特許第6267950号(P6267950)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267950
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20180115BHJP
   H02K 5/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   H02K5/22
   H02K5/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-260111(P2013-260111)
(22)【出願日】2013年12月17日
(65)【公開番号】特開2015-53844(P2015-53844A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2016年11月10日
(31)【優先権主張番号】特願2013-164244(P2013-164244)
(32)【優先日】2013年8月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】北井 利幸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝一
【審査官】 津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−240873(JP,A)
【文献】 特開2002−176757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/00− 5/26
H02K11/00−11/40
H02K23/00−23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨークを有するモータ本体と、
絶縁体を用いて形成されていると共に前記モータ本体を支持するケースと、
導電性の部材を用いて形成されていると共に前記ケースと一体に設けられ、かつ一端部が前記ケース内に配置され他端部がケース外側に配置された導電部材と、
前記ケース内に設けられ、かつ一端部が前記ヨークに当接し他端部が前記導電部材の一端部と電気的に接続されたターミナルと、
を備えたアクチュエータ。
【請求項2】
前記ケースが金属製のフレームに取付けられることによって前記導電部材が金属製のフレームに当接する請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記導電部材は、筒状に形成された金属製のカラムとされており、このカラムの周方向内側には雌螺子が形成されている請求項1又は請求項2記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記ケースは、第1のケースと第2のケースとを有する分割構造とされており、
前記ターミナルが前記第1のケース及び前記第2のケースのいずれかに支持されており、
前記第1のケースと前記第2のケースとが合わされた際に前記ターミナルの一端部が前記ヨークに当接する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記導電部材は、螺入されることによって前記ケースを前記金属製のフレームに固定する雄螺子とされている請求項2記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1及び特許文献2には、車両のワイパ装置等を作動させるためのアクチュエータ(ワイパモータ装置及びモータ)が開示されている。下記特許文献1に記載されたアクチュエータでは、アースの車体への接地接続を行うために、モータ本体が取付けられたブラケットと車体とを導電性のアース線を介して繋いでいる。下記特許文献2に記載されたアクチュエータでは、モータ本体が樹脂製のギヤケースにネジ及びナットを介して固定されており、またギヤケースに固定されたアースターミナルとモータ本体のヨークとが上記ネジ及びナットを介して接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−278629号公報
【特許文献2】特開2007−181343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年EMC(電磁環境両立性)の観点からアクチュエータの電磁ノイズの更なる低減が望まれており、この電磁ノイズを低減するためにモータのヨークと車体とを電気的に接続させることが考えられるが、この場合、アクチュエータを車体等へ固定することに加えて、モータのヨークと車体とをリード線等を介して接続する必要がある。すなわち、上記のような雑防構造を採用した場合、アクチュエータの車体等への取付作業が煩雑になることが考えられる。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、電磁ノイズを低減することができると共に車体等への取付けを容易に行うことができるアクチュエータを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明に係るアクチュエータは、ヨークを有するモータ本体と、絶縁体を用いて形成されていると共に前記モータ本体を支持するケースと、導電性の部材を用いて形成されていると共に前記ケースと一体に設けられ、かつ一端部が前記ケース内に配置され他端部がケース外側に配置された導電部材と、前記ケース内に設けられ、かつ一端部が前記ヨークに当接し他端部が前記導電部材の一端部と電気的に接続されたターミナルと、を備えている。
