特許第6268166号(P6268166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6268166テクスチャ加工を施されたバルクシート材、及び、その製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6268166
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】テクスチャ加工を施されたバルクシート材、及び、その製造方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 31/00 20060101AFI20180115BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   B21D31/00 A
   B29C59/02 Z
【請求項の数】25
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-514294(P2015-514294)
(86)(22)【出願日】2013年5月23日
(65)【公表番号】特表2015-523211(P2015-523211A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】CA2013000500
(87)【国際公開番号】WO2013177667
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2016年5月23日
(31)【優先権主張番号】2,778,455
(32)【優先日】2012年5月29日
(33)【優先権主張国】CA
(73)【特許権者】
【識別番号】514304692
【氏名又は名称】アール.エー.インベストメント マネジメント エス.エー.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130720
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼見 良貴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(74)【代理人】
【識別番号】100186819
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 俊尚
(72)【発明者】
【氏名】アーベスマン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ファム,ニー
(72)【発明者】
【氏名】マッケルビー,ウィンストン
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 カナダ国特許出願公開第02127339(CA,A1)
【文献】 特開2003−154423(JP,A)
【文献】 特開平05−285561(JP,A)
【文献】 特開2001−001058(JP,A)
【文献】 特表2002−537527(JP,A)
【文献】 特開昭48−072067(JP,A)
【文献】 特開昭49−126532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 31/00
B29C 59/02
B21D 43/00
B21D 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テクスチャ加工を施されたバルクシート材の製造方法であって、
平らなシート材からなる連続する供給品をコイルからテクスチャ加工装置に供給し、
プレスを用いて、前記テクスチャ加工装置が備える歯付きの複数のナイフで前記シート材に対して繰り返しインパクトを与え、
前記複数のナイフのそれぞれが与える前記インパクト毎に、前記シート上に、隆起した、且つ、概ね尖った複数の尖端構造部の列を形成し、前記シート材にテクスチャ加工を施し、
前記複数のナイフを、概ね前記シート材に向かって、且つ、前記シート材に跨って作動させ、前記シート材から前記複数の尖端構造部を抉り起こすことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記複数の尖端構造部は、傾斜した形状、または、フック状の形状を有している請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記複数のナイフのうち少なくとも1つによって形成された前記列は、連続的であり且つ前記シート材のほぼ全幅に広がる請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記列のそれぞれは、連続的であり且つ前記シート材のほぼ全幅に広がる請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記複数のナイフは、1以上のセットとして配置されており、
