【文献】
Journal of Pharmaceutical Sciences,1977年,Vol.66, No.1,p.1-19
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来の縮合複素環誘導体の製造方法と比べ、工業的により優れた製造方法およびその製造中間体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一般式(D):
【化4】
で表される製造中間体を経由することにより、工業的に有用であり、更に、高収率且つ高純度で化合物(A)またはその塩を製造する方法を見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、
【0008】
(1)式(A):
【化5】
で表される化合物またはその塩の製造方法であって、該方法が、以下の工程を含む製造方法:
工程1:
一般式(B):
【化6】
(式中、R
1およびR
2は同一あるいは異なるC
1-6アルキル基である。)で表される化合物またはその塩を、一般式(C):
【化7】
(式中、R
3は、水素原子、ハロゲン原子、C
1-6アルキル基またはニトロ基であり、Xは塩素原子または臭素原子である。)で表される化合物と反応させ、一般式(D):
【化8】
(式中のR
1、R
2およびR
3は前記と同じ意味をもつ。)で表される化合物を製造する工程;
工程2:
一般式(D)で表される化合物を、式(E):
【化9】
で表される化合物またはその塩と反応させ、一般式(F):
【化10】
(式中のR
1およびR
2は前記と同じ意味をもつ。)で表される化合物を製造する工程;
工程3:
一般式(F)で表される化合物を分子内環化およびR
2を加水分解することにより、式(A)で表される化合物を製造する工程;および
工程4:
必要に応じて、式(A)で表される化合物をその塩へ変換する工程;
【0009】
(2)R
1およびR
2がメチル基またはエチル基であり、R
3が水素原子であり、Xが塩素原子である、(1)記載の製造方法;
(3)工程2が塩基の存在下で行われる、(1)または(2)記載の製造方法;
(4)塩基がN,N−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンからなる群から選択されるものである、(3)記載の製造方法;
(5)工程3が塩基の存在下で行われる、(1)または(2)記載の製造方法;
(6)塩基が水酸化リチウム及びナトリウムメトキシドからなる群から選択されるものである、(5)記載の製造方法;
(7)式(A)で表される化合物の塩がコリン塩である、(1)から(6)記載の製造方法;
(8)コリン塩への変換に用いられる試薬が水酸化コリン、重炭酸コリン、塩化コリンおよび酢酸コリンからなる群から選択されるものである、(7)記載の製造方法;
(9)一般式(D):
【化11】
(式中のR
1、R
2およびR
3は前記と同じ意味をもつ。)で表される化合物;
(10)R
1およびR
2がメチル基またはエチル基であり、R
3が水素原子である、(9)記載の化合物;等を提供するものである。
【0010】
本発明において以下の用語は、特に断らない限り、以下の意味を有する。
【0011】
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をいう。
【0012】
C
1-6アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルキル基をいう。R
1およびR
2においては、同一であることが好ましい。
【0013】
以下、本発明の具体的製造方法を例示する。
【化12】
(式中のR
1、R
2、R
3およびXは前記と同じ意味をもつ。)
【0014】
(工程1)
化合物(B)またはその塩を、溶媒中、塩基存在下、化合物(C)と反応させることにより、化合物(D)を製造することができる。溶媒としては、例えば、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、 N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、 アセトニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒等またはそれらの混合溶媒およびそれらと水の混合溶媒等が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフランと水との混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム等の無機塩基類が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミン、炭酸水素ナトリウム、または炭酸カリウムが挙げられる。塩基の当量は塩の中和及び反応で生ずる酸の中和ができる当量分あれば良い。(C)の当量は(B)に対して0.8〜1.1当量用いることができ、好ましくは1.0当量用いる。反応温度は通常0〜30℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常0.5〜3時間である。化合物(B)の塩としては、無機酸との塩、有機酸との塩、酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。無機酸との塩の例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩の例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。これらの塩の中で、塩酸、メタンスルホン酸との塩が好ましい。前記スキーム1で用いられる化合物(C)は市販品を用いるか、既知の方法若しくはそれに準ずる方法に従い、製造することができる。化合物(D)は、次の工程を行う前に単離しても良いが、単離せず次の工程でそれを使用することもできる。
【0015】
(工程2)
