(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6268165
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】デバイスツーデバイス通信を設定するためのスケジューリング装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/08 20090101AFI20180115BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20180115BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20180115BHJP
【FI】
H04W72/08
H04W92/18
H04W24/10
【請求項の数】19
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-511997(P2015-511997)
(86)(22)【出願日】2013年5月8日
(65)【公表番号】特表2015-524190(P2015-524190A)
(43)【公表日】2015年8月20日
(86)【国際出願番号】EP2013059596
(87)【国際公開番号】WO2013171114
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2016年4月8日
(31)【優先権主張番号】12168032.6
(32)【優先日】2012年5月15日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/647,115
(32)【優先日】2012年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】リンドフ, ベングト
(72)【発明者】
【氏名】ハゲルマン, ボ
【審査官】
篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/116017(WO,A1)
【文献】
LG Electronics,Interference Coordination Issues for LTE_TDD_eIMTA[online],3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #69 R1-122319,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_69/Docs/R1-122319.zip>,2012年 5月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラ無線通信システム(110)における干渉を軽減するためのスケジューリング装置(109)であって、
前記通信システム(110)の第1の端末(101)と第2の端末(102)との間で直接無線通信を設定すべきという指示を取得すること(1)と、
測定結果が前記第2の端末(102)から前記第1の端末(101)へのシグナリングの干渉のリスクを示している、前記通信システム(110)の少なくとも1つの指標を測定すること(2)と、
前記測定結果(2)に基づいて、前記第1の端末(101)から前記第2の端末(102)への直接通信の送信のための、シグナリングのための周波数リソースおよび/または時間リソースの第1の量を定義している、周波数リソースおよび/または時間リソースの第1のセットを割り当てること(3)と、
前記測定結果(2)に基づいて、前記第2の端末(102)から前記第1の端末(101)への直接通信の送信のための、シグナリングのための周波数リソースおよび/または時間リソースの第2の量を定義している、周波数リソースおよび/または時間リソースの第2のセットを割り当てること(4)と
のために構成されたプロセッサ(201)を有し、
前記第2の量が、前記第1の量より小さく、
前記周波数リソースおよび/または時間リソースの第1のセットおよび第2のセットは、ネットワークノード(106,107)と前記第1の端末(101)および前記第2の端末(102)との間の周波数リソースおよび/または時間リソース上に割り当てられることを特徴とするスケジューリング装置。
【請求項2】
前記第2の量が0であることを特徴とする請求項1に記載のスケジューリング装置。
【請求項3】
周波数リソースおよび/または時間のリソースの前記第2のセットは、前記第2の端末(102)から前記第1の端末(101)への直接通信の送信を、前記第1の端末(101)から受信した直接通信の送信に応じたフィードバック情報に制限することを特徴とする請求項1に記載のスケジューリング装置。
【請求項4】
前記プロセッサ(201)が、
ネットワークノード(106、107)経由で前記第1と第2の端末(101、102)の間の送信の超過分を送るために、周波数および/または時間リソースを割り当てる(10)ために構成され、
前記送信の超過分は、直接通信に割り当てられた(3、4)前記周波数および/または時間リソースに起因して前記第1と第2の端末(101、102)の間で直接送ることができないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスケジューリング装置。
【請求項5】
前記測定すること(2)は、前記通信システム(110)の第3の端末(103)とネットワークノード(106;107)との間の通信の干渉と関連した指標を測定することを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスケジューリング装置。
【請求項6】
前記測定すること(2)は、前記通信システム(110)の第3の端末(103)と第4の端末(104)との間の直接通信の干渉と関連した指標を測定することを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスケジューリング装置。
【請求項7】
前記測定すること(2)は、前記第1の端末(101)と前記第2の端末(102)のうちの少なくとも1つの位置と関連した指標を測定することを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスケジューリング装置。
【請求項8】
前記測定すること(2)は、前記第1の端末(101)と前記第2の端末(102)との間に送信されるデータ量と関連した指標を測定することを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のスケジューリング装置。
【請求項9】
前記スケジューリング装置(109)の前記プロセッサ(201)が、割り当てられた(3、4)前記周波数リソースおよび/または時間リソースについての情報を含むメッセージを前記第1の端末(101)と前記第2の端末(102)の少なくとも1つに無線で送信すること(5)のために構成された送信機(203)に関連づけられ、
前記プロセッサ(201)が、前記送信機(203)のために前記メッセージを準備し、供給するために構成される
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のスケジューリング装置。
【請求項10】
前記プロセッサ(201)が
少なくとも1つの指標を再測定すること(6)と、
前記再測定(6)に基づいて、前記第1および/または第2の端末(101、102)に割り当てられた(3、4)前記周波数リソースおよび/または時間リソースが変更されるべきであるかどうかを判定すること(7)と、
前記リソースが変更されるべきであると判定したなら(7)、前記第1と第2の端末(101、102)の間の直接通信のための前記周波数および/または時間リソースの割当てを変更すること(8)と、
前記第1の端末(101)と前記第2の端末(102)の少なくとも1つへの無線送信(9)のために、前記送信機(203)のための、変更された(8)前記周波数リソースおよび/または時間リソースの割り当てについての情報を含むメッセージを準備し、供給することと
のために構成されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のスケジューリング装置。
【請求項11】
前記通信システム(110)のネットワークノードであって、該ネットワークノードに統合された請求項1乃至10のいずれか一項に記載のスケジューリング装置(109)を含むことを特徴とするネットワークノード。
【請求項12】
前記ネットワークノードは、前記第1と第2の端末(101、102)の両方が接続されている、前記通信システムの第1の無線基地局(RBS)(106)であることを特徴とする請求項11に記載のネットワークノード。
【請求項13】
セルラ無線通信システム(110)における干渉を軽減するためのスケジューリング装置(109)における方法であって、
