(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6267777
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】ブランキング下型
(51)【国際特許分類】
B26D 7/18 20060101AFI20180115BHJP
B26F 1/44 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
B26D7/18 F
B26F1/44 G
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-232024(P2016-232024)
(22)【出願日】2016年11月30日
【審査請求日】2016年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】591038521
【氏名又は名称】大創株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097755
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】富山 正
【審査官】
豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−087769(JP,A)
【文献】
特開2010−030126(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3172101(JP,U)
【文献】
特開2002−103479(JP,A)
【文献】
特開2004−106106(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3200314(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/18 − 7/20
B26F 1/38 − 1/44
B31B 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料シートに対する打抜き加工にて得られるブランクを抜き落とすためのブランキング下型であって、
前記ブランクが通過可能なブランク落下孔を有する板状のブランキング下型基板と、このブランキング下型基板の下面側に垂設され、前記ブランク落下孔の内周面と面一の平坦な案内板面を有するとともに、前記案内板面を構成する板面を有する一のベニヤと前記案内板面と平行な板面を有する他のベニヤとをその厚み方向に重ね合わせてなる合板により構成されるブランク落下案内壁板とを備え、前記ブランク落下孔を通して落下される前記ブランクの落下を前記案内板面で案内するようにしたことを特徴とするブランキング下型。
【請求項2】
前記ブランキング下型基板における前記ブランク落下孔の外側に、少なくとも下方に開口された位置決め用開口部を、前記ブランク落下孔との間に所定肉厚部を有するように設け、前記ブランキング下型基板の下面に突き当てられる前記ブランク落下案内壁板の上面に、前記所定肉厚部に当接可能な肉厚部当接面部を設けるとともに、前記位置決め用開口部と係合可能な突起を設け、前記所定肉厚部に前記肉厚部当接面部が当接されるまで前記位置決め用開口部に前記突起を差し込み係合させることで、前記ブランク落下孔の内周面と前記ブランク落下案内壁板の前記案内板面とが面一の状態で前記ブランキング下型基板に対し前記ブランク落下案内壁板が位置決めされるようにすることを特徴とする請求項1に記載のブランキング下型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料シートに対する打抜き加工にて得られるブランクを抜き落とすためのブランキング下型に関し、特に、抜き落とされたブランクの落下を案内する機能を有するブランキング下型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、平盤打抜き装置を用いて例えば箱体の展開形態のシート材であるブランクを製作する際には、以下の第1〜第3工程が行われる。
【0003】
(第1工程)
所要寸法の材料シートを平盤打抜き装置の給紙部から型打抜き部に供給し、箱体を展開した所定形状のブランクを得るための型打抜きを行う。このとき、型打抜きされた材料シートは、ブランクと抜き屑となる部分とが所要箇所に設けられた繋ぎ部によって繋ぎ止められることで横送り可能な状態にされる。
(第2工程)