化合物(D)を、溶媒中、塩基存在下または非存在下、化合物(E)またはその塩と反応させることにより、化合物(F)を製造することができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒またはそれらの混合溶媒およびそれらと水の混合溶媒等が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフランと水との混合溶媒等が挙げられる。塩基としてはN,N−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基類が挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等が挙げられる。塩基の当量は化合物(E)に対して0.1〜2.0当量用いることができ、好ましくは0.1〜0.5当量用いる(ただし、化合物(E)の塩を用いる場合は、その中和に必要な塩基が更に必要である)。反応温度は室温〜60℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常1〜24時間である。化合物(E)の塩としては、無機酸との塩、有機酸との塩、酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。無機酸との塩の例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩の例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。化合物(F)は、次の工程を行う前に単離しても良いが、単離せず次の工程でそれを使用することもできる。
【0016】
(工程3)
本工程の分子内環化および加水分解反応は、同時または別々に行うことができる。
(工程3−1)
前記化合物(F)を、溶媒中、塩基の存在下、分子内環化および加水分解反応に付すことにより、化合物(A)を製造することができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒等またはそれらの混合溶媒と水との混合溶媒等が挙げられ、テトラヒドロフラン/メタノール/水の混合溶媒が好ましい。塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水素化ナトリウム等の無機塩基類、またはナトリウムメトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられ、好ましくは、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド等が挙げられる。塩基の当量は化合物(F)に対して3.0〜6.0当量用いることができ、好ましくは4.0〜4.5当量用いる。反応温度は通常0〜20℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常1〜10時間である。
(工程3−2)
化合物(G)を単離する場合、化合物(F)を溶媒中、塩基の存在下、分子内環化反応に付すことにより、化合物(G)を製造することができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒等またはそれらの混合溶媒等が挙げられ、テトラヒドロフラン/メタノールの混合溶媒が好ましい。塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムまたは水素化ナトリウム等の無機塩基類、ナトリウムメトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられ、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド等が好ましい。塩基の当量は化合物(F)に対して0.1〜1.5当量用いることができ、好ましくは1.0〜1.1当量用いる。反応温度は通常0〜20℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常1〜10時間である。
(工程3−3)
本工程の加水分解反応は、上記工程3−1と同様の方法若しくはそれに準じた方法により行うことができる。
【0017】
(工程4)
化合物(A)は常法により、その塩とすることができる。このような塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の無機塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、エタノールアミン、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム(以下、コリンと称す)、N−メチルグルカミン、アルギニン、リシン等の有機塩基との付加塩が挙げられ、コリン塩が好ましい。コリン塩への変換に用いられる試薬としては、例えば、水酸化コリン、重炭酸コリン、塩化コリンおよび酢酸コリンが挙げられる。
【0018】
ここで、前記スキーム1で用いられる化合物(B)及びその塩は、市販品を用いるか、a)〜c)に記載された方法または参考例に記載の方法若しくはそれに準じた方法により製造することができる。
a) 特開昭64−29373
b) Synthetic Communications, 32, 2565(2002)
c) Synthesis, 200(1977)
【0019】
また、前記スキーム1で用いられる化合物(E)またはその塩は、特許文献1に記載された方法または参考例に記載の方法若しくはそれに準じた方法により製造することができる。
【0020】
本明細書中の製造工程において得られる化合物には、その水和物または溶媒和物も含まれ、そのいずれも用いることができる。さらに、本明細書中の製造工程において得られる化合物は、互変異性体及び/または幾何異性体が存在することがあるが、そのいずれの異性体も用いることができ、また、その混合物も用いることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の製造方法により、製造中間体である前記化合物(D)を経由することにより、医薬品として有用な化合物(A)またはその塩を、高収率且つ高純度で得ることができる。
【実施例】
【0023】
参考例1
4−オキソチオラン−2,3−ジカルボン酸ジメチル
