特許第6267922号(P6267922)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267922
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】有害物質処理薬剤
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/00 20060101AFI20180115BHJP
   B09B 3/00 20060101ALI20180115BHJP
   B09C 1/08 20060101ALI20180115BHJP
   C02F 11/00 20060101ALI20180115BHJP
   A62D 3/33 20070101ALI20180115BHJP
   C09K 17/02 20060101ALI20180115BHJP
   C09K 17/08 20060101ALI20180115BHJP
   C09K 17/06 20060101ALI20180115BHJP
   A62D 101/40 20070101ALN20180115BHJP
   A62D 101/43 20070101ALN20180115BHJP
   A62D 101/47 20070101ALN20180115BHJP
   A62D 101/49 20070101ALN20180115BHJP
【FI】
   C09K3/00 SZAB
   B09B3/00 304G
   B09C1/08
   C02F11/00 C
   C02F11/00 G
   C02F11/00 H
   C02F11/00 J
   A62D3/33
   C09K17/02 Z
   C09K17/08 Z
   C09K17/06 Z
   A62D101:40
   A62D101:43
   A62D101:47
   A62D101:49
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-218618(P2013-218618)
(22)【出願日】2013年10月21日
(65)【公開番号】特開2015-81270(P2015-81270A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】592048970
【氏名又は名称】日鉄住金セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132230
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100088203
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 英一
(72)【発明者】
【氏名】大石 徹
【審査官】 小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−240017(JP,A)
【文献】 特開2008−273994(JP,A)
【文献】 特開2012−187517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/00
C09K 3/20− 3/32
C09K 17/00− 17/52
B09B 1/00− 5/00
B09C 1/00− 1/10
C02F 11/00− 11/20
A62D 1/00− 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫酸鉄及び/又は硫酸アルミニウム10〜90重量%と、セメント3〜80重量%と、水1〜30重量%を含む材料を粉体混合して得られる混合物からなり、粉体混合の際に硫酸鉄及び/又は硫酸アルミニウムセメントの少なくとも一部を反応させた水和反応生成物を含有することを特徴とする有害物質不溶化処理のための粉末状の有害物質処理薬剤。
【請求項2】
有害物質処理薬剤が、汚泥、焼却灰及び又は土壌中の有害物質不溶化処理のための有害物質処理薬剤であり、上記有害物質が、砒素、鉛、カドミウム、6価クロム、セレン、水銀、フッ素、ホウ素、ニッケル、銅、亜鉛、アンチモン及びバリウムから選ばれる少なくとも1種のイオンである請求項1に記載の有害物質処理薬剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工場等で発生する有害物質含有汚泥、焼却灰又は汚染土壌を安全に埋め立て等に使用するために、砒素、鉛、カドミウム、6価クロム、セレン、水銀、フッ素、ホウ素、ニッケル、銅、亜鉛、アンチモン、バリウム等の有害物を安定化させ、これを不溶化処理するための薬剤に関するものである。
【0002】
化学工場、鉱山、製錬所、製鉄所、焼却処分場等では、製品の製造工程、製錬工程、表面処理工程、鍍金工程、焼却工程等から、種々の有害物質を含む廃棄物が発生し、そのうち高濃度の成分を含むものについてはリサイクル工程により回収され、資源として原料に戻されているが、含有濃度の低いものやそもそも不純物として含有されていたものについては、廃棄物として処理されている。
