(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0004】
当該組成物は、好ましくは、36〜75℃にて加熱することによって得ることができる。
【0005】
当該組成物は、好ましくは、45〜55℃にて加熱することによって得ることができる。
【0006】
当該組成物は、好ましくは、30〜100℃にて20分〜90分間加熱することによって得ることができる。
【0007】
本発明者らは、調合物に空気を含ませた後に加熱すると、感覚的性質が大きく改善された組成物が得られるという驚くべき知見を得た。
【0008】
当該組成物は、好ましくは、タンパク性材料を含む。
【0009】
当該タンパク性材料は、好ましくは、加水分解されたタンパク性材料である。
【0010】
当該タンパク性材料は、ここにおいて、好ましくは、加水分解された植物性タンパク質である。
【0011】
当該タンパク性材料は、好ましくは、クローダ(Croda)社から市販されているKeravis(登録商標)である。
【0012】
タンパク性成分によって、消費者に与える感覚的性質がさらに高められる。
【0013】
本発明の組成物は、空気または不活性ガスによって、泡立つ程度まで発泡されており、泡立つ程度とは、通常、20℃にて少なくとも5容量%、好ましくは10容量%および100容量%以下、さらに好ましくは15容量%と70容量%との間、特に20容量%と60容量%との間の空気または不活性ガスである。生成物の少なくとも40容量%以上が発泡されていることが好ましい。
【0014】
当該組成物は不活性ガスまたは空気によって発泡させてもよく、好ましくは空気によって発泡させる。
【0015】
含気組成物は、好ましくは、炭化水素ベースの発泡剤を実質的に含まない。本発明の組成物は、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜2重量%の、炭化水素ベースの発泡剤を含む。
【0016】
本発明の記載において、安定した泡沫の定義は、細かい気泡状のガス状物質が均一に分散した生成物であって、室温20℃にて保存した場合にこの均一に分散した状態が少なくとも1週間、好ましくは少なくとも1ヶ月、特に少なくとも6ヶ月以上にわたって保持されることを特徴とする生成物である。
【0017】
初期製造時の上記気泡の平均径は、好ましくは、1ミクロン〜200ミクロン、好ましくは6ミクロン〜50ミクロンである。好ましくは、45℃にて28日間保存した後の平均径が、初期径の50倍以下、好ましくは40倍以下である。45°にて4ヶ月間保存した後の上記気泡の平均径は、好ましくは500ミクロン以下、より好ましくは300ミクロン以下である。
【0019】
これらの径は、オリンパス(Olympus)社の顕微鏡、カメラ、および関連ソフトウェアAnalySIS(登録商標)を用いて測定される。
【0020】
本発明の記載において、含気組成物は、エアロゾル容器、つまり消費者によって操作されるバルブ付容器から散布される生成物を含まない。本発明の含気組成物は、容器に保存され、消費者が指で十分な量をすくって毛髪に直接付けることによって消費者の毛髪に塗布される。
【0021】
当該組成物は、好ましくは、毛髪のコンディショニング用のカチオン界面活性剤を含む。好適なコンディショニング用カチオン界面活性剤を、単独でまたは混合して用いることができる。
【0022】
上記コンディショニング用カチオン界面活性剤は、好ましくは、平均約16〜約40個の炭素原子を有する長鎖アルキル基を少なくとも1つ有する、四級アンモニウムまたはアミンである。
【0023】
本発明のヘアコンディショナーにおける使用に適したカチオン界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、タロー(tallow)トリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、およびこれらに対応する水酸化物等が挙げられる。さらに好適なカチオン界面活性剤としては、CTFA名称がクアテルニウム−5である物質、CTFA名称がクアテルニウム−31である物質、およびCTFA名称がクアテルニウム−18である物質等が挙げられる。上記の物質のいずれかを混合したものも好適でありうる。