前記通信システム(110)の第1の端末(101)と第2の端末(102)との間で直接無線通信を設定すべきという指示を取得すること(1)と、
測定結果が前記第2の端末(102)から前記第1の端末(101)へのシグナリングの干渉のリスクを示している、前記通信システム(110)の少なくとも1つの指標を測定すること(2)と、
前記測定結果(2)に基づいて、前記第1の端末(101)から前記第2の端末(102)への直接通信の送信のための、シグナリングのための周波数リソースおよび/または時間リソースの第1の量を定義している、周波数リソースおよび時間リソースの一方または両方の第1のセットを割り当てること(3)と、
前記測定結果(2)に基づいて、前記第2の端末(102)から前記第1の端末(101)への直接通信の送信のための、シグナリングのための周波数リソースおよび/または時間リソースの第2の量を定義している、周波数リソースおよび/または時間リソースの第2のセットを割り当てること(4)と、
を有し、
前記第2の量が、前記第1の量より小さく、
前記周波数リソースおよび/または時間リソースの第1のセットおよび第2のセットは、ネットワークノード(106,107)と前記第1の端末(101)および前記第2の端末(102)との間の周波数リソースおよび/または時間リソース上に割り当てられることを特徴とする方法。
【請求項14】
割り当てられた(3、4)前記周波数および/または時間リソースについての情報を含むメッセージを前記第1の端末(101)と前記第2の端末(102)の少なくとも1つに送信すること(5)を有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの指標を再測定すること(6)と、
前記再測定(6)に基づいて、前記第1および/または第2の端末(101、102)に割り当てられた(3、4)前記周波数リソースおよび/または時間リソースが変更されるべきであるかどうかを判定すること(7)と、
前記リソースが変更されるべきであると判定したなら(7)、前記第1と第2の端末(101、102)の間の直接通信のための前記周波数リソースおよび/または時間リソースの割当てを変更すること(8)と、
前記第1の端末(101)と前記第2の端末(102)の少なくとも1つに、変更された(8)前記周波数リソースおよび/または時間リソースの割り当てについての情報を含むメッセージを送信すること(9)と
を有することを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
ネットワークノード(106、107)経由の前記第2の端末(102)から前記第1の端末(101)への通信の送信のための周波数および/または時間リソースの第3のセットを割り当てること(10)を有することを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
コンピュータ実行可能コンポーネント(91)がスケジューリング装置と関連づけられたプロセッサ(201)により実行される際に、請求項13乃至16のいずれか一項に記載の方法を前記スケジューリング装置(109)に実行させるためのコンピュータ実行可能コンポーネントを含むことを特徴とするコンピュータプログラム(90)。
【請求項18】
セルラ無線通信システム(110)における干渉を軽減するためのスケジューリング装置(109)のためのコンピュータプログラム(91)であって、前記コンピュータプログラムは、前記スケジューリング装置のプロセッサ(201)で実行される際に、前記スケジューリング装置に、
前記通信システム(110)の第1の端末(101)と第2の端末(102)との間で直接無線通信を設定すべきという指示を取得(1)させ、
測定結果が前記第2の端末(102)から前記第1の端末(101)へのシグナリングの干渉のリスクを示している、前記通信システム(110)の少なくとも1つの指標を測定(2)させ、
前記測定結果(2)に基づいて、前記第1の端末(101)から前記第2の端末(102)への直接通信の送信のための、シグナリングのための周波数リソースおよび/または時間リソースの第1の量を定義している、周波数リソースおよび/または時間リソースの第1のセットを割り当て(3)させ、
前記測定結果(2)に基づいて、前記第2の端末(102)から前記第1の端末(101)への直接通信の送信のために、シグナリングのための周波数リソースおよび/または時間リソースの第2の量を定義している、周波数リソースおよび/または時間リソースの第2のセットを割り当て(4)させるためのコンピュータプログラムであって、
前記第2の量が、前記第1の量より小さく、
前記周波数リソースおよび/または時間リソースの第1のセットおよび第2のセットは、ネットワークノード(106,107)と前記第1の端末(101)および前記第2の端末(102)との間の周波数リソースおよび/または時間リソース上に割り当てられることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のコンピュータプログラム(91)と、前記コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能手段(92)とを含むことを特徴とするコンピュータプログラム記録媒体(90)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、セルラ無線通信システムのためにスケジューリング装置に関連している。
【背景技術】
【0002】
デバイスツーデバイス(D2D)通信はデバイスの間の直接通信に関連する。アクセスノードを持つ無線アクセスネットワークが存在し、デバイスはこの無線放送網の中で動作するけれども、いくつかのシナリオでは、通信デバイス自身が無線アクセスネットワークを構成していることがある。
D2D通信についての可能性を導入するためのいくつかの基本の(潜在的な)動機づけがある。
【0003】
通信サービスは、全体にわたって、従来のデバイスツーアクセスポイント通信によって提供できるけれども、それは直接的なD2D通信によってよりよい方法で提供できることがある。たとえば、2つのデバイスの間の通信がネットワークノード(アクセスノード)経由でなくデバイスの間で直接行われるならば、その通信が、より短い待ち時間でより高いレートで達成されるか、あるいはより少ないネットワークリソース(アクセスノードのより少ない能力)を使っていることができるかもしれない。後者はネットワークの解放と考えることができる。
【0004】
直接的なD2D通信の2番目の理由は、直接的なD2D通信が適用されない限り、(与えられた要求の範囲内で)提供されるサービスがサポートできないかどうかである。
【0005】
直接的なD2D通信をサポートすることの3番目の理由は、何らかの理由でネットワークインフラストラクチャーが使用可能でなくても、通信の可用性を保証することである。この理由は、直接的なD2D通信をサポートするために、例えば、国家安全保障および公安(NSPS)サービスに関連してしばしば言及されるけれども、また交通安全への応用のためでもある。より一般に、D2D通信は、頑強性と信頼性の増大のためにこのシナリオの中で使われると言うことができる。
【0006】
また、情報は、局所的に有効であるだけであるか、関心が持たれるだけであり、その場合、D2D通信に頼ることが理にかなう可能性がある。
【0007】
ネットワーク補助は、D2Dサービスの設定において役立つことができる(すなわちサービスとピア発見にいて、そしてまたD2Dリンクのセキュリティの確立を補助する)。さらに、干渉の環境はネットワークに関するコントロール下にあり、そのことは、(通信が事業者のコントロール下にあることにより)無免許の帯域においてよりも、より高い信頼度があるライセンスされた事業者の帯域の使用を可能にする)。ネットワークは同期を提供することもでき、無線リソース管理(RRM)を補助することができる。ネットワークに補助されたD2D適用はネットワークの解放であり、そこで、ユーザ・プレーンデータは、ネットワークノード上の負荷を減らすために、基地局を経て送られずに、近隣の端末間で直接交換される。
【0008】
2つのデバイス例えばD1とD2との間のD2D通信を設定する以前には、ネットワークノードは、D2D通信が可能であるようにD1とD2とが互いに近接しているかどうかを知らない。通常のアプローチでは、ビーコン信号をD1に割り当てて、それからビーコンをリッスンし、ビーコン信号の検出を報告することをD2に要求する。デバイスが互いに遠すぎることが判明するならば、ビーコン信号の間の他のユニットネットワーク通信またはD2D通信との干渉のリスクがあり、ビーコン信号に例えば(他の通信が干渉されないように)直交するリソースを割り当てることは能力の浪費の可能性がある。
【0009】
米国特許公報2010/0279627は、コントローラからのコマンドに応じてD2Dモードとセルラモードとの間で切り替える装置と方法を開示する。制御コマンドを受信すると、両方のユーザ装置(UE)は、互いとの直接通信のためにD2Dモードの通信のための設定を行い、セルラモードからD2Dモードに切り換える。