前記インパクトを与えるステップは、前記1以上のセットのうち少なくとも1つで前記シート材にインパクトを与え、1度のインパクトまたはストロークによって、前記複数の尖端構造部からなる複数の列を形成する請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
さらに、前記供給品の末端を検知し、前記インパクトを与える動作を止める請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記複数の列は、それぞれの間にほぼ間隙をあけないように、前記シート材の全長に沿って形成されている請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記複数の尖端構造部のそれぞれは、仕上げ高さが0.100”(0.254cm)未満である請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記複数の尖端構造部のそれぞれは、基部の仕上げ厚みが0.050”(0.127cm)未満である請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
前記複数の尖端構造部のそれぞれは、仕上げ高さが、前記シート材の厚みの約150%から約300%の間である請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
前記シート材における前記複数の尖端構造部の密度は、1平方インチあたり約30個〜200個の間である請求項1に記載の製造方法。
【請求項12】
前記インパクトを与えるステップは、前記シート材の両側に前記複数の尖端構造部を形成する請求項1に記載の製造方法。
【請求項13】
さらに、前記インパクトを与えるステップの後に、テクスチャ加工を施された前記シート材をコイル状に巻くことをさらに含んでいる請求項1に記載の製造方法。
【請求項14】
さらに、前記インパクトを与えるステップの後に、テクスチャ加工を施された前記シート材を所定の長さまたは帯状に切断することをさらに含んでいる請求項1に記載の製造方法。
【請求項15】
さらに、テクスチャ加工を施された前記シート材を接合ステーションに供給し、テクスチャ加工を施された前記シート材と他の材料とを接合させることをさらに含んでいる請求項1に記載の製造方法。
【請求項16】
さらに、テクスチャ加工を施された前記シート材の成形、巻取り、または、曲げ加工を行うことを含んでいる請求項1に記載の製造方法。
【請求項17】
請求項13に記載の製造方法によって製造されたコイル状に巻かれたテクスチャ加工を施されたシート材。
【請求項18】
請求項14に記載の製造方法によって製造されたテクスチャ加工を施された材料からなるピース。
【請求項19】
請求項15に記載の製造方法によって製造された接合された材料複合品。
【請求項20】
請求項16に記載の製造方法によって製造された成形、巻取り、または、曲げ加工されたシート材。
【請求項21】
前記インパクトを与えるステップは、前記複数のナイフのうち第1のナイフを、概ね前記シート材に向かって、且つ、前記シート材に跨って、第1の幅方向に作動させ、同時に、前記複数のナイフのうち第2のナイフを、概ね前記シート材に向かって、且つ、前記シート材に跨って、前記第1の幅方向と反対方向の第2の幅方向に作動させることからなる請求項1に記載の製造方法。
【請求項22】
前記複数のナイフのうちの前記第1のナイフは、複数のナイフからなる第1のナイフセットの一部であり、
前記複数のナイフのうちの前記第2のナイフは、複数のナイフからなる第2のナイフセットの一部であり、
前記インパクトを与えるステップは、前記第1のナイフセットを、概ね前記シート材に向かって、且つ、前記シート材に跨って、前記第1の幅方向に作動させ、同時に、前記第2のナイフセットを、概ね前記シート材に向かって、且つ、前記シート材に跨って、前記第2の幅方向に作動させることからなる請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
前記シート材は、対向する第1の面及び第2の面を有しており、
前記インパクトを与えるステップは、歯付きの1のナイフセットで、前記第1の面にインパクトを与えることからなる請求項1に記載の製造方法。
【請求項24】
前記インパクトを与えるステップは、さらに、歯付きの2のナイフセットで、前記第2の面にインパクトを与えることからなる請求項23に記載の製造方法。
【請求項25】
