【実施例】
【0024】
実施例1
有害物質処理薬剤として、水溶性酸性金属塩、水難溶性塩基性化合物と水を表1に示す混合比率(重量%)で、混合しながら反応させて表1に示す薬剤1〜12を作成した。
使用した水溶性酸性金属塩は、硫酸第一鉄(FS)、塩化第一鉄(FC)、硫酸アルミニウム(AS)および塩化アルミニウム(AC)の粉末状工業用薬品であり、水難溶性塩基性化合物としては、酸化マグネシウム(MO)、水酸化カルシウム(CH)の粉末状工業用薬品および合成トベルモリ石(Tobermorite)を主成分とする珪酸カルシウム粉末(CS)であり、水として精製水を使用した。これらの材料を、市販の紛体混合装置を用いて表1に示す配合比率で混合、反応させて有害物質処理薬剤1〜12を作成した。
【0025】
比較例1
実施例で使用したと同じ水溶性酸性金属塩(A)、水難溶性塩基性化合物(B)、水と粉体混合装置を用いて混合し、表2に示す比較剤1〜18を作成した。
表中、FS、FC、AS、AC、MO、CH、CSは、上記水溶性酸性金属塩、水難溶性塩基性化合物に付した略号である。配合量の%は、wt%である。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
実施例1
有害物質含有汚泥として、化学工場の廃水処理工程から発生したスライムの脱水品(含水率45%)を使用した(汚泥1)。この汚泥中に薬剤1〜12のいずれかを、表3に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表3に示す。なお、比較のため,薬剤を添加しない以外は、同様にして溶出試験を行った。
薬剤を添加しない場合のPb溶出量は0.21mg/Lであり、それに比べて、薬剤を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下か、0.004mg/L以下と1/50以下に減少した。
【0029】
【表3】
【0030】
実施例2
有害物質含有汚泥として、金属加工工場の表面処理工程から発生したスライムの脱水品(含水率40%)を使用した(汚泥2)。この汚泥中に薬剤を、表4に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表4に示す。
薬剤を添加しない場合は、Ni溶出量は5.0mg/L、Cr
6+溶出量は0.48mg/Lであり、それに比べて薬剤を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下の0.005mg/l以下に減少した。
【0031】
【表4】
【0032】
実施例3
有害物質含有汚泥として、化学工場の廃水処理工程から発生したスライムの脱水品(含水率49%)を使用した(汚泥3)。この汚泥中に薬剤を、表5に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表5に示す。
薬剤を添加しない場合は、As溶出量は0.14mg/Lであり、それに比べて、薬剤を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下の0.001mg/l以下に減少した。
【0033】
【表5】
【0034】
実施例4
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率26%)を使用した(汚染土壌1)。この汚染土壌に薬剤を、表6に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表6に示す。
薬剤を添加しない場合は、As溶出量は0.060mg/Lであり、それに比べて薬剤1を、0.5、1、2又は3wt%、又は薬剤2、3、5を1wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下の0.001mg/l以下に減少した。
【0035】
【表6】
【0036】
実施例5
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率28%)を使用した(汚染土壌2)。この汚染土壌に薬剤を、表7に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表7に示す。
薬剤を添加しない場合のSe溶出量は0.18mg/Lであり、それに比べて薬剤7、8または9を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下の0.001mg/L以下に減少した。
【0037】
【表7】
【0038】
実施例6
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率25%)を使用した(汚染土壌3)。この汚染土壌に薬剤を、表8に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表8に示す。
薬剤を添加しない場合のCd溶出量は32.3mg/Lであり、Pb溶出量は1.34mg/Lであり、それに比べて薬剤1を3、5、又は7wt%加えた場合は、いずれも溶出量は大幅に減少した。
【0039】
【表8】
【0040】
実施例7
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率27%)を使用した(汚染土壌4)。この汚染土壌に薬剤を、表9に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表9に示す。
薬剤を添加しない場合のCd溶出量は6.7mg/Lであり、Pb溶出量は7.5mg/Lであり、それに比べて薬剤を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は検出限界以下の0.001mg/l以下に減少した。
【0041】
【表9】
【0042】
実施例8
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率25%)を使用した(汚染土壌5)。この汚染土壌に薬剤を、表10に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表10に示す。
薬剤を添加しない場合のHg溶出量は5.3mg/Lであり、それに比べて薬剤を3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は大幅に減少した。
【0043】
【表10】
【0044】
実施例9
重金属含有土壌として、化学工場跡地から発生した汚染土壌(含水率23%)を使用した(汚染土壌6)。この汚染土壌に薬剤を、表10に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚染土壌について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表11に示す。
薬剤を添加しない場合のF溶出量は5.0mg/Lであり、それに比べて、薬剤を2wt%加えた場合は、いずれも溶出量は1/10以下に減少した。
【0045】
【表11】
【0046】
比較例1
重金属含有汚泥として、実施例1で使用したと同じ汚泥1を使用し、この汚泥中に表2に示す比較剤1〜12を、表12に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表12に示す。
比較剤を添加しない場合のPb溶出量は0.21mg/Lであり、それに比べて、比較剤1〜12のいずれかを3wt%加えた場合は、いずれも溶出量は減少したが、その程度
は低い。
【0047】
【表12】
【0048】
比較例2
重金属含有汚泥として、実施例2で使用したと同じ汚泥2を使用し、この汚泥中に表2に示す比較剤を、表12に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表13に示す。比較剤を添加しない場合のNi溶出量は5.0mg/L、Cr
6+溶出量は0.48mg/Lである。
【0049】
【表13】
【0050】
比較例3
重金属含有汚泥として、実施例3で使用したと同じ汚泥3を使用し、この汚泥中に表2に示す比較剤を、表13に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表14に示す。なお、比較剤を添加しない場合のAs溶出量は0.14mg/Lである。
【0051】
【表14】
【0052】
比較例4
重金属含有土壌として、実施例4で使用したと同じ汚染土壌1を使用し、この汚泥中に表2に示す比較剤を、表14に示す量(重量%)で添加し、混合機で10分間混合した。得られた不溶化処理汚泥について、養生1日にて公定法に基づいた溶出試験を行った結果を表15に示す。なお、比較剤を添加しない場合は、As溶出量は0.060mg/Lであり、
【0053】
【表15】
【0054】
実施例10
実施例1で作成した有害物質処理薬剤5及び7について、示差熱分析装置(TG/DTA)を用いて、10℃/分の昇温速度で試料温度を30℃から1000℃まで昇温して、その時のDTAとTGを測定した。薬剤5についての結果を
図1に示し、薬剤7についての結果を
図2に示す。