米国特許公報2010/093364は、干渉またはパス損失測定結果に基づいたUEペア間のデバイスツーデバイス通信をスケジューリングする基地局に関する。基地局は、セルラ通信に従事しているUEからの、及びUEへの低い干渉を伴うリソース上のD2Dグループをスケジューリングすることもできる。
【0010】
米国2012/076086は、無線ポイントツーポイントリンクにおいて、無線ポイントツーポイントリンク中で用いるための帯域幅を持つチャネルを獲得することを含む無線通信容量を割り当て、無線ポイントツーポイントリンクの第1のポイントから第2のポイントへの送信のために用いる前記帯域幅の第1の部分を割り当て、無線ポイントツーポイントリンクの前記第2のポイントから前記第1のポイントへの送信のために用いる前記帯域幅の第2の部分を割り当てる方法を提供する。この中で、帯域幅は第1の部分と第2の部分との間で非対称に割り当てられる。一の方向に他の方向より多くの容量を提供するために、使用可能な帯域がとられ、それをより小さなセグメントまたは副帯域(たとえばそれぞれ7MHzまたは3.5MHzの副帯域)に分割し、異なる副帯域がリンク上で非対称に割り当てられる。従って、この文書は非対称に必要とされる容量に基づいた周波数リソースの非対称なスケジューリングと関連している。
【0011】
米国特許公報2012/087253は、セルラ無線広域ネットワーク(WWAN)スケジューリングに加えてピアツーピアスケジューリングを開示する。ここで、無線デバイスは、基地局とも通信する間に、ピアツーピア経由で別の無線デバイスと通信することができる。
【発明の概要】
【0012】
セルラ通信システムの中でD2D通信を設定することと関連した従来技術の問題を緩和することがこの開示の目的である。
【0013】
ここで開示する一側面によると、セルラ無線通信システムにおいて干渉を軽減するためのスケジューリング装置が提供される。このスケジューリング装置はプロセッサを含む。プロセッサは、通信システムの第1の無線通信端末と第2の無線通信端末との間で直接無線通信を設定すべきとの指示を取得するために構成される。プロセッサはまた、通信システムの少なくとも1つの指標を測定するために構成され、この測定結果は前記第2の端末から第1の端末へのシグナリングの干渉のリスクを示している。このプロセッサはまた、少なくとも1つの指標の前記測定に基づいて、前記第1の端末から第2の端末への直接通信(D2D)の送信のために、周波数リソースおよび時間リソースの一方または両方(f/tリソース)の第1のセットを割り当てるために構成される。f/tリソースの第1のセットはシグナリングの第1の量を定義する。このプロセッサはまた、少なくとも1つの指標の前記測定に基づいて、前記第2の端末から第1の端末への直接通信(D2D)の送信のための周波数および/または時間リソースの第2のセットを割り当てるために構成される。f/tリソースの第2のセットはシグナリングの第2の量を定義する。シグナリングの第2の量は、シグナリングの第1の量より小さい。
【0014】
ここで開示する別の側面によると、通信システムのネットワークノードが提供される。前記ネットワークノードは、ここで開示するスケジューリング装置の実施形態を含み、そこにおいてこのスケジューリング装置はネットワークノードの中に統合されている。
【0015】
ここで開示する別の側面によると、セルラ無線通信システムにおいて干渉を軽減するためのスケジューリング装置における方法が提供される。この方法は、通信システムの第1の無線通信端末と第2の無線通信端末との間で直接無線通信を設定すべきとの指示を取得することを含む。この方法はまた、通信システムの少なくとも1つの指標を測定することを含み、前記測定結果は、前記第2の端末から第1の端末へのシグナリングの干渉のリスクを示している。この方法はまた、少なくとも1つの指標の前記測定に基づいて、前記第1の端末から第2の端末への直接通信の送信のために、周波数リソースおよび時間リソースの一方または両方の第1のセットを割り当てることを含む。このf/tリソースの第1のセットはシグナリングの第1の量を定義する。この方法はまた、少なくとも1つの指標の前記測定結果に基づいて、前記第2の端末から第1の端末への直接通信の送信のために周波数および/または時間リソースの第2のセットを割り当てることを含む。このf/tリソースの第2のセットはシグナリングの第2の量を定義する。シグナリングの第2の量は、シグナリングの第1の量より小さい。
【0016】
ここで開示する方法の実施形態は、例えばここで開示するスケジューリング装置の実施形態によって実行されてもよい。
【0017】
ここで開示する別の側面によると、スケジューリング装置と関連したプロセッサでコンピュータ実行可能コンポーネントが実行される時に、前記スケジューリング装置に、この開示の方法の実施形態を実行させるための前記コンピュータ実行可能コンポーネントを含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0018】
ここで開示する別の側面によると、セルラ無線通信システムにおいて干渉を軽減するためのスケジューリング装置用のコンピュータプログラムが提供される。このコンピュータプログラムは、スケジューリング装置のプロセッサ上で実行される時に、通信システムの第1の無線通信端末と第2の無線通信端末との間で直接無線通信を設定すべきとの指示を取得させることができるコンピュータプログラムコードを含む。このコードはまた、その装置に、通信システムの少なくとも1つの指標を測定させることができ、その測定結果は前記第2の端末から第1の端末へのシグナリングの干渉のリスクを示している。そのコードはまた、少なくとも1つの指標の前記測定結果に基づいて、前記第1の端末から第2の端末への直接通信の送信のために周波数および/または時間リソースの第1のセットを前記装置に割り当てさせることができる。f/tリソースの第1のセットはシグナリングの第1の量を定義する。そのコードはまた、少なくとも1つの指標の前記測定結果に基づいて、第2の端末から第1の端末への直接通信の送信のために周波数および/または時間リソースの第2のセットを前記装置に割り当てさせることができる。f/tリソースの第2のセットはシグナリングの第2の量を定義する。シグナリングの第2の量は、シグナリングの第1の量より小さい。
【0019】
ここで開示する別の側面によると、ここで開示するコンピュータプログラムの実施形態を含むコンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品はまた、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読取り可能手段を含む。
【0020】
ここで開示する別の側面によれば、無線通信端末を提供される。この端末は送信機、受信機およびプロセッサを含む。プロセッサは、他の無線通信端末との直接通信(D2D)に割り当てられた周波数及び/又は時間リソースに関する情報を受信機から取得するために設定される。プロセッサはまた、直接他の無線通信端末に送信機によって送られる送信を準備するために周波数および/または時間のリソースを使うために設定される。プロセッサはまた、ネットワークノード経由で他の無線通信端末に送信機によって送られる送信の超過分を準備するために設定される。前記送信の超過分は、直接通信に割り当てられた周波数リソースおよび時間リソースの一方または両方により直接(D2D)的に他の無線通信端末に送信することができない。従って、ここで開示するこの側面によれば、(第1の)無線通信端末は、直接通信(すなわちD2D通信)に割り当てられたf/tリソースが、他(第2)の無線通信端末に送られることが要求された送信すべてについて十分でないならば、D2D通信とネットワークノード経由の通信の両方を使って、他(第2)の無線通信端末に送信することができる。
【0021】
ここで開示する別の側面によると、無線通信端末の方法が提供される。この方法は、別の無線通信端末との直接通信(D2D)に割り当てられた周波数および/または時間リソースについての情報を、無線インターフェイス上で受信することを含む。この方法はまた、送信を直接他の無線通信端末に送るために周波数および/または時間のリソースを使用することを含む。この方法はまた、ネットワークノード経由で他の無線通信端末に送信の超過分を送ることを含む。送信の超過分は、直接通信に割り当てられた周波数および/または時間リソースにより直接(D2D)的に他の無線通信端末に送ることができない。
【0022】
無線通信システムのスケジューリング装置により、2つの無線通信端末の間のD2D通信に、周波数および/または時間のリソース(f/tリソース)の非対称な割当てを可能にするデバイスと方法が提供されることは、現在の開示の利点である。従って、D2D通信と通信システムの中の他の無線通信の間の干渉は、第1の端末から第2の端末までのD2D送信よりも少ないf/tリソースを第2の端末から第1の端末までのD2D送信に割り当てることによって、軽減することができる。ここで開示する実施形態によって、D2D送信は、2つの端末間で1つの方向(その方向は、非常に多くの干渉を起こすとは考えられない)に許され得る一方、干渉を起こすと考えられる反対方向の送信は、通信システムの中の干渉を抑圧する間のD2D通信の使用を最適化して、縮小するか、あるいは全く許さないことができる。
