特許第6267955号(P6267955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267955
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】アタッチメント型螺合部材保持具
(51)【国際特許分類】
   B25B 23/10 20060101AFI20180115BHJP
   F16B 41/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   B25B23/10 A
   F16B41/00 H
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-264766(P2013-264766)
(22)【出願日】2013年12月23日
(65)【公開番号】特開2015-120217(P2015-120217A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】513324549
【氏名又は名称】猪瀬 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】猪瀬 敬
【審査官】 宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3245446(US,A)
【文献】 米国特許第5458030(US,A)
【文献】 米国特許第4736658(US,A)
【文献】 英国特許出願公告第797785(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0075856(US,A1)
【文献】 米国特許第8726769(US,B1)
【文献】 独国特許出願公開第102009003404(DE,A1)
【文献】 独国特許出願公開第3423881(DE,A1)
【文献】 実開昭58−017970(JP,U)
【文献】 実開昭54−008795(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3086077(JP,U)
【文献】 特開平07−227770(JP,A)
【文献】 実開平02−053378(JP,U)
【文献】 実開昭57−038769(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 23/10
B25B 23/02
B25B 15/00
F16B 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバー(D)の先端から螺合部材(B)を脱落させないで保持するためのアタッチメント型の保持具であって、
保持部(200)と
工具取付部(300)と
から構成され、
前記保持部(200)には前記螺合部材(B)を保持するための係止溝(210)と、前記螺合部材(B)を、前記係止溝(210)から離脱させるための着脱機構(220)とを備え、
前記着脱機構(220)は前記保持部(200)の先端開口内側に設けられた傾斜面(221)と前記保持部(200)を少なくとも2つ以上軸方向に分割し開口するためのスリット(222)から構成され、
前記工具取付部(300)には前記ドライバー(D)の軸部と、
摺動させない固定力、又は摺動できる固定力に調節可能な工具固定機構(320)を有し、
前記傾斜面(221)を有することで前記ドライバー(D)からの押圧を受けた前記保持部(200)の前記係止溝(210)から先端側が周方向へと拡張するとともに、
前記スリット(222)を有することで前記保持部(200)の全体が周方向へ拡張し、
除圧により前記保持部(200)が元の形状に復帰することで前記螺合部材(B)を締め付ける際並びに緩める際の何れにおいても脱落せずに保持可能としたことを特徴とする前記ドライバー(D)用のアタッチメント型螺合部材保持具()。
【請求項2】
前記保持部(200)の素材が、前記弾性特性を有する樹脂、シリコーン、ナイロン、またはゴムのいずれか、またはこれらからの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載のアタッチメント型螺合部材保持具()。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバーの補助具に関し、詳しくは螺合部材の着脱に使用する工具の先端に装着することで螺合部材を保持し、指先のサポートなしに片手でも螺合部材を脱落させることなく着脱可能であり、また、座金部等への押圧がかかると保持部所定位置に配置される傾斜面とスリットによって、円周方向に広がるため把持力を失い、他方、緩める際には軸心方向に窄むことで、把持力を発揮する機能を備えたアタッチメント型螺合部材保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドライバーとは、軸体の先端の係合部を螺合部材の頭部に形成された係合溝に係合させ、軸体を回転させることにより螺合部材のねじ込み、及び取り外し操作を行う機能を備え、かかる溝の形状に応じてプラスドライバー・マイナスドライバー・ポジドライブドライバー・トルクス(登録商標)ドライバー・六角ドライバー・三角ネジドライバー・スクエアドライバーなど多種の種類が存在する。
【0003】
特にプラスドライバーは、一般家庭でも常備する工具には必ず含まれると言っても過言でないほど普及率の高い工具であり、使用される螺合部材にはサラネジ、ナベネジ、バインドネジ、タッピングネジ、ドリルネジ、コースレッドなど多種多様の螺合部材の着脱に利用され、建築業、機械加工業、整備業、修理業、その他広範な業種においても利用される締結手段のための工具である。