【0003】
廃水中に含まれる有害物質については、一般に廃水処理工程で、アルカリ薬剤、酸化剤等の添加により水中にフロックとして析出させ、凝集材を添加した後シックナー等を使用して濃縮沈殿し、更にフィルタープレス等によって脱水して、汚泥として埋め立て等で廃棄処分されている。
【0004】
汚泥や焼却灰を埋め立て等で廃棄処分する場合は、周囲の汚染を防ぐため、有害物質が固定化されて安定化して溶け出さないことが必要であると同時に、処分時の施工性を維持するために、ある程度の施工強度を有することも必要である。
【0005】
有害物質含有廃棄物や有害物質汚染土壌を廃棄処分する場合は、含有される有害物質が溶出しないように安定化処理する必要がある。有害物質を不溶化するためには、キレート化剤が有効であることが知られているが、これは酸性〜中性領域で使用されるため、処分時の施工性を維持するために安価なセメント等の固化材を混合すると不溶化性能が低下する問題を生じる。そのためにキレート化剤の添加量を増やすことは、処理コストがかさむ
問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-121131号公報
【特許文献2】特開2006-272144号公報
【特許文献3】特開2012-188544号公報
【特許文献4】特開2012-210577号公報
【0007】
特許文献1は、有害金属を無害化するために、これらを含有する廃棄物に硫酸鉄(II)と水を添加混合後に、カルシウム化合物を添加してpHを調整することを開示する。この方法は多量の水を必要として全体が泥状になる。特許文献2は、カルシウムアルミネート水和物を高温で仮焼し、その粒子表面に水難溶性のカルシウム塩を形成させた重金属不溶化剤を開示する。この方法は高温仮焼や表面処理工程を必要とする。特許文献3は、次亜リン酸等のリン酸又はりん酸塩類を含む重金属不溶化剤を開示する。特許文献4は、土壌中のヒ素を無害化するため、酸化細菌によりヒ素を5価の形態にしてから、鉄系硫酸塩と焼成ドロマイトを土壌中に混合して不溶化する方法を開示する。これらの方法は、処理剤の製造又は処理剤の使用が煩雑であったり、多種類の重金属や非金属系有害物質に対して効果が十分でなかったりする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、汚泥、焼却灰又は土壌中の有害物質不溶化処理薬剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、鉄、マンガン及びアルミニウムから選ばれる少なくも1種の金属の水溶性酸性金属塩5〜90重量%と、アルカリ金属及び又はアルカリ土類金属の水難溶性塩基性化合物2〜80重量%と、水1〜30重量%を含む材料を粉体混合して得られる混合物からなり、粉体混合の際に水溶性酸性金属塩と水難溶性塩基性化合物の少なくとも一部を反応させた水和反応生成物を含有することを特徴とする有害物質不溶化処理のための粉末状の有害物質処理薬剤である。
最適には、水溶性酸性金属塩としての硫酸鉄及び/又は硫酸アルミニウム10〜90重量%と、水難溶性塩基性化合物としてのセメント3〜80重量%と、水1〜30重量%を含む材料を粉体混合して得られる混合物からなり、粉体混合の際に硫酸鉄及び/又は硫酸アルミニウムとセメントの少なくとも一部を反応させた水和反応生成物を含有することを特徴とする有害物質不溶化処理のための粉末状の有害物質処理薬剤である。
【0010】
上記水溶性酸性金属塩としては、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、塩化マンガン、硫酸マンガン、塩化アルミニウム及び硫酸アルミニウムから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、これらの粉末又は15〜35wt%水溶液として使用される。
【0011】
上記水難溶性塩基性化合物としては、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸塩ガラス、製鉄スラグ及びセメントから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、これらの粉末が使用される。
【0012】
上記有害物質処理薬剤は、有害物質として、砒素、鉛、カドミウム、6価クロム、セレン、水銀、フッ素、ホウ素、ニッケル、銅、亜鉛、アンチモン及びバリウムから選ばれる少なくとも1種のイオンを含む汚泥、焼却灰及び又は土壌中の有害物質不溶化処理のために優れる。
【0013】
