特許第6267966号(P6267966)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267966
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】換気口の浸水防止装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/04 20060101AFI20180115BHJP
   E02D 29/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   F24F7/04 B
   E02D29/00 E
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-3906(P2014-3906)
(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2015-132418(P2015-132418A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】509120207
【氏名又は名称】パール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】高野 好
【審査官】 石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−025700(JP,A)
【文献】 特開昭63−172858(JP,A)
【文献】 特開昭62−021939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/04
E02D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向の換気口内に設置される枠部材と、
この枠部材の中央部に取り付けられて垂下された駆動部取付部材と、
この駆動部取付部材により支持された昇降駆動ユニットと、
この昇降駆動ユニットにより昇降駆動されるリンク取付部材と、
このリンク取付部材にこのリンク取付部材を挟んで対称状に軸連結された複数のリンクと、
上記枠部材の中央部上にそれぞれ軸支され上記複数のリンクにより上記枠部材の上側で上記枠部材に対しそれぞれ開閉される複数の蓋部材とを具備し、
上記昇降駆動ユニットは、
正転および逆転の回転力を発生させる回転駆動装置部と、
この回転駆動装置部により定位置で回動されるネジ軸部と、
このネジ軸部と螺合して螺進される昇降筒部と、
上記ネジ軸部の延長上に一体的に設けられた回転軸部とを備え、
上記昇降筒部に上記リンク取付部材が一体化され、
上記回転軸部は、上記枠部材に取り付けられた軸受部により回転自在に保持された
ことを特徴とする換気口の浸水防止装置。
【請求項2】
枠部材は、この枠部材の中央部に掛け渡された梁部と、この梁部を挟んで一側部および他側部に一体的に設けられた一側の枠部および他側の枠部とを備え、
駆動部取付部材は、平面視で梁部の範囲内に納まる角筒状に形成されて梁部に取り付けられ、この駆動部取付部材の下部内に昇降駆動ユニットが取り付けられ、
蓋部材は、上記一側の枠部および上記他側の枠部に対しそれぞれ開閉自在の一側の蓋部材および他側の蓋部材が上記梁部上にそれぞれ軸支された
ことを特徴とする請求項1記載の換気口の浸水防止装置。
【請求項3】
蓋部材は、
この蓋部材の上側に溜まった水を下側に抜くための水抜き孔と、
この水抜き孔を開閉する水抜き弁と、
この水抜き弁の下側に位置するリンク連結軸とを備え、
水抜き弁は、
蓋部材の上側で上下動することにより水抜き孔を開閉する弁本体部と、
この弁本体部から蓋部材を通して蓋部材の下側に突出した弁軸部と、
この弁軸部の下端に設けられてリンクの上端と対向する場所に設けられた被押圧部とを備え、
リンクは、蓋部材のリンク連結軸と上下方向に遊嵌する長穴を備えた
ことを特徴とする請求項1または2記載の換気口の浸水防止装置。
【請求項4】
枠部材および蓋部材は、平面視で四角形の角部を斜めにカットする形に形成され、
枠部材および蓋部材の相互に当接する面の一方に沿って無端状に配設されたシール部材を備えた
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載の換気口の浸水防止装置。
【請求項5】
枠部材および蓋部材は、相互に当接する周縁部に中心部へ向かって下降傾斜する傾斜面をそれぞれ備え、