【0024】
上記カチオン界面活性剤は、好ましくは、不溶性である。本記載において不溶性とは、20℃にて、水に溶けて0.2重量%よりも濃い等方性の透明な溶液を形成することがない物質であると定義する。
【0025】
好ましいカチオン界面活性剤はモノカチオン性であり、より好ましい界面活性剤としては、ジステアリルジメチルアンモニウム化合物、ジセチルジメチルアンモニウム化合物、トリセチルメチルアンモニウム化合物、ベヘニルトリメチルアンモニウム化合物、ステアリルベンジルジメチルアンモニウム化合物等が挙げられ、好適なアミンとしては、ジステアリルアミン、ジステアリルメチルアミン、ベヘニルアミン、ベヘニルメチルアミン、ベヘニルジメチルアミン、ジセチルアミン、ジセチルメチルアミン、トリセチルアミン等が挙げられる。
【0026】
カチオン性塩は、好ましくは、ベヘニルトリメチルアンモニウム/塩と第2のコンディショニング用カチオン界面活性剤との組み合わせである。コンディショニング用カチオン界面活性剤の最も好ましい形態はベヘニルトリメチルアンモニウム塩であり、特に塩化物である。本発明の組成物において、カチオン界面活性剤の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜7重量%、最も好ましくは1〜5重量%である。
【0027】
本発明の組成物は、好ましくは、脂肪質を含む。好ましい脂肪質は、脂肪アルコールおよび脂肪酸である。脂肪アルコールが特に好ましい。コンディショニング組成物において脂肪アルコール材料とカチオン界面活性剤とを組み合わせて用いると、カチオン界面活性剤が分散したラメラ相が形成されるため、特に有利であると考えられている。
【0028】
脂肪アルコールは、好ましくは8〜22個、より好ましくは16〜20個の炭素原子を有する。好適な脂肪アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、およびこれらの混合物等が挙げられる。これらの物質を用いることは、本発明の組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するという点においても有利である。
【0029】
本発明のコンディショナーにおける脂肪アルコール材料の濃度は、当該組成物の0.01〜10重量%であるのが好都合であり、好ましくは0.1〜5重量%である。カチオン界面活性剤と脂肪アルコールとの重量比は、好適には10:1〜1:10であり、好ましくは4:1〜1:8であり、1:1〜1:4が最適である。
【0030】
本発明の組成物は、シリコーン、特に、シリコーンエマルションを含んでいてもよい。
【0031】
好適なシリコーンエマルションとしては、ポリジオルガノシロキサン類、特に、CTFA名称がジメチコンであるポリジメチルシロキサン類、ヒドロキシル末端基を有しCTFA名称がジメチコノールであるポリジメチルシロキサン類、および、CTFA名称がアモジメチコンであるアミノ官能性ポリジメチルシロキサン類等のシリコーンから形成されるもの等が挙げられる。
【0032】
エマルション粒子は、本発明の組成物において、通常、0.01〜20マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.2〜10マイクロメートルの範囲のザウター平均液滴径(D
3,2)を有しうる。
【0033】
ザウター平均液滴径(D
3,2)の好適な測定方法は、マルバーン(Malvern)社のマスターサイザー等の装置を用いてレーザ光散乱法である。
【0034】
本発明の組成物における使用に好適なシリコーンエマルションは、ダウコーニング(Dow Corning)社およびジーイーシリコーンズ(GE Silicones)社等のシリコーン供給業者から入手できる。かかる予成形シリコーンエマルションを利用することは、容易な加工およびシリコーン粒子径の制御に好ましい。かかる予成形シリコーンエマルションは、通常、アニオン性乳化剤もしくはノニオン性乳化剤、またはこれらの混合物等の、好適な乳化剤をさらに含んでおり、乳化重合等の化学的乳化工程によって、またはハイシアーミキサーを用いて機械的に乳化することによって調製されうる。ザウター平均液滴径(D