メチルチオグリコレート(15.0g)、テトラヒドロフラン(45g)、ピペリジン(0.361g)の反応混合物に室温でマレイン酸ジメチル(21.4g)のテトラヒドロフラン(30g)溶液を加えた。反応混合物に窒素雰囲気下、55℃で20%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(43g)を加えた。反応混合物を還流下で3時間撹拌した。反応混合物に45〜50℃でジイソプロピルエーテル(105g)及び酢酸(0.85g)を加えた後、冷却した。懸濁液をろ過し、4−オキソチオラン−2,3−ジカルボン酸ジメチルのナトリウム塩の湿結晶(43.3g)を得た。この湿結晶を室温で85%りん酸(9.8g)、水(20g)及び酢酸エチル(150g)の混合物に加え、水層を除去した。得られた有機層を10%塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ去後、ろ液を減圧濃縮し、表題化合物(22.7g)を得た。
【0024】
参考例2
4−(ヒドロキシイミノ)チオラン−2,3−ジカルボン酸ジメチル
4−オキソチオラン−2,3−ジカルボン酸ジメチル(10.0g)、ピリジン(5.44g)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.34g)の混合物を50℃で1時間撹拌した。反応混合物に室温で酢酸エチル及び7%リン酸水溶液を加え、水層を除去した。得られた有機層を5%重曹水及び10%塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去後、ろ液を減圧濃縮し、表題化合物(10.4g)を得た。
【0025】
参考例3
4−アミノチオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル 塩酸塩
4−(ヒドロキシイミノ)チオラン−2,3−ジカルボン酸ジメチル(10.4g)の酢酸(32g)溶液に4N−塩化水素/酢酸エチル溶液(120g)を室温で加えた。反応混合物を室温で8時間撹拌した。懸濁液をろ過後、得られた固体を乾燥し、表題化合物(9.42g)を得た。
【0026】
参考例4
4−アミノチオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸(80.0g)の酢酸エチル(900g)溶液に4−(ヒドロキシイミノ)チオラン−2,3−ジカルボン酸ジメチル(97.1g)の酢酸エチル(500g)溶液を65〜75℃で加えた。反応混合物を同温で2時間撹拌した。45〜50℃でメチルイソブチルケトン(100g)を加え、室温まで冷却した。懸濁液をろ過後、得られた固体を乾燥し、表題化合物(102g)を得た。
【0027】
参考例5
1,2−ジフルオロ−3−[(4−フルオロ−2−メトキシフェノキシ)メチル]−4−メトキシベンゼン
2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(150g)のトルエン(900g)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(13.2g)の0.1N−水酸化ナトリウム水溶液(180g)を35〜39℃で加えた。反応混合物を同温で5時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、水層を除去した。得られた有機層を20%塩水で洗浄し、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルアルコールのトルエン溶液を得た。この溶液に室温で濃塩酸(610g)を加えた。反応混合物を38〜43℃で5時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、水層を除去した。得られた有機層を水、20%塩水で洗浄し、3−(クロロメチル)−1,2−ジフルオロ−4−メトキシベンゼンのトルエン溶液を得た。この溶液に室温で4−フルオロ−2−メトキシフェノール(125g)、テトラブチルアンモニウムブロミド(56.2g)を加えた。反応混合物に60〜63℃で25%水酸化ナトリウム水溶液(170g)を加え、同温で4時間撹拌した。反応混合物に水を加え、水層を除去した。得られた有機層を水で洗浄し、減圧濃縮した。残渣を2−プロパノールに溶解し、水を加えた。懸濁液をろ過後、得られた固体を乾燥し、表題化合物(232g)を得た。
【0028】
参考例6
1,2−ジフルオロ−3−[(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−4−メトキシベンゼン
1,2−ジフルオロ−3−[(4−フルオロ−2−メトキシフェノキシ)メチル]−4−メトキシベンゼン(158g)の酢酸(1200g)溶液に60%硝酸(72.2g)を59〜62℃で加え、同温で2時間撹拌した。懸濁液に15〜19℃で水(1200g)を加え、同温で1時間撹拌した。懸濁液をろ過後、得られた固体を水で洗浄し、表題化合物の湿結晶(190g、Net量168g)を得た。
【0029】
参考例7
2−フルオロ−5−[(2,3−ジフルオロ−6−メトキシフェニル)メトキシ]−4−メトキシアニリン
ラネーニッケル (2.5g) 、酢酸エチル (180g) 、1,2−ジフルオロ−3−[(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−4−メトキシベンゼンの湿結晶(10.9g、Net量10.0g) の反応混合物を水素雰囲気下室温にて4時間撹拌した。触媒をろ去し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をメタノールで溶解し、水を加えた。懸濁液をろ過後、得られた固体を乾燥し、表題化合物(7.97g) を得た。
【0030】
実施例1
4−(フェノキシカルボニルアミノ)チオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル
炭酸カリウム(17.1g)、水(90g)、テトラヒドロフラン(150g)および4−アミノチオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル 塩酸塩(30.0g)の反応混合物に6〜13℃でクロロギ酸フェニル(18.6g)を加えた。反応混合物を12〜13℃で30分間撹拌後、水層を除去した。得られた有機層にtert−ブチルメチルエーテルを加え、20%塩水で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルで溶解し、n−ヘキサンを加えた。懸濁液をろ過後、得られた固体を乾燥し、表題化合物(37.0g)を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ ppm: 3.82 (3H, s), 3.82 (3H, s), 7.13-7.30 (3H, m), 7.40-7.46 (2H, m), 7.80 (1H, s), 10.24 (1H, s)
