特許第6268170号(P6268170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6268170エネルギー回生を行うフルード振動ダンパー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6268170
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】エネルギー回生を行うフルード振動ダンパー
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/50 20060101AFI20180115BHJP
   B60G 13/14 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   F16F9/50
   B60G13/14
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-520876(P2015-520876)
(86)(22)【出願日】2013年6月19日
(65)【公表番号】特表2015-528089(P2015-528089A)
(43)【公表日】2015年9月24日
(86)【国際出願番号】EP2013062680
(87)【国際公開番号】WO2014009115
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2016年2月24日
(31)【優先権主張番号】102012013462.2
(32)【優先日】2012年7月9日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(72)【発明者】
【氏名】トリーベル・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】トーメ・アヒム
(72)【発明者】
【氏名】バールマン・ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】ブロックス・ヴィルヘルム−ハインリヒ
(72)【発明者】
【氏名】リヒトライン・オスヴァルト
(72)【発明者】
【氏名】ハイン・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】フェルスター・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ガーイェク・ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】プラーデル・ローベルト
(72)【発明者】
【氏名】ゾンネマン・アンケ
【審査官】 内山 隆史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−115301(JP,A)
【文献】 特表2011−518070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 9/00 − 9/58
B60G 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー回生を行う振動ダンパー(1)であって、一つのシリンダー(3)を有し、該シリンダー内で一つの作動室(9;11)内の一つのディスプレーサ(5;7)が制限された運転動作を実施し、これによって圧力フルードがフルードモーター(27)に供給され、このフルードモーターが、ジェネレーターを駆動し、その際、バランス室(15)が圧力フルードの容積変化を相殺する振動ダンパーにおいて、バランス室(15)に追加的に、一つの圧力リザーバー(45)が設けられており、この圧力リザーバーがフルードモーター(27)と接続されており、および並列に接続されており、フルードモーター(27)に緊急運転検出弁(47)が前方接続されていること、緊急運転が生じた際に、フルード流を緩衝弁(49;51)に供給することを特徴とする振動ダンパー。
【請求項2】
圧力フルードの圧力リザーバー(45)から作動室(9;11)内への直接の流出が、少なくとも一つの逆止弁(19−21)によって遮断させていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー回生を行う振動ダンパー。
【請求項3】
追加的な圧力リザーバー(45)内の静的圧力が、バランス室(15)の最大限の利用の際の作動圧力よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー回生を行う振動ダンパー。
【請求項4】
フルードモーター(27)の流入方向ごとに、一つの独立した追加的圧力リザーバー(45a;45b)が接続されていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー回生を行う振動ダンパー。
【請求項5】
ディスプレーサ(5;7)がピストン−ピストンロッド構造群から形成されており、その際、追加的な圧力リザーバー(45)が、この構造群の内部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の振動ダンパー。
【請求項6】
ピストンロッドが管形状に形成されており、および追加的な圧力リザーバー(45)がピストンロッド(7)の内部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー回生を行う振動ダンパー。
【請求項7】