蓋部材の周縁部に沿って蓋部材の傾斜面に無端状に配設されたシール部材を備えた
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載の換気口の浸水防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下構造物の空気を換気する換気口の浸水防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地下構造物の空気を換気する換気口は、常時開放されているが、この換気口から雨水などが浸入するおそれがあるときは、換気口に開閉可能に設けられた蓋部材を閉じるようにした浸水防止装置が設置されている。
【0003】
この換気口の浸水防止装置としては、換気口に設けられた枠部材の下側に蓋部材を取り付け、この蓋部材を下方から上方へ上向きに回動させて換気口を閉鎖する上向き閉鎖型の浸水防止装置が一般的である(例えば、特許文献1−6参照)。
【0004】
一方、枠部材の上側に蓋部材を取り付け、この蓋部材を上方から下方へ回動または下降させて換気口を閉鎖する下向き閉鎖型の浸水防止装置もある(例えば、特許文献7−9参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭51−14605号公報
【特許文献2】特公昭52−28492号公報
【特許文献3】実公平03−52320号公報
【特許文献4】実公平06−40863号公報
【特許文献5】特許第3105835号公報
【特許文献6】特許第4873498号公報
【特許文献7】特公昭57−15280号公報
【特許文献8】実公平03−27120号公報
【特許文献9】実用新案登録第2601303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上向き閉鎖型の浸水防止装置は、蓋部材を閉じるときに強力な力を必要とし、また、下向き閉鎖型の浸水防止装置は、蓋部材を開けるときに強力な力を必要とするので、1つの駆動源で確実に開閉される蓋部材は、1つに限られる。このため、大きな換気口に対応できない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、1つの駆動源で複数の蓋部材をバランスよく開閉できるようにすることで、換気口の大型化に対応できる換気口の浸水防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項に記載された発明は、縦方向の換気口内に設置される枠部材と、この枠部材の中央部に取り付けられて垂下された駆動部取付部材と、この駆動部取付部材により支持された昇降駆動ユニットと、この昇降駆動ユニットにより昇降駆動されるリンク取付部材と、このリンク取付部材にこのリンク取付部材を挟んで対称状に軸連結された複数のリンクと、上記枠部材の中央部上にそれぞれ軸支され上記複数のリンクにより上記枠部材の上側で上記枠部材に対しそれぞれ開閉される複数の蓋部材とを具備し、上記昇降駆動ユニットが、正転および逆転の回転力を発生させる回転駆動装置部と、この回転駆動装置部により定位置で回動されるネジ軸部と、このネジ軸部と螺合して螺進される昇降筒部と、上記ネジ軸部の延長上に一体的に設けられた回転軸部とを備え、上記昇降筒部に上記リンク取付部材が一体化され、上記回転軸部は、上記枠部材に取り付けられた軸受部により回転自在に保持された換気口の浸水防止装置である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の換気口の浸水防止装置における枠部材が、この枠部材の中央部に掛け渡された梁部と、この梁部を挟んで一側部および他側部に一体的に設けられた一側の枠部および他側の枠部とを備え、駆動部取付部材は、平面視で梁部の範囲内に納まる角筒状に形成されて梁部に取り付けられ、この駆動部取付部材の下部内に昇降駆動ユニットが取り付けられ、蓋部材は、上記一側の枠部および上記他側の枠部に対しそれぞれ開閉自在の一側の蓋部材および他側の蓋部材が上記梁部上にそれぞれ軸支された換気口の浸水防止装置である。
【0010】
