特許第6267985号(P6267985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6267985
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】医療用チューブシール装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/02 20060101AFI20180115BHJP
   B65B 51/10 20060101ALI20180115BHJP
   B29C 65/04 20060101ALN20180115BHJP
   A61J 1/10 20060101ALN20180115BHJP
【FI】
   A61M1/02
   B65B51/10 M
   !B29C65/04
   !A61J1/10 335Z
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-25553(P2014-25553)
(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公開番号】特開2014-207964(P2014-207964A)
(43)【公開日】2014年11月6日
【審査請求日】2017年1月30日
(31)【優先権主張番号】特願2013-62484(P2013-62484)
(32)【優先日】2013年3月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000200035
【氏名又は名称】川澄化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】徳光 聡
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−88321(JP,A)
【文献】 特開平2−194933(JP,A)
【文献】 米国特許第4490598(US,A)
【文献】 実開昭60−83637(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/10
B29C 65/04
A61M 1/02
A61J 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部(10)と、
前記本体部(10)の前面に配設されるとともに、前記本体部(10)の左右方向に沿って配置された複数のチューブシール部(20A〜20H)とを備え、
前記複数のチューブシール部(20A〜20H)のそれぞれは、前記本体部(10)の前後方向に沿って対向配置された一対の押圧部(21A〜21H,22A〜22H)及び前記一対の押圧部を覆うように設けられたカバー部材を有し、
前記カバー部材には、鉛直上方向から前記一対の押圧部の間に医療用チューブ(T)を挿入可能に構成されたスリット部が設けられており、
前記複数のチューブシール部(20A〜20H)のそれぞれは、前記スリット部に挿入された医療用チューブ(T)を前記一対の押圧部(21A〜21H,22A〜22H)によって挟持した状態でシール溶着可能に構成されており、
前記複数のチューブシール部のうち前記本体部の左右方向中央寄りに配置されたチューブシール部(20D,20E)は、前記複数のチューブシール部における他のチューブシール部(20A,20B,20C,20F,20G,20H)に比べて、前記一対の押圧部の位置が高くなるように配設されていることを特徴とする医療用チューブシール装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用チューブシール装置において、
前記複数のチューブシール部(20A〜20H)における各一対の押圧部(21A〜21H,22A〜22H)の位置を結ぶと、鉛直上方向に向かって凸となるように曲がった仮想曲線(VC)が描かれることを特徴とする医療用チューブシール装置(1)。
【請求項3】
請求項2に記載の医療用チューブシール装置において、
前記複数のチューブシール部(320A〜320H)における前記押圧部のそれぞれは、前記仮想曲線(VC)に対する法線に沿うように所定角度傾いていることを特徴とする医療用チューブシール装置(3)。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の医療用チューブシール装置において、
前記複数のチューブシール部(20A〜20H)のうち少なくとも1つのチューブシール部は、前記一対の押圧部(21A〜21H,22A〜22H)間に医療用チューブ(T)が挿入されたことを検知するための検知部(30A〜30H,35A〜35H)をさらに有し、
前記検知部(30A〜30H,35A〜35H)は、前記仮想曲線(VC)に沿って、前記一対の押圧部(21A〜21H,22A〜22H)の両脇に1つずつ配設されていることを特徴とする医療用チューブシール装置(1)。
【請求項5】
請求項1に記載の医療用チューブシール装置において、
前記複数のチューブシール部(220A〜220H)における各一対の押圧部の位置を結ぶと、前記本体部の左右方向中央位置で交差する2本の仮想直線(VL1,VL2)が描かれることを特徴とする医療用チューブシール装置(2)。
【請求項6】
請求項5に記載の医療用チューブシール装置において、
前記複数のチューブシール部における前記押圧部のそれぞれは、前記2本の仮想直線のうちいずれか一方の仮想直線に直交するように所定角度傾いていることを特徴とする医療用チューブシール装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の医療用チューブシール装置において、
前記複数のチューブシール部(220A〜220H)のうち少なくとも1つのチューブシール部は、前記一対の押圧部間に医療用チューブ(T)が挿入されたことを検知するための検知部をさらに有し、
