(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電力の印加によって発熱する複数の発熱素子のうち印刷データの1ライン中において連続する複数の画素からなる領域の印刷に使用されない発熱素子に第一の電力を印加し、前記複数の発熱素子のうち印刷に使用される発熱素子に前記第一の電力より高い第二の電力を印加し、前記複数の発熱素子に印加される電力の合計を表す合計電力が一定となるよう前記第一の電力及び前記第二の電力を決定する印刷制御ステップと、
前記複数の発熱素子を用いて印刷を行う印刷ステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のサーマルプリンタ及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態のサーマルプリンタ100の構成の外観図である。
サーマルプリンタ100は、シート上に所定の画像を印刷し、画像が印刷されたシートを発行する。シートの一例として、ラベルロール紙が使用される。
サーマルプリンタ100は、
図1に示されるように、表示部200、操作部300及び排出口350を備える。
【0008】
表示部200は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。表示部200は、出力インタフェースとして動作し、文字や画像の表示を行う。また、表示部200は、入力インタフェースとして動作し、ユーザから指示の入力を受け付けてもよい。
操作部300は、ボタン等の既存の入力装置を用いて構成される。操作部300は、ユーザの指示をサーマルプリンタ100に入力する際にユーザによって操作される。例えば、操作部300は、印刷開始の指示の入力を受け付ける。
排出口350は、画像が印刷されたシートを排出する。
【0009】
図2及び
図3は、実施形態のサーマルプリンタ100の内部構成の一例を示す側面図である。
図2及び
図3には、サーマルプリンタ100の内部構成をそれぞれ異なる側面から見た図が示されている。サーマルプリンタ100は、
図2及び
図3に示されるように筺体内に第1室S1と第2室S2とを有する。第1室S1と第2室S2とは、縦壁a1によって区分けされている。まず、
図2を用いて第1室S1内の構成について説明する。
【0010】
第1室S1内には、シート1、インクリボン3、インクリボン3の供給軸4、インクリボン3の巻取軸5、サーマルヘッド6、ピンチローラP、搬送ローラR及びプラテンローラPRが備えられる。
シート1は、帯状の用紙である。シート1は、ロール状に巻回されることによってロール部2を構成する。シート1は、ロール部2から引き出されることによって搬送路7に搬送される。
【0011】
また、
図2に実線で示すシートは、ロール部2の径が比較的に大きい状態のシート1を示している。一方、
図2に示す一点鎖線L1は、ロール部2の径が比較的に小さくなった状態のシート1の位置を示している。また、
図2に示す矢印1Aは、シート1の送り出し方向を示す。
インクリボン3は、テープ状のインクカートリッジである。インクリボン3は、シート1とともに、サーマルヘッド6とプラテンローラPRとの間に挟持される。インクリボン3のインクは、サーマルヘッド6から与えられる熱によってシート1に転写される。
【0012】
インクリボン3の供給軸4は、インクリボン3を送り出す軸である。供給軸4は、インクリボン3の送り出し側に設けられる。供給軸4には、インクリボン3のロール部4aがセットされる。以下、インクリボン3のロール部4aをリボンロールと記載する。供給軸4は、DCモータ、ギヤ及びベルト等を含む回転駆動機構によって回転駆動される。
【0013】
インクリボン3の巻取軸5は、インクリボン3を巻き取る軸である。巻取軸5は、インクリボン3の巻き取り側に設けられる。巻取軸5は、DCモータ、ギヤ及びベルト等を含む回転駆動機構によって回転駆動される。巻取軸5の回転によって、インクリボン3が巻取軸5に巻き取られてリボンロールから引き出される。
【0014】
ピンチローラPは、搬送ローラRに対向配置される。
搬送ローラRは、不図示のモータにより駆動され、シート1を搬送する。
プラテンローラPRは、ステッピングモータ等の不図示のモータ、ギヤ及びベルト等を含む不図示の回転駆動機構によって回転駆動される。プラテンローラPRは、印刷ヘッド6−1に備えられるサーマルヘッド6に対向して配置される。
【0015】
印刷ヘッド6−1は、シートに画像を印刷する。印刷ヘッド6−1は、サーマルヘッド6を備える。また、印刷ヘッド6−1は、周辺温度計測センサを備えることが望ましい。