次いで、上記第1工程を経た材料シートを、平盤打抜き装置の抜き屑除去部に送り、この抜き屑除去部において、材料シートから孔部や切込部などの細部の抜き屑を除去する。
(第3工程)
そして、上記第2工程を経た材料シートを、平盤打抜き装置の排出部に送り、この排出部において、材料シートにおけるブランクの回りの外郭余剰部からブランクを抜き落とす。なお、抜き落とされたブランクは、下方に配置されるテーブル上に積み重ねられる。
【0004】
上記の第3工程でブランクを抜き落とす際には、ブランキング型が用いられる。ブランキング型は、材料シートの搬送ラインを挟むように上下に配されるブランキング上型とブランキング下型とにより構成されている。ブランキング上型は、ブランクを下方へと押し込むためのブランク押込部材を有してなり、一方、ブランキング下型は、ブランキング上型のブランク押込部材で下方へと押し込まれたブランクを抜き落とすためのブランク落下孔を有してなるものである。このブランキング型においては、ブランキング上型のブランク押込部材でブランクをブランキング下型のブランク落下孔へと押し込むことにより、ブランクとその回りの外郭余剰部との間の繋ぎ部を剪断してブランクを落下させるようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−106106号公報
【0006】
ところで、従来のブランキング下型は、ブランクの外形と相似形状でブランクが通過可能なブランク落下孔を有する複数の合板を積層してなるものであり、ブランク落下孔の内周面が、抜き落とされるブランクの案内面として機能しているので、ブランクの落下を良好に案内するために、ブランク落下孔の深さ寸法は一般的に大きく設定されている。
【0007】
このため、合板の積層枚数が多くなり、複数の合板を貼り合せる作業や、ブランク落下孔の内周面を段差がないように平らに削る作業などが必要であるので、多大な労力と時間が必要になるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、短時間で容易に作製することができるとともに、抜き落とされるブランクをスムーズに落下させることができるブランキング下型を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明によるブランキング下型は、
材料シートに対する打抜き加工にて得られるブランクを抜き落とすためのブランキング下型であって、
前記ブランクが通過可能なブランク落下孔を有する板状のブランキング下型基板と、このブランキング下型基板の下面側に垂設され、前記ブランク落下孔の内周面と面一の平坦な案内板面を有する
とともに、前記案内板面を構成する板面を有する一のベニヤと前記案内板面と平行な板面を有する他のベニヤとをその厚み方向に重ね合わせてなる合板により構成されるブランク落下案内壁板とを備え、前記ブランク落下孔を通して落下される前記ブランクの落下を前記案内板面で案内するようにしたことを特徴とするものである(第1発明)。
【0011】
本発明において、前記ブランキング下型基板における前記ブランク落下孔の外側に、少なくとも下方に開口された位置決め用開口部を、前記ブランク落下孔との間に所定肉厚部を有するように設け、前記ブランキング下型基板の下面に突き当てられる前記ブランク落下案内壁板の上面に、前記所定肉厚部に当接可能な肉厚部当接面部を設けるとともに、前記位置決め用開口部と係合可能な突起を設け、前記所定肉厚部に前記肉厚部当接面部が当接されるまで前記位置決め用開口部に前記突起を差し込み係合させることで、前記ブランク落下孔の内周面と前記ブランク落下案内壁板の前記案内板面とが面一の状態で前記ブランキング下型基板に対し前記ブランク落下案内壁板が位置決めされるようにするのが好ましい(第
2発明)。
【発明の効果】
【0012】
本発明のブランキング下型によれば、ブランクが通過可能なブランク落下孔を有する板状のブランキング下型基板と、このブランキング下型基板に垂設され、ブランク落下孔の内周面と面一の平坦な案内板面を有するブランク落下案内壁板とにより構成されるので、ブランク落下孔を有する複数の合板を積層して構成される従来のブランキング下型では必要とされる複数の合板の貼り合せ作業や、ブランク落下孔の内周面を段差がないように平らに削る作業などが不要になり、ブランキング下型を短時間で容易に作製することができる。また、ブランク落下孔を通して落下されるブランクは、ブランク落下孔の内周面と面一で、かつ平坦なブランク落下案内壁板の案内板面の案内によって落下されるので、ブランクをスムーズに落下させることができる。
