特許第6268081号(P6268081)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6268081
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】モールディング
(51)【国際特許分類】
   B60J 1/02 20060101AFI20180115BHJP
   B60J 1/18 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   B60J1/02 111A
   B60J1/18 C
   B60J1/18 Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-246371(P2014-246371)
(22)【出願日】2014年12月5日
(65)【公開番号】特開2016-107770(P2016-107770A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2015年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000240949
【氏名又は名称】片山工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】沼元 保幸
(72)【発明者】
【氏名】寺井 章浩
【審査官】 鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−052611(JP,U)
【文献】 実開平03−081116(JP,U)
【文献】 実開平04−070505(JP,U)
【文献】 実開昭60−013813(JP,U)
【文献】 米国特許第5074610(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 1/02
B60J 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィンドガラスの周縁部に装着するモールディングであって、
前記モールディングは断面形状において金属材の一端部に当該金属材と一体的に樹脂製の保持リップを有し、
前記保持リップは前記ウィンドガラスの裏面側に位置する保持部を有するとともに前記金属材の一端部は前記保持部までは延びていなく、
前記金属材の他端部は前記ウィンドガラスの表面に位置させてあるとともにガラスシールリップを有し、
前記ガラスシールリップは、前記金属材の他端部を包み込むように連結した連結部とガラス面に向けて押圧力が作用するシールリップと支持リップとを有し、
前記他端部側のシールリップ及び支持リップと前記保持部とでウィンドガラスの周縁部を挟み込むように当該ウィンドガラスを保持するものであることを特徴とするモールディング。
【請求項2】
前記保持リップ又は金属材の一端部は車体側に向けて押圧シールするためのボディシールリップを有することを特徴とする請求項1記載のモールディング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のモールディングに関し、特にウィンドガラスを車体に保持するのに用いるモールディングに係る。
【背景技術】
【0002】
車両のフロントウィンドやリアウィンドの分野においては、ガラスを車体側に装着するのにウィンドモールディングが採用されている。
従来の一般的な構造を図6に示す。
車両のフロント又はリアビューのデザイン性から金属製の光沢のあるモールディングが好まれている。
そこで、モールディング100は、略コ字形状の金属材111の両端部に樹脂製のシールリップ111d,111eを有し、金属材111は金属光沢のある意匠部111aの一端部111cがウィンドガラス2の裏面部に廻り込み、この金属材111のウィンドガラス2の表面部に位置させた他端部111bとでガラスの周縁部を挟み込み、保持するようになっていた。
従って、モールディング100をガラスの周縁部に装着するには、略コ字形状の金属材111の間口を広げるように装着しなければならず、その挿入力が高く組付作業が大変であった。
また、フロントガラスやリアガラスは、車両のウィンドとしての機能性やデザイン性の要求から曲面ガラスになっているので、その曲面形状に合せて予め金属材の形状も曲げ加工を実施しているものの、ガラスの曲面との間では曲げ加工にバラツキが生じ、剛性の高い金属材にあってはガラスの曲面に追従しにくい問題があった。
さらには、モールディングに用いる金属材は、高耐食性等の要求から樹脂材よりも高価であり、重量も重い課題もあった。
【0003】
特許文献1,2に開示するモールディングは、金属材を用いているものの、ガラスの周縁部を保持するための樹脂部材に対して、別体としての意匠部材として金属材が取り付けられたものであり、発明の目的も引用文献はガラスの固定方法であって、本発明がガラスに対する挿入荷重の低減及びガラスの曲面に対する追従性の向上を目的とするのと相違する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4−70505号公報
【特許文献2】特開平8−11530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ウィンドガラスの周縁部への装着性に優れ、軽量,低コストのモールディングの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ウィンドガラスの周縁部に装着するモールディングであって、前記モールディングは断面形状において金属材の一端部に当該金属材と一体的に樹脂製の保持リップを有し、前記保持リップは前記ウィンドガラスの裏面側に位置する保持部を有するとともに前記金属材の一端部は前記保持部までは延びていなく、前記金属材の他端部は前記ウィンドガラスの表面に位置させてあるとともにガラスシールリップを有し、前記ガラスシールリップは、前記金属材の他端部を包み込むように連結した連結部とガラス面に向けて押圧力が作用するシールリップと支持リップとを有し、前記他端部側のシールリップ及び支持リップと前記保持部とでウィンドガラスの周縁部を挟み込むように当該ウィンドガラスを保持するものであることを特徴とする。
