特許第6268105号(P6268105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6268105ソーシャルネットワーキングシステムユーザのグループへの広告のターゲティング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6268105
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】ソーシャルネットワーキングシステムユーザのグループへの広告のターゲティング
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20180115BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20180115BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   G06Q30/02 398
   G06Q50/00 300
   G06F13/00 540P
【請求項の数】28
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-560131(P2014-560131)
(86)(22)【出願日】2013年3月4日
(65)【公表番号】特表2015-515665(P2015-515665A)
(43)【公表日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】US2013028915
(87)【国際公開番号】WO2013131096
(87)【国際公開日】20130906
【審査請求日】2015年12月11日
(31)【優先権主張番号】13/411,456
(32)【優先日】2012年3月2日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508178054
【氏名又は名称】フェイスブック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ロン
(72)【発明者】
【氏名】セナーラッタナ、ヌワン
【審査官】 関 博文
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−537323(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/102012(WO,A2)
【文献】 特表2011−503701(JP,A)
【文献】 特表2010−515160(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0264519(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0216620(US,A1)
【文献】 特開2011−087180(JP,A)
【文献】 特開2007−102407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーシャルネットワーキングシステムにおいて、指定された期間内に前記ソーシャルネットワーキングシステムのユーザのグループに広告を提供する要求を受信するステップであって、前記要求は、前記ユーザのグループ内のユーザによって行われる1以上の対話について指定された特徴を備え、前記ユーザのグループは、前記ソーシャルネットワーキングシステムにおいてつながっている2以上のユーザを含む、広告要求受信ステップと、
前記ソーシャルネットワーキングシステムのユーザ間の複数の対話を観察する、対話観察ステップと、
前記要求に含められた前記1以上の対話について指定された前記特徴を有する1以上の観察された対話を有するユーザを識別するステップと、
前記ソーシャルネットワーキングシステムが、エッジストアを維持するステップであって、前記エッジストアは、前記ソーシャルネットワーキングシステムのユーザ間の複数のつながりについて記述する情報を含む、維持するステップと、
前記ソーシャルネットワーキングシステム内の識別された前記ユーザ間の1以上のつながりを前記エッジストアから取り出すステップと、
識別されたユーザからユーザの候補グループを選択するステップであって、識別された前記ユーザは、他の識別されたユーザにつながっており、ユーザの前記候補グループは、1以上の識別された他のユーザに前記ソーシャルネットワーキングシステムを通じてつながっている2以上の識別されたユーザを含む、ステップと、
ユーザの前記候補グループに含められた前記ソーシャルネットワーキングシステムの第1のユーザを識別するステップと、
ユーザの前記候補グループの前記第1のユーザ以外の1以上のユーザが前記要求において指定された前記期間内に前記広告を提示されたことを決定するステップと、
前記決定に基づいて、前記第1のユーザに、表示するための前記広告を送信する、広告送信ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記要求に含められた指定された前記特徴を共有する対話は、前記広告に関連する場所にチェックインすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記要求に含められた指定された前記特徴を共有する対話は、前記広告に関連するイベントに参加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記要求に含められた指定された前記特徴を共有する対話は、前記広告に関連するイベントへの参加を予定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記要求に含められた指定された前記特徴を共有する対話は、前記広告に関連する1以上のキーワードを含むスレッドまたは投稿と対話することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記要求に含められた指定された前記特徴を共有する対話は、前記ソーシャルネットワーキングシステムに関連付けられた共通のオブジェクトと対話することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記オブジェクトは、前記広告に関連する画像を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記要求に含められた指定された前記特徴を共有する対話を行った前記ユーザは、一定期間内に複数の共通の対話のうち1以上の対話を実行したことがある、つながっている複数のユーザを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の共通の対話のうちの1以上は、前記広告に関連するオーディオオブジェクトを聴くことを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記要求に含められた指定された前記特徴を共有する前記対話は、つながっている2以上のユーザによって実行される複数の共通の対話のうち一連の1以上の対話を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ユーザの前記候補グループは、前記つながっているユーザ間の親密度に少なくとも部分的に基づいて形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記グループは、前記つながっているユーザが共通の画像にタグ付けされているか否かに少なくとも部分的に基づいて形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記グループは、前記つながっているユーザによって実行される共通の対話の複数の個別タイプに少なくとも部分的に基づいて形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記グループは、一定期間に亘って複数の共通の対話のうち1以上の対話が出現する頻度に少なくとも部分的に基づいて形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記グループは、前記グループに含まれるつながっているユーザの数に少なくとも部分的に基づいて形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記グループは、前記つながっているユーザに関連付けられたアカウントのアクティビティ閾値に少なくとも部分的に基づいて形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記広告送信ステップは、前記グループの最小数のユーザに前記広告を送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記広告送信ステップは、1組のユーザに前記広告をプッシュ送信することを含む、請