前記検知部は、前記2本の仮想直線(VL1,VL2)に沿って、前記一対の押圧部の両脇に1つずつ配設されていることを特徴とする医療用チューブシール装置(2)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の医療用チューブシール装置において、
前記複数のチューブシール部(20A〜20H)のそれぞれは、隣同士の配置間隔が均等であることを特徴とする医療用チューブシール装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用チューブシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一対の電極間に配置された医療用チューブ(以下、単に「チューブ」と略すこともある。)をシール溶着する医療用チューブシール装置として、従来、複数のチューブシール部が一直線に配列された医療用チューブシール装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
図8は、従来の医療用チューブシール装置9を説明するために示す図である。図8(a)は従来の医療用チューブシール装置9の外観斜視図であり、図8(b)は従来の医療用チューブシール装置9の正面図である。
【0004】
従来の医療用チューブシール装置9は、図8(a)及び図8(b)に示すように、例えば8つのチューブシール部920A〜920Hが本体部910の左右方向に沿って一直線上に配設されている。従来の医療用チューブシール装置9を用いてチューブをシール溶着すると、1回のシール動作により計8か所をほぼ同時にシール溶着することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】意匠登録第1418363号公報
【特許文献2】特開平2−194933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、血液バッグ等に接続されたチューブは、使用前(包材にしまわれている段階)においては折り重なった状態で収納されていることから、チューブに折れ癖や曲がり癖(以下、折れ癖等という。)が付いてしまっていることがある。そのような折れ癖等の付いたチューブを複数のチューブシール部に挿入すると、正常なシール位置に対してチューブが浮いてしまう(以下、この現象を「チューブの浮き」という。)場合がある。チューブの浮きが発生すると、例えばチューブの挿入が検知されずシール動作が行われなかったり、望ましい位置でシール溶着できなかったりするケースが起こり得る。仮に望ましい位置でシール溶着できないと、チューブが破断してしまったり、チューブの一部においてシール不足が発生したりする等、シール不良が発生しかねない。
【0007】
なお、折れ癖等の付いたチューブに対して、チューブ長手方向に沿ってテンション(引張力)をかけることにより、チューブの浮きを直せなくもない。しかしながら、本発明者が実験したところによると、折れ癖等の付いたチューブに対して、チューブ長手方向に沿ってテンションをかければ必ずチューブの浮きがきれいに直るということはなく、チューブの浮きが思いどおりに改善されないケースもあった。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、折れ癖等の付いたチューブであっても、円滑にシール溶着することができ、シール不良の発生も抑制することが可能な医療用チューブシール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の医療用チューブシール装置は、本体部と、前記本体部の前面に配設されるとともに、前記本体部の左右方向に沿って配置された複数のチューブシール部とを備え、前記複数のチューブシール部のそれぞれは、前記本体部の前後方向に沿って対向配置された一対の押圧部及び前記一対の押圧部を覆うように設けられたカバー部材を有し、前記カバー部材には、鉛直上方向から前記一対の押圧部の間に医療用チューブを挿入可能に構成されたスリット部が設けられており、前記複数のチューブシール部のそれぞれは、前記スリット部に挿入された医療用チューブを前記一対の押圧部によって挟持した状態でシール溶着可能に構成されており、前記複数のチューブシール部のうち前記本体部の左右方向中央寄りに配置されたチューブシール部は、前記複数のチューブシール部における他のチューブシール部に比べて、前記一対の押圧部の位置が高くなるように配設されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の医療用チューブシール装置においては、前記複数のチューブシール部における各一対の押圧部の位置を結ぶと、鉛直上方向に向かって凸となるように曲がった仮想曲線が描かれることが好ましい。
【0011】
本発明の医療用チューブシール装置においては、前記複数のチューブシール部における前記押圧部のそれぞれは、前記仮想曲線に対する法線に沿うように所定角度傾いていることが好ましい。
【0012】
本発明の医療用チューブシール装置においては、前記複数のチューブシール部のうち少なくとも1つのチューブシール部は、前記一対の押圧部間に医療用チューブが挿入されたことを検知するための検知部をさらに有し、前記検知部は、前記仮想曲線に沿って、前記一対の押圧部の両脇に1つずつ配設されていることが好ましい。
【0013】
本発明の医療用チューブシール装置においては、前記複数のチューブシール部における各一対の押圧部の位置を結ぶと、前記本体部の左右方向中央位置で交差する2本の仮想直線が描かれることが好ましい。
【0014】
本発明の医療用チューブシール装置においては、前記複数のチューブシール部における前記押圧部のそれぞれは、前記2本の仮想直線のうちいずれか一方の仮想直線に直交するように所定角度傾いていることが好ましい。
【0015】