サーマルヘッド6は、プラテンローラPRの上方でプラテンローラPRと対向配置されている。サーマルヘッド6は、搬送されたシートに、インクリボン3を用いるか、もしくは、インクリボン3を用いずに感熱紙を用いることによって印刷する。なお、インクリボン3を用いずに感熱紙を用いる場合、サーマルプリンタ100はインクリボン3を備えなくてもよい。以下の説明では、サーマルヘッド6がインクリボン3を用いて印刷する場合を例に説明する。サーマルヘッド6は、サーマルヘッド6とプラテンローラPRとの間を搬送されるシートをプラテンローラPRに押し付ける。サーマルヘッド6は、一列に配置された複数の発熱素子を有している。発熱素子は、電力の印加によって発熱する。サーマルヘッド6は、複数の発熱素子に選択的に電力を印加することで発熱素子を発熱させる。
サーマルヘッド6は、発熱素子の発熱によりインクリボン3のインクを溶融あるいは昇華させてシートにインクを転写して印刷する。サーマルヘッド6には、サーミスターなどの温度センサが備えられる場合がある。温度センサは、ヘッド中央の発熱素子に近い位置に配置され、サーマルヘッド6の温度を計測する。以下、サーマルヘッド6の温度をヘッド温度と記載する。
【0016】
また、以下の説明では、サーマルヘッド6、インクリボン3、供給軸4、巻取軸5、回転駆動機構及びプラテンローラPRによって構成される機構を印刷機構(印刷部)と記載する。また、以下の説明では、複数の発熱素子のうち印刷に使用される発熱素子を印刷使用素子と記載し、印刷に使用されない発熱素子を非印刷使用素子と記載する。例えば、サーマルヘッド6が有する複数の発熱素子のうち印刷使用素子を除いた残りの発熱素子が非印刷使用素子である。ここで、以下の説明では、印刷使用素子及び非印刷使用素子を特に区別しない場合には単に発熱素子と記載する。
周辺温度計測センサは、ヘッド温度の影響を受けない範囲でサーマルヘッド6に近い位置において、サーマルプリンタ100内部の温度を計測する。以下、サーマルプリンタ100内部の温度を周辺温度と記載する。
【0017】
次に、
図3を用いて第2室S2内の構成について説明する。
図3に示すように、第2室S2には、制御装置400及び電源供給ユニット500が備えられる。
制御装置400は、サーマルプリンタ100全体の動作を制御する。例えば、制御装置400は、搬送ローラRのモータを制御することによってシート1の搬送を制御する。また、制御装置400は、印刷機構を制御して、印刷対象となるデータ(以下、「印刷データ」という。)をシート1に印刷する。制御装置400は、印刷データに基づいて、非印刷使用素子に印加する電力を決定し、決定した電力を非印刷使用素子に印加する。ここで、非印刷使用素子に印加する電力が第一の電力に相当する。また、非印刷使用素子に印加する電力の合計電力が第一合計電力に相当する。制御装置400は、印刷データに基づいて、印刷使用素子に印加する電力を決定し、決定した電力を印刷使用素子に印加する。ここで、印刷使用素子に印加する電力が第二の電力に相当する。また、印刷使用素子に印加する電力の合計電力が第二合計電力に相当する。
電源供給ユニット500は、サーマルプリンタ100に電源を供給する。破線23は、サーマルプリンタ100に備えられる表示部200と制御装置400との間でデータが通過する経路を表す。破線24は、制御装置400と操作部300との間でデータが通過する経路を表す。
【0018】
図4は、制御装置400の機能構成を表す概略ブロック図である。
制御装置400は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、制御プログラムを実行する。制御プログラムの実行によって、制御装置400は、記憶部41、取得部42、搬送制御部43、印刷制御部44を備える装置として機能する。なお、制御装置400の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
また、制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、制御プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0019】
記憶部41は、各種情報を記憶する。記憶部41は、S電力値情報記憶部411及びS温度・S停止電力値情報記憶部412で構成される。
S電力値情報記憶部411は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。S電力値情報記憶部411は、S電力値情報テーブルを記憶する。S電力値情報テーブルは、S電力値に関する情報を表すレコード(以下、「S電力値情報レコード」という。)で構成される。S電力値とは、印刷時に想定される印刷パターンにおける印刷タイミング毎の印刷使用素子のうち印刷使用素子の数が最も多い場合の印刷使用素子に印加される電力の合計電力(印刷使用素子の数が最も多い場合の第二合計電力)を表す。以下、印刷時に想定される印刷パターンにおける印刷タイミング毎の印刷使用素子のうち印刷使用素子の数が最も多い場合の印刷使用素子を総称して最大印刷使用素子と記載する。印刷時に想定される印刷パターンとは、例えば印刷フォーマットである。
【0020】