求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記広告送信ステップは、前記グループ内の別のユーザに前記広告が提供される期間に基づいて前記広告を送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記グループ内の別のユーザに前記広告が提供される期間が同時である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記グループ内の別のユーザに前記広告が提供された期間は、最小送達ウィンドウ内である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
ユーザの前記候補グループの1以上の他のユーザに前記広告が送信されたことを示す標識を、前記広告に含めるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記グループの1以上のユーザについて、前記グループの各ユーザの観察された対話に基づく役割を決定するステップと、
前記役割に関連付けられた、カスタマイズされたコンテンツを受信するステップと、
前記役割に関連付けられた前記グループのユーザに送信されるべき広告に、前記カスタマイズされたコンテンツを含めるステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
ユーザの前記候補グループの最小数のユーザが前記広告を閲覧したことを示す標識を受信するとき、広告主からの支払いを受け取るステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
ユーザの前記候補グループの前記最小数のユーザよりも多い数のユーザが前記広告を閲覧したことを示す標識を受信するとき、前記広告主から増額分の支払いを受け取るステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記広告は取引の申し出を含み、前記方法はさらに、
前記グループの最小数のユーザによって前記取引が行われるとき、前記グループの前記ユーザのための前記取引を有効にするステップを含み、有効化により、前記グループの前記ユーザが、前記取引を購入できるようになる、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記グループの1以上のユーザによる前記広告との対話を観察するステップと、
前記広告との前記対話を観察することに応答して、前記グループのその他のユーザに、前記対話を示す通知を送信するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
ソーシャルネットワーキングシステムが、エッジストアを維持するステップであって、前記エッジストアは、前記ソーシャルネットワーキングシステムのユーザ間の複数のつながりについて記述する情報を含む、維持するステップと、
前記ソーシャルネットワーキングシステムにおいて、指定された期間内に前記ソーシャルネットワーキングシステムのユーザのグループに広告を提供するための広告要求を受信するステップであって、前記要求は、前記ソーシャルネットワーキングシステムのユーザの指定された特徴を備え、前記ユーザの候補グループは、つながりを共有する2以上のユーザを含む、広告要求受信ステップと、
前記ソーシャルネットワーキングシステムのユーザ間の1以上の対話を観察するステップと、
前記要求に含められた指定された前記特徴を有するユーザを識別するステップと、
識別されたユーザ間の前記ソーシャルネットワーキングシステム内の1以上のつながりを前記エッジストアから取り出すステップと、
識別されたユーザからユーザの候補グループを選択するステップであって、識別された前記ユーザは、1以上の他の識別されたユーザに前記ソーシャルネットワーキングシステムを通じてつながっており、ユーザの前記候補グループは、1以上の識別された他のユーザに前記ソーシャルネットワーキングシステムを通じてつながっており、かつ、前記要求に含められた指定された前記特徴を有する、2以上の識別されたユーザを含む、指定された前記特徴を有する、ステップと、
ユーザの前記候補グループに属する前記ソーシャルネットワーキングシステムの第1のユーザを識別するステップと、
ユーザの前記候補グループの前記第1のユーザ以外の1以上のユーザが前記要求において指定された前記期間内に前記広告を提示されたことを決定するステップと、
前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記ソーシャルネットワーキングシステムの前記第1のユーザに、表示するための前記広告を送信するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ソーシャルネットワーキングシステムを通じて提供される広告に関し、詳細には、グループに含まれるユーザ間のソーシャルネットワークにおける対話(社会的相互作用)に基づいてソーシャルネットワーキングシステムのグループユーザに向けられた広告に関する。
【背景技術】
【0002】
広告収入は、ソーシャルネットワーキングシステムに対して重要な収入源を提供する。有効かつ対象を絞った広告ほど、対象が広い広告と比較して、一般的に広告収入が大きくなるのは、対象を絞った広告は通常、より関連があるものとして消費者に受け止められるからである。また、より関連性の強い広告を提供することにより、広告の閲覧者が、提示された商品またはサービスの購入者に転じる転換率を増加させることができる。
【0003】
広告の関連性を改善するため、広告主は、訪問したウェブサイトまたは閲覧したコンテンツなどの消費者データを使用する。しかし、この手法ではしばしば、オンラインまたは他の方法での消費者の購入決定に影響を及ぼす可能性がある他の力学を理解する上での手掛かりを提供することができない。ユーザによる個々のオンライン購入アクティビティに限定されるので、広告主には、消費者の購入決定プロセスに影響を及ぼす他の力学を活用して、その広告の関連性を改善するのに十分な情報が欠けている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】一実施形態による、ソーシャルネットワーキングシステムのユーザに広告を提供するための例示的なシステムのハイレベルブロック図。
図2】一実施形態による、ソーシャルネットワーキングシステムのユーザに広告を提供するための例示的なシステムのネットワーク図。
図3】一実施形態による、ソーシャルネットワーキングシステムのユーザに広告を提供するための様々なモジュールを含む例示的なグループ化モジュールを示すハイレベルブロック図。