【0023】
一般に、ここに違った形で明示的に定義されない限り、特許請求の範囲の中で使われたすべての用語は、技術分野のそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなど」へのすべての参照は、違った形で明示的に述べられない限り、要素、装置、コンポーネント、方法、ステップなどの少なくとも1つの例を参照するとオープンに解釈される必要がある。ここに開示されたどのような方法のステップでも、明示的に述べられない限り開示された正確な順序で実行される必要がない。ここに開示される異なる機能/構成品のための「第1」「第2」などの使用は、機能/構成品を他の同様な機能/構成品と区別することのみを意図しており、機能/構成品にどのような順序や階層を与えないこと意図している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
実施形態は、例として、添付図面を参照して説明される。
【
図1】ここで開示する通信システムの実施形態の概略ボックス図である。
【
図2】ここで開示するスケジューリング装置の実施形態の概略ボックス図である。
【
図3】ここで開示する無線基地局(RBS)の実施形態の概略ボックス図である。
【
図4】ここで開示する無線通信端末の実施形態の概略ボックス図である。
【
図5】ここで開示するスケジューリング装置の方法の実施形態の概略フローチャートである。
【
図6】ここで開示するスケジューリング装置の方法の別の実施形態の概略フローチャートである。
【
図7】ここで開示するスケジューリング装置の方法の別の実施形態の概略フローチャートである。
【
図8】ここで開示する無線通信端末の方法の実施形態の概略フローチャートである。
【
図9】ここで開示するコンピュータプログラム製品の略図である。
【
図10a】ここで開示する実施形態の使用の例を示している概略ボックス図である。
【
図10b】
図10aの例のためにタイムスロットの割当てを図式的に説明する図である。
【
図11a】ここで開示する実施形態の使用の別の例を示している概略ボックス図である。
【
図11b】
図11aの例のためにタイムスロットの割当てを図式的に説明する図である。
【
図12a】ここで開示する実施形態の使用の別の例を示している概略ボックス図である。
【
図12b】
図12aの例のためにタイムスロットの割当てを図式的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施形態は今から、実施形態が示される添付図面を参照して以下でより十分に説明されるであろう。しかし、さまざまな形式における他の実施形態がここで開示する範囲の中で可能である。むしろ、この開示が詳細かつ完全であり、完全に開示の範囲を当業者に伝えるであろうように、以下の実施形態は例として提供される。明細書を通じて、同等の番号はに同等の要素を参照する。
【0026】
図1は、ここで開示する実施形態が有益に使われることができる無線通信システム110を図式的に説明する。システム110は、複数の無線基地局(RBS)(ここでは第1のRBS106と第2のRBS107)を含む無線アクセスネットワーク(RAN)に関連付けられたコアネットワーク(CN)108を含む。その無線基地局を介して、複数の無線通信端末が無線インターフェイスでCN108に接続できる。
図1の実施形態において、4つの端末(第1の端末101、第2の端末102、第3の端末103、および第4の端末104)が描かれている。システム110によって利用される通信標準に依存して、RBS以外の他のタイプのネットワークノードはRAN(例えば無線ネットワーク制御(RNC)ノードまたはポジショニングノード)に含まれていてもよい。システム110は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM)、統合無線通信システム(UMTS)と、ロングタームエボリューション(LTE)広帯域符号分割多重接続(WCDMA)と、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)と、高速パケットアクセス(HSPA)とのうち少なくともいずれかなどの、任意のセルラ無線通信標準に従って構成されたセルラ無線通信システムである。システム110は、端末101−105とその関連づけられたRBS106または107との間のアップリンク(UL)及びダウンリンク(DL)通信について、時分割複信(TDD)システムまたは周波数分割複信(FDD)システムであってもよい。その結果、端末101−104と同様に、第1のRBS106と第2のRBS107は、システム110が構成されるそのような通信標準に従って構成される。任意のRBSは、例えばWCDMA/HSPA標準のノードB(NB)またはLTE標準の発展型ノードB(eNB)であってよい。端末101−104のどれでもが、例えば携帯電話や、モデム、またはポータブルコンピュータなどのモバイル端末、またはすべての他の無線機器、または、家電製品(冷蔵庫、フリーザーなど)もしくはエネルギー管理ゲートウェイなどの据え置き型端末であってよい。ここに議論されるように、システム110は、システム110の任意の端末101−104の間の直接的なD2D通信をスケジューリングするために設定されたスケジューリング装置109を含む。スケジューリング装置はシステム110の別個のノードであってもよいし、RBS106および107の一方または両方、または他のRANノード、またはCN108のノードの中など、システム110のノードの中に統合されていてもよい。装置109は
図2に関連して以下でさらに議論される。スケジューリング装置109は、周波数/時間(f/t)リソースを、端末の間、例えば第1の端末101と第2の端末102との間(
図1において双頭矢印によって示されるように)、および第3の端末103と第4の端末104の間(
図1において双頭矢印によって示されるように)の一方または両方の、直接的なD2D通信に割り当てるために構成される。好都合なことに、端末とそれらと関連づけられたRBSとの間の通信のためのシステム110の通信標準がTDDまたはFDDのどちらであるかを問わず、2つの端末の間のどのような直接通信(D2D)でもTDD通信である。D2D通信は、D2D通信によって起こされたどのような干渉もRBS106および107の一方または両方が監視し、検出することを可能にしながら、UL周波数(端末とRBS106の間の通信についてはFDD通信標準の場合)上またはULリソース(端末とRBS106の間の通信についてはFDD通信標準の場合)上で都合よくスケジューリングできる。しかし、いくつかの実施形態においては、DL周波数またはDLリソースを、追加的にまたは代替的に、D2D通信のために使うことができる。これは、D2D通信に関係している端末が(DL周波数上のみならず)UL周波数上でもデータを受信可能であるはずであることを意味している。これはまた、D2D通信(例えば第1の端末101と第2端末102との間の)は、システムの他の端末(例えば、第3の端末103および第4の端末104の一方または両方)から、それに関連したRBS106または107へのUL送信に、または、システムの他の端末の間(例えば第3の端末103と第4の端末104との間)のUL周波数上で実施されたD2D通信に、干渉する可能性があるというリスクの存在を意味している。装置109は、f/tリソースの第1のセットを第1の端末101から第2の端末102へのD2D通信に割り当て、f/tリソースの第2のセットを第2の端末102から第1の端末101へのD2D通信に割り当てることができる。それからまた、D2D通信が、第3の端末103と第4の端末104との間で設定されるのであるならば、装置109は、干渉のリスクに基づいて、第1のおよび第2の端末の間のD2Dについてと同じ(またはオーバーラップする)f/tリソースをまた第3と第4の端末の間のD2Dに割り当てるか、または、異なるD2D通信との間の干渉を避けるために、第1と第2の端末の間のD2Dについてのf/tリソースと全く異なる他のf/tリソースを割り当てるかを決定できる。特に、スケジューリングユニット109がRBSに統合されているならば、端末間のD2D通信が考慮される端末101と102の両方が、同じRBS106または107と接続されることは便利であるかもしれないけれども、2つの端末が異なるRBS経由で接続される状況において、ここで開示する実施形態を使用することもまた可能である。
【0027】