【0007】
請求項1記載のアクチュエータは、上記のモータ本体、ケース、導電部材及びターミナルを含んで構成されている。そのため、当該アクチュエータを車両用シート等を含む車体等に取付けることによって、導電部材の他端部を車体等に当接させることができる。これにより、車体等とモータ本体のヨークとを導電部材及びターミナルを介して電気的に接続させることができ、モータ本体のヨークと電気的に接続されたリード線等を車体等に固定する作業が不要となる。すなわち、本発明のアクチュエータによれば、電磁ノイズを低減することができると共に車体等への取付けを容易に行うことができる。
【0008】
請求項2記載の本発明に係るアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、前記ケースが金属製のフレームに取付けられることによって前記導電部材が金属製のフレームに当接する。
【0009】
請求項2記載のアクチュエータによれば、ケースを金属製のフレームに取付けることによって、即ち、アクチュエータを金属製のフレームに取付けることによって、導電部材の他端部を金属製のフレームに当接させることができる。これにより、アクチュエータの電磁ノイズを低減することができると共にアクチュエータの金属製のフレームへの取付けを容易に行うことができる。
【0010】
請求項3記載の本発明に係るアクチュエータは、請求項1又は請求項2記載のアクチュエータにおいて、前記導電部材は、筒状に形成された金属製のカラムとされており、このカラムの周方向内側には雌螺子が形成されている。
【0011】
請求項3記載のアクチュエータによれば、ケースと一体に設けられたカラムの周方向内側に雌螺子が形成されているため、ボルトを当該カラムの雌螺子に螺入することによってアクチュエータを車体等に取付けることができる。ところで、アクチュエータにおける車体等との取付部には、当該アクチュエータの作動時に大きな荷重が加わる。しかしながら、本発明では、アクチュエータにおける車体等との取付部が金属製のカラムとされているため、上記の高荷重によるアクチュエータの破損を抑制することができる。
【0012】
請求項4記載の本発明に係るアクチュエータは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のアクチュエータにおいて、前記ケースは、第1のケースと第2のケースとを有する分割構造とされており、前記ターミナルが前記第1のケース及び前記第2のケースのいずれかに支持されており、前記第1のケースと前記第2のケースとが合わされた際に前記ターミナルの一端部が前記ヨークに当接する。
【0013】
請求項4記載のアクチュエータによれば、第1のケースと第2のケースとを合わせるという単純な作業によってモータ本体のヨークとターミナルの一端部とを当接させる、即ち、モータ本体のヨークとターミナルの一端部とを電気的に接続させることができる。
【0014】
請求項5記載の本発明に係るアクチュエータは、請求項2記載のアクチュエータにおいて、前記導電部材は、螺入されることによって前記ケースを前記金属製のフレームに固定する雄螺子とされている。
【0015】
請求項5記載のアクチュエータによれば、金属製のフレームとモータ本体のヨークとを雄螺子及びターミナルを介して電気的に接続させることができ、これにより、アクチュエータの電磁ノイズを低減することができると共にアクチュエータの金属製のフレームへの取付けを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】サイドフレームに取付けられた状態の第1実施形態に係る車両用モータを示す平面図である。
図2】第2のケースをケース内側から見た正面図である。
図3】(A)及び(B)はそれぞれ接地用ターミナルを示す正面図及び側面図である。
図4】車両用モータを第2のケース側から見た拡大斜視図である。
図5図4に示された5−5線に沿って切断した車両用モータの断面を拡大して示す拡大断面図である。
図6】車両用シートをシート測方側から見た側面図である。
図7】変形例に係る車両用モータを示す斜視図である。
図8】サイドフレームに取付けられた状態の変形例に係る車両用モータを示す図1に対応する平面図である。