ここで保持リップとは、金属材に比較して弾性変形しやすくしたものであり、少なくともガラスに当接する部分には金属材からなる芯材等を有しない。
【0007】
本発明は、金属材をモールディングの芯材として用い、この芯材の断面において一端部にガラスを保持するための樹脂製の保持リップをこの芯材と一体的に形成され、この芯材の他端部と保持リップとにてガラスの周縁部を挟み込み、保持するものであればモールディングの用途に限定はない。
金属材の少なくとも一部が光沢意匠表面となるモールディングとしては、車両のフロントウィンドモールディング適する。
その場合に金属材の他端部はガラスに向けて押圧シールするためのガラスシールリップを有してもよく、保持リップ又は金属材の一端は車体側に向けて押圧シールするためのボディシールリップを有してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るモールディングは、金属材とその断面の一端部に一体的に形成した樹脂製の保持リップにてガラスの周縁部を保持したので、モールディングをガラスの周縁部に装着する際の挿入力が従来のコ字形状の金属モールディングに比較して小さくて済み、曲面ガラスに対する曲げ追従性に優れるので、組付性が向上する。
また、金属材の使用量が減るので、軽量化,低コスト化の効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るモールディングにガラスの周縁部を保持させた例の断面図を示す。
図2】(a)はモールディングの曲げ形状例を示し、(b)はガラスの曲面に合せて挿入した状態を示す。
図3】(a),(b)はガラスの周縁部にモールディングを装着する外観図を示す。
図4】本発明に係るモールディングの第2の実施例を示す。
図5】金属材11の保持リップ側先端がガラスの裏面にかからない程度にL字状に有する例を示す。
図6】従来のモールディングの構造例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1にガラス2の周縁部をモールディング10にて保持し、車体1の開口部に取り付けた部分断面図を示す。
モールディング10は、金属材11の一端部11cに樹脂製の保持リップ12をこの金属材11と一体的に形成してあり、金属材11の他端部11bにガラスシールリップ13を形成してある。
金属材11は、例えばSUS材を用いてロールフォーミング等により成形してあり、金属光沢のある意匠部11aの外側を略L字状に折り曲げて保持リップ12と一体化する一端部11cを形成してある。
保持リップは、ガラスに装着する際に変形しやすくしたものであり、図1は金属材の一端部11cが保持リップ12まで延びていなく、即ち保持リップは金属の芯材がなく、樹脂のみの例である。
また、図5は金属材11の一端部11cの先端が保持リップ12側まで折れ曲がるように延びている。
この場合には金属材の一端部11cは、保持リップ12の部分的な芯材になっているが、ガラス2の裏面側までは延びていない。
従って、後述する保持部12aまでは金属材が延びていない。
金属材11の他の端部11bは、意匠部11aからガラス2の表面に沿って略コ字形状に折り返し、ガラスシールリップ13を押出成形等により連結してある。
この金属材11の意匠部11aからガラスの表面に沿って折り返した他端部11bと、金属材11の一端部11cからガラス2の裏面に沿って形成した保持リップ12とで、このガラス2の周縁部を挟み込むように保持した構造になっている。
【0011】
金属材の一端部11cに一体的に形成した保持リップ12と、この金属材の他端部11bとの間口寸法は、後述するシールリップ13aと保持部12aとで弾性保持できる寸法になっている。
この他端部11bに形成したガラスシールリップ13は、金属材11の他端部11bを包み込むように連結した連結部13dと、ガラス面に向けて押圧力が作用するシールリップ13a及び支持リップ13cを有する。
なお、本実施例では、シールリップ13aの反発力を支えるための支え部13bをシールリップ13aの後方に形成した例になっている。
【0012】
保持リップ12は、金属材11の一端部11cを包み込むように一体化した連結部12bの先端側をガラス2の裏面に沿って延在させた保持部12aを有する。
また、車体1側に押圧し、シールするボディシールリップ12cを有する。
モールディング10の他の端部は両面テープ21を用いてガラス2の表面とガラスシールリップ13との間を接着してあり、ガラス2の端面は連結部12bとの間に両面テープ22を用いて接着保持してある。
図1に示す保持リップ12は、保持部12a,連結部12b及びボディシールリップ12cを一種類の樹脂で一体的に成形した例を示す。
これに対して図4は保持リップ12の保持部12a車体側の表面から、ボディシールリップ12cを内側と異なる樹脂材で表皮層を形成した例である。
例えば保持部12aがTPO(Thermo Plastic Olefin)樹脂の場合にウレタンシーラーとの接着性に劣る。
そこで車体1と保持部12aとをウレタンシーラー23で接着する場合に、保持部12aの表皮層12dをウレタンシーラー23と接合性の高い、例えばアイオノマー樹脂等にて覆った例である。
【0013】
本発明に係るモールディング10にあっては、図2に曲面ガラス2の端部付近を示し、図3にガラス2の側辺部を示すように、モールディング10の内側の開口間口をガラス2の周縁曲面に合せて挿入装着でき、ガラスの曲面に対する追従性も高い。
【符号の説明】
【0014】
1 車体
2 ガラス
10 モールディング
11 金属材
図1
図2
図3
図4
図5
図6