特許第6267780号(P6267780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6267780熱伝導性樹脂およびこれを含むサーマルインターフェース材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267780
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】熱伝導性樹脂およびこれを含むサーマルインターフェース材料
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/14 20060101AFI20180115BHJP
   C08L 79/08 20060101ALI20180115BHJP
   C08K 3/00 20180101ALI20180115BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20180115BHJP
   H05K 7/20 20060101ALN20180115BHJP
【FI】
   C08G73/14
   C08L79/08 C
   C08K3/00
   H01L23/36 D
   !H05K7/20 F
【請求項の数】6
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-237851(P2016-237851)
(22)【出願日】2016年12月7日
(65)【公開番号】特開2017-106011(P2017-106011A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2016年12月7日
(31)【優先権主張番号】104140917
(32)【優先日】2015年12月7日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】劉 彦群
(72)【発明者】
【氏名】張 恵▲ぶん▼
(72)【発明者】
【氏名】王 閔仟
(72)【発明者】
【氏名】邱 國展
【審査官】 中西 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−070276(JP,A)
【文献】 特開平08−165347(JP,A)
【文献】 特開平02−298514(JP,A)
【文献】 米国特許第02997391(US,A)
【文献】 特表平07−508772(JP,A)
【文献】 特開平11−271529(JP,A)
【文献】 特表2010−538111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 73/00−73/26
C08L 1/00−101/14
C08K 3/00−13/08
H01L 23/36−23/373
H05K 7/20
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される熱伝導性樹脂。
【化1】
(式(I)中、Xは次のうちのいずれかである。
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
は次のうちのいずれかである。
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
mは0から95までの整数であり、nは1から50までの整数であり、oは1から80までの整数である。)
【請求項2】
mが0から75までの整数、nが5から50までの整数、oが20から80までの整数である、請求項1に記載の熱伝導性樹脂。
【請求項3】
mが0、nが20から50までの整数、oが50から80までの整数である、請求項1および2のうちの1項に記載の熱伝導性樹脂。
【請求項4】
mが5から75までの整数、nが5から30までの整数、oが20から80までの整数である、請求項1および2のうちの1項に記載の熱伝導性樹脂。
【請求項5】
サーマルインターフェース材料であって、
請求項1、2、3および4のうちの1項に記載の熱伝導性樹脂と、
前記サーマルインターフェース材料中における重量比が50%以下である熱伝導性粉末と、
を含むサーマルインターフェース材料。
【請求項6】
前記熱伝導性粉末には、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウムまたは酸化アルミニウムが含まれる、請求項5に記載のサーマルインターフェース材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年12月7日に出願された台湾特許出願104140917号の優先権を主張し、その内容の全体が参照として本明細書に援用される。
【0002】
本技術分野は、熱伝導性樹脂およびサーマルインターフェース材料に関する。
【背景技術】
【0003】
多機能、高速、および高出力な電子製品のさらなる開発を進めるにあたり、サーマルインターフェース材料は熱管理(thermal management)設計において重要な役割を果たす。素子とヒートシンクとの間の熱伝導の効率をどのように高めるかについて、サーマルインターフェース材料の熱伝導率および熱抵抗といった特性が担う役割は大きい。
【0004】
現在、サーマルインターフェース材料の樹脂組成物は大部分がエポキシ樹脂、シロキサン樹脂、ポリアミドイミド樹脂およびポリイミド樹脂であり、これに熱伝導率を高めることのできる高熱伝導性粉末、例えば酸化アルミニウムまたは窒化硼素のようなセラミック粉末を加えてから、フレーク、ガスケット、リボンまたはフィルムに作製している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8546511号明細書
【特許文献2】米国特許第8222365号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第20150206627号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第20130020117号明細書
【特許文献5】台湾特許第201524901号明細書
【特許文献6】中国特許第102838928号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
サーマルインターフェース材料の熱伝導値を改善するためには、添加する熱伝導性粉末の量を、全組成物に対して80wt%より多くするのが通常である。熱伝導性粉末を多く加えるほど熱伝導値は高まるが、このようにすると、樹脂組成物のその他の特性を発揮させ難くなることが多く、結果としてサーマルインターフェース材料の電気的絶縁、柔軟性、機械強度または耐熱性などのような特性が低下して、その利用が制限されてしまう。
【0007】
よって、無機熱伝導性粉末をより少なく導入することで高熱伝導性および高誘電絶縁性(dielectric insulation)の要求を満たす新規な高熱伝導性樹脂が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1実施形態は、式(I)で表される熱伝導性樹脂を提供する。
【0009】
【化1】
【0010】
式(I)中、Xは次のうちのいずれかである。
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
は次のうちのいずれかである。
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
mは0から95までの整数であり、nは1から50までの整数であり、oは1から80までの整数である。
【0028】
本発明の1実施形態は、開示した熱伝導性樹脂を含むサーマルインターフェース材料を提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明では、トリメリット酸無水物(trimellitic anhydride,TMA)、特定のジイソシアナート(diisocyanate)(例えば MDI、TODI、NDIまたはこれらの混合物)、二無水物(dianhydride)(例えば PMDA、BTDA、ODPA、BPDAまたはこれらの混合物)およびジカルボン酸(例えばStDA)を用い、特定の比率で重合反応を進行させて、高熱伝導性および高誘電絶縁性の特徴を備える熱伝導性樹脂(PAIまたはPI)を作製する。
【0030】
以下の実施形態において詳細な説明を行う。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の詳細な記載においては、説明の目的で、開示される実施形態が十分に理解されるよう多数の特定の詳細が記載される。しかし、これらの特定の詳細がなくとも、1つまたは複数の実施形態が実施可能であることは明らかであろう。また、図を簡略化するために、既知の構造および装置は概略的に示されている。
【0032】
本発明の1実施形態は、式(I)で示される熱伝導性樹脂を提供する。
【0033】
【化17】
【0034】
式(I)中、Xは次のうちのいずれかであってよい。
【0035】
【化18】
【0036】
【化19】
【0037】
【化20】
【0038】
【化21】