図2はここで開示するスケジューリング装置109の実施形態を図式的に説明する。プロセッサ201が装置109によって利用できるように、装置109は、プロセッサ201を含むか、さもなければ関連づけられる。プロセッサ201は装置109の専用であってもよいし、または、装置109の一部ではない他のデバイス/機能性などにも関連付けられ、使用されてもよい。プロセッサ201は、必要とされている機能性を獲得するために、関連づけられたメモリ202に保存された適当なソフトウェアを実行するために構成されたマイクロプロセッサという形で、1つ以上の処理ユニットを含むことができる。しかし、コンピューティング能力を持つ他の適当なデバイス、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、結合プログラマブル論理回路(CPLD)などを用いてもよい。装置109は、例えば、記憶ユニット202上で記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)をプロセッサ201上で実行できるように、またはプロセッサ201が記憶ユニット202上に記憶された情報を得ることができるように、またはプロセッサ201が記憶ユニット202についての情報を記憶できるように、プロセッサ201との協働のために構成された記憶ユニットまたはメモリ202を含むか、さもなければ関連付けられている。装置109はまた、トランシーバーを成形するために結合されているか、または装置109中に別個のユニットとして存在することができる送信機203と受信機204を含むか、さもなければ関連付けられている。送信機203と受信機204は、プロセッサ201と協働するために構成され、通信システム110の要素に、または要素から信号の送受信それぞれを行う。送信機203と受信機204は、ワイヤレス(無線)シグナリングのために、または有線シグナリングのために設定され得る。もし例えば装置109が無線基地局(RBS)と統合されているならば、プロセッサ201および記憶ユニット202はRBSの他の部分とも関連づけられ、装置109の専用ではない可能性があると同時に、送信機203と受信機204はRBSの標準の送信機と受信機であってもよい。プロセッサ201は、直接無線通信が、通信システム110の第1の無線通信端末101と第2の無線通信端末102との間で設定されるべきという指示を取得するために構成される。この指示は例えば第1と第2の端末の1つからのD2D通信の要求の結果であってよいし、または、何らかの形で第1と第2の端末が互いに近接していることや同じ建物内に在ることなどが判定されたために、スケジューリング装置109やRBS106又は107あるいはシステム110の他の部分がD2D通信の設定を要求することの結果であってもよい。プロセッサ201は、通信システム110の少なくとも1つの指標を測定するためにまた設定される。いくつかの実施形態において、この指標は干渉またはチャンネル品質と関連づけられる。干渉は、例えば、第3の端末103または第4の端末104と端末が関連づけられるRBS106または107との間の通信の中で測定できる。特に、D2D通信がシステム110のUL周波数の上で実施されるならば、そのような干渉は第1の端末101と第2の端末102との間の任意のD2D通信に起因する可能性がある。干渉測定基準の例は、信号対干渉比(SIR)、信号対干渉及び雑音比(SINR)、ブロック誤り率(BLER)、およびビット誤り率(BER)、またはそれらの少なくともいずれに制限されない。追加的にまたは代替的に、干渉は第3の端末103と第4の端末104との間の直接D2D通信の中で測定できる。そのような干渉は、2つのD2D通信(第1と第2の端末の間と第3と第4の端末の間)が互いに干渉することを示す可能性がある。いくつかの実施形態の中で、この指標は、第1の端末101と第2の端末102の一方または両方の地理的位置、および、第3の端末103と第4の端末104の一方または両方の地理的位置、またはそのいずれかと関連している。位置指標は受信機204経由で得ることができ、かつ、例えばグローバル航行衛星システム(GNSS)情報またはそれぞれの端末からのポジショニングパイロット情報であってよい。第1の端末および第2の端末の一方または両方の位置は、端末が互いに直接通信することができる程度に十分に近接し、かつ、例えば第3の端末および第4の端末の一方または両方に干渉しないほど十分に低い信号電力であるかどうかを決定するために使用することができる。第3の端末および第4の端末の一方または両方の位置は、その端末が、第1の端末および第2の端末の一方または両方からのD2D送信が第3の端末および第4の端末の一方または両方の送信との干渉を生じる可能性があるほど、第1の端末と第2の端末の一方または両方に近いかを示すことができる。従って、プロセッサ201は、第1の無線通信端末101によって保持された地理的位置と、通信システム110の第2の無線通信端末102によって保持された地理的位置についての情報を得るために設定されてもよい。いくつかの実施形態において、この指標は、第1の無線通信端末101と第2の無線通信端末102との間で送信されるデータ量と関連している。多くのデータがその間で送信されるならば、D2D通信を設定する利点は大きく、そのため、場合によると多少高めの干渉のリスクは許容され得る。いくつかの実施形態において、指標はシステム110によってカバーされたエリアの地形と関連しているかもしれない。地形は、例えば、第1と第2の端末の間のD2D通信をより難しくする可能性がある、または、他の端末との干渉のリスクが軽減されるように他の端末から第1と第2の端末を遮蔽する可能性がある地形上の障害(例えば建築物、壁、丘など)があるかどうかを示すことができる。例えば地形上の情報が、第1の端末が建築物の中にあることを示すならば、スケジューリング装置109は、第1の端末101からの送信による干渉のリスクが軽減されると判断することができる。プロセッサ201はまた、少なくとも1つの指標の前記測定結果に基づいて、第1の端末101から第2の端末102への直接通信の送信のための周波数および/または時間リソースの第1のセットを割り当てるために設定され、この第1のセットはシグナリングの第1の量を定義している。このシグナリングの量、すなわち、第1の端末から第2の端末への許された無線信号の量は、スケジューリング装置によって割り当てられたf/tリソースによって制限される。プロセッサ201はまた、少なくとも1つの指標の前記測定結果に基づいて、第2の端末102から第1の端末101への直接通信の送信のための周波数および/または時間リソースの第2のセットを割り当てるために設定され、この第2のセットはシグナリングの第2の量を定義している。本開示によると、シグナリングの第1の量は、シグナリングの第2の量より大きい。その結果、シグナリングの第2の量は、シグナリングの第1の量より小さい。これは、D2D通信においては、第2の端末から第1の端末に許されるより多くのシグナリングが第1の端末から第2の端末に許されることを示している。例えば、第2の端末からの無線送信が干渉するか、あるいはシステム110中の他の無線送信と実質的に干渉すると考えられるならば、第2の端末から第1の端末へ許されているシグナリングの量は0である可能性さえあり、すなわち第2の端末から第1の端末にはいかなるD2D送信も許されない可能性がある。その代わりに、周波数および/または時間のリソースの第2のセットは、第2の端末102から第1の端末101への直接通信の送信を、第1の端末101から受信した直接通信の送信に応答するフィードバック情報に制限する。フィードバック情報は例えば、ハイブリッド自動繰り返し要求HARQの肯定応答ACK及び否定応答NAK、および、チャネル品質指標CQIまたはチャネル状態、および、無線チャネルランク情報、またはそれらの少なくともいずれかであってよい。割り当てられたf/tリソースについての情報は、直接通信を設定するための指示とともに端末101と102の一方または両方に送信されてよい。プロセッサ201は、記憶ユニット202中に記憶されて、プロセッサが、ここに議論されたプロセッサのアクションを実行するように設定されるようにプロセッサ201で実行されるコンピュータプログラムによってコントロールできる。
【0028】
