【課題を解決するための手段】
【0004】
上記した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、医療用電気リード線であって、先端領域から基端領域へと延在する絶縁性リード線本体と、該絶縁性リード線本体の内部に配置されて基端領域から先端領域へと延在する導体と、該絶縁性リード線本体の上に配置され、かつ導体と電気的に接触している電極と、該電極を少なくとも部分的に覆って配置されている非導電性の繊維状マトリックスであって
エレクトロスピニングされたポリカーボネート系ポリウレタンを含む非導電性の繊維状マトリックスと、を含み、該繊維状マトリックスが0.75μm未満の平均繊維径を有するとともに13μm〜51μmの厚さを有する医療用電気リード線、を提供する。
【0005】
独立請求項
3に記載の発明は、絶縁性リード線本体および該絶縁性リード線本体の上に配置された電極を有する医療用電気リード線を形成する方法であって、該方法は、エレクトロスピニング
法によって非導電性のポリカーボネート系ポリウレタンポリマーを含んでなる繊維状マトリックスを形成するステップと、該繊維状マトリックスを、電極を少なくとも部分的に覆って配置するステップと、を含み、前記繊維状マトリックスは0.75μm未満の平均繊維径を有するとともに13μm〜51μmの厚さを有する、方法、を提供する。
【0007】
本明細書中では、コーティングが施された医療用デバイス、および医療用デバイスをコーティングする方法の様々な実施形態が開示される。
実施例1において、医療用電気リード線は、先端領域から基端領域へと延在する絶縁性リード線本体を備えている。導体は該絶縁性リード線本体の内部に配置されて基端領域から先端領域へと延在する。電極は絶縁性リード線本体の上に配置され、導体と電気的に接触している。該電極を少なくとも部分的に覆って、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロペンコポリマー(PVDF HFP)を含む繊維状マトリックスが配置される。該繊維状マトリックスは約730ナノメートル以下の平均繊維径を有する。
【0008】
実施例2では、実施例1による医療用電気リード線において、繊維状マトリックスは、エレクトロスピニング(電界紡糸)されたポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロペンコポリマー(PVDF HFP)を含んでなる。
【0009】
実施例3では、実施例1または実施例2のいずれかによる医療用電気リード線において、繊維状マトリックスは約0.00254ミリメートル〜約0.254ミリメートルの厚さを有する。
【0010】
実施例4では、絶縁性リード線本体および該絶縁性リード線本体の上に配置された電極を有する医療用電気リード線は、エレクトロスピニング法またはメルトブロー法によって非導電性ポリマーを含む繊維状マトリックスを形成することにより、形成される。該繊維状マトリックスは電極を少なくとも部分的に覆って配置され、約800ナノメートル以下の平均繊維径を有する。
【0011】
実施例5では、実施例4による方法において、繊維状マトリックスは約750ナノメートル以下の平均繊維径を有する。
実施例6では、実施例4または実施例5による方法において、繊維状マトリックスを形成することはポリウレタンのエレクトロスピニングを行うことを含んでなる。
【0012】
実施例7では、実施例6による方法において、エレクトロスピニングを行う前に1〜30重量%のポリウレタンを含んでなるコーティング溶液が調製される。
実施例8では、実施例4または実施例5による方法において、繊維状マトリックスを形成することはポリウレタンのメルトブローを行うことを含んでなる。
【0013】
実施例9では、実施例4または実施例5による方法において、繊維状マトリックスを形成することはポリビニリデンフルオライドのエレクトロスピニングを行うことを含んでなる。
【0014】
実施例10では、実施例9による方法において、エレクトロスピニングを行う前に重量比で10%〜40%のポリビニリデンフルオライドを含んでなるコーティング溶液が調製される。
【0015】
実施例11では、実施例4による方法において、繊維状マトリックスを形成することはポリビニリデンフルオライドのメルトブローを行うことを含んでなる。
実施例12では、実施例4および9〜11のうちいずれかによる方法において、繊維状マトリックスはポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロペンコポリマー(PVDF HFP)を含んでなる。
【0016】
実施例13では、実施例1〜12のうちいずれかによる方法において、繊維状マトリックスを形成することは電極上に繊維状マトリックスを直接形成することを含んでなる。
実施例14では、実施例4〜13のうちいずれかによる方法において、繊維状マトリックスを形成することは、基材上で繊維状マトリックスを形成することと、電極を少なくとも部分的に覆って該繊維状マトリックスを堆積させることとを含んでなる。
【0017】
実施例15では、実施例4〜14のうちいずれかによる方法において、繊維状マトリックスは約0.00254ミリメートル〜約0.254ミリメートルの厚さを有する。
実施例16では、実施例4〜15のうちいずれかによる方法において、繊維状マトリックスは該マトリックスを通して電気生理学的治療法を送達するのに十分な繊維対繊維の間隔を有する。
【0018】
実施例17において、医療用電気リード線は、先端領域から基端領域へと延在する絶縁性リード線本体を備えている。導体は該絶縁性リード線本体の内部に配置されて基端領域から先端領域へと延在する。電極は絶縁性リード線本体の上に配置され、導体と電気的に接触している。該電極を少なくとも部分的に覆って、非導電性ポリマーを含む繊維状マトリックスが配置される。該繊維状マトリックスは約800ナノメートル以下の平均繊維径を有する。
【0019】
実施例18では、実施例17による医療用電気リード線において、繊維状マトリックスは約750ナノメートル以下の平均繊維径を有する。
実施例19では、実施例17または18のいずれかによる医療用電気リード線において、繊維状マトリックスはエレクトロスピニングされたポリウレタンを含んでいる。
【0020】
実施例20では、実施例17〜19のうちいずれかによる医療用電気リード線において、繊維状マトリックスはポリビニリデンフルオライドを含んでいる。
実施例21では、実施例17〜20のうちいずれかによる医療用電気リード線において、繊維状マトリックスはポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロペンコポリマー(PVDF HFP)を含んでいる。
【0021】
実施例22では、実施例17〜21のうちいずれかによる医療用電気リード線において、繊維状マトリックスは約0.00254ミリメートル〜約0.254ミリメートルの厚さを有する。
【0022】
実施例23では、実施例17〜22のうちいずれかによる医療用電気リード線において、繊維状マトリックスは該マトリックスを通して電気生理学的治療法を送達するのに十分な繊維対繊維の間隔を有する。
【0023】
多数の実施形態が開示されるが、当業者には、本発明の実例となる実施形態を示しかつ説明する以下の詳細な説明から、本発明のさらに別の実施形態が明白となるであろう。従って、図面および詳細な説明は当然例示としてみなされるべきであり、限定的なものとみなされるべきではない。