前記インパクトを与えるステップは、さらに、歯付きの前記第1のナイフセットで前記第1の面にインパクトを与えた後に、歯付きの前記第1のナイフセットで前記第2の面にインパクトを与えることからなる請求項23に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料表面のテクスチャ加工(texturing)、さらに具体的には、テクスチャ加工を施されたバルクシート材(bulk textured material sheeting)の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層品(laminates)は、様々な用途(例えば、建材[building materials]、自動車用途用のパネル[panels for automotive applications]、大型の工業用部品[industrial parts])で一般に普及している。積層材(laminated materials)を製造する場合、接着剤(adhesive)を使用して薄板材(lamina)を接合する(join)ことが一般的である。しかしながら、接着剤には、多くの既知の欠陥が存在する。接着剤は、高価であり、散らかりやすく(messy)、有毒ガス(noxious fumes)を放つ。異種の材料を積層するために使用される多くの典型的な接着剤は、様々なストレス(温度、曲げ加工、切断)によって損傷してしまう、または砕けてしまう/割れてしまう傾向がある。さらに、下層の材料を汚染し(foul)、薄板材のリサイクルまたは再利用(recycling or reclamation)を妨げることから、環境面からも接着剤は好ましくない。積層品の強度を落とすことなく接着剤の使用を避けることが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
個々の部品の機械的アタッチメント(例えば、摩擦材[friction material]に対するブレーキ補強板[brake backing plate]の機械的アタッチメント)は知られており、また、高度に成功しているが、この製造方法は、重い個々の板である比較的厚いスチール(steel)に使用されており、薄い材料の積層品を含む、接着剤が不要な積層材(adhesive-less laminated materials)の製造に使用可能な連続する大型の材料には使用されていない。
【0004】
さらに、現在では、個々の部品は、大きさや可能な形状変化によって制限を受けている。個々の部品に機械的アタッチメントを与えるために、ブランク(blanks)は、典型的には、マガジン(magazine)から供給される。マガジンは、全て同一の大きさ及び外形(outline)でなければならない。このことは、特に建材での使用が好まれる大型品に適用する場合や、一個限りの大きさのもの(one-off sizes)や、特注の長さのもの(custom lengths)にとって不利である。
【0005】
バルク材の表面をテクスチャ加工する(機械的アタッチメント対応にする[(mechanical-attachment-ready])連続的な製造方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
テクスチャ加工を施されたバルクシート材の製造方法を提供する。平らなシート材である連続する供給品(continuous supply)が供給されると、シート材は、歯付きの複数のナイフ(toothed knives)で繰り返しインパクトを与えられ(impacted)、複数のナイフのそれぞれによって、シート上に、隆起した(raised)、且つ、概ね尖った複数の尖端構造部(pointed structures)の列が形成され、シート材にテクスチャ加工が施される。複数のナイフは、概ねシート材に向かい、且つ、シート材に跨って作動され、シート材から複数の尖端構造部を抉り起こす(gouge)ようにすることが好ましい。複数の尖端構造部は、傾斜した形状、または、フック状の形状を有していてもよい。1つの実施の形態では、フック(hook)は、その列の軸からカールされ(curled)、または、ねじ曲げられている(twisted)。フックの形状は、ナイフの歯の形状、及び、ナイフの移動経路(path of travel)によって決定される。フックの形状を得るために、更なる工程(第2の工程)は不要であることが好ましい。
【0007】
複数のナイフは、シート材のほぼ全幅に広がる、複数の尖端構造部の連続する列を形成するように配置されていることが好ましい。1つのナイフによって、シート材のほぼ全幅に広がる、複数の尖端構造部の連続する列を形成することが好ましい。複数のナイフは、1度のインパクトまたはストロークによって、複数の尖端構造部の複数の列を形成するべく1以上のパック(pack)として配置されていることが好ましい。
【0008】
本製造方法は、供給品の末端を検知し、インパクトを与える動作を止めるようにしてもよい。
【0009】
複数の列は、シート材の全長に沿ってほぼ間隙をあけないように形成されていることが好ましい。様々なパターン、配置、密度、及び、大きさの突起が可能である。1つの実施の形態では、複数の尖端構造部のそれぞれは、仕上げ高さ(finished height)が0.0100”(0.0254cm)未満である。尖端構造部の大きさは、異なる用途のためのフックのグレードに応じて段階的であってもよい。例えば、
