041】
領域拡張の結果106a(R
DM)が、
図8Dに概略的に示される。
【0042】
距離マップ値がI
DM(s)(1−p
DM)を下回ると領域拡張が停止するので、通常、R
DMは結節の境界100まで拡大しない。したがって、ステップ60において、膨張領域106b(R
DIL)を形成するために、半値幅=I
DM(s)(1−p
DM)の構造要素で、拡張領域106a(R
DM)の膨張演算(dilation)が実行される。膨張領域106b(R
DIL)は、
図8Eに概略的に図示される。
【0043】
最後に、ステップ62において、R
DIL∩R
mを算出し、種子点102(s)に隣接するボクセルを含めることにより、結節候補領域R
cが形成される。
【0044】
図9Fは、候補の距離マップの分水嶺セグメント化の例の画像を示す。それぞれの影は、それぞれが種子点を有する、分割された連続する分水嶺領域を表している。
【0045】
図6は、ステップ70の候補分類の詳細なフロー図である。ステップ60からのセグメント化された領域(候補)62、R
cは、十分に大きく、かつ、より管状である血管とは対照的に、ほぼ球面状の形状である場合に、結節として検出される。まず、ステップ72において、それぞれの候補62の体積が算出される。つづいて、ステップ74において、真球度が算出される。ステップ76において、算出された体積及び真球度に基づいて、候補が分類される。
【0046】
ステップ76において、候補62、R
cは、下記の制約を満たす場合に「結節」として(そうでない場合は「非結節」として)分類される。
【0047】
1)任意の2次元スライス上で最も大きな候補領域62(R
c)が、平方ミリメートル単位でπr
2より大きい。ここで、r=0.5×max(4,画像のスライス厚の2倍)である。
【0048】
2)候補62(R
c)の体積が8mm
3以上40cm
3以下である。これらの数値は、所望のサイズの検出感度にしたがって変化しうることに注意。
【0049】
3)真球度が所定の最小閾値T
sを超える。ここで、真球度は、候補R
cの体積と、R
cの中心を中心としR
cを取り囲む最小の球の体積との比として算出される。
【0050】
図9Gは、ステップ76における上記の基準を満たす、検出された結節110の画像を示す。
【0051】
図1に戻り、検出された充実性結節80は、ステップ30において適用された信号強度閾値T=T
solidに基づく。T
solidの値は、例えば−300HUである。
【0052】
すりガラス状結節領域82を検出するために、より低い閾値T
ggoを用いて、ステップ20から70が繰り返されてもよい。T
ggoの値は、例えば−700HUである。すりガラス状結節領域82は、充実性結節領域と重なる場合は除かれる。そして、残りのすりガラス状結節が充実性結節の集合と組み合わされて、最終的な結節領域の集合が生成されてもよい。
【0053】
取得された結節の集合80/82に対して、定量的分析が実行されてもよい。
図7は、ステップ90の定量的分析の例の詳細なフロー図である。
【0054】
ステップ92において、病巣の直径が算出されてもよい。所与の平面(通常、体軸断面(axial)、矢状断面(sagittal)、又は冠状断面(coronal))について、3次元結節関心領域80/82は、2次元関心領域の集合に分割される。それぞれの2次元関心領域について、境界点の集合が抽出される。つづいて、境界点の組のそれぞれの間の距離が算出され、距離の最大値が最大の2次元直径として選択される。任意の平面からの2次元直径のうち最大のものが病巣直径として選択される。
【0055】
ステップ94において、結節の関心領域に含まれるそれぞれのボクセルの物理的体積を合計することにより、結節80/82の体積が算出される。
【0056】
ステップ96において、結節関心領域内の元のCT画像12からの信号強度の値を用いて、それぞれの結節80/82について、信号強度のヒストグラムが作成されてもよい。つづいて、ヒストグラムの記述統計が導出されてもよい。
【0057】
図1に戻り、ステップ100において、検出された結節80/82が、定量分析ステップ90において導出されたそれぞれの結節80/82についての測定結果とともに、元の画像12の上に重畳表示されてもよい。
【0058】
図9Aから
図9Gは、本発明に係る、3次元表面肺結節検出及びセグメンテーションの例の画像を示す。
図9Aは、元の胸部CT画像を示す。
図9Bは、本発明の肺セグメンテーション方法の出力の例を示す。
図9Cは、肺野領域の凸包の画像である。
図9Dは、本発明の信号強度閾値セグメンテーションの画像の例である。
図9Eは、セグメント化された領域の距離マップ(距離の値は青から赤へ増加する)の例の画像を示す。
図9Fは、距離マップの分水嶺セグメンテーションの例の画像を示す(それぞれの影は分離した連続領域を示す)。
図9Gは、サイズ及び形状特徴に基づいて、分水嶺セグメント化及び分類により提供されたそれぞれの種子点からの領域拡張を用いて最終的に検出及びセグメント化された結節110の画像を示す。
【0059】
図10は、本発明の肺結節検出システム200の概略図である。
図1から
図8Eに示された1以上のステップ又は方法は、コンピュータアプリケーションソフトウェア202として実装される。一つの実施例において、アプリケーションソフトウェア202は、例えば、画像取得装置(CTスキャナー)204側の、又は、読み取りワークステーション上などの別個の医用画像ワークステーション206などのプロセッサ上で実行されてもよい。アプリケーションソフトウェア202は、放射線科又は医療センターの集中サーバ206又はサーバのクラスター上で実行されてもよい。サーバ206上での実行は、集中された画像アーカイブに接続し、集中データベース208にレポートを格納することができる点で、利点を提供することができる。システム200は、例えばグリッドコンピューティングなどを用いて、遠隔から(インターネット210を介して)アクセスされてもよい。このアプローチを用いると、システム200はグリッドサービスとして利用可能となり、適切な認証/承認を有するクライアント212は世界中からシステムにアクセスすることができる。