図4】一実施形態による、ソーシャルネットワーキングシステムのユーザに広告を提供するための例示的なプロセスのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の各実施形態は、ソーシャルネットワーキングシステムの関連するユーザのグループを広告の対象とする。多くの場合で、特にユーザのグループにおけるつながり方に広告が関連するとき、関連するユーザのグループに広告する方が、個人に広告するよりも有効になることがある。たとえば、以前レストランにチェックインまたは訪問したことがあるユーザのグループに届けられるそのレストランのクーポンは、サービスと引き換えられる可能性がはるかに高い。
【0006】
一実施形態では、ユーザのグループを広告の対象とするために、ソーシャルネットワーキングシステムは、広告をほぼ同時に受信するグループを指定するターゲティング基準を受信する。ターゲティング基準を満たすソーシャルネットワーキングシステムのユーザのグループを識別するために、ソーシャルネットワーキングシステムは、ソーシャルネットワーキングシステムのつながっているユーザの対話を観察する。つながっている対話するユーザであって、ターゲティング基準を満たすユーザは、グループに追加されてもよい。ソーシャルネットワーキングシステムが、グループに含まれる1組のユーザに広告を提供
するのは、提供されるユーザはグループのメンバーだからである。
【0007】
動作中、ソーシャルネットワーキングシステムは、広告、およびその広告に関連付けられたターゲティング基準を受信してもよく、この基準は、広告を受信する対象とされたソーシャルネットワーキングシステムのユーザのグループを定義する。たとえば、ターゲティング基準は、グループのつながっている少なくとも2人のユーザ間での共通の対話を指定してもよい。ソーシャルネットワーキングシステムは、このソーシャルネットワーキングシステムのユーザ間の対話を観察し、この観察された対話が、つながっているユーザをグループ化するための基礎を提供する。ターゲティング基準を満たす対話であって、観察された対話のうちの1または複数に関っている、ソーシャルネットワーキングシステムの1組のユーザについて、このソーシャルネットワーキングシステムはグループ内にこの1組のユーザを含む。ソーシャルネットワーキングシステムは、グループに属している1組のユーザに基づいて、そのグループ内の1組のユーザに広告を提供する。さらに、ソーシャルネットワーキングシステムは、グループ内の別のユーザに広告が提供されると、グループ内の各ユーザにその広告を提供する。
【0008】
本明細書に記載された特徴および利点は包括的なものではなく、とりわけ、各図面、明細書、および特許請求の範囲に鑑み、多くのさらなる特徴および利点が当業者には明らかであろう。さらに、明細書中に使用されている用語は、主として、読みやすさ、教示を目的として選択されたものであって、発明性のある主題を詳述し、またはそれを限定するために選択されたものではないことに留意されたい。
【0009】
各図は、例示だけの目的のために、本開示の様々な実施形態を示す。本明細書に記載の各実施形態の原理から逸脱することなく、本明細書に示した構造および方法の代替実施形態を利用してもよいことが、以下の議論から当業者には容易に理解されるであろう。
【0010】
概要
各実施形態は、ソーシャルネットワーキングシステムを使用して、このソーシャルネットワーキングシステムにおいてつながっているユーザのグループに対して広告を提供し、共通の対話を共有して広告の有効性を改善する。つながっているユーザ間の共通の対話など、ソーシャルネットワーク上の(社会的な)要因を活用することにより、広告主は、その広告の関連性を改善してもよい。グループ全体が特定の広告をほぼ同時に受信していることを、広告が各ユーザに伝えるとき、これが特に有効になることがある。また、これら共通の対話に関連付けられた情報をさらに活用することにより、ソーシャルネットワーキングシステムは、このようなグループにおいてユーザが演じる特定の役割により適した広告を提供できる場合がある。
【0011】
各実施形態がソーシャルネットワーキングシステムのユーザに広告を提供する1つの方式は、広告をほぼ同時に受信するグループを指定するターゲティング基準を受信することによるものである。広告を受信するソーシャルネットワーキングユーザのグループを広告主がどのように定義してよいのかに柔軟性をもたせるため、ある一定のタイプの共通のつながりを有する広い範囲のユーザを含むよう、ターゲティング基準を緩く定義してもよい。共通のつながりには、他のつながりタイプの中で、友達、同僚、または家族が含まれ得る。代替として、または追加的に、互いに、および/またはソーシャルネットワーキングシステム内のオブジェクトと対話した、つながっているユーザを含むよう、ターゲティング基準を狭く定義してもよい。数百万ものつながっているソーシャルネットワーキングユーザ間の対話に関連した情報をより活用することにより、ソーシャルネットワーキングシステムは、非常に細かく詳細にユーザをグループ化してもよい。この情報を活用する広告主は、特定のグループを正確に対象とする広告を展開してもよい。グループを定義する際の精度が増すと、数百万ものソーシャルネットワーキングシステムユーザに、より関連性
の強い広告を提供する独自の能力を広告主が手にすることになる。
【0012】
動作中、ソーシャルネットワーキングシステムは、グループメンバーのそれぞれに、その他のメンバーにも広告が提供されたことを通知するよう、グループのメンバーであるユーザに広告を提供する。広告がグループに向けられたことをメンバーに通知すると、各グループメンバーがその広告を関連があるものと認識する蓋然性が増すことになる。また、広告がより関連性の高いものであるとグループメンバーは認識するので、広告主は、広告に関連する提示された商品またはサービスを購入するグループメンバーに対する広告を閲覧するグループメンバーの転換率を増大させることができる。さらに、グループを対象とする広告を提供するソーシャルネットワーキングシステムは、特定の1組の特性を有するソーシャルネットワーキングユーザのグループを、広告主が広告の対象とすることにより、広告収入が増加し、よって、恩恵を受ける。
【0013】
図1には、ソーシャルネットワーキングシステムのユーザがグループのメンバーであることから、本発明により、そのユーザを広告の対象とするプロセスのハイレベルブロック図を示す。例示的なソーシャルネットワーキングシステム100は、このソーシャルネットワーキングシステム100に広告オブジェクト104を提供する広告主102を含む。実施形態によっては、広告主102は、ソーシャルネットワーキングシステム100に広告オブジェクト104を直接提供してもよい。他の実施形態においては、広告主102は、アドネットワークまたはアドエクスチェンジ(図示せず)を使用することにより、ソーシャルネットワーキングシステム100に広告オブジェクト104を間接的に提供してもよい。
【0014】
広告オブジェクト104は広告を含んでもよい。広告は一般に、その通知の受信者に、商品またはサービスに関する任意のアクションを行わせるように意図された任意の通知を含む。実施形態によっては、広告は、取引の申し出を含んでもよい。たとえば、広告オブジェクト104は、4人家族を含むグループに対する休日の写真撮影会の提供を含んでもよく、これは、2011年11月9日の前に4人家族全員が一緒に写真家のスタジオにチェックインするときに引き換えられてもよい。
【0015】