本発明の医療用チューブシール装置においては、前記複数のチューブシール部のうち少なくとも1つのチューブシール部は、前記一対の押圧部間に医療用チューブが挿入されたことを検知するための検知部をさらに有し、前記検知部は、前記2本の仮想直線に沿って、前記一対の押圧部の両脇に1つずつ配設されていることが好ましい。
【0016】
本発明の医療用チューブシール装置においては、前記複数のチューブシール部のそれぞれは、隣同士の配置間隔が均等であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の医療用チューブシール装置によれば、本体部の左右方向中央寄りに配置されたチューブシール部が、他のチューブシール部に比べて一対の押圧部の位置が高くなるように配設されているため、複数のチューブシール部(各カバー部材のスリット部)にチューブを挿入したときに、本体部の左右方向中央寄りに位置するチューブシール部において、チューブがスリット部(スリット部の最下部)と接触し、チューブに対しチューブをスリット部に押し付けようとする力(以下、この力を「押付力」という。)が働くこととなる。これにより、折れ癖等の付いたチューブを挿入した際、仮に装置中央付近に折れ癖等が位置することとなったとしても、チューブに働く押付力によってチューブの浮きを改善することができる。その結果、チューブの挿入が検知されずシール動作が行われなかったり、望ましい位置でシール溶着できなかったりするような、望ましくないケースの発生を抑制することができる。
【0018】
なお、特許請求の範囲に記載した各部材等の文言下に括弧をもって付加された符号は、特許請求の範囲に記載された内容の理解を容易にするために用いられたものであって、特許請求の範囲に記載された内容を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1を説明するために示す図である。図1(a)は医療用チューブシール装置1の正面図であり、図1(b)は医療用チューブシール装置1の右側面図である。
図2図2は、チューブシール部20Aを説明するために示す図である。図2(a)はチューブシール部20A及びその周辺部分の外観斜視図であり、図2(b)はチューブシール部20A及びその周辺部分の右側面図である。
図3図3は、チューブシール部20Aを説明するために示す図である。図3(a)はチューブシール部20Aの構成を模式的に示す図であり、図3(b)は一対の電極21A,22A間にチューブTを挿入した様子を模式的に示す図である。
図4図4は、比較例に係る医療用チューブシール装置8を説明するために示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1を説明するために示す図である。図5(a)は本体部10を正面から見たときのチューブシール部20A〜20Hにおける電極及び検知部の位置を模式的に示す図であり、図5(b)はチューブシール部20A,20Bを拡大して示す図であり、図5(c)はチューブシール部20A〜20HにチューブTを挿入した一例を示す図である。
図6図6は、第2実施形態に係る医療用チューブシール装置2を説明するために示す図である。図6(a)は本体部210を正面から見たときのチューブシール部220A〜220Hにおける電極及び検知部の位置を模式的に示す図であり、図6(b)はチューブシール部220A〜220HにチューブTを挿入した一例を示す図である。
図7図7は、第3実施形態に係る医療用チューブシール装置3を説明するために示す図である。図7(a)は本体部310を正面から見たときのチューブシール部320A〜320Hにおける電極及び検知部の位置を模式的に示す図であり、図7(b)はチューブシール部320A,320Bの部分を拡大して示す図である。
図8図8は、従来の医療用チューブシール装置9を説明するために示す図である。図8(a)は従来の医療用チューブシール装置9の外観斜視図であり、図8(b)は従来の医療用チューブシール装置9の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の医療用チューブシール装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0021】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1を説明するために示す図である。図1(a)は医療用チューブシール装置1の正面図であり、図1(b)は医療用チューブシール装置1の右側面図である。
図2及び図3は、チューブシール部20Aを説明するために示す図である。図2(a)はチューブシール部20A及びその周辺部分(本体部10の一部)の外観斜視図であり、図2(b)はチューブシール部20A及びその周辺部分(本体部10の一部)の右側面図である。図3(a)はチューブシール部20Aの構成を模式的に示す図であり、図3(b)は一対の電極21A,22A間にチューブTを挿入した様子を模式的に示す図である。なお、図3(a)及び図3(b)においては、カバー部材25Aを取り外した状態で図示している。
【0022】
第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1は、図1図3に示すように、本体部10と、本体部10の前面側に設けられた8つのチューブシール部20A〜20Hと、チューブシール部20A〜20Hの上方位置に設けられた8つの点灯部50A〜50Hと、医療用チューブシール装置1内の各部に電力を供給するための電源部と、各種制御を実行する制御部(ともに図示せず。)とを備える。
【0023】