図5は、S電力値情報テーブルの具体例を示す図である。
S電力値情報テーブルは、S電力値情報レコード50を複数有する。S電力値情報レコード50は、ヘッド温度、周辺温度及びS電力値の各値を有する。ヘッド温度の値は、サーマルヘッド6の温度を表す。周辺温度の値は、サーマルプリンタ100内部の温度を表す。S電力値の値は、同じS電力値情報レコード50のヘッド温度及び周辺温度環境下で、最大印刷使用素子に印加される電力の合計値を表す。S電力値情報テーブルには、一定間隔のヘッド温度及び周辺温度毎のS電力値が登録される。一定間隔は、例えば1度毎であってもよいし、5度毎であってもよいし、その他であってもよい。なお、S電力値情報テーブルには、ヘッド温度及びS電力値の2つ値だけが登録されてもよい。また、電力値情報テーブルには、周辺温度及びS電力値の2つ値だけが登録されてもよい。S電力値情報テーブルには、通常の使用形態における印刷濃度のおよその最大値を経験的あるいは統計的に求めておき、その場合の合計電力値を紙送り速度、紙種、インクリボン種、サーマルヘッド特性、ヘッド温度、周囲温度や履歴補償などの条件に基づいて算出されたS電力値が登録される。なお、S電力値情報テーブルには、必ずしもヘッド温度、周辺温度及びS電力値の全ての組合せのデータが登録されている必要はなく、例えばS電力値情報テーブルには一部の組合せのデータが登録されていてもよい。ここで全て組合せとは、上記の一定間隔の組合せである。S電力値情報テーブルに一部の組合せのデータが登録されている場合、必要なデータは補正係数や補間式などが用いられることによって算出されてもよい。
【0021】
図4に戻って、制御装置400の説明を続ける。
S温度・S停止電力値情報記憶部412は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。S温度・S停止電力値情報記憶部412は、S温度・S停止電力値情報テーブルを記憶する。S温度・S停止電力値情報テーブルは、S温度及びS停止電力値に関する情報を表すレコード(以下、「S温度・S停止電力値情報レコード」という。)で構成される。S温度とは、シート1の搬送中にS電力値を印加して印刷を続けた場合にサーマルヘッド6が到達することが想定される温度を表す。S停止電力値とは、シート1を搬送しない状態で全ての発熱素子に同じ電力を印加し、ヘッド温度がS温度まで上昇するために必要な電力値を表す。
【0022】
図6は、S温度・S停止電力値情報テーブルの具体例を示す図である。
S温度・S停止電力値情報テーブルは、S温度・S停止電力値情報レコード60を複数有する。S温度・S停止電力値情報レコード60は、周辺温度、S電力値、S温度及びS停止電力値の各値を有する。周辺温度の値は、サーマルプリンタ100内部の温度を表す。S電力値の値は、同じS温度・S停止電力値情報レコード60の周辺温度環境下で、最大印刷使用素子に印加される電力の合計値を表す。S温度は、同じS温度・S停止電力値情報レコード60の周辺温度環境下及びS電力値である場合に、シート1の搬送中にS電力値を印加して印刷を続けた場合にサーマルヘッド6が到達することが想定される温度を表す。S停止電力値は、同じS温度・S停止電力値情報レコード60の周辺温度環境下及びS電力値である場合に、シート1を搬送しない状態で全ての発熱素子に同じ電力を印加し、ヘッド温度がS温度まで上昇するために必要な電力値を表す。S温度・S停止電力値情報テーブルには、想定されるあらゆるパターンの周辺温度、S電力値、S温度及びS停止電力値が登録される。S温度・S停止電力値情報テーブルの生成方法については後述する。なお、S温度・S停止電力値情報テーブルには、必ずしも周辺温度、S電力値、S温度及びS停止電力値の全ての組合せのデータが登録されている必要はなく、例えばS温度・S停止電力値情報テーブルには一部の組合せのデータが登録されていてもよい。ここで全て組合せとは、上記のあらゆるパターンの組合せである。S温度・S停止電力値情報テーブルに一部の組合せのデータが登録されている場合、必要なデータは補正係数や補間式などが用いられることによって算出されてもよい。
【0023】
図4に戻って、制御装置400の説明を続ける。
取得部42は、各種情報を取得する。例えば、取得部42は、周辺温度計測センサから周辺温度の情報を取得する。取得部42は、温度センサからヘッド温度の情報を取得する。取得部42は、取得した温度情報に基づいてS電力値の情報を取得する。取得部42は、取得したS電力値の情報に基づいてS温度の情報を取得する。取得部42は、取得したS電力値の情報に基づいてS停止電力値の情報を取得する。
【0024】
搬送制御部43は、シート1の搬送を制御する。具体的には、搬送制御部43は、搬送ローラR及びプラテンローラPRを制御してシート1を搬送する。
印刷制御部44は、印刷機構を制御してシート1に印刷データを印刷する。この際、印刷制御部44は、プラテンローラPRが有する複数の発熱素子のうち非印刷使用素子の数に応じた電力を非印刷使用素子に印加する。また、印刷制御部44は、非印刷使用素子に印加する電力より高い電力を印刷使用素子に印加する。