請求項に記載された発明は、請求項1または2記載の換気口の浸水防止装置における蓋部材が、この蓋部材の上側に溜まった水を下側に抜くための水抜き孔と、この水抜き孔を開閉する水抜き弁と、この水抜き弁の下側に位置するリンク連結軸とを備え、水抜き弁は、蓋部材の上側で上下動することにより水抜き孔を開閉する弁本体部と、この弁本体部から蓋部材を通して蓋部材の下側に突出した弁軸部と、この弁軸部の下端に設けられてリンクの上端と対向する場所に設けられた被押圧部とを備え、リンクは、蓋部材のリンク連結軸と上下方向に遊嵌する長穴を備えた換気口の浸水防止装置である。
【0011】
請求項に記載された発明は、請求項1乃至のいずれか記載の換気口の浸水防止装置における枠部材および蓋部材が、平面視で四角形の角部を斜めにカットする形に形成され、枠部材および蓋部材の相互に当接する面の一方に沿って無端状に配設されたシール部材を備えた換気口の浸水防止装置である。
【0012】
請求項に記載された発明は、請求項1乃至のいずれか記載の換気口の浸水防止装置における枠部材および蓋部材が、相互に当接する周縁部に中心部へ向かって下降傾斜する傾斜面をそれぞれ備え、蓋部材の周縁部に沿って蓋部材の傾斜面に無端状に配設されたシール部材を備えた換気口の浸水防止装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項記載の発明によれば、枠部材の中央部に取り付けられて垂下された駆動部取付部材により昇降駆動ユニットが支持され、この昇降駆動ユニットにより昇降駆動されるリンク取付部材に、このリンク取付部材を挟んで対称状に複数のリンクが軸連結され、これらのリンクによりそれぞれ開閉される複数の蓋部材が上記枠部材の中央部上にそれぞれ軸支されたので、枠部材の中央部下側に位置する1つの昇降駆動ユニットにより複数のリンクを介して複数の蓋部材をバランスよく円滑に開閉でき、これにより、換気口の大型化に対応できる。また、複数の蓋部材は、枠部材の中央部上にそれぞれ軸支されるとともに、枠部材の上側で枠部材に対しそれぞれ開閉されるので、降雨量の急激な増加時にも、雨水の流れに逆らうことなく蓋部材を下降させて換気口を円滑に閉鎖することができる。さらに、昇降駆動ユニットは、回転駆動装置部と、この回転駆動装置部により回動されるネジ軸部と、このネジ軸部と螺合して螺進される昇降筒部とを備え、この昇降筒部にリンク取付部材が一体化されたので、リンク取付部材を昇降駆動するため昇降駆動ユニットを細長くかつコンパクトに形成でき、さらに、昇降駆動ユニットは、上記ネジ軸部の延長上に一体的に設けられた回転軸部を備え、この回転軸部は、枠部材に取り付けられた軸受部により回転自在に保持されたので、昇降駆動ユニットの動作安定性を確保できる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、駆動部取付部材は、平面視で枠部材の梁部の範囲内に納まる角筒状に形成されて梁部に取り付けられ、この駆動部取付部材の下部内に昇降駆動ユニットが取り付けられ、梁部を挟んで設けられた一側の枠部および他側の枠部に対し開閉自在の一側の蓋部材および他側の蓋部材が梁部上にそれぞれ軸支されたので、梁部の下側に駆動部取付部材を介して昇降駆動ユニットをコンパクトに配置でき、相対的に、一側の枠部および他側の枠部に大きな開口面積を確保でき、換気口の大型化に対応できる。
【0015】
請求項記載の発明によれば、蓋部材の上側に水が溜まった状態で蓋部材を開くときに、蓋部材のリンク連結軸と上下方向に遊嵌する長穴を備えたリンクが、先ず水抜き弁の被押圧部に当り、水抜き弁の弁軸部を押し上げて弁本体部を開き、蓋部材の上側に溜まった水を水抜き孔から下方へ排出した後、リンクがリンク連結軸を押し上げて蓋部材を開くので、閉鎖状態の蓋部材の上面にかかる水圧を解消してから、その蓋部材を水圧作用時に比べて比較的軽微な力で開放することができる。また、シーケンス回路などを用いることなくリンクの上昇動作のみで、蓋部材の開放動作に先駆けて水抜き弁を作動できる。
【0016】
請求項記載の発明によれば、枠部材および蓋部材が、平面視で四角形の角部を斜めにカットする形に形成されたので、枠部材および蓋部材の全ての平面視の角部を鈍角に形成でき、枠部材および蓋部材が平面視で四角形の場合と比べて、枠部材および蓋部材の角部でのシール部材の過度な折曲を防止でき、シール部材の耐久性および相互に当接する面への密着性などのシール性能を向上できる。
【0017】