【0031】
実施例2
4−{3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ウレイド}チオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル
2−フルオロ−5−[(2,3−ジフルオロ−6−メトキシフェニル)メトキシ]−4−メトキシアニリン(7.70g)、4−(フェノキシカルボニルアミノ)チオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル(8.65g)、トリエチルアミン(0.37g)、テトラヒドロフラン(80mL)の反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルとメタノールを加えた。懸濁液をろ過後、得られた固体を乾燥し、表題化合物(12.0g)を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ ppm: 3.71 (3H, s), 3.82 (3H, s), 3.83 (3H, s), 3.89 (3H, s), 5.00 (2H, d, J=1.6Hz), 6.87-6.93 (1H, m), 7.00 (1H, d, J=12.8Hz), 7.41-7.50 (1H, m), 7.75 (1H, d, J=8.0Hz), 7.94 (1H, s), 8.82 (1H, s), 8.95 (1H, s)
【0032】
実施例3
3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3,4−d]ピリミジン−5−カルボン酸メチル
4−{3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ウレイド}チオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル(10.0g)のテトラヒドロフラン(40g)懸濁液に28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(3.48g)を加え、室温で3時間撹拌し、酢酸(1.30g)を加えた。反応混合物を減圧濃縮した。残渣にメタノールを加え、さらに水を加えた。懸濁液をろ過後、得られた固体を乾燥し、表題化合物(8.58g)を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ ppm: 3.79 (3H, s), 3.81 (3H, s), 3.84 (3H, s), 4.95 (2H, s), 6.88-6.94 (1H, m), 7.08 (1H, d, J=11.6Hz), 7.19-7.23 (2H, m), 7.44-7.53 (1H, m), 11.62 (1H, s)
【0033】
実施例4
4−(フェノキシカルボニルアミノ)チオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル
炭酸カリウム(9.38kg)、水(49kg)、テトラヒドロフラン(82kg)、4−アミノチオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル 塩酸塩(16.4kg)の反応混合物を40分間撹拌後、11〜21℃でクロロギ酸フェニル(10.1kg)を加えた。反応混合物を30分間撹拌後、水層を除去し、表題化合物のテトラヒドロフラン溶液を得た。
【0034】
実施例5
4−{3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ウレイド}チオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル
実施例4で得た4−(フェノキシカルボニルアミノ)チオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチルのテトラヒドロフラン溶液に2−フルオロ−5−[(2,3−ジフルオロ−6−メトキシフェニル)メトキシ]−4−メトキシアニリン(17.0kg)、テトラヒドロフラン(8.5kg)、トリエチルアミン(1.1kg)を加え、50℃で3.5時間撹拌し、表題化合物のテトラヒドロフラン溶液を得た。
【0035】
実施例6
3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3,4−d]ピリミジン−5−カルボン酸 テトラヒドロフラン和物
実施例5で得た4−{3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ウレイド}チオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチルのテトラヒドロフラン溶液にメタノール(41kg)と水(47kg)を加え、11〜13℃で7.3%水酸化リチウム水溶液(80.1kg)を加え、11℃で90分間撹拌した。反応混合物に9〜16℃で酢酸(11.4kg)を加え、更に29〜31℃で酢酸(13.0kg)を加えた。反応混合物に種晶を加え、同温で30分間撹拌した。懸濁液に水(34kg)を加え、30℃で40分間撹拌した。懸濁液を4〜9℃で90分間撹拌した。懸濁液をろ過後、得られた固体をメタノール(54kg)と水(68kg)の混合液で洗浄し、表題化合物の湿結晶(31.64kg、Net量(化合物(A)フリー体換算)26.7kg)を得た。
表題化合物の湿結晶の一部を外温60℃で減圧乾燥し、得られた表題化合物の乾燥結晶について