なお、以下の説明において、「本体部10の前面」とは、医療用チューブシール装置1の正面であって、本体部10におけるチューブシール部20A〜20Hが設けられた面をいう。「本体部10の左右方向」とは、本体部10を前面から見たときの左右方向であって、図1(a)及び図1(b)に示すx軸に沿った方向をいう。「本体部10の前後方向」とは、本体部10を前面から見たときの前後方向であって、図1(a)及び図1(b)に示すy軸に沿った方向をいう。「鉛直上方向」とは、本体部10を前面から見たときの上方向であって、図1(a)及び図1(b)に示すz軸に沿った上方向をいう。
【0024】
チューブシール部20A〜20Hは、図1(a)に示すように、本体部10の左右方向に沿って、隣同士の配置間隔が均等となるように配置されている。チューブシール部20A〜20Hは、例えば高周波でチューブをシール(封止)する機能を有するチューブシーラーである。チューブシール部20A〜20Hのうち例えば本体部10の正面最右位置にあるチューブシール部20Aを例にしてその構造を説明すると、図2及び図3に示すように、チューブシール部20Aは、一対の押圧部としての一対の電極21A,22Aと、一対の電極21A,22Aを支持する電極支持部23A,24Aと、一対の電極21A,22Aを覆うように設けられたカバー部材25Aと、一対の電極21A,22A間にチューブが挿入されたことを検知するための検知部30A,35Aと、電極支持部23Aに接続された進退機構40Aとを有する。
【0025】
一対の電極21A,22Aのうち電極21Aは可動電極であり、電極22Aは固定電極である。一対の電極21A,22Aは、本体部10の前後方向に沿って対向配置されている。一対の電極21A,22Aは、本体部10の前面から張り出すように設けられており、チューブを挿入するためのスリット部26Aが設けられたカバー部材25Aによってカバーされている。
【0026】
スリット部26Aは、図2(b)に示すように、鉛直上方向に向けて開放された切れ込みからなり、略鉛直上方向から一対の電極21A,22A間にチューブを挿入可能に構成されている。図示による説明は省略するが、スリット部26Aの切れ込みの深さは左右で同じ大きさであるため、スリット部26Aの最下部27Aの位置も、左右で同じ高さにある。チューブシール部20Aは、スリット部26Aに挿入されたチューブを一対の電極21A,22Aによって挟持した状態でシール溶着可能に構成されている。
【0027】
検知部30A,35Aは、本体部10の左右方向に沿って、一対の電極21A,22Aの両脇に1つずつ配設されている。検知部30A,35Aは、図3(b)に示すように、電極21Aの両脇に配設された発光素子31A,36Aと、電極22Aの両脇に配設された受光素子32A,37Aとからなり、発光素子31A,36Aと受光素子32A,37Aとがそれぞれ対向する位置に配置されている。検知部30A,35Aは、例えば透過型のフォトインタラプタであり、図3(b)に示すように、一対の電極21A,22A間に挿入されたチューブTによって発光素子31A,36Aからの光が遮断されたことを、受光素子32A,37Aが検知し、当該検知情報を制御部に送るように構成されている。
【0028】
進退機構40Aは、例えば電動シリンダからなる。進退機構40Aによる直線運動が電極支持部23Aを介して電極21Aに伝達されることにより、一対の電極21A,22Aを接近又は離隔させる方向(本体部10の前後方向)に沿って、電極21Aを移動させるように構成されている。
【0029】
なお、他のチューブシール部20B〜20Hについても、基本的に上記したチューブシール部20Aと同様の構成を有する。
【0030】
点灯部50A〜50Hは、例えばLEDからなり、複数の色で発光又は明滅可能に構成されている。
【0031】
電源部は、図示による説明は省略するが、外部の商用電源などから電源ケーブルを介して交流電力を導き、内蔵するAC/DC変換部で変圧・整流・平滑などの処理を行って、医療用チューブシール装置1の各部に電力を供給する。
【0032】
制御部は、図示による説明は省略するが、CPU(Central Processing Unit)又はCPUが搭載された回路基板によって構成されている。制御部は、検知部からの検知情報に基づいて、チューブシール部20A〜20Hにおける各進退機構の駆動を制御するとともに、一対の電極21A〜21H,22A〜22Hに対する高周波電流の印加を少なくとも制御する。
【0033】
次に、比較例に係る医療用チューブシール装置8の構成と対比して、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1におけるチューブシール部20A〜20Hの配設位置(一対の電極21A〜21H,22A〜22Hの高さ位置及び検知部30A〜30H,35A〜35Hの高さ位置)をさらに詳しく説明する。
【0034】
図4は、比較例に係る医療用チューブシール装置8を説明するために示す図である。図4においては、本体部810を正面から見たときのチューブシール部820A〜820Hにおける電極及び検知部の位置を模式的に示している。
図5は、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1を説明するために示す図である。図5(a)は本体部10を正面から見たときのチューブシール部20A〜20Hにおける電極及び検知部の位置を模式的に示す図であり、図5(b)はチューブシール部20A,20Bの部分を拡大して示す図であり、図5(c)はチューブシール部20A〜20H(各カバー部材のスリット部)にチューブTを挿入した一例を示す図である。
なお、図4及び図5(a)〜図5(c)においては、本来は本体部の正面からは見えない電極及び検知部並びに挿入されたチューブを、発明の理解を容易にするために実線で示している。
【0035】
比較例に係る医療用チューブシール装置8は、基本的には第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1と同様の構成を有するが、図4に示すように、8つのチューブシール部820A〜820Hが本体部810の左右方向に沿って一直線上に配列されている点で、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1とは異なる。