広告オブジェクト104はまた、ターゲティング基準106を含む。ターゲティング基準106は、特定の広告を受信するように、ソーシャルネットワーキングシステムのつながっているユーザのグループの特性を指定する。この特性は、特定の対話に基づいてユーザら同士がつながっているユーザのグループを含んでもよい。たとえば、ターゲティング基準106は、レストランなどの地理的な場所に、一緒に、個々に、または一定期間内に、全員がチェックインしたソーシャルネットワーキングユーザを含んでもよい。ターゲティング基準106はまた、共通のイベントに参加する、または参加する予定を示すソーシャルネットワーキングユーザを含んでもよい。イベントは任意のタイプのイベントを含んでもよく、2011年10月22日午前11:00(太平洋標準時)にヘルブストシアター(Herbst Theatre)で開催されるサンフランシスコジャズフェスティバルマチネ(San Francisco Jazz Festival Matinee)第二部−バースオブザクール(Birth of the Cool)への参加など、具体的なイベントでもよい。他の実施形態では、イベントは、友達の家での集まりなど、より一般的なものでもよい。ターゲティング基準106はまた、共通のオブジェクトと対話するソーシャルネットワーキングユーザを含んでもよい。たとえば、共通のオブジェクトとの対話には、つながっているソーシャルネットワーキングユーザと画像にタグ付けされること、広告に関連する1または複数のキーワードを有する同一または同様のニュースフィードアイテム、投稿、またはスポンサー付きの記事についての好みを示すことが含まれ得る。
【0016】
共通のオブジェクトとの対話には、同じ音楽もしくはアーティストを聴くこと、特定のビデオクリップを閲覧すること、またはオンラインゲームを楽しむことなど、同一または同様のオーディオもしくはビデオのコンテンツオブジェクトを視ることも含まれ得る。他の実施形態では、ターゲティング基準は、共通の対話が実行される特定のシーケンスを含んでもよい。たとえば、広告主は、ソーシャルネットワーキングシステム100にコンサートの広告を提供し、全員が友達であり、過去1か月以内にアーティストの曲を聴いたことがあり、または過去1年以内にそれぞれがそのコンサート会場でチェックインしたことがある、3人以上のユーザのグループをその広告の対象とするようソーシャルネットワーキングシステム100に指示してもよい。その実施形態に記述されているように、ターゲティング基準はまた、1または複数の共通の対話を実行した、つながっているユーザの数を含んでもよい。ソーシャルネットワーキングシステム100により、ターゲティング基準は、広告主が望むような特定の範囲または広い範囲とすることができるようになる。他の実施形態では、広告主102は、ターゲティング基準106なしで広告オブジェクト104を提供してもよい。その実施形態では、広告ターゲティングモジュール118が、広告オブジェクト104のコンテンツを解析して、特徴としての対話のタイプおよび/またはグループ内のユーザ間のつながりのタイプを使用してもよいファジーマッチングアルゴリズムに基づいて、ターゲティング基準を推測してもよい。
【0017】
グループ化モジュール114は、ユーザプロファイルオブジェクト108、エッジオブジェクト110、およびコンテンツオブジェクト112から取り出されるソーシャルネットワーキングシステム100のユーザについての情報を解析して、ターゲティング基準106を満たす共通の対話を共有するメンバーを含むと決定された、グループ化されたユーザプロファイルオブジェクト116を識別する。ターゲティングモジュール118は、グループ化モジュール114によって識別された、グループ化されたユーザプロファイルオブジェクト116を受信して、広告オブジェクト104内に組み込まれた広告を、グループ化されたユーザプロファイルオブジェクト116内で識別されたユーザの1または複数のグループに提供する。グループ化されたユーザプロファイルオブジェクト116は、ユーザのグループに対して所定のユーザの特定の役割を示す情報を含んでもよい。たとえば、役割には、インフルエンサ、経済的意志決定者、イニシエータ、エンドユーザ、初期採用者、購入者、または他のタイプの役割が含まれ得る。
【0018】
広告ターゲティングモジュール118は、ネイティブアプリケーションを実行する移動体デバイス、移動体デバイスへのテキストメッセージ、ソーシャルネットワーキングシステム100の外部のシステムをホストとするウェブサイト、および、スポンサー付きの記事、バナー広告、ページ投稿などソーシャルネットワーキングシステム100上で利用可能な広告配信機構を含む、ただしそれだけに限定されない様々なタイプの通信チャネルを通じて、ソーシャルネットワーキングシステム100のユーザに広告を提供してもよい。
【0019】
システムアーキテクチャ
図2には、一実施形態による、ソーシャルネットワーキングシステムのユーザに広告を提供するための例示的なシステム200のハイレベルネットワーク図を示す。このシステム環境は、ソーシャルネットワーキングシステム100に結合された1または複数のユーザデバイス202、およびネットワーク204を使用する外部ウェブサイト216を備える。例示的なシステム200は、代替のトポロジーまたは構成で構築されてもよく、互いに異なるモジュールおよび/または追加のモジュールを備えてもよい。
【0020】
ユーザデバイス202は、ネットワーク204を通じて、ユーザ入力を受信し、データを送受信することができる、1または複数のコンピューティングデバイスを備える。一実施形態では、ユーザデバイス202は、たとえば、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)互換のオペレーティングシステム(OS)、アップルOS X、および/またはリナ
ックス(登録商標)ディストリビューションを実行する、従来のコンピュータシステムである。他の実施形態では、ユーザデバイス202は、携帯型情報端末(PDA)、携帯電話、スマートフォンなど、コンピュータ機能を有するデバイスとすることができる。ユーザデバイス202は、ネットワーク204を通じて通信するように構成される。ユーザデバイス202は、たとえば、ユーザデバイス202のユーザが、ソーシャルネットワーキングシステム100から広告を受信するか、または他の方法でソーシャルネットワーキングシステム100と対話できるようにするブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを実行することができる。他の実施形態では、ユーザデバイス202は、iOSやANDROIDTM(登録商標)など、このユーザデバイス202のネイティブオペレーティングシステム上で実行されるアプリケーションプログラムインターフェース(API)を通じて、ソーシャルネットワーキングシステム100と対話する。
【0021】
一実施形態では、ネットワーク204は、標準の通信技術および/またはプロトコルを使用する。したがって、ネットワーク204は、イーサネット(登録商標)、802.11ファミリー規格、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMAX)、3G、4G、CDMA、デジタル加入者線(DSL:digital subscriber line)などの技術を使用する、有線および/または無線リンクを含むことができる。同様に、ネットワーク204で使用されるネットワーキングプロトコルは、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS:multiprotocol label switching)、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP:user datagram protocol)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP:hypertext transport protocol)、簡易メール転送プロトコル(SMTP:simple mail transfer protocol)、およびファイル転送プロトコル(FTP:file transfer protocol)を含むことができる。ネットワーク204上で交換されるデータは、ハイパーテキストマーク付け言語ハイパーテキストマーク付け言語(HTML)および拡張可能なマーク付け言語(XML)を含む技術ならびに/またはフォーマットを使用して表わされてもよい。さらに、リンクの全てまたはリンクによっては、セキュアソケットレイヤ(SSL)、トランスポート層セキュリティ(TLS)、インターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)など、従来の暗号化技術を使用して暗号化されてもよい。