請求項記載の発明によれば、枠部材および蓋部材が相互に当接する周縁部に中心部へ向かって下降傾斜する傾斜面を設けたので、枠部材の周縁部に設けられた下降傾斜の傾斜面により雨水などとともに雨水などに含まれるゴミを円滑に落下させることができるとともに、開放状態にある蓋部材側のシール部材は、雨水などに含まれるゴミの落下を妨げることもないので、枠部材にゴミが溜まり難く、ゴミにより蓋部材の閉鎖が妨げられるおそれを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る換気口の浸水防止装置の一実施の形態を示す正断面図である。
図2】同上防止装置の側断面図である。
図3】同上防止装置の平面図である。
図4】同上防止装置の昇降駆動ユニット要部を示す断面図である。
図5】同上防止装置の水抜き弁を示す断面図である。
図6】同上防止装置の枠部材および蓋部材の周縁部を示す断面図である。
図7】同上防止装置を起動するための雨水量検知装置の断面図である。
図8】同上検知装置の一部の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を、図1乃至図8に示された一実施の形態に基いて詳細に説明する。
【0020】
図1および図2に示されるように、路面11に縦方向の換気口12が開口され、この換気口12の開口縁には金属格子13が設けられ、その下側には換気口12より多量の雨水が浸入することを防止するための浸水防止装置14が設けられている。
【0021】
この換気口12の浸水防止装置14は、換気口12内に枠部材21が設置され、この枠部材21の中央部に駆動部取付部材22が取り付けられて垂下され、この駆動部取付部材22により昇降駆動ユニット23が支持され、この昇降駆動ユニット23により昇降駆動されるリンク取付部材24に、このリンク取付部材24を挟んで対称状に複数のリンク25の下端部が回動自在に軸連結され、上記枠部材21の中央部上にそれぞれの回動支軸26により複数の蓋部材28が回動自在に軸支され、これらの蓋部材28は、上記複数のリンク25により、それぞれのリンク連結軸27を介して、上記枠部材21の上側で上記枠部材21に対し開閉される。
【0022】
駆動部取付部材22には、リンク取付部材24の昇降経路に対応する箇所に複数のスリット22sが設けられている。また、各リンク連結軸27は、図3に示されるように各蓋部材28の下面にそれぞれ設けられた2条のリブ29間に取り付けられている。
【0023】
図1乃至図3に示されるように、枠部材21は、この枠部材21の中央部に掛け渡された梁部31と、この梁部31を挟んで一側部および他側部に一体的に設けられた一側の枠部32および他側の枠部32とを備え、駆動部取付部材22は、平面視で梁部31の範囲内に納まる角筒状に形成されて梁部31に取り付けられ、この駆動部取付部材22の下部内に昇降駆動ユニット23が取り付けられている。
【0024】
さらに、上記一側の枠部32および上記他側の枠部32に対しそれぞれ開閉自在の一側の蓋部材28および他側の蓋部材28は、それらの上面に2組づつ設けられたリブ状部33が、上記梁部31上に突設された1対の取付板34に、それぞれの回動支軸26により軸支されている。
【0025】
図3に示されるように、枠部材21および蓋部材28は、平面視で四角形の角部21a,28aを斜めにカットする形に形成され、枠部材21および蓋部材28の相互に当接する面の一方に沿って無端状に配設されたシール部材(後で詳述する)を備えている。
【0026】
昇降駆動ユニット23は、図1および図2に示されるように正転および逆転の回転力を発生させる電動モータ35aおよび減速機35bなどを備えた回転駆動装置部35が、1対の取付ネジ36により駆動部取付部材22の下部内に取り付けられ、図4に示されるように、この回転駆動装置部35により定位置で回転駆動されるネジ軸部37と、このネジ軸部37と螺合して螺進される雌ネジ部38aを備えた昇降筒部38と、上記ネジ軸部37の延長上に一体的に設けられた回転軸部39とを備え、昇降筒部38に上記リンク取付部材24が一体化され、上記回転軸部39は、図1および図2に示されるように枠部材21に取り付けられた軸受部40により回転自在に保持されている。昇降筒部38は、図示しない回り止めガイドにより回転することなく昇降移動する。
【0027】
図5に示されるように、蓋部材28は、この蓋部材28の上側に溜まった水を下側に抜くための複数の水抜き孔41と、これらの水抜き孔41を開閉する水抜き弁42と、この水抜き弁42の下側に位置する前記リンク連結軸27とを備え、水抜き弁42は、蓋部材28の上側で上下動することにより水抜き孔41を開閉する弁本体部43と、この弁本体部43から蓋部材28を通して蓋部材28の下側に突出した弁軸部44と、この弁軸部44の下端に設けられてリンク25の上端と対向する場所に設けられた被押圧部45とを備え、リンク25は、蓋部材28のリンク連結軸27と上下方向に遊嵌する長穴46を備えている。