【0013】
また、本発明では、ブランク落下案内壁板が前記案内板面を構成する板面を有する一のベニヤと前記案内板面と平行な板面を有する他のベニヤとをその厚み方向に重ね合わせてなる合板により構成されているので、合板の平滑な板面を利用してブランクの落下をスムーズに案内することができる。
【0014】
第
2発明の構成を採用することにより、ブランク落下案内壁板がブランク落下孔の内方側に位置ずれを起こさないようにブランキング下型基板に設けられた所定肉厚部でブランク落下案内壁板に設けられた突起が保持されるので、ブランク落下孔の内周面とブランク落下案内壁板の案内板面とが面一となるようにブランキング下型基板に対して位置決めされたブランク落下案内壁板の状態位置を安定的に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るブランキング下型を具備するブランキング型の要部縦断面図である。
【
図4】同ブランキング下型の要部拡大斜視図である。
【
図6】
図6(a)は、スライドガイドがアダプタを介してブランキング下型の要所に装着された状態図で、
図6(b)は、スライドガイドがアダプタに保持された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明によるブランキング下型の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
<ブランキング型の説明>
図1に示されるブランキング型1は、図示されない平盤打抜き装置の排出部に装着されている。このブランキング型1は、ブランク2aとその回りの外郭余剰部2bとの間が所要の繋ぎ部2cによって繋ぎ止められた状態の材料シート2が送り込まれる搬送ラインLの上側位置に配されるブランキング上型3と、このブランキング上型3に対向して搬送ラインLの下側位置に配されるブランキング下型4とを備えて構成されている。なお、ブランキング下型4の下方には、所要の速度で昇降可能なテーブル5が配設されている。
【0018】
<ブランキング上型の説明>
ブランキング上型3は、図示されない平盤打抜き装置の排出部における上部フレームに対して着脱自在に装着されるブランキング上型基板11を備えている。このブランキング上型基板11には、材料シート2におけるブランク2aを下方へと押し込むためのブランク押込部材12が取り付けられるとともに、材料シート2における外郭余剰部2bを押え付けるマージン押付部材13が例えば圧縮コイルばねや弾発力を得られる樹脂製のクッション材などの弾性体14を介して取り付けられている。
【0019】
<ブランキング下型の説明>
図2および
図3に示されるように、ブランキング下型4は、上下方向に板面を向けて配されるブランキング下型基板15と、このブランキング下型基板15の下側の板面に組み付けられる枠体16とを備えて構成されている。
【0020】
<ブランキング下型基板の説明>
図3に示されるように、ブランキング下型基板15は、ブランク2aの外形と相似形状でブランク2aが通過可能な4つのブランク落下孔17を、平面視で縦横に所定ピッチで1枚の合板に穿設してなるものである。このブランキング下型基板15におけるブランク落下孔17の外側には、上下方向に貫通するように開口された所要の位置決め用開口部18が、ブランク落下孔17との間に所定肉厚部19を有するように形成されている。
【0021】
<枠体の説明>
枠体16は、ブランキング下型基板15への組付状態において、4つのブランク落下孔17の全体を透視平面視で取り囲むようにブランキング下型基板15の外周寄りの部分を支持する四角形状の外枠21と、ブランキング下型基板15における互いに隣り合うブランク落下孔17の間の部分を支持する十文字状の仕切り枠22とにより構成されている。
【0022】
<外枠の説明>
外枠21は、所定間隔で平行に配される一対の縦枠材23と、一対の縦枠材23と直交するように所定間隔で平行に配される一対の横枠材24とが四角形状に組まれてなるものである。一対の縦枠材23および一対の横枠材24は、いずれも板面を水平方向に向けて鉛直方向に立てた状態の内側のブランク落下案内壁板25aと外側のブランク落下案内壁板25bとを互いの板面を突き合せるように組み合わされてなり、このように組み合わせることによって高強度を有するものとされている。
【0023】
内側のブランク落下案内壁板25aと外側のブランク落下案内壁板25bとは内側のブランク落下案内壁板25aが後述する突起32を有するのに対し、外側のブランク落下案内壁板25bはそのような突起32を有しない点を除いて基本構造が同じであるため、代表例として内側のブランク落下案内壁板25aを主体に以下に説明する。