上記有害物質処理薬剤には、a)硫酸鉄及び/又は硫酸アルミニウム10〜90重量%、酸化マグネシウム及び/又は珪酸カルシウム3〜80重量%、水1〜30重量%を含む材料、b)硫酸鉄及び/又は硫酸アルミニウム10〜90重量%と、水酸化カルシウム3〜80重量%、水1〜30重量%を含む材料、c)硫酸鉄及び/又は硫酸アルミニウム10〜90重量%と、セメント3〜80重量%、水1〜30重量%を含む材料、又はd)硫酸鉄及び/又は硫酸アルミニウム10〜90重量%と、水酸化カルシウム3〜80重量%、水1〜30重量%を含む材料を粉体混合して得られるものがある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡易な手段で汚泥、焼却灰及び土壌中の有害物質を不溶化処理することができる。この不溶化処理した廃棄物は、雨水等に濡れても重金属等を再溶出しないか、大きく縮減するので、安全に埋め立て等で廃棄処分することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】有害物質処理薬剤5の示差熱分析のチャートである。
図2】有害物質処理薬剤7の示差熱分析のチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明で処理される有害物質含有物としては、主として化学工場、鉱山、製錬所、製鉄所、鍍金工場、焼却処分場等では、製品の製造工程、製錬工程、表面処理工程、鍍金工程、焼却工程等で排出される無機系の汚泥、焼却灰、飛灰又はこれらの工場等の稼働に伴い発生した汚染土壌等である。
【0017】
本発明による有害物質処理薬剤は、鉄、マンガン及びアルミニウムから選ばれる少なくも1種の水溶性酸性金属塩と、アルカリ金属及び又はアルカリ土類金属の水難溶性塩基性化合物との混合物からなり、少なくともその一部分は粉体混合する際に、水存在下で化学反応させた反応生成物を含有する。
【0018】
有害物質処理薬剤の原料として使用する鉄、マンガン、アルミニウムの水溶性酸性金属塩としては、水に対する溶解度が大きく、かつ、水中に添加した時にpHが酸性を呈する性質が求められ、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、塩化マンガン、硫酸マンガン、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムが使用可能であるが、自然環境に優しく低コストである塩化鉄、硫酸鉄、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムが適する。鉄化合物としては、2価又は3価のいずれの化合物も使用できる。また、使用する酸性金属塩は、粉末又は15〜35wt%水溶液として用いられる。
【0019】
有害物質処理薬剤の原料として使用するアルカリ金属、アルカリ土類金属の水難溶性塩基性化合物としては、水に対する溶解度が小さく、かつ、水中に添加した時にpHがアルカリ性を呈する性質が求められ、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸塩ガラス、製鉄スラグ、セメント等が使用可能であるが、入手し易く低コストである水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、製鉄スラグ、セメントが適する。アルカリ金属、アルカリ土類金の水難溶性塩基性塩は、粉末であることが望ましい。
【0020】
本発明による有害物質処理薬剤は、水溶性酸性金属塩と水難溶性塩基性化合物との混合物中に水を1〜30重量%添加、混合し、少なくともその一部分を水存在下で化学反応させた水和反応生成物を含有させることが必要である。この時に水の添加量が過大であると混合物がスラリー化してしまい、粉末状の有害物質処理薬剤が得られなくなる。また、水の添加量が過少であると、水和反応生成物の生成量が少なくなり、有害物質の処理性能が低下する。水の添加方法としては、水溶性酸性金属塩に水を添加するか、水溶性酸性金属塩及び又は水難溶性塩基性化合物に個別に水を添加したものを混合するか、あるいは水溶性酸性金属塩、水難溶性塩基性化合物、及び水を同時に混合してもよい。
【0021】
水溶性酸性金属塩、水難溶性塩基性化合物と水を含む材料は、粉体混合される。この際に、水溶性酸性金属塩と水難溶性塩基性化合物の一部は水の存在下で反応して、水和反応生成物を生成する。この生成物は、水溶性酸性金属塩と水難溶性塩基性化合物をそれぞれ、MXとAYで表わすと、MYとAXのような化合物や、これらの複塩、MYとAXを含む結晶鉱物又はこれらの水和物(水酸化金属)と推測される。これらは、上記材料が粉末である場合は、その表面部分に起こり、水和反応生成物は粉末表面に存在し、粉末内部は水溶性酸性金属塩と水難溶性塩基性化合物のままであると推測される。水溶性酸性金属塩と水難溶性塩基性化合物を水なしで単純に混合しただけでは、有害物質処理薬剤としての性能が十分に向上しないことから、混練機等を使用して水分の存在下で両者の粉末を十分に接触させることが望ましい。混練機による混練時間は、2分間以上、好ましくは5分間以上である。このようにして得られる有害物質処理薬剤は、添加した水分が水和反応生成物の生成に伴い消費されるため、比較的表面が乾燥したさらさらした粉末状となるが、必要により使用性を高めるため、加熱乾燥をおこなったり、あるいは粒状化処理をしてもよい。
【0022】
本発明による有害物質処理薬剤の汚泥、焼却灰又は土壌等の被処理材(廃棄物等という。)に対する配合量は、廃棄物等に対し、0.5〜50重量%である。なお、廃棄物等が多量の水分を含む場合は、固形分に換算して計算することが好ましいが、含水率が20%以下であれば、そのままの重量でよい。