【0036】
比較例に係る医療用チューブシール装置8のチューブシール部820A〜820Hに対し、折れ癖等の付いたチューブTを挿入すると、チューブの浮きが発生してしまう場合がある(例えば図4に示すチューブシール部820Eの位置を参照。)。その結果、チューブTの挿入が検知されずシール動作が行われなかったり、望ましい位置でシール溶着できなかったりするケースが起こり得る。また、チューブの浮きを直そうとしてチューブTに強いテンションをかけると、シール溶着した際にシール部分でチューブが破断してしまう可能性も否めない。
【0037】
一方、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1においては、図5(a)に示すように、本体部10の左右方向中央寄りに配置されたチューブシール部20D,20Eが、他のチューブシール部20A,20B,20C,20F,20G,20Hに比べて、一対の電極(及びカバー部材のスリット部)の位置が高くなるように配設されている。
【0038】
電極21A〜21Hの位置関係について具体的に説明すると、図5(a)に示すように、本体部10の右端部に位置する電極21Aと、本体部10の左端部に位置する電極21Hとが、全体の電極21A〜21Hの中で最も低い高さに位置している。その次に高い位置にあるのが、チューブシール部20Bの電極21Bとチューブシール部20Gの電極21Gである。その次に高い位置にあるのが、チューブシール部20Cの電極21Cとチューブシール部20Fの電極21Fである。そして、全体の電極21A〜21Hの中で最も高い位置にあるのが、チューブシール部20Dの電極21Dとチューブシール部20Eの電極21Eである。
【0039】
また、図示による詳細な説明は省略するが、本体部10の右端部に位置する電極21Aの位置とその左隣の電極21Bの位置とを結んだ直線に対して、電極21Bの位置とその左隣の電極21Cの位置とを結んだ直線は、所定角度傾いて交差する。電極21B,21C,21Dの位置関係についても同様に、電極21Bの位置とその左隣の電極21Cの位置とを結んだ直線に対して、電極21Cの位置とその左隣の電極21Dの位置とを結んだ直線は、所定角度傾いて交差する。これら直線の角度勾配は、電極21A側から電極21D側に向かって徐々に緩やかになるように(水平に近づくように)なっている。また、電極21A〜21Dの位置と電極21E〜21Hの位置とは、本体部10の左右方向中央位置(チューブシール部20D,20Eの間の位置)を通るz軸に対して、線対称となっている。これら電極21A〜21Hの位置を結ぶと、鉛直上方向に向かって凸となるように曲がった仮想曲線VCが描かれる。
【0040】
電極21A〜21Hと対向して電極22A〜22Hが位置することからいえば、電極22A〜22Hの位置関係についても電極21A〜21Hと同様のことが言える。
【0041】
なお、図示による説明は省略するが、チューブシール部20A〜20Hのそれぞれにおいて、カバー部材に設けられたスリット部の形状が同じであることからすれば、スリット部の最下部の位置関係についても、上で述べた一対の電極と同様、チューブシール部20A〜20Hにおける各スリット部の最下部(各カバー部材にある2つの最下部のうち左右いずれか一方)の位置を結ぶと、鉛直上方向に向かって凸となる仮想曲線VCが描かれることとなる。
【0042】
また、一対の電極21A〜21H,22A〜22Hの両脇に配設された検知部30A〜30H,35A〜35Hについても、図5(a)及び図5(b)から分かるように、仮想曲線VCに沿って配設されている。
【0043】
以上のように構成された第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1によれば、本体部10の左右方向中央寄りに配置されたチューブシール部20D,20Eが、他のチューブシール部20A,20B,20C,20F,20G,20Hに比べて一対の電極の位置が高くなるように配設されているため、チューブシール部20A〜20H(各カバー部材のスリット部)に対してチューブTを挿入したときに、本体部10の左右方向中央寄りに位置するチューブシール部20D,20Eにおいて、チューブTがスリット部(スリット部の最下部)と接触し、チューブTに対し押付力が働くこととなる。これにより、折れ癖等の付いたチューブTを挿入した際、仮に装置中央付近に折れ癖等が位置することとなったとしても、チューブTに働く押付力によってチューブTの浮きを改善することができる(図5(c)参照。)。その結果、チューブの挿入が検知されずシール動作が行われなかったり、望ましい位置でシール溶着できなかったりするような、望ましくないケースの発生を抑制することができる。また、チューブTに強いテンションをかけなくてもチューブの浮きを改善することができるため、シール溶着した際にシール部分でチューブが破断してしまうこともない。
【0044】
したがって、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1は、折れ癖等の付いたチューブであっても、円滑にシール溶着することができ、シール不良の発生も抑制することが可能な医療用チューブシール装置となる。
【0045】
第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1においては、チューブシール部20A〜20Hにおける各一対の電極の位置を結ぶと、鉛直上方向に向かって凸となるように曲がった仮想曲線VCが描かれる。これにより、いずれのチューブシール部20A〜20Hにおいてもチューブがスリット部(スリット部の最下部)と接触し、チューブ全体にわたって押付力が働くようになる。その結果、チューブの浮きをより一層改善することができるようになり、チューブの挿入が検知されずシール動作が行われなかったり、望ましい位置でシール溶着できなかったりするような、望ましくないケースの発生をさらに抑制することが可能となる。
