特許第6267790号(P6267790)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6267790ペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267790
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】ペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/44 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
   H01L31/04 112Z
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-522194(P2016-522194)
(86)(22)【出願日】2014年2月25日
(65)【公表番号】特表2016-523453(P2016-523453A)
(43)【公表日】2016年8月8日
(86)【国際出願番号】CN2014072510
(87)【国際公開番号】WO2015007094
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2015年12月24日
(31)【優先権主張番号】201310297115.7
(32)【優先日】2013年7月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】317012086
【氏名又は名称】湖北万度光能有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼宏▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲庫▼治良
【審査官】 山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第101740238(CN,A)
【文献】 M. M. LEE et al.,Efficient Hybrid Solar Cells Based on Meso-Superstructured Organometal Halide Perovskites,SCIENCE,2012年10月 4日,Vol.338,pp.643-647
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20、
51/42−51/48
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(1)並びに相次ぎにそのベース(1)の上に積み重なった正孔ブロッキング層(2)、メソポーラスナノ結晶層(3)、メソポーラス絶縁スペーサ層(4)及びメソポーラス正孔収集層(5)を含むことを特徴とするペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池。
その中、前記のメソポーラスナノ結晶層(3)は、ペロブスカイト型半導体材料が充填されていて、活性光吸収層となり、バッテリの光陽極とされ、
前記のメソポーラス絶縁スペーサ層(4)は、メソポーラス無機ナノ酸化膜であり、ペロブスカイト型半導体材料が充填されていて、正孔トランスポート層となり、
前記のメソポーラス正孔収集層(5)は、メソポーラス導電膜であり、ペロブスカイト型半導体材料が充填されていて、電極層となる
【請求項2】
前記のメソポーラスナノ結晶層(3)メソポーラス無機ナノ酸化膜であることを特徴とする請求項1に記載のペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池。
【請求項3】
前記のメソポーラス無機ナノ酸化物が酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及びシリカの少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載のペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池。
【請求項4】