スーパー −フックの最大高さ0.070”(0.1778cm)
レギュラー−フックの最大高さ0.060”(0.1524cm)
ミニ −フックの最大高さ0.045”(0.1143cm)
マイクロ −フックの最大高さ0.030”(0.0762cm)
である。
【0010】
本実施の形態では、複数の尖端構造部のそれぞれは、基部の仕上げ厚み(finished thickness)が0.050”(0.127cm)未満であることが好ましく、さらには、0.040”(0.1016cm)未満であることが好ましい。本実施の形態では、複数の尖端構造部のそれぞれは、仕上げ高さが、シート材の厚みの約150%から約300%の間であること(また、必要に応じて、各タイプのフックの最大高さより高くないこと)が好ましい。本実施の形態では、シート材における複数の尖端構造部の密度は、1平方インチあたり約30個〜200個の間であることが好ましく、さらには、スーパー及びレギュラーの場合には1平方インチあたり約40個、ミニの場合には1平方インチあたり約80個、マイクロの場合には1平方インチあたり約190個であることが好ましい。それでもなお、様々な種類の大きさや幾何学的な(geometries)フックが可能である。さらに、複数のフックは、材料全体にわたって必ずしもきっちりと整った列に配置されている必要はなく、特定の用途に合うように領域やパターンを形成するようにしてもよい。
【0011】
両側を加工する製造方法も可能であり、この場合には、複数のナイフによるインパクトによって、シート材の両側に複数の尖端構造部が形成される。
【0012】
シート材にテクスチャ加工を施した後に様々なステップを行うことが可能である。インパクトを与えるステップの後に、テクスチャ加工を施されたシート材を単純にコイル状に巻いてもよい。インパクトを与えるステップの後に、テクスチャ加工を施されたシート材を所定の長さまたは帯状に切断してもよい。テクスチャ加工を施されたシート材を接合ステーションに直接供給し、テクスチャ加工を施されたシート材と他の材料とを接合させてもよい。成形(forming)及び造形(shaping)の他の選択肢も存在する。例えば、テクスチャ加工を施されたシート材をロール状に成形したり、曲げ加工をして、筒状(円筒や他の形状)、チャンネル状(channels)、コーナー状(corners)、その他の形状にしてもよい。
【0013】
例えば、コイル状の材料、テクスチャ加工を施された材料からなる部品、接合された材料複合品(composite)/積層品、成型・巻取りまたは曲げ加工されたシート材からなるピース(piece)または所定の長さのもの(lengths)等、テクスチャ加工を施されたシート材から様々な最終製品を得ることが可能である。
【0014】
機械的アタッチメントによって、異種の材料を結合して積層することが可能になり、各材料の特性(properties)を組み合わせ及び強化することができる(例えば、可塑性の[plastic]、弾性の[rubbery]、または、壊れやすい[brittle]上層に、薄い金属製の裏当て材(backing)をあてることで強度または剛性[stiffness]を追加する)。また、これにより、非常に強度のある軽量の材料を製造することも可能である。これは、材料が簡単に湾曲したり曲がったりすることを妨げる、埋め込まれたフックの固定する力によって、組み合わされた材料全体は相当な強度を有するが、各構成要素を非常に薄くできるためである。また、2以上のグレードの低い(またはリサイクルの)材料の特性を簡単に組み合わせてより望ましい特性を得られるため、高価なまたは珍しい(exotic)材料の必要性を少なくすることができる。積層材自体も成形及びスタンプ(stamped)することが可能である。この場合には、金属製ではない層の少なくとも一部を柔らかくするように、まず加熱をすることが望ましい。
【0015】
テクスチャ加工を施されたバルク材は、積層された最終製品を製造する以外にも用途があってもよい。材料は、所定の長さに切断した(cut-to-length)構成材(construction material)としてそのまま使用してもよく、この場合には、テクスチャ加工を施された面が、滑り止めとなり、または、アタッチメント可能な面(例えば、第2のバルク材を取り付ける際に第2のバルク材を受ける面)となる。表面の複数のフックは、材料を受ける及びつかむための便利なテクスチャ面を提供する(例えば、繊維性の材料の場合に、複数のフックが繊維に入り込み、また、繊維を捕える)。
【0016】
材料を細いストラップ状にしたものは、緩んだまたは弱い材料を束ねる(bundling)または固定するテープのように使用することもできる(ストラップをバンドル[bundle]若しくは材料に押し付けて周囲に巻くことで、複数のフックを容易に埋め込むことができ、相互に"くっつけて"("stick")、固定することができる)。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】片側をテクスチャ加工する製造方法を示す図である。