【0023】
廃棄物等と有害物質処理薬剤との混合は、全体が均一になるような混合装置を使用し、数分間以上混合又は混練することでよい。このようにして得られる不溶化処理廃棄物は、本発明の有害物質処理薬剤に含有されている水溶性酸性金属塩と水難溶性塩基性化合物とが事前に反応して生成した活性度の高い水酸化金属による吸着作用と、有害物質処理薬剤に含有されている未反応の水溶性酸性金属塩とアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩基性化合物とが混合した廃棄物と相互に化学反応し、水不溶性の反応物質を形成し、その時に汚泥中に含まれる有害物質イオンを吸着・共沈して、不溶化を達成するものと考えられる。すなわち、有害物質処理薬剤中に含有される水酸化金属による吸着作用と、未反応の水溶性酸性金属塩、塩基性化合物を廃棄物中で混合した時に生じる化学反応による有害物質イオンの吸着・共沈作用による2段階で安定化される。したがって、この不溶化処理廃棄物を野積みしても、埋め立て等に使用しても、有害物質が再溶出することがないか、大幅に減少する。
【実施例】
【0024】
実施例1
有害物質処理薬剤として、水溶性酸性金属塩、水難溶性塩基性化合物と水を表1に示す混合比率(重量%)で、混合しながら反応させて表1に示す薬剤1〜12を作成した。
使用した水溶性酸性金属塩は、硫酸第一鉄(FS)、塩化第一鉄(FC)、硫酸アルミニウム(AS)および塩化アルミニウム(AC)の粉末状工業用薬品であり、水難溶性塩基性化合物としては、酸化マグネシウム(MO)、水酸化カルシウム(CH)の粉末状工業用薬品および合成トベルモリ石(Tobermorite)を主成分とする珪酸カルシウム粉末(CS)であり、水として精製水を使用した。これらの材料を、市販の紛体混合装置を用いて表1に示す配合比率で混合、反応させて有害物質処理薬剤1〜12を作成した。
【0025】
比較例1
実施例で使用したと同じ水溶性酸性金属塩(A)、水難溶性塩基性化合物(B)、水と粉体混合装置を用いて混合し、表2に示す比較剤1〜18を作成した。
表中、FS、FC、AS、AC、MO、CH、CSは、上記水溶性酸性金属塩、水難溶性塩基性化合物に付した略号である。配合量の%は、wt%である。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
実施例1
有害物質含有汚泥として、化学工場の廃水処理工程から発生したスライムの脱水品(含水率45%)を使用した(汚泥1)。この汚泥中に薬剤1〜12のいずれかを、表3に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表3に示す。なお、比較のため,薬剤を添加しない以外は、同様にして溶出試験を行った。
薬剤を添加しない場合のPb溶出量は0.21mg/Lであり、それに比べて、薬剤を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下か、0.004mg/L以下と1/50以下に減少した。
【0029】
【表3】
【0030】
実施例2
有害物質含有汚泥として、金属加工工場の表面処理工程から発生したスライムの脱水品(含水率40%)を使用した(汚泥2)。この汚泥中に薬剤を、表4に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表4に示す。
薬剤を添加しない場合は、Ni溶出量は5.0mg/L、Cr6+溶出量は0.48mg/Lであり、それに比べて薬剤を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下の0.005mg/l以下に減少した。
【0031】
【表4】
【0032】
実施例3
有害物質含有汚泥として、化学工場の廃水処理工程から発生したスライムの脱水品(含水率49%)を使用した(汚泥3)。この汚泥中に薬剤を、表5に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表5に示す。
薬剤を添加しない場合は、As溶出量は0.14mg/Lであり、それに比べて、薬剤を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下の0.001mg/l以下に減少した。
【0033】
【表5】
【0034】
実施例4
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率26%)を使用した(汚染土壌1)。この汚染土壌に薬剤を、表6に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表6に示す。
薬剤を添加しない場合は、As溶出量は0.060mg/Lであり、それに比べて薬剤1を、0.5、1、2又は3wt%、又は薬剤2、3、5を1wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下の0.001mg/l以下に減少した。
【0035】
【表6】
【0036】
実施例5