前記のペロブスカイト型半導体材料がABX3であり、その中、Aがアルキルアミン及びアルカリ元素の少なくとも1種、Bが鉛、錫の少なくとも1種、Xがヨウ素、臭素及び塩素の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池。
【請求項5】
前記の正孔ブロッキング層(2)が緻密な酸化チタン膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池。
【請求項6】
下記のステップを含むことを特徴とするペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池の製造方法。
(1)導電ベース(1)上に正孔ブロッキング層(2)を製造する。
(2)前記の正孔ブロッキング層(2)上に相次ぎにメソポーラスナノ結晶層(3)、メソポーラス無機ナノ酸化膜であるメソポーラス絶縁スペーサ層(4)及びメソポーラス導電膜であるメソポーラス正孔収集層(5)を積み重、焼き付ける。
(3)ペロブスカイト型半導体材料を前駆体溶液滴で前記のメソポーラス正孔収集層(5)に塗り付け、それを上から下まで相次ぎに前記のメソポーラス正孔収集層(5)からメソポーラスナノ結晶層(3)のナノポアに充填し、乾燥させてからメゾスコピック太陽電池のエレメントを取得する。
【請求項7】
前記のメソポーラスナノ結晶層(3)メソポーラス無機ナノ酸化膜であることを特徴とする請求項6に記載のペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池の製造方法。
【請求項8】
前記のメソポーラスナノ結晶層(3)、メソポーラス絶縁スペーサ層(4)及びメソポーラス正孔収集層(5)が印刷またはナイフ塗布で積み重なって製造されたものであることを特徴とする請求項6または7に記載のペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池の製造方法。
【請求項9】
前記のメソポーラスナノ結晶層(3)、メソポーラス絶縁スペーサ層(4)及びメソポーラス正孔収集層(5)の正孔輸送性能を最適にするために、前記のステップ(3)の後に補助P型半導体材料を充填するステップを含むこともできることを特徴とする請求項68のいずれかに記載のペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメゾスコピック太陽電池のエレメントの太陽電池技術に関する。
【背景技術】
【0002】
メゾスコピック太陽電池はメソポーラスナノ結晶材料を光陽極にする太陽電池である。この太陽電池で、光吸収材料が光陽極としてメソポーラスナノ結晶電極に吸着し、発生した光電子をメソポーラスナノ結晶電極に投入し、導電ベースに輸送する上、正孔トランスポート層により発生した正孔を正孔収集層に輸送して光電流を形成する。メソポーラスナノ電極は比表面積が非常に大きいので、十分に多く光吸収材料を吸着して大いに光電流を取得でき、理論的効率が非常に高い。
【0003】
半導体ナノ結晶光吸収材料はメゾスコピック太陽電池分野で非常に広く利用されてきた。その原因として、半導体ナノ結晶光吸収材料は光学的断面が大きいことの上、所定の範囲でこれらの光吸収材料の結晶粒子大きさを調節してそのエネルギーギャップを変えて電池エレメントの開回路電圧を変える。この半導体ナノ結晶光吸収材料に基づく太陽電池のエレメントは理論的効率が非常に高いが、実際のところ、これらの材料は安定性が下手であり、キャリアの複合時間が短い。
【0004】
新しいペロブスカイト型ナノ光吸収半導体材料として、ヨウ化鉛メチルアンモニウム(CH3NH3PbI3)は光吸収の範囲が広く、吸収係数が高く、キャリア複合時間が長く、安定性がよい。現在、このペロブスカイト型光吸収材料に基づく全固形のメゾスコピック太陽電池のエレメントは光電転換効率が12.3%科まで高い。しかしながら、従来、このペロブスカイト型半導体材料を光吸収材料にする電池は有機P型半導体材料を正孔トランスポート層にし、蒸着で貴金属電極を製造して電池エレメントの電極対として正孔を収集するのが普通である。有機半導体材料の利用により、電池エレメントのパッケージプロセスに関する規定が更に厳になり、ある程度でエレメントの長期の安定性に影響を与える。なお、蒸着貴金属電極は電池エレメントの製造コストを向上する上、重大にこの電池エレメントの量産及び利用を制約している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はペロブスカイト型光吸収材料に基づくメゾスコピック太陽電池及びその製造方法を提供し、ペロブスカイト型半導体材料自身の正孔伝導性能により直接に正孔を正孔収集層に輸送して前記の課題を解決することを目的にする。