【0004】
このように、広く普及しているネジの螺合部材とドライバーの使用状況であるが、大きな問題も残されている。例えば、螺合部材を手で押さえるスペースがない場所で作業行う場合、ドライバーの先端に螺合部材を保持しておくことはできないため下向きや横向きでは、螺合部材が脱落し、ねじ込むことは困難である。また、狭いところで螺合部材が脱落してしまうと、その装置全体を分解しないと取り出せなくなってしまうような場合もあり得る。特に異物の存在がその装置に致命的な損傷を与えるような場合もあり、細心の注意を払って作業を行う場合も少なくない。
【0005】
このような問題に鑑みて、従来からも種々の技術提案がなされている。例えば、ドライバーの軸体の先端側の係合部を永久磁石化させて、螺合部材を磁力により係合部に保持する方法が提案され、公知技術となっている。(特許文献1)しかし、磁力が重力に負けて螺合部材がずれてしまうことや、磁場を嫌う装置での使用、或いは磁性を持っていないアルミやステンレス素材の螺合部材にはそもそも効果を発揮することができないという問題がある。
【0006】
また、他にも、ドライバーの軸体の先端側にアタッチメント内部にばね座金を有するアタッチメントを装着し、螺合部材を保持する方法が提案され、公知の技術となっている。(特許文献2)しかし、この技術はアタッチメントの構造が複雑化しており、コストの問題や仕様時の手間が煩雑であると思量される問題がある。
【0007】
さらにまた、ドライバーの軸体の先端に磁石を有するアタッチメントを装着し、このアタッチメントには内部に係止溝がついており、磁性のない螺合部材にも使用可能な、螺合部材を保持する方法が提案され、公知の技術となっている。(特許文献3)。しかし、係る技術では、螺合部材をねじ込む際にアタッチメントの先端が螺合部材の座面とねじ込まれる平面部との間に挟まってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭57−202669号
【特許文献2】実用新案登録第3086077号
【特許文献3】特開2007−222972
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記問題点に鑑み、螺合部材を指先で押さえるスペースが無いような場所において、脱落を防止するとともに、片手で正確に螺合部材をねじ込むことが可能であり、さらに螺合部材を本締めまでねじ込み可能であって、該螺合部材を保持して取り外しができるといったアタッチメント型螺合部材保持具の技術提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ドライバーの先端から螺合部材を脱落させないで保持するためのアタッチメント型の保持具であって、保持部と工具取付部とから構成され、前記保持部には前記螺合部材を保持するための係止溝と、前記螺合部材を、前記係止溝から離脱させるための着脱機構とを備え、前記着脱機構は前記保持部の先端開口内側に設けられた傾斜面と前記保持部を少なくとも2つ以上軸方向に分割し開口するためのスリットから構成され、前記工具取付部には前記ドライバーの軸部と、摺動させない固定力、又は摺動できる固定力に調節可能な工具固定機構を有し、前記傾斜面を有することで前記ドライバーからの押圧を受けた前記保持部の前記係止溝から先端側が周方向へと拡張するとともに、前記スリットを有することで前記保持部の全体が周方向へ拡張し、除圧により前記保持部が元の形状に復帰することで前記螺合部材を締め付ける際並びに緩める際の何れにおいても脱落せずに保持可能とする構成を採用する
【0011】
また、本発明は、前記保持部の素材が、前記弾性特性を有する樹脂、シリコーン、ナイロン、またはゴムのいずれか、またはこれらからの組み合わせである構成を採用することもできる。
【0012】
また、本発明は、前記工具取付部の前記固定穴はドライバーの軸部に対して締まり嵌めとなる寸法公差で形成されて成る構成を採用することもできる。
【0013】
また、本発明は、前記固定穴から放射に複数のスリットが設けられている構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具によれば、弾性特性を有する樹脂、シリコーン、ナイロン、またはゴムのいずれか、またはこれらからの組み合わせである材料を用いていることから、該保持具の保持部には螺合部材を保持するための係止溝を有するため、磁性のない前記螺合部材であっても、手が入り込まなく、また前記螺合部材を脱落した場合前記螺合部材を取り出すことが困難な箇所でも、前記螺合部材を脱落することなくねじ込むことが可能である。
【0015】
また、本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具によれば、前記保持部には、前期螺合部材を前記係止溝から離脱させるための着脱機構とを備え、前記着脱機構は前記保持部の先端開口内側に設けられた傾斜面と前記保持部を少なくとも2つ以上軸方向に分割し開口するためのスリットから構成されるため、ドライバーからの押圧により前記保持部先端がその素材の弾性力によって開口し、雌ねじ側の平面部と螺合部材の首下との間に前記アタッチメント型螺合部材保持具の先端部が挟まれることなく離脱し、前記螺合部材を本締めまでねじ込むことが可能となるといった優れた効果を発揮し、他方、螺合部材を取外す場合には、ドライバーからの押圧により前記保持部先端を開口させて螺合部材を緩ませると、雌ねじ側の平面部と螺合部材の首下との間に隙間ができるので、弾性力によって前記保持部先端がそこに入り込み、螺合部材の首下を把持するため、螺合部材を脱落させることなく取り外すことが可能となる優れた効果を発揮する。