【0025】
次に、S温度・S停止電力値情報テーブルの作成方法について説明する。
まず、S温度とS停止電力値は、S電力値を算出した際の条件にて実際にテスト印刷を続けてサーマルヘッド6が到達する温度や電力値を計測した値が用いられてもよいし、数値シミュレーションあるいは経験的手法などによって求められた値が用いられてもよい。
ただし、サーマルプリンタ100の製造販売前の開発段階にて、様々な条件を想定してあらかじめ求めておくことが望ましい。そして、上記のように得られたS温度及びS停止電力値と、他の条件(周辺温度及びS電力値)とが登録されることによってS温度・S停止電力値情報テーブルが作成される。S電力値からS温度及びS停止電力値の算出は上記の方法によってあらかじめ作成されたS温度・S停止電力値情報テーブルにより行われてもよい。なお、予めS温度・S停止電力値情報テーブルを作成する際には、S電力値を求める際と同じ周囲温度とする、あるいは絶対的な温度ではなく周囲温度との温度差として扱うなど、搬送以外の条件をそろえた方が精度の高い効果が期待できる。また、S停止電力値はS電力値と比べて通常は低い値となるが、インクリボン、感熱紙などの変質や変色、素子の劣化や破損などが生じる場合にはこれらが生じない電力値を上限とする。
以上で、S温度・S停止電力値情報テーブルの作成方法についての説明を終了する。
【0026】
図7は、サーマルヘッド6の内部の模式図である。
図7に示されるように、サーマルヘッド6の内部には、複数の発熱素子R1〜R640及び複数のIC1〜10が備えられる。各ICには、複数の発熱素子が接続される。例えば、IC10には、発熱素子R1〜R64が接続される。各発熱素子の一方の端子は、ICに接続され、他方の端子はVHの線分に接続される。VHの端子には、発熱素子R1〜R640に印加される電力の合計値で表される電力が流れる。つまり、VHの端子には、S電力値やS停止電力値で表される電力が流れる。また、DIの端子には制御信号が入力される。制御信号は、各発熱素子に加える電力を示す情報などが含まれる。各発熱素子に流す電力の制御は、各発熱素子につながれた不図示の個別のスイッチで行われる。
【0027】
図8は、本実施形態におけるサーマルプリンタ100の処理の流れを示すフローチャートである。
図8の処理は、印刷開始の指示が入力された場合に実行される。
取得部42は、周辺温度計測センサ及び温度センサから温度情報を取得する(ステップS101)。具体的には、取得部42は、周辺温度計測センサから周辺温度の情報を取得し、温度センサからヘッド温度の情報を取得する。そして、取得部42は、S電力値情報テーブルを参照し、取得した温度情報に基づいてS電力値を取得する(ステップS102)。具体的には、取得部42は、S電力値情報記憶部411に記憶されているS電力値情報テーブルを読み出す。次に、取得部42は、読み出したS電力値情報テーブルのS電力値情報レコード50のうち、取得されたヘッド温度及び周辺温度に対応するS電力値情報レコード50を取得する。そして、取得部42は、取得したS電力値情報レコード50のS電力値の項目に登録されているS電力値を取得する。
【0028】
次に、取得部42は、取得したS電力値に基づいて、S温度・S停止電力値情報テーブルを参照してS温度情報及びS停止電力値情報を取得する(ステップS103及びステップS104)。具体的には、取得部42は、S温度・S停止電力値情報記憶部412に記憶されているS温度・S停止電力値情報テーブルを読み出す。次に、取得部42は、読み出したS温度・S停止電力値情報テーブルのS温度・S停止電力値情報レコード60のうち、周辺温度及び取得されたS電力値に対応するS温度・S停止電力値情報レコード60を取得する。そして、取得部42は、取得したS温度・S停止電力値情報レコード60のS温度の項目に登録されているS温度の情報及びS停止電力値の項目に登録されているS停止電力値の情報を取得する。
【0029】
印刷制御部44は、取得されたS停止電力値情報で示されるS停止電力を各発熱素子に印加する(ステップS105)。具体的には、印刷制御部44は、S停止電力を全発熱素子の数で按分した電力を各発熱素子に印加する。これにより、各発熱素子に印加される電力は同じになる。印刷制御部44は、ヘッド温度がS温度近傍に達したか否か判定する(ステップS106)。ヘッド温度がS温度近傍に達したか否かの判定は、取得部42によって定期的に温度センサから取得されるヘッド温度の情報に基づいてなされてもよいし、あるいは、予め設定された一定時間を経過したか否かに基づいてなされてもよい。ヘッド温度がS温度近傍に達していない場合(ステップS106−NO)、印刷制御部44はステップS105以降の処理を実行する。
一方、ヘッド温度がS温度近傍に達した場合(ステップS106−YES)、印刷制御部44はヘッド温度がS温度近傍に達した旨を搬送制御部43に通知する。