プロセッサ201は、例えば地形上の情報を含むデータベースから、通信システム110によってカバーされた地理上のエリアについての地形の情報を得るために設定されてよい。いくつかの実施形態において、データベースは装置109に含まれ、例えば記憶ユニット202中で保持される。他の実施形態においては、データベース111は装置109と別で、プロセッサ201は受信機204経由で情報をデータベースから得てもよい。プロセッサ201は、得られた地形の情報、および得られた第1と第2の端末の地理的位置とに基づいて、直接無線通信を第1の無線通信端末と第2の無線通信端末との間で設定すべきかどうかを決定するために構成されてもよい。位置情報によって、プロセッサ201は、端末が、直接通信を可能にする程度に互いに十分近接した位置を有するかどうか、および、直接通信すなわちD2D通信が設定されるならシステム110中の他の無線通信との干渉が回避されるかどうか、またはそのいずれかを決定することができる。位置情報と組み合わせた地形の情報によって、プロセッサは、端末101と102の間の直接通信に対する地形上の障害(例えば壁または建築物)があるかを決定することができる。f/tリソースは、システム110中の他の無線シグナリングとの干渉のリスクを軽減するために、得られた位置情報および地形情報の一方または両方を考慮して割り当てることができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、ネットワークノード106および107の一方または両方経由の第1の端末101と第2の端末102との間の送信の超過分を送信するために周波数および/または時間リソースを割り当てるために設定される。ここで、送信の超過分は、直接通信に割り当てられた周波数リソースおよび時間リソースの一方または両方により第1と第2の端末間で直接的に送信できない。
【0030】
いくつかの実施形態において、スケジューリング装置109のプロセッサ201は、第1の端末101と第2の端末102の少なくとも1つに割り当てられた周波数および/または時間のリソースについての情報を含むメッセージを無線で送るために構成された送信機203に関連づけられており、プロセッサ201は、送信機203のために前記メッセージを準備し、供給するために構成される。
【0031】
いくつかの実施形態において、プロセッサ201はまた、少なくとも1つの指標を再測定するために設定される。プロセッサ201はそのとき、再測定に基づいて、第1の端末101および第2の端末102の一方または両方に割り当てた周波数および/または時間のリソースが、変更されるべきであるかどうかを決定するために構成される。プロセッサ201はそのときまた、リソースが変更されるべきと決定したなら、第1の端末101と第2の端末102との間の直接通信のための周波数および/または時間のリソースの割当てを変更するために構成される。プロセッサ201はまた、第1の端末101と第2の端末102の少なくともひとつに対する無線送信のために、周波数および/または時間リソースの変更された割り当てに関する情報を含むメッセージを、送信機203のために準備し、供給するために構成される。
【0032】
図3はここで開示するRBS106(RBS107についても適切である)の実施形態を図式的に説明する。RBS106はプロセッサまたは中央処理ユニット(CPU)301を含む。プロセッサ301はマイクロプロセッサという形でひとつ又は複数の処理ユニットを含んでもよい。しかし、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または結合プログラマブル論理回路(CPLD)など、コンピューティング能力を持つ他の適当なデバイスを用いることもできる。プロセッサ301は、記憶ユニットまたはメモリ302に保存された1つまたはいくつかのコンピュータプログラムまたはソフトウェアを実行するために設定される。記憶ユニットは、コンピュータ可読手段とみなされ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、または他のソリッドステートメモリ、またはハードディスクという形であってよい。必要に応じて、プロセッサ301はまた、記憶ユニット302中でデータを記憶するために設定される。RBS106はまた、送信機303、受信機304、およびアンテナ305を含み、それらは、結合されてトランシーバーを形成するか、RBS106の中に別個のユニットとして存在することができる。送信機303は、プロセッサと協働するよう構成され、データビットが転送されるRANによって用いられる無線アクセス技術(RAT)に応じて無線インターフェイス上に送信されるデータビットを適当な無線信号に変換する。受信機304は、プロセッサと協働するよう構成され、受信した無線信号を転送されたデータビットに変換する。アンテナ305は、1つアンテナまたは、例えば異なる周波数のための、またはMIMO(マルチ入力マルチ出力)通信のための、またはそのいずれかのための複数のアンテナを含んでもよい。アンテナ305は、無線信号を送信し、また受信するために、送信機303および受信機304それぞれによって用いられる。スケジューリング装置109がRBS106に統合されるか、さもなければRBS106と関連づけられるならば、RBSのプロセッサ301は装置109のプロセッサ201としても機能しても良く、かつ、RBSの記憶ユニット302は装置109の記憶ユニット202としても機能してもよく、RBS106の送信機303は装置109の送信機203としても機能してもよく、RBSの受信機304は装置109の受信機204としても機能してもよく、あるいは、その少なくとも何れかであってもよい。いくつかの実施形態において、RBS106は、第1の端末101と第2の端末102の両方が接続されるネットワークノードである。
【0033】
図4はここで開示する無線通信端末101(ここに議論された任意の他の端末102−104のためにもまた適切である)の実施形態を図式的に説明する。端末101はプロセッサまたは中央処理ユニット(CPU)401を含む。プロセッサ401は、マイクロプロセッサという形で一つまたは複数の処理ユニットを含んでもよい。しかし、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または結合プログラマブル論理回路(CPLD)など、コンピューティング能力を持つ他の適当なデバイスを用いることもできる。プロセッサ401は、記憶ユニットまたはメモリ402に保存された1つまたはいくつかのコンピュータプログラムまたはソフトウェアを実行するために設定される。記憶ユニットは、コンピュータ可読手段とみなされ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、または他のソリッドステートメモリ、またはハードディスクという形であってよい。必要に応じて、プロセッサ401はまた、記憶ユニット402中でデータを記憶するために設定される。端末101はまた送信機403、受信機404、およびアンテナ405を含み、それらは、結合されてトランシーバーを形成するか、端末101中に別個のユニットとして存在することができる。送信機403は、プロセッサと協働するように構成され、データビットが送信されるRANによって用いられるRATに応じて無線インターフェイス上に送信されるデータビットを適当な無線信号に変換する。受信機404は、プロセッサ401と協働するように構成され、受信した無線信号を送信されたデータビットに変換する。アンテナ405は、1つアンテナまたは、例えば異なる周波数のための、またはMIMO(マルチ入力マルチ出力)通信のための、またはそのいずれかのための複数のアンテナを含んでもよい。アンテナ405は、無線信号を送信し、受信するために、送信機403および受信機404それぞれによって用いられる。
【0034】
図5はスケジューリング装置109の、ここで開示する方法の実施形態を説明しているフローチャートである。
【0035】
直接無線通信が第1の通信システム110の無線通信端末101と第2の無線通信端末102との間で設定されるべきであるという指示が取得される(1)。この指示は例えば第1の端末101および第2の端末102の1つからのD2D通信の要求の結果であってもよいし、あるいは、例えば第1の端末と第2の端末とが互いに近いこと、または同じ建築物内にあることなどが何らかの方法で決定されたために、スケジューリング装置109、RBS106または107、またはシステム110の任意の他の部分が、D2D通信が設定されることを要求している結果であってもよい。ここに議論されるように、端末がすぐ近くにあるかどうかは、端末の位置情報を得ることによって決定できる。
【0036】