緊急運転検出弁47が、フルードモーター(27)への入口圧p1に比例している制御圧によって操作されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のエネルギー回生を行う振動ダンパー。
【請求項8】
緊急運転検出弁(47)が、フルードモーター(27)からの出口圧p2に比例している制御圧によって操作されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のエネルギー回生を行う振動ダンパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に係る、エネルギー回生を行うフルード振動ダンパーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車内で使用される従来の振動ダンパーは、外的刺激に基づく運動エネルギーを、緩衝フルードの絞りを通して排出することを介して熱に変換するという原理に従い動作する。この熱は、その後、振動ダンパーの壁部を介して、場合によって走行風を利用することによって放出される。この構造原理の大きなメリットは、振動ダンパーの簡易性と生産技術上の永年にわたる経験にある。
【0003】
この構造原理は、しかし、生じるエネルギーが使用されず放出されるというデメリットとも結びついている。この理由から、振動ダンパーの刺激によって生じるエネルギーを利用することが長いこと試みられている。特許文献1は、フルード流が、ジェネレーターと接続されている液圧モーターによって駆動される一つの振動ダンパーを記載する。これによって、生じるエネルギーの刺激は、電流の形で使用可能となっている。
【0004】
更に、特許文献1は一つの緊急運転機能を開示する。液圧モーターへのフルード配管内の圧力が上昇すると、並列接続された圧力制御弁が開く。
【0005】
該機能原理は、ピストンロッド速度のより大きな変化が、電気エネルギーの発生と同じくらい影響を及ぼすというデメリットを含む。更に、液圧モーター内の過大なリークの問題に対する解決策は提示されていない。その様なリークの際には、ピストンロッド動作の際に、フルードが両方の作動室の間でほぼ絞りの無い状態でポンピングされる結果、十分な緩衝力が与えられない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2009/060 296 A2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、先行技術より知られている問題を最小とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明に従い、一つの部分課題は、バランス室に追加的に一つの圧力リザーバーが設けられており、この圧力リザーバーがフルードモーターと接続され、そして並列に接続されていることによって解決される。
【0009】
追加的な圧力リザーバーは、突然の刺激の変化の際に発生する圧力振動を収容し、そしてこれによって、フルードモーターの一様な駆動の為に資する。これによってフルードモーターの機械的な負荷も減少する。
【0010】
有利な下位の請求項に従い、圧力フルードの圧力リザーバーから作動室内への直接の流出は、少なくとも一つの逆止弁により遮断される。これによって、圧力リザーバーが空とならず、そして例えば一つの追加的なばね力に応じて車両構造を持ち上げるというメリットが得られる。
【0011】
更に、追加的な圧力リザーバー内の静的圧力が、バランス室の最大の利用の際の作動圧力よりも高いことが意図されている。この措置によって、追加的な圧力リザーバーが、振動ダンパーへの全ての刺激に対するバランス室として使用されるべきでなく、単に圧力ピークを補償すべきということが達成される。
【0012】
一つの実施形においては、フルードモーターへの流入方向毎に、一つの独立した追加的な圧力リザーバーが接続されていることが意図されている。これによって、追加的な圧力リザーバーを、互いに独立的に必要性に合わせるという可能性が生じる。
【0013】
振動ダンパーの省スペース的な構造に関して、ディスプレーサはピストン−ピストンロッド構造群により形成される。その際、追加的な圧力リザーバーは、この構造群の内部に配置されている。
【0014】
その際、ピストンロッドが管形状に形成されており、そして、追加的な圧力リザーバーがピストンロッドの内部に配置されていることが意図され得る。このバリエーションは、極めて大きな圧力リザーバー容量を可能とする。
【0015】
代替として、圧力リザーバーは、ピストンの内部にも配置され得る。このバリエーションは、フルードモーターの接続部の為の構造を形成するのに特に有利である。というのは、中空のピストンロッドによって配管等が敷設されることが可能だからである。
【0016】
第二の部分課題は、フルードモーターに緊急運転検出弁が前接続されており、この緊急運転検出弁が、緊急運転が生じた際にフルード流を緩衝弁へと供給することにより解決される。緩衝弁は、バルブディスクを有する従来式のバルブとして形成されていることが可能であるので、車両にあった緩衝力曲線が与えられる。
【0017】
よって、緊急運転検出弁は、フルードモーターへの入口圧に比例している制御圧によって操作される。
【0018】
更に、緊急運転検出弁は、フルードモーターからの出口圧に比例している制御圧によって操作される。例えば過剰なリークが存在すると、緊急運転検出弁は、フルード流を緩衝弁の方向に切り替える。
【0019】
両方の制御圧の圧力比較によって、フルードモーターにおいて、またはフルードモーター内において発生する全ての圧力ばらつきが、検出されることが可能である。