図9】第2実施形態に係る車両用モータの断面を拡大して示す図5に対応する拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
図1図6を用いて本発明の第1実施形態に係るアクチュエータについて説明する。
【0020】
図6に示されるように、本実施形態のアクチュエータは、車両用シート10のシートクッション12の前端部を上下させる車両用モータ14とされている。以下、先ず車両用シート10の概略の構成について説明し、次いで車両用モータ14について説明する。
【0021】
(車両用シート10の概略の構成)
車両用シート10は、乗員の臀部及び大腿部を支持するシートクッション12と、乗員の背部を支持すると共にシートクッション12の後端部に傾倒可能に取付けられたシートバック16と、を有して構成されている。
【0022】
シートクッション12は、当該シートクッション12の骨格の一部を構成する金属製のフレームとしての一対のサイドフレーム18を備えている。この一対のサイドフレーム18は、鋼板材にプレス加工が施されることによって形成されていると共に車幅方向に間隔を空けて配置されている。また、図5に示されるように、サイドフレーム18には、後に詳述する車両用モータ14を取付けるための雄螺子20が挿通される挿通孔22が形成されている。なお、サイドフレーム18は図示しないシートスライドレール等を介して車体と電気的に接続されている。
【0023】
また、図6に示されるように、一対のサイドフレーム18の前端部は、シート幅方向に延びる筒状の前フレーム24によって連結されており、この前フレーム24はサイドフレーム18に対して回動可能とされている。さらに、前フレーム24には、シート前方側に向けて延びる一対のアーム26及び後に詳述する車両用モータ14の出力ギヤ36と噛み合うセレクタギヤ28が接合されている。車両用モータ14が作動して、セレクタギヤ28が前フレーム24を回動させることによって一対のアーム26がシート上下方向にチルトするようになっている。これにより、シートクッション12の前端部を上下させることが可能となっている。なお、以上説明したサイドフレーム18及びチルト機構(前フレーム24、アーム26及びセレクタギヤ28)等はシートクッションパッド30及び表皮材によって被われている。
【0024】
(車両用モータ14の構成)
図1に示されるように、車両用モータ14は、当該車両用モータ14の外郭を形成するケース32と、ケース32内に配置されていると共に当該ケース32に支持されたモータ本体34と、モータ本体34の動力が伝達される出力ギヤ36と、を有して構成されている。
【0025】
モータ本体34は、有底円筒状に形成されたヨーク38及びヨーク38の内周壁に固定された図示しないセグメントマグネット等を備えている。このヨーク38及びセグメントマグネットによってモータ本体34の固定子が構成されている。また、ヨーク38の内側には、出力軸40及び出力軸40に固定された鉄心並びに鉄心に巻回された巻線を含んで構成された回転子が設けられている。
【0026】
ケース32は、絶縁体である樹脂材を用いて形成されており、またケース32は、第1のケース42と第2のケース44とを有する分割構造とされている。第1のケース42は、第2のケース44側が開放された箱状に形成されており、上記のモータ本体34が第1のケース42に支持されている。また、第1のケース42には、図示しない複数のギヤが回動可能に支持されている。モータ本体34の出力軸40の回転数がこの複数のギヤによって所定の回転数に減速されて出力ギヤ36に伝達されるようになっている。
【0027】
図2に示されるように、第2のケース44は、第1のケース42の開放端を閉止する矩形状に形成されている。具体的には、第2のケース44には、出力ギヤ36に対応する円形の開口部46が形成されており、出力ギヤ36がこの開口部46からケース32の外側に突出するようになっている。
【0028】
また、第2ケース32には、導電部材としての複数のカラム48がインサート成形により一体に設けられている。このカラム48は鋼材などの導電性の材料を用いて筒状に形成されており、図5に示されるように、カラム48の一端部50はケース32の内側、つまり、第2のケース44側に配置され、かつカラム48の他端部52はケース32の外側、つまり、第2のケース44とは反対側に配置されている。また、カラム48の他端部52は、ケース32の外側に向けて突出しており、さらに、カラム48の周方向内側には雌螺子が形成されている。なお、カラム48の外周部には当該カラム48が第2のケース44から抜け出すことを抑制するための抜け止め突起54が形成されている。
【0029】
図2に示されるように、第2のケース44には、モータ本体34に給電するための給電用ターミナル56,62,70と、モータ本体34のヨーク38と車体(シートクッション12のサイドフレーム18)とを電気的に接続するためのターミナルとしての接地用ターミナル78と、が取付けられている。
【0030】