通信システム110の少なくとも1つの指標が測定される(2)。この測定は、第2の端末102から第1の端末101へのシグナリングの干渉のリスクを示す。この指標は、従って、この検討によって測定されるその値が、干渉のリスクがあるかどうかを示し、また、おそらくはそのリスクがどのくらい高いかを示す。いくつかの実施形態において、この指標は干渉またはチャネル品質と関連づけられる。干渉は、例えば、第3の端末103または第4の端末104と、端末が関連づけられるRBS106または107との間の通信の中で測定されるかもしれない。特に、D2D通信がシステムのUL周波数の上で実施されるならば、そのような干渉は第1の端末101と第2の端末102との間の任意のD2D通信に起因することがあり得る。干渉指標の例は、信号対干渉比(SIR)、干渉対干渉及び雑音比(SINR)、ブロック誤り率(BLER)、およびビット誤り率(BER)またはそれらの少なくともいずれかを含むが、それに制限されない。追加的にまたは代替的に、干渉は第3の端末103と第4の端末104との間の直接的なD2D通信の中で測定されてもよい。そのような干渉は、2つのD2D通信(第1と第2の端末の間と、第3と第4の端末の間)が互いに干渉することを示すことがあり得る。いくつかの実施形態において、指標は、第1の端末101と第2の端末102の一方または両方の地理的位置、または、第3の端末103と第4の端末104の一方または両方の地理的位置、またはその両方と関連している。位置指標は、受信機204経由で得ることができ、例えばグローバル航行衛星システム(GNSS)情報、またはそれぞれの端末からの位置決めパイロット情報であるかもしれない。第1の端末および第2の端末またはそのいずれかの位置は、端末が、直接通信することができる程度に互いに十分に近いか、および、信号電力について、例えば第3および第4の端末またはそのいずれかに干渉しないほど十分に低いかどうかを決定するために使うことができる。第3および第4の端末の少なくともいずれかの位置は、第1および第2の端末の少なくともいずれかからのD2D送信が第3および第4の端末の少なくともいずれかの送信との干渉を生じる可能性があるほど、その端末が第1と第2の端末の一方または両方に近いかを示すことができる。従って、プロセッサ201は、通信システム110の第1の無線通信端末101によって保持された地理的位置と第2の無線通信端末102によって保持された地理的位置とについての情報を得るために構成され得る。いくつかの実施形態において、この指標は、第1の無線通信端末101と第2の無線通信端末102との間で送信されるデータ量と関連している。多くのデータがその間で送信されるならば、D2D通信を設定する利点は大きく、そのため、場合によると多少高めのリスクは許容され得る。いくつかの実施形態において、指標はシステム110によってカバーされたエリアの地形と関連しているかもしれない。地形は、例えば、第1と第2の端末の間のD2D通信をより難しく可能性がある、または、他の端末との干渉のリスクが軽減されるように他の端末から第1と第2の端末を遮蔽する可能性がある地形上の障害(例えば建築物、壁、丘など)があるかどうかを示すことができる。例えば地形上の情報が、第1の端末が建築物の中にあることを示すならば、スケジューリング装置109は、第1の端末101からの送信による干渉のリスクが軽減されると判断することができる。指標の測定(2)が、D2D通信を設定すべきとの指示の取得(1)より前、後、または同時にされ得ることは注目されるべきである。
【0037】
測定(2)に基づいて、第1の端末101から第2の端末102への直接通信の送信のための周波数および/または時間リソースの第1のセットが割り当てられる(3)。f/tリソースの第1のセットはシグナリングの第1の量を定義する。シグナリングの量、すなわち、第1の端末から第2の端末への許された無線信号の量は、スケジューリング装置によって割り当てられたf/tリソースによって制限される。また、測定(2)に基づいて、第2の端末102から第1の端末101への直接通信の送信のための周波数および/または時間リソースの第2のセットが割り当てられる(4)。f/tリソースの第2のセットはシグナリングの第2の量を定義している。本開示によれば、シグナリングの第1の量は、シグナリングの第2の量より大きい。その結果、シグナリングの第2の量は、シグナリングの第1の量より小さい。これは、D2D通信においては、第2の端末から第1の端末に許されるより多くのシグナリングが第1の端末から第2の端末に許されることを示している。例えば、第2の端末からの無線送信が干渉するか、あるいはシステム110中の他の無線送信と実質的に干渉すると考えられるならば、第2の端末から第1の端末へ許されているシグナリングの量は0である可能性さえあり、すなわち第2の端末から第1の端末にはいかなるD2D送信も許されない可能性がある。
【0038】
図6はスケジューリング装置109の、ここで開示する方法の別の実施形態を説明しているフローチャートである。指示の取得(1)、指標の測定(2)、およびf/tリソースの第1と第2のセットの割り当て((3)および(4))は、
図5に関連して上で検討したとおりである。
【0039】
図6の実施形態において、方法はまた、ネットワークノード、例えば第1と第2の端末の両方が接続されるRBS106または107を経由する、または第1と第2の端末が異なるRBSに接続されるならば複数のネットワークノードを経由する第2の端末102から第1の端末101への通信の送信のための周波数および/または時間リソースの第3のセットの割り当て(10)を含む。第1の端末から第2の端末へのD2D送信に割り当てられるより少ないf/tリソースが第2の端末から第1の端末への直接的なD2D通信の送信に割り当てられているので、第2の端末102は、それが第1の端末にD2D送信したいすべてのデータを送ることができないかもしれない。そして、f/tリソースの第3のセットによって、第2の端末は、通常の方式でのネットワーク経由で、どのような超過データでも第1の端末に送信することができる。
【0040】
図7はスケジューリング装置109の、ここで開示する方法の別の実施形態を説明しているフローチャートである。指示の取得(1)、指標の測定(2)、およびf/tリソースの第1と第2のセットの割り当て((3)および(4))は、
図5に関連して上で検討したとおりである。
【0041】
いくつかの実施形態において、割り当てられた((3)および(4))の周波数および/または時間リソースについての情報を含むメッセージは、第1の端末101と第2の端末102の少なくともひとつに送信される(5)。割り当てられたf/tリソースについての情報は、場合により直接通信を設定するための指示とともに、端末101と102の一方または両方に送信されてよい。このように、端末は、それらがD2D通信のために与えられるf/tリソースを知らせられる。メッセージが第1と第2の端末のひとつに送信される(5)だけならば、その端末は、D2D送信の中でそのとき他方の端末に知らせてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、方法は、少なくとも1つの指標を再測定すること(6)を含む。例えば第1および第2の端末の少なくとも1つが移動したことにより、または、通信システム110中の別の端末が移動したことにより例えばD2D通信からの干渉に影響され易くなり、指標は経時変化した可能性がある。そのため、再測定(6)に基づき、第1および第2の端末またはそのいずれかへ割り当てられた((3)および(4))周波数および/または時間リソースの第1および第2のセットまたはそのいずれかを変更すべきであるか判定される(7)。割当て((3)および(4))が変更されるべきでないと判定するならば、方法はここで停止してよいが、割当て((3)および(4))の少なくとも1つが変更されるべきと判定するならば、割当ては変更される(8)。そのときこの方法は、リソースが変更されるべきと判定されたならば(7)、第1の端末101と第2の端末102との間の直接通信のための周波数および/または時間リソースの割当てを変更すること(8)を含んでもよい。再測定(6)の結果に依存して、変更(8)は、f/tリソースの第1および第2のセットの両方を変更すること、またはf/tリソースの第1または第2のセットだけを変更することを含んでもよい。変更された(8)割当てを端末101と102とに知らせるために、第1の端末101と第2の端末102の少なくとも一方にメッセージが送信されてもよい(9)。そのときこのメッセージは、上で検討した前の割当て((3)および(4))に関する情報を含むメッセージの送信(5)と同様に、変更された(8)周波数および/または時間リソースの割当てに関する情報を含む。
【0043】
図8は無線通信端末101または102の方法の実施形態を説明しているフローチャートである。端末は、無線インターフェイス上で、他方の無線通信端末101または102との直接通信のために割り当てられた((3)および(4)の一方または両方)周波数および/または時間リソースについての情報を受信する(21)。ここに検討されるように、割当て情報は、スケジューリング装置109によって、および端末が関連づけられる/接続されるRBSによって(または経由で)、送信された可能性がある((5)または(9))。そのとき端末は、他方の無線通信端末101または102に送信信号を直接送信するために周波数および/または時間リソース使用する(22)。端末が第1の端末101または第2の端末102のどちらであるかに依存して、割当て情報は、割り当てられた(3)f/tリソースの第1のセット、および割り当てられた(4)f/tリソースの第2のセット、またはそのいずれかについての情報を含んでよい。f/tリソースの第1と第2のセットの両方が受信されるならば、端末は、割当て((3)および(4)の一方または両方)を他方の端末に知らせるために割当て情報を他方の端末に送信してもよい。他方の端末101または102への送信信号の送信のために割り当てた((3)または(4))f/tリソースのセットが、端末が他の端末に送信したい全てのデータを他の端末に送信するのに十分な程度のシグナリングの量を定義していないなら、データの超過分は、ネットワーク経由で、すなわちRBS106または107などの少なくとも1つのネットワークノード経由で、他の端末に送信されてもよい。この端末の方法は、従って、直接通信に割り当てた周波数リソースおよび時間リソースの一方または両方に起因して他の無線通信端末に直接送信することができない送信の超過分を、ネットワークノード106または107経由で他の無線通信端末101または102に送信すること(23)を含んでもよい。