1H−NMR、HPLCおよび粉末X線回折を測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ ppm: 1.68-1.82 (3H, m), 3.53-3.65 (3H, m), 3.80 (3H, s),3.81 (3H, s), 4.94-4.98 (2H, m), 6.87-6.94 (1H, m), 7.13 (1H, d, J=11.2Hz), 7.25 (1H, d, J=7.2Hz), 7.39 (1H, s), 7.43-7.52 (1H, m), 11,99 (1H, s), 14.53 (1H, s)
【0036】
実施例6で得られた乾燥結晶のHPLC測定は以下の条件で測定した。
HPLC測定条件
カラム:Inertsil(登録商標)C8−3(粒子径3μm、内径3mm、長さ15cm)、GLサイエンス株式会社
カラム温度:40℃
移動相A:0.002mol/Lリン酸二水素カリウム溶液(pH3.6)
移動相B:アセトニトリル
移動相の送液:移動相Aと移動相Bの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御する。
【表1】
流量:毎分0.5mL
面積測定範囲:0.002mol/Lリン酸二水素カリウム溶液(pH3.6)/アセトニトリル混液由来のピークを除き、分析開始より65分後までとした。
化学純度(HPLC):98.5%
【0037】
実施例6で得られた乾燥結晶の粉末X線回折を以下の条件で測定した。
粉末X線回折装置:X’Pert Pro MPD(スペクトリス株式会社パナリティカル事業部)
反射法:CuKα線、管電圧45kV、管電流40mA
得られた回折図を
図1に示し、代表的なピーク(2θ(°))を表2に示す。
【表2】
粉末X線回折はデータの性質上、結晶の同一性を認定する際には、2θ値及び全体的な回折パターンが重要である。X線回折パターンにおける相対強度が、試料条件や測定条件によって変動しうることは、一般的に公知である。なお、粉末X線回折による回折パターンの2θ値は、試料条件や測定条件によって僅かに変動することがある。
【0038】
実施例7
3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3,4−d]ピリミジン−5−カルボン酸 (2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム
3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3,4−d]ピリミジン−5−カルボン酸 テトラヒドロフラン和物の湿結晶(107.7g、Net量(化合物(A)フリー体換算)83.4g)、テトラヒドロフラン(345mL)、水(275mL)の混合物に55℃で50%重炭酸コリン水溶液(60mL)を加えた。得られた溶液をろ過し、テトラヒドロフラン(34mL)と水(31mL)の混合液を加えた。反応混合物に58℃で2−プロパノール(296mL)を加えた。反応混合物に種晶を加え、45℃で3時間撹拌した。懸濁液に同温で2−プロパノール(887mL)を加え、1時間撹拌した。懸濁液を20〜30℃で1時間撹拌し、3〜5℃で 1時間撹拌した。懸濁液をろ過後、得られた固体を乾燥し、表題化合物(89.3g)を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ ppm: 3.10 (9H, s), 3.37-3.43 (2H, m), 3.78 (3H, s), 3.81 (3H, s), 3.76-3.88 (2H, m), 4.93-4.98 (2H, m), 5.53 (1H, s), 6.44 (1H, s), 6.87-6.94 (1H, m), 7.05 (1H, d, J=11.6Hz), 7.11 (1H, d, J=7.6Hz), 7.43-7.52 (1H, m), 11.15 (1H, s)
【0039】
実施例8
3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3,4−d]ピリミジン−5−カルボン酸 (2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム
3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3,4−d]ピリミジン−5−カルボン酸 テトラヒドロフラン和物の湿結晶(11.09g、Net量(化合物(A)フリー体換算)10.0g)、メタノール(80mL)、水(10mL)、ジイソプロピルアミン(1.99g)の反応混合物を室温で10分間撹拌した。得られた溶液をろ過し、ろ液にメタノール(20mL)を加えた。反応混合物に49%酢酸コリン水溶液(7.2g)と水(10mL)の溶液を55〜60℃で加え、40〜55℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、氷冷下2時間撹拌した。懸濁液をろ過後、得られた固体を乾燥し、表題化合物(11.3g)を得た。
【0040】
実施例9
3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3,4−d]ピリミジン−5−カルボン酸 (2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム
3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3,4−d]ピリミジン−5−カルボン酸 テトラヒドロフラン和物の湿結晶(1.15g、Net量(化合物(A)フリー体換算)1.00g)、塩化コリン(0.30g)、トリエチルアミン(274μL)、テトラヒドロフラン(4.3mL)、水(4.3mL)の反応混合物を55℃で20分間撹拌し、テトラヒドロフラン(430μL)、水(380μL)、2−プロパノール(3.5mL)を加えた。反応混合物に45℃で種晶を加え、40〜45℃で2−プロパノール(9.6mL)を加えた。反応混合物を0℃で4時間撹拌した。懸濁液をろ過後、得られた固体を乾燥し、表題化合物(0.90g)を得た。
【0041】
例えば、実施例4から6の操作を行うことにより、化合物(A)を収率97%、化学純度(HPLC)98.5%で得ることができる。このように、前記化合物(D)を経由する一連の製造方法は、医薬品として有用な化合物(A)またはその塩を、高収率且つ高純度で製造できるため、工業的製造方法として極めて有用であることがわかる。