給電用ターミナル56は、第2のケース44に固定される固定部58と、給電装置に接続されるコネクタ部60とを備えている。また、給電用ターミナル62は、モータ本体34の一方の端子(図示省略)に電気的に接続される給電部64と、第2のケース44に固定される固定部66と、給電装置に接続されるコネクタ部68と、を備えている。さらに、給電用ターミナル70は、モータ本体34の他方の端子(図示省略)に電気的に接続される給電部72と、第2のケース44に固定される固定部74を備えている。また、給電用ターミナル56と給電用ターミナル70とは、PTCサーミスタ76を介して電気的に接続されている。
【0031】
図3(A)及び(B)に示されるように、接地用ターミナル78は、平面視で略L字状に形成されており、この接地用ターミナル78は、平面視で矩形状に形成された固定部80を備えている、また、固定部80には、円形の固定孔82が形成されていると共に、固定孔82の周縁部には、複数のスリット84が形成されている。図5に示されるように、第2のケース44に設けられたボス部45が固定孔82に所定の締め代を有して嵌合されることによって、接地用ターミナル78が第2のケース44に支持されている(固定されている)。図3(A)及び(B)に示されるように、接地用ターミナル78は、固定部80の端部からそれぞれ延びる舌片状の第1延出部86及び第2延出部88を備えている。第1延出部86の先端部は、カラム48の一端部50に当接する第1当接部90とされており、図2に示されるように、接地用ターミナル78が第2ケース32に固定された状態において、第1当接部90がカラム48の一端部50に当接している。図3(A)及び(B)に示されるように、第2延出部88の先端部は、モータ本体34のヨーク38に当接する第2当接部92とされており、図1及び図4に示されるように、第1のケース42と第2のケース44とが合わされた際に第2当接部92がヨーク38に当接するようになっている。
【0032】
図1及び図5に示されるように、サイドフレーム18の挿通孔22に挿通された雄螺子20が第2のケース44に設けられたカラム48に螺入されることによって車両用モータ14がサイドフレーム18に固定されている。また、車両用モータ14がサイドフレーム18に固定された状態において、カラム48の他端部52がサイドフレーム18に当接している。
【0033】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0034】
図6に示されるように、車両用モータ14に電力が供給されて出力ギヤ36が一方側(矢印A方向)に回転すると、前フレーム24が他方側(矢印D方向)に回転し、アーム26がシート上方向(矢印E方向)にチルトする。これにより、シートクッション12の前端部がシート上方側に上昇する。また、出力ギヤ36が他方側(矢印B方向)に回転すると、前フレーム24が一方側(矢印C方向)に回転し、アーム26がシート下方向(矢印F方向)にチルトする。これにより、シートクッション12の前端部がシート下方側に下降する。
【0035】
ここで、図1に示されるように、本実施形態の車両用モータ14は、上記のモータ本体34、ケース32、カラム48及び接地用ターミナル78を含んで構成されている。そのため、当該車両用モータ14をシートクッション12のサイドフレーム18に取付けることによって、カラム48の他端部52をサイドフレーム18に当接させることができ、これにより、サイドフレーム18とモータ本体34のヨーク38とをカラム48及び接地用ターミナル78を介して電気的に接続させることができる。すなわち、本実施形態の車両用モータ14によれば、当該車両用モータ14のサイドフレーム18への取付作業とヨーク38のサイドフレーム18への接地作業とを同時に完了させることができる。また、サイドフレーム18と車体とは電気的に接続されている、つまり、サイドフレーム18、車体並びにモータ本体34のヨーク38とが同電位となっている。これにより、電磁ノイズを低減することができる。
【0036】
また、図5に示されるように、本実施形態の車両用モータ14によれば、第2のケース44と一体に設けられたカラム48の周方向内側に雌螺子が形成されているため、雄螺子20を当該カラム48の雌螺子に螺入することによって車両用モータ14をサイドフレーム18に取付けることができる。ところで、車両用モータ14におけるサイドフレーム18との取付部には、当該車両用モータ14の作動時に大きな荷重が加わる。しかしながら、本実施形態では、車両用モータ14におけるサイドフレーム18との取付部が金属製のカラム48とされているため、上記の高荷重による車両用モータ14の破損を抑制することができる。
【0037】
さらに、図1及び図4に示されるように、本実施形態の車両用モータ14によれば、第1のケース42と第2のケース44とを合わせるという単純な作業によってモータ本体34のヨーク38と接地用ターミナル78の第2当接部92とを当接させる、即ち、モータ本体34のヨーク38と接地用ターミナル78とを電気的に接続させることができる。