【0022】
図2は、ソーシャルネットワーキングシステム100のブロック図を含む。ソーシャルネットワーキングシステム100は、ユーザプロファイルストア206、グループ化モジュール114、広告ターゲティングモジュール118、ウェブサーバ208、アクションロガー210、コンテンツストア212、およびエッジストア214を備える。他の実施形態では、例示的なソーシャルネットワーキングシステム100には、様々なアプリケーション向けの、追加の、より少ない、または互いに異なるモジュールが含まれ得る。システムの詳細を曖昧にしないよう、ネットワークインターフェース、セキュリティ機能、ロードバランサ、フェールオーバサーバ、管理およびネットワーク操作コンソールなど、従来の構成要素は図示していない。
【0023】
ウェブサーバ208は、ネットワーク204を通じて、ソーシャルネットワーキングシステム100を1または複数のユーザデバイス202にリンクし、ウェブサーバ208は、ウェブページならびにJava(登録商標)、Flash、XMLなど他のウェブ関連のコンテンツを提供する。ウェブサーバ208は、ソーシャルネットワーキングシステム100とユーザデバイス202の間で、たとえば、インスタントメッセージ、待ち行列型メッセージ(たとえば電子メール)、テキスト、およびSMS(ショートメッセージサービス)、または適切な他の任意のメッセージング技法を使用して交換されるメッセージなどのメッセージを受信し、それを経路指定する機能を提供してもよい。ユーザは、たとえ
ば、コンテンツストア212に記憶されている画像またはビデオなどの情報をアップロードする要求を、ウェブサーバ208に送信することができる。さらに、ウェブサーバ208は、API機能を提供して、iOS、ANDROIDTM、webOS、RIM(登録商標)など、ユーザデバイスのネイティブオペレーティングシステムに直接データを送信してもよい。
【0024】
アクションロガー210は、ソーシャルネットワーキングシステム100の内部および/または外部で実行されるユーザアクションについて、ウェブサーバ208からの通信情報を受信することができる。アクションロガー210は、ユーザアクションについての情報をアクションログに入力して、ユーザアクションを追跡する。このようなアクションには、とりわけ、たとえば、その他のユーザとのつながりを追加すること、その他のユーザにメッセージを送信すること、その他のユーザがチェックインしたのと同じ場所にチェックインすること、その他のユーザを含む画像にタグ付けまたはコメントすること、その他のユーザからのメッセージを読むこと、その他のユーザとリンクを共有すること、その他のユーザに関連付けられたコンテンツを閲覧すること、その他のユーザが投稿したイベントに参加することが含まれ得る。さらに、他のオブジェクトに関して記述される複数のアクションが特定のユーザに向けられ、その結果、これらのアクションはそうしたユーザにも関連付けられる。アクションロガー210はまた、提供された広告とのユーザの対話についての情報をアクションログに記憶する。広告との対話には、広告を閲覧すること、画像もしくはリンクをクリックすること、広告を共有すること、または広告に含まれる取引を行うことが含まれ得る。
【0025】
アクションロガー210はまた、ユーザアクションに関連付けられたメタデータをアクションログに記憶してもよい。メタデータには、たとえば、アクションがいつ実行されたか、またはアクションがいつ実行されようとしているかに関連付けられた時間データ、および、アクションが実行された場所またはアクションが実行されようとしている場所に関連付けられた地理的データが含まれ得る。
【0026】
ソーシャルネットワーキングシステム100によってアクションログを使用して、ソーシャルネットワーキングシステム100と情報を交換する外部ウェブサイト上のユーザのアクションを追跡してもよい。たとえば、主にパーソナル移動体コンピューティングデバイスをバーゲン価格で販売する電子商取引ウェブサイトは、この電子商取引ウェブサイトがソーシャルネットワーキングシステムのユーザを識別できるようにするソーシャルプラグインを通じて、ソーシャルネットワーキングシステム100のユーザを認識してもよい。ソーシャルネットワーキングシステム100のユーザは一意に識別可能なので、このパーソナル移動体コンピューティングデバイスの再販業者などの電子商取引ウェブサイトは、ユーザがそのウェブサイトを訪問するときに、これらのユーザについての情報を使用してもよい。アクションログは、閲覧履歴、クリックされた広告、購買アクティビティ、および購入パターンを含め、これらユーザについてのデータを記録する。ソーシャルネットワーキングシステムの各ユーザについて記録された同様のデータをグループ化モジュール114に提供して、外部ウェブサイトでのユーザの共通の対話に部分的に基づいて、それらユーザをグループ化してもよい。
【0027】
ユーザアカウント情報およびユーザの他の関連情報は、ユーザプロファイルオブジェクト108としてユーザプロファイルストア206に記憶される。ユーザプロファイルストア206に記憶されたユーザプロファイル情報は、職務経験、学歴、性別、趣味または嗜好、場所など、個人的、人口統計上、および他のタイプの記述的情報を含め、ソーシャルネットワーキングシステム100のユーザについて記述する。ユーザプロファイルはまた、たとえば、画像またはビデオなど、ユーザが提供する他の情報を記憶してもよい。実施形態によっては、画像内に表示されているソーシャルネットワーキングシステム100の
ユーザの識別情報を、ユーザの画像にタグ付けしてもよい。ユーザプロファイルストア206はまた、アクションログ内に記憶され、コンテンツストア212内のオブジェクト上で実行されるアクションへの参照を維持する。
【0028】
エッジストア214は、ソーシャルネットワーキングシステム100内のユーザと他のオブジェクトとの間のつながりを記述する情報を、エッジオブジェクト110に記憶する。エッジによってはユーザによって定義されてもよく、これにより、ユーザが他のユーザとの自らの関係を指定できる。たとえば、ユーザは、友達、同僚、配偶者などユーザの実生活での関係に相当する他のユーザとのエッジを生成してもよい。ソーシャルネットワーキングシステム上のページに興味を示すこと、ソーシャルネットワーキングシステムの他のユーザとリンクを共有すること、ソーシャルネットワーキングシステムの他のユーザが行った投稿にコメントすることなど、ユーザがソーシャルネットワーキングシステム100内のオブジェクトと対話するとき、他のエッジが生成される。エッジストア214は、オブジェクト、興味の対象、および他のユーザについての親密度スコアなど、エッジについての情報を含むエッジオブジェクトを記憶する。ユーザが実行したアクションに基づいて、ソーシャルネットワーキングシステム100内のオブジェクト、興味の対象、および他のユーザについてのユーザの親密度を見積もるため、ソーシャルネットワーキングシステム100によって時間をかけて親密度スコアを計算することができる。一実施形態では、ユーザと特定のオブジェクトとの間の複数の対話を、エッジストア214内の1つのエッジオブジェクトに記憶してもよい。たとえば、マイルスデイヴィス(Miles Davis)のアルバム「カインドオブブルー(Kind of Blue)」からの複数の曲を再生するユーザは、それらの曲については複数のエッジオブジェクトを有してもよいが、マイルスデイヴィスについてはエッジオブジェクトを1つだけ有してもよい。
【0029】