【0030】
搬送制御部43は、搬送ローラR及びプラテンローラPRを回転させることによってシート1を搬送する(ステップS107)。搬送制御部43は、シート1の搬送速度が目標速度に到達したか否か判定する(ステップS108)。目標速度に到達したか否かの判定は、シート1の線速度を実際に測定することによって行われてもよいし、事前に設定された一定時間を経過したか否かによって行われてもよいし、プラテンローラPRの回転数をエンコーダー等で測定することによって行われてもよい。
【0031】
シート1の搬送速度が目標速度に到達していない場合(ステップS108−NO)、搬送制御部43は搬送速度が目標速度に到達するまで待機する。
一方、シート1の搬送速度が目標速度に到達した場合(ステップS108−YES)、搬送制御部43は搬送速度が目標速度に到達した旨を印刷制御部44に通知する。印刷制御部44は、搬送制御部43からの通知がなされると、印刷データに基づいて印刷使用素子を決定する(ステップS109)。次に、印刷制御部44は、印刷使用素子に印加する電力を決定する(ステップS110)。印刷使用素子に印加する電力は、S電力値を最大印刷使用素子の数で按分することによって決定される。例えば、S電力値が500であり、最大印刷使用素子の数が50である場合、各印刷使用素子に印加される電力は10となる。
【0032】
次に、印刷制御部44は、非印刷使用素子に印加する電力を決定する(ステップS111)。非印刷使用素子に印加する電力は、S電力値で示されるS電力と第二合計電力との差(第一合計電力)を、非印刷使用素子の数で按分することによって決定される。例えば、サーマルヘッド6が有する発熱素子の数を100、S電力値を500、印刷使用素子の数を20、非印刷使用素子の数を80、印刷使用素子に印加する電力を10とした場合を例に非印刷使用素子に印加する電力の決定方法について説明する。
【0033】
まず、印刷制御部44は、第二合計電力を算出する。この場合、第二合計電力が200となる。次に、印刷制御部44は、S電力値と第二合計電力との差を算出する。この場合、差は300となる。そして、印刷制御部44は、算出された差を非印刷使用素子の数で按分することによって各非印刷使用素子に印加する電力を決定する。この場合、各非印刷使用素子に印加される電力は3.75となる。
【0034】
印刷制御部44は、ステップS110及びステップS111の処理で決定した電力を、印刷使用素子及び非印刷使用素子にそれぞれ印加する(ステップS112)。その後、印刷制御部44は、印刷機構を制御してシート1に印刷データを印刷する(ステップS113)。印刷制御部44は、全印刷が終了したか否か判定する(ステップS114)。例えば、印刷データの印刷が完了した場合、印刷制御部44は全印刷が終了したと判定する。
一方、印刷データの印刷が完了していない場合、印刷制御部44は全印刷が終了していないと判定する。
【0035】
全印刷が終了した場合(ステップS114−YES)、サーマルプリンタ100は処理を終了する。
一方、全印刷が終了していない場合(ステップS114−NO)、搬送制御部43は搬送ローラR及びプラテンローラPRを回転させることによってシート1を搬送する(ステップS115)。その後、ステップS109以降の処理が実行される。
【0036】
図9は、従来の方法と本実施形態における方法との比較結果を表す図である。
図9を説明するにあたり、前提として全発熱素子数を100、S電力値を500、印刷使用素子1個あたりに印加される電力値を10とする。全発熱素子数とは、サーマルヘッド6が有する全ての発熱素子の数である。
図9に示される例では、印刷使用素子数が0、10、20、30、40及び50の場合についての従来の方法と本実施形態における方法との比較結果が示されている。以下、
図9を用いて具体的に説明する。
【0037】
従来の方法では、印刷使用素子数が0個の場合、全発熱素子に印加される電力の合計電力値が0である。この場合、発熱素子が全く発熱しないためヘッド温度が低下する。また、従来の方法では、印刷使用素子数が20個の場合、全発熱素子に印加される電力の合計電力値が200である。この場合、発熱素子が発熱してヘッド温度が上昇する。また、従来の方法では、印刷使用素子数が50個の場合、全発熱素子に印加される電力の合計電力値が500である。この場合、発熱素子が発熱してヘッド温度が上昇する。このように、従来の方法では印刷使用素子数に応じてヘッド温度が変動する。つまり、ヘッド温度が印刷データに応じて変動してしまう。
【0038】
これに対して、本実施形態における方法では、印刷使用素子数が0個の場合、全発熱素子に印加される電力の合計電力値が500である。より具体的には、印刷使用素子数に印加される電力の合計(第二合計電力)が10×0=0であり、非印刷使用素子に印加される電力の合計(第一合計電力)が500である。ここで、各非印刷使用素子に印加される電力は、全発熱素子に印加される電力の合計電力値がS電力値(