【0028】
図6に示されるように、枠部材21および蓋部材28には、相互に当接する周縁部に中心部へ向かって下降傾斜する傾斜面51,52を有するL形断面の枠部53,54が取り付けられ、蓋部材28の周縁部に沿って枠部54の斜め下向きの傾斜面52にシール部材55が無端状に配設されている。このシール部材55は、枠部54の傾斜面52に取り付けられた1対の保持板56,57により定位置に保持されている。
【0029】
図7および図8は、雨水量検知装置61を示し、壁面に1対の取付部材62により、斜板部63と堰板部64とを備えた雨水貯留槽部65が取り付けられ、この雨水貯留槽部65の上側にゴミ除去用のグレーチング66が設けられている。堰板部64には三角穴67が設けられ、この三角穴67の上側には電極ボックス68が取り付けられ、この電極ボックス68から突出された1対の電極69が三角穴67に臨む位置に配置されている。
【0030】
次に、図示された実施の形態の作用を説明する。
【0031】
降雨量の無い場合、あるいは有っても図7に示すグレーチング66を通して雨水貯留槽部65に流れ込む雨水の流量が、この雨水貯留槽部65から三角穴67を経て流れ出す雨水Wの流量(以下、雨水量という)よりも少ない場合は、1対の電極69の先端間が開放されたままであり、図1に2点鎖線で示されるように、または図2に示されるように、リンク取付部材24が上昇位置にあり、リンク25により蓋部材28が押し上げられて上方に回動しており、枠部材21の開口が開いた状態となっている。
【0032】
また、雨水貯留槽部65に流れ込む雨水は、三角穴67を経て流れ出すが、雨水貯留槽部65に流れ込む雨水の量が多くなると、雨水貯留槽部65内の雨水面Lが上昇し、1対の電極69の先端に接触する。すると、降雨水量が一定流量以上であることを知らせる雨水量検知信号がリード線を通して図示しない制御盤に送られる。
【0033】
制御盤は、図1および図2に示された昇降駆動ユニット23の電動モータ35aを駆動して、図4に示されたネジ軸部37を定位置で回転させ、このネジ軸部37と雌ネジ部38aで螺合する昇降筒部38、およびこの昇降筒部38に一体化されたリンク取付部材24を下降させ、図1に実線で示されるように各リンク25により各蓋部材28を引き下げて、各蓋部材28を枠部材21の各枠部32に密着させ、枠部材21の開口を閉じる。
【0034】
このとき、図6に示されるように各蓋部材28のシール部材55が、各枠部材21の下降傾斜する傾斜面51に押し付けられるので、各枠部材21と各蓋部材28との間の水密を保つようにして換気口12の開口が閉鎖され、この換気口12からの雨水の浸入が防止される。
【0035】
一方、一側の蓋部材28および他側の蓋部材28を開いて、換気口12の開口を開放するときは、昇降駆動ユニット23の電動モータ35aを逆回転させてネジ軸部37を逆回転させることで、昇降筒部38およびこの昇降筒部38に一体化されたリンク取付部材24を上昇させると、図5に2点鎖線で示されるように、先ず、1対のリンク25のみが上昇して、これらのリンク25の先端により、1対の蓋部材28にそれぞれ設けられた水抜き弁42を押し上げて、それらの弁本体部43を蓋部材28の上面から離間させ、これらの蓋部材28の上側に溜まっている雨水を水抜き孔41から下方へ排出する。これにより、蓋部材28の上面に作用する水圧を解消する。
【0036】
さらに、各リンク25の長穴46の下端が各蓋部材28のリンク連結軸27に当ると、各リンク25が各蓋部材28をそれぞれ押し上げるので、各蓋部材28は、図1に2点鎖線で示されるように梁部31上の回動支軸26を中心に上方へ回動して開き、換気口12を開放する。
【0037】
次に、図示された実施の形態の効果を列挙する。
【0038】
枠部材21の中央部に取り付けられて垂下された駆動部取付部材22により昇降駆動ユニット23が支持され、この昇降駆動ユニット23により昇降駆動されるリンク取付部材24に、このリンク取付部材24を挟んで左右対称状に1対のリンク25が軸連結され、これらのリンク25によりそれぞれ開閉される1対の蓋部材28が上記枠部材21の中央部上にそれぞれ軸支されたので、枠部材21の中央部下側に位置する1つの昇降駆動ユニット23は、左右対称のリンク25から左右均等の負荷を受けながら、これらのリンク25を介して1対の蓋部材28をバランスよく円滑に開閉でき、これにより、換気口12の大型化に対応できる。