【0046】
第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1においては、検知部30A〜30H,35A〜35Hが仮想曲線VCに沿って配設されているため、チューブシール部20A〜20Hに挿入されたチューブを、検知部30A〜30H,35A〜35Hでもって的確に検知することが可能となる。
【0047】
第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1においては、チューブシール部20A〜20Hのそれぞれは、隣同士の配置間隔が均等である。これにより、チューブの長手方向に沿って比較的均等な間隔でチューブをシール溶着することができ、長さの揃ったセグメントチューブ(交差適合試験などに用いられるサンプル体)を作成することが可能となる。
【0048】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態に係る医療用チューブシール装置2を説明するために示す図である。図6(a)は本体部210を正面から見たときのチューブシール部220A〜220Hにおける電極及び検知部の位置を模式的に示す図であり、図6(b)はチューブシール部220A〜220H(各カバー部材のスリット部)にチューブTを挿入した一例を示す図である。
なお、図6(a)及び図6(b)においては、本来は本体部の正面からは見えない電極及び検知部並びに挿入されたチューブを、発明の理解を容易にするために実線で示している。
【0049】
第2実施形態に係る医療用チューブシール装置2は、基本的には第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1と同様の構成を有するが、チューブシール部の配設位置(一対の電極の高さ位置及び検知部の高さ位置)が、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1とは異なる。
【0050】
第2実施形態に係る医療用チューブシール装置2における電極221A〜221Hの位置関係について具体的に説明すると、図6(a)に示すように、本体部210の右端部に位置する電極221Aと、本体部210の左端部に位置する電極221Hとが、全体の電極221A〜221Hの中で最も低い高さに位置している。その次に高い位置にあるのが、チューブシール部220Bの電極221Bとチューブシール部220Gの電極221Gである。その次に高い位置にあるのが、チューブシール部220Cの電極221Cとチューブシール部220Fの電極221Fである。そして、全体の電極221A〜221Hの中で最も高い位置にあるのが、チューブシール部220Dの電極221Dとチューブシール部220Eの電極221Eである。8つのチューブシール部220A〜220Hのうち正面右側に位置する4つのチューブシール部220A〜220Dについて、電極221A〜221Dの位置を結ぶと、1本の左上がりの仮想直線VL1が描かれる。また、正面左側に位置する4つのチューブシール部220E〜220Hについて、電極221E〜221Hの位置を結ぶと、1本の右上がりの仮想直線VL2が描かれる。これら2本の仮想直線VL1,VL2は、本体部210の左右方向中央位置(チューブシール部220D,220Eの間の位置)で交差する。電極221A〜221Hの位置関係について、本体部210の左右方向中央位置(チューブシール部220D,220Eの間の位置)を通るz軸に対して、線対称となっている。
【0051】
図示による詳細な説明は省略するが、電極(可動電極)221A〜221Hと対向する位置に電極(固定電極)222A〜222Hが位置することからいえば、電極222A〜222Hの位置関係についても電極221A〜221Hと同様のことが言える。
【0052】
また、8つのチューブシール部220A〜220Hに配設された検知部の配設位置について、図示による詳細な説明は省略するが、一対の電極221A〜221D,222A〜222Dのそれぞれの両脇に配設された検知部については、仮想直線VL1に沿って配設されており、一対の電極221E〜221H,222E〜222Hのそれぞれの両脇に配設された検知部については、仮想直線VL2に沿って配設されている。
【0053】
このように、第2実施形態に係る医療用チューブシール装置2は、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1とは、チューブシール部の配設位置(一対の電極の高さ位置及び検知部の高さ位置)が異なるが、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1の場合と同様に、本体部210の左右方向中央寄りに配置されたチューブシール部220D,220Eが、他のチューブシール部220A,220B,220C,220F,220G,220Hに比べて一対の電極の位置が高くなるように配設されているため、チューブシール部220A〜220H(各カバー部材のスリット部)に対してチューブTを挿入したときに、本体部210の左右方向中央寄りに位置するチューブシール部220D,220Eにおいて、チューブTがスリット部(スリット部の最下部)と接触し、チューブTに対し押付力が働くこととなる。これにより、折れ癖等の付いたチューブTを挿入した際、仮に装置中央付近に折れ癖等が位置することとなったとしても、チューブTに働く押付力によってチューブTの浮きを改善することができる(図6(b)参照。)。その結果、チューブの挿入が検知されずシール動作が行われなかったり、望ましい位置でシール溶着できなかったりするような、望ましくないケースの発生を抑制することができる。
【0054】