【0016】
また、本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具によれば、前記固定穴には放射に複数のスリットが設けられているため、弾性限度内において太い軸体を有するドライバーに使用することが可能であり、且つ作業が不安定な長尺を有するドライバーであっても確実に前記螺合部材をねじ込むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具の全体構成を示す全体構成説明図である。
図2】本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具の使用状態説明図である。
図3】本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具の断面図と側面図である。
図4】本発明に係る螺合部材取付時の使用状態説明図である。
図5】本発明に係る螺合部材取り外し時の使用状態説明図である。
図6】本発明に係る螺合部材の対象となる実施例説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、ドライバーDの先端から螺合部材Bを脱落させないで保持するための保持具10であって、簡易な構造によって螺合部材Bをしっかりと保持し脱落による問題を防止するものであり、その機能を発揮するために螺合部材Bの形状に対応した係止溝210と、接触端部の傾斜面221の存在と締めつけ時の押圧により開口する着脱機構220が設けられていることが最大の特徴である。以下、図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具の全体構成説明図である。図2は、本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具の使用状態説明図であり、図2(a)は本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具と螺合部材とドライバーとの結合関係を示し、図2(b)は本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具と螺合部材とドライバーとが分離されている結合前後の状態をそれぞれ示している。図3は、本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具の断面図と側面図であり、図3(a)は、軸芯方向へ向かった断面を示しており、図3(b)は工具取付部300の開口側から見た側面図を、図3(c)はアタッチメント型螺合部材保持具1の開口側から見た側面図をそれぞれ示している。
【0020】
図1に示すように、アタッチメント型螺合部材保持具は、保持部200と工具取付部300とから構成されている。素材は螺合部材を係止溝210に押圧する際に適度な反発力を有し、離脱後は元の状態に戻る弾性特性を有するものを選択する。例えば、樹脂、シリコーン、ナイロン、またはゴムのいずれか、またはこれらからの組み合わせなどでよく、ただしこれに限定されるものではない。寸法については最大外径部がドライバーの軸体の先端部に対し出来るだけ小さくなるように設計する。係る外径が大きいと狭い場所での作業においてかえって作業性を阻害する結果になるからである。
【0021】
保持部200は、螺合部材を保持するための係止溝210と、螺合部材を、係止溝210から離脱させるための着脱機構220とから構成され、図1に示されるように螺合部材を係止溝210に係合させ、その状態において、ドライバーの先端に係合させる。
【0022】
工具取付部300は工具固定機能、固定穴310を有し、ドライバーDの軸体部への装着状態はここでの公差の大きさで管理する。具体的には、例えば、通常のプラスドライバーDをここに圧入して安定させる工具固定機能を発揮させるための固定穴310有する。該寸法は、ドライバーDの軸体を安定して保持し、且つドライバーDを容易に装着するような適度な長さを有する。また、固定穴310から放射状に、複数のスリット311を設けるのもよい。さらにまた、図4(a)に示すように、工具固定機構320を設けて、しっかりとドライバーDの軸へ固定することができるようにすることが望ましい。図4(c)では雌ねじを設ける構成に記載されており、ここへスクリューボルトや蝶ボルトなどの螺合部材で固定する方法である。但し、これに限定されるものではなく、例えば、工具取付部300のスリット311部の外周面にテーパーねじを形成し、コレットチャックのように締め付けて固定する構造や、ボールやプレートをバネ等の弾性部材を用いて所定の力で押圧することが望ましい。最も簡易的なのは、嵌め合いの寸法公差等で適度な締めつけにより保持するなどである。
【0023】
係止溝210は、螺合部材と係合することにより該螺合部材を保持させる。図3に示すように前記螺合部材の頭部が様々な形状でも保持することが可能である。
【0024】
着脱機構220は、傾斜面221とスリット222から構成され、螺合部材をねじ込む平面に先端の傾斜面221が接触するとドライバーからの押圧により開口する。また、前記螺郷部材離脱後は、除圧により弾性限度内において元形状に復帰する。これらの機能により前記螺合部材を正確に本締めまでねじ込むことが可能である。