【0039】
【化22】
【0040】
【化23】
【0041】
は次のうちのいずれかであってよい。
【0042】
【化24】
【0043】
【化25】
【0044】
【化26】
【0045】
【化27】
【0046】
【化28】
【0047】
【化29】
【0048】
【化30】
【0049】
【化31】
【0050】
【化32】
【0051】
さらに、式(I)において、mは約0から95までの整数であってよく、nは約1から50までの整数であってよく、かつoは約1から80までの整数であってよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、式(I)において、mは約0から75までの整数であってよく、nは約5から50までの整数であってよく、oは約20から80までの整数であってよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、式(I)において、mは0であってよく、nは約20から50までの整数であってよく、oは約50から80までの整数であってよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、式(I)において、mは約5から75までの整数であってよく、nは約5から30までの整数であってよく、oは約20から80までの整数であってよい。
【0055】
本発明の1実施形態は、熱伝導性樹脂を含むサーマルインターフェース材料を提供する。
【0056】
いくつかの実施形態では、熱伝導性樹脂は下式(I)により表されるものであってよい。
【0057】
【化33】
【0058】
式(I)中、Xは次のうちのいずれかであってよい。
【0059】
【化34】
【0060】
【化35】
【0061】
【化36】
【0062】
【化37】
【0063】
【化38】
【0064】
【化39】
【0065】
は次のうちのいずれかであってよい。
【0066】
【化40】
【0067】
【化41】
【0068】
【化42】
【0069】
【化43】
【0070】
【化44】
【0071】
【化45】
【0072】
【化46】
【0073】
【化47】
【0074】
【化48】
【0075】
さらに、式(I)において、mは約0から95までの整数であってよく、nは約1から50までの整数であってよく、oは約1から80までの整数であってよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、式(I)において、mは約0から75までの整数であってよく、nは約5から50までの整数であってよく、oは約20から80までの整数であってよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、式(I)において、mは0であってよく、nは約20から50までの整数であってよく、oは約50から80までの整数であってよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、式(I)において、mは約5から75までの整数であってよく、nは約5から30までの整数であってよく、oは約20から80までの整数であってよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、サーマルインターフェース材料は、サーマルインターフェース材料中に混合される熱伝導性粉末をさらに含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、本発明の熱伝導性粉末には、セラミック粉末、例えば窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウムまたは酸化アルミニウムが含まれ得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、サーマルインターフェース材料中、熱伝導性粉末の重量比は約50%以下である。
【0082】
本発明では、トリメリット酸無水物(trimellitic anhydride,TMA)、特定のジイソシアナート(diisocyanate)(例えばMDI、TODI、NDIまたはこれらの混合物)、二無水物(dianhydride)(例えばPMDA、BTDA、ODPA、BPDAまたはこれらの混合物)およびジカルボン酸(例えばStDA)を用い、特定の比率で重合反応を進行させて、高熱伝導性および高誘電絶縁性の特徴を備える熱伝導性樹脂(PAIまたはPI)を作製する。
【実施例】
【0083】
実施例1
【0084】
熱伝導性樹脂(PAI樹脂)(1)の作製
【0085】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)71.98g、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)125.00g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)7.35gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)26.80gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にNMP溶媒693.37gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表1に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0086】
実施例2
【0087】
熱伝導性樹脂(PAI樹脂)(2)の作製
【0088】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)36.24g、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)118.00g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)41.62gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)37.95gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にNMP溶媒701.41gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表1に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0089】
実施例3
【0090】
熱伝導性樹脂(PI樹脂)(3)の作製
【0091】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。
4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)108.00g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)63.49gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)57.89gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒688.12gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表1に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0092】
実施例4
【0093】
熱伝導性樹脂(PI樹脂)(4)の作製
【0094】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。
4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)110.00g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)25.87gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)94.33gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒690.59gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表1に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0095】
実施例5
【0096】
熱伝導性樹脂(PI樹脂)(5)の作製
【0097】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。