【0006】
本発明はベース及び相次ぎにそのベースの上に積み重なった正孔ブロッキング層、メソポーラスナノ結晶層、絶縁スペーサ層及びメソポーラス正孔収集層を含むペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その中、前記のメソポーラスナノ結晶層、絶縁スペーサ層及びメソポーラス正孔収集層にペロブスカイト型半導体材料が充填されている。
【0008】
好ましくは、前記のメソポーラスナノ結晶層がペロブスカイト型半導体材料に充填されてから活性光吸収層となる。
【0009】
好ましくは、メソポーラスナノ結晶層がメソポーラス無機ナノ酸化膜である。
【0010】
好ましくは、前記の絶縁スペーサ層がペロブスカイト型半導体材料に充填されてからが正孔トランスポート層となる。
【0011】
好ましくは、前記の絶縁スペーサ層がメソポーラス無機ナノ酸化膜である。
【0012】
好ましくは、前記の正孔ブロッキング層が緻密な酸化チタン膜である。
【0013】
好ましくは、前記のペロブスカイト型半導体材料がABX3である。その中、Aがアルキルアミン及びアルカリ元素の少なくとも1種、Bが鉛または錫の少なくとも1種、Xがヨウ素、臭素または塩素の少なくとも1種である。
【0014】
好ましくは、前記のペロブスカイト型半導体材料がヨウ化鉛メチルアンモニウム(CH3NH3PbI3)である。
【0015】
好ましくは、前記のナノ酸化物が酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及びシリカの少なくとも1種である。
【0016】
更に、本発明は下記のステップを含むペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池の製造方法を提供する。
【0017】
(1)導電ベース上に正孔ブロッキング層を製造する。
【0018】
(2)正孔ブロッキング層上に相次ぎにメソポーラスナノ結晶層、メソポーラス絶縁スペーサ層及びメソポーラス正孔収集層を積み重、焼き付ける。
【0019】
(3)ペロブスカイト型半導体材料の前駆体溶液を滴でメソポーラス正孔収集層に塗り付け、それが上から下まで相次ぎにメソポーラス正孔収集層からメソポーラスナノ結晶層ナノポアに充填できてから、乾燥させてから前記の全固形メゾスコピック太陽電池のエレメントを取得する。
【0020】
好ましくは、メソポーラスナノ結晶層でもメソポーラス絶縁スペーサ層でもナノ酸化物膜である。
【0021】
好ましくは、前記のメソポーラスナノ結晶層、絶縁層及び正孔収集層が印刷により積み重なった製造されたものである。
【0022】
好ましくは、前記の正孔ブロッキング層が緻密な酸化チタン膜である。
【0023】
好ましくは、前記のペロブスカイト型半導体材料がABX3である。その中、Aがメチルアミンまたはセシウムの少なくとも1種、Bが鉛、錫の少なくとも1種、Xがヨウ素、臭素または塩素の少なくとも1種、好ましくは、ヨウ化鉛メチルアンモニウム(CH3NH3PbI3)である。
【0024】
好ましくは、前記のナノ酸化物が酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及びシリカの少なくとも1種である。
【0025】
好ましくは、ナノ膜における正孔輸送性能及びエレメントの安定性を最適にするために、前記のステップ(3)の後に他の補助P型半導体材料を充填することも含む。
【0026】
本発明による太陽電池はエレメントが相次ぎに導電ベース、正孔ブロッキング層、ナノ結晶層、絶縁スペーサ層及び正孔収集層からなる。その中、製造ステップ(2)でのメソポーラスナノ結晶層、絶縁層及び正孔収集層は印刷で製造されたものである。蒸着と比べてみると、印刷は真空が不要であるので、電池の製造プロセスが簡単になる同時に、電池の製造コストも削減された。
【0027】