【0025】
傾斜面221は、ドライバーからの押圧に応じて前記着脱機構220を開口させる機能を有している。
【0026】
スリット222は、図1図3に示すとおり、保持部200の開口部側が押圧又は除圧によって開口しやすく、また、弾性力によって元形状に復帰させやすくする機能を有する。図1では3ヶ所に、図4(c)では4ヶ所にスリット222を設けるように示してあるが、かかる数に限定はなく、素材の弾力性や、直径等に応じて適宜設ける。
【0027】
工具取付部300には、軸芯方向に貫通してドライバーDを差し込むための固定穴310が設けられ、その外周には、図3に示すようなスリット311を設けることが望ましい。該固定穴310の寸法は、ドライバーDの軸体に密着し、安定させる内径とする。具体的には、例えばプラスドライバーであれば、該ドライバーDの軸径は、各寸法がJIS規格で定められている三種類の直径(5mm・6mm・8mm)に対応することが必要である。
【0028】
また、専用ドライバーDでなく、既存のドライバーDであっても、その軸部に本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具を取りつけ可能なアタッチメント型とすべく、工具取付部300には、工具固定機構320を備えている。該工具固定機構320による固定力は、単に強固に固定するのではなく、指先でアタッチメント型螺合部材保持具を摺動移動できる固定力とすることで、螺合部材Bを把持して離さない状態で、例えば、プラスドライバーDの先端が、螺合部材Bのプラス溝にしっかりと挿入される位置まで摺動できる程度の固定力とし、且つ押圧により保持部200の開口部側を押し広げる力には耐えて摺動しない固定力となる範囲内の固定力である。
【0029】
前記工具固定機構320の最も簡易な構造は寸法公差によるものである。前記の固定力の範囲内となるように、使用する素材の弾性力、摩擦、更には寸法公差等の諸条件を考慮してその固定穴310の内径(寸法公差)及び長さを決定すればよい。また、これらの方法に加えてスリット311の本数、深さ及び長さも考慮要素となる。なお、図面上は8本のスリット311が設けられているが、係る図示は例示であって、これらの本数に限定するものではない。
【0030】
他の機構としては、図3(a)に示すように、工具取付部300に1以上の雌ねじ部を加工し、ここへ固定用のスクリューねじや蝶ボルトなどで締め付けて調整する構成も、構造的には簡易的であり、コスト的にも経済的で有効である。
【0031】
また、図示はしていないが、さらに他の機構として、工具取付部300に割り部を設け、テーパーねじ若しくはテーパスリーブ等をチャッキングナットで締め付ける所謂コレットチャックのようなチャッキング機構としても良い。
【0032】
次に、図4及び図5を用いて本発明に係るアタッチメント型の螺合部材保持具の使用方法を説明する。図4は螺合部材Bの取り付け時を、図5は螺合部材Bの取り外し時をそれぞれ示している。螺合部材Bの取り付け部が狭く指先も入らないような狭い場所であったり、下方にある装置との関係などで螺合部材Bの脱落が許されないような場所であった場合、本発明に係るアタッチメント型の螺合部材保持具の使用が特に有効となる。
【0033】
先ず、使用するドライバーDの先端に本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具を装着する。このときドライバーDの先端付近で仮り組み込みをしておく。次に、アタッチメント型螺合部材保持具保持部200の開口部側から螺合部材Bを押し込んで挿入し、係止溝210に引っかけて装着する。この状態からドライバーDの先端が螺合部材のプラス溝やトルクス(登録商標)溝等にしっかりと差し込まれる位置まで差し込むことで装着された螺合部材Bは図4(a)に示されるように、ドライバーDの先端に保持され、目的の雌ねじ部へ螺合部材挿Bの先端を案内して片手で挿入することができる。
【0034】
次に、螺合部材Bを締め付けていくと、雌ねじ側表面に接触した保持部200の開口部側端部に設けた傾斜面221により、図4(b)に示すように螺合部材Bの首下を把持していた保持部200の開口側端部が周方向に押し広げられて螺合部材Bから離脱するので、図4(c)に示すように引き抜くことができる。
【0035】
他方、螺合部材を取り外す際は、図5の(a)に示すように、ドライバーDの先端をプラス溝等に押圧して、図5(b)に示すように保持部200の開口側端部を周方向に押し広げ、ドライバーDをねじが緩む方向に回転させる。そうすると雌ねじ側表面と螺合部材Bの首下との間に隙間ができるので、素材の弾性力によって保持部200の開口側端部が軸芯方向に戻るため、螺合部材Bの係止溝210により螺合部材Bの突き出し頭部を把持し、図4(c)に示すように脱落せずに取り外すことが可能である。
【0036】
図6は、本発明に係るアタッチメント型螺合部材保持具において、使用できる対象となる螺合部材Bの種類を例示した参考実施例説明図である。図6(a)が「なべねじ」、図6(b)が「さらねじ」、図6(c)が「バインドねじ」での実施が可能な例を示している。但し係る図示はこれらのねじに限定されることを示したものではなく、前記に記載した種々の形状のねじに対応できることを示すものである。
【符号の説明】
【0037】
アタッチメント型螺合部材保持具
200 保持部
210 係止溝
220 着脱機構
221 傾斜面
222 スリット
300 工具取付部
310 固定穴
311 スリット
320 工具固定機構
B 螺合部材
D ドライバー

図1
図2
図3
図4
図5
図6