4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)108.00g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)31.74g、4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)33.47gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)57.89gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒693.30gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表1に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0098】
実施例6
【0099】
熱伝導性樹脂(PI樹脂)(6)の作製
【0100】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。
4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)53.50g、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアナート(TODI)56.50g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)31.45g、4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)33.16gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)57.35gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒695.87gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表1に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0101】
【表1】
【0102】
実施例7
【0103】
熱伝導性樹脂(PI樹脂)(7)の作製
【0104】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)56.50g、1,5−ナフタレンジイソシアナート(NDI)47.45g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)66.43gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)60.57gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒692.84gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表2に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0105】
実施例8
【0106】
熱伝導性樹脂(PAI樹脂)(8)の作製
【0107】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)35.62g、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)116.00g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)20.46g、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)22.40gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)37.30gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒695.37gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表2に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0108】
実施例9
【0109】
熱伝導性樹脂(PAI樹脂)(9)の作製
【0110】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)36.54g、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)119.00g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)20.99g、ピロメリット酸二無水物(PMDA)15.56gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)38.27gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒691.07gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表2に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0111】
実施例10
【0112】
熱伝導性樹脂(PAI樹脂)(10)の作製
【0113】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)35.62g、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)116.00g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)20.46g、4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)21.57g、および4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)37.30gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒692.86gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表2に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0114】
実施例11
【0115】
熱伝導性樹脂(PAI樹脂)(11)の作製
【0116】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)26.03g、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)56.50g、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアナート(TODI)59.67g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)39.86g、および4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)48.45gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒691.50gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表2に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0117】
実施例12
【0118】
熱伝導性樹脂(PAI樹脂)(12)の作製
【0119】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)27.87g、
4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)60.50g、1,5−ナフタレンジイソシアナート(NDI)50.81g、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)14.23gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)77.82gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒693.70gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表2に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0120】
実施例13
【0121】
熱伝導性樹脂(PAI樹脂)(13)の作製