【0044】
図9はここで開示するコンピュータプログラム製品80を説明する。コンピュータプログラム製品80は、コンピュータ実行可能コンポーネント81という形でコンピュータプログラム81を含むコンピュータ読取り可能媒体82を含む。コンピュータプログラム/コンピュータ実行可能コンポーネント81は、スケジューリング装置109に、例えば上で検討したように、ここに検討された方法の実施形態を実行させるように構成されてもよい。コンピュータプログラム/コンピュータ実行可能コンポーネントは、装置109にこの方法を実行させるために、装置109のプロセッサ201で実行されてもよい。コンピュータプログラム製品80は例えば、装置109に含まれて、プロセッサ201と関連づけられた記憶ユニットまたはメモリに含まれてもよい。代わりに、コンピュータプログラム製品80は、コンピュータ読取り可能のディスク、例えばCD、またはDVDまたはハードディスク/ドライブまたはソリッドステートの記憶媒体(例えばRAMまたはフラッシュメモリ)などの独立した例えば携帯型の記憶媒体であるか、またはその一部であってもよい。代わりに、コンピュータプログラム/コンピュータ実行可能コンポーネント81は、無線通信端末に、ここに検討された方法の実施形態を実行させるために構成されてもよい。
【0045】
例1
図10aは、ネットワーク(NW)支援型D2D通信の例を示す。いくつかのデバイス101−104は、ネットワークノードまたはRBS106に接続している。この場合の通信はFDDに基づいており、すなわちデバイス/端末とネットワークノード106との間のULおよびDL通信は周波数で分離されている。さらに、ネットワークノード106(またはスケジューリング装置109を含むネットワークの中の別のユニット)は、潜在的なD2D通信のためのリソース(セルラシステムが3GPP LTE標準に従って動作している場合のリソースブロックなどであってよい)と同様に、UL/DL通信のために時間/周波数リソースを端末に割り当てることをコントロールしている。この例において、UL周波数帯域の一定のリソースは、第1の端末101と第2の端末102との間のD2D通信のために割り当てられる((3)および(4))(UL周波数帯域内で、第2の端末102から第1の端末101へのD2D通信に割り当てられたリソース(塗り潰していない線)、および第1の端末101から第2の端末102へのD2D通信に割り当てられたリソース(塗り潰した線)について表示された
図10bを見ること)。さらに、通常のULトラフィックに干渉しないために(例えば第3の端末103および第4の端末104と、ネットワークノード106との間)D2D通信においてネットワークノード106が送信電力もコントロールできる。
【0046】
例2
図11aは模範的な実施形態の上で主要な概要を示す。第1の端末101と第2の端末102との間のD2D通信は様々な理由(ここに開示するものに限られない)により望ましい。ネットワーク(NW)ノード106、例えばRBSは、(例えば第2および第3の端末が互いに近すぎることにより)第2の端末102からの第3の端末103への干渉については大きなリスクがあり、従って第2の端末102からのD2D通信にはいかなるf/tリソースも割り当てないであろうと決定する。代わりにNWノード106は、
図11bに示したようにUL周波数上で第1の端末101から第2の端末102へのD2D送信にf/tリソースを割り当てる(3)ことで、第1の端末101から第2の端末102への接続を開始または設定する(
図11bには第1の端末101から第2の端末102へのD2D通信のためにUL周波数帯域上で割り当てられたリソース(塗り潰していない線)が示され、第2の端末102から第1の端末101へのD2D通信への割り当てはない)。第2の端末102から第1の端末101に送信されるどのようなデータも、代わりにネットワークノード106経由で(標準セルラ通信プロトコル、例えば、基本的なNW通信プロトコルであるならばLTEを用いて)、中継され、従って第3の端末103からNWノード106までのUL送信との干渉は回避される。
【0047】
例3
図12aは別の模範的な実施形態の上で主要な概要を示す。第1の端末101と第2の端末102のと間のD2D通信は、様々な理由(ここに開示するものに限られない)により望ましい。ネットワーク(NW)ノード106、例えばRBSは、(例えば第2および第3の端末が互いに近すぎることにより)第2の端末102からの第3の端末103への干渉については大きなリスクがあり、従ってD2D通信の第2の端末102から第1の端末101への送信のためには少ないf/tリソースを割り当てる(4)だけであろうと決定する(
図12bには第1の端末101から第2の端末102へのD2D通信のためにUL周波数帯域内で割り当てられたリソース(塗り潰していない線)と、第2の端末102から第1の端末101へのD2D通信に割り当てられたリソース(小さな塗り潰した線)を示す)。例えば、リソース割当て(4)は、HARQ ACK/NAKのみが第2の端末102から第1の端末101へとこれらのリソース上で送信されることを許されるほどであり得る。別の例は、CQIおよびCSIレポートの一方または両方のみと、潜在的ランク情報との一方または両方が、HARQ ACK/NAKに加えて、あるいはその代わりに、第2の端末102から第1の端末101へとこれらのリソース上で送信されることを許される。別の例は、HARQ ACK/NAKおよびCQIおよびCSI報告などの少なくともいずれかなどのフィードバック情報のみが、第2の端末102から第1の端末101にこれらのリソース上で送信されることを許される。NWノード106はそのとき、第2の端末102から第1の端末101への送信のためにはフィードバック情報のためのf/tリソースだけが割り当てられる(4)一方、
図11bに例示するように第1の端末101から第2の端末102へのD2D送信にUL周波数のf/tリソースを割り当てる(3)ことによって、第1の端末101から第2の端末102へのD2D接続を開始または設定する。さらに、第2の端末102から第1の端末101に送信されるデータの超過分(すなわち、フィードバック情報ではないデータ)は、代わりに、ネットワークノード106経由で(標準セルラ通信プロトコル、例えば、基本的なNW通信プロトコルであるならばLTEを用いて)中継され、従って第3の端末103からNWノード106へのUL送信との回避は干渉される。
【0048】
例4
ここで開示する実施形態によると、セルラ無線通信システム110のためのスケジューリング装置109が提供される。この装置は、通信システム110の第1の無線通信端末101と第2の無線通信端末102の間で直接無線通信が設定されるべきであるという1つの指示を得る(1)ための手段を含む。この装置はまた、通信システム110の少なくともひとつの指標を測定する(2)手段201を含む。この装置はまた、前記測定(2)に基づいて、第1の端末101から第2の端末102への直接通信の送信のために周波数および/または時間リソースの第1のセットを割り当てる(3)手段201を含み、第1のセットはシグナリングの第1の量を定義している。この装置はまた、前記測定(2)に基づいて、第2の端末101から第1の端末102への直接通信の送信のために周波数リソースおよび時間リソースの一方または両方の第2のセットを割り当てる(4)手段201を含み、第2のセットはシグナリングの第2の量を定義している。シグナリングの第2の量はシグナリングの第1の量より小さい。
【0049】
例5
ここで開示する実施形態によると、無線通信端末101または102が提供される。端末は、無線インターフェイス上で、別の無線通信端末102または101との直接通信のために割り当てられた((3)および(4)の一方または両方)周波数および/または時間リソースに関する情報を受信するための手段401および404を含む。この端末はまた、他の無線通信端末に直接送信信号を送信するための周波数および/または時間リソースを用いるための手段401および403を含む。この端末はまた、直接通信に割り当てた周波数リソースおよび時間リソースの一方または両方に起因して他の無線通信端末に直接送信することができない送信の超過分を、ネットワークノード106経由で他の無線通信端末102または101に送信する手段401および403を含む。
【0050】
ここでの開示は、主に少しの実施形態を参照して上で説明されている。しかしながら、当業者にすぐに理解されるように、上記説明したもの以外の実施形態が、添付した特許請求の範囲で定義したように、本開示の範囲内で等しく可能である。