【0024】
図4および
図5に示されるように、内側のブランク落下案内壁板25aは、ブランキング下型基板15への枠体16の組付状態において、ブランキング下型基板15におけるブランク落下孔17の内周縁近傍部26から垂れ下がるように設けられ、この垂設状態のときにブランク落下孔17の内周面27と面一となる平坦な案内板面28を有している。このブランク落下案内壁板25aにおいては、案内板面28を構成する板面を有するベニヤ30aと案内板面28と平行な板面を有する所要枚数のベニヤ30bとがその厚み方向に重ね合わせてなる合板により構成されている。
【0025】
ブランク落下案内壁板25aは、ブランキング下型基板15への枠体16の組付状態において、ブランキング下型基板15の下面に突き当てられる上面を有している。このブランク落下案内壁板25aの上面には、所定肉厚部19に当接可能な肉厚部当接面部31が形成されている。さらに、ブランク落下案内壁板25aの上面には、位置決め用開口部18と係合可能な突起32が形成されている。
【0026】
ブランキング下型基板15に対する枠体16の組付けの際、所定肉厚部19に肉厚部当接面部31が当接されるまで位置決め用開口部18に突起32を差し込み係合させることにより、ブランク落下孔17の内周面27とブランク落下案内壁板25aの案内板面28とが面一の状態でブランキング下型基板15に対しブランク落下案内壁板25aが位置決めされるようになっている。
【0027】
<仕切り枠の説明>
図3に示されるように、仕切り枠22は、ブランキング下型基板15における縦方向および横方向にそれぞれ隣り合うブランク落下孔17の間の部分を支持するために当該部分の下側においてブランク落下案内壁板35が縦横に十文字状に組まれてなるものである。
【0028】
ブランク落下案内壁板35は、ブランキング下型基板15への枠体16の組付状態において、ブランキング下型基板15における互いに隣り合うブランク落下孔17の間の部分から垂れ下がるように設けられ、この垂設状態のときにブランク落下孔17の内周面27と面一となる平坦な案内板面36を有している。ブランク落下案内壁板35においても、図示による詳細説明は省略するが、ブランク落下案内壁板25aと同様に、案内板面36を構成する板面を有するベニヤと案内板面36と平行な板面を有する所要枚数のベニヤとがその厚み方向に重ね合わせてなる合板により構成されている。
【0029】
本実施形態においては、
図5に示されるように、各ブランク落下孔17の下方におけるブランクの落下経路が、外枠21を構成する縦横にそれぞれ延びるブランク落下案内壁板25aと、仕切り枠22を構成する縦横にそれぞれ延びるブランク落下案内壁板35とによって取り囲まれ、それらブランク落下案内壁板25a,35によってブランク2aの落下を案内するブランク落下案内壁40が構成されている。
【0030】
なお、ブランク落下案内壁板25a,35には、適所に所要の空気逃し孔41を形成するのが良い。これにより、ブランク2aの落下時の空気流れを、空気逃し孔41を通して逃がすこができるので、落下時の空気抵抗でブランク2aが斜めに傾いたり横方向にずれたりするのを確実に防ぐことができ、所定の場所に向けて真下に正確に落下させることができる。
【0031】
<スライドガイドの説明>
図4に示されるように、ブランク落下案内壁板25a,35の案内板面28,36における要所には、固定案内部片42aと可動案内部片42bとを備えてなる平板状のスライドガイド42が配設されている。スライドガイド42は、案内板面28,36に予め形成されたアリ溝状の嵌め込み部43に嵌め込まれ、当該スライドガイド42の案内面が案内板面28,36と面一となるような状態で配設されている。スライドガイド42においては、固定案内部片42aが木螺子等の固定手段にてブランク落下案内壁板25a,35に固定される一方、該固定案内部片42aに対し可動案内部片42bが上下に摺動自在に取り付けられており、上下に伸縮自在とされている。
【0032】
<スライドガイド用アダプタの説明>
なお、上記のように、スライドガイド42をブランク落下案内壁板25a,35に直接的に取り付ける態様例に限られず、
図6(a)に示されるように、ブランキング下型基板15におけるブランク落下孔17の内周縁近傍部の要所に取付孔44(位置決め用開口部18と同様のもの)を形成し、この取付孔44に係合する突起45a(前記突起32と同様のもの)を有してなる