本発明では、ナノ酸化物は酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及びシリカの少なくとも1種であってもよく、好ましくは、結晶粒子の大きさが10〜400nm、正孔収集層が炭素、酸化インジウム・錫のような高い仕事関数電極材料、膜厚さが50nm〜10μm、焼付け温度が共に400〜500℃である。
【発明の効果】
【0028】
まとめていうと、本発明では、メゾスコピック太陽電池はエレメントが完全な印刷方法によるものであり、ペロブスカイト型ナノ結晶を活性光吸収材料にし、その自身の正孔伝導性能によりメソポーラス絶縁スペーサ層で正孔トランスポート層を形成し、直接に正孔を正孔収集層に輸送し、有機P型材料を使用しなくなる。また、メソポーラスカーボンのような価格の安い材料を正孔収集層にするので、効果的に太陽電池のエレメントの製造プロセスを簡単にし、製造コストが安くなり、産業で広く利用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による実例のペロブスカイト型半導体材料に基づくメゾスコピック太陽電池の構成図
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、図と結び合わせて本発明の目的、技術方案及び長所について詳細に説明する。ここで説明が具体的な実例に関する場合、本発明に関する説明のためのものだけであり、本発明を限定するものではない。
【0031】
本実例で、メゾスコピック太陽電池はエレメントの構成が図1に示され、エレメントが下から上まで相次ぎに導電ベース1、正孔ブロッキング層2、ナノ結晶層3、絶縁スペーサ層4、正孔収集層5からなる。
【0032】
その中、メソポーラスナノ結晶層3、絶縁スペーサ層4及びメソポーラス正孔収集層5にペロブスカイト型半導体材料が充填されている。メソポーラスナノ結晶層3がペロブスカイト型半導体材料充填されてから活性光吸収層となり、絶縁スペーサ層4がペロブスカイト型半導体材料充填されてからが正孔トランスポート層となる。
【0033】
また、メソポーラスナノ結晶層3及びメソポーラス絶縁スペーサ層4が共にナノ酸化物膜である。例えば、ナノ酸化物は酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及びシリカの少なくとも1種であってもいい。
【0034】
好ましくは、メソポーラスナノ結晶層、絶縁層及び正孔収集層は印刷により積み重なった製造されたものである。
【0035】
焼付け後に、ナノ結晶層がペロブスカイト型半導体材料充填されてから活性ナノ結晶層となり、バッテリの光陽極として、絶縁スペーサ層がペロブスカイト型半導体材料充填されてからが正孔トランスポート層となり、正孔を正孔収集層に輸送する。
【0036】
絶縁スペーサ層ナノ酸化物膜がペロブスカイト型半導体材料充填されてから、この半導体材料に所定の正孔伝道能力があるので、従来の有機P型半導体材料わって電池の正孔トランスポート層となることができる。また、本発明では、メソポーラスカーボンのような価格の安い材料を正孔収集層にし、ペロブスカイト型半導体材料自身の正孔伝導性能により直接に正孔を正孔収集層に送るので、有機P型材料を使用しなくなる。
【0037】
次に、実例と結び合わせてメゾスコピック太陽電池の製造方法について詳細に説明する。
【実施例1】
【0038】
エレメントは導電ガラスを導電基板1にし、所定の厚さ(例えば50nm)で酸化チタン致密層2を沈積させてから、下から上までスクリーン印刷により相次ぎに酸化チタンナノ結晶層3、二酸化ジルコニウム絶縁スペーサ層4及び炭素電極正孔収集層5を製造する。
【0039】
例えば、ナノ酸化チタン結晶粒子は大きさが18nm、酸化チタン層は厚さが1μm程度、二酸化ジルコニウム結晶粒子は大きさが20nm、厚さが1μm程度である。炭素電極正孔収集層は石墨またはカーボンブラック製メソポーラス導電膜、厚さが10μm程度である。所定量(例えば4μL)のヨウ化鉛メチルアンモニウム(CH3NH3PbI3)前駆体溶液(30wt%)を滴で炭素メソポーラス膜に加え、1分に放置し、充分に酸化チタンナノ結晶膜に滲透させてから所定の温度(例えば50℃)で乾燥させる。試験によると、電池エレメントは100mW/cm2の模擬太陽光で効率が6.64%である。
【実施例2】
【0040】