図8の場合、500)となるように決定される。印刷使用素子数が0個の場合、非印刷使用素子数が100個である。つまり、第二合計電力が0であるため、第一合計電力が500となる。そして、500÷100=5となり、各非印刷使用素子に印加される電力は5となる。これにより、発熱素子が合計で電力値500だけの発熱をする。
【0039】
また、本実施形態における方法では、印刷使用素子数が20個の場合、全発熱素子に印加される電力の合計電力値が500である。より具体的には、印刷使用素子数に印加される電力の合計(第二合計電力)が10×20=200であり、非印刷使用素子に印加される電力の合計(第一合計電力)が300である。ここで、各非印刷使用素子に印加される電力は、全発熱素子に印加される電力の合計電力値がS電力値(
図9の場合、500)となるように決定される。印刷使用素子数が20個の場合、非印刷使用素子数が80個である。つまり、第二合計電力が10×20=200であるため、第一合計電力が300となる。そして、300÷80=3.75となり、各非印刷使用素子に印加される電力は3.75となる。これにより、発熱素子が合計で電力値500だけの発熱をする。
【0040】
また、本実施形態における方法では、印刷使用素子数が50個の場合、全発熱素子に印加される電力の合計電力値が500である。より具体的には、印刷使用素子数に印加される電力の合計(第二合計電力)が10×50=500であり、非印刷使用素子に印加される電力の合計(第一合計電力)が0である。ここで、各非印刷使用素子に印加される電力は、全発熱素子に印加される電力の合計電力値がS電力値(
図9の場合、500)となるように決定される。印刷使用素子数が50個の場合、非印刷使用素子数が0個である。つまり、第二合計電力が10×50=500であるため、第一合計電力が0となる。そして、0÷50=0となり、各非印刷使用素子に印加される電力は0となる。これにより、発熱素子が合計で電力値500だけの発熱をする。
以上のように本実施形態における方法では、非印刷素子数が上記以外の場合であっても同様に全発熱素子の合計電力値がS電力値となるように発熱させる。したがって、印刷データによらず、ヘッド温度が一定値(S温度)を保つことができる。
【0041】
以上のように構成されたサーマルプリンタ100によれば、印刷品質の低下を抑制することができる。以下、この効果について詳細に説明する。
サーマルプリンタ100は、サーマルヘッド6が有する複数の発熱素子のうち印刷に使用されない非印刷発熱素子の数に応じた電力を非印刷発熱素子に印加する。これにより、印刷に使用されない発熱素子に対しても電力が印加される。さらに、非印刷発熱素子には、非印刷発熱素子の数に応じた電力が印加される。つまり、各非印刷発熱素子で等しい電力が非印刷発熱素子に印加される。したがって、サーマルプリンタ100は、印刷前にサーマルヘッド6全体の温度を高めておくことができる。そのため、印刷品質の低下を抑制することが可能になる。
【0042】
また、サーマルプリンタ100は、各非印刷発熱素子に印加される電力よりも高い電力を各印刷発熱素子に印加する。これにより、サーマルプリンタ100は、全発熱素子に対して電力を印加したとしても、印刷発熱素子だけで印刷データの印刷を行うことができる。
また、サーマルプリンタ100は、S電力値と印刷使用素子に印加される電力の合計電力値との差と、非印刷発熱素子の数とに基づいて非印刷使用素子に印加する電力を決定する。例えば、サーマルプリンタ100は、非印刷発熱素子の数で差を按分することによって各非印刷使用素子に印加する電力を決定する。したがって、非印刷発熱素子の数によらず、全発熱素子に印加される電力の合計値が一定になる。そのため、ヘッド温度を一定に保つことができる。
【0043】
以下、サーマルプリンタ100の変形例について説明する。
本実施形態では、ラベルロール紙1を例に説明したが、サーマルプリンタ100は単票紙にも適用することができる。
本実施形態では、サーマルヘッド6が有する全発熱素子に電力を印加する構成を示したが、電力の印加についてはこれに限定される必要はない。例えば、サーマルプリンタ100は、サーマルヘッド6が有する全発熱素子のうち、印刷に使用されることが無い発熱素子を除いた残りの発熱素子をサーマルヘッド6が有する全発熱素子として電力を印加するように構成されてもよい。
以上の説明における電力の印加は、直流印加、パルス印加、交流印加のいずれの方法によって行われても構わない。ただし、通常はパルス印加が用いられ、電圧値一定のもとでパルス幅を調整することによって電力値を調整する手段がとられる。これは、電圧値の調整よりもパルス幅の調整の方が容易なためである。
【0044】
S電力値について、同時に印刷に使用される印刷使用素子の最大数が多く、サーマルヘッド6が有する全発熱素子数のかなりの割合(例えば、80%)を占めるような場合、S電力値が大きくなりすぎてしまう。このような場合が想定されるため、S電力値の閾値が設定されてもよい。例えば、