図6(b)に示されるようなアダプタ45に前記嵌め込み部43と同様の嵌め込み部46を設けて、アダプタ45を介してブランキング下型4の所要位置にスライドガイド42を配設する態様もあり得る。
【0033】
<ブランク抜き落とし動作の説明>
以上に述べたように構成されるブランキング型1を用いたブランク2aの抜き落とし動作について、主に
図1を用いて以下に説明する。
【0034】
図1に示されるように、ブランク2aとその回りの外郭余剰部2bとの間が所要の繋ぎ部2cによって繋ぎ止められた状態の材料シート2が、ブランキング上型3とブランキング下型4との間に送り込まれて、所定の位置決めが成されて配されている状態において、ブランキング下型4を上昇させる。すると、材料シート2における外郭余剰部2bが、ブランキング下型基板15とマージン押付部材13とによって挟み付けられ、ブランキング下型4が上昇を続けると、材料シート2におけるブランク2aにブランク押込部材12が接触し、その後、更にブランキング下型4が上昇すると、ブランク2aがブランク押込部材12によりブランク落下孔17へと押し込まれ、これによってブランク2aとその回りの外郭余剰部2bとの間の繋ぎ部2cが剪断されてブランク2aがブランク落下孔17を通して抜き落とされる。そして、ブランク落下孔17を通して抜き落とされたブランク2aは、案内板面28,36やスライドガイド42に接触しながら落下し、下方のテーブル5上に積み重ねられる。
【0035】
<作用効果の説明>
本実施形態のブランキング下型4によれば、ブランク2aが通過可能なブランク落下孔17を有する板状のブランキング下型基板15と、このブランキング下型基板15に垂設され、ブランク落下孔17の内周面27と面一の案内板面28,36を有するブランク落下案内壁板25a,35とにより構成されるので、ブランク落下孔を有する複数の合板を積層して構成される従来のブランキング下型では必要とされる複数の合板の貼り合せ作業や、ブランク落下孔の内周面を段差がないように平らに削る作業などが不要になり、ブランキング下型4を短時間で容易に作製することができる。
【0036】
また、ブランク落下孔17を通して落下されるブランク2aは、ブランク落下孔17の内周面27と面一で合板の平滑な板面を利用した案内板面28,36の案内によって落下されるので、ブランク2aをスムーズに落下させることができる。
【0037】
さらに、ブランク落下案内壁板25aがブランク落下孔17の内方側に位置ずれを起こさないようにブランキング下型基板15に設けられた所定肉厚部19でブランク落下案内壁板25aに設けられた突起32が保持されるので、ブランク落下孔17の内周面27とブランク落下案内壁板25aの案内板面28とが面一となるようにブランキング下型基板15に対して位置決めされたブランク落下案内壁板25aの状態位置を安定的に保つことができる。
【0038】
以上、本発明のブランキング下型について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のブランキング下型は、短時間で容易に作製することができるとともに、抜き落とされるブランクをスムーズに落下させることができるという特性を有していることから、紙器等の製作に用いられる平盤打抜き装置の排出部に組み込まれるブランキング型の用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 ブランキング型
2 材料シート
2a ブランク
3 ブランキング上型
4 ブランキング下型
15 ブランキング下型基板
17 ブランク落下孔
18 位置決め用開口部
19 所定肉厚部
25a ブランク落下案内壁板(外枠側)
28 案内板面(外枠側)
31 肉厚部当接面部
32 突起
35 ブランク落下案内壁板(仕切り枠側)
36 案内板面(仕切り枠側)
【要約】
【課題】短時間で容易に作製することができるとともに、抜き落とされるブランクをスムーズに落下させることができるブランキング下型を提供する。
【解決手段】材料シート2に対する打抜き加工にて得られるブランク2aを抜き落とすためのブランキング下型4において、ブランク2aが通過可能なブランク落下孔17を有する板状のブランキング下型基板15と、このブランキング下型基板15の下面側に垂設され、ブランク落下孔17の内周面27と面一の平坦な案内板面28,36を有するブランク落下案内壁板25a,35とを備え、ブランク落下孔17を通して落下されるブランク2aの落下を案内板面28,36で案内するようにする。
【選択図】
図1