3,2)が0.15マイクロメートル未満の予成形シリコーンエマルションは、概して、マイクロエマルションと称される。
【0035】
好適な予成形シリコーンエマルションとしては、例えば、ダウコーニング社から入手可能な、エマルションDC2−1766、エマルションDC2−1784、エマルションDC−1785、エマルションDC−1786、エマルションDC−1788、ならびにマイクロエマルションDC2−1865およびマイクロエマルションDC2−1870等が挙げられる。これらは全て、ジメチコノールのエマルション/マイクロエマルションである。DC939(ダウコーニング社製)およびSME253(ジーイーシリコーンズ社製)等のアモジメチコンエマルションも好適である。
【0036】
また、例えば国際公開第03/094874号パンフレットに記載されているように、特定の種類の高分子量界面活性ブロックコポリマーをシリコーンエマルション液滴とブレンドしたシリコーンエマルションも好適である。かかる物質において、シリコーンエマルション液滴は、上述のようなポリジオルガノシロキサン類から形成されることが好ましい。界面活性ブロックコポリマーの好ましい一形態は、以下の式:
【化1】
【0037】
に従い、ここで、xの平均値は4以上であり、yの平均値は25以上である。
【0038】
界面活性ブロックコポリマーの他の好ましい形態は、以下の式:
【化2】
【0039】
に従い、ここで、aの平均値は2以上であり、bの平均値は6以上である。
【0040】
上述したシリコーンエマルションのいずれかの混合物を用いてもよい。
【0041】
シリコーンは概して、組成物の総重量に基づくシリコーンの総重量%で、0.05〜10%、好ましくは0.05〜5%、より好ましくは0.5〜2%の濃度で本発明の組成物中に存在する。
【0042】
その他の成分として、
粘度調整剤、保存料、シリコーン、着色剤、グリセリンおよびポリプロピレングリコール等のポリオール類、EDTA等のキレート剤、ビタミンEアセテート等の酸化防止剤、香料、抗菌剤、日焼け止め等を挙げることができる。これらの成分の各々は、その目的を達成するのに有効な量存在する。通常、これらの任意成分は、それぞれ、組成物全体の約5重量%以下のレベルで含有される。
【0043】
本発明の組成物は、好ましくは、毛髪のケアに好適な補助剤をさらに含む。通常、かかる成分は、それぞれ、組成物全体の2重量%以下、好ましくは1重量%以下のレベルで含有される。
【0044】
毛髪のケアに好適な補助剤には、以下のようなものがある:(i)アミノ酸および糖類などの、天然毛根栄養剤。好適なアミノ酸としては、例えば、アルギニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、セリン、バリン、および/またはこれらの前駆体および誘導体等が挙げられる。これらのアミノ酸は、単独で加えてもよいし、混合して加えてもよいし、例えばジペプチド、トリペプチド等のペプチドの形態で加えてもよい。また、当該アミノ酸は、ケラチン加水分解物またはコラーゲン加水分解物等のタンパク質加水分解物の形態で添加されてもよい。好適な糖類は、グルコース、デキストロース、およびフルクトースである。これらは単独で加えてもよいし、例えば果実抽出物の形態で加えてもよい。
【0045】
(ii)毛髪繊維有益物質。例えば、以下のようなもの: 繊維に潤いを与え、キューティクルの完全性を保持するためのセラミド類。セラミド類は、天然物から抽出して得られるか、または合成セラミド類および疑似セラミド類として得られる。好ましいセラミドは、クエスト(Quest)社のCeramide IIである。また、ラボラトリーズセロビオロジーク(Laboratories Serobiologiques)社のCeramides LSのような、セラミド類の混合物も好適でありうる。
【0046】
キューティクル補修およびダメージ防止のための遊離脂肪酸。例えば、18−メチルエイコサン酸およびこの系の他の同族体等の分枝鎖脂肪酸、ステアリン酸、ミリスチン酸およびパルミチン酸等の直鎖脂肪酸、ならびに、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびアラキドン酸等の不飽和脂肪酸である。好ましい脂肪酸はオレイン酸である。当該脂肪酸は単独で加えてもよく、混合して加えてもよく、または、例えばラノリンの抽出物由来のブレンドの形態で加えてもよい。