【0060】
このように、本発明のシステム及び方法は、直感的な人間の介在と協同した強力な自動化と、完全に自動化されたセグメンテーションが不可能であるような最も病的又は異常な画像ですら扱うことが可能な強固で広く応用可能なシステムを達成するためのフィードバックを提供する。多量のスキャンの手動によるセグメンテーションは実用的ではないので、本発明の方法10により実行される自動化されたデータの前処理は非常に重要である。
【0061】
本発明の実施の形態は、本発明の実施の形態に係る方法及びシステムを示すフローチャート、及び/又は、アルゴリズム、数式、若しくは、コンピュータプログラム製品としても実装されうるその他の計算表現により記述されうる。その場合、フローチャートのそれぞれのブロック又はステップ、及び、フローチャート、アルゴリズム、数式又は計算表現におけるブロック(及び/又はステップ)の組み合わせは、ハードウェア、ファームウェア、及び/又は、コンピュータ読取可能なプログラム・コード・ロジックに具体化される一以上のコンピュータプログラム指令を含むソフトウェアなどの様々な方法により実装することができる。理解されるように、このようなコンピュータプログラム指令は、限定されない汎用コンピュータ若しくは専用コンピュータを含むコンピュータ、又は、その他のプログラム可能な処理装置に読み込まれ、そのコンピュータプログラム指令がコンピュータ又は他のプログラム可能な処理装置上で実行されてフローチャートのブロックに特定される機能を実現するための手段を生成するような機構を生み出す。
【0062】
したがって、フローチャートのブロック、アルゴリズム、数式又は計算表現は、特定の機能を実行する手段の組み合わせ、特定の機能を実行するステップの組み合わせ、及び、コンピュータ読取可能なプログラム・コード・ロジック手段に具体化されるもの等の特定の機能を実行するコンピュータプログラムをサポートする。フローチャートに示されるそれぞれのブロック、アルゴリズム、数式若しくは計算表現、及び、ここに記載するこれらの組み合わせは、特定された機能若しくはステップを実行する専用のハードウェアベースのコンピュータシステム又は専用のハードウェア及びコンピュータ読取可能なプログラム・コード・ロジック手段の組み合わせにより実装できることも理解されるであろう。
【0063】
さらに、コンピュータ読取可能なプログラム・コード・ロジックに具体化されるもの等のこれらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ読取可能なメモリにも記憶され、コンピュータ又は他のプログラム可能な処理装置が特定の方法で機能するように指令し、コンピュータ読取可能なメモリに記憶されるその指令がフローチャートのブロックにて特定される機能を実装する指令手段を含む製品を生み出すようにする。コンピュータプログラム指令は、コンピュータ又は他のプログラム可能な処理装置にも読み込まれ、コンピュータ又は他のプログラム可能な処理装置にて一連の動作ステップが実行されるようにし、コンピュータ又は他のプログラム可能な処理装置にて実行される指示がフローチャートのブロック、アルゴリズム、数式若しくは計算表現にて特定される機能を実行するためのステップを提供するように、コンピュータにより実行されるプロセスを生み出す。
【0064】
上述の記載から、本発明は、以下の態様を含む、様々な方法で具現化されることが理解されるであろう。
【0065】
肺結節の自動検出のための方法であって、コンピュータ断層撮影(CT)画像からデータを入力するステップと、1以上の肺野領域を得るために前記画像を分割するステップと、前記1以上の肺野領域の中の解剖学的構造に対応する1以上の高信号領域を含むマスク領域を生成するために、前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップと、前記マスク領域のユークリッド距離マップを算出するステップと、1以上のサブ領域を生成するために、前記ユークリッド距離マップの分水嶺(watershed)セグメンテーションを実行するステップと、前記1以上のサブ領域のそれぞれのサブ領域について種子点を識別するステップと、それぞれのサブ領域の前記種子点から1以上の候補領域を拡張するステップと、前記1以上の候補領域の1以上の幾何学的特徴に基づいて、1以上の候補領域を肺結節として分類するステップと、を備えることを特徴とする方法。
【0066】
前記画像を分割するステップは、前記CT画像の中の明るいボクセルを信号強度で閾値処理し、最も大きな連結された3次元成分を選択することにより、前記画像の胸壁領域を分割するステップと、前記CT画像の中の暗いボクセルを信号強度で閾値処理し、最も大きな連結された3次元成分を選択することにより、前記胸壁領域から肺野領域を分割するステップと、を備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0067】
前記画像を分割するステップは、分割された肺野領域の凸包を算出するステップを更に備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0068】