第2実施形態に係る医療用チューブシール装置2においては、チューブシール部220A〜220Hにおける各一対の電極の位置を結ぶと、本体部210の左右方向中央位置で交差する2本の仮想直線VL1,VL2が描かれる。これにより、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1の場合と同様、いずれのチューブシール部220A〜220Hにおいてもチューブがスリット部(スリット部の最下部)と接触し、チューブ全体にわたって押付力が働くようになる。その結果、チューブの浮きをより一層改善することができるようになり、チューブの挿入が検知されずシール動作が行われなかったり、望ましい位置でシール溶着できなかったりするような、望ましくないケースの発生をさらに抑制することが可能となる。
【0055】
第2実施形態に係る医療用チューブシール装置2においては、検知部が2本の仮想直線VL1,VL2に沿って配設されているため、チューブシール部220A〜220Hに挿入されたチューブを、検知部でもって的確に検知することが可能となる。
【0056】
第2実施形態に係る医療用チューブシール装置2は、チューブシール部の配設位置(一対の電極の高さ位置及び検知部の高さ位置)が異なる点以外では、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1と同様の構成を有するため、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
【0057】
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態に係る医療用チューブシール装置3を説明するために示す図である。図7(a)は本体部310を正面から見たときのチューブシール部320A〜320Hにおける電極及び検知部の位置を模式的に示す図であり、図7(b)はチューブシール部320A,320Bの部分を拡大して示す図である。
なお、図7(a)及び図7(b)においては、本来は本体部の正面からは見えない電極及び検知部並びに挿入されたチューブを、発明の理解を容易にするために実線で示している。
【0058】
第3実施形態に係る医療用チューブシール装置3は、基本的には第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1と同様の構成を有するが、一対の電極の配置(傾き具合)が、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1とは異なる。
【0059】
すなわち、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1の場合には、図5(a)及び図5(b)に示すように、チューブシール部20A〜20Hにおける各電極(各電極における上端部分から下端部分まで)が鉛直方向(z軸方向)に沿って配置されているのに対し、第3実施形態に係る医療用チューブシール装置3においては、図7(a)及び図7(b)に示すように、チューブシール部320A〜320Hにおける各電極が、仮想曲線VCに対する法線に沿うように所定角度傾いた状態で配置されている。
【0060】
図7(b)をもとにして具体的に説明すると、チューブシール部320Aにおける一対の電極321A,322A(電極321Aのみ図示)は、仮想曲線VCに対する法線N1に沿うように所定角度傾いた状態で配置されている。その隣に配設されたチューブシール部320Bにおける一対の電極321B,322B(電極321Bのみ図示)は、仮想曲線VCに対する法線N2に沿うように所定角度傾いた状態で配置されている。他のチューブシール部320C〜320Hにおける一対の電極の配置ついても同様である。
【0061】
このように、第3実施形態に係る医療用チューブシール装置3は、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1とは、一対の電極の配置(傾き具合)が異なるが、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1の場合と同様に、本体部310の左右方向中央寄りに配置されたチューブシール部320D,320Eが、他のチューブシール部320A,320B,320C,320F,320G,320Hに比べて一対の電極の位置が高くなるように配設されているため、第1実施形態と同様、チューブの挿入が検知されずシール動作が行われなかったり、望ましい位置でシール溶着できなかったりするような、望ましくないケースの発生を抑制することができる。
【0062】
第3実施形態に係る医療用チューブシール装置3においては、チューブシール部320A〜320Hにおける各電極が、仮想曲線VCに対する法線に沿うように所定角度傾いているため、チューブシール部320A〜320Hに挿入されたチューブをシール溶着した際に、チューブ長手方向に対して垂直にシール部分が形成されるようになる。
【0063】
第3実施形態に係る医療用チューブシール装置3は、一対の電極の配置(傾き具合)が異なる点以外では、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1と同様の構成を有するため、第1実施形態に係る医療用チューブシール装置1が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
【0064】
以上、本発明の医療用チューブシール装置を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0065】