【0122】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)27.06g、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)47.00g、1,5−ナフタレンジイソシアナート(NDI)29.61g、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアナート(TODI)37.23g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)13.81gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)75.57gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒690.85gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表2に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0123】
【表2】
【0124】
実施例14
【0125】
熱伝導性樹脂(PAI樹脂)(14)の作製
【0126】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)27.42g、1,5−ナフタレンジイソシアナート(NDI)50.00g、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアナート(TODI)62.87g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)14.00gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)76.58gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒692.59gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表3に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0127】
実施例15
【0128】
熱伝導性樹脂(PAI樹脂)(15)の作製
【0129】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)4.49g、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)58.50g、1,5−ナフタレンジイソシアナート(NDI)49.13g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)10.32g、ピロメリット酸二無水物(PMDA)7.65gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)100.34gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒691.28gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表3に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0130】
実施例16
【0131】
熱伝導性樹脂(PAI樹脂)(16)の作製
【0132】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)4.43g、1,5−ナフタレンジイソシアナート(NDI)48.50g、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアナート(TODI)60.98g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)10.18g、ピロメリット酸二無水物(PMDA)7.55gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)99.04gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒692.06gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本実施例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表3に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0133】
【表3】
【0134】
比較例1
【0135】
従来の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)の作製
【0136】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)100.57gおよび4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)131.00gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒263.04gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本比較例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表4に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0137】
比較例2
【0138】
従来の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)の作製
【0139】
室温下、スターラーおよび加熱マントルに1リットルの4口反応器をセットした。トリメリット酸無水物(TMA)94.82g、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)130.00gおよび4,4’−スチルベンジカルボン酸(StDA)6.97gをその反応器に入れた。次いで、その反応器にn−メチルピロリドン(NMP)溶媒695.35gを加え、均一に撹拌しながら溶解反応を進行させた。反応温度を80℃まで上げて1時間反応させた後、120℃まで上げて2時間反応させ、引き続き170℃まで上げて2時間反応させた。反応が完了した後に、その反応器を室温まで冷却し、本比較例の熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を得た。次いで、その樹脂材料の熱伝導値をテストし、表4に示した。上記の工程が完了したら、樹脂をPEボトルに入れて密封保存した。
【0140】
【表4】
【0141】
実施例17
【0142】
サーマルインターフェース材料(1)(酸化アルミニウムの熱伝導性粉末50%添加)の作製
【0143】
実施例4で作製された熱伝導性樹脂(PI樹脂)を、50wt%の酸化アルミニウムの熱伝導性粉末と混合して、本実施例のサーマルインターフェース材料を作った。次いで、サーマルインターフェース材料の熱伝導値、体積抵抗率および破壊電圧をテストし、表5に示した。
【0144】
実施例18
【0145】
サーマルインターフェース材料(2)(酸化アルミニウムの熱伝導性粉末50%添加)の作製
【0146】
実施例15で作製された熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を、50wt%の酸化アルミニウムの熱伝導性粉末と混合して、本実施例のサーマルインターフェース材料を作った。次いで、サーマルインターフェース材料の熱伝導値、体積抵抗率および破壊電圧をテストし、表5に示した。
【0147】
比較例3
【0148】
従来のサーマルインターフェース材料(酸化アルミニウムの熱伝導性粉末85%添加)の作製
【0149】
比較例1で作製された熱伝導性樹脂(PAI樹脂)を、85wt%の酸化アルミニウムの熱伝導性粉末と混合して、本比較例のサーマルインターフェース材料を作った。次いで、サーマルインターフェース材料の熱伝導値、体積抵抗率および破壊電圧をテストし、表5に示した。
【0150】
【表5】
【0151】
本発明では、トリメリット酸無水物(TMA)、特定のジイソシアナート(例えばMDI、TODI、NDIまたはこれらの混合物)、二無水物(dianhydride)(例えばPMDA、BTDA、ODPA、BPDAまたはこれらの混合物)およびジカルボン酸(例えば StDA)を用い、特定の比率で重合反応を進行させて、高熱伝導性および高誘電絶縁性の特徴を備える熱伝導性樹脂(PAIまたはPI)を作製する。本発明に係る熱伝導性樹脂の熱伝導値は、従来の熱伝導性樹脂に比して約1.3から2.3倍高い。加えて、サーマルインターフェース材料をさらに作製する際は、熱伝導性樹脂に熱伝導性粉末(例えばセラミック粉末)を少量(約50wt%以下)添加するだけでよい。本発明に係る熱伝導性樹脂は優れた熱伝導特性を備えるため、高い熱伝導性という特徴を備えたサーマルインターフェース材料が得られる。一方、従来のサーマルインターフェース材料は、熱伝導性粉末を80wt%より多く添加しても、本発明に係る熱伝導性樹脂の熱伝導値には依然達しない。
【0152】
開示した実施形態に各種修飾および変化を加え得るということは、当業者には明らかであろう。明細書および実施例は単に例示として見なされるように意図されており、本発明の真の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示される。