【0020】
以下の図面の記載に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】追加的な圧力リザーバーを有する振動ダンパー。
図2】作動方向毎の、追加的な圧力リザーバーを有する振動ダンパー。
図3】緊急運転検出弁を有する振動ダンパー。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、振動ダンパー1の原理図を示す。該振動ダンパー1は、一つのシリンダー3を有する。このシリンダー3内で、ディスプレーサ(独語:Verdraenger)が軸方向の運転動作を実施する。本発明は、しかし、この構造に限定されない。ディスプレーサとして、ピストン−ピストンロッド構造群が使用される。その際、ピストン5は、ピストンロッド7と固定的に接続されている。ピストンは、シリンダーを、ピストンロッド側とピストンロッドと反対側の作動室9;11に区分する。その際、両方の作動室9;11は、圧力フルード、例えば液圧オイルで完全に満たされている。ピストンシール13はピストン5の横で流れるのを防止する。ピストンロッド7によって排除される容積は、バランス室15によって収容される。この構造に応じて場合によっては圧力予負荷を作動室9;11に及ぼす。この実施例においては、分離ピストンがバランス室15をピストンロッド側の作動室11から分離している。しかしその際、他の構造9;11も可能である。
【0023】
図1は、一つの実施形を示す。ピストン5がフルードネットワーク17を有する。このフルードネットワーク内には、複数の逆止弁が、フルードモーター27に向かう圧力フルード流の同じ方向を提供している。フルードネットワーク17は、平行に接続された二つの主配管を介して両方の作動室9;11を接続している。両方の主配管は、供給部分31;33と排出部分35;37を有している。供給部分31;33内には、フルードモーター27に対する開放機能を有する逆止弁19;21が設けられている。排出部分35;37は、作動室9;11の方向の開放機能を有する逆止弁23;25を有している。両方の主配管の間の接続配管39内には、フルードモーター27が組み込まれている。
【0024】
両方の作動室9;11の間の並列接続部内には圧力制限弁43が設けられている。この圧力制限弁は、定められたある圧力レベルの上で開き、そしてこれによって振動ダンパー1の過負荷を防止する。
【0025】
バランス室15に追加的に、圧力リザーバー45が設けられている。この圧力リザーバーは、一方で接続配管39を介してフルードモーター27と接続されており、そしてフルードモーター27に対して機能的に並列に接続されている。フルードモーター27の入口側の圧力は、圧力リザーバー45内の圧力に比例している。逆止弁19;21とフルードモーター27によって、圧力リザーバー45から圧力フルードが作動室9;11の一方へと直接流出することが防止される。その結果、圧力リザーバー45はピストンロッド7に移動力を及ぼさない。例示的に、圧力リザーバー45はピストン−ピストンロッド構造群の中に配置されている。構造空間の状況と圧力リザーバー45の寸法取りに応じて、ピストンロッド7は管形状に形成され、そしてこれによって圧力リザーバー45をピストンロッド7内に配置することができる。しかしまた、圧力リザーバー45を直接ピストン5内に配置することも可能である。
【0026】
追加的な圧力リザーバー45内の圧力レベルは、バランス室15内の圧力レベルに合わせられている。よって圧力リザーバー45内の静的圧力は、静止したピストンロッドにおいてと、バランス室15の最大利用、つまり最大圧縮の際に発生し、この条件において生じるバランス室15内の作動圧よりも高い。
【0027】
振動ダンパー1の外的刺激に基づくピストンロッド側の作動室9の圧縮の際には、圧力フルードは開かれた逆止弁19を介して供給部分31内へと排除される。同時に供給部分33内の逆止弁21が閉じられるので、両方の作動室9;11の間の直接接続はブロックされる。圧力フルードは供給部分33からフルードモーター27およびリザーバー45へと流れる。刺激が、このように大きな容積流へと通じるので、フルードモーター27のインテーク能力の限界が越えられ、そして過剰の容積がリザーバー45内へと流れる。ピストンロッド動作が遅くなることに基づいて容積流が下がると、圧力リザーバー45内の圧力レベルは再び下がる。これは、圧力フルードが圧力リザーバー45からフルードモーター27へと供給され、そして排出部分37を介してピストンロッドと反対側の作動室11内へと流れ込むことによる。
【0028】
圧力リザーバー45の最大のリザーバー容積に達し、しかしフルードネットワーク17内に臨界圧力が未だ残留していると、並列に接続された圧力制限弁43が開き、そして並列接続部41をリリースする。圧力リザーバー45によって圧力ピークが、フルードネットワーク内で滑らかにされ、そしてこれによってフルードモーター17のより均一な運転が達成される。
【0029】
図2は、図1に対する一つのバリエーションを示す。このバリエーションにおいては、ピストン5の流入方向毎に、またはピストンロッド7の動作方向毎に、ジェネレーター29a;29bと独立した圧力リザーバー45a;45bが接続されている。この場合、二つの完全に独立したフルードネットワーク17a;17bが存在している。これらは、追加的に一つの独立した圧力制限弁43a,43bを有している。この為、フルードネットワーク17a;17bごとに各一つのみの逆止弁23,25が必要とされる。この構造のメリットは、ピストンロッド5の動作方向に依存するフルードモーター27a;27bの機能が達成され、これによって電気的なエネルギーの発生が達成される点にある。