図9の説明に利用した前提条件で、S電力値が1000であった場合を考える。全発熱素子が同時に印刷する印刷パターン、例えばサーマルヘッド6に沿った方向の幅いっぱいの横線のパターンがあるとするとS電力値は1000となる。
このような場合に、印刷使用素子が0個の印刷データがあった場合、非印刷使用素子にそれぞれ10の電力値を加える必要がある。そうすると、印刷使用素子1個あたりに印加される電力値10と等しくなってしまうため、非印刷使用素子にもかかわらず印刷してしまう結果となる場合が想定される。つまり、S電力値が想定可能な最大値1000に近づくほど、印刷使用素子と非印刷使用素子の電力値の差が小さくなり、マージンの小さな状態になってしまうわけである。そこで、このような場合を防ぐためにS電力値の閾値を設けることでS電力値が小さくなるようにする。それにより、S電力値を超えるような局所的な印刷パターンにおけるサーマルヘッド6の短期的な温度上昇を許容することで、マージンを大きくして、印刷品位への悪影響をできるだけ小さくすることが可能である。
【0045】
また、サーマルプリンタ100は、周囲温度が印刷中に大きく変動するような場合、S電力値を印刷中に変更するように構成されてもよい。例えば、長期間の連続した印刷を行っている最中に室温が大きく変動してしまうような場合、周囲温度が影響を受けて変動する。その場合、ヘッド温度が影響を受けて印刷品位に悪影響を及ぼすことがある。このような場合、サーマルプリンタ100は周囲温度に基づいてS電力値を一時的に変更し、ヘッド温度が一定に保たれるようにする。例えば、取得部42が、S電力値情報テーブルから周囲温度に基づくS電力値の情報を取得する。そして、印刷制御部44は、取得された情報からS電力値を新たに取得されたS電力に変更する。
【0046】
図8のステップS106の処理においては、ヘッド温度がS温度近傍に達するまで過不足のない期間だけ印加することが望ましく、印刷開始までの時間や消費電力の節約などの点で適切である。しかし、サーマルプリンタ100に電源が投入された後に、サーマルプリンタ100は印刷の開始とは関係なく常に電力を印加していても構わないし、印刷品位への影響が許容範囲であればS温度近傍に達するまでの期間よりも短い期間の電力印加でも構わない。例えば、サーマルプリンタ100は、アイドリングと即時印刷可能な状態の2段階の状態を想定し、これに応じて電力値を切り替えて発熱素子に印加し、アイドリング時にはS停止電力値よりも低い電力を発熱素子に印加し、即時印刷可能な状態の場合にはS停止電力値を発熱素子に印加するなどの調節を行うことで、消費電力の削減と印刷開始までの時間短縮の両立を図っても構わない。
【0047】
また、印刷ヘッド6−1は、ヘッド温度の加熱手段もしくは冷却手段、あるいは、周囲温度の加熱手段もしくは冷却手段を備えるように構成されてもよい。
また、サーマルプリンタ100は、同じ印刷使用素子による印刷が続く、印刷使用素子に隣接する発熱素子も同時に印刷するなどの場合には発熱素子の温度が過度に上昇しないようにパルスの長さや電圧値を調整する、いわゆる履歴補償を行うように構成されてもよい。
【0048】
また、サーマルプリンタ100は、ヘッド温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加するように構成されてもよい。例えば、サーマルプリンタ100は、ヘッド温度に基づいて補正された、非印刷使用素子に印加される電力を非印刷使用素子に印加する。また、サーマルプリンタ100は、ヘッド温度に基づいて補正された、印刷使用素子に印加される電力を印刷使用素子に印加する。サーマルプリンタ100は、ヘッド温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加する処理を、印刷を行っている期間もしくは印刷を行わないでシートの搬送を停止している期間に行う。以下、印刷を行っている期間に、ヘッド温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加する処理について具体的に説明する。
【0049】
ヘッド温度が過度に高い場合、例えば連続して印刷が行われることによってヘッド温度が過度に高い場合、発熱素子の温度も上昇する。そのため、印刷制御部44は、ヘッド温度が過度に高い場合、
図8のステップS110の処理で決定された各印刷使用素子に印加する電力を補正する。例えば、印刷制御部44は、
図8のステップS110の処理で決定された各印刷使用素子に印加する電力よりも低い電力を、各印刷使用素子に印加する電力に決定する。その後、印刷制御部44は、非印刷使用素子に印加する電力を決定する。非印刷使用素子に印加する電力は、上述したように、S電力値で示されるS電力と第二合計電力との差(第一合計電力)を、非印刷使用素子の数で按分することによって決定される。このようにして、印刷制御部44は、ヘッド温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加する。なお、ヘッド温度が過度に高い場合に、各印刷使用素子に印加する電力はテーブルなどで予め設定されていてもよい。