図2】両側をテクスチャ加工する製造方法を示す図である。
図3】片側をテクスチャ加工する装置見本の平面図である。
図4】片側をテクスチャ加工を施されたバルクシート材の完成したロールを示す図である。
図5図3のテクスチャ加工部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
テクスチャ加工を施されたバルクシート材の製造方法を提供する。平坦なシート材が連続的に供給されると、シートには、歯付きの複数のナイフによって繰り返しインパクトが与えられる。各ナイフによって、シート上に、隆起した、且つ、概ね尖った(爪状の)複数の尖端構造部からなる列が形成され、テクスチャ加工が施される。
【0019】
図1には、本発明による製造方法を簡潔な形式で示してある。供給メカニズム(feed mechanism)は、自己巻コイル(self-wound coil)1(または供給リール)から材料2を引き出す。材料は、装置3に引き込まれ、テクスチャ加工が施される。装置は、材料にインパクトを与えるのに図示しない複数のナイフを使用し、材料の表面に複数の尖端構造部を隆起させる。材料は、複数の尖端構造部を有した状態で、装置から現れる。テクスチャ加工が施された材料4は、コイル5(または、巻取リール[take-up reel])に導かれる。
【0020】
図2に示すように、材料2は、両側をテクスチャ加工を施してもよい。供給メカニズムは、自己巻コイル1(または供給リール)から材料2を引き出す。材料は、対向するインパクト区間(材料の両側に配置された複数のナイフ[図示せず])を備えた変更された装置3´に引き込まれる。材料は、両側に複数の尖端構造部を有した状態で、装置から現れる。テクスチャ加工が施された材料4´は、コイル5´(または、巻取リール)に導かれる。
【0021】
代わりに、片側にテクスチャ加工が施された材料4を、複数の尖端構造部を適切な支持体(support)で保護しながら再び装置に通して、反対側の面にテクスチャ加工を施すようにしてもよい。
【0022】
図5に示すように、複数の尖端構造部は、フックの形状になっていてもよい。各フックは、複数のインパクト・ナイフによって材料の表面から抉り起こされ、または、掻き起こされ(scraped)、材料そのものと一体に形成されている。フックは、反対側から押し出されて(punched)いるものではないため、材料の基礎部分(underlying material)には孔はあけられておらず(punctured)、または、せん孔されておらず(perforated)、連続するボディの完全性(integrity)は維持されている。複数の尖端構造部(ここではフック)の詳細は、図4に示してある通りである。装置及び工具(tooling)は、材料に対する要求(requirements)や許容度(tolerances)に応じて、様々な形状、大きさ、及び、複数のフックの密集度(densities of hooks)を形成するように変更されてもよい。
【0023】
装置の複数のナイフは、対向するナイフが互いにオフセット(offset)になるように配置された1つのパックであることが好ましい。すなわち、"A"セットの複数のナイフと"B"セットの複数のナイフが、1つのパック内において交互に配置されており、"A"セットの複数のナイフは一方の側に延び出ており、"B"セットの複数のナイフは他方の側に延び出ている。装置が面にインパクトを与えると、"A"セット及び"B"セットが互いに向かって移動し、複数のナイフの複数の歯によって材料の表面から複数のフックが抉り起こされ、または、掻き起こされる。
【0024】
複数のナイフを駆動させて、複数のフックを形成するためには、様々なタイプの装置を用いることが可能である。1つの有用な実施の形態では、歯付きの複数のナイフを作動させて、シート材料の表面に、及び、表面に跨って複数のナイフを当てるために、プレス(press)を用いる。図3に示すように、装置3は、上部ダイ・プレート(upper die plate)13を備えている。上部ダイ・プレート13は、プレス内に取り付けられていてもよく、または、今後公開される出願日2011年12月6日のカナダ特許出願2,760,923に示されているように、独立したプレス(independent press)によって作動される独立したアセンブリ(free standing assembly)の一部であってもよい。横方向スライド・ロッド(Transverse slide rods)16,16は、装置から吊るされており(suspended from)、複数のナイフ10のスロット内をスライドする。スライド・ロッドには、図示しない伸縮ばねが接続されており、スライド・ロッド同士をそれぞれに対して付勢している。圧力板(pressure plate)19は、複数のナイフの上に配置されている。2つのブロック・ハウジング(two block housings)21は、複数のナイフの縁部に隣接して、上部ダイ・プレートの横方向に取り付けられている。駆動ブロック(drive block)22は、1本のスライド・ボルト(slide bolt)23によって各ブロック・ハウジングに取り付けられている。スライド・ボルト23は、複数のナイフの複数の長手軸(longitudinal axis)とほぼ平行になるように配置されている。スライド・ブロック(slide block)24は、駆動ブロックに隣接して、各ハウジング内にスライド可能に取り付けられている。