【0047】
上述の有効成分のいずれかの混合物を用いてもよい。
【0048】
本発明の組成物は、ラメラ構造を有する。当該組成物は、ミセル構造を有さないことが好ましい。
【0049】
好ましくは、当該組成物は、空気を含ませた形態でパッケージングされる、含気製品であることが好ましい。
【0050】
本発明の組成物は、人間の被験者の身体、好ましくは毛髪および/または頭皮に局所的に塗布することを主に意図しており、洗い流すタイプ(rinse-off)または洗い流さないタイプの(leave-on)組成物である。
【0051】
本発明が提供する組成物は、毛髪にもみこんだ後にきれいな水で洗い流し、その後に毛髪を乾かすことによって使用される、水性コンディショナー組成物であってもよい。
【0052】
以下、本発明を、非限定的な実施例によってさらに説明する。
【0053】
実施例1 本発明に従うスフレ状調合物。
【表1】
【0054】
含気プロトコル 3Lのプラスチック容器に、空気を含ませていないベースを1kg入れる。
【0055】
ビーターブレードを取り付けたハンディタイプフードプロセッサBamix Gastro 200を用い、フルスピード(約17000rpm)にて動作させ、該ブレンダーをベースに入れた後に該ベースから持ち上げることにより混合物内に空気を導入することによって、空気を含ませ始める。そして、この工程を、毎分およそ200回の速度で3分間繰り返す。この段階において、「メレンゲ」様の泡が形成される。
【0056】
空気を含ませていない組成物1kgに、任意のタイミングで一度に空気を含ませる。
【0057】
実施例2 比重測定プロトコル 容量25mlのカップを取り、水で完全に満たした。水で満たした当該カップの重さを量り、質量を書き留めた。その後、カップを空にし、当該工程をさらに2回繰り返して、平均を求めた。
【表2】
【0058】
この平均質量を用いて、試験サンプルの比重を算出する。
【0059】
標準プロトコルに対して、4kgのバッチを準備した。
【0060】
実施例3 スフレ作成の標準プロトコル
【表3】
【0061】
スフレを21個の広口容器に(50gずつ)分けて入れ、50℃のオーブンに入れた。
【0062】
その後、サンプルを3つずつ、異なる間隔(30分後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、24時間後)で取り出した。最後の3つは、初期対照サンプルとして外に置いておいた。
【0063】
当該サンプルは、各取り出しの後、3時間平衡させた。
【0064】
各サンプルが冷めたら、各々のサンプルを開け、細心の注意を払って容量25mlのカップにかき出し、縁すれすれいっぱいになるように入れた。そして、該カップの重さを計り、質量を書き留めた。その他のサンプルに対してもこれを繰り返し、平均をとった。
【0065】
スフレの質量を、カップ中の水の質量で除することによって、比重を求めた。
【表4】
【0066】
該データから、30分〜3時間の間50℃にて加熱すると、比重が低く、且つ、消費者の感覚的利益が向上する組成物が得られることが示される。
【0067】
実施例4 降伏応力測定プロトコル 1kgのスフレ3バッチにそれぞれ0%、1%および5%のKeravis(登録商標)を加えたものを用意した。
【0068】
各スフレを4つの広口容器に(50gずつ)分けて入れた。3組を(室温をシミュレートするために)25
*Cのオーブンに入れ、3組を(加熱をシミュレートするために)50
*Cのオーブンに入れた。
【0069】
これらのサンプルをオーブン内に一晩放置した(午後4時から翌日の午前8時までの16時間)。
【0070】
翌朝、サンプルをオーブンから取り出し、3時間平衡させた。
【0071】
各々の降伏応力を、ブルックフィールド(Brookfield)レオメータを用い、スピンドル72(セカンダリポイント)を使用して記録した。
【表5】
【0072】
該データから、加水分解された植物性タンパク質を加えると、加熱後の含気組成物の降伏応力が向上することが示される。