【0038】
なお、本実施形態では、第1のケース42と第2のケース44とが合わされた際に接地用ターミナル78の第2当接部92がヨーク38に当接するように構成した例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、接地用ターミナル78を第1のケース42に固定して、モータ本体34を第1のケース42に支持させた際に接地用ターミナル78の第2当接部92がヨーク38に当接するように構成することもできる。
【0039】
また、本実施形態では、雄螺子20を第2のケース44と一体に設けられたカラム48の雌螺子に螺入することによって車両用モータ14をサイドフレーム18に取付けた例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両用モータの外郭を形成するケースに取付孔を設けて、当該取付孔に挿通されるボルト及びナットを介して車両用モータをサイドフレーム18に取付けることもできる。
【0040】
さらに、本実施形態では、接地用ターミナル78の第1当接部90をカラム48の一端部50に当接させることによって接地用ターミナル78とカラム48とを電気的に接続させた例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図7及び図8に示された変形例に係るアクチュエータとしての車両用モータ94のように、カラム48の一端部にターミナルとしての接地用ターミナル96を溶接やハンダ付け等により接合して、当該接地用ターミナル96の先端部をモータ本体34のヨーク38に当接させた構成とすることもできる。
【0041】
また、本実施形態では、雄螺子20が螺入されるカラム48を介して接地用ターミナル78とサイドフレーム18とを電気的に接続した例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、他の導電部材を介して接地用ターミナル78とサイドフレーム18とを電気的に接続した構成とすることもできる。
【0042】
また、本発明は、ワイパモータ、パワーウインドウモータ、パワースライドドアモータ等の他のアクチュエータに適用することもできる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、図9を用いて本発明の第2実施形態に係るアクチュエータについて説明する。なお、上記実施形態と同一の部材及び同一の機能を有する部分については第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0044】
図9に示されるように、本実施形態のアクチュエータとしての車両用モータ14は、サイドフレーム18とモータ本体34のヨーク38とを雄螺子98及び接地用ターミナル78を介して電気的に接続させていることに特徴がある。具体的には、本実施形態の雄螺子98は、第1実施形態で用いた雄螺子20よりも長尺とされており、この雄螺子98をカラム48の雌螺子に螺入することによって、車両用モータ14をサイドフレーム18に取付けることが可能となっている。また、車両用モータ14がサイドフレーム18に取付けられた状態において、雄螺子98の螺子先100が接地用ターミナル78の第1当接部90に当接している。なお、本実施形態では、カラム48の一端部50と接地用ターミナル78の第1当接部90とは離間している。
【0045】
以上説明した本実施形態の車両用モータ14によれば、サイドフレーム18とモータ本体34のヨーク38とを雄螺子98、カラム48及び接地用ターミナル78を介して電気的に接続させることができ、これにより、車両用モータ14の電磁ノイズを低減することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、雄螺子98をカラム48の雌螺子に螺入することによって、車両用モータ14をサイドフレーム18に取付けた例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カラム48を設けずに、ケース32に形成された雌螺子に雄螺子98を螺入することによって、車両用モータ14をサイドフレーム18に取付けた構成とすることもできる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
14 車両用モータ(アクチュエータ)
18 サイドフレーム18(金属製のフレーム)
32 ケース
34 モータ本体
36 出力ギヤ
38 ヨーク
42 第1のケース
44 第2のケース
48 カラム(導電部材)
50 一端部
52 他端部
78 接地用ターミナル(ターミナル)
94 車両用モータ(アクチュエータ)
96 接地用ターミナル(ターミナル)
98 雄螺子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9