【0025】
運転中は、図示しないプレスが、装置3の上部ダイ・プレート13を、複数のナイフ10の下の材料ストライク・ゾーン(material strike zone)に供給された材料の上に動かす。複数のナイフ10が材料の表面にインパクトを与える前に、プレスの圧力によってスライド・ブロック24が、プレスの底面にインパクトを与える。材料の底面に対する圧力が、駆動ブロック22に対してスライド・ブロックを上に駆動することで、スライド・ブロック24の角度を付けられた表面が、複数のナイフの長手軸とほぼ平行な方向に、駆動ブロック22に力を及ぼす。この力により、各駆動ブロック22が、1つのパック内の分かれた個々のナイフをそれぞれの長手軸に沿って、対向する方向に動かす。インパクトの前には、1つおきの複数のナイフだけが各駆動ブロックと接触しているため、隣り合う複数のナイフは、各駆動ブロックによって、対向する方向に押される。複数のナイフは、材料の表面と接触する前に動いていることが好ましい。
【0026】
複数のナイフの複数の歯11は、材料に入り込むように押し付けられ、複数のナイフは、スライド・ロッド16,16に沿って長手軸と平行にスライドもする。これらの下方向への動き及びスライドする動きが同時に生じることで、ナイフの歯11のそれぞれが1つの尖端構造部(フック)を形成する。
【0027】
プレスが持ち上がると、スライド・ブロック24は、圧縮ばね20によって初期位置に戻され、また、複数のナイフ10及び駆動ブロック22は、他のばね(図示せず)によってそれぞれの初期位置に戻される。材料から複数のナイフは引き離され、材料は、供給メカニズムによって(順次[in a progression])進められ、次のテクスチャ加工部分が形成される。
【0028】
図4及び図5は、完成状態のテクスチャ加工を施されたシート材料の可能な実施の形態を示している。図示したように、材料は、コイル状に巻かれ(または、巻取リールに巻かれ)、(機械的アタッチメントが可能な)バルク材として販売することが可能である。
【0029】
完成した材料は、特定の製品になるように切断したり、1以上の異種の材料(heterogeneous materials)と組み合わせて二層または多層になるようにしてもよい。
【0030】
例えば、成形品/帯/ピースになるようにスタンピングしたり(stamping)、積層品や他の形態になるように1以上の異種の材料と組み合わせたりするように、材料は、他の下流の工程(other downstream operations)に向けられてもよい。1つの実施の形態では、バルク材は、3次元形状(例えば、円筒状や他の形状の筒状)になるように、ロール状にまたは曲げ加工されてもよい。
【0031】
本製造方法では、可塑性のある様々な材料を用いることができる。図4及び図5では、金属製のシート材が示してあるが、本製造方法は、様々な硬質プラスチック(harder plastics)(ショア硬さ[shore hardness]がほぼD55かそれ以上のもの)、または、所定の幅及び厚みを有する他の材料に適用可能であることがわかっている。可塑性を向上させたりすることにより、テクスチャ加工をしやすくするように、インパクトを与える前に、シート材は、冷却または加熱してもよい。例えば、(ショア硬さD55に満たない材料を含む)柔らかく弾性を有する材料は、本製造方法を適用する前に、冷却または冷凍してもよい。
【0032】
さらに、詳述及び図示したように、起立した尖端構造部を維持及び保持できるように材料を選択することができるが、本方法によって材料を加工して、複数のフック自体が起立した状態にならず、倒れるようにしても利点があるかもしれない。本製造方法は、単に材料の表面を粗くしたり(roughening)、表面を乱したり(providing a disturbed surface)するようにしても利点があるかもしれない。
【0033】
上述の記載は、本発明の特定の好ましい実施の形態を示すものに過ぎない。本発明は、上述の例に限定されるものではない。つまり、当業者であれば、上述の本発明の教えを使用及び実行するために、変更及び変化させることが可能である、または将来的に可能である、ということが理解できるであろうということである。請求の範囲は、上述の実施の形態によって制限されるべきものではなく、明細書全体と矛盾のない、最も広い合目的的解釈(purposive construction)をすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5