(1)上記実施形態においては、鉛直上方向からチューブを挿入するタイプの医療用チューブシール装置を例示して、本体部の左右方向中央寄りに配置されたチューブシール部における一対の電極の位置が高くなるように配設されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、鉛直下方向からチューブを挿入するタイプの医療用チューブシール装置であれば、本体部の左右方向中央寄りに配置されたチューブシール部における一対の電極の位置が、他のチューブシール部における一対の電極の位置よりも低くなるように配設されているのが好ましい。また、チューブを装置手前側から奥に向けて(水平面に沿って)挿入するタイプの医療用チューブシール装置であれば、本体部の左右方向中央寄りに配置されたチューブシール部における一対の電極の位置が、他のチューブシール部における一対の電極の位置よりも装置手前側に位置するように配設されているのが好ましい。
【0066】
(2)上記実施形態においては、8つのチューブシール部のうち本体部の左右方向中央寄りに配置された2つのチューブシール部について、一対の電極の高さ(カバー部材に設けられたスリット部の最下部の高さ)が同じとなるように配設されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本体部の左右方向中央寄りに配置された2つのチューブシール部のうちいずれか1つにおける一対の電極の高さ(スリット部の最下部の高さ)が最も高くなるように配設されていてもよいし、8つのチューブシール部のうち本体部の左右方向中央寄りに配置された3つ又は4つのチューブシール部について、一対の電極の高さ(スリット部の最下部の高さ)が同じとなるように配設されていてもよい。また、8つのチューブシール部における各一対の電極の位置関係(各スリット部の最下部の位置関係)について、本体部の左右方向中央位置を通るz軸に対して線対称となっていなくてもよい。
【0067】
(3)上記第3実施形態においては、複数のチューブシール部における各電極が、仮想曲線VCに対する法線に沿うように所定角度傾いて配置されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2実施形態で説明した医療用チューブシール装置2(図6参照。)において、チューブシール部220A〜220Dにおける各電極については、仮想直線VL1に直交するように所定角度傾いて配置され、チューブシール部220E〜220Hにおける各電極については、仮想直線VL2に直交するように所定角度傾いて配置されていてもよい。
【0068】
(4)上記実施形態においては、一対の電極のうち進退機構側に位置する電極が動くように構成されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、進退機構とは反対側に位置する電極が動くように構成されていてもよいし、両方の電極が動くように構成されていてもよい。
【0069】
(5)上記実施形態においては、チューブシール部が、高周波でチューブを閉塞する機能を有する高周波チューブシーラーである場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、超音波チューブシーラーや、インパルス加熱式チューブシーラーなどであってもよい。なお、上記実施形態においては、チューブシール部が高周波チューブシーラーであることから、一対の押圧部が「一対の電極」である場合を例示して説明したが、例えばチューブシール部が超音波チューブシーラーであれば、一対の押圧部は「超音波ホーンとアンビル」となり、インパルス加熱式チューブシーラーであれば、一対の押圧部は「一対のヒーター部」となる。
【0070】
(6)上記実施形態においては、検知部が透過型のフォトインタラプタである場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、反射型のフォトリフレクタであってもよい。
【0071】
(7)上記実施形態においては、8つのチューブシール部すべてに検知部が2つずつ配設されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、8つのチューブシール部すべてにおいて、2つ以上の検知部が配設されていてもよいし、装置正面から見て電極の右側又は左側にのみ1つの検知部が配設されていてもよい。または、8つのチューブシール部のうち、装置を正面から見て右側から偶数番目又は奇数番目に位置するチューブシール部にのみ1つ又は2つ以上の検知部が配設されていてもよい。
【0072】
(8)上記実施形態においては、進退機構が電動シリンダからなる場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ソレノイドの駆動とバネ部材の付勢力を利用して電極を移動させる機構など、他の公知の手段を用いてもよいことは言うまでもない。
【0073】
(9)上記実施形態においては、チューブシール部の数が8つである場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。3つ以上のチューブシール部を備える医療用チューブシール装置であっても、本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1,2,3,8,9 医療用チューブシール装置
10,210,310,810,910 本体部
20A〜20H,220A〜220H,320A,320B,820A〜820H,920A〜920H チューブシール部
21A〜21H,22A,221A〜221H,321A,321B,821A〜821H 電極(押圧部)
23A,24A 電極支持部
25A カバー部材
26A スリット部
27A (スリット部の)最下部
30A,30B,35A,35B,330A,330B,335A,335B 検知部
31A,36A 発光素子
32A,37A 受光素子
40A 進退機構
50A〜50H 点灯部
N1,N2 仮想曲線VCに対する法線
T チューブ
VC 仮想曲線
VL1,VL2 仮想直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8