一実施形態では、グループ化モジュール114は、コンテンツストア212に記憶された広告オブジェクト104に含まれるターゲティング基準106を受信する。ユーザプロファイルストア206から取り出されるユーザプロファイルオブジェクト108、エッジストア214から取り出されるエッジオブジェクト110、およびコンテンツストア212から取り出されるコンテンツオブジェクト112から、ソーシャルネットワーキングシステム100のユーザについての情報を使用して、グループ化モジュール114は、任意の共通のつながりを有する、またはターゲティング基準106において指定された特定のグループのユーザであると各ユーザを識別する任意の方式で対話したユーザのグループを形成してもよい。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム100は、任意の場所に以前チェックインしたことがあるユーザの仲間を広告の対象とするなどの要求を広告主から受信してもよく、または、より一般には、この要求は、ソーシャルネットワーキングシステム100において、任意のエッジ、もしくは任意のノードとの対話、もしくはオブジェクトを識別してもよい。グループ化114を使用して、次いで、ソーシャルネットワーキングシステム100は、その場所で一緒にチェックインアクションを実行したことがある(または、別のユーザによってチェックインされたことがある)ユーザのグループを識別する。すなわち、グループ化モジュール114は、所定のつながり方の仲間を広告の対象とするなどの広告要求において指定されたアクションを実行したことがあるユーザのグループを見つける。実施形態によっては、広告主によって指定されたアクションは、必ずしもオブジェクトを含まなくてもよい。たとえば、地域のマラソンを広告募集するため、「走る」のようなアクションを定義することによる、一緒に「走った」ことがあるユーザのグループに対する要求であってもよく、ここで、ユーザは他のユーザをそのアクションにタグ付けすることができる。
【0030】
広告ターゲティングモジュール118は、ソーシャルネットワーキングシステム100のユーザの特定のグループを対象とした広告向けのターゲティング基準を受信してもよい。前述の通り、ターゲティング基準106に記述されたグループは、全員が友達で、過去
1か月以内に特定のアーティストの曲を聴いたことがあり、または、過去1年以内に、それぞれそのコンサート会場で(一緒にもしくは個々に)チェックインしたことがある、4人以上のユーザであってもよい。広告ターゲティングモジュール118は、広告のターゲティング基準106に基づいて、ソーシャルネットワーキングシステム100のユーザの特定のグループに対して広告を提供する。一実施形態では、ターゲティング基準106は、広告用に受信されて、グループ化モジュール114によって処理されてもよい。グループ化モジュール114が、ターゲティング基準106を満たすソーシャルネットワーキングシステム100のユーザの1または複数のグループを形成した後、広告ターゲティングモジュール118は、その識別されたユーザのグループに対して広告を提供してもよい。
【0031】
一般に、広告ターゲティングモジュール118は、グループ化モジュール114によって形成されたグループ内の所定のユーザが広告を受信した時点で、そのグループ内の1組のユーザに広告を提供する。1組のユーザに含まれるユーザの数は、最小数または広告を受信するグループメンバーの数値範囲として、ターゲティング基準において定義されてもよい。あるいは、1組のユーザに含まれるユーザの数は、グループ化モジュール114など、ソーシャルネットワーキングシステム100によって決定されてもよい。
【0032】
ソーシャルネットワーキングシステムに関連付けられたウェブページに1組のユーザのうち1または複数がアクセスしたことを示す標識を広告ターゲティングモジュール118が受信するとき、広告ターゲティングモジュール118は、グループの1組のユーザに広告を提供してもよい。広告とともに、広告ターゲティングモジュール118は、特定の1組のユーザに広告が送信されたことを示す標識を、この1組のユーザに提供してもよい。たとえば、この標識は、1組のユーザのうちその他のユーザを、ユーザの識別情報を示すユーザの名前、スクリーンネーム、または他の特性によって識別してもよい。実施形態によっては、広告は、広告内に「いいね」、「共有」、または「コメント」を行うためのインターフェースを含んでもよい。次いで、これらのアクションは、グループ内のその他のユーザに通知されてもよい。このインターフェースを設けることにより、ソーシャルネットワーキングシステム100は、広告へのアクションについてグループと会話を開始することができ、これにより、広告における視聴者/グループのコミュニケーションをより効果的にすることができる。
【0033】
代替として、または追加的に、広告ターゲティングモジュール118は、5〜20ミリ秒の範囲内、またはネットワーク204を通じてユーザデバイス202にコンテンツを提示するのに適した他の最小送達ウィンドウ内で1組のグループメンバーに広告を提供するなど、ほぼ同時にグループの各メンバーに広告を提示するのに適した方式で、ターゲティング基準106において指定されたグループの各メンバーに広告を提供してもよい。他の実施形態では、広告ターゲティングモジュール118は、グループの各メンバーに同時に広告を提供してもよい。他の実施形態では、広告ターゲティングモジュール118は、電子メールまたはテキストメッセージングなどのプッシュ技術を使用して、ターゲティング基準106において指定されたグループの各メンバーに広告を提供してもよい。
【0034】
広告収入モジュール218は、広告を提供することに関連した、広告主から受け取った支払いを管理してもよい。一実施形態では、ソーシャルネットワーキングシステム100は、特定の広告が提供された特定グループのユーザの数に部分的に基づいて、広告主に請求してもよい。たとえば、2011年の大晦日のラスベガスでの取引についての広告の対象を定めるに際し、広告主は、ターゲティング基準106において、最少6人のユーザを有し、各グループメンバーが少なくとも3人の他のグループメンバーと友達であり、過去3年以内に、大晦日にラスベガスの特定のホテルにチェックインしたことがあるグループを指定してもよい。この例では、広告収入モジュール218は、ソーシャルネットワーキングシステム100を使用して広告にアクセスした提供ユーザの数に部分的に基づいて、
広告を提供する際の価格付けを決定してもよい。たとえば、広告収入モジュール218は、広告にアクセスしたグループ内の提供ユーザの最小数に基づいて第1の価格付けレベルを設定し、提供ユーザの数がターゲティング基準106で指定された最小数を超えるとき、第2の価格付けレベルを設定してもよい。第2の価格付けレベルについて、広告収入モジュール218は、提供ユーザの数が広告にアクセスした提供ユーザの最小数を超えるのに基づいて徐々に上げるよう第2の価格付けレベルを調整してもよい。結果として、広告主は、特定のグループを対象とした広告が、実際に最小数のグループメンバーによってほぼ同時にアクセスされるときに基づいて請求されることから恩恵を受ける。
【0035】
ソーシャルネットワーキングシステムを使用したグループ形成
図3には、一実施形態による、例示的なグループ化モジュール114を示すハイレベルブロック図を示す。グループ化モジュール114は、データ収集モジュール300、対話履歴解析モジュール302、対話推測モジュール304、およびグループ形成モジュール306を備える。各モジュールは、互いに連動してまたは独立して動作して、ターゲティング基準106を満たすソーシャルネットワーキングユーザのグループを形成してもよい。
【0036】