前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップは、充実性結節の候補領域を検出するための第1の閾値で実行されることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0069】
前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップは、すりガラス状結節の候補領域を検出するための第2の閾値で実行されることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0070】
分水嶺セグメンテーションに先立って、ガウシアン(Gaussian)平滑化が前記ユークリッド距離マップに適用されることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0071】
分水嶺セグメンテーションから生成された前記1以上のサブ領域は、前記ユークリッド距離マップにおいて極大値に隣接することを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0072】
それぞれのサブ領域について種子点を識別するステップは、それぞれのサブ領域内で最大のユークリッド距離マップ値を有するボクセルを、そのサブ領域に対応する前記種子点として識別するステップを備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0073】
1以上の候補領域を拡張するステップは、それぞれの種子点の周りを中心とする立方体の関心領域を生成するステップと、前記関心領域の中の連続したボクセルを候補領域内のボクセルとして含めるステップと、を備え、含められるボクセルは、所定の閾値範囲内にあるユークリッド距離マップ値を有することを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0074】
拡張された前記1以上の候補領域のそれぞれを膨張させる(dilating)ステップを更に備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0075】
1以上の候補領域を分類するステップは、前記候補領域の体積を算出するステップと、算出された前記体積の関数が閾値範囲にあるときに、前記候補領域を結節として分類するステップと、を備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0076】
1以上の候補領域を分類するステップは、前記候補領域の真球度を算出するステップを更に備え、前記真球度は、前記候補領域の算出された体積と、前記候補領域の体積の中心の周りを中心とする最小の球の体積との比として算出され、算出された前記真球度の関数が閾値を超えるとき、前記候補領域を結節として識別することを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0077】
識別された肺結節内のそれぞれのボクセルの体積を合計することにより、識別された肺結節の体積を算出するステップを更に備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0078】
識別された肺結節の直径を算出するステップと更に備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0079】
前記直径は、前記肺結節を1以上の平面における複数の2次元関心領域に分割するステップと、それぞれの2次元関心領域について境界点を抽出するステップと、それぞれの2次元関心領域における前記境界点から最大直径を識別するステップと、それぞれの前記平面から最大の最大直径を結節の直径として識別するステップと、により算出されることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0080】
識別された肺結節の画像を前記CT画像の上に重畳表示するステップを更に備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載の方法。
【0081】
患者の肺のコンピュータ断層撮影(CT)画像を自動的に分割するためのシステムであって、プロセッサと、前記プロセッサ上で実行可能なプログラムと、を備え、前記プログラムは、前記CT画像からデータを入力するステップと、1以上の肺野領域を得るために前記画像を分割するステップと、前記1以上の肺野領域の中の解剖学的構造に対応する1以上の高信号領域を含むマスク領域を生成するために、前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップと、前記マスク領域のユークリッド距離マップを算出するステップと、1以上のサブ領域を生成するために、前記ユークリッド距離マップの分水嶺(watershed)セグメンテーションを実行するステップと、前記1以上のサブ領域のそれぞれのサブ領域について種子点を識別するステップと、それぞれのサブ領域の前記種子点から1以上の候補領域を拡張するステップと、前記1以上の候補領域の1以上の幾何学的特徴に基づいて、1以上の候補領域を肺結節として分類するステップと、のために構成されることを特徴とするシステム。
【0082】
前記画像を分割するステップは、前記CT画像の中の明るいボクセルを信号強度で閾値処理し、最も大きな連結された3次元成分を選択することにより、前記画像の胸壁領域を分割するステップと、前記CT画像の中の暗いボクセルを信号強度で閾値処理し、最も大きな連結された3次元成分を選択することにより、前記胸壁領域から肺野領域を分割するステップと、を備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0083】