エレメントは導電ガラスを導電基板1にし、所定の厚さ(例えば50nm)で酸化チタン致密層2を沈積させてから、下から上までスクリーン印刷により相次ぎに酸化チタンナノ結晶層3、酸化アルミニウム絶縁スペーサ層4及び炭素電極正孔収集層5を製造する。
【0041】
例えば、ナノ酸化チタン結晶粒子は大きさが18nm、酸化チタン層は厚さが1μm程度、酸化アルミニウム結晶粒子は大きさが20nm、厚さが1μm程度、炭素電極は正孔収集層が石墨、カーボンブラック製メソポーラス導電膜は厚さが10μm程度である。所定量(例えば4μL)のヨウ化鉛メチルアンモニウム(CH3NH3PbI3)前駆体溶液(30wt%)を滴で炭素メソポーラス膜に加え、1分に放置し、充分に酸化チタンナノ結晶膜に滲透させてから所定の温度(例えば50℃)で乾燥させる。試験によると、電池エレメントは100mW/cm2模擬太陽光で効率が6.03%である。
【実施例3】
【0042】
エレメントは導電ガラスを導電基板1にし、所定の厚さ(例えば50nm)で酸化チタン致密層2を沈積させてから、下から上までスクリーン印刷により相次ぎに酸化チタンナノ結晶層3、二酸化ジルコニウム絶縁スペーサ層4及び炭素電極正孔収集層5を製造する。例えば、ナノ酸化チタン結晶粒子は大きさが18nm、酸化チタン層は厚さが1μm程度、二酸化ジルコニウム結晶粒子は大きさが20nm、厚さが1μm程度、炭素電極は正孔収集層が石墨、カーボンブラック製メソポーラス導電膜、厚さが10μmである。所定量(例えば4μL)のヨウ素/臭素鉛メチルアミン(CH3NH3PbI2Br)前駆体溶液(30wt%)を滴で炭素メソポーラス膜に加え、1分に放置し、充分に酸化チタンナノ結晶膜に滲透させてから所定の温度(例えば50℃)で乾燥させる。試験によると、電池エレメントは100mW/cm2模擬太陽光で効率が5.87%である。
【実施例4】
【0043】
エレメントは導電ガラスを導電基板1にし、所定の厚さ(例えば50nm)で酸化チタン致密層2を沈積させてから、下から上までスクリーン印刷により相次ぎに酸化チタンナノ結晶層3、二酸化ジルコニウム絶縁スペーサ層4及び酸化インジウム・錫電極正孔収集層5を製造する。ナノ酸化チタン結晶粒子は大きさが18nm、酸化チタン層は厚さが1μm程度、二酸化ジルコニウム結晶粒子は大きさが20nm、厚さが1μm程度、酸化インジウム・錫電極は正孔収集層5が錫入れ酸化インジウム・ナノ結晶顆粒製メソポーラス導電膜、厚さが10μm程度である。4μLのヨウ化鉛メチルアンモニウム(CH3NH3PbI3)前駆体溶液を(30wt%)滴で酸化インジウム・錫メソポーラス膜に加えて、1分に放置し、充分に酸化チタンナノ結晶膜に滲透させてから、50℃で乾燥させる。試験によると、電池エレメントは100mW/cm2模擬太陽光で効率が5.15%である。
【0044】
前記の各実例で、好ましくは、導電ベース1は導電ガラスまたは導電プラスチックであり、正孔ブロッキング層2は無機金属酸化物膜であり、好ましくは緻密な酸化チタン膜であり、厚さが50nmであるが、酸化チタン膜に限るものではなく、厚さの設置が需要に応じる(例えば50nm〜10μm)。メソポーラスナノ結晶層3でも絶縁スペーサ層4でもナノ酸化物膜である。その中、メソポーラスナノ結晶層3が酸化チタンナノ結晶層であることが好ましいが、酸化チタンに限るものではなく、結晶粒子の大きさが18nmに限るものではなく、絶縁スペーサ層4が二酸化ジルコニウムであることが好ましいが、その結晶粒子の大きさも厚さも前記の実例に限るものではなく、需要に応じて選択できる。例えば、厚さは50nm〜10μmであってもいい。正孔収集層5はメソポーラス材料製電極層であり、炭素、酸化インジウム・錫などの高い仕事関数電極材料を含むがそれに限るものではない。
【0045】
また、前記の実例で、ペロブスカイト型半導体材料は化学式がABX3である。その中、Aがアルキルアミン及びアルカリ元素の少なくとも1種、Bが鉛または錫の少なくとも1種、Xがヨウ素、臭素または塩素の少なくとも1種、ヨウ化鉛メチルアンモニウム(CH3NH3PbI3)である。
【0046】
前記の実例は本発明にについて説明するものだけであり、本発明を限定するものではなく、本発明の基本的な原理におけるすべての改定、同等の変更または改善が本発明の範囲にあるものである。
【符号の説明】
【0047】
1:導電ベース
2:正孔ブロッキング層
3:ナノ結晶層
4:絶縁スペーサ層
5:正孔収集層
図1