データ収集モジュール300は、広告オブジェクト104に含まれるターゲティング基準106で指定されたグループ特性に関して、ユーザについての情報を取り出し、この情報には、ユーザプロファイルオブジェクト108、エッジオブジェクト110、およびコンテンツオブジェクト112からの情報が含まれる。データ収集モジュール300は、ユーザプロファイルオブジェクト108を取り出してもよい。前述の通り、ユーザプロファイルオブジェクト108はまた、アクションログに記憶され、ターゲティング基準106に記述されている広告に関連するコンテンツストア212内のオブジェクト上で実行されるアクションへの参照を含む。ターゲティング基準106に記述された広告に関連するユーザプロファイルオブジェクト108は、その広告に関連する1または複数のキーワードを含むコンテンツ投稿を含んでもよい。このようなコンテンツ投稿は、たとえば、状況更新、コメント、または写真のアップロードを含んでもよい。ターゲティング基準106に記述された広告に関連するユーザプロファイルオブジェクト108はまた、ターゲティング基準106に記述された広告に関連する、つながっているユーザの時間要素、地理的な場所要素、および概念的要素を有するオブジェクトを含んでもよい。
【0037】
対話履歴解析モジュール302は、データ収集モジュール300が提供する取り出されたユーザプロファイルオブジェクト106に関連付けられた、つながっているユーザ間の過去における共通の対話を解析する。一実施形態では、つながっているユーザ間での共通の対話の履歴は、対話推測モジュール304とともに対話履歴解析モジュール302によって解析されて、つながっている特定のユーザが、後日、広告に関連する特定の共通対話を実行するか否かの蓋然性を決定してもよい。
【0038】
グループ形成モジュール306は、アクションロガー210によって観察された、ターゲティング基準106を満たす1または複数の対話に関った、1組または複数組のつながっているユーザを含むグループを形成する。データ収集モジュール300から収集されたデータは、グループ形成モジュール306に提供されて、つながりのタイプ、およびグループ内に含まれる1組のユーザ間で共有された共通の対話のタイプに関連する広告をグループとして受信する対象とされたソーシャルネットワーキングユーザの1または複数のグループを形成してもよい。
【0039】
つながりのタイプに基づいてグループを形成するために、グループ化モジュール306は、つながっているユーザの間の親密度を解析してもよい。エッジオブジェクト110からの親密度情報を使用して、グループ化モジュール306は、それぞれのつながりの強さ
に部分的に基づいて、つながっているユーザをグループ化してもよい。そうすることにより、グループ化モジュール306は、相互に様々な強さのつながりを有するユーザを含むグループを形成してもよい。他の実施形態では、つながっているユーザをグループ化するのに、グループ化モジュール306が親密度情報を使用しなくてもよい。たとえば、場合によっては、あるソーシャルネットワーキングユーザは、そのネットワーキングユーザが「友達」としてつながっている他のソーシャルネットワーキングユーザとの親密度が非常に低い場合がある。しかし、これらのソーシャルネットワーキングユーザは、過去においてコンサートに一緒に参加したことがあり、共通の興味の対象があることを示している。この共通の興味の対象を、コンサートで演奏したバンドからの新しいコンパクトディスク(CD)向けの広告の対象とする要求に基づいて、グループ化モジュール306が、これらのユーザを一緒にグループ化するための基礎を提供してもよい。そうすることにより、音楽の好みに基づいてつながっている親密度が非常に低いソーシャルネットワーキングの友達は、やはり、グループとしてCDの広告を受信することになり、その結果、友達同士がそのCDについて会話することもできる。他の実施形態では、グループ化モジュール306は、つながっているユーザが共通の画像にタグ付けされているか否かに部分的に基づいてグループを形成してもよい。代替として、または追加的に、グループ化モジュール306は、つながっているユーザが実行する共通の対話の複数の個別タイプに基づいてグループを形成してもよい。たとえば、グループ化モジュール306は、11月から12月にかけてクルーズ船に乗ってカリブ海に旅行することに関心がある、6歳以下の子どもがいる4人家族を対象とする広告を記述するターゲティング基準106を含むオブジェクト104を受信してもよい。この広告オブジェクト104を受信することに応答して、グループ化モジュール306は、米国南東部に住み、少なくとも2人の4歳〜6歳の子どもがおり、カリブ海クルージング旅行に関連するウェブサイトにアクセスしたことがあり、以前クルーズ船で旅行したことがあり、クルーズ船で旅行する考えがあることを投稿で示したことがあり、11月または12月の休暇中に撮影された画像にタグ付けされたことがある、既婚ユーザを含むグループを形成してもよい。他の実施形態では、グループ化モジュール306はまた、所定の一定期間に亘る複数の共通の対話のうち1または複数の対話が出現する頻度に部分的に基づいて、グループを形成してもよい。グループを形成するためにグループ化モジュール306が考慮する他の要因および/または情報は、それだけには限られないが、つながっているユーザの特定の数もしくは数値範囲、またはソーシャルネットワーキングシステムでのアクティビティを示す標識を含む。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステムでのアクティビティを示す標識は、24時間、1週間、および1か月の間にどれくらい頻繁にユーザがソーシャルネットワーキングシステムを使用するか、ならびに、それぞれの使用中、どれくらい長くユーザがソーシャルネットワーキングシステムを使用するかに関連するアクティビティ閾値によって表されてもよい。
【0040】
図4には、一実施形態による、ソーシャルネットワーキングシステムのユーザに広告を提供するための例示的なプロセス400のフローチャートを示す。ソーシャルネットワーキングシステム100は、広告を受信し(410)、この広告が対象とすべきソーシャルネットワーキングユーザのグループを記述するターゲティング基準106を受信する(420)。前述の通り、ターゲティング基準106に含まれるグループの定義は、任意の共通のつながりのタイプ、および/またはグループ内のユーザ間の共通の対話を指定する。実施形態によっては、共通の対話には、広告に関連する場所に、一緒に、個別に、または別のユーザがその場所にチェックインしてから所定の期間内にチェックインすることが含まれ得る。
【0041】
ソーシャルネットワーキングシステム100のユーザ間の対話は観察される(430)。たとえば、対話には、とりわけ、その他のユーザにメッセージを送信すること、その他のユーザを含む画像にタグ付けまたはコメントすること、その他のユーザからのメッセージを読むこと、その他のユーザとリンクを共有すること、その他のユーザに関連付けられ
たコンテンツを閲覧すること、その他のユーザによる投稿に含まれるイベントに、つながっている別のユーザを招待することなど、ソーシャルネットワーキングシステム100の内部または外部のアクションが含まれ得る。他の実施形態では、共通の対話には、つながっている別のユーザが推薦する広告を閲覧すること、およびつながっている別のユーザと広告を共有することなど、広告との対話も含まれ得る。
【0042】