前記画像を分割するステップは、分割された肺野領域の凸包を算出するステップを更に備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0084】
前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップは、充実性結節の候補領域を検出するための第1の閾値で実行されることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0085】
前記1以上の肺野領域を信号強度で閾値処理するステップは、すりガラス状結節の候補領域を検出するための第2の閾値で実行されることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0086】
分水嶺セグメンテーションに先立って、ガウシアン(Gaussian )平滑化が前記ユークリッド距離マップに適用されることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0087】
分水嶺セグメンテーションから生成された前記1以上のサブ領域は、前記ユークリッド距離マップにおいて極大値に隣接することを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0088】
それぞれのサブ領域について種子点を識別するステップは、それぞれのサブ領域内で最大のユークリッド距離マップ値を有するボクセルを、そのサブ領域に対応する前記種子点として識別するステップを備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0089】
1以上の候補領域を拡張するステップは、それぞれの種子点の周りを中心とする立方体の関心領域を生成するステップと、前記関心領域の中の連続したボクセルを候補領域内のボクセルとして含めるステップと、を備え、含められるボクセルは、所定の閾値範囲内にあるユークリッド距離マップ値を有することを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0090】
拡張された前記1以上の候補領域のそれぞれを膨張させる(dilating)ステップを更に備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0091】
1以上の候補領域を分類するステップは、前記候補領域の体積を算出するステップと、算出された前記体積の関数が閾値範囲にあるときに、前記候補領域を結節として分類するステップと、を備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0092】
1以上の候補領域を分類するステップは、候補領域の真球度を算出するステップを更に備え、前記真球度は、候補領域の算出された体積と、前記候補領域の体積の中心の周りを中心とする最小の球の体積との比として算出され、算出された前記真球度の関数が閾値を超えるとき、候補領域を結節として識別することを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0093】
識別された肺結節内のそれぞれのボクセルの体積を合計することにより、識別された肺結節の体積を算出するステップを更に備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0094】
識別された肺結節の直径を算出するステップと更に備えることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0095】
前記直径は、前記肺結節を1以上の平面における複数の2次元関心領域に分割するステップと、それぞれの2次元関心領域について境界点を抽出するステップと、それぞれの2次元関心領域における前記境界点から最大直径を識別するステップと、それぞれの前記平面から最大の最大直径を結節の直径として識別するステップと、により算出されることを特徴とする上記の実施の形態のいずれかに記載のシステム。
【0096】
上述の内容は多くの詳細を含むが、これらは発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではなく、単に本発明の時点において好ましい実施の形態のいくつかの説明を提供するものと解釈されるべきである。したがって、本発明の範囲は当業者にとって明らかとなりうる他の実施の形態を完全に包含し、その結果、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ限定され、請求項において単数形の要素への言及は、明白に言及する場合を除いて唯一であることを意味するのではなく、むしろ、一以上であることを意味することが意図されることが理解されよう。上述した好ましい実施の形態の要素と構造的、化学的及び機能的に等価であると当業者に知られているものの全ては、参照により明示的に本明細書に援用され、本請求項に包含されることが意図される。さらに、本発明により解決されるべき課題のそれぞれ及び全てに対して装置又は方法が対処する必要はなく、本請求項によりそれが包含される必要もない。さらに、本開示における要素、構成または方法のステップが請求項に明白に列挙されているか否かにかかわらず、全ての要素、構成又は方法のステップは、公衆一般に捧げることを意図しない。本明細書における請求項の要素はいずれも、その要素が「means for」の語を用いて明白に列挙されていない限り、米国特許法第112条第6項が適用されないと解釈されるべきである。