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率28%)を使用した(汚染土壌2)。この汚染土壌に薬剤を、表7に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表7に示す。
薬剤を添加しない場合のSe溶出量は0.18mg/Lであり、それに比べて薬剤7、8または9を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下の0.001mg/L以下に減少した。
【0037】
【表7】
【0038】
実施例6
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率25%)を使用した(汚染土壌3)。この汚染土壌に薬剤を、表8に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表8に示す。
薬剤を添加しない場合のCd溶出量は32.3mg/Lであり、Pb溶出量は1.34mg/Lであり、それに比べて薬剤1を3、5、又は7wt%加えた場合は、いずれも溶出量は大幅に減少した。
【0039】
【表8】
【0040】
実施例7
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率27%)を使用した(汚染土壌4)。この汚染土壌に薬剤を、表9に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表9に示す。
薬剤を添加しない場合のCd溶出量は6.7mg/Lであり、Pb溶出量は7.5mg/Lであり、それに比べて薬剤を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下の0.001mg/l以下に減少した。
【0041】
【表9】
【0042】
実施例8
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率25%)を使用した(汚染土壌5)。この汚染土壌に薬剤を、表10に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表10に示す。
薬剤を添加しない場合のHg溶出量は5.3mg/Lであり、それに比べて薬剤を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は大幅に減少した。
【0043】
【表10】
【0044】
実施例9
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率23%)を使用した(汚染土壌6)。この汚染土壌に薬剤を、表10に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表11に示す。
薬剤を添加しない場合のF溶出量は5.0mg/Lであり、それに比べて、薬剤を2wt%加えた場合は、いずれも溶出量は1/10以下に減少した。
【0045】
【表11】
【0046】
比較例1
重金属含有汚泥として、実施例1で使用したと同じ汚泥1を使用し、この汚泥中に表2に示す比較剤1〜12を、表12に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表12に示す。
比較剤を添加しない場合のPb溶出量は0.21mg/Lであり、それに比べて、比較剤1〜12のいずれかを3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は減少したが、その程度
は低い。
【0047】
【表12】
【0048】
比較例2
重金属含有汚泥として、実施例2で使用したと同じ汚泥2を使用し、この汚泥中に表2に示す比較剤を、表12に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表13に示す。比較剤を添加しない場合のNi溶出量は5.0mg/L、Cr6+溶出量は0.48mg/Lである。
【0049】
【表13】
【0050】
比較例3
重金属含有汚泥として、実施例3で使用したと同じ汚泥3を使用し、この汚泥中に表2に示す比較剤を、表13に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表14に示す。なお、比較剤を添加しない場合のAs溶出量は0.14mg/Lである。
【0051】
【表14】
【0052】
比較例4
重金属含有土壌として、実施例4で使用したと同じ汚染土壌1を使用し、この汚泥中に表2に示す比較剤を、表14に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表15に示す。なお、比較剤を添加しない場合は、As溶出量は0.060mg/Lであり、
【0053】
【表15】
【0054】
実施例10
実施例1で作成した有害物質処理薬剤5及び7について、示差熱分析装置(TG/DTA)を用いて、10℃/分の昇温速度で試料温度を30℃から1000℃まで昇温して、その時のDTAとTGを測定した。薬剤5についての結果を図1に示し、薬剤7についての結果を図2に示す。
図1
図2