【0030】
図3図1のバリエーションに基づく一つの実施形を示す。フルードネットワーク17内には、2/3方向弁の構造の緊急運転検出弁47が組み込まれている。緊急運転検出弁47は、フルードモーターの前に接続されており、そして緊急運転の際にフルード流を緩衝弁49;51へと供給する。緩衝弁49;51として、一般的に公知の絞り開口部が少なくとも一つのバルブディスクと関連して使用される。この構造は、緊急運転状態においても良好な緩衝特性を可能とする。
【0031】
緊急運転検出弁47は、第一の制御配管53を介して、フルードモーター27へのフルード圧P1に比例する制御圧力でもって駆動される。フルードモーター27における入口側の圧力p1は、正常なフルードモーターにおいて常にフルードモーターの出口圧p2よりも大きい。第二の制御圧は、出口圧―2に比例しており、そして緊急運転検出弁47における第二の制御配管55を介して第一の制御圧に反作用する。図3に表されているように、調整ばね57が、緊急運転検出弁47の通常運転位置1を安定化させる。
【0032】
ピストンロッド側の作動室9の方向のピストン動作の際、圧力フルードは開かれた逆止弁19および供給部分31を通ってフルードモーター27に供給される。入口圧p1は、よってフルードモーター27におよび、追加的な圧力リザーバー45におよび、そして第一の制御配管53を介して緊急運転検出弁47におよんでいる。フルードモーターと追加的な圧力リザーバーが意図したとおり機能するとき、緊急運転検出弁47は前記通常運転位置1に着く。供給部分31;33から出発して緊急運転検出弁47の入口接続部へ至るバイパス配管59は、出口接続部から切り離されている。これによって排除される全ての圧力フルードがフルードモーター27によって、場合によっては追加的な圧力リザーバー45内へと流れる。よって振動ダンパーは、運動エネルギーをジェネレーター29と組合せたフルードモーター27を介して電気的なエネルギーへと変換する。
【0033】
例えばフルードモーター27がブロックされたというような場合が発生すると、入口側の圧力p1は所定のレベルを越えて出口側の圧力p2へと上昇する。差圧p1マイナスp2は、少なくとも比例的に、緊急運転検出弁47に作用する。緊急運転検出弁47は、その後スイッチ位置2を取り、そして緊急運転検出弁47から出発して緩衝弁49に至る第一の流出配管61をリリースする。別の逆止弁63が開き、これによって両方の作動室9;11の間の流れ接続が作り上げられる。緊急運転検出弁47のこのスイッチ位置において、振動ダンパー1は従来のフルード式の振動ダンパーのように機能する。
【0034】
フルードモーター27内部におけるリーク状況のような場合に、フルードモーター27内での圧力降下は通常運転におけるよりも明らかに少ない。その結果、出口側の圧力p2は通常運転におけるよりも比較的大きい。リークに起因して圧力フルードがフルードモーター27から流出するのを防止するために、フルードモーター27の出口側と両方の排出部分35;37の間には、同様に差圧p1マイナスp2に駆動されて、配置されている。より小さな圧力差p1マイナスp2は、緊急運転検出弁47をスイッチ位置3へと動かす。遮断弁65は、小さな差圧p1マイナスp2の結果、遮断位置を取る。逆止弁25を介しての流出はこれによって防止される。圧力フルードは、同様に緩衝弁49を通って流れる。
【0035】
同様の機能は、ピストンロッドと反対の作動室11の圧縮によって達成される。補足的に、緊急運転検出弁47に対して出口側の第二の流出配管67が、第二の緩衝弁51へと案内されることが述べられる。振動ダンパーのこの作動動作が、圧力フルードを逆止弁21を介してフルードネットワーク17内へと流入させ、そして、入口側でフルードモーター27におよぶ。フルードモーターが意図した通り作動し、そして差圧p1マイナスp2が所定の値であるとき、緊急運転検出弁47と遮断弁65は、表されたスイッチ位置を取る。フルードモーター27が、フルード式または機械式にブロックした際には、入口圧p1は、フルードモーター17における出口圧p2よりもはるかに大きい。その結果、緊急運転検出弁47は、スイッチ位置2へと移行する。遮断弁65は、その開かれたスイッチ位置を維持する。全ての圧力フルードは、バイパス配管59を介して緊急運転検出弁47および第二の流出配管67を介して第二の緩衝弁51へと流れる。
【0036】
フルードモーター17内でのリークの場合、緊急運転検出弁47は、スイッチ位置3へ移行し、そして遮断弁65は遮断位置へ移行する。その後、同様に、全ての圧力フルードが緊急運転検出弁47を通り、そして第二の流出配管67を介して更に第二の緩衝弁51を通り逆止弁69を介してピストンロッド側の作動室9へと流れる。
【符号の説明】
【0037】
1 振動ダンパー
3 シリンダー
5 ピストン
7 ピストンロッド
9 ピストンロッド側の作動室
11 ピストンロッドと反対側の作動室
13 ピストンシール
15 バランス室
17 フルードネットワーク
19 逆止弁
21 逆止弁
23 逆止弁
25 逆止弁
27 フルードモーター
29 ジェネレーター
31 供給部分
33 供給部分
35 排出部分
37 排出部分
39 接続配管
41 並列接続部
43 圧力制限弁
45 追加的な圧力リザーバー
47 緊急運転検出弁
49 緩衝弁
51 緩衝弁
53 第一の制御配管
55 第二の制御配管
57 調整ばね
59 バイパス配管
61 第一の流出配管
63 逆止弁
65 遮断弁
67 第二の流出配管
69 逆止弁
図1
図2
図3