以上で、印刷を行っている期間に、ヘッド温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加する処理についての説明を終了する。
【0050】
印刷を行わないでシートの搬送を停止している期間に、ヘッド温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加する処理は、以下のように行われる。
ヘッド温度が過度に高い場合、例えば連続して印刷が行われることによってヘッド温度が過度に高い場合、発熱素子の温度も上昇する。そのため、印刷制御部44は、ヘッド温度が過度に高い場合、
図8のステップS105の処理で全発熱素子に印加されているS停止電力を補正する。例えば、印刷制御部44は、
図8のステップS105の処理で全発熱素子に印加されているS停止電力よりも低い電力を、全発熱素子に印加するS停止電力に決定する。このようにして、印刷制御部44は、ヘッド温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加する。なお、ヘッド温度が過度に高い場合に、全発熱素子に印加するS停止電力はテーブルなどで予め設定されていてもよい。
以上で、印刷を行わないでシートの搬送を停止している期間に、ヘッド温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加する処理についての説明を終了する。
【0051】
サーマルプリンタ100は、周囲温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加するように構成されてもよい。この処理については、ヘッド温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加する処理と同様の処理が行なわれるため説明を省略する。
サーマルプリンタ100は、ユーザから入力された温度(例えば、周囲温度など)を設定する設定部を備えるように構成されてもよい。このように構成される場合、サーマルプリンタ100は、設定部によって設定された温度によって補正された電力を発熱素子に印加する。サーマルプリンタ100は、設定部によって設定された温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加する処理を、印刷を行っている期間もしくは印刷を行わないでシートの搬送を停止している期間に行う。なお、実際の処理については、上記ヘッド温度もしくは周囲温度に基づいて補正された電力を発熱素子に印加する処理と同様の処理が行なわれるため説明を省略する。
【0052】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、電力の印加によって発熱する複数の発熱素子と、複数の発熱素子のうち印刷データの1ライン中において連続する複数の画素からなる領域の非印刷使用素子に第一の電力を印加し、複数の発熱素子のうち印刷使用素子に第一の電力より高い第二の電力を印加し、複数の発熱素子に印加される電力の合計を表す合計電力が一定となるように第一の電力及び第二の電力を決定する印刷制御部44と、複数の発熱素子を用いて印刷を行う印刷部とを持つことにより、印刷品質の低下を抑制することができる。
【0053】
上述した実施形態におけるサーマルプリンタ100の一部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。そして、上述したプログラムを記録した記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、可搬媒体や記憶装置等のことをいう。可搬媒体は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等である。また、記憶装置は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等である。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するものである。通信回線は、インターネット等のネットワークや電話回線等である。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリであってもよい。揮発性メモリは、一定時間プログラムを保持しているものである。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また上記プログラムは、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。