ソーシャルネットワーキングシステム100のつながっているユーザ間の対話が観察された後、ソーシャルネットワーキングシステム100は、ターゲティング基準106を満たす観察された対話に関った、ソーシャルネットワーキングシステムの1組のユーザを含むグループを形成する(440)。つながりのタイプに基づいてグループを形成するため、ソーシャルネットワーキングシステム100は、ユーザ間のつながりのタイプ、およびつながっているユーザ間で共有された対話を解析する。ターゲティング基準を満たす共通の対話を有するつながっているユーザは、1または複数のグループに含まれる。つながっているユーザ間の共通の対話は、つながっているユーザが、広告の主題に関連するようにグループとして人と交わることを示す標識として、ソーシャルネットワーキングシステムによって使用されてもよい。また、広告は、音楽コンサートに一緒に参加する友達、休暇の目的地まで一緒に旅行する家族、またはスポーツイベントに参加するビジネスの専門家など、人々のグループを対象とするので、広告の有効性は、広告を受信するグループの特定の特性に影響される可能性がある。他の実施形態では、ソーシャルネットワーキングシステム100は、このソーシャルネットワーキングシステム100との特定のユーザのアクティビティレベルを示す標識に基づいてグループを形成してもよい。たとえば、1週間に1回未満の頻度でソーシャルネットワーキングシステム100にアクセスするユーザは、アクティビティレベルがアクティビティ閾値未満であるとしてソーシャルネットワーキングシステム100に認識されることがある。ソーシャルネットワーキングシステム100にたまにしかアクセスしないユーザは、ソーシャルネットワーキングシステム100を使用して提供される広告にアクセスする可能性が低くなることがある。しかも、以前に論じた通り、グループに含まれるユーザ間で共通の対話が共有されているために、そのグループを対象とする広告は、特に、グループ全体がその広告にアクセスしたことを広告が各ユーザに伝えるときに効果的になる可能性がより高い。また、したがって、ソーシャルネットワーキングシステム100は、アクティビティ閾値未満のアクティビティレベルを有するソーシャルネットワーキングシステム100のユーザをグループ内に含むことから除外して、提供された広告がグループに含まれる全てのユーザにアクセスされる蓋然性を改善してもよい。
【0043】
1または複数のグループを形成した後、ソーシャルネットワーキングシステム100は、広告オブジェクト104に含まれる広告をグループのメンバーに提供する(450)。広告の有効性を改善するため、ソーシャルネットワーキングシステム100は、グループに含まれるユーザの最小セットに広告を提供し、同時に、その広告がユーザの最小セットに提示されたことを通知する。たとえば、実施形態によっては、ソーシャルネットワーキングシステム100は、グループ内の別のユーザに広告が提供された時点、または、1組のユーザのうち1または複数がソーシャルネットワーキングシステム100に関連付けられたウェブページにアクセスしたことを示す標識をソーシャルネットワーキングシステム100が受信した時点で、1組のユーザに広告を提供する。他の実施形態では、ソーシャルネットワーキングシステム100は、ほぼ同じ時点で、同時に、またはグループに含まれる最大数のユーザに広告を確実に提示するのに適した他の任意の方式で、グループの各メンバーに広告を提供してもよい。
【0044】
他の実施形態では、提供された広告は、この提供された広告にアクセスしたソーシャルネットワーキングユーザのグループによって行われる取引の申し出を含んでもよい。そのような取引は、グループに含まれる最小数のユーザが、広告主および/またはソーシャル
ネットワーキングシステム100によって指定された期間内に取引を行うときに有効にされてもよい。有効にされると、ソーシャルネットワーキングシステム100のユーザは、その取引に関連付けられた商品またはサービスを購入することができる。
【0045】
他の実施形態では、ソーシャルネットワーキングシステム100は、グループ内のユーザの役割にカスタマイズされた情報とともに、グループに含まれるユーザに広告を提供してもよい。たとえば、新学期用の衣類についての広告は、父親、母親、および年齢範囲が8歳〜13歳の娘を含み、特定の小売業者が提供する新学期用の衣類へのリンクを共有した家族を対象としてもよい。ソーシャルネットワーキングシステム100上での父親と、母親と、娘との間の対話に関する、ソーシャルネットワーキングシステム100が取り込んだ履歴情報は、グループに含まれるユーザの役割を次のように示されてもよい。すなわち、母親が経済的な意志決定者であり、父親が購入者であり、娘がインフルエンサである。したがって、ソーシャルネットワーキングシステムは、グループに含まれるユーザの定義した役割に対してカスタマイズされた情報とともに、グループに対して広告を提供してもよい。たとえば、父親の広告に含まれるカスタマイズされた情報は、購入の容易さを強調し、母親の広告に含まれるカスタマイズされた情報は、価値に焦点を当て、娘の広告に含まれるカスタマイズされた情報は、彼女の人口統計調査に対する最新ファッショントレンドを反映した利益率のより高い商品を推薦する。
【0046】
要約
各実施形態の前述の説明は、例示するために提示されたものであり、全てを網羅するものではなく、または開示された厳密な形態に本開示を限定するものでもない。上記開示に照らして、多くの修正形態および変形形態が可能になることが、当業者には理解されるであろう。
【0047】
この説明のある部分では、情報操作のアルゴリズムおよび象徴的表現について、各実施形態が説明してある。これらアルゴリズムの説明および表現は、データ処理技術の当業者によって普通に使用されており、その仕事の本質を他の当業者に効果的に伝える。これらの操作は、機能的、計算的、または論理的に説明されており、コンピュータプログラムまたは同等な電気回路、マイクロコードなどによって実装されるものと理解される。さらに、一般性を失うことなく、モジュールとしての操作のこれら構成に言及することも、時として好都合であることが分かってきている。記述された操作、およびそれに関連するモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組合せにより実施されてもよい。
【0048】
本明細書に記載のステップ、操作、またはプロセスのいずれも、1もしくは複数のハードウェアまたはソフトウェアモジュール単独で、または他の装置との組合せにより、実行または実装されてもよい。一実施形態では、ソフトウェアモジュールは、コンピュータプログラムコードを含むコンピュータ読取り可能な媒体を備えるコンピュータプログラム製品で実装され、このコンピュータプログラムコードは、説明したステップ、操作、もしくはプロセスのうちのいずれかまたはその全てを実行するためのコンピュータプロセッサによって実行される。
【0049】
各実施形態はまた、本明細書における操作を実行するための装置に関する。この装置は、要求された目的のために特別に構成してもよく、かつ/または、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に作動され、もしくは再構成された汎用のコンピューティングデバイスを備えてもよい。このようなコンピュータプログラムは、持続的な有形のコンピュータ読取り可能な記憶媒体、または電子的な命令を記憶するのに適しており、コンピュータのシステムバスに結合されてもよい任意のタイプの媒体に記憶してもよい。さらに、本明細書で言及する任意のコンピューティングシステムは、単一のプロ
セッサを備えてもよく、またはコンピューティング能力を増大させるために複数プロセッサの設計を採用するアーキテクチャでもよい。
【0050】
各実施形態はまた、本明細書に記載のコンピューティングプロセスによって製造される製品に関する。このような製品は、コンピューティングプロセスから得られる情報を含んでもよく、ここで、この情報は、持続的な有形のコンピュータ読取り可能な記憶媒体に記憶され、任意の実施形態のコンピュータプログラム製品、または本明細書に記載の他のデータの組合せを含んでもよい。
【0051】
最後に、本明細書中に使用されている用語は、主として、読みやすく、また指示するために選択されたものであって、発明性のある主題を詳述し、またはそれを限定するために選択されたものでなくてもよい。したがって、各実施形態の範囲は、この詳細な説明によって限定されるものではなく、本発明に基づいて明細書に記載される任意の請求項によって限定されるものである。したがって、各実施形態の開示は、例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものではなく、以下の特許請求の範囲に記載される。
図1
図2
図3
図4