【0039】
また、1対の蓋部材28は、枠部材21の中央部の梁部31上にそれぞれの回動支軸26により軸支されるとともに、枠部材21の上側で枠部材21の一側および他側の枠部32に対しそれぞれ開閉されるので、降雨量の急激な増加時にも、雨水の流れに逆らうことなく各蓋部材28を下降させて換気口12を円滑に閉鎖することができる。
【0040】
駆動部取付部材22は、平面視で枠部材21の中央部に設けられた梁部31の範囲内に納まる角筒状に形成されて梁部31に取り付けられ、この駆動部取付部材22の下部内に昇降駆動ユニット23が取り付けられ、梁部31を挟んで設けられた一側の枠部32および他側の枠部32に対し開閉自在の一側の蓋部材28および他側の蓋部材28が梁部31上にそれぞれ軸支されたので、梁部31の下側に駆動部取付部材22を介して昇降駆動ユニット23をコンパクトに配置でき、相対的に、一側の枠部32および他側の枠部32に大きな開口面積を確保でき、換気口12の大型化に対応できる。
【0041】
昇降駆動ユニット23は、回転駆動装置部35と、この回転駆動装置部35により回動されるネジ軸部37と、このネジ軸部37と雌ネジ部38aで螺合して螺進される昇降筒部38とを備え、この昇降筒部38にリンク取付部材24が一体化されたので、このリンク取付部材24を昇降駆動するため昇降駆動ユニット23を細長くかつコンパクトに形成でき、さらに、昇降駆動ユニット23は、上記ネジ軸部37の延長上に一体的に設けられた回転軸部39を備え、この回転軸部39は、枠部材21の梁部31上に取り付けられた軸受部40により回転自在に保持されたので、昇降駆動ユニット23の動作安定性を確保できる。
【0042】
蓋部材28の上側に水が溜まった状態で蓋部材28を開くときに、蓋部材28のリンク連結軸27と上下方向に遊嵌する長穴46を備えたリンク25が、先ず水抜き弁42の被押圧部45に当り、水抜き弁42の弁軸部44を押し上げて弁本体部43を開き、蓋部材28の上側に溜まった水を水抜き孔41から下方へ排出した後、リンク25がリンク連結軸27を押し上げて蓋部材28を開くので、閉鎖状態の蓋部材28の上面にかかる水圧を解消してから、その蓋部材28を水圧作用時に比べて比較的軽微な力で開放することができる。また、シーケンス回路などを用いることなくリンク25の上昇動作のみで、蓋部材28の開放動作に先駆けて水抜き弁42を作動できる。
【0043】
枠部材21および蓋部材28が、平面視で四角形の角部21a,28aを斜めにカットする形に形成されたので、枠部材21および蓋部材28の全ての平面視の角部21a,28aを鈍角に形成でき、枠部材21および蓋部材28が平面視で四角形の場合と比べて、枠部材21および蓋部材28の角部21a,28aでのシール部材55の過度な折曲を防止でき、シール部材55の耐久性および相互に当接する面への密着性などのシール性能を向上できる。
【0044】
枠部材21および蓋部材28が相互に当接する周縁部に中心部へ向かって下降傾斜する傾斜面51,52を設けたので、枠部材21の周縁部に設けられた下降傾斜の傾斜面51により雨水などとともに雨水などに含まれるゴミを円滑に落下させることができるとともに、開放状態にある蓋部材28側のシール部材55は、雨水などに含まれるゴミの落下を妨げることもないので、枠部材21にゴミが溜まり難く、ゴミにより蓋部材28の閉鎖が妨げられるおそれを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、換気口の浸水防止装置の製造、販売、施工などに携わる事業者にとって産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0046】
12 換気口
14 浸水防止装置
21 枠部材
21a 角部
22 駆動部取付部材
23 昇降駆動ユニット
24 リンク取付部材
25 リンク
27 リンク連結軸
28 蓋部材
28a 角部
31 梁部
32 枠部
35 回転駆動装置部
37 ネジ軸部
38 昇降筒部
39 回転軸部
40 軸受部
41 水抜き孔
42 水抜き弁
43 弁本体部
44 弁軸部
45 被押圧部
46 長穴
51 傾斜面
52 傾斜面
55 シール部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8